JP2006240578A - 車両用着座判定装置、および車両用空調装置 - Google Patents

車両用着座判定装置、および車両用空調装置 Download PDF

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好則 一志
Koichi Ito
伊藤  公一
Tatsumi Kumada
辰己 熊田
Shinji Naruse
新二 成瀬
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Abstract

【課題】 乗員の着座有無の判定を精度良く行うことが可能になる。
【解決手段】 車両用空調装置において、マトリクスIRセンサ70は、乗員の頭部付近にあたる温度dir1、dir5を非接触で検出する熱電対部Rr1、Rr5と、リアートレー付近にあたる温度dir9を非接触で検出する熱電対部Rr9と、を備えている。エアコンECU8は、{(dir1+dir5)/2}とdir9との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定する(ステップS220)。このため、従来技術の如く圧力センサを用いて着座の有無を判定する場合と異なり、物”を載せただけで、乗員が着座したと誤って判定しまうことはない。
【選択図】 図5

Description

本発明は、車室内にて乗員の有無を判定する車両用着座判定装置、および車両用空調装置に関する。
従来、自動車の車室内の座席に圧力センサを埋め込み、乗員が座席に座るに際して、圧力センサにより乗員からの圧力を検出して、乗員が座席に着座したか否か判定する車両用着座判定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−121940号公報
ところで、上述の如く、圧力センサの圧力検出を用いて乗員の着座を判定する場合には、座席に上に乗員ではなく、“物”を載せただけで、乗員が着座したと誤って判定しまう可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、乗員の着座有無の判定を精度良く行うことを可能とする車両用着座判定装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、乗員の着座有無の判定結果を用いて、車室内の空調を良好に行う車両用空調装置を提供することを第2の目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
車室内で乗員が通常着座する着座部位にあたる第1の温度を非接触で検出する第1の非接触温度検出手段(Rr3…Rr8)と、
前記着座部位よりも前記乗員が着座する頻度の低い部位にあたる第2の温度を非接触で検出する第2の非接触温度検出手段(Rr10…Rr12)と、
前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、前記着座部位に乗員が着座しているか否かを判定する判定手段(S220)と、
を備えていることを特徴とする。
ここで、着座部に乗員が着座しているときには第1、第2の温度の間に差が生じる。したがって、請求項1に記載の発明のように、第1、第2の温度の温度差を用いて、着座部位に乗員が着座しているか否かを判定すれば、座席に上に“物”を載せただけでは、乗員が着座したと誤って判定しまうことを未然に防止することができる。このため、乗員の着座有無の判定を精度良く行うことが可能になる。
請求項2に記載の発明では、
車室内で乗員の頭部付近にあたる第1の温度を非接触で検出する第1の非接触温度検出手段(Rr1、Rr2)と、
車室内でリアートレー付近にあたる第2の温度を非接触で検出する第2の非接触温度検出手段(Rr9)と、
前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定する判定手段(S220)と、
を備えていることを特徴とする。
ここで、着座部に乗員が着座しているときには第1、第2の温度の間に差が生じる。したがって、請求項1に記載の発明のように、第1、第2の温度の温度差を用いて、着座部位に乗員が着座しているか否かを判定すれば、座席に上に“物”を載せただけでは、乗員が着座したと誤って判定しまうことを未然に防止することができる。このため、乗員の着座有無の判定を精度良く行うことが可能になる。
ここで、請求項3に記載の発明によれば、請求項に記載の発明において、
車室内で乗員が通常着座する着座部位にあたる第3の温度を非接触で検出する第3の非接触温度検出手段(Rr3…Rr8)と、
前記着座部位よりも前記乗員が着座する頻度の低い部位にあたる第4の温度を非接触で検出する第4の非接触温度検出手段(Rr10…Rr12)と、を備えており、
前記判定手段は、夏期にて、前記第3の温度と前記第4の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定し、冬期には、前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定することを特徴とする。
先ず、冬期では、リアートレー付近は、冷輻射により温度が低下されるので、乗員頭部付近の温度とリアートレー付近の温度との温度差が大きくなる。したがって、冬期には、着座の判定精度を向上することができる。
一方、上述の如く、「着座部」と「乗員が着座する頻度の低い部位」との温度差を用いる場合には、冬期以外の季節(特に夏期)の方が判定精度を向上させることができる。
これは、「乗員が着座する頻度の低い部位」に乗員が着座していなければ、冬期以外の季節(特に夏期)では、「乗員が着座する頻度の低い部位」の表面温度が空調風により低下するため、「着座部」と「乗員が着座する頻度の低い部位」との温度差が大きくなる。したがって、冬期以外の季節(特に夏期)では、着座の判定精度を向上することができる。
そこで、請求項3に記載の発明のように、季節により着座の判定処理を切り替えれば、一年を通して判定精度を向上させることが可能になる。
但し、「リアートレー」は、車室内において後部座席の後方に配置されてリアウインドウの下側に配置される棚のことである。
また、請求項4に記載の発明では、
前記第1の非接触温度検出手段は、三箇所以上の部位について前記第1の温度をそれぞれ検出するものであり、
さらに、前記第2の非接触温度検出手段は、三箇所以上の部位について前記第2の温度をそれぞれ検出するものであり、
前記三箇所以上の部位のうち、二箇所以上の部位について前記第1、2の温度の温度差が生じる場合には、前記判定手段によって乗員が着座していると判定すれば、乗員の着座の判定を精度良く行うことができる。
請求項5に記載の発明では、
請求項1ないし4に記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
前記空調風の目標吹出温度を前記空調ゾーン毎に設定し、かつ前記空調ゾーン毎にそれぞれ独立して実際の空調風の吹出温度を前記目標吹出温度に近づけるように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えており、
前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの目標吹出温度を他方の空調ゾーンの目標吹出温度に合わせるように補正することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、「乗員が着座していない一方の空調ゾーン」は、他の空調ゾーンに合わせて空調が行われるため、他の空調ゾーンでは、一方の空調ゾーンから悪影響を受けることなく、良好に、空調が行われる。このため、他の空調ゾーンの乗員が在席している場合には、その乗員に空調による快適感を与えることができる。
更に、請求項6に記載の発明のように、制御手段は、前記一方の空調ゾーンの目標風量を前記他方の空調ゾーンの目標風量に合わせるように設定してもよく、請求項7に記載の発明のように、制御手段は、前記一方の空調ゾーンの吹出モードを前記他方の空調ゾーンの吹出モードに合わせるように設定してもよい。
但し、「吹出モード」とは、前記空調手段に設けられる複数の吹出口のうち、実際に空調風を吹き出す吹出口を設定するためのモードである。
なお、請求項6に記載の発明では、
請求項1ないし4に記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
前記空調手段から吹き出す空調風の送風量を前記空調ゾーン毎に制御する制御手段(8)と、を備えており、
前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンに吹き出す送風量を他方の空調ゾーンに吹き出す送風量に合わせるように補正することを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明によれば、
請求項1ないし4に記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
前記空調手段から吹き出す空調風の吹出モードを前記空調ゾーン毎に設定し、かつ前記設定された吹出モードでそれぞれ空調風を前記空調ゾーン毎に吹き出すように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えており、
前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの吹出モードを他方の空調ゾーンの吹出モードに合わせるように補正することを特徴とする。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。図1ないし図2は本発明に係る車両用着座判定装置が適用される車両用空調装置の第1実施形態を示したものである。本第1実施形態は、車室内1のうち前席側の左右、および後席側の左右に位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する。
図1は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの配置を示す模式図であり、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側(運転席側)に位置し、空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側(助手席側)に位置する。空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側に位置する。なお、図1中の矢印は、自動車の前後左右の方向を示すものである。
図2は、本第1実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図であり、この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bのそれぞれの空調状態(例えば、空気温度)を独立して調整するための前席用空調ユニット5と、空調ゾーン1c、1dのそれぞれの空調状態を独立して調整するための後席用空調ユニット6とから構成されている。前席用空調ユニット5は、計器盤7内側に配置されており、後席用空調ユニット6は、車室内1の最後方に配置されている。
前席用空調ユニット5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えており、このダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ510aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられており、遠心式送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ52aを有して構成されている。なお、図2において、この羽根車は図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車を使用している。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、ダクト50内を運転席側通路50cおよび助手席側通路50dに仕切っている。
運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
また、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられており、エアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51aを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51bを通る量との比を調整する。
なお、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ、調整される。
エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。なお、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
運転席側通路50cのうちヒータコア54の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口2aが開口されており、運転席側フェイス吹出口2aは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
さらに、運転席側通路50cのうち運転席側フェイス吹出口2aの空気上流部には、運転席側フェイス吹出口2aを開口する吹出口切替ドア56aが設けられている。
また、図には省略されているが、運転席側通路50cには、運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。そして、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、図には省略されているが、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられている。そして、これら、運転席側の各吹出口切替ドアは、運転席側のサーボモータ560aにより連動して開閉駆動される。
助手席側通路50dのうちヒータコア54の空気下流側には、助手席フェイス吹出口2bが開口されており、助手席側フェイス吹出口2bは、助手席側通路50dから助手席に着座する助手席乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。
さらに、助手席側通路50dのうち助手席側フェイス吹出口2bの空気上流部には、助手席側フェイス吹出口2bを開口する吹出口切替ドア56bが設けられている。
また、図には省略されているが、助手席側通路50dには、助手席側通路50dから助手席乗員の下半身に空気を吹き出す助手席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち助手席側領域に空気を吹き出す助手席側デフロスタ吹出口が設けられている。そして、助手席側フット吹出口および助手席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、図には省略されているが、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられている。そして、これら、助手席側の各吹出口切替ドアは、助手席側のサーボモータ560bにより連動して開閉駆動される。
後席用空調ユニット6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えている。このダクト60内の最上流部には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみを導入する内気導入ダクト60bが接続されている。
内気導入ダクト60bの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられている。遠心式送風機62は、遠心式羽根車およびこの羽根車を回転させるブロワモータ62aにより構成されている。なお、この羽根車も図2において、上記と同様、図の簡略化のため軸流式羽根車を示しているが、実際は遠心式の羽根車が使用されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67により、ダクト60内の空気通路を車両左右両側の2つの通路、すなわち、後席右側通路(後席運転席側通路)60cと後席左側通路(後席助手席側通路)60dとに仕切っている。
後席右側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、後席左側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア64の空気上流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられており、エアミックスドア65aは、その開度により、後席右側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量とバイパス通路61aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア65bは、その開度により、後席左側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量と、バイパス通路61bを通る量との比を調整する。
そして、エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ、調整される。
エバポレータ63は、上述のエバポレータ53に対して並列的に配管結合されるものであって、上述した周知の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。
また、ヒータコア64は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、後席右側フェイス吹出口2cが開口されており、後席右側フェイス吹出口2cは、後席右側通路60cから後席の右側(すなわち、運転席の後側)に着座する乗員(以下、後席右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、後席右側フェイス吹出口2cの空気上流部には、後席右側フェイス吹出口2cを開閉する吹出口切替ドア66aが設けられており、この吹出口切替ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
そして、図には、省略されているが、ダクト60には、後席右側通路60cから後席右側乗員の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口が設けられている。
また、当該運転席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、この吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、後席左側フェイス吹出口2dが開口されており、この後席左側フェイス吹出口2dは、後席左側通路60dから後席の左側(すなわち、助手席の後側)に着座する乗員(以下、後席左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、後席左側フェイス吹出口2dの空気上流部には、後席左側フェイス吹出口2dを開閉する吹出口切替ドア66bが設けられており、この吹出口切替ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト60には、後席左側通路60dから後席左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、この吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
エアコンECU8には、外気温度センサ81、冷却水温度センサ82、日射センサ83、内気温度センサ84、85および蒸発器温度センサ86、87が接続されている。
外気温度センサ81は、車室外温度Tamdispを検出してその検出温度を示す外気温度信号をエアコンECU8に出力する。冷却水温度センサ82は、エンジンの冷却水(すなわち温水)Twの温度を検出しその検出温度を示す冷却水温度信号をエアコンECU8に出力する。
日射センサ83は、フロントウインドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された周知の2素子(2D)タイプの日射センサであり、車室内の運転席側空調ゾーン1aに入射される日射量TsDrと助手席側空調ゾーン1bに入射される日射量TsPaとを検出し、それら検出した各日射量を示す日射量信号をエアコンECU8に出力する。
内気温度センサ84は、車室内の空調ゾーン1a、1b(前席側空調領域)の空気温度TrFrを検出しその検出温度を示す内気温度信号をエアコンECU8に出力する。内気温度センサ85は、車室内の空調ゾーン1c、1d(後席側空調領域)の空気温度TrRrを検出しその検出温度を示す内気温度信号をエアコンECU8に出力する。
なお、内気温度センサ84、85としては、例えば、サーミスタが用いられている。
蒸発器温度センサ86は、エバポレータ53の吹出空気温度TeFrを検出しその検出温度を示す蒸発器吹出温度信号をエアコンECU8に出力するもので、蒸発器温度センサ87は、エバポレータ63の吹出空気温度TeRrを検出しその検出温度を示す蒸発器吹出温度信号をエアコンECU8に出力する。
また、エアコンECU8には、空調ゾーン1a、1b、1c、1dのそれぞれの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12が接続されている。なお、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
また、エアコンECU8には、空調ゾーン1c、1d(すなわち、後席側空調領域)の表面温度を検出するための非接触温度センサとしてのマトリクス赤外線温度(IR)センサ70が接続されている。
マトリクスIRセンサ70は、図3に示すように、車室内の天井中央部にて車両後方に向けて配置されている。このことにより、マトリクスIRセンサ70は、後側助手席、後側中間席、リアートレーRtなどを含む被検温範囲の表面温度を検出することになる
マトリクスIRセンサ70としては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子が用いられている。以下、マトリクスIRセンサ70の具体的な構成について図4、図5を用いて説明する。
図4は、マトリクスIRセンサ70の概略構造を示す図であり、図5は、マトリクスIRセンサ70の被検温範囲を示す図である。
マトリクスIRセンサ70は、図4に示すように、検知部71を有しており、検知部71は、基板71a、この基板71a上に設置されるセンサチップ72、および、このセンサチップ72を覆うように配設される赤外線吸収膜73を備えている。検知部71は、カップ状の金属製ケース71cによって覆われており、ケース71cの底部には、四角形の窓71dがあけられ、この窓71dにはシリコン製のレンズ71eが填め込まれている。また、赤外線吸収膜73は、空調ゾーン1c、1dの各検温対象物からレンズ71eを通して入射される赤外線を吸収して熱に変換する役割を果たす。
センサチップ72は、台座72a上に12個の熱電対部Rr1〜Rr12が配列されている。これらの熱電対部Rr1〜Rr12は、それぞれ、赤外線吸収膜73で発生される熱を電圧(電気エネルギー)に変換する温度検出素子である。
具体的には、熱電対部Rr1〜Rr8は、2×4のマトリックス状に配置されて、後側左席(後側助手席)に対向するものあっで、後側左席側からから入射される赤外線に基づいて、対象となる被検温対象の表面温度を電圧として検出することになる。
また、熱電対部Rr9〜Rr12は、縦4列に配置されて、後側中間部(これは、後側左席および後側右席の間の席のことである)に対向するものあっで、後側中間部から入射される赤外線に基づいて、対象となる被検温対象の表面温度を電圧として検出することになる。なお、以下、熱電対部Rr1〜Rr12の検出温度をそれぞれdir1〜dir12という。
一方、エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、マトリクスIRセンサ70、日射センサ83、各温度センサ81、82、84、85、86、87および温度設定スイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。さらに、エアコンECU8には車速センサからの車速情報が入力されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、上記構成において本第1実施形態の作動を図6〜図11に基づいて説明する。
先ず、エアコンECU8は、電源が投入されると、メモリに記憶された制御プログラム(コンピュータプログラム)がスタートして、図6に示すフローチャートにしたがって空調制御処理を実行する。なお、以下では、前席空調処理および後席空調処理を分けて図6を参照して説明する。図6は各空調処理の内容を示している。
(前席空調処理)
この場合、温度設定スイッチ9、10から設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPaを読み込むとともに(ステップS121)、外気温センサ81及び日射センサ83から外気温度信号(Tamdisp)、日射量信号(TsDr、TsPa)を読み込むとともに、内気温度センサ84から内気温度(TrFr)を読み込む(ステップS122)。
そして、設定温度TsetFrDr、外気温Tamdisp、日射量TsDr、内気温TrFrを数式1に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrDrを算出する(ステップS123)。この目標吹出温度TAOFrDrは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、前席運転席側空調ゾーン1aの温度を設定温度TsetFrDrに維持するために必要な目標温度である。
TAOFrDr=FrKset×TsetFrDr−FrKr×TrFr
−FrKam×Tamdisp−FrKs×TsDr
+FrC・・・(数式1)
ここで、FrKsetは前席運転席用温度設定ゲイン、FrKrは前席用内気温ゲイン、FrKamは前席運転席用外気温ゲイン、FrKsは前席運転席用日射ゲイン、FrCは前席用補正数である。
次に、外気温Tamdisp、設定温度信号TsetFrPa、日射量TsPa、内気温度TrFrを数式2に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOFrPaを算出する(ステップS123)。この目標吹出温度TAOFrPaは、前席助手席側空調ゾーン1bの温度を設定温度TsetFrPaに維持するために必要な目標温度である。
TAOFrPa=FrKset×TsetFrPa−FrKr×TrFr
−FrKam×Tamdisp−FrKs×TsPa
+FrC・・・(数式2)
ここで、FrKsetPaは前席助手席用温度設定ゲイン、FrKrは前席用内気温ゲイン、FrKamは外気温ゲイン、FrKsは日射ゲイン、FrCは前席用補正数である。
続いて、TAOFrPa、TAOFrDrを算出すると、TAOFrPa、TAOFrDrの平均値(以下、前席用目標平均値という)に基づいて、図9の制御マップにより、車室内への導入空気のうち内気(或いは外気)の占める内気導入比率(%)を決定するための内外気切替モードとして決定する(図6中のステップS124)。
具体的には、図7に示すように、TAOFrPa、TAOFrDrの平均値(図9中のTAOに相当する)が所定温度以下となる最大冷房域では、内気導入比率(%)=100%となり、内外気切替ドア51により内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する内気モードを選択し、TAOFrPa、TAOFrDrの平均値が所定温度より高くなる最大暖房域では、内気導入比率(%)=0%となり、内外気切替ドア50により外気導入口50bを全開し、内気導入口50aを全閉する外気モードを選択する。そして、最大冷房域および最大暖房域の間では、0%<内気導入比率(%)<100%となり、導入口50a、50bからそれぞれの内気導入比率に応じて空気を導入する。
次に、図8により吹出口モードを前席側空調ゾーン1a、1bに対して個別に決定する(ステップS125)。図8は、予めROMに記憶されている吹出口モード決定の制御マップであって、本例では、TAOFrDr(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1aの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。また、TAOFrPa(図8中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1bの吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替えるようになっている。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
たとえば、フェイスモードでは、吹出口切替ドア56a(56b)にてフェイス吹出口2a(2b)を開口し、フェイス吹出口2a(2b)のみから空調風が車室内の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードでは、吹出口切替ドア56a(56b)にてフェイス吹出口2a(2b)およびフット吹出口(図示せず)を開口し、空調風がフェイス吹出口2a(2b)およびフット吹出口から車室内の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードでは、吹出口切替ドア(図示せず)にてフット吹出口を全開し、フット吹出口から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出す。
このように、空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切替ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切替ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、上述の目標吹出温度TAOFrPa、TAOFrDrの平均値に基づいて、送風機モータ52aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS126)。このブロワ電圧としては、送風機52の風量を制御するためのもので、TAOFrPa、TAOFrDrの平均値に基づいて、予めROM内に記憶された図11の制御マップにしたがって決定されるものである。
図9の制御マップにおいて、図9中のTAOがTAOFrPa、TAOFrDrの平均値に相当し、この平均値(=TAO)が中間領域内にあるときには、ブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が一定値となり、TAOが中間領域より大きい場合にはこのTAOが大きくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が大きくなる。また、TAOが中間領域より小さい場合にはTAOが小さくなるほどブロワ電圧(すなわち送風機52の風量)が小さくなる。このようにして、ブロワ電圧が決定される。
次に、エアミックスドア55a、55bの目標開度θ1、θ2を次の数式3、4によって算出する(ステップS127)。なお、TeFrは蒸発器温度センサ86により検出される蒸発器吹出温度であり、Twは冷却水温度センサ82により検出される冷却水温度である。
θ1={(TAOFrDr−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%)・・・(数式3)
θ2={(TAOFrPa−TeFr)/(Tw−TeFr)}×100(%)・・・(数式4)
以上のように決定したブロワ電圧、目標開度θ1、θ2、内外気切替モード、吹出口モードのそれぞれを示す各制御信号をサーボモータ510a、550a、550b、560a、560bおよび送風機モータ52a等に出力して内外気切替ドア51、エアミックスドア55a、55b、吹出口切替ドア56a、56b、送風機52の各作動を制御する(ステップS128)。
その後、ステップS129で一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121〜S129)が繰り返される。このような演算、処理の繰り返しによって前席空調ゾーン1a、1bの空調が自動的に制御されることになる。
(後席空調処理)
この場合、温度設定スイッチ11、12によって設定される設定温度TsetRrDr、TsetRrPaを読み込む(ステップS121)。さらに、内気温度センサ85により検出される内気温度RrTrを読み込む(ステップS122)。
次に、設定温度TsetRrDr、TsetRrPa、内気温度TrRrに基づいて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaを算出する(ステップS123)。以下、TAOBRrDr、TAOBRrPaの算出について図10を参照して説明する。なお、図10は図6中のステップS123の処理の詳細を示すフローチャートであり、図11は図10中のステップS220の処理を示す図である。
先ず、TsetRrDr、TrRrを数式5に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAORrDrを算出する(ステップS200)。
この目標吹出温度TAORrDrは、車両環境条件(空調熱負荷条件)の変動にかかわらず、後席右側空調ゾーン1cの温度を設定温度TsetRrDrに維持するために必要な目標温度である。
TAORrDr=7×TsetRrDr−3×RrTr
−40・・・(数式6)
ここで、「7」は後席用温度設定ゲイン、「3」は後席用内気温ゲイン、「40」は後席用補正数である。
次に、TsetRrPa、TrRrを数式7に代入して、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAORrPaを算出する(ステップS210)。
この目標吹出温度TAORrPaは、後席左側空調ゾーン1dの温度を設定温度TsetRrPaに維持するために必要な目標温度である。
TAORrPa=7×TsetRrPa−3×RrTr
−40・・・(数式7)
ここで、「7」は後席用温度設定ゲイン、「3」は後席用内気温ゲイン、「40」は後席側用補正数である。
次に、マトリクスIRセンサ70の検出温度に基づいて、後側左席(後席空調ゾーン1d)に乗員が着座しているか否かを判定する(ステップS220)。すなわち、乗員の頭部付近の表面温度とリアートレーRtの表面温度との温度差に基づいて乗員が着座しているか否かを判定する。
ここで、熱電対部Rr1、Rr2により乗員の頭部付近の表面温度を検出しており、熱電対部Rr9によりリアートレーRtの表面温度を検出している。そこで、熱電対部Rr1、Rr2、Rr9の検出温度dir1、dir2、dir9を数式8に代入して、温度差ΔTを算出して乗員の着座の有無を判定する。
ΔT={(dir1+dir2)/2−dir9}・・・(数式8)
ここで、温度差ΔTが3度以上のときには(ΔT≧3)、乗員が着座しているとしてYESと判定する一方、温度差ΔTが3度未満のときには(ΔT<3)、乗員が着座していないとしてNoと判定する。
そして、乗員が着座していると判定された場合には、後席空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaとして、TAORrDr、TAORrPaを用いる(TAOBRrDr=TAORrDr、TAOBRrPa=TAORrPa)。このことにより、後席左側空調ゾーン1c、1dのそれぞれに対して目標吹出温度が個別に設定されることになる。
一方、乗員が着座していないと判定された場合には、後席左側空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaとして、TAORrDr、TAORrDrを用いる(TAOBRrDr=TAORrDr、TAOBRrPa=TAORrDr)。このことにより、後席空調ゾーン1c、1dのそれぞれに対して同一の目標吹出温度が設定されることになる。
次に、内外気モードの決定処理(ステップS124)を実行せずに(これは、後席空調では外気モードが設定されていないため)、吹出口モードの決定処理(ステップS125)を実行する。この吹出口モードの決定処理では、TAOBRrDr、TAOBRrPaに基づき、図7により吹出口モードを空調ゾーン1c、1dに対して個別に決定する。
具体的には、空調ゾーン1cの吹出口モードとしては、図7中のTAOをTAOBRrDrとし、このTAOBRrDrが上昇するにつれて吹出口モードをフェイス(FACE)モード→バイレベル(B/L)モード→フット(FOOT)モードと順次自動的に切り替える。また、空調ゾーン1dの吹出口モードとしては、図8中のTAOをTAOBRrPaとし、このTAOBRrPaが上昇するにつれて吹出口モードをフェイスモード→バイレベルモード→フットモードと順次自動的に切り替える。
ここで、フェイスモードでは、吹出口切替ドア66a(66b)にてフェイス吹出口2c(2d)を開口し、フェイス吹出口2c(2d)のみから空調風が車室内の乗員上半身側へ吹き出す。バイレベルモードは、吹出口切替ドア66a(66b)にてフェイス吹出口2c(2d)およびフット吹出口(図示せず)を開口し、空調風がフェイス吹出口2c(2d)およびフット吹出口から車室内の乗員上半身側および乗員下半身側へ同時に吹き出す。フットモードは、吹出口切替ドア(図示せず)にてフット吹出口を全開し、フット吹出口から主に空調風が車室内の乗員下半身側へ吹き出す。
次に、上述の目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaの平均値(以下、後席用目標平均値という)を求め、この後席用目標平均値に基づき、図9の制御マップにしたがって、送風機モータ52aの場合と同様、送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS126)。
次に、エアミックスドア65a、65bの目標開度θ3、θ4を次の数式9、10によって算出する(ステップS127)。なお、TeRrは蒸発器温度センサ87により検出される蒸発器温度であり、Twは冷却水温度センサ82により冷却水温度である。
θ3={(TAORrDr−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%) ・・・(数式9)
θ4={(RrTAOPa−TeRr)/(Tw−TeRr)}×100(%) ・・・(数式10)
以上のように決定したブロワ電圧、目標開度θ3、θ4、内外気切替モード、吹出モードのそれぞれを示す各制御信号を送風機モータ62aおよびサーボモータ650a、650b、660a、660b等に出力して送風機62、エアミックスドア65a、65b、吹出口切替ドア66a、66bの作動を制御する(ステップS128)。
その後、ステップS129で一定期間経過すると、ステップS121の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS121、S122、S123、S125〜S129)が繰り返される。このような処理の繰り返しによって後席空調ゾーン1c、1dの空調状態が自動的に制御されることになる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
すなわち、本実施形態の車両用空調装置において、マトリクスIRセンサ70は、車室内の後席空調ゾーン1dで乗員の頭部付近にあたる温度dir1、dir2を非接触で検出する熱電対部Rr1、Rr2と、車室内でリアートレー付近にあたる温度dir9を非接触で検出する熱電対部Rr9とを備えている。
ここで、乗員が不在であれば、温度dir1、dir2としてヘッドレスト付近の表面温度を検出する一方、乗員が着座していれば、温度dir1、dir2として乗員頭部の表面温度(通常33℃)を検出する。そして、リアートレー付近が日射により暖められている場合を除き、リアートレー付近に比べて乗員頭部の方が高くなる。
そこで、エアコンECU8は、{(dir1+dir2)/2}とdir9との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定する(ステップS220)。このため、従来技術の如く圧力センサを用いて着座の有無を判定する場合と異なり、物”を載せただけで、乗員が着座したと誤って判定しまうことはない。したがって、乗員の着座有無の判定を精度良く行うことが可能になる。
特に、冬期では、リアートレー付近は、冷輻射により冷やされるので、乗員頭部とリアートレー付近との温度差が大きくなるので、判定精度を、より一層、高くすることができる。
また、本実施形態では、後席空調ゾーン1dにて乗員が着座していると判定したときには、後席空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaをそれぞれ独立に設定する。一方、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、後席左側空調ゾーン1dの目標吹出温度を補正して後席左側空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度を同一になるように設定する。
したがって、後席左側空調ゾーン1c、1dはそれぞれ同一状態に空調制御される。換言すれば、「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」に合わせて、後席左側空調ゾーン1dが空調制御されることになる。よって、後席左側空調ゾーン1cは、隣接する後席左側空調ゾーン1dから外乱を受けることなく、良好に空調制御され得る。
なお、上述の第1実施形態では、後席空調ゾーン1dにて乗員が着座しているか否かについて判定した例について説明したが、これに代えて、後席空調ゾーン1c、1dのそれぞれについて乗員が着座しているか否かについて判定してもよい。
なお、上述の第1実施形態では、乗員が着座しているか否かについて判定するに際して、乗員頭部付近にあたる温度として「dir1+dir2」/2を用いた例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
すなわち、乗員頭部について3箇所以上の部位の温度を検出し、かつリアートレー付近についても3箇所以上の部位の温度を検出する。さらに、リアートレー、乗員頭部において、二箇所以上の部位について3度以上の温度差ΔTが生じる場合には、乗員が着座していると判定する一方、「3度以上の温度差ΔTが生じる部位」が、二箇所未満の場合には、乗員が着座していないと判定する。
以下、上記実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、請求項2に記載の温度dir1、dir2が、「車室内で乗員の頭部付近にあたる第1の温度」に相当し、熱電対部Rr1、Rr2が請求項2に記載の「第1の非接触温度検出手段」に相当し、温度dir9が請求項2に記載の「リアートレー付近にあたる第2の温度」に相当し、熱電対部Rr9が請求項2に記載の「第2の非接触温度検出手段」に相当し、ステップS220の制御処理が「前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定する判定手段」に相当する。
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、乗員頭部付近にあたる温度とリアートレー付近にあたる温度との温度を用いて乗員が着座しているか否かを判定する例について説明したが、本第2実施形態では、これに代えて、「通常着座部位」と「着座頻度の低い位置」との温度差を用いて乗員が着座しているか否かを判定する。
この場合の着座判定処理について図12を参照して説明する。図12は、ステップS220Aの制御処理を示す図であり、ステップS220Aは、上述の第1実施形態の図10のフローチャートにおいてステップS220に代えて用いられる。
先ず、本実施形態では、熱電対部Rr3〜Rr8、Rr10〜Rr12により検出される温度dir3〜dir8、dir10〜dir12がdir1、dir2、dir9に代えて用いられる。
ここで、温度dir3〜dir8は、通常着座部位として「後部左側座席」にあたる表面温度であり、dir10〜dir12は、「後部左側座席」および「後部右側座席」の間の中間座席にあたる表面温度である。
具体的には、dir3、dir4は後席空調ゾーン1dにて乗員の胸部付近にあたる温度であり、dir5、dir6は後席空調ゾーン1dにて乗員の腰部付近にあたる温度であり、dir7、dir8は後席空調ゾーン1dにて乗員の太股付近にあたる温度である。
またdir10は、熱電対部Rr4に対して右側部分の検出温度であり、dir11は、熱電対部Rr6に対して右側部分の検出温度であり、dir12は、熱電対部Rr8に対して右側部分の検出温度である。
以上のようなdir3〜dir8、dir10〜dir12を用いて(数式11)〜(数式13)の関係式が成立するか否かを判定する。
{(dir3+dir4)/2}−(dir10)≧2・・・(数式11)
{(dir5+dir6)/2}−(dir11)≧2・・・(数式12)
{(dir7+dir8)/2}−(dir12)≧2・・・(数式13)
ここで、乗員の胸部付近、腰部付近、太股付近のうち二つ以上の部分がその右側の中間座席にあたる表面温度よりも2℃以上高い場合には、(数式11)〜(数式13)のうち二つ以上の関係式が成り立つ。この場合、後席空調ゾーン1dにて乗員が着座しているとしてステップS220AでYESと判定する。また、(数式11)〜(数式13)のうち成立する関係式が1つ未満である場合には、乗員不在としてステップS220AでNoと判定する。
以上説明したように実施形態によれば、乗員表面温度として胸、腰、太股といった三箇所以上の部位の表面温度を検出し、中間座席として三箇所以上の部位の表面温度を検出する。そして、乗員表面温度、中間座席において、二箇所以上の部位について2℃以上の温度差が生じているときには、乗員が着座していると判定する。したがって、乗員が着座しているか否かの判定をより正確に行うことができる。
以下、上記実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、温度dir3〜温度dir8が、請求項1に記載の「車室内で乗員が通常着座する着座部位にあたる第1の温度」に相当し、熱電対部Rr3〜Rr8が請求項1に記載の「第1の非接触温度検出手段」に相当し、ステップSS220の制御処理が請求項1に記載の「前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、前記着座部位に乗員が着座しているか否かを判定する判定手段」に相当する。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、上述の第1、2実施形態のステップS220、S220Aを組み合わせて乗員の着座の有無を判定する。この場合の着座判定処理について図13を参照して説明する。図13は、ステップS220Cの制御処理を示す図であり、ステップS220Cは、上述の第1実施形態の図10のフローチャートにおいてステップS220に代えて用いられる。
先ず、ステップS221において外気温度センサ81による検出外温度Tamdispが10℃以下か否かを判定する。一方、検出外気温度Tamdispが10℃以下のとき冬期であるとしてYESとステップS220に移行する。また、検出外気温度Tamdispが10℃以上のとき冬期以外の季節(夏、秋、春)であるとしてNOとステップS220Aに移行する。以上のように、冬期および冬期以外の季節とで、着座判定処理を切り替えることになる。
例えば、冬期では、リアートレーの表面温度が冷輻射により低下されるので、リアートレーの表面温度と乗員頭部温度と温度差が大きくなり、ステップS220にて着座判定を精度良く行うことができる。一方、冬期以外の季節では座席の表面温度が空調風(冷風)により冷やされるので、座席表面と乗員表面温度との温度差が大きくなるので、ステップS220Aにて着座判定を精度良く行うことができる。
上述の第3実施形態では、外気温度Tamdispを用いて冬期か冬期以外の季節かを判定する例について説明したが、これに代えて、カレンダー情報を予め記憶しておき、このカレンダー情報に基づいて冬期か冬期以外の季節かを判定するようにしてもよい。
以下、上記第3実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、ステップS221の判定処理が、請求項3に記載の「夏期にて、前記第3の温度と前記第4の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定し、冬期には、前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定すること」に相当する。
(第4実施形態)
上述の第1実施形態では、内気温TrRrを用いて目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを算出する例について説明したが、これに代えて、本第4実施形態では、車室外温度Tamdisp、日射量TsDr、TsPaを用いて目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを算出する。この場合の目標吹出温度の算出処理について図14を用いて説明する。なお、図14は、ステップS220〜S240の処理を示す図であって、図10中のフローチャートのうちステップS220〜S240に代えて用いられる。
先ず、ステップS220において後席空調ゾーン1dにて乗員が着座しているか否かを判定する。乗員が着座しているときYesと判定して、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを個別に設定する(ステップS230)。
具体的には、希望温度TsetRrDr、TsetRrPa、車室外温度Tamdisp、内気温TrRr、日射量TsDr、TsPaを数式14、数式15に代入して目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを算出する。
TAORrDr=7×TsetRrDr−3×TrRr−1.5×TsDr
−1.1×Tamdisp−40・・・(数式14)
TAORrPa=7×TsetRrPa−3×TrRr−1.5×TsPa
−1.1×Tamdisp−40・・・(数式15)
一方、ステップS220において後席空調ゾーン1dにて乗員が不在である場合にはNoと判定して、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを同一の目標吹出温度に設定する(ステップS240)。
この場合、数式16、数式17で目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaを算出する。
TAORrDr=7×TsetRrDr−3×TrRr−1.5×TsDr
−1.1×Tamdisp−40・・・(数式16)
TAORrPa=7×TsetRrDr−3×TrRr−1.5×TsDr
−1.1×Tamdisp−40・・・(数式17)
この場合、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、後席左側空調ゾーン1dの目標吹出温度を補正して後席左側空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度を同一になるように設定する。したがって、後席左側空調ゾーン1dの目標吹出温度が、「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の目標吹出温度に合わさせるように補正されることになる。
したがって、後席左側空調ゾーン1dの空調状態が、「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の空調状態に合わさせるように補正されることになる。よって、後席左側空調ゾーン1cは、隣接する後席左側空調ゾーン1dから外乱を受けることなく、良好に空調制御され得る。
以下、上記第4実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、「後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、後席左側空調ゾーン1dの目標吹出温度を補正して後席左側空調ゾーン1c、1dのそれぞれの目標吹出温度を同一になるように設定する。」が請求項5に記載の「前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの目標吹出温度を他方の空調ゾーンの目標吹出温度に合わせるように補正すること」に相当する。
(第5実施形態)
上述の第1実施形態では、着座の有無に関係なく、目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaの平均値(すなわち、後席用目標平均値)に基づき送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する例について説明したが、これに代えて、本第5実施形態では、ブロワ電圧を決定するに際して着座の有無に応じて目標吹出温度を切り替える。
この場合のブロワ電圧の決定処理について図15を用いて説明する。図15は、図6中のステップS126に相当するステップの処理を示す図である。
先ず、後席空調ゾーン1dにて乗員が着座している場合にはステップS220においてYesと判定してステップ1261に移行する。この場合、数式6、数式7で算出されるTAORrDr、TAORrPaの平均値{(TAORrDr+TAORrPa)/2}を算出し、その平均値に基づいて図9の制御マップにしたがって、送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS1261)。
一方、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在である場合にはステップS220においてNoと判定してステップ1262に移行する。この場合、数式6で算出されるTAORrDrに基づいて図9の制御マップにしたがって、送風機モータ62aに印加するブロワ電圧を決定する(ステップS1261)。
したがって、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の送風量(ブロワ電圧)に合わせて、後席左側空調ゾーン1dのブロワ電圧、ひいては送風機モータ62aの送風量が制御されることになる。よって、後席左側空調ゾーン1cは、隣接する後席左側空調ゾーン1dから外乱を受けることなく、良好に空調制御され得る。
以下、上記第5実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、「後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の送風量(ブロワ電圧)に合わせて、後席左側空調ゾーン1dのブロワ電圧、ひいては送風機モータ62aの送風量が制御されることになる。」が、請求項6に記載の「前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンに吹き出す送風量を他方の空調ゾーンに吹き出す送風量に合わせるように補正する」に相当する。
(第6実施形態)
上述の第1実施形態では、着座の有無に関係なく、目標吹出温度TAOBRrDr、TAOBRrPaの平均値(すなわち、後席用目標平均値)に基づき吹出口モードを決定する例について説明したが、これに代えて、本第6実施形態では、吹出口モードを決定するに際して着座の有無に応じて目標吹出温度を切り替える。
この場合の吹出口モードの決定処理について図16を用いて説明する。図16は、図6中のステップS125に相当するステップの処理を示す図である。
先ず、後席空調ゾーン1dにて乗員が着座している場合にはステップS220においてYesと判定してステップ1251に移行する。この場合、数式6、数式7で算出されるTAORrDr、TAORrPaの平均値{(TAORrDr+TAORrPa)/2}を算出し、その平均値に基づいて図8の制御マップにしたがって、吹出口モードを決定する(ステップS1251)。
一方、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在である場合にはステップS220においてNoと判定してステップ1252に移行する。この場合、数式6で算出されるTAORrDrに基づいて図8の制御マップにしたがって、吹出口モードを決定する(ステップS1251)。
したがって、後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、後席左側空調ゾーン1dの吹出口モードが「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の吹出口モードに合わさるように決定される。よって、後席左側空調ゾーン1cは、隣接する後席左側空調ゾーン1dから外乱を受けることなく、良好に空調制御され得る。
以下、上記第6実施形態と特許請求項の範囲の構成との対応関係について説明すると、「後席空調ゾーン1dにて乗員が不在であると判定したときには、後席左側空調ゾーン1dの吹出口モードが「乗員が着座している後席左側空調ゾーン1c」の吹出口モードに合わさるように決定される。」が、請求項7に記載の「前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの吹出モードを他方の空調ゾーンの吹出モードに合わせるように補正すること」に相当する。
(その他の実施形態)
上述の各実施形態では、車両用着座判定装置を車両用空調装置に適用した例について説明したが、これに代えて、車両用空調装置以外の他の装置に車両用着座判定装置を適用してもよい。
本発明に係る車両用空調装置の第1実施形態の概略を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 マトリクスIRセンサの配置を示す図である。 マトリクスIRセンサの構成を示す図である。 マトリクスIRセンサの被検温範囲を示す図である。 エアコンECUによる空調制御処理を示すフローチャートである。 図6の空調制御処理中において内外気モードを決めるための制御マップを示す図である。 図6の空調制御処理中において吹出口モードを決めるための制御マップを示す図である。 図6の空調制御処理中においてブロワ電圧を決めるための制御マップを示す図である。 図6の空調制御処理の一部の詳細を示すフローチャートである。 図10の処理の一部を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の制御処理を示す図である。 本発明に係る第3実施形態の制御処理を示す図である。 本発明に係る第4実施形態の制御処理を示す図である。 本発明に係る第5実施形態の制御処理を示す図である。 本発明に係る第6実施形態の制御処理を示す図である。
符号の説明
70…マトリクスIRセンサ、
Rr1、Rr5、Rr9…熱電対部、
dir1、dir5、dir9…温度

Claims (7)

  1. 車室内で乗員が通常着座する着座部位にあたる第1の温度を非接触で検出する第1の非接触温度検出手段(Rr3…Rr8)と、
    前記着座部位よりも前記乗員が着座する頻度の低い部位にあたる第2の温度を非接触で検出する第2の非接触温度検出手段(Rr10…Rr12)と、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、前記着座部位に乗員が着座しているか否かを判定する判定手段(S220)と、
    を備えていることを特徴とする車両用着座判定装置。
  2. 車室内で乗員の頭部付近にあたる第1の温度を非接触で検出する第1の非接触温度検出手段(Rr1、Rr2)と、
    車室内でリアートレー付近にあたる第2の温度を非接触で検出する第2の非接触温度検出手段(Rr9)と、
    前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定する判定手段(S220)と、
    を備えていることを特徴とする車両用着座判定装置。
  3. 車室内で乗員が通常着座する着座部位にあたる第3の温度を非接触で検出する第3の非接触温度検出手段(Rr3…Rr8)と、
    前記着座部位よりも前記乗員が着座する頻度の低い部位にあたる第4の温度を非接触で検出する第4の非接触温度検出手段(Rr10…Rr12)と、を備えており、
    前記判定手段は、夏期にて、前記第3の温度と前記第4の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定し、冬期には、前記第1の温度と前記第2の温度との差を用いて、乗員が着座しているか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の車両用着座判定装置。
  4. 前記第1の非接触温度検出手段は、三箇所以上の部位について前記第1の温度をそれぞれ検出するものであり、
    さらに、前記第2の非接触温度検出手段は、三箇所以上の部位について前記第2の温度をそれぞれ検出するものであり、
    前記三箇所以上の部位のうち、二箇所以上の部位について前記第1、2の温度の温度差が生じる場合には、前記判定手段によって乗員が着座していると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用着座判定装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
    車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
    前記空調風の目標吹出温度を前記空調ゾーン毎に設定し、かつ前記空調ゾーン毎にそれぞれ独立して実際の空調風の吹出温度を前記目標吹出温度に近づけるように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えており、
    前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
    前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
    前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの目標吹出温度を他方の空調ゾーンの目標吹出温度に合わせるように補正することを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
    車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
    前記空調手段から吹き出す空調風の送風量を前記空調ゾーン毎に制御する制御手段(8)と、を備えており、
    前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
    前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
    前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンに吹き出す送風量を他方の空調ゾーンに吹き出す送風量に合わせるように補正することを特徴とする車両用空調装置。
  7. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用着座判定装置を備える車両に適用される車両用空調装置であって、
    車室内にて隣接する2つの空調ゾーン(1c、1d)に向けてそれぞれ空調風を吹き出すための空調手段(6)と、
    前記空調手段から吹き出す空調風の吹出モードを前記空調ゾーン毎に設定し、かつ前記設定された吹出モードでそれぞれ空調風を前記空調ゾーン毎に吹き出すように前記空調手段を制御する制御手段(8)と、を備えており、
    前記判定手段は、前記2つの空調ゾーンのうち少なくとも一方の前記空調ゾーンについて前記乗員が着座しているか否かについて判定するものであり、
    前記2つの空調ゾーンのうち一方の空調ゾーンでは前記判定手段により前記乗員が着座していないと判定した場合において、
    前記制御手段は、前記一方の空調ゾーンの吹出モードを他方の空調ゾーンの吹出モードに合わせるように補正することを特徴とする車両用空調装置。
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