JP4207709B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4207709B2
JP4207709B2 JP2003290313A JP2003290313A JP4207709B2 JP 4207709 B2 JP4207709 B2 JP 4207709B2 JP 2003290313 A JP2003290313 A JP 2003290313A JP 2003290313 A JP2003290313 A JP 2003290313A JP 4207709 B2 JP4207709 B2 JP 4207709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
temperature
seat side
rear seat
front seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003290313A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005059677A (ja
Inventor
好則 一志
辰己 熊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003290313A priority Critical patent/JP4207709B2/ja
Publication of JP2005059677A publication Critical patent/JP2005059677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4207709B2 publication Critical patent/JP4207709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiation Pyrometers (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車室内の検出対象の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサを用いて、車室内の空調状態を自動的に制御する車両用空調装置に関する。
従来、車両用空調装置では、マトリックス型の赤外線温度センサを備え、この赤外線温度センサを用いて座席に着座する乗員の表面温度を検出するとともに、この検出される表面温度に基づき、乗員まわりの空調状態(例えば、吹出空気温度、送風量、吹出モードなど)を制御するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−230728号公報
ところで、本発明者らは、上述の車両用空調装置を用いて後側空調ゾーンの空調状態を座席毎に制御することについて検討したところ、マトリックス型の赤外線温度センサとしては、搭載性・デザイン・後席側の視野を考慮して、車室内中央部に配置することが好ましいと考えた。
ここで、本発明者等の検討によれば、前側座席の位置(すなわち、シートポジション)が例えば後側にスライドされると、赤外線温度センサの視野内に前側座席の一部が入り、この前側座席により、後側座席の乗員の一部が隠れてしまうことが分かった。
このため、赤外線温度センサとしては、後側座席の乗員表面温度だけでなく、前側座席の表面温度までも検出してしまい、その赤外線温度センサの検出温度をそのまま用いて車両用空調装置により後側空調ゾーンを空調制御すると、後側座席の乗員の温感に合った狙い通りの空調制御を行うことができなくなると考えられる。
本発明は、非接触温度センサを用いて空調を行う車両用空調装置において、前側座席の位置に関わらず、後側座席側の空調状態を良好に制御するようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、
後側座席側の空調状態を調整する第1の空調手段(6)と、
後側座席に着座する後側乗員を含む領域の表面温度を複数箇所に分けて非接触で検出する複数のセンサセル(71〜76)を有する非接触温度センサ(70b)とを備え、
前側座席が標準位置に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記後側座席に着座する後側乗員が入るようになっており、
前記前側座席が前記標準位置の後方に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記前側座席が入るようになっており、
前記前側座席の位置を検出する位置検出手段(S1、S2)と、
前記位置検出手段にて検出される前側座席の位置に応じて、前記複数のセンサセルのうち、前記後側乗員が視野内に入るセンサセルを選択するとともに、この選択されるセンサセルにて検出される温度を用いて、前記後側座席側の空調状態を調整するように前記第1の空調手段を制御する後席側制御手段と、
を有することを特徴としている。
このように、前側座席の位置に応じて選択されるセンサセルの検出温度を用いて第1の空調手段を制御するため、前側座席の位置に関わらず、後側座席側の空調状態を良好に制御することができる。
請求項2に記載の発明においては、前記前側座席側の空調状態を調整する第2の空調手段(5)と、
前記前側座席側の希望空気温度および後側座席側の希望空気温度が設定される第1、第2の設定手段(9〜11)と、
前記前側座席側の希望空気温度に前側座席側の空気温度を近づけるように前記第2の空調手段を制御する前席側制御手段と、を備え、
前記後席側制御手段は、
前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置を検出したとき、前記後側乗員が視野内に入るセンサセルとしての前記複数のセンサセルにて検出される温度を用いて前記後側座席側の空気温度を前記後側座席側の希望空気温度に近づけるように前記第1の空調手段を制御する第1の後席側制御手段と、
前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置の後方の位置を検出したとき、前記前側座席側の希望空気温度と前記後側座席側の希望空気温度との温度差に基づき、前記前側座席側の空調状態に対して前記後側座席側の空調状態をオフセットするように前記第1の空調手段を制御する第2の後席側制御手段と、を備えることを特徴としている。
求項に記載の発明では、前記第1の後席側制御手段は、前記第1の空調手段の制御で用いるセンサセルとして以前と異なるセンサセルにて検出される温度を用いて前記第1の空調手段を制御する場合には、前記以前と異なるセンサセルの検出温度に基づき求められる目標空調状態まで、前記後側座席側の空調状態を徐々に変化させるように前記第1の空調手段を制御することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明では、後側座席側の空調状態を調整する第1の空調手段(6)と、
前記後側座席側の空調状態に対して独立して前側座席側の空調状態を調整する第2の空調手段(5)と、
前記前側座席側の希望空気温度および前記後側座席側の希望空気温度が設定される第1、第2の設定手段(9〜11)と、
前記前側座席側の希望空気温度に前記前側座席側の空気温度を近づけるように前記第2の空調手段を制御する前席側制御手段と、
前記後側座席に着座する後側乗員を含む領域の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70b)と、を備え、
前記前側座席が標準位置に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記後側座席に着座する後側乗員が入るようになっており、
前記前側座席が前記標準位置の後方に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記前側座席に着座する乗員が入るようになっており、
前記前側座席の位置を検出する位置検出手段(S1、S2)と、
前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置を検出したとき、前記複数のセンサセルにて検出される温度を用いて前記後側座席側の空気温度を前記後側座席側の希望空気温度に近づけるように前記第1の空調手段を制御する第1の後席側制御手段と、
前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置の後方の位置を検出したとき、前記前側座席側の希望空気温度と前記後側座席側の希望空気温度との温度差に基づき、前記前側座席側の空調状態に対して前記後側座席側の空調状態をオフセットするように前記第1の空調手段を制御する第2の後席側制御手段と、を備えることを特徴としている。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
図1、図2は本発明に係る車両用空調装置がシート空調装置を備える車両に適用された一実施形態を示したもので、本実施形態は、車室内1のうち前席側の左右、および後席側の左右に位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置に、本発明を適用したものである。
図1は、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの配置を示す模式図であり、空調ゾーン1aは、前席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1bは、前席空調ゾーンのうち左側に位置する。空調ゾーン1cは、後席空調ゾーンのうち右側に位置し、空調ゾーン1dは、後席空調ゾーンのうち左側に位置する。なお、図1中の矢印は、自動車の前後左右の方向を示すものである。
図2は、本実施形態の車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図であり、この車両用空調装置は、空調ゾーン1a、1bをそれぞれ独立に空調するための前席空調システム5と、空調ゾーン1c、1dとをそれぞれ独立に空調するための後席空調システム6とから構成されている。前席空調システム5は、計器盤7内側に配置されており、後席空調システム6は、車室内1の最後方に配置されている。
前席空調システム5は、車室内1に送風するためのダクト50を備えており、このダクト50には、車室内1から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、ダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられており、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
また、ダクト50内のうち外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機52が設けられており、遠心式送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを有して構成されている。
さらに、ダクト50内にて遠心式送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、さらに、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア54が設けられている。
そして、ダクト50内のうちエバポレータ53の空気下流側には仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、ダクト50内を運転席側通路50cおよび助手席側通路50dに仕切っている。
ここで、運転席側通路50cのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51aが形成されており、バイパス通路51aは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路50dのうちヒータコア54の側方には、バイパス通路51bが形成されており、バイパス通路51bは、ヒータコア54に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア54の空気上流側には、エアミックスドア55a、55bが設けられており、エアミックスドア55aは、その開度により、運転席側通路50cを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア55bは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうちヒータコア54を通る量とバイパス通路51bを通る量との比を調整する。
ここで、エアミックスドア55a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ550a、550bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア55a、55bの開度は、サーボモータ550a、550bによって、それぞれ、調整される。
また、エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、ダクト50内を流れる空気を冷却する。
ここで、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア54は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア54は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。
また、ダクト50のうちヒータコア54の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1FrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1FrDrは、運転席側通路50cから運転席2に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、ダクト50のうちフェイス吹出口1FrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1FrDrを開閉する吹出口切換ドア56aが設けられており、この吹出口切換ドア56aは、駆動手段としてのサーボモータ560aによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト50には、運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口、およびフロントガラスの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。
そして、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、それぞれの吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、後席空調システム6は、車室内1に送風するためのダクト60を備えており、このダクト60内には、車室内1から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。
ここで、内気導入口60aの空気下流側には、車室内1に向けて吹き出される空気流を発生させる遠心式送風機62が設けられており、遠心式送風機62は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
さらに、ダクト60内において遠心式送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア64が設けられている。
そして、ダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67は、ダクト60内を運転席側通路60cおよび助手席側通路60dに仕切っている。
ここで、運転席側通路60cのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61aが形成されており、バイパス通路61aは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路60dのうちヒータコア64の側方には、バイパス通路61bが形成されており、バイパス通路61bは、ヒータコア64に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア64の空気下流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられており、エアミックスドア65aは、その開度により、運転席側通路60cを流通する冷風のうちヒータコア64を通る量とバイパス通路61aとを通る量との比を調整する。
また、エアミックスドア65bは、その開度により、助手席側通路60dを通過する冷風のうちヒータコア64を通る量と、バイパス通路61bを通る量との比を調整する。
そして、エアミックスドア65a、65bには、駆動手段としてのサーボモータ650a、650bがそれぞれ連結されており、エアミックスドア65a、65bの開度は、サーボモータ650a、650bによって、それぞれ、調整される。
ここで、エバポレータ63は、上述のエバポレータ63に対して並列的に配管結合されるものであって、上述した周知の冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。
ヒータコア64は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア64は、上述のヒータコア54に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口1RrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口1RrDrは、運転席側通路60cから後席4の右側(すなわち、運転席の後側)に着座する乗員(以下、後部右側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrDrの空気上流部には、フェイス吹出口1RrDrを開閉する吹出口切換ドア66aが設けられており、この吹出口切換ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ660aによって、開閉駆動される。
そして、図には、省略されているが、ダクト60には、運転席側通路60cから後部右側乗員の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口が設けられている。
また、当該運転席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、ダクト60のうちヒータコア64の空気下流側には、フェイス吹出口1RrPaが開口されており、このフェイス吹出口1RrPaは、助手席側通路60dから後席の左側(すなわち、助手席の後側)に着座する乗員(以下、後部左側乗員という)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口1RrPaの空気上流部には、フェイス吹出口1RrPaを開閉する吹出口切換ドア66bが設けられており、この吹出口切換ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ660bによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、ダクト60には、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切換ドアが設けられており、この吹出口切換ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、車両用空調装置には、前席空調システム5および後席空調システム6をそれぞれ制御するための電子制御装置(以下、エアコンECU8という)が設けられている。
エアコンECU8には、車室外の外気温度Tamを検出する外気温度センサ81、エンジンの冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ82、車室内右側領域に照射される日射量TsDrおよび車室内右側領域に照射される日射量TsPaを検出する2素子タイプ(2Dタイプの)日射センサ83、空調ゾーン1a、1b(前側空調領域)の空気温度TrFrを検出する温度センサ84、および空調ゾーン1c、1d(後側空調領域)の空気温度TrRrを検出する温度センサ85が接続されている。
また、エアコンECU8には、エバポレータ53から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeFrという)を検出する温度センサ86、エバポレータ63から吹き出される冷風空気の温度(以下、蒸発器吹出温度TeRrという)を検出する温度センサ87、空調ゾーン1a、1b、1c、1dの希望温度TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが乗員により設定される温度設定スイッチ9、10、11、12、右側席の前後方向の位置を検出するシート位置検出センサS1、左側席の前後方向の位置を検出するシート位置検出センサS2、前席右側の乗員(運転者)の表面温度および後席右側の乗員の表面温度をそれぞれ検出するための赤外線温度センサ70a、70b、および前席左側の乗員(助手席者)の表面温度および後席左側の乗員の表面温度を検出するための赤外線温度センサ70c、70dが接続されている。
ここで、シート位置検出センサS1は、電源及びグランド間にて抵抗素子R1に直列接続されて構成されて、右側席が後方にスライドして移動されたとき、閉じてオン信号を発生する常開型スイッチから構成されている。また、シート位置検出センサS2は、電源及びグランド間にて抵抗素子R2に直列接続されて構成されて、左側席が後方に移動されたとき閉じてオン信号を発生する常開型スイッチから構成されている。
なお、本実施形態では、右側席、および左側席は、それぞれの前後方向の位置が、乗員の操作より、前方、標準(中間位置)、後方の三段階にて調整可能に構成されている
また、赤外線温度センサ70a、70bは、それぞれ、図3に示すように、センサセル71〜76を2行3列にて配置して構成されるマトリックス式の非接触温度センサである。そして、赤外線温度センサ70a、70bは、図4(a)、(b)に示すように、車室内の天井部のうちほぼ中央部にて配置されて、前席右側乗員(運転者)の表面および後席右側乗員の表面のそれぞれから入射される赤外線をレンズを介して検出する。
このため、赤外線温度センサ70bは、右側前席のシートバック(背もたれ)の前方に位置するため、右側前席の前後方向の位置によって、赤外線温度センサ70bの視野内に、右側前席のシートバックが入ることになる。そこで、後述するように、赤外線温度センサ70bのうち、後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルを選択する。
また、赤外線温度センサ70c、70dは、赤外線温度センサ70a、70bと同様、センサセル71〜74を2行3列にて配置して構成されるマトリックス式の非接触温度センサである。そして、赤外線温度センサ70c、70dは、車室内の天井部のうちほぼ中央部にて配置されて、前席左側乗員の表面および後席左側乗員の表面のそれぞれから入射される赤外線をレンズを介して検出する。
なお、赤外線温度センサ70a、70b、70c、70dとしては、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子がそれぞれ用いられている。
また、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、希望温度等の設定内容を表示する希望温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
一方、エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される周知のものであり、センサ81、82、83、84a、84b、85a、85b、86、87およびスイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成される周知のもので、イグニッションスイッチがオンされたときに、図示しないバッテリから電力供給される。
次に、本実施形態の車両用空調装置の作動について図5〜図11を用いて説明する。図5は、エアコンECU8の自動空調制御処理を示すフローチャートであり、図6は、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度を算出するための算出処理を示すフローチャートである。
エアコンECU8のマイクロコンピュータは、図5に示すフローチャートにしたがって、メモリに記憶されるコンピュータプログラムを実行する。
先ず、RAMに記憶されるデータなどをリセット(初期化)すると(S100)、センサ81、82、83、84、85、86、87の検出信号をアナログ/デジタル変換したデジタル信号(Tam、Tw、Ts、TrFr、TrRr、TeFr、TeRr、Tir71〜Tir76)を読み込む。これに加えて、温度設定スイッチ9、10、11、12により設定される希望温度(TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPa)を読み込む。
次に、このように読み込んだデジタル信号、および、希望温度を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dに吹き出す空気の目標吹出温度を、メモリに予め記憶される数式1〜4に基づいて、空調ゾーン毎に演算する(S110)。
先ず、前席右側の空調ゾーン1aの目標吹出温度TAOFrDrとしては、数式1を用いて算出する。
TAOFrDr=KsetFrDr×TsetFrDr
−Kir×FrDrTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsDr−Kam×Tam+CFrDr…(数式1)
具体的には、赤外線温度センサ70aを構成するセンサエレメント71〜76のそれぞれの検出温度Tir71、Tir72、Tir73、Tir74、Tir75、Tir76の平均値{(Tir71+Tir72+Tir73+Tir74+Tir75+Tir76)/6}を算出する。そして、この算出される平均値を、前席右側の乗員(運転者)の表面温度FrDrTirとする。
このように、乗員の表面温度FrDrTirを求めると、この求められる表面温度FrDrTirとともに、日射量TsFrDr、希望温度TsetFrDr、前側空調領域の空気温度TrFr、および外気温度Tamを数式1に代入して目標吹出温度TAOFrDrを求める。
なお、数式1中のKsetFrDr、Kir、KrFr、KsFr、Kamは、係数であり、CFrDrは定数である。
次に、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度TAORrDrとして、数式2を用いて算出する。
TAORrDr=KsetRrDr×TsetRrDr
−Kir×RrDrTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsDr−Kam×Tam+CRrDr…(数式2)
例えば、シート位置検出センサS1からオフ信号が出力されている場合、シート位置検出センサS1を構成する常開型スイッチは開いており、右側席が、標準位置および前方のうち、いずれか一方に位置していると判定する(図6中S111:YES)。
この場合、赤外線温度センサ70bを構成するセンサエレメント71〜76の視野内において、右側後席の乗員および右側後席の一部が入っているだけで、右側前席(運転席)等の外乱となる物体が入らない。
このため、後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして、センサエレメント71〜76を選択して、これらセンサエレメント71〜76のそれぞれの検出温度Tir71、Tir72、Tir73、Tir74、Tir75、Tir76の平均値{(Tir71+Tir72+Tir73+Tir74+Tir75+Tir76)/6}を算出する。そして、この求められる平均値を後席右側座席の乗員表面温度(後席Dr側乗員温度)RrDrTirとする(図6中S112)。
一方、シート位置検出センサS1からオン信号が出力されている場合、右側席が、後方に位置していると判定する(図6中S111:NO)。この場合、赤外線温度センサ70bを構成するセンサエレメント73、75の視野内において、右側前後席の乗員および右側後席の一部以外に、右側前席(運転席)等の外乱の原因となる物体が入っている。
そこで、後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして、センサエレメント71、72、74、76を選択して、これらセンサエレメント71、72、74、76のそれぞれの検出温度Tir71、Tir72、Tir74、Tir76の平均値{(Tir71+Tir72+Tir74+Tir76)/4}を算出する。そして、この求められる平均値を後席右側座席の乗員表面温度(後席Dr側乗員温度)RrDrTirとする(図6中S113)。
以上のように求められる乗員表面温度RrDrTirとともに、この日射量TsDr、希望温度TsetRrDr、後側空調領域の空気温度TrRr、外気温Tamを数式2に代入して目標吹出温度TAORrDrを求める(図6のS114)。
なお、数式2中のKsetRrDr、Kir、KrRr、KsRr、Kamは、補正係数であり、CRrDrは常数である。
次に、前席左側の空調ゾーン1bの目標吹出温度TAOFrPaとしては、数式3を用いて算出する。
TAOFrPa=KsetFrPa×TsetFrPa
−Kir×FrPaTir−KrFr×TrFr
−KsFr×TsPa−Kam×Tam+CFrPa…(数式3)
具体的には、左側赤外線温度センサ70aを構成するセンサエレメント71〜76のそれぞれの検出温度Tir71、Tir72、Tir73、Tir74、Tir75、Tir76の平均値{(Tir71+Tir72+Tir73+Tir74+Tir75+Tir76)/6}を算出する。そして、この算出される平均値を、前席左側の乗員(運転者)の表面温度FrDrTirとする。
このように、乗員の表面温度FrPaTirを求めると、この求められる表面温度FrPaTirとともに、日射量TsPa、希望温度TsetFrPa、前側空調領域の空気温度TrFr、および外気温度Tamを数式3に代入して目標吹出温度TAOFrPaを求める。
次に、後席左側の空調ゾーン1dの目標吹出温度TAORrPaとして、数式4を用いて算出する。
TAORrPa=KsetRrPa×TsetRrPa
−Kir×RrPaTir−KrRr×TrRr
−KsRr×TsRrPa−Kam×Tam+CRrPa…(数式4)
この場合、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度TAORrDrの場合と同様に、シート位置検出センサS2からの出力信号に基づき、左側席が後方に位置するか否かを判定して、この判定結果に基づき、Tir71、Tir72、Tir74、Tir76の平均値、およびTir71〜Tir76の平均値のうち一方を後席左側座席の乗員表面温度(後席Pa側乗員温度)RrPaTirとする。
このように求められる乗員表面温度RrPaTirとともに、この日射量TsPa、希望温度TsetRrPa、後側空調領域の空気温度TrRr、外気温Tamを数式4に代入して目標吹出温度TAORrPaを求める。
なお、数式4中のKsetRrPa、Kir、KrRr、KsRr、Kamは、補正係数であり、CRrPaは常数である。
次に、メモリに予め記憶される数式5に基づいて、上述のごとく算出される空調ゾーン毎の目標吹出温度(TAOFrDr、TAORrDr、TAOFrPa、TAORrPa)を用いて、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlを算出する。
SW_i={(TAO_i−Te)/(Tw−Tei)}×100(%)
…(数式5)
ここで、iは添字fr、fl、rr、rlのいずれかを表し、添字frは空調ゾーン1a、添字flは空調ゾーン1c、添字rrは空調ゾーン1b、添字rlは空調ゾーン1dを示す。
そして、目標吹出温度TAOFrDr、TAOFrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeFrを用いる一方、目標吹出温度TAORrDr、TAORrPaのうち一方を求めるときには、Teiとして蒸発器吹出温度TeRrを用いる。
ここで、この決定される開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに基づき、サーボモータ560a、560b、660a、660bを制御して、エアミックスドア55a、55b、65a、65bの個々を駆動する(S120:前席側制御手段)。
これに伴って、エアミックスドア55a、55b、65a、65bのそれぞれの開度が、開度SW_fr、SW_fl、SW_rr、SW_rlに近づくようなる。
このことにより、後述するように空調ゾーン毎に吹出口から吹き出される空気温度が調整されて、空調ゾーン毎の空気温度が希望温度(TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPa)に近づくように調整されることになる

次に、メモリに予め記憶される図7の特性、および目標吹出温度(TAO_fr、TAO_fl、TAO_rr、TAO_rl)を用いて、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれ必要なブロア電圧(VM_fr、VM_fl、VM_rr、VM_rl)(すなわち、空調ゾーン1a、1b、1c、1dにそれぞれに必要な風量)を算出する。
ここで、メモリに予め記憶される下記の数式6を用いて、空調ゾーン1a、1bのそれぞれに必要なブロア電圧VM_fr、VM_flを平均化して前席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMFを算出する。
VMF=(VM_fr+VM_fl)/2……(数式6)
このようにブロア電圧VMFを算出すると、このブロア電圧VMFをブロアモータ52aに印加する(S130)。これに伴い、遠心式送風機52が、空気流を発生させることになる。
また、メモリに予め記憶される下記の数式7を用いて、空調ゾーン1c、1dのそれぞれに必要なブロア電圧VM_rr、VM_rlを平均化して後席空調ゾーンにそれぞれ必要なブロア電圧VMRを算出する。
VMR=(VM_rr+VM_rl)/2……(数式7)
このようにブロア電圧VMRを算出すると、このブロア電圧VMRをブロアモータ62bに印加する。これに伴い、遠心式送風機62が、空気流を発生させることになる。
次に、メモリに予め記憶される図8の特性、および目標吹出温度(TAO_fr、TAO_fl、TAO_rr、TAO_rl)を用いて、フットモード(FOOT)、バイレベルモード(B/L)、フェイスモード(FACE)のうち1つのモードを吹出口モードとして空調ゾーン毎に決める(S140)。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、バイレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
このように空調ゾーン毎に吹出口モードを決定すると、各吹出口切換ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出口モードとなるように各吹出口切換ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、メモリに予め記憶される図9の特性、および目標吹出温度(TAOFrDr、TAOFrPa)を用いて、前席空調システム5の内外気切換ドア51の目標開度SW1を求める。
すなわち、目標吹出温度の平均値TAOav{=(TAOFrDr+TAOFrPa)/2}を求めるとともに、メモリに予め記憶される図12の特性に基づき、平均値TAOavに対応する内外気切換ドア51の目標開度SW1を求めることになる。
なお、本実施形態では、内気導入口50aを全閉し、外気導入口50bを全開する場合を目標開度SW1=100%とし、内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する場合を目標開度SW1=0%とする。
このように目標開度SW1を決定すると、この目標開度SW1に基づき、サーボモータ51aを制御して、内外気切換ドア51の開度を目標開度SW1に近づけるようにする(S150)。
次に、蒸発器吹出温度TeFr、TeRrを一定温度に近づけるように自動車のエンジン及びコンプレッサの間に連結される電磁クラッチを断続制御する(S160)。これに伴い、冷凍サイクル内を流れる冷媒の流量が制御されて、エバポレータ53、63の冷却性能が調整されることになる。
その後、一定期間経過すると(S170:YES)、S110に移行して、目標吹出温度算出処理(S110)、エアミックスドア制御処理(S120)、ブロア制御処理(S130)、吹出口モード切替制御処理(S150)、コンプレッサ制御処理(S160)が繰り返されることになる。
以上により、前席空調システム5において、内気導入口50aおよび外気導入口50bの少なくとも一方からダクト50内に空気が導入される。この導入される空気は、エバポレータ53を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路50c、助手席側通路50dに流入される。
ここで、運転席側通路50cでは、エアミックスドア55aによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路50c内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1aの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、助手席側通路50dでは、エアミックスドア55bによって、ヒータコア54を通過する空気量とバイパス通路51bを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア54を通過する空気とバイパス通路51bを通過する空気とが混合される。
このことにより、助手席側通路50d内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1bの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。また、後席空調システム6においては、内気導入口60aからダクト60内に空気が導入されて、この導入される空気は、エバポレータ63を通過する際に冷媒と熱交換されて冷却されて、運転席側通路60c、助手席側通路60dに流入される。
ここで、運転席側通路60cでは、エアミックスドア65aによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61aを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア64を通過する空気とバイパス通路61aを通過する空気とが混合される。
このことにより、運転席側通路60c内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1cの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
また、助手席側通路60dでは、エアミックスドア65bによって、ヒータコア64を通過する空気量とバイパス通路61bを通過する空気量との割合が調節される。その後、ヒータコア64を通過する空気とバイパス通路61bを通過する空気とが混合される。
このことにより、助手席側通路60d内を流れる空気温度が調節されることになる。その後、この温度調節される空気が、上述のように決定される空調ゾーン1dの吹出口モードに対応して開口されている吹出口から吹き出される。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
すなわち、本実施形態の車両用空調装置は、後側座席の空調状態(例えば、吹出口モード、吹出空気温度、送風量を)を調整する後席空調システム6と、後側座席に着座する後側乗員を含む領域の表面温度を複数箇所に分けて非接触で検出するセンサセル71〜76を有する赤外線温度センサ70bと、前側座席の前後後方の位置を検出するシート位置検出センサS1、S2と、シート位置検出センサS1、S2の検出位置に応じて、センサセル71〜76のうち、後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルを選択するとともに、この選択させるセンサセルにて検出される温度を用いて、後側座席側の空調状態を調整するように後席空調システム6を制御するエアコンECU8(第1の後席側制御手段)と、を有することを特徴とする。
このように、前側座席の前後方向の位置に応じて選択されるセンサセルの検出温度を用いて後席空調システム6を制御するため、前側座席の位置に関わらず、後側座席側の空調状態を良好に制御することができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態では、前側座席を最後方に移動させたとき、赤外線温度センサ70bを構成する複数のセンサセルの大半が前側座席の表面温度を検出してしまい、赤外線温度センサ70bの検出温度を後席空調システム6の制御に用いることができなくなる場合について図10(a)、(b)を用いて説明する。
本実施形態では、赤外線温度センサ70bとしては、センサエレメント71〜73からなるものが用いられ、さらに、前側座席を最後方に移動させたとき閉じてオン信号を出力するシート位置検出センサ(以下、シート位置検出センサS3という)が追加されている。
例えば、前側右側座席が標準位置に位置しているとき、図10(a)に示すように、右側赤外線温度センサ70bを構成するセンサエレメント71〜73の全てが、後側右側座席の乗員および、右側後側座席の一部の表面温度を検出している。
そこで、エアコンECU8が、シート位置検出センサS1、S3からの出力信号に基づき、右側前側座席が標準位置(或いは前方)に位置していると判定したとき、センサエレメント71〜73の全てを、右側後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして選択する。
これに伴い、センサエレメント71〜73のそれぞれの検出温度Tir71、Tir72、Tir73の平均値{(Tir71+Tir72+Tir73)/3}を乗員表面温度(後席Dr側乗員温度)RrDrTirとする(図6中S113)。
一方、前側右側座席が最後方に位置しているとき、図10(b)に示すように、右側赤外線温度センサ70bを構成するセンサエレメント72、73が、前側右側座席の表面温度を検出している。
そこで、エアコンECU8が、シート位置検出センサS1、S3からの出力信号に基づき、右側前側座席が最後方に位置していると判定したとき、センサエレメント71〜73の大半が右側後側乗員の表面温度を検出しておらず、検出温度(Tir71、Tir72、Tir73)を後席空調システム6の制御に用いることが困難であると判定する。
この場合、後席右側の空調ゾーン1cの目標吹出温度TAORrDrとしては、数式2に代えて、数式8に基づき算出する。
TAORrDr=KsetRrDr×{TsetRrDr+(TsetRrDr−TsetFrDr)}−Kir×Tir−KrFr×TrFr−KsDr×TsDr+CRrDr…(数式8)
この場合、目標吹出温度TAORrDrとしては、空調ゾーン1a、1cの希望温度TsetFrDr、TsetRrDrの温度差(TsetRrDr−TsetFrDr)および右側赤外線温度センサ70aによる右側乗員の表面検出温度Tirを用いて算出されるので、目標吹出温度TAOFrDrに対してオフセットした値となる。
そして、エアコンECU8が、このような目標吹出温度TAORrDrを用いて、後席空調システム6を制御すると、空調ゾーン1aに対して、空調ゾーン1cの空調状態(例えば、吹出口モード、吹出空気温度、送風量などの)をオフセットするように制御することになる。
以上説明した本実施形態によれば、エアコンECU8としては、希望空気温度TsetFrDrと希望空気温度TsetRrDrとの温度差に基づき、空調ゾーン1aに対して、空調ゾーン1cの空調状態をオフセットするように後席空調システム6を制御する第の後席側制御機能と、赤外線温度センサ70bで検出される表面温度に基づき右側後側の空気温度を希望空気温度TsetRrDrに近づけるように後席空調システム6を制御する第の後席側制御機能とを備え、第1、第2の後席側制御機能のうち一方を位置検出センサS1〜S3の検出信号に基づき選択して、この選択される後席側制御機能にて後席空調システム6を制御することになる(選択手段)。
(第3実施形態)
本第3実施形態では、エアコンECU8が、乗員温度として認識すべき温度を検出するためのセンサセルを変更したとき、この変更されるセンサセルの検出温度を用いて目標吹出温度を算出するものの、その変更直後にて、センサセルを変更する前の目標吹出温度(以下、選択セル変更前のTAOという)から、センサセルを変更後の目標吹出温度(以下、選択セル変更後のTAOという)に変更するのではなく、選択セル変更前のTAOから選択セル変更後のTAOに徐々に変更する。
例えば、乗員が席右側を前方から後方に移動させた場合には、乗員温度として認識すべき温度を検出するのに用いるセンサセルとして、センサセル71〜76からセンサセル71、72、74、76に変更される。これに伴い、乗員表面温度RrDrTirとしては、{(Tir71+Tir72+…Tir76)/6}から{(Tir71+Tir72+Tir74+Tir76)/4}に変更される。
ここで、センサセルを変更すると、その直後にて選択セル変更後のTAOを用いて、目標吹出温度算出処理(S110)などの制御処理を開始するのではなく、図13に示すように、選択セル変更前のTAOから選択セル変更後のTAOへ変更するのに、遅延時間Tを用いて遅らせる。
例えば、目標吹出温度としては、センサセルの変更後にて選択セル変更前のTAOから選択セル変更後のTAOに徐々に変化して、変更後30秒で、目標吹出温度としては、{係数0.63×(選択セル変更前のTAO−選択セル変更後のTAO)+選択セル変更前}となるようにする。
これにより、変更後のセンサセルの検出温度に基づき決められる目標状態まで、吹出口モード、吹出空気温度、および送風量を徐々に変化させるように後席空調システム6を制御することになり、乗員に違和感を与えることを抑制することができる。
(その他の実施形態)
上述の第2実施形態では、右側前側座席の位置に応じて、センサエレメント71〜73の全てを、右側後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして選択してこの選択されたセンサセルの検出温度に基づき後席空調システム6を制御する場合と、センサエレメント71〜73の検出温度を全く用いず、空調ゾーン1aに対して、空調ゾーン1cの空調状態をオフセットするように制御する場合とに場合分けするようにした例について説明したが、これに限らず、次のようにしてもよい。
すなわち、上述の第1実施形態のように、乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして、複数のセンサセルの一部のセンサセルを選択してこの選択されたセンサセルの検出温度に基づき後席空調システム6を制御する場合と、乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルとして、複数のセンサセルの全てのセンサセルを選択してこの選択されたセンサセルの検出温度に基づき後席空調システム6を制御する場合と、複数のセンサエレメントの検出温度を全く用いず、空調ゾーン1aに対して、空調ゾーン1cの空調状態をオフセットするように制御する場合とを、前側座席の位置に応じて選択するようにしてもよい。
上述の実施形態では、位置検出手段として、前側座席が後方、および最後方に位置することを検出するシート位置検出センサS1〜S3を用いる例を示したが、これに限らず、前側座席のシートクッションの高さを検出する高さセンサ、前側座席のシートバックの角度を検出する角度センサなどを用いるようにしてもよい。
例えば、前側座席のシートクッションの高さ、シートバックの角度、および前側座席の前後方向の位置に基づき、後側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルを選択するようにしてもよく、また、前側座席のシートクッションの高さ、および、シートバックの角度のうち少なくとも1つを用いて側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルを選択するようにしてもよい。
また、前側座席のシートクッションの高さ、シートバックの角度、および前側座席の前後方向のうちいずれか2つを用いて側乗員の表面温度として認識すべき温度を検出するセンサセルを選択するようにしてもよい。
上述の実施形態では、前側座席位置を検出するためのシート位置検出センサS1〜S3として、常開型スイッチを用いる例について説明したが、これに限らず、常閉型スイッチ、或いは、前側座席の位置(例えば、前後方向の位置、高さ、角度)に応じて異なる電圧信号を出力するポテンシャルメータを用いるようにしてもよい。
本発明に係る車両用空調装置の一実施形態の概略構成を示す模式図である。 図1の車両用空調装置の概略構成を示す模式図である。 図2の赤外線温度センサの構成を示す図である。 図2の赤外線温度センサの検出エリアを示す図である。 図2のエアコンECUの処理の一部を示すフローチャートである。 図2のエアコンECUの処理の残りを示すフローチャートである。 図2のエアコンECUにてブロア電圧を決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて内外気モードを決めるための特性図である。 図2のエアコンECUにて吹出モードを決めるための特性図である。 本発明の第2実施形態における作動を説明するための図である。 本発明の第3実施形態における作動を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1a、1b、1c、1d…空調ゾーン、6…後席空調システム、
8…エアコンECU、71〜76…センサエレメント、
70b…赤外線温度センサ、S1、S2…シート位置検出センサ。

Claims (4)

  1. 後側座席側の空調状態を調整する第1の空調手段(6)と、
    後側座席に着座する後側乗員を含む領域の表面温度を複数箇所に分けて非接触で検出する複数のセンサセル(71〜76)を有する非接触温度センサ(70b)とを備え、
    前側座席が標準位置に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記後側座席に着座する後側乗員が入るようになっており、
    前記前側座席が前記標準位置の後方に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記前側座席が入るようになっており、
    前記前側座席の位置を検出する位置検出手段(S1、S2)と、
    前記位置検出手段にて検出される前側座席の位置に応じて、前記複数のセンサセルのうち、前記後側乗員が視野内に入るセンサセルを選択するとともに、この選択されるセンサセルにて検出される温度を用いて、前記後側座席側の空調状態を調整するように前記第1の空調手段を制御する後席側制御手段と、
    を有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記前側座席側の空調状態を調整する第2の空調手段(5)と、
    前記前側座席側の希望空気温度および後側座席側の希望空気温度が設定される第1、第2の設定手段(9〜11)と、
    前記前側座席側の希望空気温度に前側座席側の空気温度を近づけるように前記第2の空調手段を制御する前席側制御手段と、を備え、
    前記後席側制御手段は、
    前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置を検出したとき、前記後側乗員が視野内に入るセンサセルとしての前記複数のセンサセルにて検出される温度を用いて前記後側座席側の空気温度を前記後側座席側の希望空気温度に近づけるように前記第1の空調手段を制御する第1の後席側制御手段と、
    前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置の後方の位置を検出したとき、前記前側座席側の希望空気温度と前記後側座席側の希望空気温度との温度差に基づき、前記前側座席側の空調状態に対して前記後側座席側の空調状態をオフセットするように前記第1の空調手段を制御する第2の後席側制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記第1の後席側制御手段は、前記第1の空調手段の制御で用いるセンサセルとして以前と異なるセンサセルにて検出される温度を用いて前記第1の空調手段を制御する場合には、前記以前と異なるセンサセルの検出温度に基づき求められる目標空調状態まで、前記後側座席側の空調状態を徐々に変化させるように前記第1の空調手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 後側座席側の空調状態を調整する第1の空調手段(6)と、
    前記後側座席側の空調状態に対して独立して前側座席側の空調状態を調整する第2の空調手段(5)と、
    前記前側座席側の希望空気温度および前記後側座席側の希望空気温度が設定される第1、第2の設定手段(9〜11)と、
    前記前側座席側の希望空気温度に前記前側座席側の空気温度を近づけるように前記第2の空調手段を制御する前席側制御手段と、
    前記後側座席に着座する後側乗員を含む領域の表面温度を非接触で検出する非接触温度センサ(70b)と、を備え、
    前記前側座席が標準位置に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記後側座席に着座する後側乗員が入るようになっており、
    前記前側座席が前記標準位置の後方に位置するときに、前記複数のセンサセルの視野内に前記前側座席に着座する乗員が入るようになっており、
    前記前側座席の位置を検出する位置検出手段(S1、S2)と、
    前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置を検出したとき、前記複数のセンサセルにて検出される温度を用いて前記後側座席側の空気温度を前記後側座席側の希望空気温度に近づけるように前記第1の空調手段を制御する第1の後席側制御手段と、
    前記位置検出手段が前記前側座席の位置として前記標準位置の後方の位置を検出したとき、前記前側座席側の希望空気温度と前記後側座席側の希望空気温度との温度差に基づき、前記前側座席側の空調状態に対して前記後側座席側の空調状態をオフセットするように前記第1の空調手段を制御する第2の後席側制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
JP2003290313A 2003-08-08 2003-08-08 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP4207709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003290313A JP4207709B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003290313A JP4207709B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005059677A JP2005059677A (ja) 2005-03-10
JP4207709B2 true JP4207709B2 (ja) 2009-01-14

Family

ID=34368381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003290313A Expired - Fee Related JP4207709B2 (ja) 2003-08-08 2003-08-08 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4207709B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005059677A (ja) 2005-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3861793B2 (ja) 車両用空調装置
JP4591133B2 (ja) 車両用空調装置
JP4114651B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004196111A (ja) 車両用空調装置
JP4311114B2 (ja) 車両用空調装置
US20050098640A1 (en) Temperature detection device and vehicle air conditioner using the same
JP2006240578A (ja) 車両用着座判定装置、および車両用空調装置
JP4207709B2 (ja) 車両用空調装置
JP4259258B2 (ja) 車両用空調装置
JP3979075B2 (ja) 車両用空調装置
JP4269905B2 (ja) 車両用空調装置
JP4518035B2 (ja) 車両用空調装置
JP4311125B2 (ja) 車両用空調装置
JP4196783B2 (ja) 車両用空調装置
JP4457501B2 (ja) 車両用空調装置
JP4207708B2 (ja) 車両用空調装置
JP4277722B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005059679A (ja) 車両用空調装置
JP2005067460A (ja) 車両用空調装置
JP2005306095A (ja) 車両用空調制御装置
JP2005297902A (ja) 車両用空調装置
JP4292939B2 (ja) 車両用空調装置
JP4196800B2 (ja) 車両用空調装置
JP2005140571A (ja) 車両用非接触温度センサおよび車両用空調装置
JP4985486B2 (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050929

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080408

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081013

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111031

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees