JP3627580B2 - 車両用空調装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室内後席側空間を空調する後席空調手段を有し、この後席空調手段により後席側空間の空調状態を日射量に応じて制御可能な車両用空調装置において、特に前席日射センサの出力値と後席日射センサの出力値に基づいて算出される制御値によって後席側空間の空調状態を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平5−16646号公報には、車両用空調装置において、前席日射センサの出力値に後席日射センサの出力値を加味して車室内の空調負荷を算出し、この算出された空調負荷と後席側日射量とに応じて後席側空調ユニットの運転を自動的に断続制御するものが記載されている。
【0003】
また、特開平5−16649号公報には、車両用空調装置において、前席日射センサの出力値に後席日射センサの出力値を加味して車室内の空調負荷を算出し、この算出された空調負荷に応じて車室内前席側への吹出風量および車室内後席側への吹出風量を算出し、そして、車室内後席側への吹出風量を後席日射センサの出力値に基づいて補正するものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記後席日射センサの設置位置としては、車室内最後部のリアトレイ上が一般的な位置として挙げられる。この位置に後席日射センサを設けると、例えば車両前方斜め方向から日射が照射されたときには、後席乗員の顔面に日射が照射される場合が多いが、このとき、ピラーや乗員の影になって、後席日射センサへ日射が到達しないことがある。
【0005】
更に、本発明者らの実験検討によると、日射仰角が大きい時に比して日射仰角が小さい時は、後席乗員の顔面に日射が照射されるにもかかわらず、後席日射センサの出力値が減少してしまう。
【0006】
以上の結果、実際には後席乗員に日射が照射されているにも係わらず、それに応じた日射量を後席日射センサが検出しないために、後席用空調ユニットからは、後席乗員に照射される日射量を打ち消すのに十分な送風量が送風されず、後席側の冷風感が不十分となり、後席乗員が暑さを感じるという問題が生じる。
【0007】
しかるに、上記従来技術では、日射方向の変化に起因する後席側空調フィーリングの悪化を抑制する対策を提示していない。
【0008】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、日射方向によらず、常に後席側空調フィーリングを快適に維持できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1〜4記載の発明は、前席日射量検出手段(34)の出力値、後席日射量検出手段(35)の出力値、および日射仰角に関連した信号により可変される補正係数に基づいて後席側日射制御値を算出し、この後席側日射制御値に基づいて後席空調手段(23)の作動を制御することを特徴としている。
【0010】
これによると、車両前方側からの日射時には後席日射量検出手段(35)の出力値不足を前席日射量検出手段(34)の出力値の増加により補うとともに、低仰角時には両日射量検出手段(34、35)の出力値不足を補正係数の増加により補うことができる。このため、日射方向にかかわらず、後席側日射制御値を、後席側温感を快適な状態に維持するに必要な日射補正目標値に近似させることができる。この結果、日射方向によらず、常に後席側空調フィーリングを快適に維持できる
具体的には、請求項2記載の発明のように、前席日射量検出手段(34)の出力値と後席日射量検出手段(35)の出力値との和に、補正係数を乗じて後席側日射制御値を算出することができる。
【0011】
そして、請求項3記載の発明のように、補正係数として前席側補正係数および後席側補正係数を有し、前席日射量検出手段(34)の出力値に前席側補正係数を乗じた値と、後席日射量検出手段(35)の出力値に後席側補正係数を乗じた値との和により後席側日射制御値を算出すれば、フロントガラスとリアガラスの光透過率の差、車両ごとの車体形状の差等を考慮して、前席側補正係数と後席側補正係数をそれぞれ個別に設定することができる。そのため、後席側日射制御値をより一層適切に算出できる。
【0012】
また、請求項4記載の発明のように、日射仰角に関連した信号として外気温信号またはカレンダー信号を用いれば、既存の外気温センサの信号またはカーナビゲーション等のカレンダー信号を利用して、補正係数を決定することができる。
【0013】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1、2は本発明の車両用空調装置を乗用車に搭載した場合の一例を示すもので、まず、車室内前席側空間を空調する前席空調ユニット(前席空調手段)1を図1により説明する。
【0015】
空気通路を形成する空調ケース2の空気上流側部位には、車室内気を吸入するための内気吸入口3、外気を吸入するための外気吸入口4、および内気と外気との吸入割合を切り換える内外気切替ドア5が設けられている。この内外気切替ドア5は、その駆動手段としてのサーボモータ6(図3参照)によって駆動される。
【0016】
内外気切替ドア5の下流側部位には、送風手段としてのファン7が配設されている。このファン7は、その駆動手段としてのブロワモータ8によって駆動され、ファン7の回転数、すなわち車室内への送風量は、ブロワモータ8に印加されるブロワ電圧によって制御される。なお、このブロワ電圧は、図3に示すECU(電子制御装置)9によって決定されブロワ制御器10を介してブロワモータ8に印加される。
【0017】
ファン7の下流側には、冷却用熱交換器としての前席蒸発器11が配設されている。この前席蒸発器11は冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空気から吸熱して空気を冷却する。なお、前席蒸発器11は自動車のエンジンによって駆動される図示しない圧縮機、凝縮器、減圧手段等とともに冷媒配管で接続された周知の冷凍サイクルを構成する。
【0018】
前席蒸発器11よりも空気下流側部位には、加熱用熱交換器としてのヒータコア12が配設されている。このヒータコア12は、内部にエンジン冷却水(温水)が流れ、この冷却水を熱源としてヒータコア12を通過する空気を再加熱するものである。また、空調ケース2内には、前席蒸発器11からの冷風がヒータコア12をバイパスして流れるバイパス通路13が形成されている。
【0019】
また、空調ケース2内には、ヒータコア12を通る冷風量とバイパス通路13を通る冷風量との割合を調節する、温度調節手段としてのエアミックスドア14が配設されている。このエアミックスドア14は、その駆動手段としてのサーボモータ15(図3参照)によって駆動される。
【0020】
また、空調ケース2の空気下流側部位には、フロントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ開口部16、前席乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス開口部17、および前席乗員の足元に空気を吹き出すフット開口部18が形成されている。
【0021】
そして、空調ケース2内には、デフロスタ開口部16を開閉するデフロスタドア19、フェイス開口部17を開閉するフェイスドア20、およびフット開口部18を開閉するフットドア21が設けられている。これらのドア19〜21は図示しないリンク機構を介して駆動手段としてのサーボモータ22(図3参照)によって駆動される。
【0022】
次に、車室内後席側空間を冷房する後席クーラユニット(後席空調手段)23の構成を図2により説明すると、空気通路としてのクーラケース24の空気上流側部位には、車室内気を吸入するための内気吸込口25が形成されている。
【0023】
また、クーラケース24内には、後席送風手段としてのファン26が配設されている。このファン26は、その駆動手段としてのブロワモータ27によって駆動され、ファン26の回転数は、ブロワモータ27に印加されるブロワ電圧によって制御される。なお、このブロワ電圧はECU9によって決定されブロワ制御器28を介してブロワモータ27に印加されるる。
【0024】
ファン26の下流側には、空気冷却用熱交換器としての後席蒸発器29が配設されている。この後席蒸発器29は、上述した前席蒸発器11とともに同一の冷凍サイクルを構成するものであり、この後席蒸発器29の冷媒上流側における冷媒配管には、後席蒸発器29への冷媒流れを制御する後席電磁弁30が設けられている。
【0025】
また、クーラケース24の空気下流側部位には、後席乗員の上半身に空気を吹き出す後席フェイス開口部31が形成されている。
【0026】
次に、図3を用いて本実施形態の制御系の構成を説明する。上記各ユニット1、23の各空調手段を制御するECU9は、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータや、モータ等の駆動回路、A/D変換回路等を備え、自動車のエンジンの図示しないイグニッションスイッチが閉じたときに、図示しないバッテリから電源が供給される。
【0027】
ECU9の入力端子には、車室内温度TRを検出する内気温センサ32、外気温度TAMを検出する外気温センサ33、前席側車室内に照射される日射量TSFrを検出する前席日射センサ34、後席側車室内に照射される日射量TSRrを検出する後席日射センサ35、前席蒸発器11の吹出空気温度(蒸発器冷却温度)TEを検出する前席蒸発器温度センサ36、エンジン冷却水温度TWを検出する水温センサ37、および車室内の目標温度TSETを設定する温度設定器38からの各信号が入力される。
【0028】
ここで、温度設定器38は車室内前部の計器盤近傍に配置される前席側空調操作パネル39に配置されるものであって、この温度設定器38により車室内前席側および後席側共通の目標温度TSETを設定する。
【0029】
なお、前席日射センサ34は、図4に示すように車室内前部の計器盤40の車両左右方向の略中央部に設けられており、また、後席日射センサ35は、車室内後部のリアトレイ41上の車両左右方向の略中央部に設けられている。
【0030】
次に、本実施形態の作動を説明する。図5は上記ECU9のマイクロコンピュータの制御処理を示すフローチャートであり、車両のイグニッションスイッチがオンされてECU9に電源が供給されると、図5のルーチンが起動され、ステップ110にて初期化処理を行い、次のステップ120にて、上記各センサ32〜37および温度設定器38からの信号を読み込む。
【0031】
次のステップ130にて、前席日射センサ34の出力値TSFrと、後席日射センサ35の出力値TSRrとに基づいて、後席日射制御値TS’Rrを算出する。このステップ130の処理が本実施形態の要部であって、その詳細は後述する。
【0032】
次のステップ140にて、予めROMに記憶された下記数式1、2に基づいて、前席側の目標吹出温度TAO(Fr)および後席側の目標吹出温度TAO(Rr)を算出する。
【0033】
【数1】
【0034】
【数2】
なお、上記数式2の中のTS’Rrは、上記ステップ130にて算出した値である。また、上記Kset 、Kr 、Kam、およびKs は、それぞれ補正ゲインであり、Cは補正定数である。
【0035】
次のステップ150にて、前席側のブロワモータ8に印加する前席ブロワ電圧を、上記TAO(Fr)に基づいて図6のマップのように算出するとともに、後席側のブロワモータ27に印加する後席ブロワ電圧を、上記TAO(Rr)に基づいて図7のマップのように算出する。
【0036】
次のステップ160にて、前席空調ユニット1の吹出モードを、上記TAO(Fr)に基づいて図8のマップのように算出する。すなわち、フェイス開口部17を介して前席乗員の上半身に向けて風を吹き出すフェイス(FACE)モードと、フェイス開口部17とフット開口部18の両方を介して、前席乗員の上半身と足元の両方に向けて風を吹き出すバイレベル(B/L)モードと、フット開口部18を介して前席乗員の足元に向けて風を吹き出すフット(FOOT)モードとを上記TAO(Fr)に基づいて切り替える。
【0037】
次のステップ170にて、エアミックスドア14の目標開度SWを、予めROMに記憶された下記数式3に基づいて算出する。
【0038】
【数3】
SW=100×(TAO(Fr)−TE)/(TW−TE) (%)
なお、上記TE、TWは、それぞれ前席蒸発器温度センサ36の出力値、水温センサ37の出力値である。
【0039】
次のステップ180にて、後席電磁弁30の開閉状態を、上記TAO(Rr)に基づいて図7のマップのように決定する。次のステップ190にて、ブロワモータ8、23へ印加されるブロワ電圧が、それぞれ上記ステップ150にて算出した前席ブロワ電圧、後席ブロワ電圧となるように、ブロワモータ8、27へ制御信号を出力する。
【0040】
次のステップS200にて、エアミックスドア14の開度が、上記ステップ170にて算出した目標開度SWとなるように、サーボモータ15へ制御信号を出力する。次のステップ210にて、上記ステップ160で算出した吹出モードが得られるように、サーボモータ22へ制御信号を出力する。
【0041】
次のステップ220にて、後席電磁弁30の開閉状態が、上記ステップ180にて決定した開閉状態となるように、後席電磁弁30へ制御信号を出力する。
【0042】
次に、上記ステップ130による後席日射制御値TS’Rrの算出の技術的意義について詳述する。後席側の目標吹出温度TAO(Rr)を算出するに際して、前述の数式2において、もしTS’Rrの代わりに後席日射センサ35の出力値TSRrをそのまま用いてTAO(Rr)を算出すると、次のごとき不具合が生ずる。
【0043】
すなわち、後席日射センサ35が図4の位置に設置されている場合、車両後方からの日射は後席日射センサ35に十分当たるので、後席日射センサ35の出力値が大きくなって、TAO(Rr)の算出値が低温側に移行する。そのため、後席乗員の温感不満(冷房不足)を解消できる。
【0044】
しかし、前方日射や側方日射時では、後席乗員に日射が当たっても、後席日射センサ35への日射量が減少し、その結果、TAO(Rr)の算出に際して日射補正量が不足して、後席乗員に対して冷房不足による温感不満を与える。
【0045】
図9はこのことを説明するもので、図9の横軸の左右角は図10に示すように、車両進行方向に対する日射左右方向の角度であって、車両進行方向の正面からの日射時では左右角=0°とし、後方日射時では左右角=180°としている。
【0046】
図9において、日射補正目標値は、後席乗員の温感を快適な一定状態に維持するために必要な日射補正量であって、正面日射時(左右角=0°)における値を1とした相対値で示している。同様に、前席日射センサ34および後席日射センサ35の出力値も日射補正目標値に対する相対値で示している。なお、図9は日射仰角=30°の時の値を示している。日射仰角は図10に示すように水平方向に対する日射の角度である。
【0047】
図9に示すように、日射補正目標値は日射左右角方向の変化にかかわらず、ほぼ一定であり、日射左右角=45°付近(前方斜め日射時)に若干上昇する傾向が見られる。
【0048】
それに対して、後席日射センサ35の出力値は日射左右角=180°付近(後方日射時)において最大出力となり、前方日射時には大きく減少するので、後席日射センサ35の出力値をそのまま用いてTAO(Rr)を算出すると、日射補正量が不足して、後席乗員に対して冷房不足による温感不満を与えることになる。
【0049】
そこで、本実施形態においては、前方日射時に後席日射センサ35の出力値が減少しても、前席日射センサ34の出力値は上昇するという点に着目して、前席日射センサ34の出力値TSFrと、後席日射センサ35の出力値TSRrとに基づいて、後席日射制御値TS’Rrを算出するようにしたのである。具体的には、下記数式4により後席日射制御値TS’Rrを算出する。
【0050】
【数4】
TS’Rr=(TSFr+TSRr)×k1
ここで、k1は補正係数であり、日射仰角により可変される値である。日射仰角=30°の時に補正係数k1=0.78を上記数式4に適用して、後席日射制御値TS’Rrを算出したところ、図9の破線で示す後席日射制御値TS’Rrを得ることができた。
【0051】
この後席日射制御値TS’Rrによると、日射左右角の全範囲において日射補正目標値に近似した日射補正値とすることができる。
【0052】
次に、図11は図9と同様の特性図であるが、但し、日射仰角=54°の時の値を示している。補正係数k1=0.78に固定したまま、後席日射制御値TS’Rrを上記数式4により算出すると、日射左右角の全範囲において後席日射制御値TS’Rrが相対値1.3近傍の値まで上昇してしまい、日射補正目標値に対して過大な日射補正値となることが分かった。この過大な日射補正値はTAO(Rr)を引き下げて、後席側乗員に対する過剰冷房(冷えすぎ)を起こす原因となる。
【0053】
そこで、日射仰角の増大に伴って、補正係数k1を上記0.78から0.65に減少させたところ、後席日射制御値TS’Rrを図11の1点鎖線で示すように日射補正目標値に近似させることができた。
【0054】
つまり、図12に示すように日射仰角の増大に伴って、補正係数k1をk12からk11に向かって減少させることにより、日射仰角の増大による後席側乗員に対する過剰冷房を防止でき、また、逆に、低仰角時には補正係数k1の増加により日射補正量不足(温感上昇)を解消できる。
【0055】
以上の結果、日射方向の変化にかかわらず、常に後席側乗員の温感(空調フィーリング)を快適に維持できるのである。
【0056】
なお、日射仰角は外気温TAMの低下に伴って減少するという相関関係があるので、日射仰角を直接検出せずに、外気温センサ33により検出される外気温TAMによって補正係数k1を可変すれば、仰角検出のための専用の検出手段が不要となる。もちろん、日射の入射角度が異なるように配置した複数の日射センサを組み合わせて日射仰角を直接検出するようにしてもよい。
【0057】
(第2実施形態)
第1実施形態で説明した図9および図11のデータは、前席日射センサ34と後席日射センサ35の出力値が同一日射量時に同一出力となることを前提にしているが、車両のフロントガラスとリアガラスとで光透過率が異なることが多い。通常はフロントガラスよりリアガラスの光透過率の方が低い。また、車両ごとにの車体形状の差異により前席日射センサ34と後席日射センサ35に対する日射量が変化する。
【0058】
以上のことから、前席日射センサ34の出力値に対する補正量と、後席日射センサ35の出力値に対する補正量とをそれぞれ個別に調整可能とすることにより、後席日射制御値TS’Rrを一層適切に算出できる。
【0059】
第2実施形態は、上記点に鑑みて、下記数式5により後席日射制御値TS’Rrを算出する。
【0060】
【数5】
TS’Rr=k2・TSFr+k3・TSRr
ここで、k2、k3は補正係数であり、日射仰角により可変される値であって、前述の図12のk1と同様にk2、k3は日射仰角の増加とともに減少するように決定される。
【0061】
図13は図9に対応する図であって、第2実施形態による数式5により後席日射制御値TS’Rrを算出した場合の結果を示している。なお、図13の例ではフロントガラスよりリアガラスの光透過率の方が低い車両における算出例を示しており、そのため、後席日射センサ35の出力値は、日射量が増加する後方日射時(左右角=180°付近)でも図9の場合より低下している。また、図13の例では、日射仰角=30°において、k2=0.78、k3=1、6を適用して後席日射制御値TS’Rrを算出している。
【0062】
(他の実施形態)
▲1▼日射仰角は暦の月日とも相関関係があるので、カーナビゲーション等の車載コンピュータのカレンダー信号に基づいて補正係数k1、k2、k3を可変してもよい。
【0063】
▲2▼上記実施形態では、後席側空間を空調する後席空調手段として、後席側空間を冷房する後席クーラユニット23を用いる場合について説明したが、後席側空間を冷房するだけでなく、暖房することも可能な後席空調ユニットを用いる場合に本発明を適用できることはもちろんである。
【0064】
この場合、図7に示す後席側へのブロワ電圧(風量)の他に、後席側への吹出温度をも後席日射制御値TS’Rr(後席側目標吹出温度TAO(Rr))に基づいて制御してもよい。
【0065】
▲3▼上記実施形態では、後席クーラユニット23のブロワ電圧(風量)を後席日射制御値TS’Rrに基づいて制御するようにしたが、後席蒸発器29の冷却能力を後席日射制御値TS’Rrに基づいて制御するようにしてもよい。後席蒸発器29の冷却能力は例えば、電磁弁30の断続開閉により制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の前席空調ユニットの概要を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の後席クーラユニットの概要を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の制御系のブロック図である。
【図4】第1実施形態の前席日射センサおよび後席日射センサの車両配置図である。
【図5】第1実施形態による制御処理のフローチャートである。
【図6】第1実施形態による前席ブロワ電圧の制御マップである。
【図7】第1実施形態による後席ブロワ電圧および後席電磁弁の開閉状態の制御マップである。
【図8】第1実施形態による前席空調ユニットの吹出モードの制御マップである。
【図9】第1実施形態による日射仰角=30°での後席日射制御値の算出例を示すグラフである。
【図10】車両への日射照射方向を示す説明図である。
【図11】第1実施形態による日射仰角=54°での後席日射制御値の算出例を示すグラフである。
【図12】第1実施形態による後席日射制御値の算出のための補正係数を決める制御マップである。
【図13】第2実施形態による日射仰角=30°での後席日射制御値の算出例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…前席空調ユニット(前席空調手段)、
23…後席クーラユニット(後席空調手段)、26…ファン(後席送風手段)、
27…ブロワモータ(後席送風手段)、
34…前席日射センサ(前席日射量検出手段)、
35…後席日射センサ(後席日射量検出手段)。
Claims (4)
- 車室内後席側空間を空調する後席空調手段(23)と、
車室内前席側に設けられ、日射量を検出する前席日射量検出手段(34)と、
車室内後席側に設けられ、日射量を検出する後席日射量検出手段(35)と、
前記前席日射量検出手段(34)の出力値、前記後席日射量検出手段(35)の出力値、および日射仰角に関連した信号により可変される補正係数に基づいて後席側日射制御値を算出する算出手段(130)とを備え、
前記後席側日射制御値に基づいて前記後席空調手段(23)の作動を制御することを特徴とする車両用空調装置。 - 前記前席日射量検出手段(34)の出力値と前記後席日射量検出手段(35)の出力値との和に、前記補正係数を乗じて前記後席側日射制御値を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 前記補正係数として前席側補正係数および後席側補正係数を有し、
前記前席日射量検出手段(34)の出力値に前記前席側補正係数を乗じた値と、前記後席日射量検出手段(35)の出力値に前記後席側補正係数を乗じた値との和により前記後席側日射制御値を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記日射仰角に関連した信号は外気温信号またはカレンダー信号であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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