JP2007290571A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両において検出しにくい低仰角の日射に対して快適性を向上する空調制御を行う車両用空調装置を提供する。
【解決手段】本実施形態の車両用空調装置のエアコンECU8は、外気温度センサ81により検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに日射センサ83により検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行う。この制御により、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して適切な補正を行うことができるとともに、日射仰角が大きいときには過度の日射量補正が行わないので乗員の快適性を損なうことを防止できる。特に、冬季の朝夕および昼間の両方において、乗員に対して過度の暖房または冷房を提供しないようなバランスのとれた空調を行うことができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、日射量の検出値を補正する日射補正量を算出し、日射補正量を反映した空調制御を行う車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両用空調装置は、設定車室内温度、および検出された日射量、外気温度、車室内温度などに関連して車室内温度制御信号を演算し、この演算された車室内温度制御信号に基づいて空調を制御する制御手段を備えたものであり、外気温度が低いときに、検出日射量の低下を見込んで車室内温度制御信号演算時における検出日射量の利得(日射補正量)を増加させるものである(例えば、特許文献1参照)。
特公平7−98446号公報
しかしながら、上記特許文献1の車両用空調装置では、冬季などの外気温度が低い昼間においては日射角度が高くなり、検出日射量が大きくても日射補正量を大きくする制御が働くため、日射補正量が大きくなりすぎて暖房度合いが小さくなり、乗員にとって肌寒い空調制御がなされる。逆に、朝夕は日射角度が小さい(日射仰角が小さい)ため車両においては日射量を検出しにくい状況にある。乗員にとって昼間の空調がちょうどよい場合には、朝夕の空調制御は、制御に反映される日射補正量が適切な値にまで到達せず、乗員にとって暖房が効きすぎる状態になりうるという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記点を鑑みたものであり、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して快適性を向上する空調制御を行う車両用空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、以下に示す技術的手段を採用する。すなわち、車両用空調装置に係る第1の発明は、車室外の外気温度を検出する外気温検出手段(81)と、車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)と、外気温検出手段(81)、日射検出手段と(83)のそれぞれによって検出された温度情報、日射量情報に基づいて車室内の空調を制御する空調制御手段(8)と、を備えたものであり、この空調制御手段(8)は、検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする。
この発明によれば、外気温度が所定温度よりも低く、検出された日射量が小さい場合には、実際の検出日射量よりも大きい値の日射量に補正する空調制御を行うことにより、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して適切な補正を行うことができるとともに、日射仰角が大きいときには過度の日射量補正を行わないので乗員の快適性を損なうことを防止できる。特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
第2の発明は、第1の発明において、空調制御手段(8)は空調制御に用いる日射量を検出された外気温度に応じて決定することが好ましい。この発明によれば、外気温度の低さ度合いによって日射を補正する量を決定することにより、より精度の高い日射補正量を採用できるので乗員の快適性を高めることができる。
さらに第2の発明において、空調制御手段(8)は、空調制御に用いる日射量を決定するための制御特性データを外気温度に対応して複数有し、検出された外気温度に応じた適切な制御特性データを当該複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することが好ましい。
この発明によれば、複数の制御特性データから適切なデータを選択して空調制御に用いる日射補正量を算出することにより、効率的な制御手順でかつ幅広い環境条件に対応可能な空調制御を実施できる。
さらに上記発明のいずれかにおいて、空調制御手段(8)は、検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された当該日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことが好ましい。この発明によれば、実際の日射量を正しく検出していると考えられる場合には、過度の日射量補正を行わないので、特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
車両用空調装置に係る第3の発明は、車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)と、少なくとも日射検出手段(83)によって検出された日射量情報に基づいて目標吹出温度を算出する空調制御手段(8)と、を備えたものであり、この空調制御手段(8)は、算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする。
この発明によれば、算出された目標吹出温度が所定温度よりも高く(特に冬季)、検出された日射量が小さい場合には、実際の検出日射量よりも大きい値の日射量に補正する空調制御を行うことにより、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して適切な補正を行うことができるとともに、日射仰角が大きいときには過度の日射量補正を行わないので乗員の快適性を損なうことを防止できる。特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
第4の発明は、第3の発明において、空調制御手段(8)は、日射量の検出値に基づいて算出した目標吹出温度に応じて空調制御に用いる日射量を決定することが好ましい。
この発明によれば、目標吹出温度の高さ度合いによって空調制御に用いる日射補正量を決定することにより、より精度の高い日射補正量を採用できるので乗員の快適性を高めることができる。
さらに第4の発明において、空調制御手段(8)は、空調制御に用いる日射量を決定するための制御特性データを、算出された目標吹出温度に対応して複数有し、目標吹出温度の算出値に応じた適切な制御特性データを当該複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することが好ましい。
この発明によれば、複数の制御特性データから適切なデータを選択して空調制御に用いる日射補正量を算出することにより、効率的な制御手順でかつ幅広い環境条件に対応可能な空調制御を実施できる。
さらに上記第3の発明以降のいずれかの発明において、空調制御手段(8)は、算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことが好ましい。この発明によれば、実際の日射量を正しく検出していると考えられる場合には、過度の日射量補正を行わないので、特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の第1実施形態における車両用空調装置を図1ないし図8に基づいて説明する。図1は車両用空調装置の全体構成を示した構成図である。図2は日射センサ83a、83bの配置場所を示した斜視図である。
本実施形態は、車室内のうち、前席側の左右、後席側の左右のそれぞれに位置する空調ゾーン1a、1b、1c、1dをそれぞれ独立して空調制御する車両用空調装置に本発明を適用した一例を示している。
車両用空調装置は、図1に示すように、空調ゾーン1a、1bをそれぞれ独立に空調するための前席空調ユニット5と、空調ゾーン1c、1dとをそれぞれ独立に空調するための後席空調ユニット6とから構成されている。前席空調ユニット5は、計器盤7内側に配置されており、後席空調ユニット6は、車室内の最後方に配置されている。
前席空調ユニット5は、車室内に送風するための前席ユニットダクト50を備え、この前席ユニットダクト50には、車室内から内気を導入するための内気導入口50a、および、車室外から外気を導入するための外気導入口50bが設けられている。
さらに、前席ユニットダクト50には、外気導入口50bおよび内気導入口50aを選択的に開閉する内外気切替ドア51が設けられ、この内外気切替ドア51には、駆動手段としてのサーボモータ51aが連結されている。
また、前席ユニットダクト50内であって外気導入口50bおよび内気導入口50aの空気下流側には、車室内に向けて吹き出される空気流を発生させる送風機52が設けられており、送風機52は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ52aを備えている。
さらに、前席ユニットダクト50内であって送風機52の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ53が設けられており、このエバポレータ53の空気下流側には、空気加熱手段としてのヒータコア540が設けられている。
そして、前席ユニットダクト50内であってエバポレータ53の空気下流側には、仕切り板57が設けられており、この仕切り板57は、前席ユニットダクト50内を運転席側通路50cと助手席側通路50dとに仕切っている。
ここで、運転席側通路50cのうちヒータコア540の側方には、バイパス通路50eが形成されており、バイパス通路50eは、ヒータコア540に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路50dのうちヒータコア540の側方には、バイパス通路50fが形成されており、バイパス通路50fは、ヒータコア540に対してエバポレータ53により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア540の空気上流側には、エアミックスドア55b、55cが設けられ、これらと、仕切り板57、運転手席側通路50c、助手席側通路50d、およびヒータコア540とでヒータユニット54を構成している。エアミックスドア55bは、その開度により、運転手席側通路50cを流通する冷風のうち、ヒータコア540を通る量とバイパス通路50eを通る量との比を調整する働きがある。
他方、エアミックスドア55cは、その開度により、助手席側通路50dを流通する冷風のうち、ヒータコア540を通る量とバイパス通路50fを通る量との比を調整する働きがある。なお、エアミックスドア55b、55cには、駆動手段としてのサーボモータ55a、55dがそれぞれ連結されており、その開度は、エアコンECU8が制御するサーボモータ55a、55dによって、調整される。
また、エバポレータ53は、図示しないコンプレッサ、凝縮器、受液器、減圧器とともに、周知の冷凍サイクルを構成している熱交換器であり、このエバポレータ53は、前席ユニットダクト50内を流れる空気を冷却する。ここで、コンプレッサは、当該自動車のエンジンに電磁クラッチ(図示しない)を介して連結されるものであり、このコンプレッサは、電磁クラッチを断続制御することによって駆動停止制御される。
ヒータコア540は、当該自動車のエンジン冷却水(温水)を熱源とする熱交換機であり、このヒータコア540は、エバポレータ53によって冷却された冷風を加熱する。また、前席ユニットダクト50のうちヒータコア540の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口FrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口FrDrは、運転席側通路50cから運転席に着座する運転者の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、前席ユニットダクト50のうちフェイス吹出口FrDrの空気上流部には、フェイス吹出口FrDrを開閉する吹出口切替ドア56cが設けられており、この吹出口切替ドア56cは、駆動手段としてのサーボモータ56aによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、前席ユニットダクト50には、運転席側通路50cから運転者の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口、およびフロントウインドシールドの内表面のうち運転席側領域に空気を吹き出す運転席側デフロスタ吹出口が設けられている。
そして、運転席側フット吹出口および運転席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、それぞれの吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、前席ユニットダクト50のうちヒータコア540の空気下流側には、助手席側フェイス吹出口FrPaが開口されており、助手席側フェイス吹出口FrPaは、助手席側通路50dから助手席に着座する乗員の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、前席ユニットダクト50のうちフェイス吹出口FrPaの空気上流部には、フェイス吹出口FrPaを開閉する吹出口切替ドア56bが設けられており、この吹出口切替ドア56bは、駆動手段としてのサーボモータ56dによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、前席ユニットダクト50には、助手席側通路50dから助手席の乗員の下半身に空気を吹き出す助手席側フット吹出口、およびフロントウインドシールドの内表面のうち助手席側領域に空気を吹き出す助手席側デフロスタ吹出口が設けられている。
そして、助手席側フット吹出口および助手席側デフロスタ吹出口の空気上流部には、それぞれの吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、それぞれの吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
次に、後席空調ユニット6は、車室内に送風するための後席ユニットダクト60を備えており、この後席ユニットダクト60内には、車室内から内気導入口60aを通して内気のみが導入される。ここで、内気導入口60aの空気下流側には、車室内に向けて吹き出される空気流を発生させる送風機62が設けられており、送風機62は、羽根車およびこの羽根車を回転させるブロアモータ62aを有して構成されている。
さらに、後席ユニットダクト60内において送風機62の空気下流側には、空気を冷却する空気冷却手段としてのエバポレータ63が設けられており、このエバポレータ63の空気下流側には、空気を加熱する空気加熱手段としてのヒータコア640が設けられている。
そして、後席ユニットダクト60内のうちエバポレータ63の下流部分には仕切り板67が設けられており、この仕切り板67は、後席ユニットダクト60内を運転席側通路60cおよび助手席側通路60dに仕切っている。ここで、運転席側通路60cのうちヒータコア640の側方には、バイパス通路60eが形成されており、バイパス通路60eは、ヒータコア640に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
そして、助手席側通路60dのうちヒータコア640の側方には、バイパス通路60fが形成されており、バイパス通路60fは、ヒータコア640に対してエバポレータ63により冷却された冷風をバイパスさせる。
ヒータコア640の空気上流側には、エアミックスドア65a、65bが設けられ、これらと、仕切り板67、後席運転手席側通路60c、後席側助手席側通路60d、およびヒータコア640とでヒータユニット64を構成している。エアミックスドア65aは、その開度により、後席運転手席側通路60cを流通する冷風のうち、ヒータコア6400を通る量とバイパス通路60fを通る量との比を調整する働きがある。
他方、エアミックスドア65bは、その開度により、後席側助手席側通路60bを流通する冷風のうち、ヒータコア640を通る量とバイパス通路60fを通る量との比を調整する働きがある。なお、エアミックスドア65a、55bには、駆動手段としてのサーボモータ65c、65dがそれぞれ連結され、その開度は、エアコンECU8が制御するサーボモータ65c、65dによって、調整される。
ここで、エバポレータ63は、上述のエバポレータ63に対して並列的に配管結合されるものであって、冷凍サイクルの一構成要素をなす熱交換器である。ヒータコア640は、当該自動車のエンジン冷却水を熱源とする熱交換機であり、ヒータコア640は、上述のヒータコア540に対し並列的に接続されて、エバポレータ63によって冷却される冷風を加熱する。
また、後席ユニットダクト60のうちヒータコア640の空気下流側には、運転席側フェイス吹出口RrDrが開口されており、運転席側フェイス吹出口RrDrは、運転席側通路60cから後席4の右側、すなわち、運転席の後側に着座する乗員(以下、後部右側乗員とする)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口RrDrの空気上流部には、フェイス吹出口RrDrを開閉する吹出口切替ドア66aが設けられており、この吹出口切替ドア66aは、駆動手段としてのサーボモータ66cによって、開閉駆動される。そして、図には、省略されているが、後席ユニットダクト60には、運転席側通路60cから後部右側乗員の下半身に空気を吹き出す運転席側フット吹出口が設けられている。
また、当該運転席側フット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、この吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。また、後席ユニットダクト60のうちヒータコア640の空気下流側には、フェイス吹出口RrPaが開口されており、このフェイス吹出口RrPaは、助手席側通路60dから後席の左側、すなわち、助手席の後側に着座する乗員(以下、後部左側乗員とする)の上半身に向けて空気を吹き出す。
ここで、フェイス吹出口RrPaの空気上流部には、フェイス吹出口RrPaを開閉する吹出口切替ドア66bが設けられており、この吹出口切替ドア66bは、駆動手段としてのサーボモータ66dによって、開閉駆動される。
また、図には省略されているが、後席ユニットダクト60には、助手席側通路60dから後部左側乗員の下半身に空気を吹き出すフット吹出口が設けられている。このフット吹出口の空気上流部には、吹出口を開閉する吹出口切替ドアが設けられており、この吹出口切替ドアは、サーボモータによって、開閉駆動される。
また、車両用空調装置には、前席空調ユニット5および後席空調ユニット6をそれぞれ制御するための空調制御手段である電子制御装置8(以下、エアコンECU8とする)が設けられている。
このエアコンECU8には、日射量検出手段である日射センサ83を構成する車室内前方に配置される日射センサ83aおよび車室内後方に配置される日射センサ83b、外気温度センサ81、冷却水温度センサ82、車室内前方に配置される日射量検出手段である日射センサ83a、車室内後方に配置される日射量検出手段である日射センサ83b、内気温度センサ84、85、および蒸発器温度センサ86、87により検出された温度情報、日射量情報などが入力されるように接続されている。
外気温度センサ81は、車室外温度を検出しその検出温度に応じた外気温度信号TamをエアコンECU8に出力する。冷却水温度センサ82は、エンジンの冷却水の温度を検出しその検出温度に応じた冷却水温度信号TwをエアコンECU8に出力する。
車室内前方に配置された日射センサ83aは、フロントウインドウの内側にて車両左右方向の略中央部分に配置された2素子(2D)タイプの日射センサであり、車室内の運転席側空調ゾーン1aに入射される日射量と助手席側空調ゾーン1bに入射される日射量とを検出し、それら検出した各日射量に応じた日射量信号TsDrおよびTsPaをエアコンECU8に出力する。
車室内後方に配置される日射センサ83bは、1素子(1D)タイプの日射センサであり、車両後方から車室内に入射される日射量を検出し、その検出した日射量に応じた日射量信号TsRrをエアコンECU8に出力する。
内気温度センサ84は、前席側空調領域である空調ゾーン1a、1bの空気温度を検出し、その検出温度に応じた内気温度信号TrFrをエアコンECU8に出力するものであり、内気温度センサ85は、後席側空調領域である空調ゾーン1c、1dの空気温度を検出し、その検出温度に応じた内気温度信号TrRrをエアコンECU8に出力するものである。
蒸発器温度センサ86は、エバポレータ53の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeFrをエアコンECU8に出力するものであり、蒸発器温度センサ87は、エバポレータ63の吹出空気温度を検出しその検出温度に応じた蒸発器吹出温度信号TeRrをエアコンECU8に出力する。
また、エアコンECU8には、乗員が温度設定スイッチ9、10、11、12を操作することによりそれぞれ設定される、空調ゾーン1a、1b、1c、1dのそれぞれの設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPa、TsetRrDr、TsetRrPaが入力されるように接続されている。ここで、前席側をFr、後席側をRr、車両右側をDr、車両左側をPaと表し、これらを組み合わせることで各空調ゾーン1a〜1dの座席を表すこととする。
なお、温度設定スイッチ9、10、11、12のそれぞれ近傍には、設定温度等の設定内容を表示する設定温度表示手段としてのディスプレイ9a、10a、11a、12aが備えられている。
エアコンECU8は、アナログ/デジタル変換器、マイクロコンピュータ等を有して構成される。日射センサ83a、83b、各温度センサ81、82、84、86、87、および温度設定スイッチ9、10、11、12からそれぞれ出力される出力信号は、アナログ/デジタル変換器によりアナログ/デジタル変換されてマイクロコンピュータにそれぞれ入力されるように構成されている。
また、マイクロコンピュータは、ROM、RAMなどのメモリ、およびCPU(中央演算装置)等から構成され、イグニッションスイッチがオンされたときに図示しないバッテリから電力供給される。
次に、上記構成の車両用空調装置における空調補正の制御を図3ないし図8を用いて説明する。図3は、エアコンECU8による基本空調制御のメインルーチンを示したフローチャートである。
まず、エアコンECU8は電源が投入されると、空調が開始され、ROM、RAMなどのメモリに記憶された制御プログラムがスタートし、RAMに記憶されるデータなどを初期化して図3に示すメインルーチンにしたがって空調制御処理を実行する。ここで、前席空調ユニット5、後席空調ユニット6のそれぞれが、前席空調処理、後席空調処理を実行し、それぞれの処理は一定時間ごとに実行されるものである。両処理を代表して前席空調処理を以下に説明する。
まず前席空調処理では、前席側運転席FrDrおよび前席側助手席FrPaのそれぞれの空調処理が行われるが、主として前席側運転席FrDr側の空調ゾーン1aについて説明し、前席側助手席FrPa側の空調ゾーン1bについては簡略化する。
まず、エアコンECU8は、ステップS110で、温度設定スイッチ9、10から、それぞれの設定温度信号TsetFrDr、TsetFrPaを読み込む。さらに、エアコンECU8は、ステップS120で、外気温度センサ81から外気温度信号Tamを読み込み、日射センサ83a、83bから日射量信号TsDr、TsPa、RrTsを読み込み、内気温度センサ84からFrTrを読み込む。
次にエアコンECU8は、目標吹出温度TAOを算出するステップを実行する(ステップS130)。このステップS130は図7に示すサブルーチンにより実行される。まず、ステップS131で、外気温度センサ81によって検出された外気温度Tamが所定温度より低いか否かを判断する。この所定温度は、エアコンECU8のROM、RAMなどのメモリにあらかじめ記憶されている閾値でもあり、本実施形態では20℃を採用している。
エアコンECU8は、ステップS131で、検出された外気温度Tamが所定温度より低いと判断すると、低仰角日射などによる日射が検出しにくい状態であるとはみなして、次に日射量補正処理を実行する(ステップS132)。この日射量補正処理は、図8に示す制御特性マップを用いて算出する。この制御特性マップは、検出された日射量[W/m]と日射補正量(演算日射量)[W/m]との関係を表したものであり、検出された日射量[W/m]に対応する日射補正量(演算日射量)[W/m]を決定することができる。
エアコンECU8は、いくつかの外気温度に応じた複数の制御特性データを有しており、その一例として図8に示すマップには、検出された外気温度が20℃の時のデータ(一点鎖線)と、0℃以下の時のデータ(実線)が示されている。両者は、検出された日射量が800[W/m]以上の場合には、一致しており、このときの日射補正量(演算日射量)は、検出日射量とほぼ同等の値に決定される。一方、外気温度が20℃未満で、さらに検出された日射量が800[W/m]未満の場合には、日射補正量は、マップ上の一点鎖線と実線で囲まれた三角形の内側に含まれる領域の値に決定される。
つまり、エアコンECU8は、検出された外気温度が所定温度(ここでは20℃)よりも低く、さらに検出された日射量が所定量(ここでは、800[W/m])よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を採用して、後述する目標吹出温度の演算式に用いる。なお、外気温度が0℃以上20℃未満で、かつ検出された日射量が800[W/m]未満の場合には、日射補正量は、図8に示す実線と一点鎖線の両者間で補間法により決定されるものとする。
なお、一点鎖線は、検出された日射量と日射補正量とがほぼ同等の値となるデータであり、外気温度が20℃以上の場合は、検出された日射量をそのまま目標吹出温度の算出に用いることになる。
このようにエアコンECU8は、外気温度センサ81による外気温度の検出値に応じて空調制御に用いる日射量(日射補正量)を決定するものである。具体的には、エアコンECU8は、外気温度に対応した複数の制御特性データを有し、外気温度の検出値に応じた適切な制御特性データを複数の制御特性データの中から選択し、必要に応じて補間法などを用いて演算して日射補正量を算出する。
エアコンECU8は、このように図8の制御特性マップにより演算された日射補正量をステップS134において次の数式1および数式2に代入して目標吹出温度TAODrおよびTAOPaの演算を実行し、車両用空調装置の空調制御に日射補正を反映することができる。
TAODr=Kset×TsetDr−Kr×Tr−Kam×Tamdimp−Sun×(日射補正量/60)−CF …(数式1)
TAOPa=Kset×TsetPa−Kr×Tr−Kam×Tamdimp−Sun×(日射補正量/60)−CF …(数式2)
ここで、Ksetは設定温度ゲインであり、例えば、7.0である。Krは内気温ゲインであり、例えば、3.0である。Kamは外気温度ゲインであり、例えば、1.1である。CFは全体に掛かる補正定数であり、例えば、41.5である。
一方、エアコンECU8は、検出された外気温度が所定温度(ここでは20℃)以上であると判断した場合には、低仰角日射などによる日射が検出しにくい状態であるとはみなさず、上述のステップS132による日射補正は実行しないで、ステップS133に飛び、上記数式1および数式2に、検出された日射量を代入して目標吹出温度を算出する。
次に、エアコンECU8は、S130で算出したTAODrとTAOPaとの平均値(以下、目標平均値とする)に基づいて図4の制御マップにより、内外気モードを決定する(ステップS140)。なお、図4の縦軸は内外気切替ドア51の目標開度であり、この目標開度を変化させて内気モード(内気100%)と外気モード(外気100%)とを連続的に切り替える。この内外気切替ドア51の切り替えにより、内気モード(内気循環モード)では、内気導入口50aから車室内空気(内気)を導入し、外気モード(外気導入モード)では、外気導入口50bから車室外空気(外気)を導入する。
具体的には、図4に示すように、目標平均値(図中のTAO)が所定温度以下となる領域(最大冷房域)では、エアコンECU8は、内外気切替ドア51によって内気導入口50aを全開し、外気導入口50bを全閉する内気循環モードを選択する。逆に目標平均値が所定温度より高くなると、内外気切替ドア51によって外気導入口50bを全開し、内気導入口50aを全閉する外気導入モードを選択する。また、目標平均値が両者の中間的な温度領域にあるときは内外気モードを内気と外気の両方が同時に導入される内外気混入モードとする。
次に、エアコンECU8は、ステップS150で、図5に示す制御マップにしたがい、吹出ロモードを空調ゾーン1a、1bに対して個別に決定する。図5は、あらかじめROM、RAMなどに記憶されている吹出ロモード決定の制御マップであり、本実施形態では、TAODr(図5のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1aの吹出ロモードをフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モードの順番に自動的に切り替える。同様に、TAOPa(図5中のTAOに相当する)が上昇するにつれて、空調ゾーン1bの吹出ロモードをフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モードの順番に自動的に切り替える。
ここで、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
エアコンECU8は、このように空調ゾーン毎に吹出ロモードを決定すると、各吹出口切替ドアのそれぞれのサーボモータを空調ゾーン毎に制御して、空調ゾーン毎にこの決定される吹出ロモードとなるように各吹出口切替ドアをそれぞれ開閉させる。
次に、エアコンECU8は、ステップS160で、上述の目標平均値に基づいて、ブロワモータ52aに印加するブロワ電圧を決定する。このブロワ電圧は、送風機52の風量を制御するためのものであり、目標平均値に基づいて、あらかじめROM、RAMなどに記憶された図6の制御マップにしたがって決定されものである。
図6の制御マップにおいて、図6中のTAOが目標平均値に相当し、この目標平均値が中間領域内にあるときには、ブロワ電圧を一定値とし、目標平均値が中間領域より大きい場合にはこの目標平均値が大きくなるほどブロワ電圧を大きくする。また、目標平均値が中間領域より小さい場合にはこの目標平均値が小さくなるほどブロワ電圧を小さくする。このようにしてブロワ電圧は決定される。
次に、ステップS170にて、エアミックスドア55b、55cの目標開度をそれぞれ次の数式3、数式4によって算出する。
Dr側開度=((TAODr−TeFr)/(Tw−TeFr))×100(%)
・・・(数式3)
Pa側開度=((TAOPa−TeFr)/(Tw−TeFr))×100(%)
・・・(数式4)
なお、数式3、数式4において、TeFrは蒸発器温度センサ86による蒸発器吹出温度信号、Twは冷却水温度センサ82の冷却水温度信号である。
Dr側開度およびPa側開度が0%のときは、最大冷房位置となり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、エバポレータ53を通過後の空気(冷風)の全量がバイパス通路50e、50fを流れることになる。また、Dr側開度およびPa側開度が100%のときは、最大暖房位置となり、運転席側通路50cおよび助手席側通路50dにおいて、エバポレータ53を通過後の空気(冷風)の全量がヒータコア540に流入して加熱されることになる。
エアコンECU8は、以上のように決定した内外気切替モード、Dr側開度、Pa側開度、吹出ロモード、ブロワ電圧のそれぞれを示す各制御信号をサーボモータ51a、55a、55d、56a、56dおよびブロワモータ52a等に出力して、内外気切替ドア51、エアミックスドア55b、55c、吹出口切替ドア56c、56b、送風機52等の各作動を制御する(ステップS180)。
その後、一定期間が経過すると(ステップS190)、ステップS110の処理に戻り、上述の空調制御処理(ステップS110〜S190)が繰り返される。このような演算や処理の繰り返しによって前席側の各空調ゾーン1a、1bの空調は、検出しにくい低仰角の日射が差し込んでいると考えられる場合に検出された日射量よりも大きい値の日射補正量を用いた空調補正が実行されるので、快適性の高いものとなる。
なお、後席空調処理については、その説明を省略するが、上述の前席空調処理と同様の手順で演算、処理を実行するものである。ただし、後席空調処理においては、外気モードが設定されていないため、図3の内外気モード決定処理(ステップS140)を実行しない。
このように本実施形態の車両用空調装置は、このエアコンECU8が、外気温度センサ81により検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに日射センサ83により検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うものである。
この制御によれば、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して適切な補正を行うことができるとともに、日射仰角が大きいときには過度の日射量補正が行わないので乗員の快適性を損なうことを防止できる。特に、冬季の朝夕および昼間の両方において、乗員に対して過度の暖房または冷房を提供しないようなバランスのとれた空調を行うことができる。
また、エアコンECU8は、図8に示すマップを用いることにより、空調制御に用いる日射量を検出された外気温度に応じて決定することが好ましい。この制御を採用した場合には、外気温度の低さ度合いによって日射を補正する量を決定するので、より精度の高い日射補正量を採用することができる。
また、エアコンECU8は、図8の制御特性マップに示すような制御特性データを、外気温度に対応して複数有し、検出された外気温度に応じた適切な制御特性データを複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することが好ましい。また、複数の制御特性データ間に相当する外気温度が検出された場合には、検出された外気温度を間に含む二つの制御特性データを選択し、これらの制御特性データを用いた補間法によって日射量を算出することが好ましい。
この制御を採用した場合には、効率的な制御手順でかつ幅広い環境条件に対応可能な空調制御を実施できる。
また、エアコンECU8は、検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された当該日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことが好ましい。
この制御を採用した場合には、実際の日射量を正しく検出していると考えられる場合に過度の日射量補正を行わないので、特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、空調補正に用いる日射補正量の決定に目標吹出温度を考慮する制御処理フローを示している。この空調補正の制御フローを図9および図10を用いて説明する。図9は図3の目標吹出温度の算出ステップにおける制御処理を示したフローチャートである。図10は、図9のステップS136において制御に用いる日射量(日射補正量)を算出するために用いる制御特性マップである。
図9に示すように、本実施形態における空調補正の制御処理フローは、第1実施形態で説明した空調補正の制御処理フローに対して、図3の目標吹出温度の算出ステップ(ステップS130)の処理手順のみが異なっている。なお、その他の各構成部品、これらの作動、制御処理手順については、第1実施形態の車両用空調装置と同様である。
まず、エアコンECU8は、ステップS134で、目標吹出温度TAOを演算する。この目標吹出温度は、上述した数式1および数式2により演算される。なお、数式1および数式2中の「日射量」には、検出された日射量を代入して演算する。そして、次のステップS135で、演算された目標吹出温度が所定値より高いか否かを判断する。この所定値は、エアコンECU8のROM、RAMなどのメモリにあらかじめ記憶されている閾値でもあり、本実施形態では30℃を採用している。
エアコンECU8は、ステップS135で、算出された目標吹出温度が所定値(ここでは30℃)以下であると判断した場合には、低仰角日射などによる日射が検出しにくい状態であるとはみなさず、日射補正は実行しないで、ステップS134で演算した目標吹出温度を図3のステップS130に算出した目標吹出温度として採用して、ステップS140以降を実行する。
一方、エアコンECU8は、ステップS135で、算出された目標吹出温度TAOが所定値より高いと判断すると、低仰角日射などによる日射が検出しにくい状態であるとみなして、次に日射量補正処理を実行する(ステップS136)。この日射量補正処理は、図10に示す制御特性マップを用いて算出する。この制御特性マップは、前述の図8と同様に、検出された日射量[W/m]と日射補正量(演算日射量)[W/m]との関係を表したものであり、検出された日射量[W/m]に対応する日射補正量(演算日射量)[W/m]を決定することができる。
エアコンECU8は、いくつかの目標吹出温度に応じた複数の制御特性データを有しており、その一例として図10に示すマップには、検出された目標吹出温度が30℃の時のデータ(一点鎖線)と、50℃以上の時のデータ(実線)が示されている。両者は、検出された日射量が800[W/m]以上の場合には、一致しており、このときの日射補正量(演算日射量)は、検出された日射量とほぼ同等の値に決定される。一方、目標吹出温度が30℃以上50℃度未満で、さらに検出された日射量が800[W/m]未満の場合には、日射補正量は、マップ上の一点鎖線と実線で囲まれた三角形の内側に含まれる領域の値に決定される。
つまり、エアコンECU8は、検出された外気温度が所定温度(ここでは30℃)よりも高く、さらに検出された日射量が所定量(ここでは、800[W/m])よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を採用して、次のステップS137で再度、目標吹出温度の演算をし直す。なお、外気温度が30℃以上50℃未満でかつ検出された日射量が800[W/m]未満の場合には、日射補正量は、図10に示す実線と一点鎖線の両者間で補間法により決定されるものとする。
なお、一点鎖線は、検出された日射量と日射補正量とがほぼ同等の値となるデータであり、目標吹出温度が30℃以下の場合は、検出された日射量をそのまま目標吹出温度の算出に用いることになる。
このようにエアコンECU8は、検出日射量を用いて演算された目標吹出温度TAOに応じて空調制御に用いる日射量(日射補正量)を決定するものである。具体的には、エアコンECU8は、目標吹出温度TAOに対応した複数の制御特性データを有し、目標吹出温度TAOの演算値に応じた適切な制御特性データを複数の制御特性データの中から選択し、必要に応じて補間法などを用いて演算して日射補正量を算出する。
このように本実施形態の車両用空調装置は、このエアコンECU8が、検出日射量を用いて算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うものである。
この制御によれば、車両において検出しにくい低仰角の日射に対して適切な補正を行うことができるとともに、日射仰角が大きいときには過度の日射量補正が行わないので乗員の快適性を損なうことを防止できる。特に、冬季の朝夕および昼間の両方において、乗員に対して過度の暖房または冷房を提供しないようなバランスのとれた空調を行うことができる。
また、エアコンECU8は、図10に示すマップを用いることにより、日射量の検出値に基づいて算出した目標吹出温度に応じて空調制御に用いる日射量を決定することが好ましい。この制御を採用した場合には、目標吹出温度の高さ度合いによって日射を補正する量を決定するので、より精度の高い日射補正量を採用することができる。
また、エアコンECU8は、図10の制御特性マップに示すような制御特性データを、算出された目標吹出温度に対応して複数有し、目標吹出温度の算出値に応じた適切な制御特性データを当該複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することが好ましい。また、複数の制御特性データ間に相当する目標吹出温度が算出された場合には、算出された目標吹出温度を間に含む二つの制御特性データを選択し、これらの制御特性データを用いた補間法によって日射量を算出することが好ましい。
この制御を採用した場合には、効率的な制御手順でかつ幅広い環境条件に対応可能な空調制御を実施できる。
また、エアコンECU8は、算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことが好ましい。
この制御を採用した場合には、実際の日射量を正しく検出していると考えられる場合に過度の日射量補正を行わないので、特に、冬季の朝夕および昼間の両方においてバランスのとれた適切な空調を行うことができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。 例えば、上記実施形態では、車両の前方、左右側方の日射に対する日射量を検出するために日射センサ83aを車室内天井の前方中央部に配置し、車両の後方の日射に対する日射量を検出するために日射センサ83bを車室内後方に配置している。しかし、この構成の他に、これらの日射量を非接触温度センサを用いて検出するように構成してもよい。
なお、非接触温度センサは、入力される赤外線量の変化に対応した起電力変化を温度変化として検出するサーモパイル型検出素子が用いられたマトリクス型のIRセンサであり、複数の温度検出セルにより構成され、車室内の複数箇所における所定範囲の温度情報をそれぞれマトリクス状に検出するものである。
また、上記実施形態においては、車室内における前後方向の空調ゾーンとして、前席空調ゾーンと後席空調ゾーンの2分割した空調ゾーンを説明しているが、本発明を前席空調ゾーンのみを空調制御する車両用空調装置に適用してもよい。
本発明の第1および第2実施形態における車両用空調装置の全体構成を示す全体構成図である。 第1および第2実施形態の車両用空調装置における日射センサの配置を示した斜視図である。 第1および第2実施形態の車両用空調装置における基本空調制御のメインルーチンを示したフローチャートである。 図3の基本空調制御において内外気モードを決定するための制御特性マップである。 図3の基本空調制御において吹出口モードを決定するための制御特性マップである。 図3の基本空調制御においてブロワ電圧を決定するための制御特性マップである。 第1実施形態の車両用空調装置において目標吹出温度を算出する処理を示したフローチャートである。 図7のステップS132で用いる日射補正量を算出するための制御特性マップである。 第2実施形態の車両用空調装置において目標吹出温度を算出する処理を示したフローチャートである。 図9のステップS136で用いる日射補正量を算出するための制御特性マップである。
符号の説明
8 エアコンECU(空調制御手段)
81 外気温度センサ(外気温度検出手段)
83、83a、83b 日射センサ(日射検出手段)

Claims (8)

  1. 車室外の外気温度を検出する外気温検出手段(81)と、
    車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)と、
    前記外気温検出手段(81)、前記日射検出手段と(83)のそれぞれによって検出された温度情報、日射量情報に基づいて前記車室内の空調を制御する空調制御手段(8)と、を備え、
    前記空調制御手段(8)は、前記検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに前記検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された前記日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調制御手段(8)は、空調制御に用いる日射量を外気温度の検出値に応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記空調制御手段(8)は、空調制御に用いる前記日射量を決定するための制御特性データを外気温度に対応して複数有し、前記検出された外気温度に応じた適切な制御特性データを前記複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空調制御手段(8)は、前記検出された外気温度が所定温度よりも低く、さらに前記検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された前記日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用空調装置。
  5. 車室内に照射される日射量を検出する日射検出手段(83)と、
    少なくとも前記日射検出手段(83)によって検出された日射量情報に基づいて目標吹出温度を算出する空調制御手段(8)と、を備え、
    前記空調制御手段(8)は、前記算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに前記検出された日射量が所定量よりも小さい場合には、実際に検出された前記日射量よりも大きい値の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする車両用空調装置。
  6. 前記空調制御手段(8)は、日射量の検出値に基づいて算出した目標吹出温度に応じて空調制御に用いる日射量を決定することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記空調制御手段(8)は、空調制御に用いる前記日射量を決定するための制御特性データを前記算出された目標吹出温度に対応して複数有し、前記目標吹出温度の算出値に応じた適切な制御特性データを前記複数の制御特性データの中から選択して日射量を算出することを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記空調制御手段(8)は、前記算出された目標吹出温度が所定の目標吹出温度よりも高く、さらに前記検出された日射量が所定量以上である場合には、実際に検出された前記日射量とほぼ同等の日射量を空調制御に用いて日射量補正を行うことを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の車両用空調装置。
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