JP2001030730A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001030730A
JP2001030730A JP11207719A JP20771999A JP2001030730A JP 2001030730 A JP2001030730 A JP 2001030730A JP 11207719 A JP11207719 A JP 11207719A JP 20771999 A JP20771999 A JP 20771999A JP 2001030730 A JP2001030730 A JP 2001030730A
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Toshifumi Kamiya
敏文 神谷
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祐一 梶野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日射方向によらず、常に後席側空調フィーリ
ングを快適に維持できるようにする。 【解決手段】 前席日射量検出手段の出力値、後席日射
量検出手段の出力値、および日射仰角に関連した信号に
より可変される補正係数に基づいて後席側日射制御値を
算出し、この後席側日射制御値に基づいて、後席空調手
段からの吹出風量および吹出空気温度の少なくとも一方
を制御する。これによると、車両前方側からの日射時に
は後席日射量検出手段の出力値不足を前席日射量検出手
段の出力値の増加により補うとともに、低仰角時には両
日射量検出手段の出力値不足を補正係数の増加により補
うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内後席側空間
を空調する後席空調手段を有し、この後席空調手段によ
り後席側空間の空調状態を日射量に応じて制御可能な車
両用空調装置において、特に前席日射センサの出力値と
後席日射センサの出力値に基づいて算出される制御値に
よって後席側空間の空調状態を制御するものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、特開平5−16646号公報に
は、車両用空調装置において、前席日射センサの出力値
に後席日射センサの出力値を加味して車室内の空調負荷
を算出し、この算出された空調負荷と後席側日射量とに
応じて後席側空調ユニットの運転を自動的に断続制御す
るものが記載されている。
【0003】また、特開平5−16649号公報には、
車両用空調装置において、前席日射センサの出力値に後
席日射センサの出力値を加味して車室内の空調負荷を算
出し、この算出された空調負荷に応じて車室内前席側へ
の吹出風量および車室内後席側への吹出風量を算出し、
そして、車室内後席側への吹出風量を後席日射センサの
出力値に基づいて補正するものが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記後席日
射センサの設置位置としては、車室内最後部のリアトレ
イ上が一般的な位置として挙げられる。この位置に後席
日射センサを設けると、例えば車両前方斜め方向から日
射が照射されたときには、後席乗員の顔面に日射が照射
される場合が多いが、このとき、ピラーや乗員の影にな
って、後席日射センサへ日射が到達しないことがある。
【0005】更に、本発明者らの実験検討によると、日
射仰角が大きい時に比して日射仰角が小さい時は、後席
乗員の顔面に日射が照射されるにもかかわらず、後席日
射センサの出力値が減少してしまう。
【0006】以上の結果、実際には後席乗員に日射が照
射されているにも係わらず、それに応じた日射量を後席
日射センサが検出しないために、後席用空調ユニットか
らは、後席乗員に照射される日射量を打ち消すのに十分
な送風量が送風されず、後席側の冷風感が不十分とな
り、後席乗員が暑さを感じるという問題が生じる。
【0007】しかるに、上記従来技術では、日射方向の
変化に起因する後席側空調フィーリングの悪化を抑制す
る対策を提示していない。
【0008】そこで、本発明は上記問題に鑑み、日射方
向によらず、常に後席側空調フィーリングを快適に維持
できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜4記載の発明は、前席日射量検出手段
(34)の出力値、後席日射量検出手段(35)の出力
値、および日射仰角に関連した信号により可変される補
正係数に基づいて後席側日射制御値を算出し、この後席
側日射制御値に基づいて後席空調手段(23)の作動を
制御することを特徴としている。
【0010】これによると、車両前方側からの日射時に
は後席日射量検出手段(35)の出力値不足を前席日射
量検出手段(34)の出力値の増加により補うととも
に、低仰角時には両日射量検出手段(34、35)の出
力値不足を補正係数の増加により補うことができる。こ
のため、日射方向にかかわらず、後席側日射制御値を、
後席側温感を快適な状態に維持するに必要な日射補正目
標値に近似させることができる。この結果、日射方向に
よらず、常に後席側空調フィーリングを快適に維持でき
る具体的には、請求項2記載の発明のように、前席日射
量検出手段(34)の出力値と後席日射量検出手段(3
5)の出力値との和に、補正係数を乗じて後席側日射制
御値を算出することができる。
【0011】そして、請求項3記載の発明のように、補
正係数として前席側補正係数および後席側補正係数を有
し、前席日射量検出手段(34)の出力値に前席側補正
係数を乗じた値と、後席日射量検出手段(35)の出力
値に後席側補正係数を乗じた値との和により後席側日射
制御値を算出すれば、フロントガラスとリアガラスの光
透過率の差、車両ごとの車体形状の差等を考慮して、前
席側補正係数と後席側補正係数をそれぞれ個別に設定す
ることができる。そのため、後席側日射制御値をより一
層適切に算出できる。
【0012】また、請求項4記載の発明のように、日射
仰角に関連した信号として外気温信号またはカレンダー
信号を用いれば、既存の外気温センサの信号またはカー
ナビゲーション等のカレンダー信号を利用して、補正係
数を決定することができる。
【0013】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1、2は本発
明の車両用空調装置を乗用車に搭載した場合の一例を示
すもので、まず、車室内前席側空間を空調する前席空調
ユニット(前席空調手段)1を図1により説明する。
【0015】空気通路を形成する空調ケース2の空気上
流側部位には、車室内気を吸入するための内気吸入口
3、外気を吸入するための外気吸入口4、および内気と
外気との吸入割合を切り換える内外気切替ドア5が設け
られている。この内外気切替ドア5は、その駆動手段と
してのサーボモータ6(図3参照)によって駆動され
る。
【0016】内外気切替ドア5の下流側部位には、送風
手段としてのファン7が配設されている。このファン7
は、その駆動手段としてのブロワモータ8によって駆動
され、ファン7の回転数、すなわち車室内への送風量
は、ブロワモータ8に印加されるブロワ電圧によって制
御される。なお、このブロワ電圧は、図3に示すECU
(電子制御装置)9によって決定されブロワ制御器10
を介してブロワモータ8に印加される。
【0017】ファン7の下流側には、冷却用熱交換器と
しての前席蒸発器11が配設されている。この前席蒸発
器11は冷凍サイクルの冷媒の蒸発潜熱を空気から吸熱
して空気を冷却する。なお、前席蒸発器11は自動車の
エンジンによって駆動される図示しない圧縮機、凝縮
器、減圧手段等とともに冷媒配管で接続された周知の冷
凍サイクルを構成する。
【0018】前席蒸発器11よりも空気下流側部位に
は、加熱用熱交換器としてのヒータコア12が配設され
ている。このヒータコア12は、内部にエンジン冷却水
(温水)が流れ、この冷却水を熱源としてヒータコア1
2を通過する空気を再加熱するものである。また、空調
ケース2内には、前席蒸発器11からの冷風がヒータコ
ア12をバイパスして流れるバイパス通路13が形成さ
れている。
【0019】また、空調ケース2内には、ヒータコア1
2を通る冷風量とバイパス通路13を通る冷風量との割
合を調節する、温度調節手段としてのエアミックスドア
14が配設されている。このエアミックスドア14は、
その駆動手段としてのサーボモータ15(図3参照)に
よって駆動される。
【0020】また、空調ケース2の空気下流側部位に
は、フロントガラス内面に空気を吹き出すデフロスタ開
口部16、前席乗員の上半身に空気を吹き出すフェイス
開口部17、および前席乗員の足元に空気を吹き出すフ
ット開口部18が形成されている。
【0021】そして、空調ケース2内には、デフロスタ
開口部16を開閉するデフロスタドア19、フェイス開
口部17を開閉するフェイスドア20、およびフット開
口部18を開閉するフットドア21が設けられている。
これらのドア19〜21は図示しないリンク機構を介し
て駆動手段としてのサーボモータ22(図3参照)によ
って駆動される。
【0022】次に、車室内後席側空間を冷房する後席ク
ーラユニット(後席空調手段)23の構成を図2により
説明すると、空気通路としてのクーラケース24の空気
上流側部位には、車室内気を吸入するための内気吸込口
25が形成されている。
【0023】また、クーラケース24内には、後席送風
手段としてのファン26が配設されている。このファン
26は、その駆動手段としてのブロワモータ27によっ
て駆動され、ファン26の回転数は、ブロワモータ27
に印加されるブロワ電圧によって制御される。なお、こ
のブロワ電圧はECU9によって決定されブロワ制御器
28を介してブロワモータ27に印加されるる。
【0024】ファン26の下流側には、空気冷却用熱交
換器としての後席蒸発器29が配設されている。この後
席蒸発器29は、上述した前席蒸発器11とともに同一
の冷凍サイクルを構成するものであり、この後席蒸発器
29の冷媒上流側における冷媒配管には、後席蒸発器2
9への冷媒流れを制御する後席電磁弁30が設けられて
いる。
【0025】また、クーラケース24の空気下流側部位
には、後席乗員の上半身に空気を吹き出す後席フェイス
開口部31が形成されている。
【0026】次に、図3を用いて本実施形態の制御系の
構成を説明する。上記各ユニット1、23の各空調手段
を制御するECU9は、図示しないCPU、ROM、R
AM等からなる周知のマイクロコンピュータや、モータ
等の駆動回路、A/D変換回路等を備え、自動車のエン
ジンの図示しないイグニッションスイッチが閉じたとき
に、図示しないバッテリから電源が供給される。
【0027】ECU9の入力端子には、車室内温度TR
を検出する内気温センサ32、外気温度TAMを検出す
る外気温センサ33、前席側車室内に照射される日射量
TS Frを検出する前席日射センサ34、後席側車室内に
照射される日射量TSRrを検出する後席日射センサ3
5、前席蒸発器11の吹出空気温度(蒸発器冷却温度)
TEを検出する前席蒸発器温度センサ36、エンジン冷
却水温度TWを検出する水温センサ37、および車室内
の目標温度TSETを設定する温度設定器38からの各信
号が入力される。
【0028】ここで、温度設定器38は車室内前部の計
器盤近傍に配置される前席側空調操作パネル39に配置
されるものであって、この温度設定器38により車室内
前席側および後席側共通の目標温度TSETを設定する。
【0029】なお、前席日射センサ34は、図4に示す
ように車室内前部の計器盤40の車両左右方向の略中央
部に設けられており、また、後席日射センサ35は、車
室内後部のリアトレイ41上の車両左右方向の略中央部
に設けられている。
【0030】次に、本実施形態の作動を説明する。図5
は上記ECU9のマイクロコンピュータの制御処理を示
すフローチャートであり、車両のイグニッションスイッ
チがオンされてECU9に電源が供給されると、図5の
ルーチンが起動され、ステップ110にて初期化処理を
行い、次のステップ120にて、上記各センサ32〜3
7および温度設定器38からの信号を読み込む。
【0031】次のステップ130にて、前席日射センサ
34の出力値TSFrと、後席日射センサ35の出力値T
Rrとに基づいて、後席日射制御値TS’Rrを算出す
る。このステップ130の処理が本実施形態の要部であ
って、その詳細は後述する。
【0032】次のステップ140にて、予めROMに記
憶された下記数式1、2に基づいて、前席側の目標吹出
温度TAO(Fr)および後席側の目標吹出温度TAO(Rr)
を算出する。
【0033】
【数1】TAO(Fr)=Kset×TSET−Kr×TR−Ka
m×TAM−Ks×TSFr+C
【0034】
【数2】TAO(Rr)=Kset×TSET−Kr×TR−Ka
m×TAM−Ks×TS’Rr+C なお、上記数式2の中のTS’Rrは、上記ステップ13
0にて算出した値である。また、上記Kset 、Kr 、K
am、およびKs は、それぞれ補正ゲインであり、Cは補
正定数である。
【0035】次のステップ150にて、前席側のブロワ
モータ8に印加する前席ブロワ電圧を、上記TAO(Fr)
に基づいて図6のマップのように算出するとともに、後
席側のブロワモータ27に印加する後席ブロワ電圧を、
上記TAO(Rr)に基づいて図7のマップのように算出す
る。
【0036】次のステップ160にて、前席空調ユニッ
ト1の吹出モードを、上記TAO(Fr)に基づいて図8の
マップのように算出する。すなわち、フェイス開口部1
7を介して前席乗員の上半身に向けて風を吹き出すフェ
イス(FACE)モードと、フェイス開口部17とフッ
ト開口部18の両方を介して、前席乗員の上半身と足元
の両方に向けて風を吹き出すバイレベル(B/L)モー
ドと、フット開口部18を介して前席乗員の足元に向け
て風を吹き出すフット(FOOT)モードとを上記TA
O(Fr)に基づいて切り替える。
【0037】次のステップ170にて、エアミックスド
ア14の目標開度SWを、予めROMに記憶された下記
数式3に基づいて算出する。
【0038】
【数3】 SW=100×(TAO(Fr)−TE)/(TW−TE) (%) なお、上記TE、TWは、それぞれ前席蒸発器温度セン
サ36の出力値、水温センサ37の出力値である。
【0039】次のステップ180にて、後席電磁弁30
の開閉状態を、上記TAO(Rr)に基づいて図7のマップ
のように決定する。次のステップ190にて、ブロワモ
ータ8、23へ印加されるブロワ電圧が、それぞれ上記
ステップ150にて算出した前席ブロワ電圧、後席ブロ
ワ電圧となるように、ブロワモータ8、27へ制御信号
を出力する。
【0040】次のステップS200にて、エアミックス
ドア14の開度が、上記ステップ170にて算出した目
標開度SWとなるように、サーボモータ15へ制御信号
を出力する。次のステップ210にて、上記ステップ1
60で算出した吹出モードが得られるように、サーボモ
ータ22へ制御信号を出力する。
【0041】次のステップ220にて、後席電磁弁30
の開閉状態が、上記ステップ180にて決定した開閉状
態となるように、後席電磁弁30へ制御信号を出力す
る。
【0042】次に、上記ステップ130による後席日射
制御値TS’Rrの算出の技術的意義について詳述する。
後席側の目標吹出温度TAO(Rr)を算出するに際して、
前述の数式2において、もしTS’Rrの代わりに後席日
射センサ35の出力値TSRrをそのまま用いてTAO(R
r)を算出すると、次のごとき不具合が生ずる。
【0043】すなわち、後席日射センサ35が図4の位
置に設置されている場合、車両後方からの日射は後席日
射センサ35に十分当たるので、後席日射センサ35の
出力値が大きくなって、TAO(Rr)の算出値が低温側に
移行する。そのため、後席乗員の温感不満(冷房不足)
を解消できる。
【0044】しかし、前方日射や側方日射時では、後席
乗員に日射が当たっても、後席日射センサ35への日射
量が減少し、その結果、TAO(Rr)の算出に際して日射
補正量が不足して、後席乗員に対して冷房不足による温
感不満を与える。
【0045】図9はこのことを説明するもので、図9の
横軸の左右角は図10に示すように、車両進行方向に対
する日射左右方向の角度であって、車両進行方向の正面
からの日射時では左右角=0°とし、後方日射時では左
右角=180°としている。
【0046】図9において、日射補正目標値は、後席乗
員の温感を快適な一定状態に維持するために必要な日射
補正量であって、正面日射時(左右角=0°)における
値を1とした相対値で示している。同様に、前席日射セ
ンサ34および後席日射センサ35の出力値も日射補正
目標値に対する相対値で示している。なお、図9は日射
仰角=30°の時の値を示している。日射仰角は図10
に示すように水平方向に対する日射の角度である。
【0047】図9に示すように、日射補正目標値は日射
左右角方向の変化にかかわらず、ほぼ一定であり、日射
左右角=45°付近(前方斜め日射時)に若干上昇する
傾向が見られる。
【0048】それに対して、後席日射センサ35の出力
値は日射左右角=180°付近(後方日射時)において
最大出力となり、前方日射時には大きく減少するので、
後席日射センサ35の出力値をそのまま用いてTAO(R
r)を算出すると、日射補正量が不足して、後席乗員に対
して冷房不足による温感不満を与えることになる。
【0049】そこで、本実施形態においては、前方日射
時に後席日射センサ35の出力値が減少しても、前席日
射センサ34の出力値は上昇するという点に着目して、
前席日射センサ34の出力値TSFrと、後席日射センサ
35の出力値TSRrとに基づいて、後席日射制御値T
S’Rrを算出するようにしたのである。具体的には、下
記数式4により後席日射制御値TS’Rrを算出する。
【0050】
【数4】TS’Rr=(TSFr+TSRr)×k1 ここで、k1は補正係数であり、日射仰角により可変さ
れる値である。日射仰角=30°の時に補正係数k1=
0.78を上記数式4に適用して、後席日射制御値T
S’Rrを算出したところ、図9の破線で示す後席日射制
御値TS’Rrを得ることができた。
【0051】この後席日射制御値TS’Rrによると、日
射左右角の全範囲において日射補正目標値に近似した日
射補正値とすることができる。
【0052】次に、図11は図9と同様の特性図である
が、但し、日射仰角=54°の時の値を示している。補
正係数k1=0.78に固定したまま、後席日射制御値
TS’Rrを上記数式4により算出すると、日射左右角の
全範囲において後席日射制御値TS’Rrが相対値1.3
近傍の値まで上昇してしまい、日射補正目標値に対して
過大な日射補正値となることが分かった。この過大な日
射補正値はTAO(Rr)を引き下げて、後席側乗員に対す
る過剰冷房(冷えすぎ)を起こす原因となる。
【0053】そこで、日射仰角の増大に伴って、補正係
数k1を上記0.78から0.65に減少させたとこ
ろ、後席日射制御値TS’Rrを図11の1点鎖線で示す
ように日射補正目標値に近似させることができた。
【0054】つまり、図12に示すように日射仰角の増
大に伴って、補正係数k1をk12からk11に向かっ
て減少させることにより、日射仰角の増大による後席側
乗員に対する過剰冷房を防止でき、また、逆に、低仰角
時には補正係数k1の増加により日射補正量不足(温感
上昇)を解消できる。
【0055】以上の結果、日射方向の変化にかかわら
ず、常に後席側乗員の温感(空調フィーリング)を快適
に維持できるのである。
【0056】なお、日射仰角は外気温TAMの低下に伴
って減少するという相関関係があるので、日射仰角を直
接検出せずに、外気温センサ33により検出される外気
温TAMによって補正係数k1を可変すれば、仰角検出
のための専用の検出手段が不要となる。もちろん、日射
の入射角度が異なるように配置した複数の日射センサを
組み合わせて日射仰角を直接検出するようにしてもよ
い。
【0057】(第2実施形態)第1実施形態で説明した
図9および図11のデータは、前席日射センサ34と後
席日射センサ35の出力値が同一日射量時に同一出力と
なることを前提にしているが、車両のフロントガラスと
リアガラスとで光透過率が異なることが多い。通常はフ
ロントガラスよりリアガラスの光透過率の方が低い。ま
た、車両ごとにの車体形状の差異により前席日射センサ
34と後席日射センサ35に対する日射量が変化する。
【0058】以上のことから、前席日射センサ34の出
力値に対する補正量と、後席日射センサ35の出力値に
対する補正量とをそれぞれ個別に調整可能とすることに
より、後席日射制御値TS’Rrを一層適切に算出でき
る。
【0059】第2実施形態は、上記点に鑑みて、下記数
式5により後席日射制御値TS’Rrを算出する。
【0060】
【数5】TS’Rr=k2・TSFr+k3・TSRr ここで、k2、k3は補正係数であり、日射仰角により
可変される値であって、前述の図12のk1と同様にk
2、k3は日射仰角の増加とともに減少するように決定
される。
【0061】図13は図9に対応する図であって、第2
実施形態による数式5により後席日射制御値TS’Rr
算出した場合の結果を示している。なお、図13の例で
はフロントガラスよりリアガラスの光透過率の方が低い
車両における算出例を示しており、そのため、後席日射
センサ35の出力値は、日射量が増加する後方日射時
(左右角=180°付近)でも図9の場合より低下して
いる。また、図13の例では、日射仰角=30°におい
て、k2=0.78、k3=1、6を適用して後席日射
制御値TS’Rrを算出している。
【0062】(他の実施形態) 日射仰角は暦の月日とも相関関係があるので、カーナ
ビゲーション等の車載コンピュータのカレンダー信号に
基づいて補正係数k1、k2、k3を可変してもよい。
【0063】上記実施形態では、後席側空間を空調す
る後席空調手段として、後席側空間を冷房する後席クー
ラユニット23を用いる場合について説明したが、後席
側空間を冷房するだけでなく、暖房することも可能な後
席空調ユニットを用いる場合に本発明を適用できること
はもちろんである。
【0064】この場合、図7に示す後席側へのブロワ電
圧(風量)の他に、後席側への吹出温度をも後席日射制
御値TS’Rr(後席側目標吹出温度TAO(Rr))に基づ
いて制御してもよい。
【0065】上記実施形態では、後席クーラユニット
23のブロワ電圧(風量)を後席日射制御値TS’Rr
基づいて制御するようにしたが、後席蒸発器29の冷却
能力を後席日射制御値TS’Rrに基づいて制御するよう
にしてもよい。後席蒸発器29の冷却能力は例えば、電
磁弁30の断続開閉により制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の前席空調ユニットの概
要を示す断面図である。
【図2】第1実施形態の後席クーラユニットの概要を示
す断面図である。
【図3】第1実施形態の制御系のブロック図である。
【図4】第1実施形態の前席日射センサおよび後席日射
センサの車両配置図である。
【図5】第1実施形態による制御処理のフローチャート
である。
【図6】第1実施形態による前席ブロワ電圧の制御マッ
プである。
【図7】第1実施形態による後席ブロワ電圧および後席
電磁弁の開閉状態の制御マップである。
【図8】第1実施形態による前席空調ユニットの吹出モ
ードの制御マップである。
【図9】第1実施形態による日射仰角=30°での後席
日射制御値の算出例を示すグラフである。
【図10】車両への日射照射方向を示す説明図である。
【図11】第1実施形態による日射仰角=54°での後
席日射制御値の算出例を示すグラフである。
【図12】第1実施形態による後席日射制御値の算出の
ための補正係数を決める制御マップである。
【図13】第2実施形態による日射仰角=30°での後
席日射制御値の算出例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…前席空調ユニット(前席空調手段)、23…後席ク
ーラユニット(後席空調手段)、26…ファン(後席送
風手段)、27…ブロワモータ(後席送風手段)、34
…前席日射センサ(前席日射量検出手段)、35…後席
日射センサ(後席日射量検出手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一志 好則 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 神谷 敏文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梶野 祐一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内後席側空間を空調する後席空調手
    段(23)と、 車室内前席側に設けられ、日射量を検出する前席日射量
    検出手段(34)と、 車室内後席側に設けられ、日射量を検出する後席日射量
    検出手段(35)と、 前記前席日射量検出手段(34)の出力値、前記後席日
    射量検出手段(35)の出力値、および日射仰角に関連
    した信号により可変される補正係数に基づいて後席側日
    射制御値を算出する算出手段(130)とを備え、 前記後席側日射制御値に基づいて前記後席空調手段(2
    3)の作動を制御することを特徴とする車両用空調装
    置。
  2. 【請求項2】 前記前席日射量検出手段(34)の出力
    値と前記後席日射量検出手段(35)の出力値との和
    に、前記補正係数を乗じて前記後席側日射制御値を算出
    することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装
    置。
  3. 【請求項3】 前記補正係数として前席側補正係数およ
    び後席側補正係数を有し、 前記前席日射量検出手段(34)の出力値に前記前席側
    補正係数を乗じた値と、前記後席日射量検出手段(3
    5)の出力値に前記後席側補正係数を乗じた値との和に
    より前記後席側日射制御値を算出することを特徴とする
    請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記日射仰角に関連した信号は外気温信
    号またはカレンダー信号であることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007290451A (ja) * 2006-04-21 2007-11-08 Denso Corp 車両用空調装置
JP2007290571A (ja) * 2006-04-25 2007-11-08 Denso Corp 車両用空調装置

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