JP2007255749A - 空気調和装置 - Google Patents

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Yoshio Sawara
良夫 佐原
Katsuhiro Tetsuya
克浩 鉄屋
Masao Ono
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Abstract

【課題】温度調整機能と空気清浄機能を併せもつ低コストの空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気通路5内に、汚染空気の温度調整を行なう空気温度調整手段Xと該汚染空気中に含まれた有害物質を除去する空気清浄手段Yを、空気温度調整手段Xの下流側に空気清浄手段Yが位置するように配置するとともに、上記空気清浄手段Yを、気体の透過を許容し水の透過を阻止する性状をもつ多孔膜を備えた多孔膜エレメント11で構成する。係る構成によれば、温度調整機能と空気清浄機能が一体的に組込まれているので、コンパクトで設置自由度が高く、しかも空気温度調整手段Xの温度設定のみによって、有害物質の除去作用の確保と、清浄空気A2の湿度調整が実現でき、これによって操作性及び制御性に優れた空気調和装置を提供できる。
【選択図】図1

Description

本願発明は、空気の浄化機能と空気の温度調整機能を併有した空気調和装置に関するものである。
半導体の製造等に使用されるクリーンルームは、年間冷房負荷で、例えば、23℃、45%RH程度に維持することが要求されるが、例えば、半導体の洗浄工程における洗浄液からケミカル成分が発生し、これによってクリーンルームの室内空気が汚染され、作業環境の悪化を招来するおそれがあることから、この汚染空気に含まれたケミカル成分を除去して室内空気の清浄化を図る必要がある。
このような空気の浄化装置としては、例えば、特許文献1に示されるように、散布される処理水に、ケミカル成分を含んだ汚染空気を接触させ、該処理水にケミカル成分を溶解させて分離除去するように構成されたエアワッシャ装置が提案されている。
図7には、エアワッシャ装置をクリーンルームの循環系に配置する場合の一般的な構成を示している。これを簡単に説明すると、図7において、符号21はその内部に製造装置50が配置されたクリーンルームである。上記クリーンルーム21の床面側にはリターンプレナム22が設けられるとともに、該リターンプレナム22は上記クリーンルーム21の側部に上下方向に向けて設けられたリターンシャフト23を介して、上記クリーンルーム21の天井側に設けられた天井チャンバー24に連通している、また、上記天井チャンバー24は、天井29に設けたファンフィルタユニット28を通して上記クリーンルーム21に臨んでいる。従って、上記クリーンルーム21には、該クリーンルーム21から上記リターンプレナム22、リターンシャフト23及び天井チャンバー24を介して上記クリーンルーム21に至る空気の循環系が構成されている。
そして、上記リターンプレナム22内には、ケミカル成分除去手段としてのエアワッシャ装置51が設置されると共に、上記リターンプレナム22とリターンシャフト23のコーナー部位には、室内空気の温度調整手段として冷却コイル52が設置されており、上記クリーンルーム21内の汚染空気は、上記エアワッシャ装置51においてケミカル成分が除去された後、上記冷却コイル52において温度調整され、ファンフィルタユニット28において微粒子が除去された清浄空気として上記クリーンルーム21内に吹出される。
ここで、上記エアワッシャ装置51は、処理水を散布あるいは滴下させる構造上、その設置方向が制約され、その結果、高さ寸法を比較的大きくとるとともに、大きな気液接触面積を確保する必要があり、これらのことから、スペース的に余裕のある上記リターンプレナム22内に設置されるのが通例である。
ところが、このように恒温・恒湿状態に維持されているクリーンルームの循環系にケミカル除去装置として上述の如きエアワッシャ装置を用いると、処理水からの蒸発水分によって室内空気に加湿作用が生じ、室内空気の湿度が上昇するため、この加湿作用を抑制して恒温・恒湿状態を維持することが必要となる。
そこで、このような処理水からの蒸発水分による加湿作用を抑制する方法として、特許文献2には、処理水として、露点温度近傍まで冷却された冷水を用い、この冷水に汚染空気を接触させることで、ケミカル成分の溶解除去作用に伴う蒸発水分による加湿作用を抑制する技術が提案されている。
即ち、図8の空気線図に示すように、室内空気が点Aの温度・湿度状態である場合において、従来のように、室温に近い水温をもつ処理水を使用してケミカル成分の除去を行なうと、空気状態は点Aから点Cと変化し、湿度がΔXだけ上昇し、加湿作用が生じるところ、点Aの露点温度近くに冷却された冷水を処理水として使用し、これに室内空気を接触させると、空気状態は点Aから点Bと変化し、湿度の上昇を抑えることができるというものである。
また、このような空気状態の点Aから点Bへの変化は、空気温度がΔtだけ低下すること、即ち、ケミカル成分の除去作用に伴って、室内空気に対する冷却作用が生じているということである。
特開2000−279741号公報 特開2001−334121号公報。
ところが、図7に示すように、クリーンルーム21には、本来の冷房負荷に対応するために上記冷却コイル52が設けられており、この冷却コイル52による室内空気の冷却作用は、上記エアワッシャ装置51におけるケミカル成分除去に伴う冷却作用と機能上において重複するものである。
このため、室内の恒温状態を維持する必要上、実際の運転に際しては、上記ケミカル除去装置51の運転に伴う冷却能力分だけ上記冷却コイル52の冷却能力を低下させるなどの調整が必要であり、運転操作が煩雑であるとともに、冷却機能を持つ装置を併備することによって設備コストが高くつくという問題があった。
一方、特にクリーンルームの循環系に設置される装置は、スペースの有効利用という観点から、設置スペースの狭小化と空調能力の維持の両立が要請される。
そこで、温度調整機能と空気清浄機能を併せもつことで設備コストの低減と良好な操作性を両立させるとともに、省スペースでありながら高い空気浄化能力をもった空気調和装置を提供することを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、空気通路5内に、有害物質を含んだ汚染空気A1の温度調整を行なう空気温度調整手段Xと該汚染空気A1中に含まれた有害物質を除去する空気清浄手段Yを、上記空気温度調整手段Xの下流側に上記空気清浄手段Yが位置するように配置するとともに、上記空気清浄手段Yを、気体の透過を許容し水の透過を阻止する性状をもつ多孔膜の一方側に汚染空気A1を、他方側に処理水Wをそれぞれ流し、上記多孔膜を透過した上記汚染空気A1中の有害物質を上記処理水Wに溶解させて除去するようにした多孔膜エレメント11で構成したことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る空気調和装置において、上記多孔膜エレメント11をその平面方向に複数個列設して多孔膜ユニット10を構成するとともに、該多孔膜ユニット10を通風方向に前後して多段に配置したことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第2の発明に係る空気調和装置において、上記各多孔膜ユニット10の面方向を汚染空気の流れ方向に対して傾斜させて配置したことを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る空気調和装置において、上記各多孔膜ユニット10が上下方向に列設された縦置構造であることを特徴としている。
本願の第5の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る空気調和装置において、上記各多孔膜ユニット10が横方向に列設された横置構造であることを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係る空気調和装置
(a−1) 空気調和装置が、空気温度調整手段Xと空気清浄手段Yを備えた構成であることから、例えば、これら両手段X、Yを別体構成として並置する場合に比して、装置全体の占有スペースが小さくなり設置自由度が向上するとともに、低コスト化が促進される。
(a−2) 上記空気清浄手段Yが多孔膜エレメント11で構成され、多孔膜の内側を流れる処理水Wに、多孔膜を透過した汚染空気A1中の有害物質を溶解させて除去する構成であることから、従来のように、散布処理水に汚染空気中の有害物質を溶解させる構成の場合に比して、有害物質除去時における水滴飛散量を極めて少なく抑えることができ、有害物質の除去作用に伴う過度の湿度上昇が抑制される。
(a−3) 上記空気清浄手段Yが上記空気温度調整手段Xの下流側に設置されていることから、汚染空気A1は上記空気温度調整手段Xによって冷却された状態で上記空気清浄手段Yを流れ、該空気清浄手段Y側において有害物質の除去作用が行なわれる。このため、例えば、図6の空気線図に示すように、上記空気温度調整手段Xによる汚染空気A1の冷却温度を露点温度(点C)に設定した場合には、空気状態は「点A」から「点C」へ変化し、汚染空気A1は有害物質の除去作用が行なわれたにも拘らず、湿度の上昇を伴うことなく温度が「Δt1」低下される。
一方、上記空気温度調整手段Xによる汚染空気A1の冷却温度を露点温度(点C)より低めの温度(点B)に設定した場合には、空気状態は「点A」から「点B」を経て「点D」へと変化する。ここで、「点A」から「点B」への温度「Δt2」の冷却は、上記空気温度調整手段Xによる冷却分であり、「点B」から「点D」への変化は空気清浄手段Yの有害物質除去作用に伴うもので、温度が「t3」低下するとともに、湿度が「Δx」上昇する。このように湿度が上昇するが、温度変化に対する湿度の上昇率は、上記(a−2)に記載のように、上記空気清浄手段Yが多孔膜エレメント11で構成され蒸発水分量が低く抑えられることから、小さいものである。
これらの相乗効果として、例えば、加湿量を零に設定したい場合には上記空気温度調整手段Xによる冷却温度を露点温度(点C)に設定すればよく、また例えば、冬季のように取り込み外気の湿度が低い場合には上記空気温度調整手段Xによる冷却温度を高めの温度(例えば、点B)に設定すれば所要の加湿量が得られるなど、上記空気温度調整手段Xの温度設定のみによって、有害物質の除去作用と清浄空気A2の湿度調整を行なうことができ、操作性及び制御性に優れた空気調和装置を提供することができる。
(b)本願の第2の発明に係る空気調和装置
本願の第2の発明に係る空気調和装置によれば、上記(a)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記多孔膜エレメント11をその平面方向に複数個列設して多孔膜ユニット10を構成することで、多孔膜ユニット10においては、例えば、同一の気液接触面積をもつ多孔膜ユニット10を単一の多孔膜エレメント11で構成する場合に比して、該多孔膜エレメント11の形状を小さくでき、その結果、該多孔膜エレメント11を構成する多孔膜の面方向への撓み変形を小さく抑えて高い有害物質除去性能を確保することができる。
また、上記多孔膜ユニット10を通風方向に前後して多段に配置することで、通風方向における投影面積を小さく抑えつつ、大きな気液接触面積を確保することができる。
これらの相乗効果として、形状のコンパクト化による設置自由度の向上と有害物質除去能力の向上を両立させた空気調和装置を提供することができる。
(c)本願の第3の発明に係る空気調和装置
本願の第3の発明に係る空気調和装置によれば、上記(b)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記各多孔膜ユニット10の面方向を汚染空気の流れ方向に対して傾斜させて配置しているので、例えば、上記多孔膜ユニット10をその面方向が空気流れ方向に直交するようにして配置する場合に比して、より小さいスペース内に、より大きな気液接触面積をもつ多孔膜ユニット10を配置することができ、その結果、形状のコンパクト化による設置自由度の向上と有害物質除去能力の向上効果がより一層促進される。
(d)本願の第4の発明に係る空気調和装置
本願の第4の発明に係る空気調和装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記各多孔膜ユニット10を上下方向に列設した縦置構造としているので、横方向よりも上下方向においてスペース的な余裕があるような場所に設置するに好適な空気調和装置を提供できる。
(e)本願の第5の発明に係る空気調和装置
本願の第5の発明に係る空気調和装置によれば、上記(a)、(b)又は(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記各多孔膜ユニット10を横方向に列設した横置構造としているので、上下方向よりも横方向においてスペース的な余裕があるような場所に設置するに好適な空気調和装置を提供できる。
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
I:第1の実施形態
図1には、本願発明の第1の実施形態に係る空気調和装置1を備えたクリーンルーム装置Z1を示しており、同図において符号21は、その内部に製造装置50が設置されたクリーンルームである。このクリーンルーム21は、その天井29に空気導入口28を設け且つここに非水溶性成分除去用のケミカルフィルタ27を設置する一方、床面近傍の側壁には空気導出口30を設けている。
上記クリーンルーム21の上記空気導出口30は、空気導入ダクト25を介して次述する空気調和装置1の空気吸込口3に接続されるとともに、上記空気導入口28は空気導出ダクト26を介して空気調和装置1の空気吹出口4に接続されており、これによって、上記クリーンルーム21から上記空気調和装置1及び上記空気導出ダクト26を経て上記クリーンルーム21に至る空気の循環系が構成されている。
そして、上記クリーンルーム21内での上記製造装置50の稼動によって該製造装置50側から発生するケミカル成分等の有害物質を含んだ汚染空気A1は、上記空気導出口30から上記空気調和装置1側へ導入され、該空気調和装置1において温度調整及び有害物質の除去が行なわれた後、清浄空気A2として上記空気導出ダクト26から上記空気導入口28側へ送給され、該空気導入口28から上記ケミカルフィルタ27を介して上記クリーンルーム21内に還流される。即ち、上記クリーンルーム21の恒温・恒湿環境は、上記空気調和装置1の空気温度調整機能と空気清浄機能によって維持されるものである。
以下、この二つの機能を併有する空気調和装置1の構成を具体的に説明する。
上記空気調和装置1は、図2に示すように、矩形縦長の形体をもち、その一側壁の下端部に空気吸込口3を、上面に空気吹出口4をそれぞれ設けたケーシング2を備えている。尚、上記空気吸込口3にはプレフィルタ6が、上記空気吹出口4にはHEPAフィルタ7がそれぞれ配置されている。
上記ケーシング2の上記空気吸込口3から上記空気吹出口4に至る通風空間部5内には、矩形厚板状の外観形体をもつ一つの冷却コイル9と、同じく矩形厚板状の外観形体をもつ三つの多孔膜ユニット10が、共に、その平面方向が通風方向(上記ケーシング2の軸線方向)に対して所定の傾斜角をもつように傾斜させた状態で、しかも上記冷却コイル9の下流側に上記各多孔膜ユニット10が位置するようにして上下方向へ多段に配置されている。
また、最上段の多孔膜ユニット10と上記空気吹出口4の間にはファン8が備えられるとともに、該ファン8の側方には上タンク31が配置されている。さらに、上記ケーシング2の下端部で且つ上記空気吸込口3に対向する側の隅部には下タンク32が配置されている。
上記冷却コイル9は、例えば、クロスフィン熱交換器で構成され、図示しない熱源側からの冷熱を受けて、上記空気吸込口3から吸入される上記クリーンルーム21内の汚染空気A1を冷却するように機能する。尚、上記冷却コイル9は特許請求の範囲中の「空気温度調整手段X」に該当する。
上記多孔膜ユニット10は、図3に示すような多孔膜エレメント11(次述する)を、図2に示すように横に三列に、縦に二列に列設し、且つこれら列設された6個の多孔膜エレメント11,11,・・の外周側を枠体12で固定しこれを一体化して構成される。尚、上記多孔膜エレメント11及びこれを集合させてなる上記多孔膜ユニット10は、共に特許請求の範囲中の「空気清浄手段Y」に該当する。
上記多孔膜エレメント11は、図3に示すように、ヘッダー機能をもつ矩形枠状形体のケーシング16内に、気体の透過を許容し水の透過を阻止する性状をもつ多孔膜を用いて扁平袋状に形成された多数の多孔膜単位体13を、その厚さ方向に所定間隔をもたせた状態で列設して構成される。
この多孔膜エレメント11においては、上記ケーシング16の上側ヘッダー部16aの端部に設けた水導入口14から処理水Wを導入し、これを上記各多孔膜単位体13のそれぞれに分流させた後、下側ヘッダー部16bの端部に設けた水導出口15から排出するとともに、上記多孔膜エレメント11の表面側から裏面側へ向けて汚染空気A1を流すように構成されている。そして、上記汚染空気A1は、これが上記各多孔膜単位体13間を通過する際、これに含まれていたケミカル成分等の有害物質(ガス成分)が多孔膜を透過して上記多孔膜単位体13内の処理水Wに溶解して除去され、その清浄化が図られるものである。
この実施形態では、上記多孔膜エレメント11を6個並置して上記多孔膜ユニット10を構成するとともに、該多孔膜ユニット10を通風方向に三個配置し、各段の多孔膜ユニット10でそれぞれ汚染空気A1の清浄化作用を行い、最終的に、最終段(最上段)の多孔膜ユニット10側から有害物質を殆ど含まない清浄空気A2として吹出すようにしている。
尚、処理水Wは、上記上タンク31側から供給され、上段側の多孔膜ユニット10から下段側の多孔膜ユニット10に順次供給された後、上記下タンク32側に回収され、再度上記上タンク31側へ還流されるが、その具体的な供給系の図示は省略する。
以上のように構成された空気調和装置1、及びこの空気調和装置1を備えたクリーンルーム装置Z1においては、以下のような特有の作用効果が得られる。
この実施形態に係る空気調和装置1においては、汚染空気A1の温度調整を行なう上記冷却コイル9と、該汚染空気A1に含まれた有害物質を除去して該汚染空気A1を清浄空気A2とする上記多孔膜ユニット10を備えた構成であることから、例えば、これら冷却コイル9と多孔膜ユニット10をそれぞれ別体構成として上記クリーンルーム21側に並置する場合に比して、装置全体の占有スペースが小さくその設置自由度が向上するとともに、低コスト化を図ることができる。
また、上記多孔膜エレメント11で構成される多孔膜ユニット10を用い、多孔膜の内側を流れる処理水Wに、多孔膜を透過した汚染空気A1中の有害物質を溶解させて除去する構成であることから、従来のように、散布処理水に汚染空気中の有害物質を溶解させる構成の場合に比して、有害物質除去時における水滴飛散量を極めて少なく抑えることができ、有害物質の除去作用に伴う過度の湿度上昇が抑制され、特に恒温・恒湿環境の維持が要求されるクリーンルーム21の循環系に備えられる空気調和装置1として好適である。
さらに、上記多孔膜ユニット10が上記冷却コイル9の下流側に設置されていることから、汚染空気A1は上記冷却コイル9によって冷却された状態で上記多孔膜ユニット10側を流れ、該多孔膜ユニット10側において有害物質の除去作用が行なわれる。このため、図8の空気線図を参照して既述したように、例えば、有害物質の除去作用に起因する加湿量を零に設定したいとか、所定の加湿量を得たいというような場合、上記冷却コイル9における冷却温度の設定のみによってこれを実現することができ、特に恒温・恒湿環境の維持が要求されるクリーンルーム21の循環系に備えられる空気調和装置1として用いた場合、その操作性及び制御性が格段に向上することになる。
また、この実施形態では、上記多孔膜エレメント11をその平面方向に複数個列設して多孔膜ユニット10を構成しているので、例えば、同一の気液接触面積をもつ多孔膜ユニット10を単一の多孔膜エレメント11で構成する場合に比して、該多孔膜エレメント11の形状を小さくでき、その結果、該多孔膜エレメント11を構成する多孔膜の面方向への撓み変形を小さく抑えて高い有害物質除去性能を確保することができる。さらに、この場合、上記多孔膜ユニット10を通風方向に前後して多段に配置することで、通風方向における投影面積を小さく抑えつつ、大きな気液接触面積を確保することができる。これらの相乗効果として、形状のコンパクト化による設置自由度の向上と有害物質除去能力の向上を両立させた空気調和装置1を提供することができる。
一方、この実施形態では、上記各多孔膜ユニット10の面方向を汚染空気の流れ方向に対して傾斜させて配置しているので、例えば、上記多孔膜ユニット10をその面方向が空気流れ方向に直交するようにして配置する場合に比して、より小さいスペース内に、より大きな気液接触面積をもつ多孔膜ユニット10を配置することができ、その結果、形状のコンパクト化による設置自由度の向上と有害物質除去能力の向上効果がより一層促進される。この場合、この実施形態のように、上記各多孔膜ユニット10を上下方向に列設した縦置構造とすることで、特に、横方向のスペースが制約されるような構成をもつクリーンルーム21の循環系に設置した場合、その効果がより顕著となる。
II:第2の実施形態
図4には、本願発明の第2の実施形態に係る空気調和装置1を備えたクリーンルーム装置Z2を示している。このクリーンルーム装置Z2は、上記第1の実施形態に係るクリーンルーム装置Z1とは異なって、クリーンルーム21の下面側にリターンプレナム22を備えるとともに、このリターンプレナム22の端部に、上記クリーンルーム21の側壁に沿って立ち上がるリターンシャフト23、及び該リターンシャフト23の上端に連続して横方向へ延出する天井チャンバー24を備え、これらリターンプレナム22とリターンシャフト23及び天井チャンバー24によって上記クリーンルーム21の空気循環系を構成したものである。
係る構成のクリーンルーム装置Z2においては、上記リターンプレナム22が上記リターンシャフト23に比してスペース的に余裕があることから、このリターンプレナム22内に横置型の空気調和装置1を設置し、該空気調和装置1によって上記クリーンルーム21内の温度調整と湿度調整を同時に行なえるようにしている。
上記空気調和装置1は、図5に示すように、矩形横長の形体をもち、その軸方向の一端面に空気吸込口3を、他端面に空気吹出口4をそれぞれ設けたケーシング2を備えている。尚、上記空気吸込口3にはプレフィルタ6が、上記空気吹出口4にはHEPAフィルタ7がそれぞれ配置されている。
上記ケーシング2の上記空気吸込口3から上記空気吹出口4に至る通風空間部5内には、矩形厚板状の外観形体をもつ一つの冷却コイル9と、同じく矩形厚板状の外観形体をもつ三つの多孔膜ユニット10が、共に、その平面方向が通風方向(上記ケーシング2の軸線方向)に対して所定の傾斜角をもつように傾斜させた状態で、しかも上記冷却コイル9の下流側に上記各多孔膜ユニット10が位置するようにして横方向へ多段に配置されている。
また、最下流の多孔膜ユニット10と上記空気吹出口4の間にはファン8が備えられるとともに、該ファン8の側方には上側隅部には上タンク31が配置されている。さらに、上記ケーシング2の上記空気吸込口3寄りの下端部には下タンク32が配置されている。
尚、上記冷却コイル9及び多孔膜ユニット10の具体的構成は、上記第1の実施形態におけるものと同じであるため、第1の実施形態における該当説明を援用し、ここでの説明を省略する。
また、この実施形態の空気調和装置1、及びこの空気調和装置1を備えたクリーンルーム装置Z2においても、上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られるものであり、該第1の実施形態の該当説明を援用するが、それに加えて、上記空気調和装置1を横置型としたことで、特に、縦方向のスペースが制約されるような構成をもつクリーンルーム21の循環系に設置した場合、形状のコンパクト化による設置自由度の向上と有害物質除去能力の向上が両立されるという特有の効果が得られるものである。
本願発明の第1の実施の形態に係る空気調和装置を備えたクリーンルーム装置の全体システム図である。 図1に示した空気調和装置の拡大斜視図である。 多孔膜エレメントの構造を示す斜視図である。 本願発明の第2の実施の形態に係る空気調和装置を備えたクリーンルーム装置の全体システム図である。 図4に示した空気調和装置の拡大斜視図である。 本願発明に係る空気調和装置の作動特性を示す空気線図である。 従来のクリーンルーム装置の全体システム図である。 従来の空気調和装置の作動特性を示す空気線図である。
符号の説明
1 ・・空気調和装置
2 ・・ケーシング
3 ・・空気吸込口
4 ・・空気吹出口
5 ・・通風空間部
6 ・・プレフィルタ
7 ・・HEPAフィルタ
8 ・・ファン
9 ・・冷却コイル
10 ・・多孔膜ユニット
11 ・・多孔膜エレメント
12 ・・枠体
13 ・・多孔膜単位体
14 ・・水導入口
15 ・・水導出口
16 ・・ケーシング
21 ・・クリーンルーム
22 ・・リターンプレナム
23 ・・リターンシャフト
24 ・・天井チャンバー
25 ・・空気導入ダクト
26 ・・空気導出ダクト
27 ・・ケミカルフィルタ
28 ・・空気導入口
29 ・・天井
30 ・・空気導出口
31 ・・上タンク
32 ・・下タンク
50 ・・製造装置
51 ・・床面通気口
A1 ・・汚染空気
A2 ・・清浄空気
X ・・空気温度調整手段
Y ・・空気清浄手段

Claims (5)

  1. 空気通路(5)内に、有害物質を含んだ汚染空気(A1)の温度調整を行なう空気温度調整手段(X)と該汚染空気(A1)中に含まれた有害物質を除去する空気清浄手段(Y)が、上記空気温度調整手段(X)の下流側に上記空気清浄手段(Y)が位置するように配置されるとともに、
    上記空気清浄手段(Y)が、気体の透過を許容し水の透過を阻止する性状をもつ多孔膜の一方側に汚染空気(A1)を、他方側に処理水(W)をそれぞれ流し、上記多孔膜を透過した上記汚染空気(A1)中の有害物質を上記処理水(W)に溶解させて除去するようにした多孔膜エレメント(11)で構成されていることを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記多孔膜エレメント(11)をその平面方向に複数個列設して多孔膜ユニット(10)を構成するとともに、該多孔膜ユニット(10)を通風方向に前後して多段に配置したことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項2において、
    上記各多孔膜ユニット(10)の面方向を汚染空気の流れ方向に対して傾斜させて配置したことを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1、2又は3において、
    上記各多孔膜ユニット(10)が上下方向に列設された縦置構造であることを特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項1、2又は3において、
    上記各多孔膜ユニット(10)が横方向に列設された横置構造であることを特徴とする空気調和装置。
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