JP2016172203A - 空気清浄化システム - Google Patents

空気清浄化システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016172203A
JP2016172203A JP2015052162A JP2015052162A JP2016172203A JP 2016172203 A JP2016172203 A JP 2016172203A JP 2015052162 A JP2015052162 A JP 2015052162A JP 2015052162 A JP2015052162 A JP 2015052162A JP 2016172203 A JP2016172203 A JP 2016172203A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
work space
purification system
oxidation
outside air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015052162A
Other languages
English (en)
Inventor
令 鈴木
Rei Suzuki
令 鈴木
田中 勲
Isao Tanaka
勲 田中
梶間 智明
Tomoaki Kajima
智明 梶間
禎志 坂本
Sadashi Sakamoto
禎志 坂本
義明 戸部
Yoshiaki Tobe
義明 戸部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimizu Construction Co Ltd, Shimizu Corp filed Critical Shimizu Construction Co Ltd
Priority to JP2015052162A priority Critical patent/JP2016172203A/ja
Publication of JP2016172203A publication Critical patent/JP2016172203A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Ventilation (AREA)

Abstract

【課題】例えば薬剤や化粧品、食品、生物等の対象物の変質などを防止し、好適に対象物を取り扱うことを可能にするための空気清浄化システムを提供する。【解決手段】対象物を取り扱う作業空間Hに、対象物に悪影響を及ぼすガス状の悪影響物質を除去し清浄空気G2を生成して供給するための空気清浄化システムAであって、導入した作業空間外の外気G1に含まれる悪影響物質を外気G1から除去する悪影響物質除去手段5を備え、悪影響物質除去手段5で外気G1を処理した後の清浄空気G2を作業空間Hに供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば薬剤や化粧品、食品、生物等の対象物の変質などを防止し好適に対象物を取り扱うことを可能にするための空気清浄化システムに関する。
従来、医薬品などの薬剤や化粧品、食品、培養・研究等に用いる生物、生体組織等(固体状、紛体状、半固体状、液体状)に含まれる諸成分には、例えば酸化あるいは空気中の酸性ガス(窒素酸化物、硫黄酸化物、酢酸、ギ酸など)や塩基性ガス(アンモニア、アミン類など)による酸塩基反応(中和反応)によって変質するものがある。
例えば、空気中での酸化においては、単に酸素の存在によって酸化反応が始まるのではなく、オゾンや二酸化窒素など酸素以外の酸化性ガスとの共存によって酸化反応が始まる場合や、酸化性ガスが酸化反応を著しく促進する場合がある。
また、酸性液体や塩基性液体では、それぞれ空気中の塩基性ガスや酸性ガスと酸塩基反応を起こして成分の変質や水素イオン濃度(pH)が変化するという問題が生じる。
さらに、原料や材料等に含まれる酸性物質や塩基性物質が粉末や個体であっても、それぞれ空気中の塩基性ガスや酸性ガスと酸塩基反応を生じることにより成分変化(変質)が生じる。
このため、一般に、このような酸化されやすい物質や空気中の微量成分と反応するような物質を取り扱う際には、取り扱いを行う空間(室内、グローブボックスやアイソレータなど室内に設置する密閉・半密閉装置内)を窒素ガスなどの不活性ガスで置換(あるいは充填)するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−192342号公報
しかしながら、上記従来のように取り扱い空間を不活性ガスで置換する場合には、周囲空気の混入を防ぐために常に不活性ガスを供給して陽圧に維持することが必要とされ、これに伴いランニングコストが嵩む。また、万一不活性ガスが大量に漏洩した場合に備え、酸欠防止策(供給ガス量のコントロール、プロセス空間の精密差圧管理、ガス濃度センサー、警報システム、空気ボンベなど)を講じることも必要でこの点からもコストが嵩む。
また、酸塩基反応(中和反応)は、対象物が粉体や固体である場合、湿度を下げることである程度防ぐことが可能であるが、やはり、低湿度化やこれに伴う静電気の発生防止などに要するコストが問題となる。また、液体である場合には酸性ガスあるいは塩基性ガス を含む空気との接触を極力避ける 以外に対処の方法がないのが現状である。
上記事情に鑑み、本発明は、例えば薬剤や化粧品、食品、生物等の対象物の変質などを防止し、好適に対象物を取り扱うことを可能にするための空気清浄化システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の空気清浄化システムは、対象物を取り扱う作業空間に、前記対象物に悪影響を及ぼすガス状の悪影響物質を除去し清浄空気を生成して供給するための空気清浄化システムであって、導入した前記作業空間外の外気に含まれる前記悪影響物質を前記外気から除去する悪影響物質除去手段を備え、前記悪影響物質除去手段で前記外気を処理した後の清浄空気を前記作業空間に供給するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の空気清浄化システムにおいては、前記作業空間から排出される排気を前記悪影響物質除去手段に還気して処理して循環させるように構成されていてもよい。
本発明の空気清浄化システムにおいては、従来は酸化防止あるいは変質防止のために窒素などの不活性ガスを充填していた部分に適用することによって、窒素置換を不要にすることができる。
すなわち、酸化や変質の原因成分や促進成分(酸化等促進成分)を吸着剤などの悪影響物質除去手段で除去するシステムを導入することで、窒素などの不活性ガスで空間を置換しなくても対象物の酸化や変質を抑制することが可能になる。
そして、不活性ガスを用いる必要がなくなることから、アイソレータなど密閉式の装置だけでなく、クリーンベンチなど開口部を持つ装置、開放式のプッシュ・プル式装置、さらには酸化等促進成分を除去した空気で作業を行う部屋の作業空間を満たすことにより、完全開放系で取り扱うことも可能になり、高価な機器が不要になるとともに作業効率の一層の向上を図ることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理・ワンパス型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(室内空気処理・ワンパス型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理+室内空気処理型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理・開放型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理・開放型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(部屋全体・ワンパス型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(室内空気処理・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(室内空気処理・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理+室内空気処理・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(室内処理・開放型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理+室内処理・開放型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(部屋全体・循環型)を示す図である。 本発明の一実施形態に係る空気清浄化システム(外気処理/部屋全体・循環型)を示す図である。 L(+)−アスコルビン酸(還元型ビタミンC)とデヒドロアスコルビン酸(酸化型ビタミンC)の吸光度曲線を示す図である。 実験1の実験結果を示す図であり、試料No1〜No4の通気後の吸収スペクトルを示す図である。 トリプトファン(Trp)、N−ホルミルキヌレニン(NFK)の吸光度曲線を示す図である。 実験2の実験結果を示す図であり、試料No5、No.6の通気後、及び通水前の試料溶液の吸収スペクトルを示す図である。 実験3で用いた実験装置を示す図である。 実験3の実験結果を示す図であり、試料No7〜No.9の通気後、及び通水前の試料溶液の吸収スペクトルを示す図である。
以下、図1から図21を参照し、本発明の一実施形態に係る空気清浄化システムについて説明する。
はじめに、本実施形態の空気清浄化システムは、例えば医薬品などの薬剤や化粧品、食品、培養・研究等に用いる生物、生体組織等の対象物を取り扱う作業空間に、対象物に悪影響を及ぼすガス状の悪影響物質を除去し清浄空気を生成して供給するためのシステムである。
そして、本実施形態の空気清浄化システムにおいては、導入した作業空間外の外気に含まれる悪影響物質をこの外気から除去する悪影響物質除去手段を備えるとともに、悪影響物質除去手段で外気を処理した後の清浄空気を作業空間に供給するための送風設備を備えて構成されている。
具体的に、例えば、本実施形態の空気清浄化システムAでは、図1から図6に示すように、アイソレータ1(図1、図2、図3)などの密閉・半密閉の作業空間Hや、プッシュ・プルフロー装置2(図4)、ラミナフロー装置3(図5)などの開放式の作業空間H、室内全体の作業空間H(図6)に対し、送風設備を含む外調機4と悪影響物質除去手段のフィルタユニット5で屋外の空気やアイソレータなどを設置した室内の空気(作業空間外の外気G1)を処理して清浄空気G2を生成し、この清浄空気G2を供給する。
また、図7から図15に示すように、アイソレータ1などの密閉・半密閉の作業空間H(図7から図11)や、プッシュ・プルフロー装置2(図12、図13)、ラミナフロー装置3などの開放式の作業空間H、室内全体の作業空間H(図14、図15)から排出される排気G3を悪影響物質除去手段5に還気して処理し、循環させるようにしてもよい。
なお、図中の符号6はプレフィルタ、符号7は中性能フィルタ、符号8はHEPAフィルタ、符号9は冷却コイル、符号10は温水コイル、符号11は定風量装置(CAV)、符号12は圧力調整ダンパ(PCD)、符号13はブロア(送風設備)を示す。
ここで、本実施形態の悪影響物質除去手段であるフィルタユニット5は、例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、活性炭、活性炭素繊維、化学吸着剤など、作業空間H内で取り扱う対象物に対して酸化などの品質劣化といった悪影響を及ぼすガス状の物質(悪影響物質)を外気G1、G3から除去可能な媒体を備えて形成されている。また、このような媒体を備えてケミカルフィルタ14が構成されている。
より具体的に、本実施形態において、フィルタユニット5は、外気G1、G3に含まれている悪影響物質を捕捉除去するための複数種のケミカルフィルタ14を備えて構成されている。例えば、オキシダント成分や過酸化水素等の酸化性ガスを除去する吸着剤に加えて、フッ酸、塩化水素、硫酸(SO)、硝酸(NO)等の酸性ガス成分を含む酸性ガス(アニオン系ガス)が通過する際に酸性ガス成分を捕捉除去する吸着剤や、アンモニア、アミン類等の塩基性ガス成分を捕捉除去する吸着剤とを適宜選択的に、また組み合わせて形成されている。
なお、例えば酸化等促進成分のうち酸性成分(窒素酸化物、硫黄酸化物、酢酸、ギ酸など)には酸性物質除去用の吸着剤(化学吸着剤、イオン交換樹脂、活性炭、活性炭素繊維、ゼオライトなど)、塩基性成分(アンモニア、アミン類など)には塩基性物質除去用の吸着剤を選択するとよい。
また、親水性の悪影響物質に対しては濡幕式加湿器やエアワッシャなども有効である。
オゾンなど酸化力の高い悪影響物質の除去には、還元作用のある活性炭や活性炭素繊維を基材とする吸着剤、あるいは分解触媒(二酸化マンガン触媒など)が有効である 。
そして、上記構成からなる本実施形態の空気清浄化システムAにおいては、送風設備の稼働とともに外気G1がフィルタユニット5を通過することで、この外気G1に含まれ、対象物に対して品質劣化などの悪影響を及ぼすガス状の悪影響物質が除去される。
これにより、ガス状の悪影響物質を除去した清浄空気G2が作業空間Hの内部に供給して充満され、作業空間H内の空気環境がガス状の悪影響物質がない状態になる。また、本実施形態では、外調機4、HEPAフィルタ8などの除塵・除菌フィルタを通過することで、無菌、無塵の清浄空気G2が作業空間Hに供給される。
よって、本実施形態の空気清浄化システムAにおいては、従来のように窒素などの不活性ガスで作業空間H内の空気を置換することなく対象物の酸化や変質などを防止することができる。また、窒素などの不活性ガスを用いず、吸着剤などの悪影響物質除去手段5で悪影響物質を除去した清浄空気G2を作業空間Gに供給することで、ランニングコストを大幅に(例えば1/5以下に)削減することが可能になる。また、イニシャルコストを含めた総コストも、不活性ガスを用いる従来システムに対し大幅に削減することが可能になる。
そして、このような本実施形態の空気清浄化システムAは、吸着剤等により酸化等促進成分を除去するため、不活性ガスによる置換では対処が難しい開口部を持つ装置(クリーンベンチなど)、開放式のプッシュ・プル式装置などの開放系の作業空間Hや、人が入って作業を行う部屋などの大空間の作業空間Hに清浄化処理した空気を供給するために適用することができる。すなわち、本実施形態の空気清浄化システムAは、あらゆる製造プロセス、加工プロセスなどに適用可能である。
例えば、医薬品を対象物として扱う場合、医薬品の薬効成分の多くは酸化されやすく、そのような場合は抗酸化剤や安定化剤を加えて製剤化され、必要に応じて不活性ガス充填や酸素除去剤と一緒に封入される。一般的に化学合成される薬効成分は量が多くなく、取り扱う環境をコントロールしやすい。この一方で(漢方薬、ホルモン製剤など)動植物などを原料とする薬効成分においては、抽出される薬効成分の量に較べて原材料の量がかなり多い。また、製品化までに様々な工程(秤量、粉砕、混合、溶解、分離、抽出、濃縮、濃縮、乾燥、成型など)を必要とする。
このような医薬品を扱う工程の全てを空気に触れないような密閉空間や窒素置換空間で行うことは難しい。
これに対し、本実施形態の空気清浄化システムAは、清浄空気G2で作業空間Hを満たすシステムであり、開放系の装置や大空間に適用できるため、上記のような医薬品を扱う工程、作業に適用することで容易に酸化防止等の措置をとることが可能になる。
また、化粧品を対象物として扱う場合、化粧品は特に油脂類や界面活性剤を多用するが、これが酸化されると性状の変化(変色、粘性変化、油層/水層に分離など)、異臭発生、アレルギー原因物質の生成などが起こる。香料やビタミン類などは一般に含有量は少ないが、これが酸化されると変色、香りの変化や異臭発生、有効成分の減少などが起こる。
このような化粧品は一製品あたりの原材料の種類が多く、多種の原材料について保存から、秤量、溶解、混合などの各製造過程、あるいは製造プロセス間の待ち時間の全てを空気に触れないように行うことは難しい。
これに対し、本実施形態の空気清浄化システムAは、清浄空気G2で作業空間Hを満たすシステムであり、開放系の装置や大空間に適用できるため、上記のような化粧品を扱う作業に適用することで容易に酸化防止等の措置をとることが可能になる。
また、食品を対象物として扱う場合、酸化防止(油脂類、蛋白質、ビタミンなど)、変色防止、微生物や害虫制御、保存性向上・賞味期間延長などを目的に、食品の封入時(包装時)に不活性ガス置換を行っている。しかし、封入前の食材、原材料の保管段階や加工中でも酸化が起こって進んでいる。大気中のオキシダント成分はその酸化作用から生鮮食品の表面細胞を傷つける(酸化する)作用が強く、酸化を促進する作用もある。特に魚介類は不飽和脂肪酸を多く含むが、酸化により生臭い悪臭が発生し、商品価値の低下を引き起こす。
そして、食品を扱う環境においてオキシダント濃度を低減することは食品の鮮度(品質)保持に有効であるが、医薬品や化粧品と較べて付加価値が低い食品を扱う際には、一般にコスト、安全性の両面から窒素ガス置換などを採用していない。
これに対し、本実施形態の空気清浄化システムAは、清浄空気G2で作業空間Hを満たすシステムであり、低コストで安全性の心配がないため、上記のような食品産業の様々なところで容易に酸化防止等の措置をとることが可能になる。
ここで、本実施形態の空気清浄化システムAを用いて酸化等促進成分除去を行い、対象物の酸化防止・安定化寄与の効果を確認した実験について説明する。
<実験1>
まず、実験1では、吸着剤により空気中の酸化等促進成分を除くことによるL−アスコルビン酸の酸化抑制効果を確認した。
L−アスコ ルビン酸は還元型ビタミンCと呼ばれ、食品や医薬品の抗酸化剤、安定化 剤として広く用いられている。空気酸化されると酸化型ビタミンCであるデヒドロアスコ ルビン酸に変化する。
図16はL−アスコ ルビン酸とデヒドロアスコルビン酸の紫外域の吸光度曲線を示しており、この図の通り、還元型ビタミンCであるL−アスコルビン酸が260〜270nm付近に吸収ピークが出現するのに対し、酸化型ビタミンCであるデヒドロアスコルビン酸には同じ領域に吸収ピークが出現しない。つまり、260〜270nm付近のピーク高さが低くなるほどL−アスコルビン酸が酸化されたことを示し、ピーク高さの低下が少ないほど酸化が進行していないことを示す。
そして、実験1では、L−アスコルビン酸(L(+)−Ascorbic acid、関東化学株式会社製:特級)を純水で溶解した0.0017%水溶液を試験溶液とし、4本のガラスインピンジャ( 内径4.1cm、容量約150ml)に試験溶液を40mlずつ入れ、それぞれNo.1、No.2、No.3、No.4とした。
表1に示すように、No.1〜No.3はそれぞれ、活性炭をベースとする有機ガス除去用、塩基性ガス除去用、酸性ガス除去用の吸着剤25mlを容量30mlのガラスインピンジャに入れ、試験溶液のインピンジャとの間にメンブレンフィルタを配置し、メンブレンフィルタで濾過した外気を通気した。一方、No.4は、吸着剤を用いずにメンブレンフィルタで櫨過した外気を通気した。通気速度はいずれも毎分2リットルとし、通気を4時間行った。
Figure 2016172203
また、通気処理による水分蒸発量がNo.1〜No.4でそれぞれ3.64g、3.59g、3.58g、3.68gとなったため、相当量の純水を補充した後、No.1〜No.4と通気前のL−アスコルビン酸水溶液の紫外線吸収スペクトル(波長190〜400nm)を測定した。
この結果を図17に、また紫外線260nm付近のそれぞれの極大吸収値を表2に示す。
Figure 2016172203
図17及び表2のように、吸着剤で酸化等促進成分の除去を行ったNo.1〜No.3に比べ、吸着剤処理を行わなかったNo.4の吸光度の減少量が大きくなることが確認され、吸着剤で空気中の酸化等促進成分を除くことによるL−アスコルビン酸の酸化を抑制する効果が確認された。
<実験2>
次に、実験2では、空気中の酸化等促進成分を除くことによるトリプトファンの酸化抑制効果を確認した。
図18に示すように、必須アミノ酸の一つであるトリプトファンは、化学構造的に芳香族アミノ酸に含まれ、紫外領域に特徴的な吸収ピークを持つ。酸化条件によりトリプトファン(Trp)はN−ホルミルキヌレニン(NFK)へと酸化が進行する。また、トリプトファンと同様に NFKも紫外領域に吸収ピークを持っている。
出発物のTrpはN−ホルミルキヌレニン(NFK)の極大波長318nmの領域で吸収が低いので、酸化によりN−ホルミルキヌレニンが生じれば318nmの前後の吸収増加として検出が可能である 。
但し、トリプトファンの酸化によるN−ホルミルキヌレニンの生成量が元のトリプト ファンの濃度と比較して低い場合はトリプトファン吸収の裾野の影響が315nmあるいは320nm程度までおよぶが、このような場合でも320nm付近から340nm付近までの吸収の変化量や傾きでN−ホルミルキヌレニの生成を判断できる。
そして、実験2では、L−トリプトファン(L−Trp、和光純薬工業株式会社製:試薬特級)を純水に溶解した0.10%水溶液を試験溶液とし、2本のガラスインピンジャ(内径4cm、容量150ml)に試験溶液を20mlずつ入れ、それぞれNo.5、No.6とした。
表3に示すように、No.5は活性炭をベースとする有機ガス除去用の吸着剤25mlを容量30mlのガラスインピンジャに入れ、試験溶液を入れたインピンジャとの聞にメンブレンフィルタを配置し、メンブレンフィルタで濾過しながら外気を通気した。一方、No.6は、吸着剤を用いずにメンブレンフィルタで濾過した外気を通気した。通気速度はいずれも毎分0.5リットル、通気時間を1時間とした。
Figure 2016172203
また、通気処理による水分蒸発量がNo.5、No.6でそれぞれ0.33g、0.25gとなったため、相当量の純水を補充した後、No.5、No.6と通気前のトリプトファン水溶液の紫外線吸収スペクトルを測定した。
そして、図19に示すように、通気を行っていないトリプトファン水溶液に対するNo.5、No.6の吸光度変化量は、特に、波長320〜330nm付近でNo.6が大きく、相対変化量も約5.0〜5.3倍であった。このことから、吸着剤で酸化等促進成分除去を行ったNo.5に比べて吸着剤処理を行わなかったNo.6ではトリプトファンの酸化によるN−ホルミルキヌレニンの生成量が多いことが確認された。
以上の結果から、本実験により吸着剤で空気中の酸化等促進成分を除くことによるト リプトファンの酸化抑制効果が確認された。
<実験3>
次に、実験3では、グローブボックスに吸着剤ユニットを取り付けた実験装置による トリプトファンの酸化抑制効果を確認した。
図20に本実験で用いた実験装置15、表4に実験時の循環運転条件をそれぞれ示す。ここで、図20において、符号16はグローブボックスユニット、符号17はパスボックス、符号18は外付けHEPAボックスである。
実験3では、L−トリプトファン(L−Trp、和光純薬工業株式会社製:試薬特級)を純水に溶解した0.0033%水溶液を試験溶液とし、3本のガラスインピンジャ(内径4cm、容量150ml)に試験溶液を20mlずつ入れ、それぞれNo.7〜No.9とした。
Figure 2016172203
No.7は試験溶液のインピンジャにメンブレンフィルタを取り 付けた。No.8は活性炭をベースとする有機ガス除去用の吸着剤25mlを容量30mlのガラスインピンジャに入れ、メンブレンフィルタを介して試験溶液のインピンジャ と繋いだ。No.9は吸着剤、メンブレンフィルタのいずれも取り付けず、有機ガス除去用の吸着剤を入れた吸着剤ユニットを接続したグローブボックス16内に設置した。
そして、表5に示すように、No.7、No.8はグローブボックスを設置してある 室内空気を毎分2リットルで、3時間通気した。No.9は吸着剤ユニットとの間で循環運転しているグローブボックス内の空気をNo.7及びNo.8と同時に毎分2リットルで3時間通気した。
Figure 2016172203
また、通気処理による水分蒸発がNo.7、No.8、No.9でそれぞれ1.87g、2.15g、2.69gとなったため、相当量の純水を補充した後、No.7〜9と通気前のトリプ卜ファ ン水溶液の吸収スペクトルを測定した。
この結果、図21に示すように、試験溶液を基準にした波長320nm付近の吸光度変化についてNo.7〜9を比較すると、No.8及びNo.9に比べてNo.7の増加量が大きかった。これは、吸着剤処理した室内空気を直接通気したNo.8、そして吸着剤ユニットを接続して循環処理しているグローブボックス内の空気を通気したNo.9に比べ、吸着剤処理をしていない空気を通気したNo.7でトリプトファンの酸化生成物である N−ホルミルキヌレニンの生成量が多いことを示している。
これにより、対象物質を吸着剤処理した空気に直接暴露(通気)するのと同様、吸着剤 を用いた循環処理による清浄空間内部で対象物質を暴露しても、同様の酸化抑制効果が得られることが確認された。
以上、本発明に係る空気清浄化システムの一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本発明に係る悪影響物質除去手段5としては、フィルタユニットではなく濡幕式加湿器やエアワッシャなどの悪影響物質を除去可能な他の手段を用いてもよい。また、複数種の悪影響物質除去手段5を適宜組み合わせて用いるようにしてもよい。
1 アイソレータ
2 プッシュ・プルフロー装置
3 ラミナフロー装置
4 外調機
5 フィルタユニット(悪影響物質除去手段)
6 プレフィルタ
7 中性能フィルタ
8 HEPAフィルタ
9 冷却コイル
10 温水コイル
11 定風量装置(CAV)
12 圧力調整ダンパ(PCD)
13 ブロア(送風設備)
14 ケミカルフィルタ
15 実験装置
16 グローブボックスユニット
17 パスボックス
18 外付けHEPAボックス
A 空気清浄化システム
G1 外気
G2 清浄空気
G3 排気(外気)
H 作業空間

Claims (2)

  1. 対象物を取り扱う作業空間に、前記対象物に悪影響を及ぼすガス状の悪影響物質を除去し清浄空気を生成して供給するための空気清浄化システムであって、
    導入した前記作業空間外の外気に含まれる前記悪影響物質を前記外気から除去する悪影響物質除去手段を備え、前記悪影響物質除去手段で前記外気を処理した後の清浄空気を前記作業空間に供給するように構成されていることを特徴とする空気清浄化システム。
  2. 請求項1記載の空気清浄化システムにおいて、
    前記作業空間から排出される排気を前記悪影響物質除去手段に還気して処理して循環させるように構成されていることを特徴とする空気清浄化システム。
JP2015052162A 2015-03-16 2015-03-16 空気清浄化システム Pending JP2016172203A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015052162A JP2016172203A (ja) 2015-03-16 2015-03-16 空気清浄化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015052162A JP2016172203A (ja) 2015-03-16 2015-03-16 空気清浄化システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016172203A true JP2016172203A (ja) 2016-09-29

Family

ID=57008440

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015052162A Pending JP2016172203A (ja) 2015-03-16 2015-03-16 空気清浄化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016172203A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114505892A (zh) * 2022-02-08 2022-05-17 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 操作装置

Citations (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02126912A (ja) * 1988-11-04 1990-05-15 Shimizu Corp 空気清浄装置及びこれを用いたクリーンルーム
JPH04126513A (ja) * 1990-08-31 1992-04-27 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd クリーンルーム
JPH06198123A (ja) * 1992-11-05 1994-07-19 Toshiba Eng & Constr Co Ltd 気体の清浄化方法および気体ろ過用フィルタ
JPH1096333A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Mitsubishi Electric Corp クリーンルーム
JPH10192623A (ja) * 1996-12-31 1998-07-28 Takuma Co Ltd ボロン除去用フィルタ及び汚染気体浄化方法
JPH10216466A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Takasago Thermal Eng Co Ltd 高度清浄空間
JPH10296042A (ja) * 1997-02-28 1998-11-10 Ebara Corp クリーンルームにおける気体清浄方法及びその装置
JP2001046822A (ja) * 1999-08-11 2001-02-20 Takasago Thermal Eng Co Ltd 高度清浄装置,局所清浄システム及びオゾン分解フィルタとその製造方法
JP2003053124A (ja) * 2001-08-13 2003-02-25 Tokyo Electron Ltd ケミカルフィルタユニット、空気清浄化システム及び方法
JP2003074924A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Shoichi Kobayashi 室内空調システム
JP2003210926A (ja) * 2002-01-22 2003-07-29 Shimizu Corp ケミカルフィルタユニットおよび空気清浄化システム
JP2004116961A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Nippon Muki Co Ltd 空調設備
JP2004190892A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Fujitsu Ltd 流体浄化装置
JP2004263985A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気清浄化方法とその装置
WO2005032608A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Osaka Gas Chemicals Co., Ltd. ガス吸着フィルター
JP2006255529A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Seiwa Kogyo Kk 光触媒フィルタ、光触媒フィルタユニット、クリーンルーム、空気浄化装置、製造装置、並びに空気浄化方法
JP2007178116A (ja) * 2007-02-13 2007-07-12 Sanki Eng Co Ltd 汚染ガス除去空気調和装置
JP2007255749A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JP2009138975A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Shinwa Controls Co Ltd クリーンルーム排気の清浄化方法
JP2009291675A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Shimizu Corp ケミカルフィルタ及びクリーンルーム
JP2010075791A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Fuji Electric Device Technology Co Ltd ケミカルフィルタおよびこれを備える空調システム

Patent Citations (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02126912A (ja) * 1988-11-04 1990-05-15 Shimizu Corp 空気清浄装置及びこれを用いたクリーンルーム
JPH04126513A (ja) * 1990-08-31 1992-04-27 Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd クリーンルーム
JPH06198123A (ja) * 1992-11-05 1994-07-19 Toshiba Eng & Constr Co Ltd 気体の清浄化方法および気体ろ過用フィルタ
JPH1096333A (ja) * 1996-09-24 1998-04-14 Mitsubishi Electric Corp クリーンルーム
JPH10192623A (ja) * 1996-12-31 1998-07-28 Takuma Co Ltd ボロン除去用フィルタ及び汚染気体浄化方法
JPH10216466A (ja) * 1997-01-31 1998-08-18 Takasago Thermal Eng Co Ltd 高度清浄空間
JPH10296042A (ja) * 1997-02-28 1998-11-10 Ebara Corp クリーンルームにおける気体清浄方法及びその装置
JP2001046822A (ja) * 1999-08-11 2001-02-20 Takasago Thermal Eng Co Ltd 高度清浄装置,局所清浄システム及びオゾン分解フィルタとその製造方法
JP2003053124A (ja) * 2001-08-13 2003-02-25 Tokyo Electron Ltd ケミカルフィルタユニット、空気清浄化システム及び方法
JP2003074924A (ja) * 2001-09-05 2003-03-12 Shoichi Kobayashi 室内空調システム
JP2003210926A (ja) * 2002-01-22 2003-07-29 Shimizu Corp ケミカルフィルタユニットおよび空気清浄化システム
JP2004116961A (ja) * 2002-09-27 2004-04-15 Nippon Muki Co Ltd 空調設備
JP2004190892A (ja) * 2002-12-09 2004-07-08 Fujitsu Ltd 流体浄化装置
JP2004263985A (ja) * 2003-03-04 2004-09-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気清浄化方法とその装置
WO2005032608A1 (ja) * 2003-10-02 2005-04-14 Osaka Gas Chemicals Co., Ltd. ガス吸着フィルター
JP2006255529A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Seiwa Kogyo Kk 光触媒フィルタ、光触媒フィルタユニット、クリーンルーム、空気浄化装置、製造装置、並びに空気浄化方法
JP2007255749A (ja) * 2006-03-22 2007-10-04 Daikin Ind Ltd 空気調和装置
JP2007178116A (ja) * 2007-02-13 2007-07-12 Sanki Eng Co Ltd 汚染ガス除去空気調和装置
JP2009138975A (ja) * 2007-12-04 2009-06-25 Shinwa Controls Co Ltd クリーンルーム排気の清浄化方法
JP2009291675A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Shimizu Corp ケミカルフィルタ及びクリーンルーム
JP2010075791A (ja) * 2008-09-24 2010-04-08 Fuji Electric Device Technology Co Ltd ケミカルフィルタおよびこれを備える空調システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114505892A (zh) * 2022-02-08 2022-05-17 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 操作装置
CN114505892B (zh) * 2022-02-08 2024-06-14 深圳市华星光电半导体显示技术有限公司 操作装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6050545B2 (ja) 殺生物剤を集中的に気相施用する装置及び方法
KR100518664B1 (ko) 초고효율 공기청정기
Greene et al. Chemical and physical properties of ozone
CA2403824C (en) Control of gaseous sterilization
JPH0415059A (ja) 脱臭及び殺菌装置
KR20170072731A (ko) 실내 공기 중의 포름알데히드 제거 및 살균에 의한 공기 정화 방법 및 공기 정화 장치
CN110384105A (zh) 一种可控缓释消毒杀菌净化材料
EP3115067A1 (en) Long-term preservation and application of chlorous acid aqueous solution formulation
CN105992515B (zh) 气体净化系统以及鲜度保持剂的制造方法
JP2016172203A (ja) 空気清浄化システム
CN101143225B (zh) 空气净化剂及其制备方法
CN102318644A (zh) 二氧化氯缓释材料的制备方法及其应用
CN112495341B (zh) 一种麦饭石吸附剂及其制备方法、二氧化氯制剂及其制备方法和应用
WO2022049984A1 (ja) 殺菌処理方法及び殺菌処理装置
CN107383947A (zh) 纳米光催化涂料
CN107670080A (zh) 一种冰箱去异味杀菌消毒的方法和装置
CN112495338B (zh) 一种吸附剂及其制备方法、二氧化氯制剂及其制备方法和应用
CN1704126A (zh) 空气净化剂
CN108775667B (zh) 一种新风空气净化工艺
CN209403438U (zh) 一种纳米光催化保鲜设备
CN111567518A (zh) 一种凝胶状次氯酸钠消毒剂及其制备方法和应用
CN220213504U (zh) 一种细胞培养实验室臭氧消毒装置
CN108887374A (zh) 一种纳米光催化保鲜设备及控制方法
CN112495163B (zh) 一种可产生自由基的二氧化氯制剂及其制备方法和应用
KR102570218B1 (ko) 세정제 조성물을 이용한 반도체 제조설비의 세정방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180925

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181113

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190319