JP2007254599A - タイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤグリップ性能及び耐久性のいずれにも優れたタイヤトレッド用ゴム組成物の提供。
【解決手段】ジエン系ゴム成分を含み、GPCで測定したポリスチレン換算での分子量分布曲線が、特定の分子量を有する高分子量ピーク、中分子量ピーク及び低分子量ピークの3つのピークを有する少なくとも3種のジエン系ゴムを特定の割合で配合したタイヤトレッド用ゴム組成物。
【選択図】図1

Description

本発明はタイヤトレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤに関し、更に詳しくはタイヤのグリップ性及び耐久性を高次にバランスさせたタイヤトレッド用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤトレッドのグリップ性能を上げるために材料となるゴム組成物に低分子量スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)を配合する技術は、例えば特許文献1などに記載されている。しかしながら、その低分子量SBRの分子量が小さいと(例えば重量平均分子量Mwが2万未満であると)、グリップ性能には有利であるが耐熱性や耐摩耗性については十分とは言えないという問題があり、一方、低分子量SBRの分子量が大きいと(例えばMwが2万以上であると)、耐久性には有利だが満足のいくレベルのグリップ性能が得られなかった。このように、従来は低分子量SBRを使ってグリップと耐久性を高次にバランス化させる先行技術は存在しない。
特開平6−200075号公報
従って、本発明は、前記した従来技術の問題点を排除して、タイヤのグリップ性能と耐久性(耐熱性及び耐摩耗性)の両方に優れたタイヤトレッド用ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に従えば、ジエン系ゴム成分を含んでなるタイヤトレッド用ゴム組成物であって、含有されるジエン系ゴム成分のゲルパーミーエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算での分子量分布曲線が、(1)少なくとも高分子量ピーク、中分子量ピーク及び低分子量ピークの3つのピークを有し、(2)高分子量ピークが分子量100,000〜3,000,000の領域に存在し、(3)中分子量ピークが分子量20,000〜90,000の領域に存在し、(4)低分子量ピークが分子量2,000以上20,000未満の領域に存在し、(5)(中分子量ピークの位置する分子量値)/(低分子量ピークの位置する分子量値)の比が1.4以上であり、(6)(分子量100,000未満の領域の面積)/(分子量100,000以上の領域の面積)の比が0.05〜1であり、(7)(分子量20,000未満の領域の面積)/(分子量20,000以上100,000未満の領域の面積)の比が0.2〜5のものであるタイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、また前記ジエン系ゴム成分が、ピークトップ分子量が100,000〜3,000,000である高分子量ジエン系ゴムと、ピークトップ分子量が20,000〜90,000である中分子量ジエン系ゴムと、ピークトップ分子量が2,000以上20,000未満である低分子量ジエン系ゴムとを混合して得られたものである前記タイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば更に前記高分子量ジエン系ゴムが、結合スチレン量が50重量%以下で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである前記タイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば前記中分子量ジエン系ゴム及び低分子量ジエン系ゴムの少なくとも一方が、結合スチレン量が1〜60重量%で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである前記タイヤトレッド用ゴム組成物が提供される。
本発明によれば、前記タイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤが提供される。
ここで、「分子量…の領域の面積」とは、その分子量の領域において、分子量分布曲線とベースラインとで囲まれる部分の面積を指すものとする。
本発明によれば、グリップ/耐久性が高次にバランスされたタイヤトレッド用ゴム組成物を得ることができる。
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を得る方法は、特に限定されないが、通常であれば、分子量分布曲線の高分子量ピークを形成するための高分子量ジエン系ゴムと、中分子量ピークを形成するための中分子量ジエン系ゴムと、低分子量ピークを形成するための低分子量ジエン系ゴムとをそれぞれ別個に製造し、これらを混合する方法を採用すればよい。
本発明に従ったタイヤトレッド用ゴム組成物を得るために用いられる高分子量ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)などを挙げることができ、これらは単独又は任意のブレンドとして使用することができる。高分子量ジエン系ゴムのピークトップ分子量は100,000〜3,000,000、好ましくは500,000〜2,000,000である。このピークトップ分子量が低すぎると耐摩耗性が悪化するので好ましくなく、逆にピークトップ分子量が3,000,000を超えるジエン系ゴムの合成は困難である。かかる高分子量ジエン系ゴムが、結合スチレン量が50重量%以下、特に好ましくは40重量%以下で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%、特に好ましくは20〜70%のスチレン−ブタジエン共重合体であると、特にグリップを重視する高性能タイヤトレッド用ゴム組成物に好適である。また、加工性を向上させる点から伸展油を添加して油展ゴムとして使用するのがよい。
本発明に従ったゴム組成物に配合されるジエン系ゴム成分のうち、中分子量ジエン系ゴムは、ピークトップ分子量が20,000〜90,000、好ましくは25,000〜70,000である。また低分子量ジエン系ゴムは、ピークトップ分子量が2,000以上20,000未満、好ましくは2,000〜15,000である。中分子量ジエン系ゴムと低分子量ジエン系ゴムの両方が存在することで、それぞれが単独でしか存在しない場合には達成できなかったグリップと耐久性の高次バランス化を達成することができる。低分子量ジエン系ゴムのピークトップ分子量が2,000未満であると耐久性が悪化し、一方、中分子量ジエン系ゴムのピークトップ分子量が90,000より大きいとグリップ性能が極端に悪化するので好ましくない。低分子量ジエン系ゴムのピークトップ分子量が20,000より小さいと、架橋点間分子量よりも小さくなるためゴム組成物に可塑性を持たせる効果が大きく、グリップ性能に有利である。本発明のゴム組成物では、低分子量ジエン系ゴムと中分子量ジエン系ゴムのピークトップ分子量がある程度離れていることではじめて前記性能が得られる。従って、分子量曲線における(中分子量ピークの位置する分子量値)/(低分子量ピークの位置する分子量値)は1.4以上であることが必要であり、3.0以上であるのが特に好ましい。なお、分子量曲線において、中分子量ピークが複数ある場合は、そのなかで最も分子量値の低いピークを基準とし、低分子量ピークが複数ある場合は、そのなかで最も分子量値の高いピークを基準とするものとする。更に、低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムの少なくとも一方が、好ましくは両方が、結合スチレン量が1〜60重量%、好ましくは20〜50重量%で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%、好ましくは30〜70%のスチレンブタジエン共重合ゴムであると、グリップを重視する高性能タイヤ用トレッドゴム組成物に好適である。
本発明に従ったゴム組成物では、低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムと高分子量ジエン系ゴムとの混合比を調整して、分子量曲線における(分子量100,000未満の領域の面積)/(分子量100,000以上の領域の面積)を0.05〜1とすることが必要であり、好ましくは0.2〜0.5とする。この比が0.05より小さいとグリップ性能の改良効果が小さく、1を超えると混合加工性が悪化するので好ましくない。更に、(分子量20,000未満の領域の面積)/(分子量20,000以上100,000未満の領域の面積)は0.2〜5であることが必要であり、好ましくは0.33〜3である。この比が0.2未満ではグリップ性能が低く、5を超えると耐摩耗性などの耐久性が悪化するので好ましくない。
本発明で用いられる低分子量及び中分子量ジエン系ゴムは、例えば特開2003−268041号公報に記載のように、以下の方法により製造できる。通常、共役ジエン単量体を単独で、又は共役ジエン単量体とこれと共重合可能な他の単量体とを、炭化水素溶媒中、極性化合物の存在下に、有機活性金属を開始剤として用いリビング重合を行い、重合転化率が実質的に100%に達した後に重合反応停止剤を添加して、重合反応を完全に停止して、重合を完了する。このリビング重合工程で用いられる炭化水素溶媒としては、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。中でも、n−ブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンが好ましい。炭化水素溶媒の使用量は特に限定されないが、単量体濃度が1〜50重量%になるように用いることが好ましい。
上記有機活性金属としては、有機アルカリ金属を用いるのが好ましい。そのような有機アルカリ金属としては、有機リチウム化合物(例えばn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンとを反応させてなるジリチウム化合物)、有機ナトリウム化合物(例えばナトリウムナフタレン)、有機カリウム化合物(例えばカリウムナフタレン)などが挙げられる。また、有機アルカリ金属アミド(例えばn−ブチルリチウムとピロリジンとの反応物)などの窒素原子を含む有機アルカリ金属を開始剤として用いてもよい。中でも、有機モノリチウム化合物や多官能性有機リチウム化合物などの有機リチウム化合物が好ましく、有機モノリチウム化合物が特に好ましい。有機活性金属の使用量は、要求される生成重合体の分子量によって適宜選択することができるが、単量体100g当り0.1〜30ミリモルであるのが好ましい。
上記極性化合物としては、エーテル化合物(例えばテトラヒドロフラン)、三級アミン(例えばテトラメチルエチレンジアミン)、アルカリ金属アルコキシド(例えばカリウム−t−アミレート)、ホスフィン化合物(例えばトリフェニルホスフィン)などが挙げられ、エーテル類と三級アミンが好ましい。極性化合物の使用量は、開始剤として用いる有機活性金属1モルに対し、好ましくは0.01〜100モル、より好ましくは0.2〜50モル、特に好ましくは0.4〜30モルである。極性化合物の使用量が少なすぎると、共役ジエン結合部分のビニル結合割合を十分に高くすることができにくく、また、極性化合物の使用量が多すぎてもビニル結合の割合が大きくなり難い。重合反応停止剤としては、ジエン系単量体の重合反応に常用される水並びにメタノール、イソプロパノールなどのアルコール類等を適宜用いることができる。
低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムは、重合体鎖の末端に極性基を有する末端変性ジエン系ゴムであってもよい。低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムを末端変性ジエン系ゴムとするには、上記の官能基を有する停止剤を用いて重合反応を停止すればよい。また、重合転化率が実質的に100%に達した後、重合反応停止剤の最終添加に先立って、極性基を含有する単量体を活性重合体(有機活性金属と結合している重合体鎖末端を有する)と反応させることによっても、末端変性ジエン系ゴムを得ることができる。極性基を含有する単量体としては、N−メチル−2−ピロリドンなどのN−置換環状アミド類;4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのN−置換アミノケトン類、N,N−ジエチルアミノエチルスチレンなどのN,N−ジ置換アミノ芳香族ビニル化合物が好ましく用いられる。
変性率(全重合体中の末端に極性基を有する重合体分子の割合)は、好ましくは、重合開始時に存在する重合活性末端に対し10〜100モル%である。変性率は、GPCの示差屈折計で測定した示差屈折率(RI)に対する紫外可視分光光度計で測定した吸収強度(UV)の割合(UV/RI)を求め、予め作成した検量線によって決定することができる。末端変性による変性率が大きいほど、一般的に、ウェットグリップ性、低発熱性が改善される。
本発明で使用するジエン系ゴムの全ては、カップリング型ジエン系ゴムであってもよい。すなわち、上記のように重合反応停止剤の最終添加に先立って、活性重合体(有機活性金属と結合している重合体鎖末端を有する)にカップリング剤を反応させて得られるカップリング型ジエン系ゴムであってもよい。重合反応停止工程前に、有機活性金属と結合している重合体鎖末端をカップリング剤と反応させることにより、カップリング剤を介して複数の重合体分子の重合体鎖がその末端に位置する有機活性結合部位で結合し、カップリング型ジエン系ゴムとなる。
使用するカップリング剤は、カップリング型ジエン系ゴムを生成できるものであれば特に限定されず、その具体例としては、四塩化錫、ジメチルジクロロ錫などの錫系カップリング剤、四塩化ケイ素、ジメチルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、ジフェノキシジクロロシランなどのケイ素系カップリング剤、リン系カップリング剤、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ系カップリング剤、イソシアネート系カップリング剤などを挙げることができる。これらのカップリング剤は、それぞれ単独で、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
カップリング剤の使用量は、要求される分子量やカップリング率、カップリング剤の反応性などに応じて適宜選択することができるが、有機活性金属に対して、0.1〜10当量であるのが好ましい。カップリング反応は、好ましくは0〜150℃で、0.5〜20時間の反応条件で行われる。カップリング率は、適宜選択することができるが、好ましくは、有機活性金属と結合している重合体鎖の10〜100%である。カップリング率は、カップリング反応の前後にGPCにより示差屈折計で測定したピークについて、カップリング反応前のピークと同一位置のカップリング反応後のピークの面積と、それよりも高分子量のカップリング反応後のピークの面積との比率から求めることができる。
反応停止工程後の重合反応液に、必要に応じて、配合剤を添加してもよく、次工程で溶媒除去や乾燥の工程で重合体が加熱される場合には、特にフェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤などの老化防止剤をこの工程で添加することが好ましい。老化防止剤の添加量は、その種類などに応じて決めればよい。
ジエン系ゴムの回収方法は特に限定がない。例えば、重合系から加熱などにより溶媒を直接乾燥して除去する直接乾燥方法やジエン系ゴムを溶解しない溶媒中に重合系を注ぎ込み、ジエン系ゴムを析出させ、濾別などにより回収し、乾燥して溶媒を除去する方法;重合系に高温のスチームを吹き込み、溶媒を除去すると共に、スチームが冷却された水中にジエン系ゴムをクラム状に析出させ、濾別などにより回収し、乾燥して水分を除去する方法などがあり、これらの方法を用いて、ジエン系ゴムを回収することができる。
本発明では、高分子量ジエン系ゴムのうち、天然ゴム(NR)を除く、合成ジエン系ゴムに低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムを予め混合しておいてもよい。低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムは、いずれも固体状態または溶液状態で混合することができる。固体状態での混合は、重合体溶液から分離し乾燥して得られる重合体をバンバリー、ロール、スクリュー押出機などのような混合機を用いて行うことができる。
溶液状態での混合は、高分子量ジエン系ゴムと低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムいずれか一方の重合工程で得られた反応停止後の重合体溶液に、他方の重合体ゴムを固体状態で添加混合するか、又は両者をそれぞれ重合工程で得られた反応停止後の重合体溶液を添加混合することにより行なうことができる。後者の反応停止後の重合体溶液同士を混合する方法が好ましい。
高分子量ジエン系ゴムを含む重合反応停止後のゴム溶液と、低分子量ジエン系ゴム及び中分子量ジエン系ゴムを含む重合反応停止後のゴム溶液を、溶液状態で攪拌混合するには、所定の容器(タンク類)に各混合成分を所定の割合にあるように移送し、好ましくは攪拌装置にて攪拌しながら、混合することができる。
本発明に係るゴム組成物には、前記した必須成分に加えて、カーボンブラック、シリカなどの補強剤(フィラー)、架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる配合物は一般的な方法で混練して組成物とし、架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
以下、実施例に従って、本発明を説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでないことはいうまでもない。
製造例
高分子量SBRの製造
2m3の攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン400部(重量部、以下同じ)、スチレン27部、1,3−ブタジエン33部及びテトラメチルエチレンジアミン0.17部を仕込んだ後、系中の触媒失活成分が無くなるまでn−ブチルリチウムを添加し処理した。次いで重合活性触媒成分としてn−ブチルリチウム0.0092部を加え、45℃で重合を開始した。重合開始30分後に、スチレン8部と1,3−ブタジエン32部の混合物を90分間かけて連続的に添加した。添加終了時の重合転化率は80%であった。重合転化率が100%になったことを確認してから、テトラメトキシシラン0.0013部を添加して、30分間反応させ、メタノール0.009部を添加して重合を停止し、重合体溶液を得た。重合時の最高到達温度は65℃であった。本重合を2回実施し、得られた2回分の重合体溶液を混合した。得られた重合体は、表Iに示すように、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレン換算したピークトップ分子量(Mp)が88万、重量平均分子量(Mw)が87万、数平均分子量(Mn)が57万で1H−NMRの測定から求めた結合スチレン量(ST)が35重量%、ブタジエン部分のビニル結合量(Vn)が57%であった。
中分子量SBR(1)の製造
2m3の攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン400部、スチレン2.3部、1,3−ブタジエン2.8部およびテトラメチルエチレンジアミン0.6部を仕込んだ後、n−ブチルリチウム0.33部を加え、40℃で重合を開始した。重合開始5分後に、残部のスチレン42.7部と1,3−ブタジエン52.2部の混合物を90分間かけて連続的に添加した。添加終了時の重合転化率は93%であった。重合転化率が100%になったことを確認してから、メタノール2.0部添加して重合を停止し、重合体溶液を得た。重合時の最高到達温度は50℃であった。得られた中分子量SBR(1)のMpは3.4万、Mwは3.3万、Mnは3.1万、STは45%、Vnは55%であった。
中分子量SBR(2)の製造
n−ブチルリチウムを0.2部に変更した以外は、上記中分子量SBR(1)の製造と同様に行なった。得られた中分子量SBR(2)のMpは5.4万、Mwは5.3万、Mnは5.1万、STは45%、Vnは55%であった。
中分子量SBR(3)の製造
仕込みのスチレンを1.4部、1,3−ブタジエンを3.6部とし、残部のスチレンを23.6部、1,3−ブタジエンを71.4部に変更した以外は、中分子量SBR(1)の製造と同様に行なった。得られた中分子量SBR(3)のMpは3.4万、Mwは3.3万、Mnは3.1万、STは25%、Vnは65%であった。
低分子量SBR(1)の製造
テトラメチルエチレンジアミンを4.4部、n−ブチルリチウムを2.5部に変更した以外は、中分子量SBR(1)の製造と同様に行なった。得られた低分子量SBR(1)のMpは0.59万、Mwは0.60万、Mnは0.56万、STは45%、Vnは55%であった。
低分子量SBR(2)の製造
テトラメチルエチレンジアミンを3.0部、n−ブチルリチウムを1.5部に変更した以外は、上記中分子量SBR(2)の製造と同様に行なった。得られた低分子量SBR(2)のMpは1.0万、Mwは1.0万、Mnは0.93万、STは45%、Vnは55%であった。
Figure 2007254599
実施例1
上記高分子量SBRの製造で得られた重合体溶液と中分子量SBR(1)の製造で得られた重合体溶液と低分子量SBR(1)の製造で得られた重合体溶液を、高分子量SBRが100部、中分子量SBR(1)が15部、低分子量SBR(1)が15部となるように混合し、次いでプロセス油(フッコールエラミック30:新日本石油(株)製)20部と、老化防止剤として、イルガノックス1520L(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.18部を、上記の重合溶液に添加した後、混合して重合体溶液を得た。次いで、スチームストリッピング法により重合体の回収を行い、押し出し脱水機にかけて脱水し、さらに熱風乾燥機にて重合体の乾燥を行い、ゴム組成物を得た。結果を表IIに示す。また、GPC測定によるポリスチレン換算の溶出曲線チャート(分子量分布曲線)を図1に示す。
次いで上で得たゴム組成物を用いて表IIに示す配合(重量部)のゴム組成物を得た。即ち表IIの配合において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉型ミキサーで約5分間混練し、160±5℃に達したときに放出してマスターバッチを得た。このマスターバッチに加硫促進剤と硫黄をオープンロールで混練し、ゴム組成物を得た。
次に得られたゴム組成物を160℃で20分間加硫して以下の形状の加硫サンプルを得、その加硫物性を以下の方法で求めた。結果は表Iに示す。
(1)ブローアウト時間測定のためには直径30mm、厚さ25mmの円柱状サンプルを使用した。
(2)ピコ耐摩耗性試験のためにはJIS−K6264に準拠してサンプルを作成した。
グリップ性能(官能試験)
表Iの各ゴム組成物をトレッドゴムに使用した195/55R15タイヤを作製し、1周約4.4kmのコースを周回し、グリップ性能を官能評価した。なお、評価は以下の基準によった。
1:運転ひん度の低いドライバーが比較例2のゴム組成物で作製したタイヤ(以下コントロールタイヤ)より劣ると判断できるレベル。
2:プロドライバーがコントロールタイヤより劣ると判断できるレベル。
3:コントロールタイヤと同等レベル。
4:プロドライバーがコントロールタイヤより優れると判断できるレベル。
5:運転ひん度の低いドライバーがコントロールタイヤより優れると判断できるレベル。
ブローアウト時間
上島製作所製のフレクソメータを用いて、雰囲気温度80℃、周波数50Hz、動荷重40kgの定荷重条件で測定した。試験片内部に発泡が生じるまでの時間(ブローアウト時間)を測定し、比較例2のブローアウト時間を100として指数表示した。この数値が大きい程、耐ブローアウト性が良好である。
ピコ耐摩耗性
JIS K6264に準じてピコ摩耗試験機を用いて摩耗減量を測定した。結果は比較例2の値を100として以下の計算式で求めて指数表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性に優れている。
比較例2の摩耗減量
ピコ耐摩耗性指数=─────────────×100
各例のゴム組成物の摩耗減量
比較例1
中分子量SBRと低分子量SBRとを用いず、上記高分子量SBRの製造で得た重合体溶液の高分子量SBRを100部、プロセスオイルを50部となるように混合して重合体溶液を得た以外は、実施例1と同様に行った。結果を表IIに示す。
実施例2〜4並びに比較例2及び3
表IIに示す配合を用いて実施例1と同様に行ってゴム組成物を得た。結果を表IIに示す。
Figure 2007254599
表II脚注
*1:新日本石油(株)製フッコールエラミック30
*2:三菱化学(株)製ダイアブラックA
*3:正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種
*4:千葉脂肪酸(株)製工業用ステアリン酸N
*5:住友化学工業(株)製アンチゲン6C
*6:鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄
*7:大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G
*8:大内新興化学工業(株)製ノクセラーTOT−N
以上の通り、本発明に従ったゴム組成物はグリップ性能及び耐久性を高次にバランスさせることができるので空気入りタイヤのタイヤトレッド用ゴムとして極めて有用である。
図1は実施例1で得られたゴム組成物のポリスチレン換算で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定で得られた溶出曲線チャート(分子量分布曲線)を示す。 測定器:HLC−8020(東ソー社製) カラム:GMH−HR−H(東ソー社製)二本を直列に連結して使用 検出器:示差屈折計RI−8020(東ソー社製) 溶離液:テトラヒドロフラン カラム温度:40℃

Claims (5)

  1. ジエン系ゴム成分を含んでなるタイヤトレッド用ゴム組成物であって、含有されるジエン系ゴム成分のゲルパーミーエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算での分子量分布曲線が、
    (1)少なくとも、高分子量ピーク、中分子量ピーク及び低分子量ピークの3つのピークを有し、
    (2)高分子量ピークが分子量100,000〜3,000,000の領域に存在し、
    (3)中分子量ピークが分子量20,000〜90,000の領域に存在し、
    (4)低分子量ピークが分子量2,000以上20,000未満の領域に存在し、
    (5)(中分子量ピークの位置する分子量値)/(低分子量ピークの位置する分子量値)の比が1.4以上であり、
    (6)(分子量100,000未満の領域の面積)/(分子量100,000以上の領域の面積)の比が0.05〜1であり、
    (7)(分子量20,000未満の領域の面積)/(分子量20,000以上100,000未満の領域の面積)の比が0.2〜5のものである
    タイヤトレッド用ゴム組成物。
  2. ジエン系ゴム成分が、ピークトップ分子量が100,000〜3,000,000である高分子量ジエン系ゴムと、ピークトップ分子量が20,000〜90,000である中分子量ジエン系ゴムと、ピークトップ分子量が2,000以上20,000未満である低分子量ジエン系ゴムとを混合して得られたものである請求項1に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  3. 高分子量ジエン系ゴムが、結合スチレン量が50重量%以下で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである請求項2に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  4. 中分子量ジエン系ゴム及び低分子量ジエン系ゴムの少なくとも一方が、結合スチレン量が1〜60重量%で、ブタジエン部分のビニル結合量が5〜70%のスチレン−ブタジエン共重合体ゴムである請求項2又は3に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤトレッド用ゴム組成物をトレッドに用いた空気入りタイヤ。
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