JPWO2007081026A1 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

本発明は、タイヤのトレッドゴムに用いることにより、タイヤの破壊特性及び耐摩耗性を低下させることなく、操縦安定性を大幅に向上させることが可能なゴム組成物に関し、より詳しくは、(A)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体100質量部に対して、(B)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体10〜200質量部を配合してなり、前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の10%以上60%未満が水素添加されていることを特徴とするゴム組成物に関するものである。

Description

本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物をトレッドゴムに用いた空気入りタイヤに関し、特にトレッドゴムに用いることにより、タイヤの操縦安定性、耐摩耗性及び破壊特性を高度にバランスさせることが可能なゴム組成物に関するものである。
近年の自動車の高度な動力性能の進化に対して、タイヤの特性として、より優れた操縦安定性、特に乾燥路面での操縦安定性が求められるようになってきた。他方、経済性及び安全性の観点からは、タイヤの耐摩耗性及び破壊特性を充分に確保することも重要な課題である。これに対して、これまで、タイヤの操縦安定性を向上させる種々の技術が開発されてきた。ここで、タイヤの操縦安定性にかかわるゴム組成物の開発指標としては、一般に室温以上でのロス特性(tanδ)が重要であることが知られており、タイヤの操縦安定性を向上させるには、タイヤのトレッドゴムに用いるゴム組成物の室温以上でのヒステリシスロスを上昇させることが有効である。
例えば、特開昭61−203145号公報及び特開昭63−101440号公報には、ゴム組成物のヒステリシスロスを上昇させる技術として、重量平均分子量が数万の液状ポリマーを用いる手法が開示されている。
また、特公平8−30125号公報には、ゴム組成物のヒステリシスロスを上昇させる技術として、部分的に水素添加された高分子量重合体に対して、重量平均分子量5000〜200000の水添液状ポリマーを配合する手法が開示されている。
しかしながら、特開昭61−203145号公報や特開昭63−101440号公報に記載の液状ポリマーは、重量平均分子量が数万と、比較的低分子量であるものの、架橋性を有する二重結合が多く、該液状ポリマーの一部がマトリックスのゴムと架橋を形成してマトリックスに取り込まれるため、十分なヒステリシスロスを発生しないという問題があった。
また、特公平8−30125号公報に記載の手法では、ゴム組成物のマトリクスを構成する高分子量重合体の水添率が高過ぎるため、ゴム組成物の架橋形態に悪影響を及ぼし、破壊特性が低下するという問題があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤのトレッドゴムに用いることにより、タイヤの破壊特性及び耐摩耗性を低下させることなく、操縦安定性を向上させることが可能なゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物をトレッドゴムに用いた、操縦安定性、耐摩耗性及び破壊特性が高度にバランスされた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の分子量及び水添率を有する高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(A成分)に、特定の分子量を有する低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(B成分)を配合したゴム組成物を、タイヤのトレッドゴムに用いることで、タイヤの破壊特性及び耐摩耗性を低下させることなく、操縦安定性を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、
(A)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体100質量部に対して、
(B)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体10〜200質量部を配合してなり、
前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の10%以上60%未満が水素添加されていることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記(A)成分がリチウム系重合開始剤で重合されたものである。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記(A)成分が部分的に水添されたスチレン−ブタジエン共重合体である。ここで、前記(A)成分の結合スチレン量は、20〜40質量%の範囲が好ましく、この場合、ゴム組成物の破壊特性を確保しつつ、耐摩耗性を向上させることができる。また、前記(A)成分のブタジエン部のビニル結合量は、30〜60%の範囲が好ましく、この場合、ゴム組成物のウェットスキッド抵抗性及び耐摩耗性が高いため、タイヤの操縦安定性及び耐摩耗性を十分に向上させることができる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の30%〜50%が水素添加されている。この場合、ゴム組成物の室温以上でのヒステリシスロスが特に高く、また、ゴム組成物の破壊強度及びモジュラスも高い。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記(B)成分の結合スチレン量が0〜60質量%である。この場合、樹脂状になってゴム組成物が硬くなることがなく、ウェットスキッド抵抗性及びドライグリップ性が良好である。
本発明のゴム組成物において、前記(B)成分は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%〜100%が水素添加されていることが好ましく、この場合、ゴム組成物の室温以上でのヒステリシスロスが高い。また、前記(B)成分は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の40%〜90%が水素添加されていることが更に好ましく、この場合、ゴム組成物の室温以上でのヒステリシスロスが特に高く、また、製造も容易である。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記(B)成分は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算数平均分子量が2000以上30000未満である。
本発明のゴム組成物は、前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分を10〜100質量部配合してなることが好ましい。この場合、ゴム組成物の生産性を十分に確保しつつ、タイヤの操縦安定性を十分に改良することができる。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。
本発明によれば、特定の分子量及び水添率を有する高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(A成分)に、特定の分子量を有する低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(B成分)を配合してなり、タイヤのトレッドゴムに用いることにより、タイヤの破壊特性及び耐摩耗性を低下させることなく、操縦安定性を大幅に向上させることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかるゴム組成物をトレッドゴムに適用した、操縦安定性、耐摩耗性及び破壊特性が高度にバランスされた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、(A)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体100質量部に対して、(B)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体10〜200質量部を配合してなり、前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の10%以上60%未満が水素添加されていることを特徴とする。
本発明のゴム組成物は、重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105の低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(B成分)を含むため、室温以上におけるヒステリシスロス(tanδ)が高い。なお、従来のように、一般的なゴム成分に上記(B)成分を配合してなるゴム組成物は、ヒステリシスロス(tanδ)の上昇と共に、耐摩耗性や耐破壊性が低下してしまう問題があるが、本発明のゴム組成物は、マトリクスのゴム成分に共役ジエン化合物部分の不飽和結合の水添率が10%以上60%未満の高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体(A成分)を用いることで、(A)成分と(B)成分との相溶性が向上して、耐摩耗性や耐破壊性の低下を防止することができ、更に、(A)成分と(B)成分との絡み合いも増えるため、室温以上におけるヒステリシスロス(tanδ)をより一層向上させることができる。従って、本発明のゴム組成物を空気入りタイヤのトレッドゴムに用いることで、タイヤの破壊特性(安全性)及び耐摩耗性(経済性)を低下させることなく、操縦安定性を大幅に向上させることができる。また、本発明のゴム組成物は、上述のような特性を有するため、ベルトや各種工業用ゴム物品にも好適に適用することができる。
本発明のゴム組成物の(A)成分:高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106であることを要し、7.0×105〜2.5×106であることが好ましい。上記(A)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105未満では、ゴム組成物の破壊特性が低下し、一方、3.0×106を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が低くなる。
更に、上記(A)成分は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合のうち10%以上60%未満が水素添加されていることを要し、30%〜50%が水素添加されていることが好ましい。(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の水添率が10%未満では、ゴム組成物のヒステリシスロスの向上幅が小さく、タイヤの操縦安定性を充分に向上させることができず、一方、水添率が60%以上では、ゴム組成物の架橋形態に変化をきたし、ゴム組成物の破壊強度及び弾性率が低下する。
上記(A)成分は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合、又は共役ジエン化合物を重合して製造され、好ましくは、リチウム系重合開始剤を用いて、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合、又は共役ジエン化合物を重合して製造される。ここで、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記芳香族ビニル化合物の中でもスチレンが特に好ましく、上記共役ジエン化合物の中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。
上記(A)成分が芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体であって、原料の芳香族ビニル化合物がスチレンの場合、上記(A)成分は、結合スチレン量が20〜40質量%であることが好ましい。(A)成分の結合スチレン量が20質量%未満では、ゴム組成物の破壊特性が低下し、一方、40質量%を超えると、ゴム組成物の耐摩耗性が低下する。
また、上記(A)成分の原料の共役ジエン化合物が1,3-ブタジエンの場合、上記(A)成分は、ブタジエン部のビニル結合量が30〜60%であることが好ましい。(A)成分のブタジエン部のビニル結合量が30%未満では、ゴム組成物のウェットスキッド抵抗性が不十分であるため、タイヤの操縦安定性を十分に向上させることができず、一方、60%を超えると、ゴム組成物の耐摩耗性が低下する。
一方、本発明のゴム組成物の(B)成分:低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105であることを要する。上記(B)成分のポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103未満では、ゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性及びドライグリップ性が不十分であるため、タイヤの破壊特性、耐摩耗性及び操縦安定性を高度にバランスさせることができず、一方、2.0×105を超えると、ゴム組成物のウェットスキッド抵抗性及びドライグリップ性が不十分であるため、タイヤの操縦安定性を向上させることができない。なお、上記(B)成分は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算数平均分子量が2000以上30000未満であることが好ましい。
上記(B)成分は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合、又は共役ジエン化合物を重合して製造される。ここで、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記芳香族ビニル化合物の中でもスチレンが特に好ましく、上記共役ジエン化合物の中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。
また、上記(B)成分は、結合スチレン量が0〜60質量%であることが好ましい。上記(B)成分の結合スチレン量が60質量%を超えると、(B)成分が樹脂状になるためゴム組成物が固くなり、ウェットスキッド抵抗性及びドライグリップ性が低下し、タイヤの操縦安定性を向上させることができないことがある。
更に、上記(B)成分は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%〜100%が水素添加されていることが好ましい。(B)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水添されている場合、ゴム組成物の室温以上でのヒステリシスロスを向上させる効果が大きくなる。また、上記(B)成分は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の40%〜90%が水素添加されていることが更に好ましい。上記(B)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の水添率が40%未満では、(B)成分がゴム組成物の架橋に関わってしまい、ゴム組成物の30℃におけるヒステリシスロスの向上幅が小さく、タイヤの操縦安定性を充分に向上させることができない。一方、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の水添率が90%を超える(B)成分は、製造が難しい。
本発明のゴム組成物においては、上記(A)成分100質量部に対して、上記(B)成分を10〜200質量部の割合で配合することを要し、10〜100質量部の割合で配合することが好ましい。上記(A)成分100質量部に対する(B)成分の配合量が10質量部未満では、タイヤの操縦安定性を十分に改良することができず、一方、200質量部を超えると、ゴム組成物のムーニー粘度が低くなり過ぎて生産性が悪くなる。
上記(A)成分は、例えば、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを炭化水素溶媒中でエーテル又は第三級アミンの存在下、リチウム系重合開始剤を用いてアニオン重合によって(共)重合させ、得られた(共)重合体を水素化触媒の存在下、常法に従って水添することで得られる。また、上記(B)成分は、例えば、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを炭化水素溶媒中でエーテル又は第三級アミンの存在下、リチウム系重合開始剤を用いてアニオン重合によって(共)重合させて得られ、更に上記(A)成分と同様に任意に水添してもよい。
ここで、上記炭化水素溶媒としては、特に限定されるものではないが、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等を用いることができる。これら炭化水素は、一種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これら炭化水素の中では、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素が好ましい。
また、上記リチウム系重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、該有機リチウム化合物としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチウム等のアリールリチウム;ビニルリチウム、プロペニルリチウム等のアルケニルリチウム;テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウム等のアルキレンジリチウム;1,3-ジリチオベンゼン、1,4-ジリチオベンゼン等のアリレンジリチウムの他;1,3,5-トリリチオシクロヘキサン、1,2,5-トリリチオナフタレン、1,3,5,8-テトラリチオデカン、1,2,3,5-テトラリチオ-4-ヘキシル-アントラセン等が挙げられる。これらの中でも、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム及びテトラメチレンジリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムが特に好ましい。上記リチウム系重合開始剤の使用量は、反応操作における重合速度及び生成させる(共)重合体の分子量によって決定され、通常、単量体100g当たりリチウム原子として0.02〜5mgの範囲が好ましく、0.05〜2mgの範囲が更に好ましい。
上記(A)成分及び(B)成分を得るための重合反応は、バッチ重合方式、連続重合方式のいずれの方式によっても行うことができる。上記重合反応における重合温度は、0〜130℃の範囲が好ましい。また、重合反応は、等温重合、昇温重合及び断熱重合のいずれの重合形式によっても行うことができる。更に、重合を行う際には、反応容器内にゲルが生成するのを防止するために、1,2-ブタジエン等のアレン化合物を添加することもできる。
上記水添は、例えば、合成された(共)重合体を、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルト、1〜3族の有機金属化合物からなる水素化触媒;カーボン、シリカ、珪藻土等に担持したニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体等から選択される一種を触媒として、1〜100気圧の加圧水素下で水素化することで実施できる。
本発明のゴム組成物は、マトリクスのゴム成分として上記(A)成分を使用することを要するが、該(A)成分に一般的なゴム成分をブレンドすることができ、具体的には、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等をブレンドすることができる。また、これらゴム成分の一部が、多官能型変性剤、例えば、四塩化スズ等によって変性され、分岐構造を有しているものをブレンドすることもできる。これらゴム成分の中でも、相溶性の観点から、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)が好ましい。なお、これら一般的なゴム成分の使用量は、ゴム成分(即ち、(A)成分と一般的なゴム成分との合計)中60質量%以下とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物には、補強性充填剤を配合することが好ましく、特に限定されるものではないが、シリカ及び/又はカーボンブラックを配合することが好ましい。
上記シリカとしては、特に限定されず、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、破壊特性の改良効果並びにウェットグリップ性及び低転がり抵抗性の両立効果に優れる点で、湿式シリカが好ましい。なお、本発明のゴム組成物には、充填剤としてシリカのみを配合してもよく、この場合、シリカの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して10〜250質量部の範囲であり、補強性とそれによる諸物性の改良効率の観点から、20〜150質量部の範囲が好ましい。シリカの配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部未満では、破壊特性等が十分でなく、250質量部を超えると、ゴム組成物の加工性が低下する。
本発明のゴム組成物において、充填剤としてシリカを用いる場合、その補強性を更に向上させる観点から、シランカップリング剤を配合時に添加することが好ましい。該シランカップリング剤としては、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、これらの中でも、補強性改善効果の観点から、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィドが好ましい。これらシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、上記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、FEF,SRF,HAF,ISAF,SAFグレードのもの等が挙げられる。また、該カーボンブラックとしては、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上で、且つジブチルフタレート(DBP)吸油量が80mL/100g以上のカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックを配合することで、ゴム組成物の諸物性を改善することができるが、耐摩耗性を向上させる観点からは、HAF,ISAF,SAFグレードのものが更に好ましい。なお、本発明のゴム組成物には、充填剤としてカーボンブラックのみを配合してもよく、この場合、カーボンブラックの配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して10〜250質量部の範囲であり、補強性とそれによる諸物性の改良効率の観点から、20〜150質量部の範囲が好ましい。カーボンブラックの配合量がゴム成分100質量部に対して10質量部未満では、破壊特性等が十分でなく、250質量部を超えると、ゴム組成物の加工性が低下する。
また、本発明のゴム組成物には、一般的なゴム用架橋系を用いることができ、架橋剤と加硫促進剤とを組み合わせて用いることが好ましい。ここで、架橋剤としては、硫黄等が挙げられ、架橋剤の使用量は、上記ゴム成分100質量部に対して硫黄分として0.1〜10質量部の範囲が好ましく、1〜5質量部の範囲が更に好ましい。架橋剤の配合量がゴム成分100質量部に対して硫黄分として0.1質量部未満では、加硫ゴムの破壊強度、耐摩耗性及び低発熱性が低下し、10質量部を超えると、ゴム弾性が失われる。
一方、上記加硫促進剤としては、特に限定されるものではないが、2-メルカプトベンゾチアゾール(M)、ジベンゾチアジルジスルフィド(DM)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド(CZ)、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(NS)等のチアゾール系加硫促進剤、ジフェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系加硫促進剤等が挙げられる。該加硫促進剤の使用量は、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましく、0.2〜3質量部の範囲が更に好ましい。これら加硫促進剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、軟化剤としてプロセスオイル等を用いることができ、該プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマチック系オイル等が挙げられる。これらの中でも、引張強度及び耐摩耗性の観点からは、アロマチック系オイルが好ましく、ヒステリシスロス及び低温特性の観点からは、ナフテン系オイル及びパラフィン系オイルが好ましい。これらプロセスオイルの使用量は、上記ゴム成分100質量部に対して0〜100質量部の範囲が好ましい。プロセスオイルの使用量がゴム成分100質量部に対して100質量部を超えると、加硫ゴムの引張強度及び低発熱性が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物には、上記した(A)成分、(B)成分、一般的なゴム成分、充填剤、シランカップリング剤、架橋剤、加硫促進剤、軟化剤の他に、例えば、老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等のゴム業界で通常用いられる添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を用いて混練りすることによって得られ、成形加工後、加硫を行い、タイヤのトレッドゴム、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード等のタイヤ用途を始め、防振ゴム、ベルト、ホース、その他の工業製品等にも用いることができるが、タイヤのトレッドゴムとして特に好適である。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。該タイヤは、上述のヒステリシスロス(tanδ)が高く、良好な耐摩耗性及び破壊特性を有するゴム組成物をトレッドゴムに適用してなるため、良好な耐破壊性及び耐摩耗性と、優れた操縦安定性を有する。なお、本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
<実施例>
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
以下の方法で共重合体(A−1)〜(A−4)、共重合体(B−1)〜(B−3)を合成し、得られた共重合体のスチレン結合量、ビニル結合量、ポリスチレン換算重量平均分子量及び水添率を下記の方法で測定した。
(1)スチレン結合量
合成された共重合体のスチレン結合量は、1H-NMRスペクトルの積分比から算出した。
(2)ビニル結合量
合成された共重合体のブタジエン部分のビニル結合量は、赤外法で分析した。
(3)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)
合成された共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、GPCで測定した。ここで、GPCとしてはウォーターズ社製244型GPCを用い、検知器としては示差屈折計を用い、カラムとしては東ソー製カラムGMH−3、GMH−6、G6000H−6を用い、移動相としてはテトラヒドロフランを用いた。また、標準物質としてウォーターズ社製単分散スチレン重合体を用い、GPCによる単分散スチレン重合体のピークの分子量とGPCのカウント数との関係を予め求めて検量線を作成し、これを用いて、共重合体(B)のポリスチレン換算での分子量を求めた。
(4)水添率
合成された共重合体のブタジエン部の水添率は、四塩化炭素を溶媒として用い、15質量%の濃度で測定した100MHzの1H-NMRの不飽和結合部のスペクトルの減少から算出した。
<共重合体(A−1)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン 3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン 186g及びスチレン 114gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム 0.10gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。その後、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを3.5g加え、共重合体(A−1)を得た。分析値を表1に示す。
<共重合体(A−2)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン 3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン 186g及びスチレン 114gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム 0.10gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。さらに、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部 1000モルに対しニッケル 1モルとなるよう仕込んだ。その後、反応系内に水素圧力30kg/cm2で水素を導入し、80℃で反応させた。その後、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを3.5g加え、共重合体(A−2)を得た。分析値を表1に示す。
<共重合体(A−3)〜(A−4)の合成>
水素圧力、水素添加時間等を変えた他は上記共重合体(A−2)と同様にして共重合体(A−3)〜(A−4)を合成した。分析値を表1に示す。
<共重合体(B−1)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン 3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン 200g及びスチレン 100gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム 1.50gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した後、トリブチルシリルクロライド 4.68gを加え重合を停止させ、共重合体(B−1)を得た。分析値を表1に示す。
<共重合体(B−2)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン 3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン 200g及びスチレン 100gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム 1.50gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した後、トリブチルシリルクロライド 4.68gを加え重合を停止させた後、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部 1000モルに対しニッケル 1モルとなるよう仕込んだ。その後、反応系内に水素圧力30atmで水素を導入し、80℃で反応させ、共重合体(B−2)を得た。分析値を表1に示す。
<共重合体(B−3)の合成>
水素圧力、水素添加時間等を変えた他は上記共重合体(B−2)と同様にして共重合体(B−3)を合成した。分析値を表1に示す。
Figure 2007081026
次に、上記共重合体(A−1)〜(A−4)及び共重合体(B−1)〜(B−3)を用いて、表2に示す配合処方のゴム組成物を常法に従って調製し、得られたゴム組成物の耐摩耗性、操縦安定性及び耐破壊性を下記の方法で評価した。結果を表2に示す。
(5)耐摩耗性
ランボーン式摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、比較例1のゴム組成物の摩耗量を100として指数表示した。指数値が大きい程、摩耗量が少なく、耐摩耗性に優れることを示す。
(6)操縦安定性
レオメトリックス社製メカニカルスペクトロメーターを用い、せん断歪5%、温度60℃、周波数15Hzでtanδを測定し、比較例1のtanδを100として指数表示した。指数値が大きい程、ヒステリシスロスが大きく、操縦安定性が良好であることを示す。
(7)耐破壊性
JIS K6301-1995に準拠して室温で引張試験を行い、加硫したゴム組成物の引張り強さ(Tb)を測定し、比較例1の引張り強さを100として指数表示した。指数値が大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
Figure 2007081026
*1 ISAF, 東海カーボン(株)製, シースト3H.
*2 N-(1,3-ジメチルブチル)-N'-フェニル-p-フェニレンジアミン, 大内新興化学工業製「ノクラック6C」.
*3 ジベンゾチアジルジスルフィド.
*4 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド, 大内新興化学工業製「ノクセラーNS」.
表2の実施例の結果から、本発明で規定する分子量及び水添率を有する高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体(A成分)に、特定の分子量を有する低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体(B成分)を配合したゴム組成物は、耐破壊性及び耐摩耗性を向上させつつ、操縦安定性を大幅に改善できることが分る。
一方、比較例2及び比較例3の結果から、水添されていない高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体に対して、水添された低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体を配合すると、ゴム組成物の耐摩耗性及び耐破壊性が低下してしまうことが分る。また、比較例4の結果から、過剰に水添された高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体に対して、水添された低分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体を配合すると、ゴム組成物の耐摩耗性及び耐破壊性が大幅に低下してしまうことが分る。更に、比較例5の結果から、本発明で規定する分子量及び水添率を有する高分子量芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体(A成分)に、アロマオイルを配合したゴム組成物は、比較例1に比べて、耐摩耗性、操縦安定性及び耐破壊性の総てが低下することが分る。

Claims (12)

  1. (A)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜3.0×106の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体100質量部に対して、
    (B)成分:ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105の芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体10〜200質量部を配合してなり、
    前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の10%以上60%未満が水素添加されていることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記(A)成分がリチウム系重合開始剤で重合されたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記(A)成分がスチレン−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  4. 前記(A)成分の結合スチレン量が20〜40質量%であることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 前記(A)成分のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%であることを特徴とする請求項3に記載のゴム組成物。
  6. 前記(A)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の30%〜50%が水素添加されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  7. 前記(B)成分の結合スチレン量が0〜60質量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  8. 前記(B)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%〜100%が水素添加されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  9. 前記(B)成分の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の40%〜90%が水素添加されていることを特徴とする請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記(B)成分は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算数平均分子量が2000以上30000未満であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  11. 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B)成分10〜100質量部を配合してなることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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