JP4827423B2 - ゴム組成物及びこれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤのトレッドに適したゴム組成物に関し、さらに詳しくは、操縦安定性や耐破壊性が良好で、耐摩耗性に優れた、高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物に関する。
近年、自動車の高速走行安定性に対する要求が一段と厳しくなってきており、自動車のタイヤトレッド用ゴム材料に従来から要求されてきた耐摩耗性や耐破壊性に加えて、操縦安定性に優れたゴムが強く望まれるようになってきた。しかし、これらの特性を同時に満足させるのは困難であり、耐摩耗性と耐破壊性と操縦安定性とは、いずれも相反する関係にある。操縦安定性はそのゴム組成物のヒステリシスロス特性に依存しており、従来、ゴム組成物の操縦安定性を高めるために、スチレン−ブタジエン共重合体(以下SBRという)ゴムに芳香族系の軟化剤を多量に配合していたが、このことは、耐摩耗性や耐破壊性の低下をもたらすという不都合があった。
この点を改良するために、SBRマトリックスゴムに低分子量SBRを加えることが提案されているが、低分子量といえどもこれは架橋性を有する二重結合が多くあるので、一部の低分子量成分がマトリックスのゴムと架橋を形成しマトリックスに取り込まれ、十分なヒステリシスロスを発生しないという問題があった。(特許文献1参照)
また、低分子量成分が架橋によりマトリックスに取り込まれないようにするため低分子量SBRの二重結合部を水素添加し飽和結合にすることによって操縦安定性を高めることも提案されている。(特許文献2参照)
しかし、この低分子量の水添SBRを用いると、操縦安定性は向上するものの耐摩耗性及び耐破壊性の点では満足すべきものではなかった。
特開昭63−101440号公報 特開2003−253051号公報
本発明の課題は、操縦安定性や耐破壊性が良好で、耐摩耗性に優れる高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、SBRマトリクスゴム(A)に低分子量水添SBR(C)を配合したゴム組成物のマトリクス成分としてさらに、高分子量でかつ高シス含量のポリブタジエン(以下BRという)マトリクスゴム(B)を加えると、操縦安定性を低下させずに、耐摩耗性を著しく向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜4.0×106であるSBRマトリクスゴム(A)60〜95質量部及びゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が4.0×105以上であって、シス含量が90%以上であるBRマトリクスゴム(B)5〜40質量部からなるマトリクス成分100質量部に対して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が5.0×103〜2.0×105、結合スチレン量が25〜70質量%であり、ブタジエン部の二重結合のうち20%以上が水素添加された水添SBR(C)を10〜200質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物を提供するものである。
本発明により、操縦安定性や耐破壊性が良好で、かつ耐摩耗性が著しく向上した高性能空気入りタイヤのトレッドゴムに適したゴム組成物を提供することができる。
本発明では、SBRマトリクスゴム(A)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)により得られたポリスチレン換算重量平均分子量を3.0×105〜4.0×106と規定するが、これは、3.0×105未満では耐摩耗性や耐破壊性が低下し、4.0×106を越えると重合溶液の粘度が高くなり生産性が低くなるからである。同様の観点から、好ましくは、7.0×105〜2.5×106である。マトリクス成分100質量部中、SBRマトリクスゴム(A)を60〜95質量部配合するのは、60質量部未満では、ゴム組成物のガラス転移点(Tg)が低くなることによりヒステリシスロスが小さくなり、操縦安定性が低下するためであり、95質量部を超えると耐摩耗性改良効果が不十分となるからである。
また、SBRマトリクスゴム(A)の結合スチレン量は20〜50質量%であることが好ましい。20質量%以上であれば、耐破壊性が向上し、50質量%以下であれば、耐摩耗性がより良好となるからである。同様の観点から、好ましくは、20〜40重量%である。
さらに、SBRマトリクスゴム(A)のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%であることが好ましい。30%以上であれば操縦安定性がより向上し、60%以下であれば耐摩耗性がより改良されるからである。
上述のSBRマトリクスゴム(A)は、例えば、ブタジエンとスチレンとを炭化水素溶媒中でエーテルまたは第三級アミンの存在下にリチウム系重合開始剤を用いて共重合させることにより得られる。
上記炭化水素溶媒としては、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロオクタンなどの脂環式炭化水素;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素は単独でも、あるいは2種以上を混合して用いてもよい。これらの炭化水素の中では、脂肪族炭化水素および脂環式炭化水素が好ましい。
上記重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、その例としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどのアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチウムなどのアリルリチウム;ビニルリチウム、プロペニルリチウムなどのアルケニルリチウム;テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウムなどのアルキレンジリチウム;1,3−ジリチオベンゼン、1,4−ジリチオベンゼンなどのアリレンジリチウム;1,3,5−トリリチオシクロヘキサン、1,2,5−トリリチオナフタレン、1,3,5,8−テトラリチオデカン、1,2,3,5−テトラリチオ−4−ヘキシルーアントラセン等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムおよびテトラメチレンジリチウムであり、特に好ましくは、n−ブチルリチウムである。
上記有機リチウム化合物の使用量は、反応操作における重合速度および生成される重合体の分子量によって決定されるが、通常、単量体100g当たりリチウム原子として0.02〜5mg原子程度、好ましくは0.05〜2mg原子である。
SBRマトリクスゴム(A)を得るための重合反応は、バッチ重合方式、連続重合方式のいずれの方式によっても行うことができる。上記重合反応における重合温度は、0〜130℃の範囲が好ましい。また、重合反応は、等温重合、昇温重合あるいは断熱重合のいずれの重合形式によっても行うことができる。さらに、重合を行う際には、反応容器内にゲルが生成するのを防止するために、1,2−ブタジエンなどのアレン化合物を添加することもできる。
上述のSBRマトリクスゴム(A)は、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)又はアミノ基含有アルコキシシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造を有していてもよい。
また、BRマトリクスゴム(B)のゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量を4.0×105以上と規定するのは、4.0×105未満ではBR分子鎖のからみあいによる補強が十分にとれなくなるからである。作業性の観点から、1×107以下であることが好ましい。同様の観点から、好ましくは、5×105〜5×106である。さらに、伸張結晶性を確保し、耐摩耗性を向上するために、シス含量が90%以上であることを要し、95%以上であることが好ましい。マトリクス成分100質量部中、BRマトリクスゴム(B)を5〜40質量部配合するのは、5質量部未満では、耐摩耗性改良効果が少なく、40質量部を超えるとゴム組成物のガラス転移点(Tg)の大幅の低下によりヒステリシスロスが小さくなり、操縦安定性の確保が困難となるからである。
BRマトリクスゴム(B)はニッケル系触媒又はコバルト系触媒等により重合された商業的に入手可能なBRゴムを用いてもよいし、希土類触媒を用いて配位重合により得られる超高シス含量のBRゴムを用いてもよい。
上述のBRマトリクスゴム(B)は、その一部が多官能型変性剤、例えば四塩化スズ、四塩化ケイ素、エポキシ基を分子内に有するアルコキシシラン(3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)又はアミノ基含有アルコキシシシランのような変性剤を用いることにより分岐構造を有していてもよい。
本発明に用いられる水添SBR(C)のゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が5.0×103〜2.0×105範囲内であるのは、5.0×103未満であっても、2.0×105を超えても、操縦安定性が低下するからである。結合スチレン量が25〜70質量%と限定されるのは、25質量%未満では操縦安定性が不十分であり、70質量%を超えると水添SBR(C)が樹脂状となりゴム組成物が硬くなってしまうので、同様に操縦安定性が低下するためである。かかる観点から、結合スチレン量が60質量%以下であることが好ましい。ブタジエン部の二重結合のうち20%以上が水素添加されることを要するのは、20%未満であると、水添SBR(C)が架橋しフローロスが不足するため、ヒステリシスロスが小さくなり、操縦安定性向上の効果を奏し得ないからである。ヒステリシスロス確保のためには、水素添加率(以下水添率という)40%以上が好ましい。
マトリクス成分100質量部に対して、水添SBR(C)の配合量が10〜200質量部であるのは、10質量部未満であると操縦安定性向上の効果が不十分であり、200質量部を超えるとゴム組成物の粘度、例えば、ムーニー粘度が低過ぎて生産性が低下するからである。これらの観点から、配合量を20〜100質量部とするのが好ましい。
本発明に用いられる水添SBR(C)は、上述のSBRマトリクスゴム(A)と同様の方法で重合することにより製造したポリマーを常法の水添方法により水添して得ることができる。すなわち、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルト、1〜3族の有機金属化合物からなる水素化触媒;カーボン、シリカ、けいそう土などで担持されたニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体等から選択される一種を触媒として1〜100気圧の加圧水素下で水素化すればよい。
本発明のゴム組成物に用いられる充填材としては、カーボンブラック又は無機充填材を挙げることができる。カーボンブラックとしては、特に制限はなく、通常ゴム工業に用いられるものを使用できる。例えば、FEF、SRF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられる。これらのカーボンブラックを単独にまたは混合して使用することができる。好ましくは、ヨウ素吸着量(IA)が60mg/g以上、かつジブチルフタレート吸油量(DBP,A法)が80ml/100g以上のカーボンブラックである。カーボンブラックを用いることにより、諸物性の改良効果は大きくなるが、特に、耐摩耗性に優れるHAF、ISAF、SAFが好ましい。この場合に、カーボンブラックは、マトリクス成分100質量部に対して、10〜250質量部で用いられ、補強性とそれによる加硫ゴム組成物の諸物性の改良効率の観点から、好ましくは20〜150質量部で用いられる。この好適範囲内であれば、耐破壊性及び加工性の点でより好ましいからである。
また、無機充填材としては、シリカ又は一般式(I)
mM1 ・xSiOy・zH2O ・・・(I)
[式中、M1 は、アルミニウム,マグネシウム,チタン,カルシウム及びジルコニウムから選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、それらの水和物、及びこれらの金属の炭酸塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、m、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である]で表わされる無機充填材を使用できる。この一般式(I)で表わされる無機充填材は、さらに、カリウム、ナトリウム、鉄、マグネシウム等の金属、フッ素等の原子及び/又はNH4−等の基を含有していてもよい。
シリカとしては特に限定されないが、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、コロイダルシリカが好ましい。これらの内、操縦安定性、耐破壊性及び低転がり抵抗性の向上のためには、湿式シリカが特に好ましい。
一般式(I)の無機充填材としては、アルミナ類、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライト、長石、マイカ、モンモリロナイト等を例示できる。また、前記一般式(I)中のM1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、またはアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましく、M1がアルミニウム金属であることが特に好ましい。上記のアルミナ類とは、下記一般式(II)で表されるものであって、アルミナ−水和物(Al23・H2O)も含まれる。
Al23・nH2O ・・・(II)
[式中、nは、0〜3の整数である。]
本発明のゴム組成物には、補強性充填材として、カーボンブラック又は無機充填材を夫々単独で、又は二者又はそれ以上を組み合わせて用いることができる。例えば、充填材をシリカのみとすることができ、この場合には、シリカはマトリクス成分100質量部に対して、10〜250質量部で用いられる。補強性とそれによる加硫ゴム組成物の諸物性の改良効率の観点から、好ましくは20〜150質量部で用いられる。この好適範囲内であれば、耐破壊性及び加工性の点でより好ましいからである。
上記無機充填材としては、その平均粒径が10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径が10μm以下であると加硫ゴム組成物の耐破壊性及び耐摩耗性をさらに向上できる。
本発明で上記シリカを配合する場合には、シリカ−ゴム成分間の結合を強化して補強性をさらに高め、耐摩耗性を向上するために、更に、シランカップリング剤を添加することが望ましい。
その目的に使用されるシランカップリング剤としては、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が挙げられ、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド等が補強性改善効果の観点より好ましい。
る。
上記のシランカップリング剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。シランカップリング剤の配合量としては、上記シリカの配合量に対して、5〜20重量%が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。
本発明のゴム組成物には、必要に応じて、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤(酸化防止剤、オゾン劣化防止剤等)、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸など、通常ゴム業界で用いられるゴム薬品を、目的に応じて適宜選択して混練してもよい。
上記加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫黄、硫黄供与剤、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウムなどの金属酸化物などが用いられる。これらの使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、硫黄分として0.1〜10質量部が好ましく、さらに好ましくは1〜5質量部である。0.1質量部以上であれば、加硫ゴムの耐破壊性、耐摩耗性および低発熱性が向上し、また、10質量部以下であれば、ゴム弾性としての機能がより好適に確保できるからである。
上記加硫促進剤としては、公知の加硫促進剤、例えばチアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、グアニジン類、アルデヒド類、アンモニア類、アミン類、チオウレア類、ジチオカーバメイト類、キサンテート類などが用いられる。好ましくは、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジサルファイド)、CZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)等のチアゾール系の、DPG(ジフェニルグアニジン)等のグアニジン系の加硫促進剤等を挙げることができ、その使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、さらに好ましくは、0.2〜3質量部である。
上記老化防止剤としては、アミン系、アミン−ケトン系、イミダゾール系、フェノール系、硫黄系及び燐系などが挙げられる。
上記プロセスオイルとしては、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等を挙げることができる。引張強度、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、ヒステリシスロス、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系が用いられ、その使用量は、マトリクス成分100質量部に対して、1〜100質量部が好ましい。100質量部以下であることが加硫ゴム組成物の引張強度、低発熱性の向上の観点から好ましい。
本発明のゴム組成物は、ロール、インターナルミキサー等の混練機を用いて混練することによって得られ、成型加工後、加硫を行い、各種ゴム製品に使用される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
尚、各実施例、比較例における各種測定は下記により行なった。
(1)ポリスチレン換算重量平均分子量
(i)ウォーターズ社製244型GPCを用い、検知器として示差屈折計を用い、次の条件で測定する。
カラム:東洋ソーダ製カラムGMH−3、GMH−6、G6000H−6移動相:テトラヒドロフラン
(ii)ウォーターズ社製単分散スチレン重合体を用い、GPCによる単分散スチレン重合体のピークの分子量とGPCのカウント数との関係を予め求めて検量線を作成し、これを用いて、重合体のポリスチレン換算での重量分子量を求めた。
(2)シス含量
赤外法(モレロ法)により測定した。
(3)結合スチレン量
1H-NMRでスペクトルの積分比を算出することにより算出した。
(4)水添率
四塩化炭素を溶媒として用い、15重量%の濃度で測定した100MHzのプロトンNMRの不飽和結合部のスペクトルの減少から算出した。
(5)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温における摩耗量を測定し、その逆数を、比較例1を100とする指数で表示した。値が大きいほど耐摩耗性が良好である。
(6)操縦安定性
160℃、12分間の条件で加硫して得られた厚さ2mmのスラブシートから、幅5mm、長さ40mmのシートを切り出し、試料とした。この試料について、上島製作所(株)製スペクトロメーターを用い、チャック間距離10mm、初期歪200マイクロメートル(ミクロン)、動的歪1%、周波数52Hz及び測定温度60℃の条件下で、tanδを測定した。
(7)耐破壊性(引張試験)
JIS K6251−1993に準拠して、160℃、12分間の条件で加硫して得られた加硫ゴム組成物サンプルの引張試験を行い、23℃で測定した時の破断時の強力(Tb)を求めた。結果は比較例1を100として指数で表した。数値が大きい程良好であることを示す。
製造例1 SBRマトリクスゴム(A−1)の製造
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)15g、1,3−ブタジエン200gおよびスチレン123gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム0.14gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。その後、老化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを3.5g加えた。得られたSBRマトリクスゴム(A−1)のポリスチレン換算重量平均分子量は4.0×105、結合スチレン量は38質量%、ビニル分は35%であった。
製造例2 部分水添液状SBR(C−1)及び水添液状SBR(C−2)の製造
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3−ブタジエン200gおよびスチレン98.5gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n−ブチルリチウム1.50gを加えて昇温条件下で60分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認したのちトリブチルシリルクロライド4.68gを加え重合を停止した。得られた非水添液状SBRのポリスチレン換算重量平均分子量は1.5×104、結合スチレン量は33質量%であった。その後、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部1000モルに対しニッケル1モルとなるよう仕込んだ後、反応系内に水素圧力30atmで水素を導入し、80℃で反応させた。部分水添液状SBR(C−1)は、水添率45%になるように反応を停止し、水添液状SBR(C−2)は、水添率85%になるように反応を停止した。
実施例1〜4、比較例1〜5
製造例1及び製造例2で調製したSBRマトリクスゴム(A−1)、非水添液状SBR、部分水添液状SBR(C−1)及び水添液状SBR(C−2)を表1に示した配合処方によりバンバリーミキサー中で混練後、加硫し、耐摩耗性、操縦安定性及び耐破壊性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004827423
尚、表1に用いられた、他のマトリクス成分及び添加剤の商品名及び分析値を下記する。
BRマトリクスゴム(B−1): JSR社製、BR01(商標)、ポリスチレン換算重量平均分子量5.8×105、シス含量95%。
比較BRマトリクスゴム: 旭化成社製、ASADENE NF35R(商標)、ポリスチレン換算重量平均分子量3.7×105、シス含量35%。
カーボンブラックISAF:旭カーボン株式会社製、旭#80(商標)
亜鉛華: 白水化学株式会社製、商標:1号亜鉛華
老化防止剤6C: 大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクラック6C
加硫促進剤DM: 大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクセラーDM
加硫促進剤NS: 大内新興化学工業株式会社製、商標:ノクセラーNS
硫黄: 軽井沢精錬所株式会社製
表1により明らかなごとく、比較例1〜5のゴム組成物と比較して、本発明のゴム組成物(実施例1〜4)は、優れた耐摩耗性、耐破壊性を有しつつ耐摩耗性を大幅に向上した。
本発明のゴム組成物は、タイヤトレッド、アンダートレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部分等の空気入りタイヤ用途をはじめ、防振ゴム、ベルトコンベア、各種工業用ベルト、自動車用ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることができるが、特に高性能空気入りタイヤトレッド用ゴムとして好適に使用される。

Claims (8)

  1. ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が3.0×105〜4.0×106であるスチレン−ブタジエン共重合体マトリクスゴム(A)60〜95質量部及びゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が4.0×105以上であって、シス含量が90%以上であるポリブタジエンマトリクスゴム(B)5〜40質量部からなるマトリクス成分100質量部に対して、ゲル浸透クロマトグラフィーにより得られるポリスチレン換算重量平均分子量が5.0×103〜2.0×105、結合スチレン量が25〜70質量%であり、ブタジエン部の二重結合のうち20%以上が水素添加された水添スチレン−ブタジエン共重合体(C)を10〜200質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 共重合体マトリクスゴム(A)の結合スチレン量が20〜50質量%である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 共重合体マトリクスゴム(A)のブタジエン部のビニル結合量が30〜60%である請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. ポリブタジエンマトリクスゴム(B)のシス含量が95%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 共重合体(C)のブタジエン部の二重結合のうち40%以上が水素添加されている請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 共重合体(C)の結合スチレン量が60質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物
  7. マトリクス成分100質量部に対して、共重合体(C)を20〜100質量部配合してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物をトレッドゴムに使用してなる空気入りタイヤ。

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