JP2007246845A - 樹脂組成物ならびにそれからなる成形品 - Google Patents

樹脂組成物ならびにそれからなる成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】耐衝撃性、耐熱性、強度に優れる樹脂組成物ならびにそれからなる成形品を提供する。
【解決手段】(A)熱可塑性ポリエステル樹脂95〜5重量%及び(B)その他の熱可塑性樹脂5〜95重量%を配合してなる樹脂組成物であり、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に(B)成分が5%以上含有する構造及び/又は(B)成分中に(A)成分が5%以上含有する相構造を持つことを特徴とする樹脂組成物であり、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に分散した(B)成分の平均分散径が500nm以下及び/又は(B)成分中に分散した(A)成分の平均分散径が500nm以下であることを特徴とする樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐衝撃性に優れる樹脂組成物、ならびにそれからなる成形品に関するものである。
熱可塑性樹脂の耐衝撃性を高めるためには、通常エラストマーの添加が行われるが、この場合、耐熱性、強度、弾性率といった特性が低下するため、耐衝撃性を高めながら、かつ、耐熱性や強度に優れた材料が必要とされてきた。
例えば、ポリ乳酸樹脂は、高い融点を持ち、また溶融成形可能であることから、実用上優れたバイオ原料から作られる汎用ポリマーとしての利用が期待されている。しかしながら、ポリ乳酸樹脂の耐衝撃性に劣り脆いという欠点の改良が望まれており、従来の熱可塑性樹脂と同様にエラストマーの添加が検討されてきたが、耐熱性や強度が低下するという課題があった(特許文献1、2)。
特開平09−316310号公報 特開平2002−37987号公報
本発明は、上述した従来技術における問題点の解決を課題として検討した結果、達成されたものである。
したがって、本発明の目的は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂95〜5重量%及び(B)その他の熱可塑性樹脂5〜95重量%を配合してなる樹脂組成物であり、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に(B)成分が5%以上含有する構造及び/又は(B)成分中に(A)成分が5%以上含有する相構造を持つことを特徴とする樹脂組成物により、耐熱性、耐衝撃性、強度に優れた樹脂組成物を得ることにある。
すなわち、本発明は、
(イ)(A)成分と(B)成分の合計に対して(A)熱可塑性ポリエステル樹脂95〜5重量%及び(B)その他の熱可塑性樹脂5〜95重量%を配合してなる樹脂組成物であり、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に(B)成分が5%以上含有する構造及び/又は(B)成分中に(A)成分が5%以上含有する相構造を持つことを特徴とする樹脂組成物。
(ロ)(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に分散した(B)成分の平均分散径が500nm以下及び/又は(B)成分中に分散した(A)成分の平均分散径が500nm以下であることを特徴とする(イ)に記載の樹脂組成物。
(ハ)(A)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂であることを特徴とする(イ)または(ロ)に記載の樹脂組成物。
(ニ)(B)その他の熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(イ)〜(ハ)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(ホ)さらに(C)相溶化剤を配合してなる(イ)〜(ニ)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(ヘ)さらに(D)難燃剤を配合してなる(イ)〜(ホ)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(ト)さらに(E)可塑剤を配合してなる(イ)〜(ヘ)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
(チ)(イ)〜(ト)のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
である。
本発明は、耐衝撃性、耐熱性、強度に優れる樹脂組成物ならびにそれからなる成形品であり、本発明の成形品は、上記の特性を生かして、機械部品、電気・電子部品、建築・土木部材、自動車部品および日用品など各種用途に有効に利用することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられる(A)熱可塑性ポリエステル樹脂としては主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性樹脂を言い、非液晶性ポリエステルであっても液晶性ポリエステルであってもよい。具体的にはカルボン酸またはそのエステル誘導体を主成分とする酸成分とジオール成分の重縮合物、ヒドロキシカルボン酸またはそのエステル誘導体の重縮合物、カルボン酸またはそのエステル誘導体を主成分とする酸成分と環状エ−テル化合物から得られる重縮合物、環状エステル化合物の開環重合物などが挙げられる。
カルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、クロルフタル酸、ニトロフタル酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、メチルテレフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、2,2’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(4−カルボキシフェノキシ)−エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、オクタデカンジカルボン酸、ダイマー酸、マレイン酸およびフマル酸等の脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸などがあげられる。
ヒドロキシカルボン酸成分としては、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、4’−ヒドロキシ−ビフェニル−4−カルボン酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸や乳酸、グリコール酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン酸などがあげられる。
グリコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAおよび2,2−ビス(2’−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどがあげられる。
環状エーテル化合物としては、エチレンオキシドやプロピレンオキシドなどを挙げることができ、環状エステル化合物としては、δ−バレロラクトン、β−プロピルラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。
具体的な好ましい熱可塑性ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンイソフタレート/テレフタレート、p−ヒドロキシ安息香酸/ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸樹脂などが挙げられ、中でもポリ乳酸樹脂が好ましい。
本発明に用いられるポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸及び/またはD−乳酸を主たる構成成分とするポリマーであるが、乳酸以外の他の共重合成分を含んでもよい。他のモノマー単位としては、エチレングリコール、ブロピレングリコール、ブタンジオール、ヘプタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオ−ル、デカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ビスフェノ−ルA、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコールなどのグリコール化合物、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸、マロン酸、グルタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのジカルボン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、およびカプロラクトン、バレロラクトン、プロピオラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2−オンなどのラクトン類を挙げることができる。このような他の共重合成分は、全単量体成分に対し、0〜30モル%であることが好ましく、0〜10モル%であることが好ましい。
本発明においては、相溶性の点から、乳酸成分の光学純度が高いポリ乳酸樹脂を用いることが好ましい。すなわち、ポリ乳酸樹脂の総乳酸成分の内、L体が80%以上含まれるかあるいはD体が80%以上含まれることが好ましく、L体が90%以上含まれるかあるいはD体が90%以上含まれることが特に好ましく、L体が95%以上含まれるかあるいはD体が95%以上含まれることが更に好ましく、L体が98%以上含まれるかあるいはD体が98%以上含まれることが更に好ましい。
また、L体が80%以上含まれるポリ乳酸とD体が80%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることも好ましく、L体が90%以上含まれるポリ乳酸とD体が90%以上含まれるポリ乳酸を併用して用いることがさらに好ましい。
ポリ乳酸樹脂は、変性したものを用いてもよく、例えば、無水マレイン酸変性ポリ乳酸樹脂、エポキシ変性ポリ乳酸樹脂、アミン変性ポリ乳酸樹脂などを用いることにより、耐熱性だけでなく、機械特性も向上する傾向にあり好ましい。
ポリ乳酸樹脂の製造方法としては、公知の重合方法を用いることができ、乳酸からの直接重合法、およびラクチドを介する開環重合法などを挙げることができる。
ポリ乳酸樹脂の分子量や分子量分布については、実質的に成形加工が可能であれば特に制限されるものではないが、重量平均分子量としては、通常1万以上、好ましくは4万以上、さらに8万以上であることが望ましい。上限としては、成形時の流動性の点から35万以下であることが好ましい。ここでいう重量平均分子量とは、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで測定したポリメチルメタクリレート(PMMA)換算の分子量をいう。
ポリ乳酸樹脂の融点については、特に制限されるものではないが、120℃以上であることが好ましく、さらに150℃以上であることが好ましい。ポリ乳酸樹脂の融点は光学純度が高いほど高くなる傾向にあるため、上記融点の高いポリ乳酸樹脂は、光学純度の高いポリ乳酸樹脂を用いればよい。
本発明に用いる(B)その他の熱可塑性樹脂とは、熱可塑性ポリエステル樹脂以外の熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、具体例としては、低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、芳香族および脂肪族ポリケトン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、熱可塑性澱粉樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、ACS樹脂、AAS樹脂などのスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリエーテルイミド樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを挙げることができ、上記樹脂は、1種で用いても、2種以上併用して用いてもかまわない。
上記樹脂の中では、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂などのスチレン系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂が特に好ましい。
本発明で使用するポリカーボネート樹脂とは、脂肪族または芳香族のポリカーボネート樹脂であり、芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族二価フェノール系化合物とホスゲン、または炭酸ジエステルとを反応させることにより得られる芳香族ホモまたはコポリカーボネートなどの芳香族ポリカーボネートが挙げられ、示差熱量計で測定されるガラス転移温度が100〜155℃の範囲にあるものが好ましく用いられる。
また、前記の芳香族二価フェノール系化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が使用でき、これら単独あるいは混合物として使用することができる。また、ヒンダードフェノール系、イオウ系およびリン系の酸化防止剤などの化合物を一種以上含有していても良い。
本発明で使用するポリアミド樹脂とは、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を出発原料としたアミド結合を有する熱可塑性重合体である。アミノ酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などが挙げられ、ラクタムとしてはε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙げられる。
ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。
ジカルボン酸としてはアジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
本発明に用いられるポリフェニレンエーテル樹脂は、フェニレンエーテルユニットを主鎖に持つ重合体であって、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。ホモポリマーとしては、具体的には、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル等の2,6−ジアルキルフェニレンエーテルの重合体が挙げられ、コポリマーとしては、各種2,6−ジアルキルフェノール/2,3,6−トリアルキルフェノール共重合体が挙げられる。本発明に使用されるポリフェニレンエーテル (A)としては、特に、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体が好ましい。
本発明で用いられるポリアミドの好ましいものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6/10)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン6/12)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイロン11/6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフタル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))及びこれらのポリアルキレングリコールなどとの共重合体などの共重合ポリアミド、混合ポリアミド、ポリアミドエラストマーなどである。これらの中で、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/10、ナイロン6/12、ナイロン11/6及びこれらとポリエチレングリコールなどとの共重合などの共重合ポリアミド、混合ポリアミド、ポリアミドエラストマーが好ましく、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/ポリエチレングリコール、ポリアミドエラストマーがさらに好ましく、ナイロン6、ナイロン6/ポリエチレングリコールが特に好ましい。
上記のポリアミド樹脂は単独で使用しても良いし、2種以上混合して用いても良い。
本発明で用いられるスチレン系樹脂としては、スチレン以外に含有する成分として、αーメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nーブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nーブチル、アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイミド、Nーメチルマレイミド、Nーエチルマレイミド、Nーフェニルマレイミド、Nーシクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体、ジエン化合物、マレイン酸ジアルキルエステル、アリルアルキルエーテル、不飽和アミノ化合物、ビニルアルキルエーテルなどをさらに共重合してもよく、限定されるものではないが、具体例としては、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂(ハイインパクトポリスチレン樹脂)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS樹脂)、ABS樹脂、アクリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合体(AAS樹脂)、アクリロニトリル/エチレン/スチレン(AES樹脂)などが挙げられ、とくにポリスチレン樹脂とAS樹脂が好ましく用いられる。
本発明におけるAS樹脂とは、スチレンとアクリロニトリルを主成分とする共重合体であるが、αーメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、シメタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸nーブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸nーブチル、アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、マレイミド、Nーメチルマレイミド、Nーエチルマレイミド、Nーフェニルマレイミド、Nーシクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド系単量体、ジエン化合物、マレイン酸ジアルキルエステル、アリルアルキルエーテル、不飽和アミノ化合物、ビニルアルキルエーテルなどをさらに共重合してもよい。
また、AS樹脂におけるアクリロニトリルの含有量は10wt%以上50wt%未満が好ましく、20wt%以上40wt%未満がさらに好ましい。アクリロニトリルの含量が適切な範囲にある場合に、特に改良効果が大きくなる。
また、AS樹脂としては、さらに不飽和モノカルボン酸類、不飽和ジカルボン酸類、不飽和酸無水物あるいはエポキシ基含有ビニル系単量体をグラフト重合もしくは共重合したものが好ましく、不飽和酸無水物あるいはエポキシ基含有ビニル系単量体をグラフト重合もしくは共重合したものがさらに好ましい。
かかるエポキシ基含有ビニル系単量体は、一分子中にラジカル重合可能なビニル基とエポキシ基の両者を共有する化合物であり、具体例としてはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどの不飽和有機酸のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類および2−メチルグリシジルメタクリレートなどの上記の誘導体類が挙げられ、なかでもアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましく使用できる。またこれらは単独ないし2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、不飽和酸無水物類は、一分子中にラジカル重合可能なビニル基と酸無水物の両者を共有する化合物であり、具体例としては無水マレイン酸等が好ましく挙げられる。
不飽和モノカルボン酸類、不飽和ジカルボン酸類、不飽和酸無水物あるいはエポキシ基含有ビニル系単量体をグラフト重合もしくは共重合する際の使用量は、特に限定されるものではないが、AS樹脂に対して0.05重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。
(A)熱可塑性ポリエステル樹脂と(B)その他の熱可塑性樹脂の配合量は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂95〜5重量%、(B)その他の熱可塑性樹脂5〜95重量%であり、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂90〜10重量%、(B)その他の熱可塑性樹脂10〜90重量%であることが好ましく、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂85〜15重量%、(B)その他の熱可塑性樹脂15〜85重量%であることが特に好ましい。
本発明においては、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に(B)成分が5%以上含有する構造及び/又は(B)成分中に(A)成分が5%以上含有する相構造を持つことを特徴とする。このような相構造の代表例を図1〜3に示す。このような構造を持つことで、衝撃時の応力集中緩和により特異的に衝撃特性が向上し、優れた特性が得られる。また、上記の分散構造に該当しない相構造の例を図4に示す。
このような相構造の樹脂組成物は、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂、(B)その他の熱可塑性樹脂、さらに必要に応じて(C)相溶化剤、(D)難燃剤、(E)可塑剤の各成分を混練性に優れる2軸押出機などの溶融混練機で混練することにより得ることができる。
前記の分散構造の観察方法としては、例えば、ペレット、プレス成形品、あるいは射出成形品などから切削した試料を光学顕微鏡や透過型電子顕微鏡により観察することができる。とくに、透過型電子顕微鏡を用いることによって(B)成分の含有量を精度よく測定できる。例えば、ペレット状の樹脂組成物から切削した試料を透過型電子顕微鏡の倍率10000倍で観察して観察部位を写真に撮った場合、その写真において(A)熱可塑性ポリエステル樹脂成分と(B)その他の熱可塑性樹脂成分は濃淡により識別される。この熱可塑性ポリエステル樹脂成分中のその他の熱可塑性樹脂成分の量は、前記の写真中の熱可塑性ポリエステル樹脂成分中に存在するその他の熱可塑性樹脂成分の面積を画像解析により測定し、下記式から熱可塑性ポリエステル樹脂成分中に存在するその他の熱可塑性樹脂成分の割合を%で求めることができる。この場合、解像度が10nm以下であることが好ましい。
熱可塑性ポリエステル樹脂成分中のその他の熱可塑性樹脂成分の割合(%)
=(熱可塑性ポリエステル樹脂成分中に存在するその他の熱可塑性樹脂成分の面積)÷(熱可塑性ポリエステル樹脂成分の面積)×100
同様に、このその他の熱可塑性樹脂成分中の熱可塑性ポリエステル樹脂成分の量は、前記の写真中のその他の熱可塑性樹脂成分中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂成分の面積を画像解析により測定し、下記式からその他の熱可塑性樹脂成分中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂成分の割合を%で求めることができる。
その他の熱可塑性樹脂成分中の熱可塑性ポリエステル樹脂成分の割合(%)
=(その他の熱可塑性樹脂成分中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂成分の面積)÷(その他の熱可塑性樹脂成分の面積)×100
ここで、それぞれの成分の割合を求めるには、前記の写真の複写から、熱可塑性ポリエステル樹脂成分、その他の熱可塑性樹脂成分を示す部分を切り抜いて重量を測定し、割合を求めることもできる。
また、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に分散した(B)成分の平均分散径が500nm以下及び/又は(B)成分中に分散した(A)成分の平均分散径が500nm以下であることが好ましい。ここでいう平均分散径は、電子顕微鏡写真から求めた長径の数平均分散径であり画像解析により求めることができる。また、写真から直接分散の長径を50個以上測定し、その数平均値を求めることもできる。このような平均分散径を取ることで効率的に応力が吸収され衝撃強度が向上すると考えられる。
本発明においては、更に(C)相溶化剤を添加しても良い。本発明における(C)相溶化剤とは、(A)熱可塑性ポリエステル樹脂および(B)その他の熱可塑性樹脂との相溶化を促進させるものであり、(A)成分および(B)成分とを微分散化させる作用を有するものである。
かかる(C)相溶化剤としては、無機充填剤、グリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合した高分子化合物、アクリル樹脂あるいはスチレン樹脂ユニットをグラフトにより含む高分子化合物、および有機金属化合物が挙げられ、一種または2種以上で用いてもよい。
また、相溶化剤の配合量は、(A)および(B)の合計量100重量部に対し、50重量部〜1重量部が好ましく、より好ましくは40重量部〜3重量部、とくに好ましくは30重量部〜4重量部であり、1重量部未満では相溶化剤としての効果が小さく、50重量部を越すと機械特性が低下するため好ましくない。
前記の無機充填剤は、相溶化剤として機能するものであれば特に制限はなく、その形状としては非繊維状、例えば板状、針状あるいは粒状のものが挙げられる。上記の相溶化剤として機能する無機充填剤としては、均一に分散可能な無機充填剤が好ましく、珪酸鉱物、珪酸塩鉱物や種々の鉱物類を粉砕などの加工により微粉化したものが好ましく用いられる。具体例としては、ベントナイト、ドロマイト、バーライト、微粉ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、ドーソナイト、シラスバルーン、クレー、セリサイト、長石粉、カオリン、ゼオライト(合成ゼオライトも含む)、滑石、マイカおよびワラステナイト(合成ワラステナイトも含む)、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ハイドロタルサイトおよびシリカなどが挙げられる。
前記の無機充填剤は、板状無機物、粒状無機物の無機充填剤が好ましく、特に平均粒径は10μm以下であることが相溶化剤としての効果が高く、より好ましくは5μm以下であることが好ましい。下限としては、製造時のハンドリング性の点から0.5μm以上の平均粒径であることが好ましく、1μm以上の平均粒径であることがより好ましい。
また、ワラステナイト、カオリンなど針状無機物は、アスペクト比(平均長さ/平均径)が3〜20が好ましく、平均径は10μm以下であることが相溶化剤としての効果が高く、より好ましくは平均径が5μm以下であることが好ましい。前記の中で、滑石やシリカは得られる成形品の白色性が高く好ましく用いられる。また、平均粒径の測定はレーザー回折散乱式の方法で測定される累積分布50%平均粒子径とする。
前記のグリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合した高分子化合物におけるグリシジル化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどの不飽和有機酸のグリシジルエステル類、アリルグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル類およびそれらの誘導体(例えば2−メチルグリシジルメタクリレートなど)が挙げられ、なかでもアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルが好ましく使用でき、これらは単独ないし2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、酸無水物としては、無水マレイン酸等が好ましく挙げられる。
また、グリシジル化合物または酸無水物を高分子化合物にグラフトまたは共重合する際の使用量は、特に限定されるものではないが、高分子化合物に対して0.05重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上5重量%以下がさらに好ましい。
グリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合した高分子化合物としては、限定されるものではないが、アクリロニトリル/スチレン、エチレン共重合体およびポリアミド樹脂などに前記のグリシジル化合物または酸無水物をグラフトまたは共重合により含む高分子化合物であり、その中から選ばれる一種または2種以上で使用される。また、上記のエチレン共重合体の例としては、エチレンをモノマーとし、共重合可能なモノマーとしてはプロピレン、ブテン−1、酢酸ビニル、イソプレン、ブタジエンあるいはアクリル酸、メタクリル酸などのモノカルボン酸類あるいはこれらのエステル酸類、マレイン酸、フマル酸あるいはイタコン酸などのジカルボン酸から製造される共重合体が挙げられ、さらにメタクリル酸メチルをグラフトした高分子化合物も好ましく用いられ、アクリロニトリル/スチレン/グリシジルメタクリレート、エチレン/プロピレン−g−無水マレイン酸、エチレン/グリシジルメタクリレート、エチレンエチルアクリレート−g−無水マレイン酸、エチレン/ブテン1−g−無水マレイン酸、エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸−g−ポリメタクリル酸メチル、エチレン/グリシジルメタクリレート−g−メタクリル酸メチルなどが具体例の一部として挙げられる(“−/−”は共重合を表し、“−g−”はグラフトを表す。以下同じ。)。
本発明におけるアクリル樹脂あるいはスチレン樹脂ユニットをグラフトにより含む高分子化合物とは、少なくとも一種以上のアクリル樹脂あるいはスチレン樹脂ユニットをグラフト共重合体の分岐鎖として含む高分子化合物であり、この場合、主鎖となる高分子の例としてはポリオレフィン、ポリスチレン、アクリル系樹脂、およびポリカーボネート樹脂などをあげることができる。
前記のポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などのα−オレフィンの単独重合体、ランダムまたはブロックなどの形態をなす相互共重合体、これらα−オレフィンの過半重量と他の不飽和単量体とのランダム、ブロックもしくはグラフトなどの共重合体化したものを指し、ここで他の不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、グリシジルメタクリル酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミドなどの不飽和有機酸またはその誘導体、あるいは酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル、あるいはスチレン、メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、あるいはビニルトリメチルメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン、あるいはジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを用いることができ、共重合の場合には、α−オレフィンや他の単量体は、2種に限らず、複数種からなるものであってもよい。
また、前記のポリスチレンとは、スチレン、メチルスチレン、グリシジル置換スチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体、ランダムまたはブロックなどの形態をなす相互共重合体、これらの過半重量と他の不飽和単量体とのランダム、ブロックもしくはグラフトなどの共重合体化したものを指し、ここで他の不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、グリシジルメタクリル酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミドなどの不飽和有機酸またはその誘導体、あるいは酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル、あるいはスチレン、メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、あるいはビニルトリメチルメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン、あるいはジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを用いることができ、共重合の場合には、α−オレフィンや他の単量体は、2種に限らず、複数種からなるものであってもよい。
また、前記のアクリル系樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、グリシジルメタクリル酸などのアクリル系樹脂モノマーの単独重合体、ランダムまたはブロックなどの形態をなす相互共重合体、これらの過半重量と他の不飽和単量体とのランダム、ブロックもしくはグラフトなどの共重合体化したものを指し、ここで他の不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、グリシジルメタクリル酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミドなどの不飽和有機酸またはその誘導体、あるいは酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル、あるいはスチレン、メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、あるいはビニルトリメチルメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン、あるいはジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを用いることができ、共重合の場合には、α−オレフィンや他の単量体は、2種に限らず、複数種からなるものであってもよい。
さらに、ポリカーボネート樹脂とは、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリエステルカーボネート樹脂および分岐(架橋)ポリカーボネート樹脂などが挙げられ、これらの過半重量と他の不飽和単量体とのランダム、ブロックもしくはグラフトなどの共重合体化したものを指し、ここで他の不飽和単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、グリシジルメタクリル酸、アリールマレイン酸イミド、アルキルマレイン酸イミドなどの不飽和有機酸またはその誘導体、あるいは酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル、あるいはスチレン、メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、あるいはビニルトリメチルメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシラン、あるいはジシクロペンタジエン、4−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエンなどを用いることができ、共重合の場合には、α−オレフィンや他の単量体は、2種に限らず、複数種からなるものであってもよい。
ここで、グラフトによって導入されるアクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステル単量体を重合して、又は(メタ)アクリル酸エステル単量体とこれと共重合可能な単量体とを共重合して得られる重合体であり、(メタ)アクリル酸エステル単量体の例としては、(メタ)アクリル酸と、炭素数1〜12のアルコールとのエステルが挙げられ、具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等を挙げることができる。中でも、メタクリル酸メチル単独(以下、PMMAと略する。)、またはメタクリル酸メチルと他の共重合体性ビニルまたはビニリデン系単量体の混合物を重合して得られるものが好ましく、さらに好ましくは80重量%以上のメタクリル酸メチルを含有するものである。他の共重合体性ビニルまたはビニリデン系単量体としては、好ましくはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜8のアクリル酸アルキルエステル、スチレン、およびアクリロニトリルが挙げられる。導入されるメタクリル樹脂は、一種に限らず、複数種でも可能である。
同様にグラフトによって導入されるスチレン樹脂は、スチレン単独(以下、PSと略する。)、またはスチレンとアクリロニトリルとの共重合体(以下、ASと略する。)が好ましく用いられる。
また、アクリル樹脂あるいはスチレン樹脂ユニットをグラフトにより含む高分子化合物の具体例としては、ポリエチレン−g−ポリメタクリル酸メチル(PE−g−PMMA)(“−g−”は、グラフトを表す。以下同じ。)、ポリプロピレン−g−ポリメタクリル酸メチル(PP−g−PMMA)、ポリ(エチレン/プロピレン)−g−ポリメタクリル酸メチル(EPM−g−PMMA)(“−/−”は共重合を表す。以下同じ。)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル)−g−ポリメタクリル酸メチル(EEA−g−PMMA)、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)−g−ポリメタクリル酸メチル(EVA−g−PMMA)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸)−g−ポリメタクリル酸メチル(E/EA/MAH−g−PMMA)、ポリ(エチレン/グシジルメタクリレート)−g−ポリメタクリル酸メチル(E/GMA−g−PMMA)、ポリ(アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート)−g−ポリメタクリル酸メチル(EA/GMA−g−PMMA)、ポリカーボネート−g−ポリメタクリル酸メチル(PC−g−PMMA)、ポリエチレン−g−ポリスチレン(PE−g−PS)、ポリプロピレン−g−ポリスチレン(PP−g−PS)、ポリ(エチレン/プロピレン)−g−ポリスチレン(EPM−g−PS)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル)−g−ポリスチレン(EEA−g−PS)、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)−g−ポリスチレン(EVA−g−PS)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸)−g−ポリスチレン(E/EA/MAH−g−PS)、ポリ(エチレン/グシジルメタクリレート)−g−ポリスチレン(E/GMA−g−PS)、ポリ(アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート)−g−ポリスチレン(EA/GMA−g−PS)、ポリカーボネート−g−ポリスチレン(PC−g−PS)、ポリエチレン−g−AS(PE−g−AS)、ポリプロピレン−g−AS(PP−g−AS)、ポリ(エチレン/プロピレン)−g−AS(EPM−g−AS)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル)−g−AS(EEA−g−AS)、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)−g−AS(EVA−g−AS)、ポリ(エチレン/アクリル酸エチル/無水マレイン酸)−g−AS(E/EA/MAH−g−AS)、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−AS(E/GMA−g−AS)、ポリ(アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート)−g−AS(EA/GMA−g−AS)、ポリカーボネート−g−AS(PC−g−AS)などが挙げられ、とくにポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−ポリメタクリル酸メチル(E/GMA−g−PMMA)、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−ポリスチレン(E/GMA−g−PS)、ポリ(エチレン/グリシジルメタクリレート)−g−AS(E/GMA−g−AS)などが好ましい例として挙げられる。かかる(C)成分のアクリル樹脂あるいはスチレン樹脂ユニットをグラフトにより含む高分子化合物は、一種または2種以上で用いてもよい。
本発明における有機金属化合物としては、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物が挙げられ、有機チタン化合物の具体例としては、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトラブトキシドテトラーなどのチタンアルコキシドが好ましく用いられる。有機アルミニウム化合物の具体例としては、アルミニウムアルコレート(トリアルコキシアルミニウム)類、アルミニウムキレート類が挙げられ、アルミニウムキレート類のアセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートが好ましくられ用いられ、味の素ファインテクノ製の“プレンアクト”AL−Mとして商品化されている。これらの有機金属化合物は一種以上で用いることができる。
本発明では、さらに(D)難燃剤を添加してもよい。使用する(D)難燃剤とは、樹脂に難燃性を付与する目的で添加される物質であれば特に限定されるものではなく、具体的には、臭素系難燃剤、リン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤、およびその他の無機系難燃剤などが挙げられ、これら少なくとも一種以上を選択して用いることができる。
本発明で用いられる臭素系難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、オクタブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモジフェニルオキサイド、テトラブロモ無水フタル酸、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ヘキサブロモベンゼン、1,1−スルホニル[3,5−ジブロモ−4−(2,3−ジブロモプロポキシ)]ベンゼン、ポリジブロモフェニレンオキサイド、テトラブロムビスフェノール−S、トリス(2,3−ジブロモプロピル−1)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、トリブロモフェニルアリルエーテル、トリブロモネオペンチルアルコール、ブロム化ポリスチレン、ブロム化ポリエチレン、テトラブロムビスフェノール−A、テトラブロムビスフェノール−A誘導体、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマーまたはポリマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマーまたはポリマー、ブロム化フェノールノボラックエポキシなどのブロム化エポキシ樹脂、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2−ヒドロキシジエチルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロムビスフェノール−A−ビス(アリルエーテル)、テトラブロモシクロオクタン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ポリ(ペンタブロモベンジルポリアクリレート)、オクタブロモトリメチルフェニルインダン、ジブロモネオペンチルグリコール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、N,N′−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドなどが挙げられる。なかでも、テトラブロムビスフェノール−A−エポキシオリゴマー、テトラブロムビスフェノール−A−カーボネートオリゴマー、ブロム化エポキシ樹脂が好ましい。
本発明で用いられるリン系難燃剤は特に限定されることはなく、通常一般に用いられるリン系難燃剤を用いることができ、代表的にはリン酸エステル、ポリリン酸塩などの有機リン系化合物や赤リンが挙げられる。
上記の有機リン系化合物におけるリン酸エステルの具体例としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができる。市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば大八化学社製PX−200、PX−201、PX−202、CR−733S、CR−741、CR747などを挙げることができる。
また、リン酸、ポリリン酸と周期律表IA族〜IVB族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンとの塩からなるリン酸塩、ポリリン酸塩を挙げることもできる。ポリリン酸塩の代表的な塩として、金属塩としてリチウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、鉄(II)塩、鉄(III)塩、アルミニウム塩など、脂肪族アミン塩としてメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、エチレンジアミン塩、ピペラジン塩などがあり、芳香族アミン塩としてはピリジン塩、トリアジン塩、メラミン塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
また、上記の他、トリスクロロエチルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート)などの含ハロゲンリン酸エステル、また、リン原子と窒素原子が二重結合で結ばれた構造を有するホスファゼン化合物、リン酸エステルアミドを挙げることができる。
また、赤リンとしては、未処理の赤リンのみでなく、熱硬化性樹脂被膜、金属水酸化物被膜、金属メッキ被膜から成る群より選ばれる1種以上の化合物被膜により処理された赤リンを好ましく使用することができる。熱硬化性樹脂被膜の熱硬化性樹脂としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、例えば、フェノール−ホルマリン系樹脂、尿素−ホルマリン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アルキッド系樹脂などが挙げられる。金属水酸化物被膜の金属水酸化物としては、赤リンを被膜できるものであれば特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンなどを挙げることができる。金属メッキ被膜の金属としては、赤リンを被膜できるものであれば特に制限はなく、Fe、Ni、Co、Cu、Zn、Mn、Ti、Zr、Alまたはこれらの合金などが挙げられる。さらに、これらの被膜は2種以上組み合わせて、あるいは2種以上に積層されていてもよい。
本発明で用いられる窒素化合物系難燃剤としては、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物、含窒素複素環化合物、シアン化合物、脂肪族アミド、芳香族アミド、尿素、チオ尿素などを挙げることができる。なお、上記リン系難燃剤で例示したようなポリリン酸アンモニウムなど含窒素リン系難燃剤はここでいう窒素化合物系難燃剤には含まない。脂肪族アミンとしては、エチルアミン、ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジアミノシクロオクタンなどを挙げることができる。芳香族アミンとしては、アニリン、フェニレンジアミンなどを挙げることができる。含窒素複素環化合物としては、尿酸、アデニン、グアニン、2,6−ジアミノプリン、2,4,6−トリアミノピリジン、トリアジン化合物などを挙げることができる。シアン化合物としては、ジシアンジアミドなどを挙げることができる。脂肪族アミドとしては、N,N−ジメチルアセトアミドなどを挙げることができる。芳香族アミドとしては、N,N−ジフェニルアセトアミドなどを挙げることができる。
上記において例示したトリアジン化合物は、トリアジン骨格を有する含窒素複素環化合物であり、トリアジン、メラミン、ベンゾグアナミン、メチルグアナミン、シアヌル酸、メラミンシアヌレート、メラミンイソシアヌレート、トリメチルトリアジン、トリフェニルトリアジン、アメリン、アメリド、チオシアヌル酸、ジアミノメルカプトトリアジン、ジアミノメチルトリアジン、ジアミノフェニルトリアジン、ジアミノイソプロポキシトリアジンなどを挙げることができる。
メラミンシアヌレートまたはメラミンイソシアヌレートとしては、シアヌール酸またはイソシアヌール酸とトリアジン化合物との付加物が好ましく、通常は1対1(モル比)、場合により1対2(モル比)の組成を有する付加物を挙げることができる。また、公知の方法で製造されるが、例えば、メラミンとシアヌール酸またはイソシアヌール酸の混合物を水スラリーとし、良く混合して両者の塩を微粒子状に形成させた後、このスラリーを濾過、乾燥後に一般には粉末状で得られる。また、上記の塩は完全に純粋である必要は無く、多少未反応のメラミンないしシアヌール酸、イソシアヌール酸が残存していても良い。また、樹脂に配合される前の平均粒径は、成形品の難燃性、機械的強度、表面性の点から100〜0.01μmが好ましく、更に好ましくは80〜1μmである。
窒素化合物系難燃剤の中では、含窒素複素環化合物が好ましく、中でもトリアジン化合物が好ましく、さらにメラミンシアヌレートが好ましい。
また、上記窒素化合物系難燃剤の分散性が悪い場合には、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどの分散剤やポリビニルアルコール、金属酸化物などの公知の表面処理剤などを併用してもよい。
本発明で用いられるシリコーン系難燃剤としては、シリコーン樹脂、シリコーンオイルを挙げることができる。前記シリコーン樹脂は、SiO、RSiO3/2、RSiO、RSiO1/2の構造単位を組み合わせてできる三次元網状構造を有する樹脂などを挙げることができる。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、または、フェニル基、ベンジル基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有した置換基を示す。前記シリコーンオイルは、ポリジメチルシロキサン、およびポリジメチルシロキサンの側鎖あるいは末端の少なくとも1つのメチル基が、水素元素、アルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、アミノ基、エポキシ基、ポリエーテル基、カルボキシル基、メルカプト基、クロロアルキル基、アルキル高級アルコールエステル基、アルコール基、アラルキル基、ビニル基、またはトリフロロメチル基の選ばれる少なくとも1つの基により変性された変性ポリシロキサン、またはこれらの混合物を挙げることができる。
本発明で用いられるその他の無機系難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、メタスズ酸、酸化スズ、酸化スズ塩、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化第一錫、酸化第二スズ、ホウ酸亜鉛、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アンモニウム、オクタモリブデン酸アンモニウム、タングステン酸の金属塩、タングステンとメタロイドとの複合酸化物酸、スルファミン酸アンモニウム、黒鉛、膨潤性黒鉛などを挙げることができる。中でも、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、膨潤性黒鉛が好ましい。
前記(D)難燃剤は、1種で用いても、2種以上併用して用いてもかまわない。なお、水酸化アルミニウムを用いる場合は、混練温度210℃以下で溶融混合して用いることが好ましい。
前記(D)難燃剤の中では、ハロゲンを全く含有しないリン系難燃剤、窒素化合物系難燃剤、シリコーン系難燃剤およびその他の無機系難燃剤から選択される少なくとも1種または2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。上記において難燃剤を2種以上併用する場合、リン系難燃剤と他の難燃剤を併用することが好ましい。リン系難燃剤と併用する窒素化合物系難燃剤としては、含窒素複素環化合物が好ましく、中でもトリアジン化合物が好ましく、さらにメラミンシアヌレートが好ましい。また、リン系難燃剤と併用するシリコーン系難燃剤としては、シリコーン樹脂が好ましい。また、リン系難燃剤と併用するその他の無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛および膨潤性黒鉛が好ましい。また、リン系難燃剤との配合比率は任意の量を組み合わせることができ、とくに難燃剤100重量%中のリン系難燃剤の量は5重量%以上であることが好ましく、5〜95重量%であることがより好ましい。
(D)難燃剤の配合量は、(A)及び(B)の合計量100重量部に対して、1〜50重量部であり、さらには2〜45重量部が好ましく、とくに好ましくは3重量部〜40重量部であり、1重量部未満では難燃性を与える効果が小さく、50重量部を越すと面衝撃や機械的性質が低下するため好ましくない。
本発明においては、さらに(E)可塑剤を配合することができ、可塑剤としては、一般にポリマーの可塑剤として用いられる公知のものを特に制限なく用いることができ、例えばポリエステル系可塑剤、グリセリン系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤、ポリアルキレングリコール系可塑剤およびエポキシ系可塑剤などを挙げることができる。
ポリエステル系可塑剤の具体例としては、アジピン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ロジンなどの酸成分と、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどのジオール成分からなるポリエステルや、ポリカプロラクトンなどのヒドロキシカルボン酸からなるポリエステルなどを挙げることができる。これらのポリエステルは単官能カルボン酸もしくは単官能アルコールで末端封鎖されていてもよく、またエポキシ化合物などで末端封鎖されていてもよい。
グリセリン系可塑剤の具体例としては、グリセリンモノアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンモノアセトモノステアレート、グリセリンジアセトモノオレートおよびグリセリンモノアセトモノモンタネートなどを挙げることができる。
多価カルボン酸系可塑剤の具体例としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジベンジル、フタル酸ブチルベンジルなどのフタル酸エステル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリオクチル、トリメリット酸トリヘキシルなどのトリメリット酸エステル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸n−オクチル−n−デシル、アジピン酸メチルジグリコールブチルジグリコール、アジピン酸ベンジルメチルジグリコール、アジピン酸ベンジルブチルジグリコールなどのアジピン酸エステル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのアゼライン酸エステル、セバシン酸ジブチル、およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシルなどのセバシン酸エステルなどを挙げることができる。
ポリアルキレングリコール系可塑剤の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体などのポリアルキレングリコールあるいはその末端エポキシ変性化合物、末端エステル変性化合物、および末端エーテル変性化合物などの末端封鎖化合物などを挙げることができる。
エポキシ系可塑剤とは、一般にはエポキシステアリン酸アルキルと大豆油とからなるエポキシトリグリセリドなどを指すが、その他にも、主にビスフェノールAとエピクロロヒドリンを原料とするような、いわゆるエポキシ樹脂も使用することができる。
その他の可塑剤の具体例としては、ネオペンチルグリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレートなどの脂肪族ポリオールの安息香酸エステル、ステアリン酸アミドなどの脂肪酸アミド、オレイン酸ブチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチルなどのオキシ酸エステル、ペンタエリスリトール、ポリアクリル酸エステルおよびパラフィン類、オルトターフェニル、メタオルトターフェニル、パラオルトターフェニルなどの芳香族化合物などを挙げることができる。
本発明においては、さらに結晶核剤を配合することができ、結晶核剤としては、公知の窒化物などの無機系核剤、有機カルボン酸金属塩などの有機系核剤、ソルビトール類、および高分子核剤などが挙げられ、1種のみでもよくまた2種以上の併用を行ってもよい。
本発明においては、可塑剤と結晶核剤とを各々単独で用いてもよいが、両者を併用して用いることが成形性の点において好ましい。
本発明においては、さらに、カーボンブラック、酸化チタン、弁柄、群青、焼成イエローおよびさらに種々の色の顔料や染料を1種以上配合することにより種々の色に樹脂を調色、耐候(光)性、および導電性を改良することも可能であり、顔料や染料の配合量は、(A)と(B)の合計量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜9重量部、より好ましくは0.03〜8重量部である。
また、前記のカーボンブラックとしては、限定されるものではないが、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、アントラセンブラック、油煙、松煙、および、黒鉛などが挙げられ、平均粒径500nm以下、ジブチルフタレート吸油量50〜400cm/100gのカーボンブラックが好ましく用いられ、処理剤として酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ポリオール、シランカップリング剤などで処理されていても良い。
また、前記の酸化チタンとしては、ルチル形、あるいはアナターゼ形などの結晶形を持ち、平均粒子径5μm以下の酸化チタンが好ましく用いられ、処理剤として酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、ポリオール、シランカップリング剤などで処理されていても良い。また、上記のカーボンブラック、酸化チタン、および種々の色の顔料や染料は、本発明の樹脂組成物との分散性向上や製造時のハンドリング性の向上のため、種々の熱可塑性樹脂と溶融ブレンドあるいは単にブレンドした混合材料として用いても良い。
本発明の樹脂組成物に対しては、本発明の目的を損なわない範囲で、安定剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、耐光剤、紫外線吸収剤、銅害防止剤など)、離型剤(脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、変成シリコーン)、加水分解抑制剤(エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、イソシヌレート化合物)などを必要に応じて添加することができる。
本発明の樹脂組成物は、独特の特性を持つ組成物であり、押出成形、射出成形、ブロー成形、および未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維への紡糸などの方法によって、各種製品形状に加工し利用することができ、とくに機械機構部品、電気・電子部品、自動車部品、光学機器、建築部材および日用品など各種用途の成形品として利用することができ、特に機械機構部品、電気・電子部品、自動車部品の成形品として好ましく用いられる。
上記の押出成形により得られる押出成形品としては、フイルム、インフレフィルム、シート、チューブおよび丸棒など各種形状の棒などの押出成形品が挙げられ、延伸されて使用することもでき、機械機構部品、電気・電子部品、自動車部品、光学機器、建築部材および日用品などの各種用途の成形品にさらに加工されて、利用することができる。また、射出成形により得られる射出成形品の機械機構部品としては、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受、などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどを挙げることができ、射出成形品の電機・電子部品としては、電気機器の筐体、プリンター、パソコン、ノートパソコン、複写機、電話機などのOA機器の筐体、各種カバーや筐体、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、ブレーカー、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、CDトレイ、カートリッジ、カセット、ソーター、ACアダプター、充電台、配電盤、コンセントカバー、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、携帯電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品などの一部分以上を構成する成形品や筐体を挙げることができ、射出成形品の自動車部品としては、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの一部分以上を構成する成形品を挙げることができ、射出成形品の光学機器としては、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などの一部分以上を構成する成形品を挙げることができる。また、ブロー成形品としては、ジャバラ、ブーツ、ボトルおよび異径管・筒類として必要な形状に成形加工され、機械機構部品、電気・電子部品、自動車部品、光学機器、建築部材および日用品などの成形品として各種用途に利用することができる。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[実施例1〜5、比較例1〜6]
以下に示す(A)、(B)、および必要に応じてその他の添加成分を、それぞれ表1に示した割合で混合し、30mm径の2軸押出機により、シリンダー温度240℃(熱可塑性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した場合は270℃)、回転数150rpmの条件で溶融混練を行い、ダイスからストランド状に溶融ガットを引き、冷却バスで水冷し、ストランドカッターでペレット化した樹脂組成物を得た。
(A−1)ポリ乳酸樹脂(D体の含有量が1.2%であり、PMMA換算の重量平均分子量が16万)
(A−2)ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学(株)製“J055”)
(B)芳香族ポリカーボネート樹脂(出光石油化学工業(株)製“A−1900”)
(C−1):タルク(富士タルク(株)製”LMS300)。
(C−2):エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート(住友化学工業(株)製“ボンドファースト”7M)。
(C−3):エチレン/グリシジルメタクリレート−g−ポリメタクリル酸メチル(日本油脂(株)製“モディパー”A−4200)。
(D−1):縮合リン酸エステル(大八化学工業(株)製“PX−200”)。
(E−1):メタターフェニル(東京化成工業試薬)
また、得られた樹脂組成物のペレットを用い、下記の(1)に示す特性を評価した。
また、得られた樹脂組成物について、(株)東芝機械製IS55EPN射出成形機を用い、シリンダー温度240℃(熱可塑性ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレート樹脂を使用した場合は280℃)、金型温度80℃で射出成形を行い、種々の射出成形品を得た。得られた射出成形品を用い、下記の(2)〜(5)に示す性能を評価した。
(1)分散構造の観察方法と熱可塑性ポリエステル樹脂成分中に含有する芳香族ポリカーボネート樹脂の量
ペレット化した樹脂組成物から透過型電子顕微鏡の試料を切削し、透過型電子顕微鏡の倍率10000倍で分散構造の観察を行い、観察部位を写真に撮った。その写真は(A)熱可塑性ポリエステル樹脂は白色、(B)芳香族ポリカーボネート樹脂は黒色として識別され、画像解析(SICON IMAGE使用)により熱可塑性ポリエステル樹脂中に含有する芳香族ポリカーボネート樹脂の割合と芳香族ポリカーボネート樹脂中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂の量を%で求めた。
熱可塑性ポリエステル樹脂中の芳香族ポリカーボネート樹脂の割合(%)=
(熱可塑性ポリエステル樹脂中に存在する芳香族ポリカーボネート樹脂の面積)÷(熱可塑性ポリエステル樹脂の面積)×100
芳香族ポリカーボネート樹脂中の熱可塑性ポリエステル樹脂の割合(%)= (芳香族ポリカーボネート樹脂中に存在する熱可塑性ポリエステル樹脂の面積)÷(芳香族ポリカーボネート樹脂の面積)×100
上記の値から、熱可塑性ポリエステル樹脂中の芳香族ポリカーボネート樹脂の割合(%)が5%以上であり、かつ芳香族ポリカーボネート樹脂中の熱可塑性ポリエステル樹脂の割合(%)が5%以上である相構造を持つ樹脂組成物は、相構造の判定○とした。また、いずれの割合が5%未満であった樹脂組成物は、相構造の判定×とした。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂中に分散した芳香族ポリカーボネート樹脂相の平均分散径は、電子顕微鏡写真から熱可塑性ポリエステル樹脂中に分散した芳香族ポリカーボネート樹脂粒子を任意に100個選び、各々の長径を測定し数平均値を計算することで求めた。また、芳香族ポリカーボネート樹脂中に分散した熱可塑性ポリエステル樹脂相の平均分散径は、電子顕微鏡写真から芳香族ポリカーボネート樹脂中に分散した熱可塑性ポリエステル樹脂粒子を任意に100個選び、各々の長径を測定し数平均値を計算することで求めた。
(2)落錘衝撃
射出成形により、直径40mmの厚み1mmの円板を成形し、落錘衝撃試験機に水平にセットし、上部から5Rの鉄製の錘を落下させた。落下させる錘の重量と高さから衝撃エネルギーを求めた。
(3)引張強度
射出成形により作製した3mm厚みの試験片を用い、ASTM D638に従い、引張強度を測定した。
(4)難燃性
射出成形により作製した127mm×12.7mm×0.8mm(5インチ×1/2インチ×1/32インチ)の試験片を用いて、アメリカUL規格サブジェクト94(UL94)の垂直燃焼試験法に準拠して燃焼試験を行い、難燃性を評価し、その評価ランクは難燃性が優れる順にV−0、V−1、V−2で示され、前記のランクに該当しなかった物は規格外とした。
これらの結果を表1に併せて示す。
Figure 2007246845
本発明における(A)熱可塑性ポリエステル樹脂成分中に(B)その他の熱可塑性樹脂成分が含有する相構造を示す図である。 本発明における(B)その他の熱可塑性樹脂成分中に(A)熱可塑性ポリエステル樹脂成分が含有する相構造を示す図である。 本発明における(A)熱可塑性ポリエステル樹脂中に(B)その他の熱可塑性樹脂成分が含有すると同時に、(B)その他の熱可塑性樹脂成分中に(A)熱可塑性ポリエステル樹脂成分が含有する相構造を示す図である。 従来技術における熱可塑性ポリエステル樹脂とその他の熱可塑性樹脂の相構造を示す図である。

Claims (8)

  1. (A)成分と(B)成分の合計に対して(A)熱可塑性ポリエステル樹脂95〜5重量%及び(B)その他の熱可塑性樹脂5〜95重量%を配合してなる樹脂組成物であり、(A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に(B)成分が5%以上含有する構造及び/又は(B)成分中に(A)成分が5%以上含有する相構造を持つことを特徴とする樹脂組成物。
  2. (A)成分と(B)成分の分散構造において、(A)成分中に分散した(B)成分の平均分散径が500nm以下及び/又は(B)成分中に分散した(A)成分の平均分散径が500nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (A)熱可塑性ポリエステル樹脂がポリ乳酸樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. (B)その他の熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂およびポリフェニレンスルフィド樹脂から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. さらに(C)相溶化剤を配合してなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. さらに(D)難燃剤を配合してなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. さらに(E)可塑剤を配合してなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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