JP2007246401A - 結晶性l−カルノシン亜鉛錯体の製造方法 - Google Patents

結晶性l−カルノシン亜鉛錯体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不純物の含有量が少ない結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法を提供する。
【解決手段】L−カルノシンとアルカリ金属化合物とを無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる30℃以下のL−カルノシン溶液を、亜鉛塩を無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる温度を40〜80℃に制御した亜鉛塩溶液に添加又は滴下する結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法。亜鉛塩としては酢酸ナトリウム、酢酸ナトリウム・2水和物等を、アルカリ金属化合物としては水酸化ナトリウム等を使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、L−カルノシンと亜鉛塩とを反応させて得られる結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法であって、副生する塩等の不純物の含有量が少ない結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法に関する。
L−カルノシン亜鉛錯体は、従来胃潰瘍治療剤として用いられており、その結晶形態には、結晶性のものとアモルファスのものとが存在することが知られている。アモルファスのL−カルノシン亜鉛錯体は、種々のキレートが混合したキレート混合物であるため結晶性が悪く、その精製は困難である。また、アモルファスのL−カルノシン亜鉛錯体は、亜鉛とL−カルノシンの比がその製造条件等により左右され、一定とすることが困難である。一方、結晶性のL−カルノシン亜鉛錯体は下記式(1)で表されることが明らかとなっており、亜鉛とL−カルノシンはモル比でほぼ1:1の割合で含まれる。
Figure 2007246401
(式(1)中、nは正の整数を示す。)
結晶性L−カルノシン亜鉛錯体は、結晶性が高いことからろ過性が良好で、精製もアモルファスのものと比較すれば容易である。さらに、結晶性L−カルノシン亜鉛錯体は、アモルファスのものと比較すると、強い抗潰瘍作用を示す。そのため、医薬品には主として結晶性L−カルノシン亜鉛錯体が使用されている。
結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造には、アルカリ金属化合物の存在下、メタノール等の極性溶媒に溶解させたL−カルノシンに、酢酸亜鉛等の亜鉛塩を溶解させた溶液を滴下して反応させる方法が用いられている(特許文献1参照)。L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法を示す反応式を以下に示す。
Figure 2007246401
(式(2)中に示すnは式(1)と同様である。)
特公平7−116160号公報(実施例1及び2)
上記の方法により製造される結晶性L−カルノシン亜鉛錯体は、通常、L−カルノシンと亜鉛塩との間で錯体が形成される際に副生する塩が20質量%程度取り込まれた包晶である。該包晶に取り込まれる塩は、反応に用いるアルカリ金属化合物及び亜鉛塩の種類によって異なり、例えば前記した反応式(2)の反応においては酢酸ナトリウムとなる。結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を医薬品として使用する場合には、不純物として含まれる塩の含有量を少なくとも0.1質量%以下とする必要がある。
不純物となる塩の反応溶媒に対する溶解度は反応溶媒の温度が高いほど高くなるため、反応中の反応液の温度を高くして副生する塩を目的物の結晶に取り込まれないようにすることにより生成物の純度を高くすることができると考えられる。しかしながら、本発明者が検討を行った結果、L−カルノシンは30℃を超えるアルカリ金属化合物を含むアルコール溶液中では不安定となり、得られる結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の結晶が着色する傾向があることが判明した。高純度の結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の結晶は白色を示すが、着色した結晶は医薬品としては不適である。
本発明は、塩等の不純物の含有量が少ない結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法であって、着色分のない高純度の結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得ることができる結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、L−カルノシンを安定な状態に保ちながら不純物の含有量を低減できる結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法について検討を行ったところ、温度が40〜80℃に保たれた亜鉛塩のアルコール溶液に、30℃以下のL−カルノシン及びアルカリ金属化合物のアルコール溶液を添加することにより、不純物が少ない結晶性L−カルノシン亜鉛錯体が収率良く製造できることを見出した。また、亜鉛塩のアルコール溶液の温度を高温にすることにより亜鉛塩の濃度を上げることができるため、1バッチあたりの仕込み量を増やすことができ、1バッチあたりの結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の収量を増やすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、以下に記載するものである。
〔1〕 L−カルノシンとアルカリ金属化合物とを無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる30℃以下のL−カルノシン溶液を、亜鉛塩を無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる温度を40〜80℃に制御した亜鉛塩溶液に添加することを特徴とする結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法。
本発明においては、高温に保たれた亜鉛塩のアルコール溶液に、低温のL−カルノシンのアルコール溶液を添加するため、副生する塩の溶媒に対する溶解度が高い状態で結晶性L−カルノシン亜鉛錯体が生成する。その結果、溶媒中に結晶性L−カルノシン亜鉛錯体とともに析出する塩が少なくなり、結晶に取り込まれる塩の量が少なくなる。また、原料のL−カルノシンが低温に保たれるので、L−カルノシンを安定な状態で反応に供することができ、着色分のない高純度の結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得ることができる。
本発明によれば、亜鉛とL−カルノシンとのモル比が99:100〜101:100であって、不純物の含有量が少ない結晶性L−カルノシン亜鉛錯体が製造でき、簡単な精製を行うことにより、純度が高く医薬品に適した結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を容易に得ることができる。
本発明の製造方法においては、まず亜鉛塩を溶解させた40〜80℃の無水又は含水アルコール溶液(亜鉛塩溶液)と、L−カルノシンとアルカリ金属化合物を溶解させた30℃以下の無水又は含水アルコール溶液(L−カルノシン溶液)とを準備する。
亜鉛塩溶液又はL−カルノシン溶液の溶媒に使用するアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロノパール等が使用できる。これらのアルコールは、50質量%以下、好ましくは30質量%以下の水を含んでいてもよい。
亜鉛塩としては、酢酸亜鉛、酢酸亜鉛・2水和物、ハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、過塩素酸亜鉛等の無機塩や、アセチルアセトン亜鉛等が使用できるが、得られる塩の溶媒への溶解度、毒性などを考慮すると、特に酢酸亜鉛、酢酸亜鉛・2水和物、及び塩化亜鉛、臭化亜鉛などのハロゲン化亜鉛が好適である。
亜鉛塩溶液における亜鉛塩の濃度としては、0.1〜1モル/Lとすることが好ましく、0.2〜0.7モル/Lとすることがより好ましい。
亜鉛塩溶液の温度は40〜80℃とするが、好ましくは45〜70℃、より好ましくは45〜55℃である。亜鉛塩溶液の温度が40℃未満では得られる結晶に含まれる塩の含有量が多くなり、80℃を超えると溶媒の気化が激しく温度の維持が困難となる。
L−カルノシン溶液に溶解させるアルカリ金属化合物としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等が挙げられるが、反応で得られる塩の溶媒への溶解度、毒性などを考慮すると、特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラート等が好適に使用できる。
L−カルノシン溶液におけるL−カルノシンの濃度としては、0.1〜1モル/Lとすることが好ましく、0.2〜0.6モル/Lとすることがより好ましい。アルカリ金属化合物の濃度は、0.2〜2モル/Lとすることが好ましく、0.4〜1.2モル/Lとすることがより好ましい。
L−カルノシン溶液の温度は30℃以下とするが、28℃以下が好ましく、15℃以下がより好ましく、5℃以下とすることが特に好ましい。溶液の温度が30℃を超えると、急激にL−カルノシン溶液の着色が進行し、得られる結晶も着色したものとなる。L−カルノシン溶液の温度が低すぎると添加時に亜鉛塩溶液の温度を保つのが難しくなるため、L−カルノシン溶液の温度は−10℃以上とすることが好ましい。
次いで、40〜80℃の亜鉛塩溶液に、30℃以下のL−カルノシン溶液を添加する。添加は、少量ずつ連続的に又は断続的に行うことが好ましく、特に滴下する方法が好ましい。添加中の亜鉛塩溶液の温度は40〜80℃、好ましくは45〜70℃、より好ましくは45〜55℃に制御する。
L−カルノシン溶液の添加量は、亜鉛塩1モルに対し、L−カルノシンが0.8〜1.2モル、特に0.85〜1.15モル添加されるように調整することが好ましい。
溶液中に生成する結晶性L−カルノシン亜鉛錯体は上述した無水又は含水アルコール溶媒には殆ど溶解せず、結晶となって析出する。一方、L−カルノシン溶液が添加される亜鉛塩溶液は常時40〜80℃に保たれているので、溶媒に対する塩の飽和濃度は高くなっている。そのため、低温で反応を行う場合に比較して溶媒に溶解している塩の濃度が高く、塩が析出しにくくなっており、結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の結晶に含まれる塩の含有量を低減させることができる。なお、L−カルノシンは、アルカリ金属化合物の存在下、30℃を超える温度のアルコール溶液中で不安定となるが、結晶性L−カルノシン亜鉛錯体は40〜80℃のアルコール溶液中においても安定に存在する。
その後、結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の結晶をろ過、遠心分離等の常法に従って溶媒から分離・回収し、所望により精製を行った後、雰囲気温度30〜90℃で常圧又は減圧乾燥させることにより結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得る。
結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の精製には、フィルター洗浄、再結晶等の公知の方法が使用できるが、好ましい精製方法は、以下の通りである。
L−カルノシン亜鉛錯体の結晶(粗体)を、温度1〜30℃の水に分散させた分散液を調製する。L−カルノシン亜鉛錯体を分散させる水の量は、L−カルノシン亜鉛錯体の粗体(乾質量)1質量部に対し、好ましくは5〜30質量部、より好ましくは7〜28質量部である。水の量が5質量部未満では、結晶に含まれる塩の水への溶出が不十分となり、30質量部を超えると、水に溶解するL−カルノシン亜鉛錯体が増加し、結晶中の亜鉛とL−カルノシンとのモル比が変化する傾向がある。
次いで、水温を1〜30℃に保ちながら、L−カルノシン亜鉛錯体を分散させた分散液の撹拌を行う。撹拌を行わない場合は、粗体同士が凝集して塊となり、塩の溶出速度が極端に低下する。撹拌強度は、粗体が水中で分散状態を保つ程度で足りる。
分散液の水温は1〜30℃とするが、好ましくは5〜28℃、より好ましくは10〜28℃である。分散液の水温が30℃を超えると、L−カルノシン亜鉛錯体の溶解度が上昇し、亜鉛とL−カルノシンとのモル比が変化するばかりでなく、ゲル化が起こり易くなるため錯体の精製自体が困難となる。1℃未満では水が凝固して操作性が低下することがあるばかりでなく、水に溶出する塩の溶出速度が小さくなり、精製に長時間を要する。
撹拌時間は、L−カルノシン亜鉛錯体に内包される塩を十分に水に溶出させるため2時間以上とすることが好ましい。理由は定かではないが、塩の除去率は、水温や撹拌強度等の条件がほぼどのような条件であっても、2時間経過後急激に高まる傾向がある。撹拌時間には特に上限はないが、実用上14時間以下の撹拌で充分である。
結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の精製は、水に分散させて撹拌した後に水から結晶を回収する上記操作を2回以上繰り返し行ってもよい。精製後の結晶性L−カルノシン亜鉛錯体には、通常、問題となるレベルの塩以外の不純物は含まれない。
実施例1
攪拌装置、温度計を備えた50000mL反応器に、メタノール12.7L、酢酸亜鉛・2水和物1.61kgを加え、50℃に加温し、溶解させた。別の20000mL反応器に、メタノール17.7L、水酸化ナトリウム587gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、この溶液を5℃以下まで冷却し、L-カルノシン1.66kgを加えて溶解させ、L-カルノシンのメタノール溶液を調整した。このL-カルノシンのメタノール溶液を5℃のまま、50℃の酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液の温度を45〜55℃の範囲にコントロールした。滴下後、50℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、10.5kgの湿潤した結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、2.3kgの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、9.9質量%であった。
実施例2
攪拌装置、温度計を備えた、10000mL反応器にエタノール3530mL、酢酸亜鉛・2水和物335gを加え70℃に加温し、溶解させた。別の5000mL反応器にエタノール4200mL、水酸化ナトリウム122gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン345gを加え溶解し、L-カルノシンのエタノール溶液を調整した。このL-カルノシンのエタノール溶液を5℃のまま、70℃の酢酸亜鉛・2水和物のエタノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は、酢酸亜鉛・2水和物のエタノール溶液の温度を45〜55℃の範囲にコントロールした。滴下後、50℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2060gの湿潤した結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間減圧乾燥後、470gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、10.9質量%であった。
実施例3
攪拌装置、温度計を備えた、10000mL反応器に2−プロパノール4700mL、酢酸亜鉛・2水和物335gを加え75℃に加温し、溶解させた。別の5000mL反応器に2−プロパノール4600mL、水酸化ナトリウム122gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、28℃まで冷却し、L-カルノシン345gを加え溶解し、L-カルノシンの2−プロパノール溶液を調整した。このL-カルノシンの2−プロパノール溶液を28℃のまま、75℃の酢酸亜鉛・2水和物の2−プロパノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は、酢酸亜鉛・2水和物の2−プロパノール溶液の温度を70〜80℃の範囲にコントロールした。滴下後、75℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2050gの湿潤した結晶性L−カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間減圧乾燥後、468gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、9.1質量%であった。
実施例4
攪拌装置、温度計を備えた、10000mL反応器に95質量%エタノール(5質量%含水)3530mL、酢酸亜鉛・2水和物335gを加え70℃に加温し、溶解させた。別の5000mL反応器にエタノール4200mL、水酸化ナトリウム122gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン345gを加え溶解し、L-カルノシンのエタノール溶液を調整した。このL-カルノシンのエタノール溶液を5℃のまま、70℃の酢酸亜鉛・2水和物のエタノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は、酢酸亜鉛・2水和物のエタノール溶液の温度を45〜55℃の範囲にコントロールした。滴下後、50℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2048gの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間減圧乾燥後、471gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、10.1質量%であった。
比較例1
攪拌装置、温度計を備えた、50000mLの反応器にメタノール17.7L、水酸化ナトリウム587gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン1.66kgを加え溶解させた。その後、20℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物1.61kgのメタノール溶液25.3Lを1時間かけて滴下した。25℃に昇温後、4時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、10kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、2.5kgの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、18.9質量%であった。
比較例2
攪拌装置、温度計を備えた、20000mLの反応器にエタノール4200mL、水酸化ナトリウム122gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン345gを加え溶解させた。その後、25℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物335gのエタノール溶液10000mLを1時間かけて滴下した。25℃のまま4時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2065gの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、528gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、21.1質量%であった。
比較例3
攪拌装置、温度計を備えた、10000mLの反応器にメタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン332gを加え溶解させた。その後、25℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物322gのメタノール溶液5.06Lを1時間かけて滴下した。10℃で4時間熟成後、50℃に昇温して1時間熟成した。結晶を遠心ろ過分離したところ、2.04kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、502gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、17.2質量%であった。
比較例4
攪拌装置、温度計を備えた、10000mLの反応器にメタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン332gを加え溶解させた。その後、25℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物322gのメタノール溶液5.06Lを1時間かけて滴下した。50℃に昇温後、4時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2.05kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、500gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、17.1質量%であった。
比較例5
攪拌装置、温度計を備えた、10000mLの反応器にメタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、5℃以下まで冷却し、L-カルノシン332gを加え溶解させた。その後、35℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物322gのメタノール溶液5.06Lを1時間かけて滴下した。35℃で4時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2.05kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、500gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、16.0質量%であった。
比較例6
攪拌装置、温度計を備えた、10000mLの反応器にメタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、L-カルノシン332gを加え溶解させ、50℃とした。この溶液を、50℃で調整した酢酸亜鉛・2水和物322gのメタノール溶液5.06Lに1時間かけて滴下した。45〜55℃で1時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2.05kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、500gの黄色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、10.0質量%であった。
比較例7
攪拌装置、温度計を備えた10000mL反応器に、メタノール5.06L、酢酸亜鉛・2水和物322gを加え、50℃に加温し、溶解させた。別の5000mL反応器に、メタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、この溶液を35℃に調製し、L-カルノシン332gを加えて溶解させ、L-カルノシンのメタノール溶液を調整した。このL-カルノシンのメタノール溶液を35℃のまま、50℃の酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液の温度を45〜55℃の範囲にコントロールした。滴下後、50℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2.00kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、499gの微黄色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、9.8質量%であった。
比較例8
攪拌装置、温度計を備えた10000mL反応器に、メタノール5.06L、酢酸亜鉛・2水和物322gを加え、35℃に加温し、溶解させた。別の5000mL反応器に、メタノール3.54L、水酸化ナトリウム117gを加え、攪拌溶解させた。溶解後、この溶液を5℃以下まで冷却し、L-カルノシン332gを加えて溶解させ、L-カルノシンのメタノール溶液を調整した。このL-カルノシンのメタノール溶液を5℃のまま、35℃の酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液に1時間かけて滴下した。滴下中は酢酸亜鉛・2水和物のメタノール溶液の温度を30〜35℃の範囲にコントロールした。滴下後、35℃で2時間熟成し、結晶を遠心ろ過分離したところ、2.01kgの湿潤した結晶性L-カルノシン亜鉛錯体を得た。80℃で5時間風乾後、502gの白色粉末状結晶が得られた。H−NMRにより、酢酸ナトリウムの含有量を測定したところ、16.1質量%であった。

Claims (1)

  1. L−カルノシンとアルカリ金属化合物とを無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる30℃以下のL−カルノシン溶液を、亜鉛塩を無水又は含水アルコール溶液に溶解させてなる温度を40〜80℃に制御した亜鉛塩溶液に添加することを特徴とする結晶性L−カルノシン亜鉛錯体の製造方法。
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