JP3537050B2 - 3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の製造方法 - Google Patents
3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の製造方法Info
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Description
−3−セフェム誘導体結晶の製造方法に関し、特に3−
クロロメチル−3−セフェム系の各種抗生物質の合成中
間体として有用な下記一般式(2)で表される3−クロ
ロメチル−3−セフェム誘導体を結晶として得ることが
できる製造方法に関するものである。
基を示す。)
メチル−3−セフェム誘導体は、セファロスポリン系抗
生物質を合成するための合成中間体として有用な化合物
であることが知られている(特許文献1〜8等参照)。
ロロメチル−3−セフェム誘導体の製造方法は、例え
ば、3−アセトキシメチルセファロスポリン誘導体の3
位のアセトキシメチル基のアセトキシ基を三塩化ホウ素
等のルイス酸の存在下に、ハロゲン化する方法(非特許
文献1参照)、ペニシリンGから調製した2−アゼチジ
ノン誘導体を電解反応によりクロル化した後、塩基処理
してセフェム誘導体に閉環する方法(非特許文献2参
照)、下記反応式(1)
シメチル−3−セフェム−4−カルボン酸エステル(化
合物(3))をアルカリ土類金属炭酸塩の存在下でクロ
ル化剤と反応させる方法(特許文献9参照)、下記反応
式(2)
(1a))を塩基の存在下に有機溶媒中で反応させる方
法(特許文献10参照)等が提案されている。
ル−3−セフェム誘導体の油状物の製造方法であり、反
応溶媒として原料のアゼチジノン誘導体(化合物(1
a))と反応生成物の3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体を共に溶解するジメチルホルムアミドを用いて、
塩基として弱アルカルのアンモニア又はアンモニア水を
用いて反応生成物の分解を防止しながら反応を行い、油
状物として3−クロロメチル−3−セフェム誘導体を得
る方法である。
メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコ
ールが、塩基として、強塩基の水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム等の金属水酸化物が挙げられているが、アル
コールは反応生成物の3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体を溶解しないために油状物を得ることはできず、
またこれらのアルコールは塩基と反応して水を生成し、
その水に塩基が溶解して反応系のpHが上りアルカリ性
になると、反応生成物の3−クロロメチル−3−セフェ
ム誘導体は分解するために収率が低下する。
導体は、分子内に反応活性が高い塩素原子を有している
ため、油状物の状態では不安定で、例えば室温で保管す
ると塩酸を放出して自己分解を促進し、品質の低下を引
き起こし、温和な条件で比較的長期安定性の優れたもの
が望まれていた。
報
報
t.”,p.3991、1974年
t.”,23、p.2187、1982年
メチル−3−セフェム誘導体を油状物から結晶として得
る方法が提案されている。例えば、国際公開番号WO9
9/10352号公報(特許文献7)には、3−クロロ
メチル−3−セフェム誘導体の油状物のジメチルホルム
アミド溶液を冷却したアルコールまたはアルコール水の
中で晶析させて、3−クロロメチル−3−セフェム誘導
体の結晶物を得る方法が提案されている。
0352号公報(特許文献7)によれば、一旦合成した
3−クロロメチル−3−セフェム誘導体の油状物を、さ
らに晶析するという複雑な工程を経なければならず、工
業的に有利でない。
ン系の各種抗生物質の合成中間体として有用な3−クロ
ロメチル−3−セフェム誘導体の結晶を反応をとおして
一気に高収率で、且つ高純度で得ることができる工業的
に有利な3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の
製造方法を提供することにある。
に鑑み、3−クロロメチル−3−セフェム誘導体の結晶
を反応をとおして一気に得る方法について鋭意研究を重
ねた結果、原料の塩素化アゼチジノン誘導体とアルコラ
ートとの組み合わせを見出し、さらに反応溶媒として3
−クロロメチル−3−セフェム誘導体の結晶を溶解しな
いアルコールと原料の塩素化アゼチジノン誘導体と反応
副生物の不純物を溶解するエーテルの組み合わせを見出
した。この反応系により、水の不存在下でpHを特定範
囲となるように制御して反応を行うと、目的とする前記
一般式(2)で表される3−クロロメチル−3−セフェ
ム誘導体結晶を反応をとおして一気に高収率で、且つ高
純度で製造することができることを見出し本発明を完成
するに至った。
基或いは置換又は非置換の複素環残基を示す。R2,R3
は置換又は非置換の芳香族炭化水素基を示す。)で表さ
れる塩素化アゼチジノン誘導体とアルコラートを、アル
コールを含む溶媒中で、pH8以下で反応させることを
特徴とする下記一般式(2)
香族炭化水素基を示す。)で表される3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶の製造方法である。
基或いは置換又は非置換の複素環残基を示す。R2,R3
は置換又は非置換の芳香族炭化水素基を示す。)で表さ
れる塩素化アゼチジノン誘導体とアルコラートを、アル
コールとエーテルを含む溶媒中で、pH8以下で反応さ
せることを特徴とする下記一般式(2)
ム誘導体結晶の製造方法を提供するものである。
誘導体をエーテルを含む溶媒に溶解した溶液(A)と、
アルコラートをアルコールを含む溶媒に溶解した溶液
(B)とを、アルコールを含有する溶液(C)中に加え
て反応を行なうのが好ましい。
(C)中に、塩素化アゼチジノン誘導体をエーテルを含
む溶媒に溶解した溶液(A)の一部で反応当量の5〜3
0mol%の塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液
(A)を加えた後、残りの塩素化アゼチジノン誘導体を
含有する溶液(A)と、アルコラートをアルコールを含
む溶媒に溶解した溶液(B)とを同時に前記アルコール
を含有する溶液(C)に加えて反応を行うのが好まし
い。
ートを、塩素化アゼチジノン誘導体1molに対しアル
コラートを0.8〜1.5molの割合で反応させるの
が好ましい。前記アルコールはメタノール又はエタノー
ルから選ばれる少なくとも1種であるのが好ましい。前
記エーテルはジオキサンであるのが好ましい。前記アル
コラートは、ナトリウムメチラート又はナトリウムエチ
ラートであるのが好ましい。
前記塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)
は、塩素化アゼチジノン誘導体をジオキサンとアルコー
ルに溶解した溶液であるのが好ましい。前記アルコラー
トを含有する溶液(B)は、アルコラートをアルコール
に溶解した溶液であるのが好ましい。前記アルコールを
含有する溶液(C)は、アルコールとジオキサンとの混
合溶媒であるのが好ましい。前記溶液(A)および溶液
(B)は滴下により加えて反応を行うのが好ましい。前
記反応は水の不存在下で行うのが好ましい。
本発明は、下記一般式(1)
基或いは置換又は非置換の複素環残基を示す。R2,R3
は置換又は非置換の芳香族炭化水素基を示す。)
ーテルを含む溶媒に溶解した溶液(A)(以降、「塩素
化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)」と記す)
と、アルコラートをアルコールを含む溶媒に溶解した溶
液(B)(以降、「アルコラートを含有する溶液
(B)」と記す)とを、アルコールを含有する溶液
(C)中に滴下し、pH8以下で反応を行うことを特徴
とする、下記一般式(2)
ム誘導体結晶の製造方法を提供するものである。
る溶液(A)と、アルコラートを含有する溶液(B)の
滴下量は、前記塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶
液(A)と、前記アルコラートを含有する溶液(B)中
において、塩素化アゼチジノン誘導体1モルに対するア
ルコラートがモル比で0.8〜1.5倍モルが好まし
い。また、滴下終了後の反応溶媒中に含まれるアルコー
ルの含有量が30〜95重量%となるように滴下するこ
とが好ましい。
される塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)
を調製し、先に、塩素化アゼチジノン誘導体の反応当量
の5〜30モル%となるように前記塩素化アゼチジノン
誘導体を含有する溶液(A)の一部をアルコールを含む
溶媒中に滴下し、次いで、前記一般式(1)で表される
塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)の残り
と、アルコラートを含有する溶液(B)とを同時にアル
コールを含有する溶液(C)中に滴下して反応を行うこ
とが好ましい。
有する溶液(A)は、塩素化アゼチジノン誘導体をジオ
キサンとアルコールの混合溶媒で溶解した溶液であるこ
とが好ましい。また、前記アルコラートを含有する溶液
(B)は、アルコラートをアルコールで溶解した溶液で
あることが好ましい。また、前記アルコールを含有する
溶液(C)は、アルコールとジオキサンとの混合溶媒で
あることが好ましい。
フェム誘導体結晶の製造方法の反応式を示す。
の溶液(A)〜(C)について説明する。 <塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)>本
発明で用いる原料の前記一般式(1)で表される塩素化
アゼチジノン誘導体(以降、「塩素化アゼチジノン誘導
体(化合物(1))」とも記す)の式中のR 1は、置換
又は非置換のアリール基、或いは、置換又は非置換の複
素環残基を示す。アリール基としては具体的には、フェ
ニル基、p−メチルフェニル基、p−メトキシフェニル
基、p−ニトロフェニル基、p−クロロフェニル基、ペ
ンタクロロフェニル基等が挙げられる。また、置換又は
非置換の複素環残基としては、2−ピリジル基、2−ベ
ンゾチアゾリル基、1,3,4−チアジアゾール−5−
イル基、2−メチル−1,3,4−チアジアゾール−5
−イル基、1,2,3,4−テトラゾール−5−イル
基、1−メチル−1,2,3,4−テトラゾール−5−
イル基、1−フェニル−1,2,3,4−テトラゾール
−5−イル基等が挙げられる。
炭化水素基を示す。具体的には、ベンジル基、p−メト
キシベンジル基,フェニル基,p−トリル基等が挙げら
れる。R2,R3は同一でもまたは異なっていてもよい。
ジノン誘導体は、例えば一般式(1)中のR2がベンジ
ル基、R3がp−メトキシベンジル基の化合物は、チア
ゾリンアゼチジノン誘導体を出発原料として下記反応式
(3)及び反応式(4)に示す2段の反応によって製造
することができる。(後記の特公平5−9425号公報
参照)
液(A)>本発明に用いられる塩素化アゼチジノン誘導
体を含有する溶液(A)は、上記の反応式(4)に従っ
て得られた反応生成物の塩素化アゼチジノン誘導体が溶
媒に溶解している溶液を調整して用いることができる。
ジノン誘導体を含有する溶液(A)として、前記塩素化
アゼチジノン誘導体(化合物(1a))を溶解する溶媒
を用い、所定の濃度に調製した溶液を用いることができ
る。塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)
は、前記塩素化アゼチジノン誘導体(化合物(1))を
溶解する溶媒を用い、所定の濃度に調製した溶液であ
る。
としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル等の
エステル類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、ジクロロエタン、ジブロモエタン、クロロベンゼン
等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル
類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素
類等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2種以上で用
いることができる(以下、「A1溶媒」と呼ぶ。)。こ
の中、ジオキサンを用いるのが好ましい。
ノン誘導体(化合物(1))100重量部に対して50
〜500重量部、好ましくは100〜500重量部であ
る。
解した溶液はそのまま用いてもよいが、この溶液は粘性
が高いので、更に、この溶液に、塩素化アゼチジノン誘
導体を溶解するアルコール(以下、「A2溶媒」と呼
ぶ。)を添加して用いると粘性が低下し滴下の際の操作
性が容易となるために好ましい。用いることができるア
ルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、
イソプロパノール、n−プロパノール等の低級アルコー
ルの1種又は2種以上で用いることができる。この中、
低級アルコールとしてメタノール又はエタノールを用い
て後述する反応条件で反応を行うと、前記一般式(2)
で表される3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶
を高収率で、且つ高純度で得ることができることから特
に好ましい。
量は、塩素化アゼチジノン誘導体(化合物(1))10
0重量部に対して100〜500重量部、好ましくは2
00〜300重量部の範囲が望ましい。かかる塩素化ア
ゼチジノン誘導体を含有する溶液は塩素化アゼチジノン
誘導体(化合物(1))を0.05〜1モル/L、好ま
しくは0.1〜0.5モル/L含有する溶液として用い
ることが好ましい。
発明は、結晶化反応にアルコラートを用いることに特徴
がある。本発明で用いることができるアルコラートは、
一般式;R4−OMで表される。式中のR4は、炭素数1
〜4の直鎖状又は分岐状の低級アルキル基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピ
ル基等のアルキル基が挙げられる。式中のMはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を示す。
例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラー
ト、カリウムメチラート、カリウムエチラート、リチウ
ムメチラート、リチウムエチラート、カリウムt−ブチ
ラート等が挙げられ、これらのアルコラートは1種又は
2種以上で用いることができる。
チラート又はナトリウムエチラートを用いるのが好まし
い。アルコラートを含有する溶液(B)は、前記アルコ
ラートを溶解する溶媒を用いて所定の濃度に調製した溶
液である。
「B1溶媒」と呼ぶ。)としては、アルコールが好まし
く、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−プロパノール等が挙げられ、これらは1種
又は2種以上で用いることができる。この中、メタノー
ル又はエタノールを用いるのが好ましい。
コールを含有する溶液は、少なくともアルコール(以
下、「C1溶媒」と呼ぶ。)の単独溶媒、または他の溶
媒(以下、「C2溶媒」と呼ぶ。)との混合溶媒が用い
られる。用いることができるアルコールとしては、メタ
ノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノ
ール等の低級アルコールが挙げられ、これらのアルコー
ルは1種又は2種以上で用いることができる。この中、
アルコールとして、メタノール又はエタノールを用いる
のが好ましい。
れる塩素化アゼチジノン誘導体を溶解するが、反応生成
物の一般式(2)で表される3−クロロメチル−3−セ
フェム誘導体を溶解しないために、反応生成物を直接結
晶として回収できる反応溶媒として好適である。
他の溶媒(C2溶媒)は、原料の塩素化アゼチジノン誘
導体(化合物(1))を溶解し、更に反応終了後に不純
物となる未反応原料の塩素化アゼチジノン誘導体或いは
反応副生物等の不純物を溶解するために前記一般式
(2)で表される3−クロロメチル−3−セフェム誘導
体結晶を反応液から高純度で回収することができる。こ
のような溶媒としては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン
酸エチル等のエステル類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタン、ジブロモエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等のエーテル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等
のニトリル類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等
の炭化水素類等が挙げられ、これらの溶媒は1種又は2
種以上で用いることができる。この中、ジオキサンを用
いるのが好ましい。
2溶媒)との混合割合は、アルコール(C1溶媒)10
0重量部に対して他の溶媒(C2溶媒)が10〜30重
量部、好ましくは10〜20重量部で後述する反応条件
で反応を行うと、前記一般式(2)で表される3−クロ
ロメチル−3−セフェム誘導体結晶を高収率で、且つ高
純度で得ることができることから好ましく、一方、他の
溶媒(C2溶媒)が10重量部未満では、反応が進行す
るに従って、生成する3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体結晶が結晶に反応副生物等の不純物を抱くためダ
ンゴ状になるので、高純度で、且つ高収率で3−クロロ
メチル−3−セフェム誘導体結晶を得られなくなり、3
0重量部を越えると生成する3−クロロメチル−3−セ
フェム誘導体結晶が溶解し収率の低下をまねくことから
好ましくない。
は、前記一般式(1)で表される塩素化アゼチジノン誘
導体100重量部に対して300〜2000重量部、好
ましくは500〜1000重量部が望ましく、300重
量部未満では、反応が進行しにくくなると共に、未反応
原料が残存し、2000重量部を超えると溶媒を必要以
上に多量に使用するため工業的に有利でない。
表される3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の
製造方法は、前記一般式(1)で表される塩素化アゼチ
ジノン誘導体を含有する溶液(A)と、前記アルコラー
トを含有する溶液(B)とを、アルコールを含有する溶
液(C)中に滴下し、pH8以下で反応を行うことにそ
の特徴がある。
しくはpH6〜8で行うのが好ましい。反応中のpHを
上記範囲とする理由は、反応生成物の3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶はアルカリに対して極めて不
安定であり、pH8をこえると反応過程で分解し高純度
で、且つ高収率で目的とする3−クロロメチル−3−セ
フェム誘導体結晶が得られなくなることから好ましくな
い。
やかに進行するために、反応系から反応液をリトマス試
験紙にとり、これに水を滴下し測定したり、また、反応
液の少量を採取し、これに2倍量の水を添加した後、p
Hメーター等により測定するのが好ましい。反応中のp
Hは、反応系中の未反応のアルコラートが弱塩基を示す
ために上昇し、アルカリ性に傾いていく。
化アゼチジノン誘導体(化合物(1))を含有する溶液
(A)とアルコラートを含有する溶液(B)とをアルコ
ールを含有する溶液(C)中に、上記pHの範囲となる
ように滴下して加えるのが好ましい。
アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)および前記ア
ルコラートを含有する溶液(B)の滴下量を、塩素化ア
ゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)中の塩素化アゼ
チジノン誘導体(化合物(1))に対するアルコラート
を含有する溶液(B)中のアルコラートのモル比を0.
8〜1.5倍モル、好ましくは1.1〜1.2倍モルと
なるように滴下すると、未反応原料の塩素化アゼチジノ
ン誘導体(化合物(1))の残存量も少なくなることか
ら、生成する3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結
晶を高純度で、且つ高収率で得られることから好まし
く、一方、0.8倍モル未満では、未反応原料の塩素化
アゼチジノン誘導体(化合物(1))が必要以上に残存
し、1.5倍モルを越えると反応液がpH8を越えるア
ルカリ性となり、生成する3−クロロメチル−3−セフ
ェム誘導体結晶が分解するので好ましくない。
有する溶液(A)と前記アルコラートを含有する溶液
(B)の滴下量は、滴下終了後の溶液(A)〜溶液
(C)の全体の反応溶媒中(A1溶媒+A2溶媒+B1
溶媒+C1溶媒+C2溶媒)のアルコールの含有量(A
2溶媒+B1溶媒+C1溶媒)が30〜95重量%、好
ましくは60〜90重量%となるよう滴下するのが好ま
しい。滴下終了後の反応溶媒中のアルコールの含有量が
30重量%未満では、反応原料のアルコラートが反応液
に溶解しにくくなり、また、3−クロロメチル−3−セ
フェム誘導体結晶が溶解し収率の低下をまねき、一方、
95重量%を越えると反応が進行するに従って、生成す
る3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶が結晶に
反応副生物等の不純物を溶解できなくなるためこの不純
物を抱きダンゴ状になるので、高純度で、且つ高収率で
3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶を得られな
くなることから好ましくない。
ン誘導体(化合物(1))を含有する溶液(A)とし
て、塩素化アゼチジノン誘導体を溶解する溶媒として、
ジオキサン(A1溶媒)と、メタノール又は/及びエタ
ノール(A2溶媒)の混合溶媒を用い、アルコラートを
含有する溶液(B)として、メタノール又は/及びエタ
ノール(B1溶媒)を用い、更に、アルコールを含む溶
媒(C)としてメタノール又は/及びエタノール(C1
溶媒)とジオキサン(C2溶媒)との混合溶媒を用い
て、滴下終了後の反応溶媒中(A1溶媒+A2溶媒+B
1溶媒+C1溶媒+C2溶媒)のメタノール又は/及び
エタノールの含有量が20〜60重量%、好ましくは3
0〜50重量%となるように滴下すると、前記一般式
(2)で表される3−クロロメチル−3−セフェム誘導
体結晶を高収率で、且つ高純度で得ることができること
から特に好ましい。
(1))を含有する溶液(A)と前記のアルコラートを
含有する溶液(B)とをアルコールを含有する溶液
(C)中に滴下する方法としては下記の1〜2の滴下方
法が挙げられる。
ゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)と、前記アルコ
ラートを含有する溶液(B)を調製し、アルコールを含
有する溶液(C)中に、前記塩素化アゼチジノン誘導体
を含有する溶液(A)が前記アルコラート類を含有する
溶液(B)に対して先行するように溶液(A)および
(B)を、連続的又は継続的に反応系内のpHが上記範
囲となるように滴下する方法(以下、「1の滴下方法」
と呼ぶ。)。
ゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)を調製し、先
に、塩素化アゼチジノン誘導体の反応当量の5〜30モ
ル%、好ましくは10〜20モル%となるように前記溶
液(A)をアルコールを含有する溶液(C)中に滴下
し、次いで、前記一般式(1)で表される塩素化アゼチ
ジノン誘導体を含有する溶液(A)の残りと、アルコラ
ートを含有する溶液(B)とを同時にアルコールを含有
する溶液(C)中に反応系内のpHが上記範囲となるよ
うに滴下する方法(以下、「2の滴下方法」と呼
ぶ。)。
誘導体を含有する溶液(A)とアルコラートを含有する
溶液(B)との滴下順序を適宜調製し反応系内のpHが
常に上記範囲となるように前記塩素化アゼチジノン誘導
体を含有する溶液(A)とアルコラートを含有する溶液
(B)とをアルコールを含有する溶液(C)中に滴下す
る方法である。前記2の滴下方法は、塩素化アゼチジノ
ン誘導体を含有する溶液(A)の所定量を予めアルコー
ルを含有する溶液(C)中に滴下し、反応系内を酸性領
域(例えば、pH4)とし、これに、反応系内のpHが
常に上記範囲となるように塩素化アゼチジノン誘導体を
含有する溶液(A)の残さとアルコラートを含有する溶
液(B)とをほぼ同時に継続的にアルコールを含有する
溶液(C)中に滴下する方法である。
フェム誘導体結晶の製造方法において、アルコールを含
有する溶液(C)を調製する際に、予め前記塩素化アゼ
チジノン誘導体の反応当量の5〜30モル%、好ましく
は10〜30モル%をアルコールを含有する溶液(C)
に仕込み、次いで前記2の滴下方法の反応操作と同じ操
作で、更に反応に必要量の塩素化アゼチジノンを含有す
る溶液とアルコラートを含有する溶液とを同時にアルコ
ールを含有する溶液(C)中に反応系内のpHが常に上
記範囲となるように滴下してもよい。
クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶は、アルカリに
対して極めて不安定であり、pH8以上になると反応過
程で分解するために、初めから塩素化アゼチジノン誘導
体を含有する溶液(A)とアルコラートを含有する溶液
(B)とを、同時にアルコールを含有する溶液(C)中
に滴下するとアルカリ側に振れる可能性があるために、
上記の1および2の滴下方法に示す様に、反応系を絶え
ず塩素化アゼチジノン誘導体(化合物(1))を先行さ
せてアルカリ側のpH8を越えない様に反応を行うのが
好ましい。なお、塩素化アゼチジノン誘導体を含有する
溶液(A)は約pH4程度であり、アルコラートを含有
する溶液(B)の添加により反応系のpHは上昇する。
中、2の滴下方法の方がpH制御が容易である点で工業
的に特に有利となる。
チジノン誘導体を含有する溶液(A)を、アルコールを
含有する溶液(C)中に全量を仕込んで後、アルコラー
トを含有する溶液(B)を滴下してpH8以下で反応を
行うと、反応が進行するにつれて生成する反応生成物の
3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶に不純物が
抱かれて品質が低下する傾向があるが、一気に結晶を得
ることができ、後の精製工程での負担が多くなるが、反
応としては簡単な操作で行うことができる。
ン誘導体を含有する溶液(A)として、原料の塩素化ア
ゼチジノン誘導体を得る前工程のアゼチジノン誘導体の
塩素化反応により得られる塩素化アゼチジノン誘導体を
含有する溶液を用いることができる。この溶液は、例え
ば特公平5−9425号公報に記載されている方法で、
アゼチジノン誘導体の塩素化により製造された塩素化ア
ゼチジノン誘導体の溶液が挙げられる。この溶液を用い
ると、前製造工程の原料のアゼチジノン誘導体からの連
続工程により、本発明の目的物の3−クロロメチル−3
−セフェム誘導体結晶を得ることができる。
アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)は、塩素化ア
ゼチジノン誘導体をジオキサンに溶解したジオキサン溶
液が好ましく用いられるが、ジオキサン溶液はジオキサ
ンの融点が11℃であるために、反応温度を例えば10
℃以下で行う場合、溶液の粘度が上昇し、また固化する
ことがあるが、これを防止するために塩素化アゼチジノ
ン誘導体を溶解するメタノールまたはエタノール等のア
ルコールを添加して希釈することにより、溶液の粘度を
低下して滴下しやすくすることができる。
媒としてジオキサンを含有している反応系により反応を
進行するのが好ましく、ジオキサンの含有量が少ない
と、反応が進行するにつれて生成する反応生成物の3−
クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶が結晶に反応副
生物等の不純物を抱くためにダンゴ状になるので、反応
系中のジオキサンの含有量が塩素化アゼチジノン誘導体
に対して10〜30重量部の範囲に維持する様にするの
が好ましい。
溶媒中で行われ、反応で水が生成することもなく、水の
不存在下で行われるために、アルコラートが水に溶解し
てアルカリとして作用するこはなく、アルカリによる反
応生成物の3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶
の分解を防止しやすい利点がある。
応温度を5℃以下で反応を行うと副生物の生成を抑え、
且つ高収率で目的とする前記一般式(2)で表される3
−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶を得ることが
できることから好ましく、一方、−20℃未満では原料
や不純物が析出するため、−20〜5℃、好ましくは−
10〜5℃で反応を行うことが好ましい。
式(2)で表される3−クロロメチル−3−セフェム誘
導体結晶が反応の進行により反応溶液が白濁することに
より結晶の随時析出が認められ、反応終了後、中和し、
ろ過、乾燥して結晶が得られる。必要により、洗浄、再
結晶により精製を行ってもよい。
る溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、n−プロパノール等のアルコール、ア
セトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルム
アミド、ジエチルホルムアミド等のアミド類等の1種又
は2種以上を適宜選択して用いることができる。
る3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の製造方
法によれば、例えば塩素化アゼチジノン誘導体(化合物
(1a))とアルコラート(化合物(7))から下記反
応式(5)
化水素基、R4は有機基、Mはアルカリ金属を示す。)
ロロメチル−3−セフェム誘導体結晶(化合物(2
a))と共に、スルフィン酸金属塩(化合物(8))が
副生する。例えば、3−クロロメチル−3−セフェム誘
導体結晶を回収し、回収後の母液からスルフィン酸金属
塩(化合物(8))を晶析により析出させ、次いで、こ
の析出したスルフィン酸金属塩と臭素とを溶媒中で反応
させることにより得られるスルホニルブロミドは、例え
ば、前述の反応式(3)のアゼチジノン誘導体(化合物
(6))の製造原料として再利用することができる。
(2)で表される3−クロロメチル−3−セフェム誘導
体結晶は、温和な条件下での長期安定性に優れ、例え
ば、下記反応式(6)
物質として有用な7−アミノ−3−クロロメチル−3−
セフェム誘導体(化合物(9))に誘導することができ
る。
が本発明はこれらに限定されるものではない。
合物(10))を47.7重量%を含有するジオキサン
溶液68.6g(0.052モル)を窒素置換した滴下
ロートに仕込み、脱水メタノール(関東化学試薬)50
gを添加し希釈しA液とした。
るメタノール溶液(試薬1級)13.5g(0.060
モル)を脱水メタノール67.2gで希釈して、ナトリ
ウムメチラートを4重量%含有するメタノール溶液を調
製しB液とした。
込み、脱水エタノール160mLを仕込み、−2〜2℃
に冷却した。冷却した反応用溶媒の入った四つ口フラス
コに、前記A液の全体量の1/8量を前記で調製した反
応溶媒に仕込んだ(pH4)。
維持しながら、前記A液とB液とを同時に滴下した。B
液を約1/8程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白
色結晶を含むスラリーとなった。次いで、反応系の温度
を−2〜2℃の間を維持しながら、前記A液とB液を同
時に滴下し約4時間かけて滴下を終了した(pH7〜
8)。滴下終了後、更に、攪拌下に0℃で0.25時間
反応を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶(一般式(2a))22.9
g(純度94.1%、収率85.1%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
703cm-1、1645cm-1、1251cm-1、 ・FAB−MS M+1:487m/z
ル−3−セフェム誘導体結晶を株式会社リガク製 X線
回折装置 RINT2400を使用し、モノクロメータ
フィルターを通したλ=1.5418Åの銅放射線でX
線回折分析を行った。そのX線粉末回折パターンを表1
に示す。
はd=4.17の回折ピークに対する相対強度を示す。
7重量%を含有するジオキサン溶液68.6g(0.0
52モル)を窒素置換した滴下ロートに仕込み、脱水メ
タノール(関東化学試薬)50gを添加し希釈しA液と
した。
63モル)をメタノール103gで溶解して、ナトリウ
ムエチラートを4重量%含有するメタノール溶液を調製
しB液とした。
込み、脱水エタノール160mLを仕込み、−2〜2℃
に冷却した。冷却した反応用溶媒の入った四つ口フラス
コに、前記A液の全体量の1/8量を前記で調製した反
応溶媒に仕込んだ(pH4)。
維持しながら、前記A液とB液とを同時に滴下した。B
液を約1/5程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白
色結晶を含むスラリーとなった。次いで、反応系の温度
を−2〜2℃の間を維持しながら、前記A液とB液を同
時に滴下し約4時間かけて滴下を終了した(pH7〜
8)。滴下終了後、更に、攪拌下に0℃で0.25時間
反応を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶(一般式(2a))21.8
g(純度94.3%、収率81.2%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
ル−3−セフェム誘導体結晶を実施例1と同様な方法で
X線回折分析を行ったところ、実施例1と同様なX線回
折パターンを示した。
9重量%を含有するジオキサン溶液69.75g(0.
052モル)を窒素置換した滴下ロートに仕込み、脱水
メタノール(関東化学試薬)50gを添加し希釈しA液
とした。
63モル)を脱水エタノール103gで溶解して、ナト
リウムエチラートを4重量%含有するエタノール溶液を
調製しB液とした。
込み、脱水エタノール160mLを仕込み、−2〜2℃
に冷却した。冷却した反応用溶媒の入った四つ口フラス
コに、前記A液の全体量の1/8量を前記で調製した反
応溶媒に仕込んだ(pH4)。
維持しながら、前記A液とB液とを同時に滴下した。B
液を約1/4程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白
色結晶を含むスラリーとなった。次いで、反応系の温度
を−2〜2℃の間を維持しながら、前記A液とB液を同
時に滴下し約4時間かけて滴下を終了した(pH7〜
8)。滴下終了後、更に、攪拌下に0℃で0.25時間
反応を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶(一般式(2a))23.2
8g(純度91.6%、収率84.2%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
ル−3−セフェム誘導体結晶を実施例1と同様な方法で
X線回折分析を行ったところ、実施例1と同様なX線回
折パターンを示した。
6重量%を含有するジオキサン溶液64.55g(0.
052モル)を窒素置換した滴下ロートに仕込み、脱水
メタノール(関東化学試薬)50gを添加し希釈しA液
とした。
るメタノール溶液(試薬1級)13.5gを脱水メタノ
ール67.2gで希釈して、ナトリウムメチラートを4
重量%(0.060モル)含有するメタノール溶液を調
製しB液とした。
込み、脱水メタノール160mLを仕込み、−2〜2℃
に冷却した。冷却した反応用溶媒の入った四つ口フラス
コに、前記A液の全体量の1/8量を前記で調製した反
応溶媒に仕込んだ(pH4)。
維持しながら、前記A液とB液とを同時に滴下した。B
液を約1/4程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白
色結晶を含むスラリーとなった。その後、A液とB液と
の同時滴下を継続して行い約2時間かけて滴下を終了し
た(pH7〜8)。滴下終了後、更に、攪拌下に0℃で
0.25時間反応を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶(一般式(2a))22.5
8g(純度94.4%、収率84.2%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
ル−3−セフェム誘導体結晶を実施例1と同様な方法で
X線回折分析を行ったところ、実施例1と同様なX線回
折パターンを示した。
6重量%を含有するジオキサン溶液57.4g(0.0
52モル)を窒素置換した滴下ロートに仕込み、脱水メ
タノール(関東化学試薬)50gを添加し希釈しA液と
した。
るメタノール溶液(試薬1級)13.5gを脱水メタノ
ール67.0gで希釈して、ナトリウムメチラートを4
重量%(0.060モル)含有するメタノール溶液を調
製しB液とした。
ン12.9gを仕込み、脱水エタノール160mLを仕
込み、−2〜2℃に冷却した。冷却した反応用溶媒の入
った四つ口フラスコに、前記A液の全量を反応溶媒に仕
込んだ(pH4)。
維持しながら、B液を約2時間で滴下した。B液を約1
/3程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白色結晶を
含むスラリーとなった。滴下を終了した時のpHは8で
あった。滴下終了後、更に、攪拌下に0℃で0.25時
間反応を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体(一般式(2a))20.50g
(純度92.0%、収率74.5%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
7重量%を含有するジオキサン溶液65.8g(0.0
52モル)を窒素置換した滴下ロートに仕込み、脱水メ
タノール(関東化学試薬)50gを添加し希釈しA液と
した。
るメタノール溶液(試薬1級)17.0gを脱水メタノ
ール85.0gで希釈して、ナトリウムメチラートを4
重量%(0.076モル)含有するメタノール溶液を調
製しB液とした。
込み、脱水エタノール160mLを仕込み、−2〜2℃
に冷却した。冷却した反応用溶媒の入った四つ口フラス
コに、前記A液の全体量の1/8量を前記で調製した反
応溶媒に仕込んだ(pH4)。
維持しながら、前記A液とB液とを同時に滴下した。B
液を約1/5程度滴下すると反応液の白濁が始まり、白
色結晶を含むスラリーとなった。その後、A液とB液と
の同時滴下を継続して行い約4時間かけてA液滴下を終
了した(pH7〜8)。B液の滴下量は、80.4g
で、この時点で(pH7〜8)となった。更に残りのB
液の全量20gを30分を要して滴下した。反応液は、
赤みを帯びた褐色となった。滴下を終了した時のpHは
10であった。更に、攪拌下に0℃で0.25時間反応
を行った。
の反応液に添加し中和した。なお、中和後の反応系のp
Hは4〜5であった。中和処理後、更に、そのまま−2
〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。
ーでろ過し、得られたろ過ケーキを氷冷したメタノール
18gでリンスし、更に30%の水を含むメタノール溶
液36gで2回目のリンスを行い、3回目は、氷冷した
メタノール18gでリンスした。
れ、室温で一晩、真空ポンプで乾燥し3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶(一般式(2a))18.0
7g(純度85.9%、収率61.3%)を得た。
8g(0.104モル)を窒素雰囲気下、乾燥DMF6
40mLに溶解して、−30℃に冷却した。次いで−3
0〜−20℃で28%アンモニア水17.76g(0.
292モル;2.8倍モル相当)を少量ずつ滴下した。
滴下後−30〜−20℃で、1時間熟成した。
Hを4〜5に調製した後、酢酸エチル1.92Lを加
え、0℃で有機層を分離した。次いで、分離した有機層
を飽和食塩水で2回洗い、更に、この有機層に無水硫酸
ナトリウムを加えて脱水した。
し、油状の3−クロロメチル−3−セフェム誘導体(一
般式(2a))38.0g(純度93.3%、収率7
0.0%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
ェム誘導体(一般式(2a))10.0gをDMF28
mlに溶解した。
00mlを調製し、前記の油状の3−クロロメチル−3
−セフェム誘導体を溶解したDMF溶液を、この冷却メ
タノールに3〜5℃の温度で除々に滴下し、3−クロロ
メチル−3−セフェム誘導体結晶を析出させた。
3−セフェム誘導体結晶をメタノールでリンスし、次い
で減圧下に乾燥して3−クロロメチル−3−セフェム誘
導体結晶8.62g(純度94.0%、回収率86.2
%、比較例2から求めた収率60.3%)を得た。
H,d,j=18.5)、4.92(1H,d,j=
4.9)、5.82(1H,d,d,j=4.9,9.
3)、6.12(1H,d,j=9.3)、3.58
(1H,d,j=16.1)、3.67(1H,d,j
=16.1)、7.40−7.28(5H,m)、4.
39(1H,d,j=11.9)、4.50(1H,
d,j=11.9)、5.20(2H,s)、7.32
(2H,d,j=8.6)、6.88(2H,d,j=
8.6)、3.80(3H,s)
251cm-1 ・FAB−MS M+1:487m/z
ル−3−セフェム誘導体結晶を実施例1と同様な方法で
X線回折分析をおこない、そのX線回折パターンを表2
に示した。
はd=4.17の回折ピークに対する相対強度を示す。
4g(0.052モル)を窒素雰囲気下、メタノール1
35gに希釈して、−5℃に冷却した。次いで、−5〜
−2℃にて、苛性カリ12.5%を含む20%含水エタ
ノール溶液35.0g(0.078モル;1.5倍モル
相当)を30分で少量ずつ滴下した。滴下後−2〜0℃
で、1時間熟成した。熟成後のpHは9であった。熟成
終了後、酢酸を加えてpHを4〜5に調整した後、その
まま−2〜2℃で0.5時間攪拌下に熟成した。次い
で、熟成終了後、3Gグラスフィルターでろ過し、得ら
れたろ過ケーキを氷冷したメタノール18gでリンス
し、更に30%の水を含むメタノール溶液36gで2回
目のリンスを行い、3回目は、氷冷したメタノールでリ
ンスした。洗浄処理したケーキをデシケーターに入れ、
室温で一晩、真空ポンプで乾燥し、黄褐色の3−クロロ
メチル−3−セフェム誘導体(一般式(2a))の結晶
15.15g(純度51.3%、収率30.7%)を得
た。
〜4で得られた3−クロロメチル−3−セフェム誘導体
各5gを密閉したビーカに入れ、25℃に設定した恒温
室に30日間放置した。30日放置後の各3−クロロメ
チル−3−セフェム誘導体について、その純度を再び測
定し、その結果を表3に示した。
れば、セファロスポリン系の各種抗生物質の合成中間体
として有用な3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結
晶を工業的に有利な方法で反応をとおして一気に高収率
で、且つ高純度で製造することができる。また、本発明
の製造方法で得られる3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体結晶は、温和な条件下での長期安定性に優れたも
のである。
Claims (14)
- 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1は置換又は非置換のアリール基或いは置換
又は非置換の複素環残基を示す。R2,R3は置換又は非
置換の芳香族炭化水素基を示す。)で表される塩素化ア
ゼチジノン誘導体とアルコラートを、アルコールを含む
溶媒中で、pH8以下で反応させることを特徴とする下
記一般式(2) 【化2】 (式中、R2,R3は置換又は非置換の芳香族炭化水素
基を示す。)で表される3−クロロメチル−3−セフェ
ム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項2】 下記一般式(1) 【化3】 (式中、R1は置換又は非置換のアリール基或いは置換
又は非置換の複素環残基を示す。R2,R3は置換又は非
置換の芳香族炭化水素基を示す。)で表される塩素化ア
ゼチジノン誘導体とアルコラートを、アルコールとエー
テルを含む溶媒中で、pH8以下で反応させることを特
徴とする下記一般式(2) 【化4】 (式中、R2,R3は置換又は非置換の芳香族炭化水素
基を示す。)で表される3−クロロメチル−3−セフェ
ム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項3】 前記塩素化アゼチジノン誘導体をエーテ
ルを含む溶媒に溶解した溶液(A)と、アルコラートを
アルコールを含む溶媒に溶解した溶液(B)とを、アル
コールを含有する溶液(C)中に加えて反応を行なう請
求項1または2記載の3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項4】 前記アルコールを含有する溶液(C)中
に、塩素化アゼチジノン誘導体をエーテルを含む溶媒に
溶解した溶液(A)の一部で反応当量の5〜30mol
%の塩素化アゼチジノン誘導体を含有する溶液(A)を
加えた後、残りの塩素化アゼチジノン誘導体を含有する
溶液(A)と、アルコラートをアルコールを含む溶媒に
溶解した溶液(B)とを同時に前記アルコールを含有す
る溶液(C)に加えて反応を行う請求項1乃至3のいず
れかの項に記載の3−クロロメチル−3−セフェム誘導
体結晶の製造方法。 - 【請求項5】 前記塩素化アゼチジノン誘導体とアルコ
ラートを、塩素化アゼチジノン誘導体1molに対しア
ルコラートを0.8〜1.5molの割合で反応させる
請求項1乃至4のいずれかの項に記載の3−クロロメチ
ル−3−セフェム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項6】 前記アルコールはメタノール又はエタノ
ールから選ばれる少なくとも1種である請求項1乃至4
のいずれかの項に記載の3−クロロメチル−3−セフェ
ム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項7】 前記エーテルはジオキサンである請求項
1乃至4のいずれかの項に記載の3−クロロメチル−3
−セフェム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項8】 前記アルコラートは、ナトリウムメチラ
ート又はナトリウムエチラートである請求項1乃至4の
いずれかの項に記載の3−クロロメチル−3−セフェム
誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項9】 前記反応を5℃以下で行う請求項1乃至
8のいずれかの項に記載の3−クロロメチル−3−セフ
ェム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項10】 前記溶液(A)は、塩素化アゼチジノ
ン誘導体をジオキサンとアルコールの混合溶媒に溶解し
た溶液である請求項3または4記載の3−クロロメチル
−3−セフェム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項11】 前記溶液(B)は、アルコラートをア
ルコールに溶解した溶液である請求項3または4記載の
3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の製造方
法。 - 【請求項12】 前記溶液(C)は、アルコールとジオ
キサンとの混合溶媒である請求項3または4記載の3−
クロロメチル−3−セフェム誘導体結晶の製造方法。 - 【請求項13】 前記溶液(A)および溶液(B)は滴
下により加えて反応を行う請求項1乃至12のいずれか
の項に記載の3−クロロメチル−3−セフェム誘導体結
晶の製造方法。 - 【請求項14】 前記反応は水の不存在下で行う請求項
1乃至13のいずれかの項に記載の3−クロロメチル−
3−セフェム誘導体結晶の製造方法。
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