JP2007239114A - 溶融型静電紡糸方法及び極細繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂で構成された極細繊維を高いエネルギー効率及び作業性で製造する。
【解決手段】レーザー光線7を照射して熱可塑性樹脂を加熱溶融させる加熱溶融工程と、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、伸長する繊維をコレクター8に捕集する静電紡糸工程とを経て極細繊維を製造する。この方法では、熱可塑性樹脂に電荷を付与するための電極部2とコレクター8との間に電圧を印加して、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させてもよい。また、複数の放射方向からレーザー光線7を照射可能な線状体樹脂1を用いるとともに、電極部2に形成された孔部3に挿入された前記樹脂1を連続的に加熱溶融部に供給してもよい。前記レーザー光線7としては、例えば、線状体樹脂の平均径に対して2〜50倍のビーム径を有するレーザー光線を用いてもよい。本発明の方法では、平均繊維径が5μm以下(特に繊維径50〜1000nm)の極細繊維を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱手段としてレーザー光線を用いる溶融型静電紡糸法及びこの方法により得られる繊維(特に繊維径がナノメータサイズの極細繊維)に関する。
近年、サブミクロン又はナノメータオーダの繊維径を有する繊維(ナノ繊維)は、大きい比表面積と繊維形態とを活用した新規な材料を開発可能な点から注目されている。一般に極細繊維を製造する方法としては、高分子を高圧で押出すと共に熱風で吹き飛ばして極細(微細)繊維を製造するメルトブロー法がある。この方法においては、ノズル内の溶融物への圧力及び熱風によるせん断力によって極細繊維が製造される。しかし、このような方法では、直径1〜10μmを有する極細繊維を製造できるものの、ナノ繊維の製造は困難である。
そこで、ナノ繊維を製造する方法として、高分子溶液又は高分子融液に高電圧を作用させて繊維を形成する静電紡糸法が利用されている。以下、前者の高分子溶液を用いる方法を溶媒型静電紡糸法と称し、後者の高分子融液を用いる方法を溶融型静電紡糸法と称する。なお、溶融型静電紡糸法は溶媒型静電紡糸法から派生した方法であるため、これらの紡糸原理は基本的には同一である。
溶媒型静電紡糸法においては、先ず、高分子溶液をシリンジに入れ、シリンジ先端に取り付けられたノズルとコレクターとの間に高電圧を印加する。その結果、電荷が導入された高分子溶液は、ノズル先端から反対の電荷を持ったコレクター方向に静電引力を受けて飛翔し、この過程で溶媒が蒸発することによりナノ繊維が形成される。このような溶媒型静電紡糸法の装置は簡単に作製できるため広く普及し、溶媒に溶解する多くの高分子材料からナノ繊維が開発されている。従って、現状では、静電紡糸法は溶媒型静電紡糸法を指すと言っても過言でない状況である。
他方、溶融型静電紡糸法は、溶融高分子に電荷を付与し、この電荷を帯びた溶融物と異種の電荷を持つ電極(コレクター)間での電気的引力により、溶融物を自発的に伸張させ、微細繊維を作製する方法である。溶融型静電紡糸法は、電荷が非常に小さく、ドラフト延伸のために作用する力(電気的引力)の作用点を微小領域に制限させることができるため、得られる繊維径は、メルトブロー法で得られる繊維径より小さくすることが可能である。さらに、溶融型静電紡糸法では、溶媒を使用しないため、溶媒を回収する必要もなく、また、捕集された繊維から残存溶媒の除去も必要ない。従って、溶融型静電紡糸法は、溶媒型静電紡糸法に比較して、環境に優しく、高い生産性で極細繊維を製造できる。
このように、溶融型静電紡糸法は、その開発が切望されているにもかかわらず、現状ではあまり研究されていない。その理由としては、以下の理由が考えられる。
1)静電紡糸は、コレクター方向への電気的引力が高分子の表面張力や粘弾性力に勝ると生じる機構であるため、溶融型静電紡糸法の場合、より高い電圧とより高い温度とより低い粘度とが融液に要求されること
2)溶媒型静電紡糸法の場合、紡糸中に高分子溶液のドラフト延伸に加えて、溶液からの溶媒の揮発が生じ、ドラフト延伸と相まって繊維径がこの揮発により小さくなるのに対して、溶融型静電紡糸法の場合、溶媒を含まないため、繊維径はドラフト延伸のみに依存し、ナノ繊維の作製が原理上危惧されること
3)溶融型静電紡糸法の場合、高電圧を溶融物に付与可能な加熱装置を必要とするが、加熱装置として一般的に採用される電気加熱方式及び熱媒体循環方式では、高電圧作用の際に電源部に放電を惹起し、このような放電を防止するために装置全体が複雑かつ不安定になること
4)ナノ繊維を作製した実証例がほとんど無いこと。
数少ない溶融型静電紡糸法に関する知見として、例えば、Jason Lyons, Christopher Li, Frank Ko.,「Melt-electrospinning part I: processing parameters and geometric properties」(非特許文献1)には、溶融・押出装置部分が接地され、繊維捕集体(コレクター)に高電圧が作用するように設計された溶融型静電紡糸装置が開示されている。この装置において、溶融・押出装置が接地されている理由は、融液に高電圧を作用させた際に生じる放電電流によって、溶融・押出装置が故障するのを防止するためである。そして、この文献では、この装置を用いてポリプロピレン繊維が製造されている。
しかし、この装置では、ノズル近傍での放熱による融液の温度が低下し、高分子融液が吐出したとき急激な粘度上昇が生じる傾向がある。また、高電圧であるため、溶融・押出装置のヒーターが故障し易い。さらに、溶融・押出装置部分が接地され、コレクターに高電圧が作用しているため、捕集した繊維の取り扱いが困難である。
さらに、Steave Warner「Cost-Effective NanoFiber Formation - Melt Electrospinning」(非特許文献2)には、シリンジに熱可塑性高分子(ポリプロピレン)を入れ、プラスチックチューブをシリンジに巻き付け、このチューブの中を熱媒体が循環することにより間接的に熱可塑性高分子を加熱溶融させ、シリンジ先端の針に高電圧を印加して溶融静電紡糸する方法が開示されている。この方法では、チューブによって間接加熱するため、放電を防ぐことができる。また、ノズルから吐出した高分子融液の温度低下を防ぐため、繊維形成空間を高温に保つ工夫も同時になされている。この文献では、この予備実験でナノ繊維がミクロンサイズの繊維に混じって初めて作製されたと報告されている。
しかし、この方法では、チューブに流通可能な熱媒体の温度に制限があり、融点の高い高機能高分子材料を用いて極細繊維を作ることが困難である。
さらに、両文献に開示された方法は、原理的に、いずれも融液を容器内に作製し、その出口(ノズル)とコレクターとの間に高電圧を作用させて静電紡糸する方法である。従って、融液を長時間保持するため、高分子の熱分解は不可避であり、さらに、熱拡散が大きく、放熱によるエネルギーロスが大きい。
Jason Lyons, Christopher Li, Frank Ko.,「Melt-electrospinning part I: processing parameters and geometric properties」, Polymer 45(2004)7597-7603 Steave Warner「Cost-Effective NanoFiber Formation - Melt Electrospinning」, National Textile Center, FY 2005 New Project Proposal, Project No. F05-MD01
従って、本発明の目的は、熱可塑性樹脂で構成された繊維、特に極細繊維を高いエネルギー効率及び作業性で製造できる溶融型静電紡糸方法、その方法により得られた繊維、特に極細繊維及び溶融型静電紡糸装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ナノメータサイズであっても、連続したフィラメント繊維も製造できる溶融型静電紡糸方法、その方法により得られた極細繊維及び溶融型静電紡糸装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高い融点を有するエンジニアリングプラスチックであっても、ナノメータサイズの極細繊維を製造できる溶融型静電紡糸方法、その方法により得られた極細繊維及び溶融型静電紡糸装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、溶融型静電紡糸法において、加熱手段としてレーザー光線を用いると、熱可塑性樹脂で構成された繊維、特に極細繊維を高いエネルギー効率及び作業性で得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の製造方法は、レーザー光線を照射して熱可塑性樹脂を加熱溶融させる加熱溶融工程と、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、伸長する繊維をコレクターに捕集する静電紡糸工程とを経て繊維を製造する。この方法では、熱可塑性樹脂に電荷を付与するための電極部とコレクターとの間に電圧を印加して、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させてもよい。また、複数の放射方向からレーザー光線を照射可能な線状体樹脂を用いるとともに、電極部に形成された孔部に挿入された前記樹脂を連続的に加熱溶融部に供給してもよい。前記レーザー光線としては、例えば、線状体樹脂の平均径に対して2〜50倍のビーム径を有するレーザー光線を用いてもよい。本発明の方法では、例えば、平均繊維径が5μm以下、特に繊維径が50〜1000nm程度の極細繊維を得ることができる。前記熱可塑性樹脂として、例えば、生分解性プラスチック又はエンジニアリングプラスチックを用いてもよい。
本発明には、前記方法により得られた繊維、特に極細繊維も含まれる。また、溶融異方性を有する樹脂で構成されたナノメータサイズの極細繊維も含まれる。さらに、ナノメータサイズの極細繊維を含む繊維集合体も含まれる。
本発明には、レーザー光線の照射により熱可塑性樹脂を加熱溶融するための加熱溶融ユニットと、加熱溶融した熱可塑性樹脂に電圧を作用させて、伸長する繊維をコレクターに捕集するための静電紡糸ユニットとを備えている溶融型静電紡糸装置も含まれる。この装置は、加熱溶融ユニットが、コレクターとの間で電圧が印加され、かつ熱可塑性樹脂の溶融部に電荷を付与するための電極部を有していてもよい。さらに、前記電極部とレーザー光線照射部との距離が0.5〜10mm程度であってもよい。
本発明では、レーザー光線を照射して溶融させた熱可塑性樹脂を静電紡糸するため、熱エネルギーを拡散して放出することなく、得られた繊維も容易に取り出すことができる。すなわち、熱可塑性樹脂で構成された繊維(特にナノサイズの繊維であっても)を高いエネルギー効率及び作業性で製造できる。また、従来の溶融型静電紡糸法のように樹脂が高温の状態に長時間晒されることによる熱分解も抑制される。ナノメータサイズの極細繊維であっても、連続したフィラメント繊維も得られる。さらに、レーザー光線によって、局所的かつ瞬時に熱可塑性樹脂を溶融できるため、装置上の制約もなく、高い融点を有するエンジニアリングプラスチックであっても、ナノメータサイズの極細繊維を製造できる。
[溶融型静電紡糸方法]
以下に、必要に応じて添付図面を参照しつつ、本発明の溶融型静電紡糸方法を詳細に説明する。本発明の方法では、レーザー光線を照射して熱可塑性樹脂を加熱溶融させる加熱溶融工程と、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、伸長する繊維を電気的引力によってコレクター(繊維捕集部)に捕集するための静電紡糸工程とを経て繊維を製造する。
図1及び図2は、本発明の溶融型静電紡糸方法における製造工程及び製造装置の一例を示す概略模式図である。
加熱溶融工程において、線状熱可塑性樹脂1は、電極部2の孔部3に挿入され、供給ユニット4によって、孔部から所定距離離れた加熱溶融部5に連続的に供給される。なお、図示していないが、孔部3の内周面に亘り銅細線集合体が配設されている。加熱溶融部5において、線状体樹脂1は、レーザー光源6からスポット状レーザー光線7が照射され、瞬時にして加熱溶融される。
静電紡糸工程において、電極部2とコレクター8との間には、電圧発生部9から電圧が印加され、電極部2が正に帯電されるとともに、コレクター8は負に帯電される。そして、線状体樹脂1は電極部2の孔部3に挿入されているため、電極部2を介して正に帯電される。加熱溶融部5において、線状体樹脂1の先端部は溶融され、かつ正に帯電されているため、負に帯電しコレクター8に向けて飛翔して伸長することにより、繊維が形成され、飛翔した繊維がコレクター8で捕集される。
(加熱溶融工程)
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂など)、スチレン系樹脂(例えば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂など)、ビニル系樹脂(例えば、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体系樹脂など)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンナフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリトリメレチンテレフタレート系、ポリエチレンテレフタレート系などの芳香族ポリエステル系樹脂、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂、ポリアリレートなどの全芳香族ポリエステル系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂など)、ポリアミド系樹脂(例えば、ポリアミド6などの脂肪族ポリアミド系樹脂、ナイロン9MTなどの半芳香族ポリアミド系樹脂、MXD6などの芳香族ポリアミド系樹脂、液晶ポリアミド系樹脂など)、ポリイミド系樹脂(例えば、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)、ポリカーボネート系樹脂(例えば、ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、熱可塑性ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂(例えば、ポリフェニレンサルファイドなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(例えば、ポリフェニレンエーテルなど)、ポリアセタール樹脂(例えば、ポリオキシメチレンなど)、ポリエーテルケトン系樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、ポリスルホン系樹脂(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)などが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、ナノ繊維などの極細繊維を形成し易い点から、低粘度の熱可塑性樹脂が好ましい。本発明の方法では、溶媒の選択が困難な生分解性プラスチックや、高い融点を有するエンジニアリングプラスチックであっても簡便に紡糸できる。
生分解性プラスチックとしては、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂や脂肪族ポリアミド系樹脂などが挙げられる。これらのうち、脂肪族ポリエステル系樹脂が好ましい。脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリネオペンチレンサクシネートなどのポリアルキレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチレンアジペートなどのポリアルキレンアジペート、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリリンゴ酸などのポリオキシカルボン酸、ポリプロピオラクトン、ポリカプロラクトンなどのポリラクトンなどが挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂などが挙げられる。これらのうち、溶融異方性を有するサーモトロピック液晶ポリマー(液晶ポリエステル系樹脂、液晶ポリアミド系樹脂、液晶ポリエステルアミド系樹脂など)、特に、液晶ポリエステル系樹脂が好ましい。液晶ポリエステル系樹脂は、p−置換芳香族環、直鎖状ビフェニル基、置換ナフチル基などのメソーゲン基(液晶形成能を有する基)を構造単位として有するポリエステル系樹脂であってもよい。具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸と、ジオール(ジヒドロキシビフェニルなどの芳香族ジオール、エチレングリコールなどのC2−6アルカンジオールなど)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸など)及び芳香族ヒドロキシカルボン酸(オキシナフトエ酸など)から選択された少なくとも一種の単量体との共重合体などが例示できる。より具体的には、p−ヒドロキシ安息香酸と4,4′−ジヒドロキシビフェニルとの共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸と4,4′−ジヒドロキシビフェニルとテレフタル酸との共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸単位とエチレンテレフタレート単位との共重合体、p−ヒドロキシ安息香酸と2−オキシ−6−ナフトエ酸との共重合体などが挙げられる。このような液晶ポリエステル系樹脂は、「ベクトラ」、「ザイダー」、「エコノール」、「X−7G」などの商品名で上市されている。液晶ポリマーは、高い機械的特性を有しているにも拘わらず、その配向性から、溶融流動性に優れるため、本発明の方法に特に適している。
なお、熱可塑性樹脂は、繊維に用いられる各種の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤、滑剤、抗菌剤、防虫・防ダニ剤、防カビ剤、つや消し剤、畜熱剤、香料、蛍光増白剤、湿潤剤、可塑剤、増粘剤、分散剤、発泡剤などを含有してもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの添加剤は、それぞれ、熱可塑性樹脂100質量部に対して、50質量部以下の割合で使用でき、例えば、0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部程度の割合である。
熱可塑性樹脂は、予め溶融して半固体状にしてもよいが、簡便性や作業性の点から、固体状が好ましい。
熱可塑性樹脂の形状は、レーザー光線の照射により溶融可能であれば特に限定されず、不定形であってもよいが、連続的に加熱溶融部に供給するとともに、複数の放射方向からレーザー光線を照射して局所的かつ瞬時に溶融できる観点から、線状体が好ましい。線状体において、断面形状は、特に限定されず、多角形状(三角や四角形状など)や楕円形状、不定形状などであってもよいが、通常、円形状である。
線状体樹脂の平均径は、照射するレーザー光線のビーム径よりも大きくてもよいが、小さい径であるのが好ましい。そのような平均径は、レーザー光線の種類に応じて選択できるが、例えば、0.1〜2mm、好ましくは0.2〜1.5mm、さらに好ましくは0.3〜1mm(特に0.4〜0.8mm)程度である。
線状体樹脂の長さは、特に限定されず、必要な繊維の量に応じて選択すればよいが、通常、10mm以上(例えば、10〜500mm)、好ましくは30mm以上(例えば、30〜300mm)、さらに好ましくは50mm以上(例えば、50〜200mm)程度である。
熱可塑性樹脂を加熱溶融部に供給する手段は、所定方向に送出可能であれば、特に限定されないが、通常、電気的な駆動力(モータの回転など)を利用して、線状体樹脂を一定速度で移動可能な機構(例えば、モータの回転運動を直線運動に変換する機構)を有する装置である。特に、線状体樹脂の場合には、線状体樹脂を固定可能な保持部(チャック)を有する装置であってもよい。熱可塑性樹脂の供給速度は、繊維が製造可能であれば、生産性の点からは高い方が好ましく、例えば、1〜1000mm/時間、好ましくは5〜500mm/時間、さらに好ましくは10〜300mm/時間(特に50〜200mm/時間)程度である。熱可塑性樹脂は、加熱溶融部に、ストランド状(ロッド状)などの形態で複数の同種又は異種の線状体樹脂を連続的に供給してもよい。本発明において、ポリマー種の異なる複数本の線状体樹脂を同時に加熱溶融部に供給し、別々に溶融させた後、別々の状態で静電紡糸させて、複数本の繊維で構成された繊維集合体を得ることもできる。また、ポリマー種の異なる複数本の線状体樹脂を同時に加熱溶融させて、複数種のポリマーが貼り合わされたような溶融ポリマー液を得た後、この液を静電紡糸して、複数のポリマーからなる複合繊維で構成された繊維集合体を得ることもできる。
加熱溶融部に供給された熱可塑性樹脂は、レーザー光線を照射して溶融される。本発明では、レーザー光線を照射することにより、熱可塑性樹脂(特に線状体熱可塑性樹脂)を局所的かつ瞬時に溶融できるため、高温の溶融液を長時間保持する必要がない。その結果、本発明では、従来の溶融型静電紡糸とは異なり、生じる熱エネルギーの拡散や熱可塑性樹脂の熱分解を抑制でき、また、放電に対する特別な工夫を必要とせず、溶融静電紡糸が可能である。さらに、融点の高い熱可塑性樹脂、例えば、液晶ポリマーの静電紡糸が可能になり、高融点樹脂(液晶ポリマーなど)で構成された繊維、特に極細繊維が得られる。
レーザー光線には、YAGレーザー、炭酸ガス(CO)レーザー、アルゴンレーザー、エキシマレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーなどの光源から発生されるレーザー光線が含まれる。これらのレーザー光線のうち、電源効率が高く、熱可塑性樹脂の溶融性が高い点から、炭酸ガスレーザーによるレーザー光線が好ましい。レーザー光線の波長は、例えば、200nm〜20μm、好ましくは500nm〜18μm、さらに好ましくは1〜16μm(特に5〜15μm)程度である。
レーザー光線の照射方法は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂に対して、局所的に照射できる点から、スポット状にレーザー光線を照射する方法が好ましい。このスポット状レーザー光線を熱可塑性樹脂に照射するビーム径の大きさは、熱可塑性樹脂の形状に応じて選択できる。具体的なビーム径は、例えば、線状体樹脂の場合、線状体樹脂の平均径よりも大きい径であればよく、例えば、0.5〜30mm、好ましくは1〜20mm、さらに好ましくは2〜15mm(特に3〜10mm)程度である。線状体樹脂の平均径とビーム径との比率は、線状体樹脂の平均径に対して、1〜100倍程度のビーム径であってもよく、好ましくは2〜50倍、さらに好ましくは3〜30倍(特に5〜20倍)程度のビーム径である。
熱可塑性樹脂を溶融するために必要なレーザー光線の出力は、熱可塑性樹脂の融点以上であり、かつ熱可塑性樹脂の発火点以下の温度となる範囲に制御すればよいが、極細繊維を製造する観点からは、大きい方が好ましい。具体的なレーザー光線の出力は、用いる熱可塑性樹脂の物性値(融点、LOI値(限界酸素指数))や形状、熱可塑性樹脂の供給速度などに応じて適宜選択できるが、例えば、0.1〜50W、好ましくは1〜35W、さらに好ましくは5〜30W(特に10〜25W)程度であってもよい。レーザー光線の照射条件は、熱可塑性樹脂の融点を測定して制御してもよいが、熱可塑性樹脂が径の小さな線状体であり、高電圧が付与される場合には、簡便性の点から、レーザー光線の出力により制御するのが好ましい。
さらに、レーザー光線の照射方法は、一方向から照射してもよいが、熱可塑性樹脂を均一かつ充分に溶融できる点から、同一の溶融部(特に、線状体樹脂の場合、先端部)に対して、複数の方向、例えば、複数の放射方向から局所的に照射するのが好ましい。複数方向からの照射回数は、例えば、2方向以上、好ましくは2〜6方向、さらに好ましくは3〜5方向であってもよい。
このような複数方向からの照射は、複数のレーザー光源を用いて照射してもよいが、効率よく熱可塑性樹脂を溶融するために、単独のレーザー光源により照射されたレーザー光線を、反射鏡を用いて複数の方向から照射するのが好ましい。反射鏡は、樹脂の加熱溶融部を中心として、レーザー光線の照射側に対して反対側に位置する第1の反射鏡と、この反射鏡から反射されたレーザー光線を熱可塑性樹脂の加熱溶融部に再反射させるための第2の反射鏡とで構成できる。さらに、反射鏡の位置は、レーザー光線が等間隔で放射状に照射されるように配置されるのが好ましい。具体的には、レーザー光源から出射した光は、熱可塑性樹脂を照射した後、熱可塑性樹脂に吸収されなかった光は、第1の反射鏡により反射され、隣接して配置された第2の反射鏡に入射する。第2の反射鏡は、第1の反射鏡から入射したレーザー光線を再度熱可塑性樹脂に照射可能な位置に配置され、第2の反射鏡に入射したレーザー光線は再度熱可塑性樹脂を照射する。このような反射を繰り返し、所望の回数でレーザー光線を熱可塑性樹脂に照射した後、最終的には、レーザー光線吸収部でレーザー光線を吸収してもよい。例えば、レーザー光線をn個の方向から照射する場合には、熱可塑性樹脂を中心に放射状に2n個の方向に等間隔で分割した方向に、(2n−2)個の反射鏡と1個のレーザー光線吸収部を配置し、残る1個の方向からレーザー光線を照射し、(2n−2)個の反射鏡の反射によって、レーザー光線が熱可塑性樹脂にn個の方向から照射させればよい。
図2は、線状体熱可塑性樹脂にレーザー光線を3方向から照射した工程を示す概略平面図である。レーザー照射部から照射されたレーザー光線21は、線状体樹脂22を照射した後、線状体樹脂22に吸収されなかった光は、第1の反射鏡23aで反射される。第1の反射鏡23aで反射された光は、線状体樹脂22を中心とする放射方向において角度60°で第1の反射鏡23aに隣接して配置された第2の反射鏡23bによって反射される。第2の反射鏡23bは、第1の反射鏡23aからの光を反射させて、線状体樹脂22を再度照射可能な角度で配置されている。さらに、再度の照射後、線状体樹脂22に吸収されなかった光は、同様に、第3の反射鏡23c及び第4の反射鏡23dによって反射された後、三度線状体樹脂22を照射した後、レーザー光線吸収部24によって吸収される。この結果、この工程では、4個の反射鏡を用いて、線状体樹脂を中心とした放射方向において、お互いに120°の間隔で3方向からレーザー光線が照射される。従って、線状体樹脂22は、単独の方向から照射された樹脂に比べて、均一に加熱されることとなる。
(静電紡糸工程)
静電紡糸工程では、前記工程で溶融させた熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、伸長する繊維を電気的引力によってコレクターに捕集する。詳細には、この工程では、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、コレクターとは反対極の電荷を付与して帯電させることにより、溶融状態の樹脂をコレクターに向けて飛翔させて、伸長又は延伸させることにより静電紡糸する。
熱可塑性樹脂の溶融部に電圧作用させる方法としては、具体的には、電極部とコレクターとの間に電圧を印加して、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させる方法を使用する。本発明では、このように電圧を印加された電極部を介して熱可塑性樹脂に電荷が付与される。詳細は後述するが、例えば、熱可塑性樹脂が線状体の場合、電極部に形成された孔部に線状体樹脂が挿入されることにより、電極部を介して、熱可塑性樹脂に電荷が付与される。熱可塑性樹脂の帯電は、正及び負のいずれでもよく、反対の極に帯電されたコレクターとの静電引力により静電紡糸される。通常、熱可塑性樹脂は正に帯電され、コレクターは負に帯電される。
熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を印加する方法は、レーザー光線の照射部(熱可塑性樹脂の加熱溶融部)と電荷を付与するための電極部とを一致させる直接印加方法であってもよいが、簡便に装置を作製できる点、レーザー光線を有効に熱エネルギーに変換できる点、レーザー光線の反射方向を容易に制御でき、安全性が高い点などから、レーザー光線の照射部と電荷を付与するための電極部とを別個の位置に設ける間接印加方法(特に、熱可塑性樹脂の供給方向における下流側にレーザー光線の照射部を設ける方法)が好ましい。特に、本発明では、電極部よりも下流側で熱可塑性樹脂にレーザー光線を照射するとともに、電極部とレーザー光線照射部との距離(例えば、電極部の下流端と、レーザースポット外周の上流端との距離)を特定の範囲(例えば、10mm以下程度)に調整するのが好ましい。この距離は、熱可塑性樹脂の導電率、熱伝導率、ガラス転移点、レーザ光線の照射量などに応じて選択でき、例えば、0.5〜10mm、好ましくは1〜8mm、さらに好ましくは1.5〜7mm(特に2〜5mm)程度である。両者の距離がこの範囲にあると、レーザー光線照射部近傍での熱可塑性樹脂の分子運動性が高まり、溶融状態の熱可塑性樹脂に充分な電荷を付与できるため、静電紡糸の生産性を向上できる。
電極部とコレクターとの間に印加する電圧は、放電しない範囲で高電圧であるのが好ましく、要求される繊維径、電極とコレクターとの距離、レーザー光線の照射量などに応じて適宜選択できる。一般的な電圧は、例えば、0.1〜40kV/cm、好ましくは1〜30kV/cm、さらに好ましくは5〜25kV/cm(特に10〜20kV/cm)程度である。
電極部は、導電性材料(通常、金属成分)で構成されていればよく、例えば、クロムなどの6A族元素、白金などの8族金属元素、銅や銀などの1B族元素、亜鉛などの2B族元素、アルミニウムなどの3B族元素などの金属単体や合金(アルミニウム合金やステンレス合金など)、又はこれらの金属を含む化合物(酸化銀、酸化アルミニウムなどの金属酸化物など)などが例示できる。これらの金属成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの金属成分のうち、銅、銀、アルミニウム、ステンレス合金などが特に好ましい。
電極部により熱可塑性樹脂を効率よく帯電させるためには、電極部に孔部を形成し、この孔部に挿入された熱可塑性樹脂に対して、孔部を介して電荷を付与するのが好ましい。電極部の孔部は、熱可塑性樹脂の形状に応じて選択でき、例えば、断面円状の線状体樹脂の場合には、断面円状の孔部(中空部)であってもよい。
さらに、電極部の孔部には、熱可塑性樹脂に電荷を付与し易いように、孔部の表面に(特に略全表面に亘り)、コイル状金属線や金属細線集合体などの金属線が配設されていてもよい。金属線を構成する金属成分としては、前記電極部で例示された金属成分などが使用でき、通常、銅、銀、アルミニウム、ステンレス合金などが使用される。
孔部にコイル状金属線を配設すると、コイル内部の熱可塑性樹脂に対して、容易に高電圧が付与できる。一方、孔部に金属細線集合体を配設すると、金属細線が熱可塑性樹脂(特に線状体樹脂)を柔らかく取り囲むとともに、電荷を熱可塑性樹脂に付与できる。このような金属線は、熱可塑性樹脂の供給方向が重力と平行方向と同一である場合に特に有用である。
このようにして熱可塑性樹脂の溶融部に電荷が付与されると、溶融部は、その表面に電荷が集まり反発することにより、次第に円錐状(いわゆるテーラーコーン)となる。さらに、形成されたテーラーコーンにおいて、電荷の反発力が表面張力を超えると、溶融液は円錐の先端から静電引力によりコレクターに向けて噴射され、繊維となる。
加熱溶融部(レーザー光線照射部)とコレクターとの間には、前述の如く、電圧が作用されているため、例えば、0.1〜40kV/cm、好ましくは1〜30kV/cm、さらに好ましくは5〜25kV/cm(特に10〜20kV/cm)程度の電場が形成されていてもよい。
熱可塑性樹脂の溶融部(テーラーコーン先端部)とコレクターとの距離(コレクター距離)は、特に限定されず、5mm以上であればよいが、効率よく極細繊維を製造するため、例えば、10〜300mm、好ましくは15〜200mm、さらに好ましくは20〜130mm(特に30〜100mm)程度であってもよい。
加熱溶融部とコレクターとの間の空間(紡糸空間)は、不活性ガス雰囲気であってもよい。紡糸空間を不活性ガス雰囲気とすることにより、繊維の発火を抑制できるため、レーザー光線の出力を高めることができる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、炭酸ガスなどが挙げられる。これらのうち、通常、窒素ガスが使用される。不活性ガスは、例えば、孔部を有する電極部に、不活性ガスを供給するための通路を設けて前記孔部と合流させることにより、この孔部から紡糸空間に不活性ガスを供給してもよい。
さらに、得られる繊維の繊維径を小さくするため、紡糸空間を加熱してもよい。紡糸空間の空気又は不活性ガスを加熱することにより、形成されつつある繊維の急激な温度低下を抑制することにより、繊維の伸長又は延伸を促進し、より極細な繊維が得られる。加熱方法としては、例えば、ヒーター(ハロゲンヒーターなど)を用いた方法や、レーザー光線を照射する方法などが挙げられる。加熱温度は、熱可塑性樹脂の融点に応じて、例えば、50℃以上の温度から樹脂の発火点未満までの温度範囲から選択できるが、紡糸性の点から、熱可塑性樹脂の融点未満の温度が好ましい。
コレクター(繊維捕集部)としては、捕集した繊維の用途に応じて選択でき、例えば、平板(例えば、固定された平板、回転ディスクなど)、回転ドラム、ベルトコンベヤーなどが挙げられる。例えば、連続繊維(フィラメント)を作製する場合は、回転ディスクを使用してもよく、繊維集合体を作製する場合には、回転ドラムやベルトコンベヤーを使用してもよい。繊維集合体の中でも、マット状繊維堆積物を作製する場合は、ベルトコンベヤーを使用してもよく、筒状繊維堆積物を作製する場合は、綾振り機構のある回転ドラムを使用してもよい。特に、回転ディスクやドラムの回転速度を高くすると、繊維の配列が向上し、高性能繊維を得ることができる。本発明では、連続的に線状熱可塑性樹脂を加熱溶融部に供給することにより、連続した長繊維を得ることができるとともに、繊維長が100mm以上のフィラメントや繊維集合体を得ることができる。
コレクターは、電極部との間で高電圧を印加する場合、捕集する繊維の取り扱い性の点から、接地(アース)してもよい。
[極細繊維]
本発明では、このような溶融型静電紡糸方法により、繊維、特に繊維径の小さい極細繊維が得られる。極細繊維の平均繊維径は、例えば、5μm以下であり、好ましくは100nm〜3μm程度である。このような平均繊維径を有する極細繊維には、例えば、50〜1000nm(特に100〜500nm)程度の繊維径を有する繊維が含まれていてもよい。
特に、本発明では、溶媒の選択が困難な生分解性プラスチックや、高融点のエンジニアリングプラスチックであっても、簡便な方法で、極細繊維が得られる。特に、従来では、融点が高く、通常の溶融紡糸方法ではナノサイズの極細繊維を得ることが困難であった溶融異方性を有する液晶ポリマーの紡糸に適しており、液晶ポリマーであっても、繊維径1μm以下の極細繊維(ナノ繊維)の製造が可能である。
繊維の繊維長は、特に限定されず、製造条件などを調整することにより、用途に応じて選択すればよいが、例えば、平均繊維長0.5mm以上であり、不織布などの繊維集合体として用いる場合には、例えば、1〜50mm、好ましくは2〜30mm、さらに好ましくは3〜10mm程度であってもよい。なお、極細繊維は一般的に繊維集合体として得られるが、本発明では、連続的に供給する樹脂にレーザー光線を照射するため、平均繊維長100mm以上のフィラメント状繊維として得ることもできる。この場合、平均繊維長は、例えば、150mm以上、好ましくは200mm以上(例えば、200〜1000mm程度)の連続的なフィラメントであってもよい。本発明の装置のレーザ光の出力を調整することにより、幅広い繊維径を持つ繊維が製造できる。
繊維の断面形状は、特に限定されず、異形断面であってもよいが、通常、丸型断面である。
さらに、本発明の溶融型静電紡糸法により得られた繊維集合体は、ナノ繊維を含む極細繊維(特に、連続したナノメータサイズの極細繊維)で構成されている。さらに、本発明の方法では、繊維径に分散を有する繊維集合体も製造可能である。例えば、このような繊維集合体において、最大繊維径と最小繊維径との差は、例えば、200nm〜5μm、好ましくは300nm〜4μm、さらに好ましくは400nm〜3μm(特に500nm〜2μm)程度であってもよい。
このような繊維集合体は、通常、不織布(マット状堆積物、筒状堆積物など)である。不織布は、慣用の方法、例えば、バインダーを用いた方法や、部分的な熱圧融着(熱エンボス加工など)、交絡処理(ニードルパンチ処理、水流絡合処理など)などの方法を用いて得ることもできる。また、不織布は、本発明の極細繊維の効果を損なわない範囲(例えば、0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%程度)で、他の繊維(合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維など)を含んでいてもよい。
不織布の場合、その形態は、通常、シート状であり、その厚みは、用途に応じて適宜すればよく、0.1〜100mm程度の範囲から選択できるが、通常、0.5〜50mm、好ましくは1〜30mm、さらに好ましくは3〜20mm程度である。さらに、不織布の目付も、用途に応じて選択できるが、例えば、30〜500g/m程度であり、好ましくは50〜500g/m、さらに好ましくは80〜450g/m(特に100〜400g/m)程度である。
得られたフィラメントや繊維集合体は、目的に応じ、エレクトレット加工による帯電処理、プラズマ放電処理やコロナ放電処理による親水化処理などの後加工処理をしてもよく、さらに二次加工してもよい。さらに、得られた不織布などの繊維集合体は、他の不織布(例えば、スパンボンド不織布など)や織編物などと積層一体化してもよい。
[溶融型静電紡糸装置]
本発明の溶融型静電紡糸装置は、前記溶融型静電紡糸方法を実現可能な装置であれば、特に限定されないが、例えば、レーザー光線の照射により熱可塑性樹脂を加熱溶融するための加熱溶融ユニットと、加熱溶融した熱可塑性樹脂に電圧を作用させて、伸長する極細繊維を電気的引力によってコレクターに捕集するための静電紡糸ユニットとを備えている。
加熱溶融ユニットは、レーザー光線を照射するためのレーザー光源と、熱可塑性樹脂に吸収されなかったレーザー光線を吸収するためのレーザー光線吸収部とで構成されている。レーザー光線吸収部としては、例えば、レーザー光線吸収剤を含有する部材(例えば、カーボンブラックなどの黒色顔料を含有するプラスチック部材など)などが使用できる。さらに、加熱溶融部に対してレーザー光線を反射して複数の方向から照射するための反射鏡を備えていてもよい。
静電紡糸ユニットは、特に、熱可塑性樹脂を加熱溶融部(レーザー光線照射部)に供給するための供給ユニットと、熱可塑性樹脂の溶融部に電荷を付与するための電極部と、極細繊維を捕集するためのコレクターと、前記電極部とコレクターとの間に電圧を印加するための電圧発生部とで構成されていてもよい。
本発明の溶融型静電紡糸装置において、電極部と加熱溶融部とは、前記静電紡糸工程の項で記載された距離となるように配設されるのが好ましい。
本発明の方法で得られた繊維、特に極細繊維は、ナノ単位の極細であるため、柔軟性に優れ、表面積が大きいため、吸液性や濾過性などの各種特性に優れる。従って、各種用途、例えば、絶縁材用セパレータなどのエレクトロニクス用部材、産業用資材(油吸着材、皮革基布、セメント用配合材、ゴム用配合材、各種テープ基材など)、医療・衛生材(紙おむつ、ガーゼ、包帯、医療用ガウン、サージカルテープなど)、生活関連資材(ワイパー、印刷物基材、包装・袋物資材、収納材、エアーフィルター、液体フィルターなど)、衣料用材、内装材用(断熱材、吸音材など)、建設資材、農業・園芸用資材、土木用資材(土壌安定材、濾過用資材、流砂防止材、補強材など)、鞄・靴材などに使用できる。
特に、生分解性プラスチックで構成された極細繊維は、高度な性能が要求される医療又は農業用分野などに適しており、例えば、不織布は、組織医学工学材料(人工膜)、細胞増殖用足場材料などに用いることができ、フィラメント又は筒状物は、人工血管などに用いることができる。また、エンジニアリングプラスチックで構成された極細繊維で構成された不織布は、電池用セパレータ(ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池などのアルカリ二次電池など)やキャパシター用セパレータなどのエレクトロニクス分野などに用いることができる。
次に本発明を具体的に実施例で説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における繊維径は、以下に示す方法で測定した。なお、実施例中の「%」はことわりのない限り、質量基準である。実施例における繊維径の決定は次の通りである。
[繊維径の測定方法]
コレクター上に約50mm角に切られたアルミホイルを置き、溶融静電紡糸を各種条件下で行い、アルミホイル上に作製された繊維堆積物を金スパッタコーティングした。このコーティング物の写真を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影し、ネガ上に見られる繊維を任意に10本選び、これらの繊維径をデジタイザーにより計測し、その平均値及び標準偏差を求めた。
実施例1(ポリ乳酸の溶融型静電紡糸)
ポリ乳酸(カーギルダウ社製、グレード6200D、数平均分子量Mn:79461、重量平均分子量Mw:148640、RV:3.1、D体:1.8%、L体:98.2%,mp:171℃)チップから、フローテスター(島津製作所(株)製、CFT500)を用いて約φ0.5mm、長さ70mm以上の線状試料を得た。作製条件は、融解温度267℃、押出圧力1MPa、ダイス面積1mmであった。この線状試料を以下の溶融静電紡糸実験に供した。
図1に示す製造工程に準じて、レーザー光源、反射鏡及びレーザー光線吸収部を有する加熱溶融ユニットと、供給ユニット、電圧発生部、電極部及びコレクターを有する静電紡糸ユニットとを備えた溶融型静電紡糸装置を用いて極細繊維を製造した。
まず、供給ユニットの駆動部におけるモータの回転により、押出棒に直線運動を与え、この押出棒にチャックで固定された線状試料は、下方向に一定速度(113mm/h)で移動し、加熱溶融部(レーザ照射部)に連続的に供給される。
電極部には、孔部が形成されており、この孔部には、前記線状試料が挿入されている。電極部には、高電圧が付与されており、線状試料が下方向に移動中に、電極部の孔部を介して線状試料に電荷が付与される。具体的に、電極部は、黒いアルミニウム電極棒に孔部を形成し、その孔部の全表面に銅細線集合体が配設されている。
さらに、図2に示すレーザー光線の照射工程に準じて、炭酸ガスレーザ光(鬼塚ガラス(株)製、PIN−20R、波長:10.6μm、定格出力:20W(最大35W)、ビーム径:6mm)を放射状に3方向から線状体試料に照射することにより、線状体試料が融解される。なお、この装置において、電極部とレーザー照射部との間の距離は、4mmに設定されている。
このような装置を用いて、静電紡糸により作製される繊維形状を決定する因子として、コレクター距離(Cd)、印加高電圧(Hv)及びレーザー出力(Lp)を変化させた実験を行った。図3は、レーザー出力を3Wに固定して、コレクター距離と繊維径との関係を示したグラフである。この実験において、印加高電圧は、高電圧(25〜41kV)とした。この実験結果から、コレクター距離が20mmから130mmの範囲内では、コレクター距離が繊維径に著しく影響を及ぼさないことが分かった。
図4は、コレクター距離を50mm、高電圧を放電直前の41kVと固定して、レーザー出力と繊維径との関係を示したグラフである。この実験結果から、レーザー出力が大きくなると、繊維径が指数関数的に小さくなることが分かる。さらに、繊維径の平均が1μm前後の繊維もあるため、部分的に1μm以下のナノ繊維が得られることは明らかである。
この装置を用いて、ポリ乳酸から、極細繊維が作製できる最適な印加電圧、コレクター距離、レーザー出力を見出し、それらの条件から得られる繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2300)で観察した結果を図5に示す。なお、図5の電子顕微鏡写真において、右下部にある横線は、スケールバーを示し、その長さは10μmである。
比較例1(ポリ乳酸の溶媒型静電紡糸)
ポリ乳酸(島津製作所(株)製、Lacty 9031、重量平均分子量168,000)1重量部を、塩化メチレン(和光純薬工業(株)製、特級)4.5重量部及びN,N−ジメチルホルムアミド4.5重量部(和光純薬工業(株)製、特級)の混合溶媒に室温(22℃)で溶解し、溶液を作製した。一般的な溶媒型静電紡糸装置を用いて、この溶液を紡糸し、平板捕集電極に繊維状集合体を捕集した。この装置において、噴出ノズルの内径は0.8mm、電圧は20kV、噴出ノズルから平板捕集電極までの距離は10cm、相対湿度40%であった。得られた繊維集合体を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2300)で測定したところ、平均繊維径は0.5μmであり、繊維表面は平滑であることが観察された。しかし、この製造方法の場合には、紡糸雰囲気中に、人体に有害な塩化メチレン及びN,N−ジメチルホルムアミドの蒸気が充満し、そのガスを回収するための特殊な装置が必要である。さらに得られた繊維にはこれらの溶媒が残存しており、この残存溶媒を除去するために、得られた繊維集合体をアセトンで洗い流さなければならなかった。
実施例2(ベクトラ L920の溶融型静電紡糸)
ベクトラ(ポリプラスチック(株)製、グレードL920)チップから、フローテスター(島津製作所(株)製、CFT500)を用いて約φ0.8mm、長さ70mm以上の線状試料を得た。作製条件は、融解温度280℃、圧力3MPa、ダイス面積1mmである。この試料を用いて、実施例1と同様に極細繊維を製造した。図6は、コレクター距離を25mmに固定して、レーザー出力と繊維径との関係を示したグラフである。この実験においても、印加高電圧は、放電が開始する直前の高電圧(18〜25kV)とした。この実験結果から、レーザー出力の増加に伴って繊維径が減少することが分かる。さらに、繊維径の平均が1μm前後の繊維もあるため、部分的に1μm以下の繊維が得られることは明らかである。
この装置を用いて、ベクトラから、極細繊維が作製できる最適な印加電圧、コレクター距離、レーザー出力を見出し、それらの条件から得られる繊維を走査型電子顕微鏡(日立製作所(株)製、S−2300)で観察した結果を図7に示す。なお、図7の電子顕微鏡写真において、右下部にある横線は、スケールバーを示し、その長さは10μmである。
図1は、本発明の溶融型静電紡糸方法における製造工程の一例を示す概略図である。 図2は、線状熱可塑性樹脂にレーザー光線を3方向から照射した工程を示す概略平面図である。 図3は、実施例1で得られた繊維におけるコレクター距離と繊維径との関係を示すグラフである。 図4は、実施例1で得られた繊維におけるレーザー出力と繊維径との関係を示すグラフである。 図5は、実施例1で得られた繊維の走査型顕微鏡写真である。 図6は、実施例2で得られた繊維におけるレーザー出力と繊維径との関係を示すグラフである。 図7は、実施例2で得られた繊維の走査型顕微鏡写真である。
符号の説明
1…線状体樹脂
2…電極部
3…孔部
4…供給ユニット
5…加熱溶融部
6…レーザー光源
7…スポット状レーザー光線
8…コレクター
9…電圧発生部
21…レーザー光線
22…線状体樹脂
23…反射鏡
24レーザー光線吸収部

Claims (13)

  1. レーザー光線を照射して熱可塑性樹脂を加熱溶融させる加熱溶融工程と、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させて、伸長する繊維をコレクターに捕集する静電紡糸工程とを経て繊維を製造する方法。
  2. 熱可塑性樹脂に電荷を付与するための電極部とコレクターとの間に電圧を印加して、熱可塑性樹脂の溶融部に電圧を作用させる請求項1記載の方法。
  3. 複数の放射方向からレーザー光線を照射可能な線状体樹脂を用いるとともに、電極部に形成された孔部に挿入された前記樹脂を連続的に加熱溶融部に供給する請求項2記載の方法。
  4. 線状体樹脂の平均径に対して2〜50倍のビーム径を有するレーザー光線を用いる請求項3記載の方法。
  5. 平均繊維径が5μm以下の極細繊維を得る請求項1記載の方法。
  6. 繊維径が50〜1000nmの極細繊維を得る請求項1記載の方法。
  7. 熱可塑性樹脂として、生分解性プラスチック又はエンジニアリングプラスチックを用いる請求項1記載の方法。
  8. 請求項1記載の方法により得られた繊維。
  9. 溶融異方性を有する樹脂で構成されたナノメータサイズの極細繊維。
  10. ナノメータサイズの極細繊維を含む繊維集合体。
  11. レーザー光線の照射により熱可塑性樹脂を加熱溶融するための加熱溶融ユニットと、加熱溶融した熱可塑性樹脂に電圧を作用させて、伸長する繊維をコレクターに捕集するための静電紡糸ユニットとを備えている溶融型静電紡糸装置。
  12. 加熱溶融ユニットが、コレクターとの間で電圧が印加され、かつ熱可塑性樹脂の溶融部に電荷を付与するための電極部を有する請求項11記載の装置。
  13. 電極部とレーザー光線照射部との距離が0.5〜10mmである請求項12記載の装置。
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