JP5204725B2 - ポリウレタン極細繊維の製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶媒を使用することなく、極めて細径でありながら径の均一性が高く、また物性的にも優れたポリウレタン極細繊維の製造方法に関するものである。
熱可塑性の原料樹脂を溶融紡糸により繊維化し、その繊維を高速の気体によって吹き飛ばして捕集板上でシート状に捕集して不織布を一貫連続して製造する方法は、メルトブロー法といわれており、ポリウレタンを用いてメルトブロー法により不織布を製造することは、例えば特許文献1に開示されている。
また、例えば特許文献2に開示されているエレクトロスピニング法は、溶液紡糸法を採用して繊維化し、ポリウレタン不織布を製造する方法である。
また、レーザービームによる溶融紡糸法を採用してエレクトロスピニング法により熱可塑性高分子を繊維化し、極細繊維を製造する方法が特許文献3に開示されている。
特公平1−30945号公報 特開昭58−34823号公報 特開2007−262644号公報
しかしながら、ポリウレタンを用いたメルトブロー法等の直接紡糸法では直径3μm程度以下の繊維を量産することは困難とされている。また、溶融したポリウレタンを細いノズルから押し出すため、原料樹脂の分子量に限界があって物性の向上は難しく、直径の均一性も低い傾向にある。
また、ポリウレタンを用いたエレクトロスピニング法による溶液紡糸は有機溶媒を使用するため、有機溶媒を回収するためのコストがかかり、且つ有機溶媒を完全に回収することは極めて困難であることから、地球環境への負荷という面から好ましいものではない。
更に、特許文献3にはレーザー溶融エレクトロスピニング法でポリウレタンを極細繊維化させることは開示されておらず、また、径の均一性について具体的に実証されていない。
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、溶媒を用いることなく、極めて細径でありながら径の均一性が高く、また物性的にも優れたポリウレタン極細繊維を得ることのできる製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、本発明の請求項1に係るポリウレタン極細繊維の製造方法は、平均直径が10nmから5μmであり、その直径の変動係数が30%以下であるポリウレタン極細繊維の製造方法であって、レーザービームの照射光路上にスリットを設置し、上記スリットによりレーザービーム照射強度分布を制御した状態でレーザービームを照射して加熱したポリウレタン融液とターゲットとの間に、1〜120kVの高電圧を印加するとともに、ポリウレタン融液に空気流を付与することで、前記ポリウレタン融液を前記ターゲットに曳いて細化することを特徴とする。
本発明の請求項に係るポリウレタン極細繊維の製造方法は、請求項に記載したポリウレタン極細繊維を製造する方法であって、高電圧の電場が0.5〜8.0kV/cmであることを特徴とする。
本発明のポリウレタン極細繊維の製造方法は、レーザービームの照射光路上にスリットを設置し、上記スリットによりレーザービーム照射強度分布を制御した状態でレーザービームを照射して加熱したポリウレタン融液をエレクトロスピニングすることにより、ポリウレタン極細繊維を形成ため、有機溶媒を用いる溶液紡糸法の場合の問題点を無くすことが可能となった。また、本発明によって得られるポリウレタン極細繊維は、極めて細径でありながら径の均一性が高く、また物性的にも優れている。
特に、本発明のポリウレタン極細繊維の製造方法によれば、高エネルギーの熱線であるレーザービームを照射し、急速に昇温したポリウレタン融液を、1〜120kVの高電圧の印加および空気流の付与により曳いて紡糸することができるため、極めて細い繊維を造ることができる。この方法により、従来のメルトブロー法等の直接紡糸法では困難とされていた直径3μm程度以下の極細繊維を、溶媒を用いずに量産することが可能となった。
また、ポリウレタン融液は、レーザービーム照射により急速昇温した直後に高電圧の印加および空気流の付与により引き伸ばされて急速に冷却され固化するため、高温かつ溶融状態にある時間はきわめて短く、熱分解による物性低下も避けられる。そのためポリウレタンの分子量が大きくても糸切れなく紡糸ができ、強力等の物性面でも優れた繊維が得られる。
さらに、空気流の効果によって直径の均一性も高くなり、極めて細径でありながら径の均一性が高い繊維が得られる。
また、本発明の製造方法で、電圧印加のための電極形状や電極間の電位分布を制御することにより、得られる繊維集合体中での繊維配向を制御することも可能である。
また有機溶媒を使用しないため、有機溶媒回収コストの不要だけではなく、資源の節約、有機溶媒の飛散がない等の環境維持の面から好ましい。
さらに、本発明のポリウレタン極細繊維の製造方法によれば、連続的にポリウレタン極細繊維を製造でき、さらにはそのポリウレタン極細繊維で連続的にウェッブまたは不織布を製造できる。そのため、生産性の高い製造方法であり、安価にポリウレタン極細繊維およびそのウェッブまたは不織布を製造できる。
本発明によりポリウレタン極細繊維を製造する際に使用する装置の一例の概略構成を示す説明図である。 本発明によりポリウレタン極細繊維を製造する際に使用する装置の他の一例の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明によって得られるポリウレタン極細繊維は、赤外線であるレーザービームを照射して加熱したポリウレタン融液とターゲットとの間に高電圧を印加するとともに、空気流を付与し、前記ポリウレタン融液を前記ターゲットに曳いて細化することにより得られるポリウレタン極細繊維である。
本発明によって得られるポリウレタン極細繊維の平均直径は、所望により適宜製造条件等を調整し、様々な値のものとすればよいが、本発明によれば、メルトブロー法により製造する場合と比較してポリウレタン極細繊維の径を細くすることができ、その平均直径は10nmから5μmである。
また、ポリウレタン極細繊維の直径の変動係数は、30%以下である。
前記変動係数は直径の測定値より平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で割ることにより得られる。変動係数が小さい程、径の均一性が高いといえる。
径の均一性はウェッブまたは不織布を製造した際の目付、厚み、3次元構造、物性値などの均一性に大きく影響し、径が均一であればより均一なウェッブまたは不織布を製造できる。
本発明によって得られるポリウレタン極細繊維を構成するポリウレタンは、ソフトセグメント部を形成する高分子量のポリオール化合物とハードセグメントを形成する低分子量ジオール化合物および有機ジイソシアネート化合物を重合反応させて得られるポリウレタンである。
高分子量ポリオール化合物は、重縮合、付加重合(例えば、開環重合)または重付加などによって得られる分子量500〜6000の高分子ジオール化合物であり、代表的なものとしてはポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールまたはこれらの共縮合物(例えば、ポリエステルエーテルジオール)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
ポリエステルジオールとしてはプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオールなどの炭素数2〜10のアルカンのジオール化合物またはこれらの混合物とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の炭素数4〜12の脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物とから得られる飽和ポリエステルジオール、あるいはポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等のポリラクトンジオールが好ましく使用される。また、ポリエーテルジオールとしてはポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキレンエーテルジオールが好ましく使用される。
低分子量ジオール化合物は分子量が500以下のジオール化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタングリコール、3−メチルペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼンなどの脂肪族または芳香族ジオールが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上組合せて使用してもよい。
有機ジイソシアネート化合物としては4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族または芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。これらの有機ジイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ヒンダードフェノール系、各種アミン系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系の紫外線吸収剤、アミドワックス、モンタン酸ワックス等の平滑剤、各種カルボジイミド化合物等の加水分解防止剤、酸化チタン、ベンガラ等の各種顔料、ガス黄変防止剤等のポリマー添加剤を必要に応じて添加してもよい。
ポリウレタンの重合方法としては、連続溶融重合法、ニーダー法、バットキュア法、ベルト法等の種々の方法があるが、本発明ではいずれの重合方法を使用してもよい。
次に本発明のポリウレタン極細繊維の製造方法を、それに用いる装置に基づいて説明する。図1は本発明によりポリウレタン極細繊維を製造する際に使用する装置の一例の概略構成を示す説明図である。原料として繊維状のポリウレタンを使用する一例である。
図1に示すとおり、原料ポリウレタン繊維1がレーザービーム8を照射されて軟化溶融し、高電圧の印加と空気流の付与により曳かれ、ポリウレタン極細繊維10となってターゲットである捕集板9に到達して捕捉される。
原料ポリウレタン繊維1はリール4に巻かれており、偏向ローラー2により進行方向を決められ、それぞれモーター(不図示)に駆動されるフィードローラー3aと3bに挟まれて引かれ、メルトブローノズル5を通ってノズル先端より吐出される。
メルトブローノズル5は空気流入り口6aと6bを備えており、空気流入り口6aと6bは外部コンプレッサー(不図示)および空気加熱装置(不図示)に接続されている。コンプレッサーから空気加熱装置へ接続する配管の間にはコンプレッサーからの空気圧を制御する減圧弁および空気流量を計測する流量計および空気流量を調節する調節器(例えば、ニードルバルブ)を接続してもよい。
メルトブローノズル5のノズル先端では、赤外線源であるレーザービーム発信機7が目標を定めて原料ポリウレタン繊維1にレーザービーム8を照射する。レーザービームの照射時間は0.1ミリ秒間以上1秒間以下であればよい。この照射により原料ポリウレタン繊維1の温度を原料ポリウレタン繊維1の軟化温度よりも好ましくは30〜300℃高い温度まで加熱する。これにより原料ポリウレタン繊維1は軟化溶融する。
一方メルトブローノズル5と捕集板9との間には、高圧電源11から直流高電圧が印加されている。軟化溶融した原料ポリウレタン繊維1は、その高電圧の印加と、空気流の付与により曳かれ細化し、目的とする直径のポリウレタン極細繊維10となり、そして捕集板9の上に無秩序に捕捉され繊維ウェッブまたは不織布となる。
原料ポリウレタン繊維1は好ましくは直径10μm〜1mmのモノフィラメントであり、より好ましくは50μm〜500μm、更に好ましくは100μm〜300μmである。また、上記直径に相当するマルチフィラメントでもよい。
原料ポリウレタン繊維1は、前記のポリウレタンを溶融紡糸することにより製造されたものを用いる。
本発明のレーザービーム発信機7は、例えば、株式会社鬼塚硝子製の発信波長10.6μm、定格出力40Wの炭酸ガスレーザーを使用し、適宜レーザービーム出力を調整することができるが、原料ポリウレタン繊維1を軟化溶融することが可能であれば他の媒体を使用したレーザービーム発信機を使用してもよい。
レーザービームの照射による原料ポリウレタン繊維1の温度上昇は、原料ポリウレタンの軟化温度よりも30〜300℃高い温度までとすることが好ましい。この程度の温度にすることにより、原料ポリウレタン繊維1は軟化溶融し、高電圧の印加および空気流の付与により引き伸ばし細化できる。これより低い温度では、原料ポリウレタン繊維1が高電圧の印加および空気流の付与によって引き伸ばすことができるほどには軟化溶融することが難しくなり、この方法によってポリウレタン極細繊維10を得ることが困難となる傾向にある。またこの温度よりも高い場合には、原料ポリウレタン繊維1が高電圧の印加および空気流の付与によって引き伸ばされて冷却固化する以前に分解が進んでしまうため、良好なポリウレタン極細繊維10を製造することが難しくなる傾向にある。
次に、高圧電源11より印加される高電圧による電場は0.5〜8.0kV/cm、より好ましくは0.5〜4.0kV/cmであることが好適である。電場が4.0kV/cmを超える場合には電極間でスパークが生じ易くなるため電場が安定しにくい傾向にある。一方、電場が0.5kV/cm未満の場合には、ポリウレタン融液を高電圧の印加および空気流の付与によって効率的に引き伸ばすことが困難となる傾向にある。
印加される高電圧は1〜120kVの範囲で適宜設定でき、また、目的の電場によってメルトブローノズル・ターゲット間距離を適宜設定できる。
電場は印加電圧をメルトブローノズル・ターゲット間距離で割ることにより得られる。
また、付与される空気流の速度は好ましくは0.1〜340m/secであり、より好ましくは0.1〜250m/sec、更に好ましくは0.1〜150m/secである。
また、その温度は好ましくは10〜300℃である。
この際、空気流はポリウレタン融液を曳く力だけでなく、ポリウレタン融液表面での熱伝達の促進に作用し、ポリウレタン極細繊維となったポリウレタン融液の冷却速度を向上させ、直径の均一性を向上させることが可能である。
図2は、本発明によりポリウレタン極細繊維を製造する際に使用する装置の他の一例の概略構成を示す説明図である。原料ポリウレタンチップがエクストルーダ20のポリマー管23から送出され、メルトブローノズル5からポリウレタン融液26が吐出される一例を示している。
図2に示すとおり、原料ポリウレタンチップはエクストルーダ20によって溶融して押出される。エクストルーダ20は、ヒーター付バレル24にスクリュー22が挿通され、ホッパータンク21が取付けられている。スクリュー22はモーター25にベルトで連結されている。原料ポリウレタンチップがホッパータンク21から投入されると、ヒーター付バレル24で加熱されながらスクリュー22の回転で練られ軟化溶融しつつ進行し、ポリウレタン融液26となってポリマー管23を通りメルトブローノズル5から吐出される。吐出されたポリウレタン融液26が、レーザービーム8を照射されて更に加熱され、高電圧の印加と空気流の付与により曳かれ細化し、目的とする直径のポリウレタン極細繊維10となり、そして捕集板9の上に無秩序に捕捉された繊維ウェッブまたは不織布となる。
また、本発明において、レーザービーム8は目に見えないため、レーザービーム発信機7からレーザービーム光路にガイド光がレーザービーム8と同時に照射されている。これにより、照射対象に容易に照準を合わせることができる。また、レーザービーム8は通常円筒状だが、ビームエキスパンダーなどでビーム形状を変化させることもできる。
また、本発明において、レーザービーム光路上にスリットを設置することで、原料ポリウレタンまたはその融液へのレーザービーム照射強度分布を制御する。レーザービーム照射強度分布を制御することにより、さらに直径の均一性を向上させることが可能である。この際、スリットはレーザービーム形状に合わせて適宜スリット幅を設定でき、スリットによってずれるレーザービームの照射位置は適宜設定できる。このスリットはレーザービームによる加熱に耐えうる素材からなり、例えばアルミナなどのセラミックスからなる。
ここで言うレーザービーム照射強度分布の制御とは、ガウス型のレーザービーム強度分布をスリットによって端末を遮ることで、レーザービーム照射強度の強い部分のみを照射させることである。
また、本発明において、レーザービームの照射位置は、原料ポリウレタンまたはその融液でもよいし、メルトブローノズルでもよいし、あるいは原料ポリウレタンまたはその融液とメルトブローノズルの両方でも良い。
本発明に用いる装置のメルトブローノズル5はシングルノズルだが、マルチノズルを使用してもよい。マルチノズルを使用する場合、原料ポリウレタンの送出しは主に図2に示すようなエクストルーダ20によりポリウレタン融液26を送出すことになるが、図1に示すような繊維状ポリウレタンを送出す方法でも可能である。
マルチノズルを使用する場合、レーザービームの照射方法が問題になる。ノズル数分のレーザービーム発信機を使用してもよいが、主な方法としては、ミラーによって反射させ各ノズルから吐出されるポリウレタン融液に照射させるか、あるいはレンズによってレーザービームを拡げ照射させる方法などがある。
また、ポリウレタン極細繊維のターゲットは各図に示したような捕集板9でもよいが、ボビンを回転させ巻き取ってもよい。この際、ボビンの回転速度が電圧印加および空気流の付与によってもたらされる糸速度より十分大きければ単独の繊維として巻き取られ、小さければポリウレタン極細繊維からなるウェッブ状態となって捕集される。更に一貫連続して製造する場合はコンベアを使用してもよい。この際、コンベアには空気流を吸引するサクションおよび気送管を接続してもよい。吸引された空気流は気送管を通じ外部へ排出される。またサクションによる空気流の吸引はポリウレタン極細繊維の捕集を補助する役目も果たす。更にコンベアには捕集したポリウレタン極細繊維を溶着させる熱エンボス装置や熱カレンダーロールを接続してもよい。捕集されたポリウレタン極細繊維は順次コンベアにて送られ巻き取り機にて巻き取られる。
本発明の製造方法は、図1の形態では原料が繊維状のポリウレタン、ターゲットが捕集板の組み合わせ、図2の形態では原料がポリウレタンチップ、ターゲットが捕集板の組み合わせとなっているが、ターゲットは上記ボビン、コンベアなど適宜組み合わせを変えて実施でき、またこれら装置に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
尚、実施例において、ポリウレタン極細繊維の平均直径はSEM写真から任意に50箇所の直径を測定し平均値を算出した。
ポリウレタン極細繊維の変動係数は直径の測定値より平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で割り算出した。
[実施例1]
ショアA硬度98のラクトン系熱可塑性ポリウレタン樹脂を温度90度で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると60ppmであった。この熱可塑性ポリウレタン樹脂をメルトインデクサーにて220℃で加熱溶融し、0.5mmのオリフィスより押出し、平均直径250μmのポリウレタンモノフィラメントを得た。
得られたポリウレタンモノフィラメントを図1に示す装置でメルトブローレーザーエレクトロスピニングを行ない、ポリウレタン極細繊維を作製した。エレクトロスピニング条件はエアー流速2.85m/sec、エアー温度26℃、レーザー出力10W、電場3.6kV/cm、送出し質量2.4mg/min、メルトブローノズル・ターゲット間距離5cmとした。
得られたポリウレタン極細繊維の直径を測定し、平均直径、変動係数を算出した。その結果、平均直径3.63μm、変動係数26.40%であった。
上記の結果を表1に併せて示す。
[実施例2]
実施例1で作製したポリウレタンモノフィラメントを用い、図1に示す装置でメルトブローレーザーエレクトロスピニングを行ない、ポリウレタン極細繊維を作製した。エレクトロスピニング条件はエアー流速4.28m/sec、エアー温度26℃、レーザー出力10W、電場3.6kV/cm、送出し質量2.4mg/min、メルトブローノズル・ターゲット間距離5cmとした。
得られたポリウレタン極細繊維の直径を測定し、平均直径、変動係数を算出した。その結果、平均直径4.17μm、変動係数16.40%であった。
上記の結果を表1に併せて示す。
[実施例3]
実施例1で作製したポリウレタンモノフィラメントを用い、図1に示す装置でメルトブローレーザーエレクトロスピニングを行ない、ポリウレタン極細繊維を作製した。エレクトロスピニング条件はエアー流速4.28m/sec、エアー温度26℃、レーザー出力13W、電場3.6kV/cm、送出し質量2.4mg/min、メルトブローノズル・ターゲット間距離5cmとした。
得られたポリウレタン極細繊維の直径を測定し、平均直径、変動係数を算出した。その結果、平均直径1.90μm、変動係数9.16%であった。
上記の結果を表1に併せて示す。
[実施例4]
実施例1で作製したポリウレタンモノフィラメントを用い、図1に示す装置でメルトブローレーザーエレクトロスピニングを行ない、ポリウレタン極細繊維を作製した。エレクトロスピニング条件はエアー流速4.28m/sec、エアー温度26℃、レーザー出力16W、電場3.6kV/cm、送出し質量2.4mg/min、メルトブローノズル・ターゲット間距離5cmとした。
得られたポリウレタン極細繊維の直径を測定し、平均直径、変動係数を算出した。その結果、平均直径1.29μm、変動係数16.10%であった。
上記の結果を表1に併せて示す。
[比較例1]
実施例1で作製したポリウレタンモノフィラメントを用い、図1に示す装置でレーザーエレクトロスピニングを行ない、ポリウレタン極細繊維を作製した。エレクトロスピニング条件は気温26℃、レーザー出力10W、電場3.6kV/cm、送出し質量2.4mg/min、メルトブローノズル・ターゲット間距離5cmとした。
得られたポリウレタン極細繊維の直径を測定し、平均直径、変動係数を算出した。その結果、平均直径1.93μm、変動係数31.00であった。
上記の結果を表1に併せて示す。
Figure 0005204725
本発明によって得られるポリウレタン極細繊維を含むウェッブまたは不織布は、マスク、フィルター、電池セパレータ、医療用途、衣料品などへの利用が期待できる。
1 原料ポリウレタン繊維
2 偏向ローラー
3a,3b フィードローラー
4 リール
5 メルトブローノズル
6a,6b 空気流入り口
7 レーザービーム発信機
8 レーザービーム
9 捕集板
10 ポリウレタン極細繊維
11 高圧電源
20 エクストルーダ
21 ホッパータンク
22 スクリュー
23 ポリマー管
24 ヒーター付バレル
25 モーター
26 ポリウレタン融液

Claims (2)

  1. 平均直径が10nmから5μmであり、その直径の変動係数が30%以下であるポリウレタン極細繊維の製造方法であって、レーザービームの照射光路上にスリットを設置し、上記スリットによりレーザービーム照射強度分布を制御した状態でレーザービームを照射して加熱したポリウレタン融液とターゲットとの間に、1〜120kVの高電圧を印加するとともに、ポリウレタン融液に空気流を付与することで、前記ポリウレタン融液を前記ターゲットに曳いて細化することを特徴とするポリウレタン極細繊維の製造方法。
  2. 高電圧の電場が0.5〜8.0kV/cmであることを特徴とする請求項に記載のポリウレタン極細繊維の製造方法。
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