JP6750067B1 - 極細フィラメントの製造装置及びこれを含む不織布の製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来に比べて装置全体のコストを低減することのできる極細フィラメントの製造装置を提供する。【解決手段】極細フィラメントの製造装置1は、原フィラメント供給装置2から供給された原フィラメント50が通過する原フィラメント通路と圧縮空気供給装置3から供給された圧縮空気が導入される圧縮空気導入部と前記原フィラメント通路の出口側近傍に設けられて前記圧縮空気導入部から導入された圧縮空気が噴出する圧縮空気噴出部とを有するノズル4と、ノズル4の前記原フィラメント通路を通過した原フィラメント50に対してレーザー光を照射するレーザー照射装置5と、前記レーザー光の照射によって溶融した原フィラメント50をノズル4の前記圧縮空気噴出部から噴出した圧縮空気によって延伸して極細フィラメント51を形成する極細フィラメント形成部6と、を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、原フィラメントを溶融延伸して極細フィラメントを製造する極細フィラメントの製造装置及びこれを含む不織布の製造装置に関する。
特許文献1には、従来の極細フィラメントの製造装置の一例が記載されている。特許文献1に記載の極細フィラメントの製造装置は、原フィラメントの送出手段を有するP1気圧下の原フィラメント供給室と、前記原フィラメントがその中を通過するオリフィスと、前記オリフィスによって前記原フィラメント供給室と接続され、前記オリフィスを通過してきた原フィラメントが赤外線光束により加熱されることによって延伸されるP2気圧下の延伸室であって、P1≧2P2である前記延伸室と、前記赤外線光束を放射する赤外線照射装置と、を具備している。
特許第5407089号公報
特許文献1に記載の極細フィラメントの製造装置では、互いに区画された原フィラメント供給室及び延伸室が設けられると共に、前記原フィラメント供給室内が加圧され及び/又は前記延伸室内が減圧される必要がある。すなわち、互いに区画され且つ室圧が異なる原フィラメント供給室及び延伸室が必要とされる。このため、装置全体のコストが高くならざるを得ないという課題がある。
そこで、本発明は、従来に比べて装置全体のコストを低減することのできる極細フィラメントの製造装置及びこれを含む不織布の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると極細フィラメントの製造装置が提供される。この極細フィラメントの製造装置は、原フィラメントが通過する原フィラメント通路と圧縮空気が導入される圧縮空気導入部と前記原フィラメント通路の出口側近傍に設けられて前記圧縮空気導入部から導入された圧縮空気が噴出する圧縮空気噴出部とを有するノズルと、前記ノズルの前記原フィラメント通路を通過した原フィラメントに対してレーザー光を照射するレーザー照射装置と、前記レーザー光の照射によって溶融した原フィラメントを前記ノズルの前記圧縮空気噴出部から噴出した圧縮空気によって延伸して極細フィラメントを形成する極細フィラメント形成部と、を含む。前記圧縮空気噴出部は、前記原フィラメント通路の出口側の部位を囲繞するように形成され、且つ、出口端に向かって前記フィラメント通路の中心線に近づくように傾斜した通路として形成されている。
本発明の他の側面によると不織布の製造装置が提供される。この不織布の製造装置は、前記極細フィラメントの製造装置と、前記極細フィラメントの製造装置の前記極細フィラメント形成部で形成された極細フィラメントが集積される集積部と、を含む。
本発明による極細フィラメントの製造装置では、従来技術とは異なり、互いに区画され且つ室圧が異なる原フィラメント供給室及び延伸室が必要とされない。このため、本発明による極細フィラメントの製造装置によれば、従来技術に比べて、装置構成が簡素化され、装置全体のコストも低減される。
また、本発明による不織布の製造装置によれば、装置構成の簡素化及び装置全体のコストの低減を図りつつ、極細フィラメントを含む不織布を製造することができる。
本発明の第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置の要部の概略構成を示す図である。 前記極細フィラメントの製造装置で用いられるノズルの断面図である。 前記ノズルを構成する外側ノズル部の断面図である。 前記ノズルを構成する内側ノズル部の断面図である。 前記ノズルの先端部の拡大断面図である。 前記第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置を含む不織布の製造装置の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る極細フィラメントの製造装置の要部の概略構成を示す図である。 前記第2実施形態に係る極細フィラメントの製造装置を含む不織布の製造装置の一例を示す図である。 本発明における紡糸状態と従来技術における紡糸状態とを比較して示す図であり、図9(A)は本発明における紡糸状態を示し、図9(B)は従来技術における紡糸状態を示している。 本発明におけるノズルの汚れと従来技術におけるノズルの汚れとを比較して示す図であり、図10(A)は本発明におけるノズルの汚れを示し、図10(B)は従来技術におけるノズルの汚れを示している。 本発明における樹脂塊の発生状況と従来技術における樹脂塊の発生状況とを比較して示す図であり、図11(A)は本発明における樹脂塊の発生状況を示し、図11(B)は従来技術における樹脂塊の発生状況を示している。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明は、極細フィラメントの製造装置及びこれを含む不織布の製造装置を提供する。本発明による極細フィラメントの製造装置は、原フィラメントを溶融延伸することによって極細フィラメントを製造するように構成される。また、本発明による不織布の製造装置は、前記極細フィラメントの製造装置を含み、前記極細フィラメントの製造装置によって製造された極細フィラメントを集積して不織布を製造するように構成される。ここで、「極細フィラメント」とは、主に平均直径(平均繊維径)が1μm未満のいわゆるナノファイバーのことをいう。但し、これに限られるものではなく、平均繊維径が10μm未満の繊維も「極細フィラメント」に含まれるものとする。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1の要部の概略構成を示す図である。図1に示されるように、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1は、原フィラメント供給装置2と、圧縮空気供給装置3と、ノズル4と、レーザー照射装置5と、を含む。
原フィラメント供給装置2は、原フィラメント50をノズル4に供給するように構成されている。本実施形態において、原フィラメント供給装置2は、原フィラメント50が巻かれた供給リール21と、供給リール21から引き出された原フィラメント50をノズル4に向けて送り出す一対の送出ローラで構成される送出部22と、前記一対の送出ローラを回転駆動する駆動部(図示省略)と、を有する。原フィラメント供給装置2は、前記一対の送出ローラの回転速度を調整することによって、原フィラメント50の供給速度を変更可能である。なお、原フィラメント供給装置2は、原フィラメント50を連続的にノズル4に供給できればよく、図1に示される構成に限られない。
ここで、原フィラメント50について説明する。原フィラメント50は、糸状に加工可能な熱可塑性樹脂からなる長繊維である。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアリレートを含むポリエステル系、ナイロン(ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66)、芳香族ポリアミドを含むポリアミド系、ポリプロピレン及びポリエチレンを含むポリオレフィン系、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体を含むポリビニルアルコール系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンを含むフッ素系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンを含むポリ塩化ビニル系ポリマー、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレンを含むポリスチレン系ポリマー、ポリメタクリル酸メチルを含むポリ(メタ)アクリル系ポリマー、ポリオキシメチレン、エーテルエステル系ポリマー、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、等のセルロース系ポリマー、ポリウレタン系、ポリアセタール系、ポリカーボネート系、変性ポリフェニレンエーテル系、ポリフェニレンサルファイド系、ポリスルフォン系、ポリエーテルスルフォン系、ポリエーテルケトン系、ポリイミド系、ポリエーテルイミド系、液晶ポリマー(LCP)などのエンジニアリングプラスチックが該当する。前記ポリマーは複数種ブレンドしてもよいし、必要に応じて可塑剤や界面活性剤、酸化防止剤等の添加剤を加えてもよい。特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ナイロン(ナイロン6、ナイロン66)及びポリプロピレンは、延伸性及び分子配向性が良いため、極細フィラメントの製造に好適である。
本実施形態においては、複数のモノフィラメントを束ねて形成されるマルチフィラメントが原フィラメント50として使用される。前記マルチフィラメントを構成する各モノフィラメントの直径は、特に制限されないが、好ましくは10〜200μmである。また、前記マルチフィラメントは、複数のモノフィラメントが束としての一体性を失うことがないように、例えば撚りがかけられているのが好ましい。但し、これに限られるものではなく、モノフィラメントが原フィラメント50として使用されてもよい。
圧縮空気供給装置3は、コンプレッサ(図示省略)を含み、圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気をノズル4に供給するように構成されている。なお、圧縮空気供給装置3によって生成される圧縮空気の圧力、すなわち、ノズル4に供給される圧縮空気の圧力については後述する。
ノズル4は、図示省略のホルダなどによって鉛直下向きに保持されている。本実施形態において、ノズル4は、大気圧(約0.1MPa)下に配置されている。ノズル4は、原フィラメント供給装置2から供給された原フィラメント50を下方に通過させると共に圧縮空気供給装置3から供給された圧縮空気を下方に噴出するように、さらに言えば、ノズル4を通過した原フィラメント50に対して原フィラメント50の軸線方向に沿って吹き付けるように構成されている。なお、ノズル4の構成等について後に詳述する。
レーザー照射装置5は、図示省略のレーザー発振器(例えば、炭酸ガスレーザー発振器)を含み、ノズル4を通過した原フィラメント50、すなわち、ノズル4から繰出された原フィラメント50に対してレーザー光を照射するように構成されている。具体的には、本実施形態において、レーザー照射装置5は、ノズル4から1〜10mm下の位置で原フィラメント50にレーザー光を照射するように構成されている。
ノズル4から繰出された原フィラメント50は、レーザー照射装置5によるレーザー光の照射によって加熱されて溶融する。また、上述のように、ノズル4から繰出された原フィラメント50には、ノズル4から噴出された圧縮空気が原フィラメント50の軸線方向(すなわち、繰出し方向)に沿って吹き付けられている。このため、溶融した原フィラメント50は、ノズル4から噴出される圧縮空気(すなわち、高速気流)によって軸線方向(繰出し方向)に延伸される。これにより、原フィラメント50から極細フィラメント51が形成される。したがって、本実施形態においては、ノズル4から繰出された原フィラメント50にレーザー光が当たる位置とその下方の所定範囲とを含む領域6(図1においてハッチングで示す)が本発明の「極細フィラメント形成部」に相当する。
なお、極細フィラメントの製造装置1は、原フィラメント50の供給速度や前記レーザー光の強度などを変更することにより、製造される極細フィラメント51の直径(繊維径)を調整することが可能である。また、図1において、符号100は、レーザー光の強度を検出するパワーメーターである。
次に、ノズル4について詳細に説明する。但し、ここで説明される構成は一例にすぎず、ノズル4が他の構成を有してもよいことはもちろんである。
図2は、ノズル4の断面図である。図2に示されるように、ノズル4は、外側ノズル部41と、内側ノズル部42と、固定部材43と、を有する。なお、図2における上側がノズル4の後端側であり、図2における下側がノズル4の先端側である。
外側ノズル部41は、略円柱状の外形を有している。図3は、外側ノズル部41の断面図である。図2及び図3に示されるように、外側ノズル部41には、内側ノズル部42の一部(先端側の部位)を収容する収容孔411が形成されている。収容孔411は、外側ノズル部41を軸方向に貫通する(すなわち、鉛直方向に延びる)断面円形の孔であり、後端面41aから先端面41bに向かって、大径孔部411aと、大径孔部411aよりも小径の小径孔部411bと、小径孔部411bから第1テーパ角αで縮径する第1テーパ孔部411cと、第1テーパ角αよりも小さい第2テーパ角βで縮径する第2テーパ孔部411dと、を有する。
また、外側ノズル部41には、圧縮空気供給装置3から供給された圧縮空気を収容孔411に導入するための導入孔412が形成されている。導入孔412の一端は外側ノズル部41の側面に開口しており、導入孔412の他端は収容孔411の小径孔部411bの内周面に開口している。本実施形態においては、一対の(すなわち、二つの)導入孔412が収容孔411(の小径孔部411b)を挟んで設けられている。但し、これに限られるものではなく、導入孔412の数や配置は任意に設定され得る。
内側ノズル部42は、断面円形の軸状部材として形成されている。図4は、内側ノズル部42の断面図である。図2及び図4に示されるように、内側ノズル部42は、後端面42aから先端面42bに向かって、大径軸部421と、中径軸部422と、第1テーパ軸部423と、小径軸部424と、第2テーパ軸部425と、を有する。
大径軸部421は、外側ノズル部41の収容孔411の大径孔部411aよりも小径であり且つ小径孔部411bよりも大径に形成されている。中径軸部422は、外側ノズル部41の収容孔411の小径孔部411bよりも小径であり且つ第2テーパ孔部411dの最大径(第1テーパ孔部411cの最小径)よりも大径に形成されている。第1テーパ軸部423は、中径軸部422から第1テーパ角αで縮径している。小径軸部424は、外側ノズル部41の収容孔411の第2テーパ孔部411dの最大径(第1テーパ孔部411cの最小径)よりも小径に形成されている。第2テーパ軸部425は、小径軸部424から第2テーパ角βで縮径している。
また、内側ノズル部42には、原フィラメント供給装置2から供給された原フィラメント50が通過する断面円形の原フィラメント通路426が形成されている。原フィラメント通路426は、内側ノズル部42を軸方向に貫通しており(すなわち、鉛直方向に延びており)、内側ノズル部42の後端面42aに開口する入口426aから内側ノズル部42の先端面42bに開口する出口426bに向かって徐々に又は段階的に縮径している。
図2に戻り、固定部材43は、有底円筒状に形成されている。固定部材43は、その開口端側の内周面が外側ノズル部41の後端面41a側の外周面に螺合可能に構成されている。また、固定部材43の底部には、内側ノズル部42の原フィラメント通路426の入口426aに対応する直径を有した貫通孔43aが形成されている。
本実施形態において、ノズル4は、外側ノズル部41、内側ノズル部42及び固定部材43が次のようにして組み立てられて構成される。
まず、内側ノズル部42が先端側から外側ノズル部41の収容孔411に収容される。これにより、内側ノズル部42の大径軸部421と中径軸部422との段差面427が外側ノズル部41の収容孔411の大径孔部411aと小径孔部411bとの段差面413に当接する。なお、図示省略されているが、内側ノズル部42の大径軸部421と中径軸部422との段差面427と、外側ノズル部41の収容孔411の大径孔部411aと小径孔部411bとの段差面413と、の間にシール材やスペーサなどの介在部材が介在されてもよい。
次に、内側ノズル部42の後端側を収容するように、固定部材43が外側ノズル部41に取り付けられる。すなわち、固定部材43の前記開口端側が外側ノズル部41の後端側に装着される。
そして、固定部材43が外側ノズル部41に螺合され、固定部材43の内底面43bが内側ノズル部42の後端面42aに当接することにより、内側ノズル部42が外側ノズル部41に固定され、これによってノズル4が完成する。
ノズル4が完成すると、図2に示されるように、ノズル4内には外側ノズル部41の収容孔411の内周面と内側ノズル部42の外周面との隙間によって環状通路45が形成される。環状通路45は、外側ノズル部41の収容孔411の第2テーパ孔部411dの内周面と内側ノズル部42の第2テーパ軸部425の外周面との隙間によってノズル4の先端側(原フィラメント通路426の出口426b側近傍)に形成されるテーパ通路451と、テーパ通路451と導入孔412とを連通する連通路452と、を含む。
圧縮空気供給装置3から供給された圧縮空気は、外側ノズル部41に形成された導入孔412からノズル4内に導入され、連通路452を通過した後にテーパ通路451から噴出する。したがって、本実施形態においては、導入孔412が本発明の「圧縮空気導入部」に相当し、テーパ通路451が本発明の「圧縮空気噴出部」に相当する。
図5は、ノズル4の先端部の拡大断面図である。図5に示されるように、テーパ通路451は、原フィラメント通路426の出口426b側の部位を囲繞するように形成されている。また、上述のように、テーパ通路451は、外側ノズル部41の収容孔411の第2テーパ孔部411d(テーパ角:第2テーパ角β)の内周面と内側ノズル部42の第2テーパ軸部425(テーパ角:第2テーパ角β)の外周面との隙間によって形成されている。したがって、テーパ通路451は、ノズル4の先端側に向かって第2テーパ角βで縮径している。換言すれば、テーパ通路451は、原フィラメント通路426の出口426b側から入口426a側に向かって原フィラメント通路426から徐々に離れるように傾斜しており、原フィラメント通路426に対するテーパ通路451の傾斜角γはβ/2である。
ノズル4の先端部における各寸法は以下のとおりである。なお、以下に示す各寸法は一例であり、これらに限られるものではない。
原フィラメント通路426の出口426bの直径Φaは0.5〜2.0mmであり、原フィラメント50の直径に応じて適宜選択される。なお、本実施形態において、原フィラメント通路426の出口426bの直径Φaは0.8mmに設定されている。また、本発明者らの実験により、極細フィラメント51を安定して製造するためには、原フィラメント通路426の出口426bは、その直径Φaの3倍程度の長さを有することが好ましいことが確認されている。そのため、本実施形態において、原フィラメント通路426の出口426bの長さLは2.4mmに設定されている。
テーパ通路451は、溶融した原フィラメント50がテーパ通路451から噴出される圧縮空気(高速気流)によって安定して延伸され得る(極細化され得る)ように、設けられる必要がある。この点を考慮し、本実施形態においては、テーパ通路451の出口端ができるだけ原フィラメント通路426の出口426bの近傍に位置するように、内側ノズル部42の先端面42b(第2テーパ軸部425の端面)の直径Φbは1.1mmに設定され、外側ノズル部41の収容孔411(の第2テーパ孔部411d)の外側ノズル部41の先端面41bにおける開口径Φcは1.5mmに設定されている。また、第2テーパ角βは10〜40度、好ましくは15〜35度に設定されている。すなわち、原フィラメント通路426に対するテーパ通路451の傾斜角γは5〜20度、好ましくは7.5〜17.5度に設定されている。なお、本発明者らの実験により、上記各設定値に基づくテーパ通路451から噴出される圧縮空気(高速気流)は、原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50に対してその軸線方向(繰出し方向)に沿って吹き付けられることになり、溶融した原フィラメント50の揺動を抑制しつつ溶融した原フィラメント50を延伸させることができることが確認されている。
内側ノズル部42の先端面42bが外側ノズル部41の先端面41bよりも突出していると、ノズル4の設置時やノズル4のクリーニング時などに内側ノズル部42の先端部が破損されるおそれがある。一方、内側ノズル部42の先端面42bが外側ノズル部41の先端面41bに対して内側に入り込みすぎていると、原フィラメント通路426を通過した原フィラメント50の位置、ひいては原フィラメント50の溶融状態にバラツキが生じて極細フィラメント51が安定して製造できないおそれがある。そこで、本実施形態において、外側ノズル部41の先端面41bに対する内側ノズル部42の先端面42bの引っ込み量Tは0〜0.5mmに設定されている。
そして、上述のように構成されたノズル4が用いられた場合、0.5〜1.0MPaの圧縮空気がノズル4に供給されることにより、換言すれば、テーパ通路451から0.5〜1.0MPaの圧縮空気が噴出されることにより、溶融した原フィラメント50の延伸が安定して行われ、その結果、極細フィラメント51が安定して製造され得ることが本発明者らの実験によって確認されている。よって、本実施形態において、圧縮空気供給装置3は、0.5〜1.0MPaの圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気をノズル4に供給するように構成されている。
以上のように、本実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1は、原フィラメント供給装置2と、圧縮空気供給装置3と、ノズル4と、レーザー照射装置5と、を含む。ノズル4は、原フィラメント供給装置2から供給された原フィラメント50が通過する原フィラメント通路426と、圧縮空気供給装置3から供給された圧縮空気が導入される導入孔(圧縮空気導入部)412と、原フィラメント通路426の出口426b側近傍に設けられて導入孔412から導入された圧縮空気が噴出するテーパ通路(圧縮空気噴出部)451と、を有する。ここで、ノズル4の原フィラメント通路426を通過した原フィラメント50、すなわち、原フィラメント供給装置2によって供給されてノズル4の原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50には、ノズル4のテーパ通路(圧縮空気噴出部)451から噴出された圧縮空気が原フィラメント50の軸線方向(繰出し方向)に沿って吹き付けられる。また、レーザー照射装置5は、ノズル4の原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50に対してレーザー光を照射するように構成されている。そして、極細フィラメントの製造装置1は、ノズル4の原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50にレーザー光が当たる前記位置とその下方の前記所定範囲とを含む領域(極細フィラメント形成部)6において、前記レーザー光の照射によって加熱されて溶融した原フィラメント50を、ノズル4のテーパ通路(圧縮機噴出部)451から噴出された圧縮空気によって延伸して極細フィラメント51を形成するように構成されている。
このため、本実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1は、従来技術とは異なり、互いに区画され且つ室圧が異なる原フィラメント供給室及び延伸室が必要とされない。したがって、従来技術に比べて、装置構成が簡素化され、装置全体のコストも低減される。
ここで、原フィラメント通路426は、入口426aから出口426bに向かって鉛直方向に延びている。このため、原フィラメント供給装置2は、原フィラメント50を原フィラメント通路426の入口426aに供給すればよく、供給された原フィラメント50は原フィラメント通路426を容易に通過することができる。つまり、ノズル4から原フィラメント50が安定して下方に繰出され得る。
また、テーパ通路451は、原フィラメント通路426の出口426b側の部位を囲繞するように形成され、且つ、原フィラメント通路426の出口426b側から入口426a側に向かって原フィラメント通路426から徐々に離れるように傾斜している。具体的には、原フィラメント通路426に対するテーパ通路451の傾斜角γは5〜20度に設定されている。このため、テーパ通路451から噴出した圧縮空気が、溶融した原フィラメント50の延伸に効果的に利用され得ると共に、溶融した原フィラメント50の揺動や溶融樹脂の飛沫のノズル4への付着も抑制され得る。したがって、極細フィラメント51の安定した製造が可能であり、延伸不良などによる樹脂塊の発生が抑制され、及び、ノズル4のクリーニング頻度も低減される。
また、ノズル4は大気圧(0.1MPa)下に配置され、原フィラメント通路426の入口426a側の圧力と出口426b側の圧力とは等しく、圧縮空気供給装置3は0.5〜1.0MPaの圧縮空気をノズル4に供給するように構成されている。このようにすれば、極細フィラメントの製造装置1の大型化が抑制されると共に、極細フィラメントの製造装置1の装置構成がさらに簡素化され得る。
図6は、上述の極細フィラメントの製造装置1を含む不織布の製造装置10の一例を示す図である。図6に示されるように、不織布の製造装置10は、極細フィラメントの製造装置1に加えて、極細フィラメントの製造装置1で製造された極細フィラメント51が集積される集積台(集積部)7を含む。本実施形態において、集積台7は、固定台71と、固定台71上に設けられた前後方向(X方向)及び左右方向(Y方向)に移動可能な移動体72と、を有するいわゆるX−Yステージとして構成されている。
図6に示される不織布の製造装置10において、極細フィラメントの製造装置1で製造された極細フィラメント51、より具体的には、極細フィラメントの製造装置1における領域(極細フィラメント形成部)6で形成された極細フィラメント51は、集積台7上に集積される。そして、本実施形態においては、集積台7上で極細フィラメント51同士が適度に結合することによって極細フィラメント51からなる不織布NWが形成される。ここで、集積台7上に集積された極細フィラメント51同士の結合が不十分な場合、不織布の製造装置10は、極細フィラメント51同士を適度に結合させる第1後処理装置(図示省略)をさらに含み得る。この場合、例えば、集積台7上に形成された極細フィラメント51の集積体が集積台7から前記第1後処理装置に移送され、前記第1後処理装置が極細フィラメント51の前記集積体を加熱及び加圧する。これにより、極細フィラメント51の前記集積体に含まれる極細フィラメント51同士が適度に結合されて不織布NWが形成され得る。
また、極細フィラメントの製造装置1で製造された極細フィラメント51は、集積台7上にあらかじめ配置された基材(図示省略)の上に集積されてもよい。この場合、不織布の製造装置10は、前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の集積体とを結合させる第2後処理装置(図示省略)をさらに含む。例えば、前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の前記集積体とが集積台7から前記第2後処理装置に移送され、前記第2後処理装置が前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の前記集積体とを加熱及び加圧する。これにより、前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の前記集積体とが結合されて前記基材と極細フィラメント51とからなる複合不織布が形成され得る。
[第2実施形態]
図7は、本発明の第2実施形態に係る極細フィラメントの製造装置11の要部の概略構成を示す図である。第2実施形態に係る極細フィラメントの製造装置11は、ほぼ同時に複数の極細フィラメントを製造可能に構成されている。なお、上述の第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1と共通する要素については同一の符号を用いてその説明は省略する。
図7に示されるように、第2実施形態に係る極細フィラメントの製造装置11は、原フィラメント供給装置12と、圧縮空気供給装置13と、複数のノズル4−1〜4−nと、レーザー照射装置15と、を有する。
原フィラメント供給装置12は、原フィラメント50を複数のノズル4−1〜4−nのそれぞれに供給するように構成されている。原フィラメント供給装置12は、複数(ノズルと同数)の供給リール21−1〜21−n、各供給リール21−1〜21−nから引き出された原フィラメント50を各ノズル4−1〜4−nに送り出す送出部22−1〜22−nと、送出部22−1〜22−nを構成する一対の送出ローラを回転駆動する駆動部(図示省略)と、を含む。
圧縮空気供給装置13は、圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気を複数のノズル4−1〜4−nのそれぞれに供給するように構成されている。なお、圧縮空気供給装置13が複数のノズル4−1〜4−nのそれぞれに供給する圧縮空気の圧力は、第1実施形態の場合と同様、0.5〜1.0MPaである。
複数のノズル4−1〜4−nは、図示省略のホルダなどによって鉛直下向きに保持されている。また、複数のノズル4−1〜4−nは、直線状かつ等間隔に配置されている。特に制限されないが、本実施形態において、隣り合うノズル間の距離(ノズル間隔)は、10〜20mmに設定されている。なお、各ノズル4−1〜4−nは、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1に用いられるノズル4と実質的に同じ構成を有している(図2〜図5参照)。
レーザー照射装置15は、それぞれが複数のノズル4−1〜4−nのいずれかを通過した複数の原フィラメント50、すなわち、原フィラメント供給装置12によって供給されてそれぞれが複数のノズル4−1〜4−nのいずれかから繰出された複数の原フィラメント50に対してレーザー光を照射するように構成されている。具体的には、レーザー照射装置15は、各ノズル4−1〜4−nから1〜10mm下の位置で各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50にレーザー光を照射するように構成されている。
各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50は、レーザー照射装置15によるレーザー光の照射によって加熱されて溶融する。また、各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50には、各ノズル4−1〜4−nのテーパ通路451から噴出された圧縮空気が原フィラメント50の軸線方向(すなわち、繰出し方向)に沿って吹き付けられている。このため、溶融した原フィラメント50は、対応するノズルのテーパ通路451から噴出された圧縮空気(すなわち、高速気流)によって軸線方向(繰出し方向)に延伸される。これにより、本実施形態においては、ほぼ同時に複数(ノズルと同数)の極細フィラメント51が形成される。したがって、本実施形態においては、各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50にレーザー光が当たる位置とその下方の所定範囲とを含む領域、すなわち、図7においてハッチングで示される複数(ノズルと同数)の領域16が本発明の「極細フィラメント形成部」に相当する。
ところで、本実施形態において、レーザー照射装置15から出力されたレーザー光の強度は、各領域16においてほぼ等しく低下すると考えられる。ここで、複数のノズル4−1〜4−nは等間隔に配置されているので、レーザー照射装置15から出力されたレーザー光は、レーザー照射装置15からの距離に応じてほぼ比例的に減衰する減衰特性を有していると考えることができる。したがって、前記減衰特性に応じてレーザー照射装置15から出力されるレーザー光のビーム径を設定することにより、具体的には、レーザー照射装置15から離れるほどビーム径を小さく設定することにより、各ノズル4−1〜4−nに対応する位置におけるレーザー光のパワー密度、つまり、各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50に照射されるレーザー光のパワー密度を均一化することが可能である。そして、各ノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50に照射されるレーザー光のパワー密度が均一化されれば、複数のノズル4−1〜4−nの原フィラメント通路426を通して繰出された原フィラメント50から形成される極細フィラメント51のバラツキが抑制され得る。そのため、本実施形態において、レーザー照射装置15は、ビーム中心が複数のノズル4−1〜4−nの配置方向に平行で、かつ、自身から離れるほどビーム径が小さくなる集束性を有するレーザー光(集束性ビーム)を出力するように構成されている。なお、レーザー照射装置15は、例えば、複数のノズル4−1〜4−nの配置方向と平行にレーザー光(ガウシアンビーム)を出射するレーザー発振器と、前記レーザー発振器91出射されたレーザー光を前記集束性ビームに変換するビーム変換器、とを含むように構成され得る。
本実施形態に係る極細フィラメントの製造装置11によれば、複数の極細フィラメント51をほぼ同時に製造することができる。また、本実施形態に係る極細フィラメントの製造装置11においても、上述の第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1と同様の効果が得られる。
図8は、上述の極細フィラメントの製造装置11を含む不織布の製造装置20の一例を示す図である。図8に示されるように、不織布の製造装置20は、極細フィラメントの製造装置11に加えて、極細フィラメントの製造装置11で製造された極細フィラメント51が集積されるコンベア(集積部)17を含む。
図8に示される不織布の製造装置20において、極細フィラメントの製造装置11で製造された極細フィラメント51、より具体的には、極細フィラメントの製造装置11における複数の領域(極細フィラメント形成部)16で形成された極細フィラメント51がコンベア17上に集積される。そして、本実施形態においては、コンベア17上で極細フィラメント51同士が適度に結合することによって極細フィラメント51からなる不織布NWが形成される。好ましくは、例えば負圧吸引装置18によってコンベア17上に集積される極細フィラメント51をコンベア17の裏面側から吸引する。このようにすれば、コンベア17上で不織布NWをより安定して形成することが可能になる。形成された不織布NWは、コンベア17によって紙面手前から奥側へと向かって搬送され、例えば図示省略の巻取りローラによって巻き取られてロール体とされ得る。
ここで、コンベア17上における極細フィラメント51同士の結合が不十分な場合、不織布の製造装置20は、極細フィラメント51同士を適度に結合させる第3後処理装置(図示省略)をさらに含み得る。この場合、前記第3後処理装置は、極細フィラメント51がコンベア17上に集積される位置よりもコンベア17の搬送方向下流側に設けられ、コンベア17によって搬送された極細フィラメント51の集積体を加熱及び加圧し、これによって、極細フィラメント51の前記集積体に含まれる極細フィラメント51同士を適度に結合させて不織布NWを形成するように構成され得る。形成された不織布NWは、コンベア17によってさらに下流側に搬送され、例えば図示省略の巻取りローラによって巻き取られてロール体とされ得る。
また、極細フィラメントの製造装置11で製造された極細フィラメント51は、コンベア17上にあらかじめ配置された基材(図示省略)の上に集積されてもよい。この場合、不織布の製造装置20は、前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の集積体とを結合させる第4後処理装置(図示省略)をさらに含む。前記第4後処理装置は、極細フィラメント51が前記基材上に集積される位置よりもコンベア17の搬送方向下流側に設けられ、コンベア17によって搬送された前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の前記集積体とを加熱及び加圧し、これによって、前記基材と前記基材上に形成された極細フィラメント51の前記集積体とを結合させて前記基材と極細フィラメント51とからなる複合不織布を形成するように構成され得る。形成された複合不織布は、コンベア17によってさらに下流側に搬送され、例えば図示省略の巻取りローラによって巻き取られてロール体とされ得る。
なお、以上では、極細フィラメントの製造装置1、11及び不織布の製造装置10、20について説明したが、これらに限られるものではなく、本発明は極細フィラメント51の製造方法及び/又は不織布の製造方法としても把握され得る。
例えば、極細フィラメント51は、原フィラメント通路426を通して原フィラメント50を繰出す工程(第1工程)と、繰出された原フィラメント50に対して繰出し方向に沿って圧縮空気を吹き付ける工程(第2工程)と、前記圧縮空気が吹き付けられた原フィラメント50にレーザー光を照射し、原フィラメント50を加熱して溶融させつつ延伸して極細フィラメント51を形成する工程(第3工程)と、を含む製造方法によって製造されると把握され得る。
また、例えば、極細フィラメント51を含む不織布は、前記第1〜第3工程に加えて、形成された極細フィラメント51を集積する工程(第4工程)を含む製造方法によって、必要に応じて、集積された極細フィラメント51同士を結合させる工程(第5工程)をさらに含む製造方法によって製造されると把握され得る。
[本発明と従来技術との比較]
本発明者らは、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1及び従来の極細フィラメントの製造装置で極細フィラメントを製造し、(1)原フィラメントが極細化するときの状態(紡糸状態)、(2)製造された極細フィラメントの直径(繊維径)分布、(3)ノズルの汚れ、及び、(4)溶融樹脂の塊(樹脂塊)の発生状況を比較した。
ここで、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1及び従来の極細フィラメントの製造装置の双方において、1670dT/50Fのポリプロピレンマルチフィラメントが原フィラメントとして用いられ、原フィラメントの供給速度は0.5m/minであり、共通のレーザー照射装置が用いられている。また、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1において、圧縮空気供給装置3は0.5MPaの圧縮空気をノズル4に供給し、従来の極細フィラメントの製造装置において、原フィラメント供給室の圧力は0.1MPaであり、延伸室の圧力は0.01MPaであり、オリフィスに相当するノズルが用いられている。
「紡糸状態」
図9は、本発明における紡糸状態と従来技術における紡糸状態とを比較して示す図であり、図9(A)は、本発明における紡糸状態の一例である第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1における紡糸状態を示し、図9(B)は、従来の極細フィラメントの製造装置における紡糸状態を示している。
図9(A)に示されるように、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1においては、溶融した原フィラメントが揺動(振動)することなく、すなわち、非揺動状態で延伸されて極細フィラメントが製造される。一方、図9(B)に示されるように、従来の極細フィラメントの製造装置では、溶融した原フィラメントが比較的大きく揺動(振動)して、すなわち、揺動状態で延伸されて極細フィラメントが製造される。
原フィラメントの揺動(量)は、溶融した原フィラメントの延伸に影響を与える。したがって、極細フィラメントを安定して製造するためには、溶融した原フィラメントの揺動量を制御しなければならず、そのための工夫が必要になる。また、溶融した原フィラメントの揺動量が大きくなると、溶融樹脂の飛沫がノズルや周囲に付着してこれらを汚すおそれがある。これらのことを考慮すると、本発明は、従来技術に比べて、簡素な構成で極細フィラメントを安定して製造することができると共に、ノズル等のクリーニング頻度を低減することが可能であるといえる。
「極細フィラメントの直径(繊維径)」
第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1で製造された極細フィラメントの直径(繊維径)は220±110nmであり、従来の極細フィラメントの製造装置で製造された極細フィラメントの直径(繊維径)は270±140nmであった。つまり、本発明は、従来技術と同等かそれ以下の直径(繊維径)の極細フィラメントを製造できることが確認された。
「ノズルの汚れ」
図10は、本発明におけるノズルの汚れと従来技術におけるノズルの汚れとを比較して示す図であり、図10(A)は、本発明におけるノズルの汚れの一例である第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1におけるノズルの先端部の汚れを示し、図10(B)は、従来の極細フィラメントの製造装置におけるノズルの先端部の汚れを示している。なお、図10(A)、(B)は、いずれも15分間連続して極細フィラメントを製造した直後のノズルの先端部の汚れを示している。
図10(A)に示されるように、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1では、ノズルの先端部に溶融樹脂の飛沫の付着はほとんどなかった。一方、図10(B)に示されるように、従来の極細フィラメントの製造装置では、ノズルの先端部に多くの溶融樹脂の飛沫が付着していた。これらのことから、本発明によれば、従来技術に比べて、ノズルのクリーニング頻度を大幅に低減することができ、さらに言えば、従来技術でノズルのクリーニングに要していた時間を極細フィラメントの製造に割り当てることが可能になるといえる。
「樹脂塊の発生状況」
図11は、本発明における樹脂塊の発生状況と従来技術における樹脂塊の発生状況とを比較して示す図であり、図11(A)は、本発明における樹脂塊の発生状況の一例である第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1で製造された極細フィラメント及び発生した樹脂塊を示し、図11(B)は、従来の極細フィラメントの製造装置で製造された極細フィラメント及び発生した樹脂塊を示している。
図11(A)、(B)から明らかなように、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1では、従来の極細フィラメントの製造装置に比べて、樹脂塊の発生量が大幅に減少すると共に発生する樹脂塊の大きさも小さいことが確認された。具体的には、第1実施形態に係る極細フィラメントの製造装置1における樹脂塊の発生量は、従来の極細フィラメントの製造装置における樹脂塊の発生量の1/3以下であり、特に直径が10μm以上の比較的大きな樹脂塊の発生量が大幅に減少していた。なお、原フィラメントの供給速度を増加させた場合も同様の結果が得られた。これらのことから、本発明によれば、従来技術に比べて、樹脂塊の発生量を大幅に低減することができ、その結果、原フィラメントの供給速度を増加させて極細フィラメントの生産性を高めることが可能になるといえる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
1…極細フィラメントの製造装置、2…原フィラメント供給装置、3…圧縮空気供給装置、4…ノズル、5…レーザー照射装置、10…不織布の製造装置、11…極細フィラメントの製造装置、12…原フィラメント供給装置、13…圧縮空気供給装置、15…レーザー照射装置、20…不織布の製造装置、41…外側ノズル部、42…内側ノズル部、43…固定部材、50…原フィラメント、51…極細フィラメント、412…導入孔(圧縮空気導入部)、426…原フィラメント通路、426a…原フィラメント通路の入口、426b…原フィラメント通路の出口、451…テーパ通路(圧縮空気噴出部)

Claims (9)

  1. 原フィラメントが通過する原フィラメント通路と圧縮空気が導入される圧縮空気導入部と前記原フィラメント通路の出口側近傍に設けられて前記圧縮空気導入部から導入された圧縮空気が噴出する圧縮空気噴出部とを有するノズルと、
    前記ノズルの前記原フィラメント通路を通過した原フィラメントに対してレーザー光を照射するレーザー照射装置と、
    前記レーザー光の照射によって溶融した原フィラメントを前記ノズルの前記圧縮空気噴出部から噴出した圧縮空気によって延伸して極細フィラメントを形成する極細フィラメント形成部と、
    を含み、
    前記圧縮空気噴出部は、前記原フィラメント通路の出口側の部位を囲繞するように形成され、且つ、出口端に向かって前記原フィラメント通路の中心線に近づくように傾斜した通路として形成されている、極細フィラメントの製造装置。
  2. 前記原フィラメント通路は、入口側から出口側に向かって鉛直方向に延びている、請求項1に記載の極細フィラメントの製造装置。
  3. 前記原フィラメント通路は、入口側から出口側に向かって徐々に又は段階的に縮径している、請求項2に記載の極細フィラメントの製造装置。
  4. 前記原フィラメント通路に対する前記圧縮空気噴出部の傾斜角が5〜20度である、請求項1〜3のいずれか一つに記載の極細フィラメントの製造装置。
  5. 前記ノズルが大気圧下に配置されると共に、前記圧縮空気の圧力が0.5〜1.0MPaである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の極細フィラメントの製造装置。
  6. 複数の前記ノズルが直線状に配置され、
    前記レーザー照射装置は、それぞれが複数の前記ノズルのいずれかを通過した複数の原フィラメントに対してレーザー光を照射するように構成されており、
    前記レーザー照射装置は、自身から離れるほどビーム径が小さくなると共に複数の前記ノズルの配置方向に平行な集束性ビームを出力するように構成されている、
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の極細フィラメントの製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の極細フィラメントの製造装置と、
    前記極細フィラメントの製造装置における前記極細フィラメント形成部で形成された極細フィラメントが集積される集積部と、
    を含む、不織布の製造装置。
  8. 原フィラメント通路を通して原フィラメントを繰出すこと、
    繰出された原フィラメントに対して圧縮空気噴出部から噴出された圧縮空気を繰出し方向に沿って吹き付けること、
    圧縮空気が吹き付けられた原フィラメントにレーザー光を照射し、原フィラメントを加熱して溶融させつつ延伸して極細フィラメントを形成すること、
    を含み、
    前記圧縮空気噴出部は、前記原フィラメント通路の出口側の部位を囲繞するように形成され、且つ、出口端に向かって前記フィラメント通路の中心線に近づくように傾斜した通路として形成されている、極細フィラメントの製造方法。
  9. 請求項8に記載の極細フィラメントの製造方法と、
    形成された極細フィラメントを集積する工程と、
    を含む、不織布の製造方法。
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