JP2009108422A - ポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法 - Google Patents

ポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法 Download PDF

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直一 佐々木
Yukiko Ogushi
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Abstract

【課題】経緯の引張強度差が少なく、弾性回復性に優れたポリウレタンナノファイバー不織布が得られる、静電紡糸法を用いたポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法を提供すること。
【解決手段】ノズル10と、このノズル10から噴出されたポリウレタン樹脂を集積するコレクタ12と、ノズル10およびコレクタ12間に電圧を印加し得る電圧印加手段13と、を備えた静電紡糸装置1を用い、例えば、ノズル10を上下方向Aおよび/または水平方向Bなどに直線的に移動させながらポリウレタン樹脂溶液11を噴出させ、かつ、コレクタ12を、その面の中心軸12Bを回転軸として回転させてノズル10から噴出されたポリウレタン樹脂を集積し、ポリウレタンナノファイバー不織布を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法に関し、さらに詳述すると、静電紡糸法を用いたポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法に関する。
ポリウレタン不織布は、優れた伸縮性および柔軟性を備えているため、使い捨て手袋や、創傷包帯などの身体の動きに対する追随性や伸縮性が要求される製品や、フィルタなどに広く用いられている。
このポリウレタン不織布は、一般的に、メルトブロー法や、メルトブロー繊維を加工する手法により製造されている(特許文献1:特許第2711257号公報、特許文献2:特開平6−158497号公報、特許文献3:特許3098681号公報、特許文献4:特許2766474号公報、特許文献5:特許第3255615号公報等参照)。
しかし、メルトブロー法により得られたポリウレタン不織布や、メルトブローウレタン繊維を加工して得られたポリウレタン不織布は、ウレタン繊維間の接着が不十分であるという欠点を有している。すなわち、これらの不織布は、引き伸ばされた場合、繊維破断前に繊維間接着が剥がれ、繊維がほつれて不織布の形状が崩れ易いという問題がある。
このため、これらの不織布を、その伸縮性を利用した用途に用いるにあたっては、繊維のほつれの生じない範囲の伸度で使用する必要があるが、一般の使用者がその伸長度合いを見極めることは困難である。
また、いずれも繊維径が1μm超であるため、フィルタとして用いた場合、直径1μm以下の微小粒子を捕集することは難しい。
一方、近年、ポリウレタン不織布の製造法として、静電紡糸法が用いられるようになってきている(特許文献6:米国特許第4,043,331号明細書,特許文献7:特開2006−501373号公報等参照)。
この静電紡糸法で得られたポリウレタン不織布では、ナノファイバーの領域まで繊維径を細くすることが可能であり、また、繊維間接着強度もメルトブロー不織布に比べれば大きいという利点を有している。
ところで、静電紡糸装置は、特許文献8(特開2005−200779号公報)に示されるように、静電紡糸用ドープを装入したノズル付きシリンダと、不織布を堆積するコレクタとを適切な距離で配置して構成される。
このノズルと、コレクタとの間に、通常は、ノズルを正に帯電させ、コレクタを負に帯電させるように電圧を印加し、ノズルおよびコレクタ間に生じた電場にドープを噴出させる。すると、噴出されたドープは、コレクタに到達する間にその中の溶媒(の大部分)が蒸発し、樹脂が繊維状に固化してコレクタ上に堆積することになる。
この手法により、不織布を製造する場合、特許文献9(特開2005−29931号公報)に記載されているように、ドラム状コレクタを回転する等の手法にてコレクタを一方向に移動させつつ、ノズルをコレクタ移動方向と直交する方向に往復させて繊維の分散性を高め、不織布の面積を確保することが一般的である。
しかし、このようにノズルとコレクタとをそれぞれ直交する方向に移動させるだけでは、繊維が一定の方向に揃い易くなる。
すなわち、ノズルの往復移動に伴って、繊維がコレクタ移動方向に対して右上がりに傾斜して並ぶ領域と、同じく右下がりに傾斜して並ぶ領域とが交互に連続して存在する不織布となり、経緯の引張強度に大きな違いが生じてしまうという問題がある。
特許第2711257号公報 特開平6−158497号公報 特許第3098681号公報 特許第2766474号公報 特許第3255615号公報 米国特許第4,043,331号明細書 特開2006−501373号公報 特開2005−200779号公報 特開2005−29931号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、経緯の引張強度差が少なく、弾性回復性にも優れたポリウレタンナノファイバー不織布が得られる、静電紡糸法を用いたポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、静電紡糸装置におけるノズルおよびコレクタのいずれか一方を円運動させ、他の一方を直線運動させることで、コレクタ上に集積されたフィラメントが同一方向に揃うことを防止でき、経緯の引張強度がほぼ同等のポリウレタンナノファイバー不織布が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法は、ポリウレタン樹脂溶液を噴出するノズルと、このノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積するコレクタと、これらのノズルおよびコレクタ間に電圧を印加し得る電圧印加手段と、を備えた静電紡糸装置を用いたポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法において、ノズルを、その先端の軌跡が円を描くように移動させながらポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、コレクタを直線的に移動させてノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積するもの、またはノズルを直線的に移動させながらポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、コレクタを回転させてノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積するものである。
このように、ノズルおよびコレクタのいずれか一方を円運動させ、他方を直線的に移動させることで、フィラメントが同じ方向に揃うことなくフィラメントの集積物である不織布が作製される。
すなわち、不織布を構成するフィラメントが、どの方向に対しても同程度の方向性のばらつきを有することになる結果、どの方向へ伸長しても、ほぼ同等の引張強度が得られる。
また、静電紡糸法では、コレクタ到達直後のウレタン樹脂フィラメントの表面には接着能力が存在するため、集積した多数のウレタン樹脂フィラメントは、それらの交差部分において接着する。このようなフィラメント同士の接着は、不織布の網目構造の維持や、引張強度および引裂強度等の向上に寄与している。
このように、本発明のポリウレタンナノファイバー不織布は、フィラメントが不揃いであること、およびフィラメント同士が接着していることにより、目付のズレが無く、どの方向の伸長に対しても同等の引張強度および引裂強度を発揮するものである。
本発明の製造方法において、ノズルをその先端の軌跡が円を描くように移動させ、コレクタを直線的に移動させる場合、当該コレクタは、コレクタ面がノズルの軌跡で構成される面と略平行を保つように直線的に移動させることが好ましい。
このようにすることで、ノズル先端と、コレクタとの距離がほぼ一定に保たれるため、不織布中におけるフィラメントの偏りが少なくなり、得られた不織布の厚みや引張強度のばらつきがより少なくなる。
ノズル先端の軌跡が円を描くように移動させる手法としては、例えば、ノズルを、初期状態でのコレクタ面の中心軸を回転軸とした回転運動をさせる手法や、ノズルを、同中心軸上の一点を中点として、放射状に移動させる手法などが挙げられる。
また、静電紡糸装置は、一般に、ノズルへ送る樹脂溶液を貯めておくシリンダを有しており、ノズルは通常このシリンダの底面に設けられているが、本発明ではノズルを側面に設け、シリンダをその中心軸を回転軸として回転させてもよい。このような機構とすることで、従来の静電紡糸装置にわずかな改良を加えるだけで、ノズルの回転移動を行えるようになる。
直線的に移動させるコレクタとしては、板状のものを用いて一枚の不織布を形成するごとに交換してもよいが、製造効率を高めるために、ドラム状コレクタや、帯状コレクタを用い、連続的に不織布を作製することが好ましい。
一方、ノズルを直線的に移動させ、かつ、コレクタを回転させる場合、ノズルについては、その先端がコレクタの面と等距離を保つように往復移動させることが好ましく、コレクタについては、その面の中心軸を回転軸とする回転運動をさせることが好ましい。
このような構成とすることで、この場合もコレクタとの距離がほぼ一定に保たれるため、不織布中におけるフィラメントの偏りが少なくなり、得られた不織布の厚みや引張強度のばらつきがより少なくなる。
また、ノズルの直線的移動は、コレクタの回転軸上の一点を中心とする往復運動とすることが好ましく、このようにすることで、不織布中でのフィラメントの偏りがより一層少なくなる。
さらに、より面積の広い不織布を作製する必要がある場合、ノズルをジグザグ移動させてもよい。すなわち、ノズルを往復移動させる態様において、ノズルが、その往復移動両端に位置したときに、その移動方向と直交する単一方向に直線的に移動させてジグザグ移動させれば、コレクタ上の全体に満遍なくフィラメントが堆積され、より大面積の不織布を、フィラメントの偏りなく、容易に作製することができる。
本発明の製造方法は、上述した静電紡糸装置を用いて、静電紡糸によりポリウレタンナノファイバー不織布を製造するものである。
ここで、静電紡糸法は、電界中で、帯電した静電紡糸用ドープ(樹脂溶液)を曳糸しつつ、その電荷の反発力によりドープを破裂させ、樹脂からなる極微細な繊維状物を形成する方法である。
具体的には、ポリウレタン樹脂溶液を噴出するノズルを一方の電極とし、コレクタを他方の電極とし、電圧印加手段により、ポリウレタン樹脂溶液に数千から数万ボルトの高電圧を印加すると、ポリウレタン樹脂溶液がノズルから吐出され、電界中で高速ジェットおよびそれに引き続くジェットの折れ曲がりや膨張によってナノファイバーになり、コレクタ表面上に堆積し、ナノファイバー不織布が得られる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の組成およびその製造方法等は、特に制限されるものではない。
例えば、ポリオールと過剰モル量のジイソシアネートを反応させ、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン中間重合体を製造し、この中間重合体のイソシアネート基と容易に反応し得る活性水素を有する低分子量ジアミンや低分子量ジオールを不活性な有機溶剤中で反応させてポリウレタン溶液(ポリマー溶液)を製造する方法や、ポリオールとジイソシアネートと低分子量ジアミンまたは低分子量ジオールとを反応させたポリマーを固化させて得られたポリウレタン重合体チップまたはペレットを溶剤に溶解させる方法等が挙げられる。
上記ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコール等を用いることができる。
ポリエーテルグリコールとしては、末端にヒドロキシル基を有する数平均分子量400〜5,000の線状高分子体が挙げられる。その具体例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)と3−メチルテトラヒドロフラン(3−MeTHF)との共重合体である変性PTMG、THFと2,3−ジメチルテトラヒドロフランとの共重合体である変性PTMG、炭素原子数1〜8の直鎖状またはランダム状にエーテル結合している共重合ポリアルキレンジオール等のポリエーテルジオール、環状エーテル(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、トリメチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等)の開環重合によって得られるポリエーテルジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコールの重縮合により得られるポリエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエステルグリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等のグリコール類から選ばれる少なくとも1種と、コハク酸、マロン酸、グルタール酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸等の二塩基酸類から選ばれる少なくとも1種との重縮合によって得られるポリエステルグリコール;ε−カプロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類の開環重合により得られるポリエステルグリコール等が例示される。
ポリカーボネートグリコールとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート;ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート等から選ばれる少なくとも1種の有機カーボネートと、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等から選ばれる少なくとも1種の脂肪族ジオールとのエステル交換反応によって得られるカーボネートグリコール等が挙げられる。
以上で例示したポリエーテルグリコール、ポリエステルグリコール、ポリカーボネートグリコールは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、ジイソシアネートとしても特に限定されるものではなく、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香脂肪族系等の任意のジイソシアネートを使用することができる。
その具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メタ−テトラメチルキシレンジイソシアネート、パラ−テトラメチルキシレンジイソシアネート等が挙げられ、これらは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好適である。
鎖延長剤である低分子量ジオールや低分子量ジアミンは、反応速度が適当であり、適度な耐熱性を与えるものが好ましく、イソシアネートと反応し得る2個の活性水素原子を有し、一般に分子量が500以下の低分子量化合物が使用される。
低分子量ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、キシリレングリコール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、3,3−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、イソホロンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン、ジヒドラジドトリメチロールプロパン、グリセリン、2−メチルプロパンジオール等が挙げられる。
低分子量ジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ブタンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ヒドラジン等が挙げられる。
なお、低分子量ジオールと低分子量ジアミンとを併用することもできる。
ポリウレタン重合反応に用いられる不活性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒が挙げられる。
また、静電紡糸用のポリウレタン樹脂溶液調製用の溶媒としても、上記と同様の溶媒を用いることができる。
本発明の製造方法は、上述のように、ノズルおよびコレクタのいずれか一方を円運動させ、他方を直線運動させて静電紡糸するものであるため、コレクタ上に集積されたフィラメントが同一方向に揃うことを防止でき、得られたポリウレタンナノファイバー不織布は、経緯の引張強度がほぼ同等になるものであり、具体的には、経緯の引張強度比を1.3以下とすることができる。なお、本発明において、経緯の強度値が異なる場合の引張強度比は、経緯の強度値のうち、小さい値で大きい値を除したものである。
また、弾性に関しては、ウレタン樹脂の種類、ウレタン樹脂組成(ブレンド)、原料組成、重合度などにより、調整が可能であるが、元来ウレタン樹脂は弾性体であるのが特徴であり、通常100%以上の弾性を示す。
しかし、その弾性回復力は、フィラメント間の接着が大きく寄与するものであり、本発明の製造方法で得られたポリウレタンナノファイバー不織布は、100%伸長回復力が、95%以上と高い弾性回復力を示す。
このような特性を有している本発明のポリウレタンナノファイバー不織布は、払拭シート、マスク、フィルタ、濾過材、有害物質除去製品、手袋、雑巾、ワイパ、マット、カーシート、天井材、壁紙、オムツ、病院用ガウン、医療従事者用衣服、シーツ、包装材、芯地、育苗ポット、育苗マット、土木建築材、パンティーストッキング,靴下,タイツなどのレッグ関連商品、ブリーフ,トランクス,肌着,ガードル,ブラジャー,スパッツ,水着,手袋など肌に直接装着するインナー類、セーター,ベスト,トレーニングウェア,レオタード等の中衣類、スキー,野球等の各種スポーツ関連衣類、パジャマ,ガウン,シーツ,布団生地,タオルケット等の寝装類などに好適に使用できる。
特に、本発明の不織布をフィルタとした場合、直径30nmの塩化ナトリウム粒子をほぼ100%捕集することができるほどの捕集能力を発揮し得る。
本発明によれば、引張強度と弾性回復能力に優れ、引張緩和操作をしても不織布としての形状を維持することができる、すなわち、多孔を有するとともに、この多孔を伸長緩和後も維持し、微細なものの捕集能力を維持し得るポリウレタンナノファイバー不織布を提供できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る静電紡糸装置1は、図1に示されるように、ノズル10と、このノズル10から噴出されたポリウレタン樹脂を集積するコレクタ12と、ノズル10およびコレクタ12間に電圧を印加するための電圧印加手段である高圧電源13を備えている。
ここで、ノズル10は、ポリウレタン樹脂溶液が装填されたシリンダ14の先端(底面)に取り付けられている。
シリンダ14は、これを支持する支持部材20で支持されている。
この支持部材20は、スライド溝21Aを有する基材21と、アーム部材22とから構成されている。
アーム部材22は、基材21のスライド溝21Aに水平方向Bに往復自在に嵌め込まれたスライド板22Aと、このスライド板22A上に立設された、第1および第2のヒンジ221A,221Bにより上下方向Aに移動可能に構成されたアーム22Bとを備えている。
また、アーム22Bの先端には、第3のヒンジ221Cにて保持部23が、角度を調節可能に取り付けられている。
この保持部23には、上述したシリンダ部14を固定するための一対の固定部23Aが設けられており、この固定部23Aにて、ノズル10(シリンダ14)が保持固定される。
この支持部材20に支持されたノズル10(シリンダ14)は、上述した第1および第2のヒンジ221A,221B並びにスライド溝21Aおよびスライド板22によって、上下方向Aおよび水平方向Bの両方向に自在に移動することができる。この際、ノズル10の移動速度は、特に限定されるものではなく、作製する不織布の大きさや、コレクタ12の回転速度などに応じて適宜設定することができ、例えば、50〜150mm/s程度とすることができる。
なお、上記スライド板22Aおよびアーム22Bは、図示しない制御機構によりその移動が制御され、上下方向Aおよび水平方向Bの動きを設定することで、ノズルの軌跡を所望のものとすることができる。
一方、コレクタ12は、板状に形成されており、その裏面12Aの中心部には、コレクタ12の平面と直交する態様でシャフト15が取り付けられている。このシャフト15は、図示しない回転駆動手段に接続されており、これにより、コレクタ12は回転自在な構成とされている。
この際、コレクタ12の回転方向は任意である。また、その回転速度も特に限定されるものではなく、例えば、1〜10rpm程度とすることができる。
この静電紡糸装置1を用いて静電紡糸を行うにあたっては、ポリウレタン樹脂溶液を噴出させる際に、コレクタ12を、コレクタ12面の中心軸12Bを回転軸として一定方向(例えば、図1のR方向)に回転させた状態で、ノズル10の先端がコレクタ12面と略等距離を保つように、ノズル10を上下方向Aおよび水平方向Bのいずれか一方向のみに往復移動させてもよいが、上下方向Aと水平方向Bの双方向の移動を組み合わることが好適である。
例えば、図2に示されるように、ノズル10を、上下方向Aの一方向に移動させた後、これと直交する水平方向Bに所定距離移動させ、その後、上下方向Aの他の一方向に移動させた後、先と同様の水平方向に移動させるなどにより、ジグザグ移動させる手法、すなわち、ノズル10の往復移動の両端において、この移動方向と直交する単一方向に直線的に移動させる手法が好ましい。なお、往復移動は、水平方向Bに沿って行ってもよい。
この際、ノズル10の初期位置は、特に限定されるものではないが、コレクタ12全面において、フィラメントの偏りなく不織布を形成するためには、コレクタ12の端縁近傍とすることが好ましく、本実施形態のように矩形状のコレクタ12の場合は、その初期状態における角隅部(頂点)近傍とすることが好ましい。また、その移動軌跡の形状も特に限定されるものではないが、フィラメントの偏りを少なくするためには、図2に示されるように、回転軸上の点Mを通過する態様が好ましい。
このような操作により、コレクタ12の面上に、ノズル10から噴射されたポリウレタン樹脂溶液11から生じたフィラメントがランダムに集積され、ポリウレタンナノファイバー不織布が形成される。
[第2実施形態]
本実施形態では、上述した第1実施形態と同一部材には、同一符号を付すのみで、その説明を省略する。
図3には、本発明の第2実施形態に係る静電紡糸装置2が示されている。
静電紡糸装置2では、ノズル10が、シリンダ14の側面に、シリンダ14の中心軸に直交する方向に設けられている。また、シリンダ14の基部には、シリンダ14の中心軸に沿う方向にシャフト16が取り付けられている。このシャフト16は、図示しない回転駆動手段に接続されており、これにより、シリンダ14(ノズル10)は自在に回転可能に構成されている。
一方、コレクタ22は、シート(フィルム)状に形成されており、供給ロール23から、機械方向MDへ繰り出されて第1および第2支持ロール25,26へ供給され、さらに、巻取ロール24に巻き取られる。また、第1および第2支持ロール25,26は、コレクタ22の2つの支持ロール25,26間の面が、ノズルの軌跡で構成される面(円)と略平行を保つように配置されている。
本実施形態において、シリンダ14(ノズル10)の回転方向は任意である。また、その回転速度も特に限定されるものではなく、コレクタ22の移動速度等に応じて適宜設定することができ、例えば、100〜2,500rpm程度とすることができる。
また、コレクタ22の繰り出し速度(移動速度)も特に限定されるものではなく、作製する不織布の大きさや厚みなどに応じて適宜設定することができ、例えば、100〜1,000mm/s程度とすることができる。
この静電紡糸装置2を用いて静電紡糸を行うにあたっては、ポリウレタン樹脂溶液を噴出させる際に、シリンダ14をその中心軸(シャフト16)を回転軸とし、一定方向(例えば、図3のR′方向)に回転運動させつつ、コレクタ22を、供給ロール23から繰り出し、第1および第2支持ロール25,26上を移動させて巻取ロール24で巻き取ればよい。
図4に示されるように、上記シリンダ14の回転運動により、ノズル10の先端は円軌道10Aを描くように移動し、一方、コレクタ22は、円軌道10Aで構成される面と略平行を保ちながら機械方向MDに沿って直線移動する。そして、2つの支持ロール25,26間で、ノズル10から噴射されたポリウレタン樹脂溶液11から生じたフィラメントがランダムにコレクタ22上に集積され、ポリウレタンナノファイバー不織布が連続的に作製される。
なお、上記第1実施形態では、ノズル10の直線移動を上下方向Aおよび水平方向Bに移動可能に構成された接地式のアーム部材20により行っていたが、これに限られず、例えば、上下方向および/または水平方向に移動可能に構成された懸垂式のアーム部材を用いてもよい。
上記第2実施形態では、ノズル10をシリンダ14の側面に取り付けて、ノズル10の先端が円軌道10Aを描くように構成していたが、これに限られず、第1実施形態と同様にノズルをシリンダの先端に取り付け、シリンダを、その中心軸に沿ったその他の軸を周回させてもよい。
また、ノズルの先端が円軌道を描く態様としては、図5に示されるように、ノズル10の先端を、コレクタ22の中心軸上の一点を中点M′として放射状に移動させるものでもよい。
さらに、上記第2実施形態では、コレクタ22としてフィルム状のものを用い、連続的に静電紡糸を行える構成としていたが、これに限られず、板状のコレクタを用い、逐次静電紡糸を行う構成としてもよい。
その他、各部材を構成する具体的な形状・構造等は、上記説明のものに限定されず、本発明の目的を達成できる限りにおいて、適宜変更することができる。
以下、製造例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の各実施例、比較例における評価項目は下記手法にて実施した。
[1]平均繊維径
試料表面を走査型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製「S−4800I」)により撮影倍率5,000倍で撮影して得た写真から、無作為に20箇所を選んで繊維径を測定した。全ての繊維径の平均値(n=20)を求めて平均繊維径とした。
[2]不織布の厚み
デジタルシックネスゲージ((株)テクロック製「SMD−565」)を用いて、測定力1.5Nにより、無作為に試料上の5箇所を選んで厚みを測定した。全ての厚みの平均値(n=5)を求めて、不織布の厚みとした。
[3]不織布の目付
試料の質量を測定し、平方メートル当たりに換算した。
[4]引張強度および100%伸長回復率
「JISL1096の8.12引張強さ及び伸度率」に準じ、サンプルサイズ幅25mm、長さ140mm以上の試験片を経緯にそれぞれ5片ずつ切り出し、つかみ間隔10mm、伸長速度150mm/minで、インストロンコーポレーション社製INSTRON5582にて引張強度とその100%伸長回復力を測定した。経緯それぞれの引張強度および100%伸長回復率を、5片の試験片の平均値から求めた。
本発明の静電紡糸で得られる不織布は経緯が既定されているわけではないので、不織布の経緯の試験片を以下のように定めた。得られた試験片の4つの角部辺りと中央部から、試験片をその長辺が平行になるように5片切り出して、経方向の試験片とした。残りの不織布の四つの角部辺りと中央部から、試験片をその長辺と、上述の経方向の試験片の切り出し跡の長辺とが直角になるように5片切り出して、緯方向の試験片とした。
[5]接触角
協和界面科学株式会社製DoropMaster自動接触角計DM300を用い、蒸留水との接触核を10点測定し、その平均を接触角とした。
[6]窒素含有量(N質量%)
合成組成から、下記式により窒素含有量を算出した。
窒素含有量(N質量%)=(有機ジイソシアネートのモル数×2×14/全質量)×100
[製造例1]エーテル系ポリウレタンペレット(N質量%:2.8)の製造
ポリテトラメチレングリコール(数平均分子量1,950、PTMG2000、保土ヶ谷化学工業(株)製)697質量部と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)253質量部とを、窒素ガスでシールされた系中、80℃で1時間攪拌しつつ反応させた後、低分子量ジオールである1,4−ブタンジオール50質量部をさらに注入し、ポリウレタンを得た。このポリウレタンに残存しているNCO基含有率は0.8質量%であった。
このエーテル系ポリウレタンを、40℃,相対湿度80%の部屋で3日間固相反応させた。170℃に加温したエクストルーダーで均一に混合した後、毎分400gの吐出量で水中に押し出し、ペレタイザーを用いて径3mmの円柱状にカットし、エーテル系ポリウレタンペレットを得た。
[製造例2]エステル系ポリウレタンペレット(N質量%:3.0)の製造
アジピン酸(和光純薬工業(株)製)およびエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)を1:1.2のモル比で混合し、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートの存在下、140〜220℃で脱水エステル化反応を行い、ポリエチレンアジペートジオール(数平均分子量2,000)を得た。
このポリエチレンアジペートジオール3,400質量部とジイソシアネート成分であるMDI1,350質量部、窒素ガス雰囲気中、110℃で60分間撹拌して反応させ、両末端NCO基プレポリマーを合成した。得られた両末端NCO基プレポリマーに鎖延長剤である1,4−ブタンジオール250質量部を加えて15分撹拌反応させ、ポリウレタンを得た。このポリウレタンに残存しているNCO基含有率は1.5質量%であった。
このポリウレタンを100℃で24時間加熱処理し、フレーク状に粉砕した後に、50℃、60%の雰囲気下で3日間熟成させた。170℃に加温したエクストルーダーで均一に混合した後、毎分400gの吐出量で水中に押し出し、ペレタイザーを用いて径3mmの円柱状にカットしてエステル系ポリウレタンペレットを得た。
[製造例3]カーボネート系ポリウレタン溶液(N質量%:2.9)の製造
3−メチル−1,5−ペンタンジオールとジエチルカーボネートから得られるポリカーボネートジオール(数平均分子量2,000)2,000質量部とMDI450質量部とを、窒素ガスでシールされた系中、110℃で1時間攪拌しつつ反応させて、イソシアネート基残基のプレポリマーを合成し、これにDMF(和光純薬工業(株)製)5,582質量部を加えて溶解させた。
一方、鎖延長剤であるエチレンジアミン48質量部と末端封止剤であるジ−n−ブチルアミン10.3質量部をDMF(和光純薬工業(株)製)1,200質量部に溶解して混合溶液を調製し、先のプレポリマー溶液にて滴下しながら加え、固形分27質量%のカーボネート系ポリウレタン溶液を得た。
[製造例4]エーテル系ポリウレタン溶液(N質量%:2.4)の製造
数平均分子量1,900のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)1,900質量部とMDI375質量部を窒素ガス気流中で60℃、90分間撹拌しつつ反応させて、両末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを合成し、これにDMAc4,700質量部を加えてプレポリマー溶液を調製した。
次に、鎖延長剤であるブタンジアミン35.9質量部と、末端封鎖剤であるジ−n−ブチルアミン3.3質量部とをDMAc1,250質量部に溶解したアミン混合溶液を、先のプレポリマー溶液に滴下しながら加え、固形分28質量%のエーテル系ポリウレタン溶液を得た。
[実施例1〜4]
上記製造例1〜4で得られた各ポリウレタンを、DMF(和光純薬工業(株)製)に表1の濃度で溶解し、ウレタンポリマー溶液を得た。
次いで、図1に示した静電紡糸装置1を用い、ノズル10の移動速度、コレクタ12の回転速度、印加電圧、吐出圧力、ノズル10の内口径の諸条件を表1のように設定して静電紡糸を行い、370mm×320mmのポリウレタンナノファイバー不織布を得た。得られた不織布の緯経の引張強度、その経緯比、100%伸張回復率、平均繊維経、厚み、目付、接触角を評価した結果を表2に示す。また実施例1で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図6に示す。
なお、静電紡糸装置1は、ノズル10を上下方向A、水平方向Bに移動でき、コレクタ12を回転できるように、esprayer ES−2300(フューエンス社製)を改造したものである。コレクタ12の大きさは380mm×335mmとした。ノズル10の上下の移動距離(図1で示した上下方向Aの移動距離)は372mmに、水平の移動距離(同水平方向Bの移動距離)は327mmに設定した。ノズル10の移動速度は、図2に矢印A,Bの繰り返しで示した、ノズルの出発点から終点までの移動距離と、その移動に要した時間から算出した。安定して紡糸できる、ノズル10とコレクタ12間の距離は、紡糸に用いるポリマー溶液の、ポリマー種、分子量、濃度、および溶媒種によって変わるので、予め距離を変えて紡糸し、得られる繊維の経が均一で、短い繊維や粒子になることがなく安定して紡糸できる距離を見出して、17cmに設定した。
[比較例1,2]
製造例1,2で得られた各ポリウレタンを、DMF(和光純薬工業(株)製)に表1の濃度で溶解し、ウレタンポリマー溶液を得た。
次いで、表1に示す条件(コレクタ12を回転させない)で静電紡糸を行い、ポリウレタンナノファイバー不織布を得た。得られた不織布について、実施例と同様に評価した結果を表2に示す。また比較例1で得られた不織布の電子顕微鏡写真を図7に示す。
上記実施例1〜4および比較例1,2で作製した不織布について、経緯の引張強度、100%伸長回復力、平均繊維径、厚み、目付を測定した。結果を表2に示す。
表2に示されるように、ノズルをジグザグ移動させるとともに、コレクタを回転させて作製した実施例1〜4のポリウレタンナノファイバー不織布は、経緯の引張強度比が1.3以下であり、引張強度の経緯差が少なく、弾性回復性も経緯の差がなく優れていることがわかる。
これに対し、コレクタを回転させずに作製した比較例1,2のポリウレタンナノファイバー不織布は、経緯の引張強度の差が大きく、特に100%伸長回復率では極端な差があることがわかる。
本発明の第1実施形態に係る静電紡糸装置を示す概略構成斜視図である。 図1の実施形態における、ノズルとコレクタの移動を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る静電紡糸装置を示す概略構成側面図である。 図3の実施形態における、ノズルとコレクタの移動を示す平面図である。 変形例に係るノズルとコレクタの移動を示す図4相当の平面図である。 実施例1で得られた不織布の電子顕微鏡写真を示す図である。 比較例1で得られた不織布の電子顕微鏡写真を示す図である。
符号の説明
1,2 静電紡糸装置
10 ノズル
11 ポリウレタン樹脂溶液
12,22 コレクタ
13 高圧電源(電圧印加手段)
14 シリンダ
15,16 シャフト
20 支持部材

Claims (8)

  1. ポリウレタン樹脂溶液を噴出するノズルと、このノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積するコレクタと、前記ノズルおよびコレクタ間に電圧を印加し得る電圧印加手段と、を備えた静電紡糸装置を用いたポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法であって、
    前記ノズルを、その先端の軌跡が円を描くように移動させながら前記ポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、前記コレクタを直線的に移動させて前記ノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積する、または前記ノズルを直線的に移動させながら前記ポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、前記コレクタを回転させて前記ノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積することを特徴とするポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法。
  2. 前記ノズルを、その先端の軌跡が円を描くように移動させながら前記ポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、前記コレクタを、その面が前記ノズルの軌跡で構成される面と略平行を保つように直線的に移動させて前記ノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積する請求項1記載のポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法。
  3. 前記静電紡糸装置が、前記ポリウレタン樹脂溶液を貯留するシリンダを有し、このシリンダの側面に前記ノズルが設けられており、前記シリンダをその中心軸を回転軸とする回転運動させる請求項2記載のポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法。
  4. 前記ノズルを、その先端が前記コレクタの面と略等距離を保つように往復移動させながら前記ポリウレタン樹脂溶液を噴出させ、かつ、前記コレクタを、その面の中心軸を回転軸とする回転運動をさせて前記ノズルから噴出されたポリウレタン樹脂を集積する請求項1記載のポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法。
  5. 前記ノズルを、前記往復移動の両端において、この移動方向と直交する単一方向に直線的に移動させ、ジグザグ移動させる請求項4記載のポリウレタンナノファイバー不織布の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の製造方法によって得られ、
    経緯の引張強度比が1.3以下であることを特徴とするポリウレタンナノファイバー不織布。
  7. 100%伸長回復力が、95%以上である請求項6記載のポリウレタンナノファイバー不織布。
  8. 接触角が、125°以上である請求項6または7記載のポリウレタンナノファイバー不織布。
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