JP6208453B2 - ポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法 - Google Patents
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また、特許文献2には、微細なものをろ過することができる繊維直径の平均径(以下、平均繊維直径という)が3μm以下のポリウレタンメルトブロー不織布が開示されている。
また特許文献2には平均繊維直径が3μm以下のポリウレタンメルトブロー不織布が記載されているものの、このものは、繊維直径を細くするために、ポリウレタン樹脂を高温で溶融させることで解重合させ、分子量を低下させることで紡糸時のポリマー流動性を高め、繊維直径を細くしている。この場合、平均繊維直径は細くなるが、繊維直径のバラツキは高くなる問題がある。また分子量が低下しているため、耐熱性が劣る。このため、紡糸時に低下した分子量を固相重合により増大させることで耐熱性を向上させているが、繊維直径のバラツキは高いままである。
本発明の第2の発明のポリウレタンメルトブロー不織布によれば、上記の効果に加えて、耐熱性の良好なものを得ることができる。
前記変動係数は繊維直径の測定値より平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で除することにより得られる。この変動係数は小さい程、繊維直径の均一性が高いといえる。
尚、繊維直径の均一性はウェッブまたは不織布を製造した際の目付、厚み、3次元構造、物性値などの均一性に大きく影響し、繊維直径が均一であればより均一なウェッブまたは不織布を製造できる。また、このような均一性の高いものであれば、微細なものをろ過するフィルター用途などにも特に好適である。
これはシュテファン=ボルツマンの法則である放射電熱量が発熱体温度の4乗と被加熱物温度の4乗の差に比例する法則から、熱源温度の高い赤外線照射装置を用いる方が被加熱物をより効率的に加熱できるからである。
吐出されたポリウレタン融液は、高温エアーでメルトブローされ繊維として曳かれ細化し、目的とする直径のポリウレタン繊維1となり、そしてネットコンベア9の上にサクション8で吸引されながら、無秩序に捕捉されたポリウレタンメルトブロー不織布2となる。
原料として、固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を用いて、メルトブローノズル表面に対して、上述のように近赤外線を照射してメルトブローノズル表面を加熱することで、エアーブローによるメルトブローノズル表面温度の低下を抑制しつつ繊維直径が細化し易い状態とし、高温で溶融し解重合させても、分子量を必要以上に低下させずに、平均繊維直径が3μm以下に細化できる。一方、特許文献2のように通常にメルトブローしたものであれば、高温で溶融させ解重合により、分子量が必要以上に低下してしまい、細い繊維直径のものの場合は特に、繊維直径のバラツキが大きくなるという問題が生じ、また、解重合させず分子量低下させない場合は、紡糸時のポリマー流動性が低く、細い繊維直径のものは得られない。本発明では、上述したように近赤外線を照射してメルトブローノズル表面を加熱し、メルトブローノズル表面温度の低下を抑制しているため、繊維直径が細化し易くなり、分子量の低下も抑制されるため、繊維直径のバラツキも小さくなる上、紡糸後に、固相重合せずとも、固有粘度が0.40以上(好ましくは0.45以上)と高い耐熱性の良好なものが得られ易い。
また、近赤外線を照射することによって、メルトブローノズル表面温度を高く保つことで、メルトブロー法においても、均一に繊維を延伸することができ、細い平均繊維直径のものでも、繊維直径のバラツキが少なく、均一性が高いポリウレタンメルトブロー不織布を得ることができる。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力195Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は247℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.573であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径2.00μm、変動係数44%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力276Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は256℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.566であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.96μm、変動係数44%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力325Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は262℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.557であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.83μm、変動係数39%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力420Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は270℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.550であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.73μm、変動係数50%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mmにて常法でメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は215℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.581であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径4.16μm、変動係数31%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度255℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mmにて常法でメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は226℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.520であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径3.32μm、変動係数73%であった。
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度240℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力488Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は280℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.530であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.77μm、変動係数80%であった。
以上詳述したように、本発明のようにメルトブローノズルに赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度をあげることによって、微細なもののろ過に好適な、平均繊維直径が小さく、繊維直径のバラツキが小さいものを得ることができた。またこのものは固相重合せずとも、固有粘度が高く、寸法安定性を有している。
2 ポリウレタンメルトブロー不織布
3 巻取りロール
4 メルトブローノズル
5a、5b 空気流入り口
6a、6b 赤外線照射装置
7 赤外線
8 サクション
9 ネットコンベア
10 エクストルーダ
11 ホッパータンク
12 スクリュー
13 ヒーター付バレル
14 ポリマー管
15 ギヤポンプ
16 モーター
Claims (2)
- ポリウレタン樹脂を、メルトブローノズルを介してメルトブローすることにより繊維化して不織布を製造方法する方法であって、メルトブローノズル表面に対し近赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することを特徴とするポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法。
- 固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を、メルトブローノズルを介してメルトブローすることにより繊維化して不織布を製造方法する方法であって、メルトブローノズル表面に対し近赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することにより、固有粘度0.40以上のポリウレタンメルトブロー不織布を製造することを特徴とする請求項1記載のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法。
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