JP6208453B2 - ポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法 - Google Patents

ポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリウレタンメルトブロー不織布及びその製造方法に関する。
熱可塑性の原料樹脂を溶融紡糸により繊維化し、その繊維を高速の気体によって吹き飛ばして捕集板上でシート状に捕集して不織布を一貫連続して製造する方法は、メルトブロー法といわれており、ポリウレタン樹脂を用いてメルトブロー法により不織布を製造することは、例えば特許文献1に開示されている。
また、特許文献2には、微細なものをろ過することができる繊維直径の平均径(以下、平均繊維直径という)が3μm以下のポリウレタンメルトブロー不織布が開示されている。
特公平1−30945号公報 特許第3098681号
しかしながら、特許文献1は、ポリウレタン樹脂のメルトブロー不織布において、20μm以上の繊維直径の太いものは開示されているものの、このように繊維直径の大きいものは微細なものをろ過することに適したものではない。
また特許文献2には平均繊維直径が3μm以下のポリウレタンメルトブロー不織布が記載されているものの、このものは、繊維直径を細くするために、ポリウレタン樹脂を高温で溶融させることで解重合させ、分子量を低下させることで紡糸時のポリマー流動性を高め、繊維直径を細くしている。この場合、平均繊維直径は細くなるが、繊維直径のバラツキは高くなる問題がある。また分子量が低下しているため、耐熱性が劣る。このため、紡糸時に低下した分子量を固相重合により増大させることで耐熱性を向上させているが、繊維直径のバラツキは高いままである。
したがって、本発明は上記のような問題を解決し、微細なもののろ過に適した、平均繊維直径が細く、繊維直径のバラツキの少ないポリウレタンメルトブロー不織布およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた、本発明の第1の発明のポリウレタンメルトブロー不織布は、前記ポリウレタンメルトブロー不織布を構成する平均繊維直径が3μm以下、繊維直径の変動係数が50%以下であることを特徴とする。
本発明の第2の発明のポリウレタンメルトブロー不織布は、第1の発明に記載のポリウレタンメルトブロー不織布において、固有粘度が0.40以上であることを特徴とする。
また、本発明の第3の発明のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法は、ポリウレタン樹脂をメルトブローノズルを介してメルトブローして繊維化する際に、メルトブローノズル表面に対し赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することを特徴とする。
また、本発明の第4の発明のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法は、固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を、メルトブローノズルを介してメルトブローして繊維化して不織布を製造する方法であって、メルトブローノズル表面に対し赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することにより、固有粘度0.40以上のポリウレタンメルトブロー不織布を製造することを特徴とする。
本発明の第1の発明のポリウレタンメルトブロー不織布によれば、微細なもののろ過に好適な平均繊維直径が細く、繊維直径にバラツキの少ない均一なポリウレタンメルトブロー不織布を得ることができる。
本発明の第2の発明のポリウレタンメルトブロー不織布によれば、上記の効果に加えて、耐熱性の良好なものを得ることができる。
また、本発明の第3の発明のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法は、によれば、メルトブローノズル表面に対し赤外線を照射してメルトブローノズル表面を加熱することで、エアーブローによるメルトブローノズル表面温度低下を抑制し繊維直径が細化し易い状態にすることで、固有粘度が高いポリウレタン樹脂でも、高温で溶融し解重合させ、分子量を必要以上に低下させずとも、メルトブローにより平均繊維直径が3μm以下に細化させることが可能となる。このため、細い平均繊維直径のものでも、繊維直径のバラツキが小さいものを得ることができる。また、メルトブローノズル表面温度を赤外線照射によって高く保つことでメルトブロー法でも均一に繊維を延伸させることができ、平均繊維直径が細いものでも、繊維直径の均一性が高いポリウレタンメルトブロー不織布を得ることができる。
また、本発明の第4のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法によれば、第3の発明の効果に加えて、高粘度のポリウレタン樹脂を用いて、メルトブローノズルを加熱することによりメルトブローすることにより、固有粘度の高いメルトブロー不織布を得ているため、紡糸後に固相重合せずとも、固有粘度が高く、耐熱性の優れたポリウレタンメルトブロー不織布を得ることができる。
図1は本発明のポリウレタンメルトブロー不織布を製造する際に使用する装置の一例の概略構成を示す説明図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布は、不織布を構成する平均繊維直径が3μm以下である。このような小さな繊維直径であれば、微細なものをろ過するフィルター用途などに好適となる。より好ましくは2.5μm以下、さらに好ましくは2.0μm以下である。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布の繊維直径の変動係数は、50%以下である。
前記変動係数は繊維直径の測定値より平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で除することにより得られる。この変動係数は小さい程、繊維直径の均一性が高いといえる。
尚、繊維直径の均一性はウェッブまたは不織布を製造した際の目付、厚み、3次元構造、物性値などの均一性に大きく影響し、繊維直径が均一であればより均一なウェッブまたは不織布を製造できる。また、このような均一性の高いものであれば、微細なものをろ過するフィルター用途などにも特に好適である。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.40以上であり、好ましくは0.45以上である。この固有粘度が0.40以上であると不織布の熱収縮に対する寸法安定性および耐熱性が良好となる。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布を構成するポリウレタン樹脂は、ソフトセグメント部を形成する高分子量のポリオール化合物とハードセグメントを形成する低分子量ジオール化合物および有機ジイソシアネート化合物を重合反応させて得られるポリウレタン樹脂である。
高分子量のポリオール化合物は、重縮合、付加重合、開環重合、または重付加などによって得られる分子量500〜6000の高分子ジオール化合物であり、代表的なものとしてはポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオールまたはこれらの共縮合物(例えば、ポリエステルエーテルジオール) 等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
ポリエステルジオールとしてはプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルプロパンジオールなどの炭素数2〜10のアルカンのジオール化合物またはこれらの混合物とグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等の炭素数4〜12の脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸またはこれらの混合物とから得られる飽和ポリエステルジオール、あるいはポリカプロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコール等のポリラクトンジオールが好ましく使用される。また、ポリエーテルジオールとしてはポリエチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコールなどのポリアルキレンエーテルジオールが好ましく使用される。
低分子量ジオール化合物は分子量が500以下のジオール化合物であり、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタングリコール、3−メチルペンタングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビスヒドロキシエチルベンゼンなどの脂肪族または芳香族ジオールが挙げられる。これらは単独で使用しても2種以上組合せて使用してもよい。
有機ジイソシアネート化合物としては4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族または芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。これらの有機ジイソシアネート化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
また、ヒンダードフェノール系、各種アミン系の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系の光安定剤、アミドワックス、モンタン酸ワックス等の滑剤、各種カルボジイミド化合物等の加水分解防止剤、酸化チタン、ベンガラ等の各種顔料、ガス黄変防止剤等のポリマー添加剤を必要に応じてポリウレタン樹脂に添加してもよい。
ポリウレタン樹脂の重合方法としては、連続溶融重合法、ニーダー法、バットキュア法、ベルト法等の種々の方法があるが、本発明ではいずれの重合方法を使用してもよい。
次に、本発明のポリウレタンメルトブロー不織布の好適な製造方法を、それに用いる装置に基づいて説明する。図1は本発明のポリウレタンメルトブロー不織布を製造する際に使用する装置の一例の概略構成を示す説明図である。
図1に示すとおり、ポリウレタン樹脂はエクストルーダ10によって溶融して押出される。エクストルーダ10は、ヒーター付バレル13にスクリュー12が挿通され、ホッパータンク11が取付けられている。スクリュー12はモーター16にベルトで連結されている。ポリウレタン樹脂がホッパータンク11から投入されると、ヒーター付バレル13で加熱されながらスクリュー12の回転で練られ軟化溶融しつつ進行し、ポリマー管14を通りギヤポンプ15で計量され、メルトブローノズル4から吐出される。
メルトブローノズル4は赤外線照射装置6a、6bから照射された赤外線7で表面を加熱されており、その表面温度は未照射時より30℃〜60℃高い温度であり、好ましくは30℃〜55℃である。尚、このメルトブローノズル表面温度は高温エアーをブローしている状態での温度であり、温度測定は放射温度計を用い、放射率を0.83に設定し測定した。
本発明の赤外線照射装置6a、6bは、例えば、株式会社ハイベック製HEAT BEAM(ハロゲンランプによる近赤外線照射ヒーター)を使用し、適宜出力を調整することができる。また、メルトブローノズル表面を好適な温度まで加熱することが可能であれば他の赤外線照射装置や接触式のヒーター等を使用してもよい。
赤外線照射装置にはセラミックヒーターや炭酸ガスレーザーなどがあるが、金属(SUS)であるメルトブローノズル表面の加熱には、金属体が波長1〜2μmと短い波長域をより多く吸収することや、ヒーター熱源温度が2000℃以上になるハロゲンランプを用いることから近赤外線照射装置がより好ましい。
これはシュテファン=ボルツマンの法則である放射電熱量が発熱体温度の4乗と被加熱物温度の4乗の差に比例する法則から、熱源温度の高い赤外線照射装置を用いる方が被加熱物をより効率的に加熱できるからである。
また、熱源であるハロゲンランプに反射膜あるいは反射板を取り付け、拡散する赤外線を平行照射や集光照射として照射し、より効率的にメルトブローノズル表面を加熱してもよい。
メルトブローノズル4は空気流入り口5aと5bを備えており、空気流入り口5aと5bは外部コンプレッサー(図示せず)および空気加熱装置(図示せず)に接続されている。コンプレッサーから空気加熱装置へ接続する配管の間にはコンプレッサーからの空気圧を制御する減圧弁および空気流量を計測する流量計および空気流量を調節する調節器(例えば、ニードルバルブ)を接続してもよい。
吐出されたポリウレタン融液は、高温エアーでメルトブローされ繊維として曳かれ細化し、目的とする直径のポリウレタン繊維1となり、そしてネットコンベア9の上にサクション8で吸引されながら、無秩序に捕捉されたポリウレタンメルトブロー不織布2となる。
サクション8はブローされたエアーを吸引すると共に、ポリウレタン繊維1のネットコンベア9への捕集を補助する役目も果たす。サクション8には気送管(不図示)が接続されており、吸引されたエアーは気送管を通じ外部へ排出される。更にネットコンベア9には捕集したポリウレタン繊維を溶着させる熱エンボス装置や熱カレンダーロールを接続してもよい。捕集されたポリウレタン繊維はポリウレタンメルトブロー不織布2となり、順次ネットコンベア9にて送られ巻取りロール3にて巻き取られる。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布を製造する際に、原料として用いるポリウレタン樹脂の固有粘度は、0.60以上であることが好ましい。
原料として、固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を用いて、メルトブローノズル表面に対して、上述のように赤外線を照射してメルトブローノズル表面を加熱することで、エアーブローによるメルトブローノズル表面温度の低下を抑制しつつ繊維直径が細化し易い状態とし、高温で溶融し解重合させても、分子量を必要以上に低下させずに、平均繊維直径が3μm以下に細化できる。一方、特許文献2のように通常にメルトブローしたものであれば、高温で溶融させ解重合により、分子量が必要以上に低下してしまい、細い繊維直径のもの場合は特に、繊維直径のバラツキが大きくなるという問題が生じ、また、解重合させず分子量低下させない場合は、紡糸時のポリマー流動性が低く、細い繊維直径のものは得られない。本発明では、上述したように赤外線を照射してメルトブローノズル表面を加熱し、メルトブローノズル表面温度の低下を抑制しているため、繊維直径が細化し易くなり、分子量の低下も抑制されるため、繊維直径のバラツキも小さくなる上、紡糸後に、固相重合せずとも、固有粘度が0.40以上(好ましくは0.45以上)と高い耐熱性の良好なものが得られ易い。
また、赤外線を照射することによって、メルトブローノズル表面温度を高く保つことで、メルトブロー法においても、均一に繊維を延伸することができ、細い平均繊維直径のものでも、繊維直径のバラツキが少なく、均一性が高いポリウレタンメルトブロー不織布を得ることができる。
このように、固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を用いて、本発明の製造方法により、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造すると、微細なものをろ過するのに好適な細い平均繊維直径をもつものを得る場合でも、繊維直径のバラツキが小さく、固相重合せずとも耐熱性のある不織布を効率的に得ることができる。
尚、上述した製造装置は、本発明のポリウレタンメルトブロー不織布を製造する装置の一例であり、この装置に限定されるものではない。
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。尚、本発明は以下に述べる実施例に限定されるものではない。
実施例において、メルトブローノズルの表面温度測定は放射温度計を用い、放射率を0.83に設定し測定した。
実施例において、ポリウレタンメルトブロー不織布の平均繊維直径はSEM写真から任意に50箇所の繊維直径を測定し平均値を算出した。
ポリウレタンメルトブロー不織布の変動係数は繊維直径の測定値より平均値と標準偏差を算出し、標準偏差を平均値で除し算出した。
ポリウレタン樹脂およびポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は、溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用い、溶媒50mlに0.500gのポリマーを溶解して、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃において測定した。
[実施例1]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力195Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は247℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.573であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径2.00μm、変動係数44%であった。
[実施例2]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力276Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は256℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.566であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.96μm、変動係数44%であった。
[実施例3]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力325Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は262℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.557であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.83μm、変動係数39%であった。
[実施例4]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力420Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は270℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.550であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.73μm、変動係数50%であった。
[比較例1]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度235℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mmにて常法でメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は215℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.581であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径4.16μm、変動係数31%であった。
[比較例2]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度255℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mmにて常法でメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は226℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.520であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径3.32μm、変動係数73%であった。
[比較例3]
ショアA硬度94のエーテル系熱可塑性ポリウレタン樹脂(固有粘度0.867)を温度110℃で24時間真空乾燥し、カールフィッシャー方法で樹脂水分を測定すると23ppmであった。このポリウレタン樹脂を紡糸温度240℃、熱風温度265℃、熱風流速200m/sec、口金孔径0.12mm、赤外線照射出力488Wにて、図1の装置を用いてメルトブローすることにより、ポリウレタンメルトブロー不織布を製造した。メルトブローノズル表面温度は280℃であった。
得られたポリウレタンメルトブロー不織布の固有粘度は0.530であった。
SEM写真から繊維直径を測定し、平均繊維直径、変動係数を算出した。その結果、平均繊維直径1.77μm、変動係数80%であった。
Figure 0006208453
実施例1〜4から得られた不織布は、いずれも、平均繊維直径が細いにもかかわらず、繊維直径のバラツキが小さく、固有粘度が0.40以上で寸法安定性も良好であり、微細なもののろ過にも好適に用いることができる。またメルトブローノズルを加熱しない場合、紡糸温度がそのままで先端を加熱しない比較例1は、平均繊維直径が小さいものとならず、紡糸温度を上げた比較例2でも細化できず、繊維直径のバラツキも大きかった。過度にメルトブローノズル表面温度をあげた比較例3のものは繊維直径のバラツキが大きくなった。
以上詳述したように、本発明のようにメルトブローノズルに赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度をあげることによって、微細なもののろ過に好適な、平均繊維直径が小さく、繊維直径のバラツキが小さいものを得ることができた。またこのものは固相重合せずとも、固有粘度が高く、寸法安定性を有している。
本発明のポリウレタンメルトブロー不織布は、マスク、フィルター、医療用途、衣料品などへの利用が期待できる。特に平均繊維直径が小さく、繊維直径のバラツキが小さいものが求められるマスク、フィルター、医療等の用途において有用となる。
1 ポリウレタン繊維
2 ポリウレタンメルトブロー不織布
3 巻取りロール
4 メルトブローノズル
5a、5b 空気流入り口
6a、6b 赤外線照射装置
7 赤外線
8 サクション
9 ネットコンベア
10 エクストルーダ
11 ホッパータンク
12 スクリュー
13 ヒーター付バレル
14 ポリマー管
15 ギヤポンプ
16 モーター

Claims (2)

  1. ポリウレタン樹脂を、メルトブローノズルを介してメルトブローすることにより繊維化して不織布を製造方法する方法であって、メルトブローノズル表面に対し赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することを特徴とするポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法。
  2. 固有粘度が0.60以上のポリウレタン樹脂を、メルトブローノズルを介してメルトブローすることにより繊維化して不織布を製造方法する方法であって、メルトブローノズル表面に対し赤外線を照射してメルトブローノズル表面温度を未照射時から30℃〜60℃高い温度まで加熱することにより、固有粘度0.40以上のポリウレタンメルトブロー不織布を製造することを特徴とする請求項1記載のポリウレタンメルトブロー不織布の製造方法。
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