JP2007236015A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 センサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動する。
【解決手段】 インバータ2の起動前に、制御器の応答が追従しないような高い速度ωで永久磁石モータ1が回転し、インバータ2の直流電圧Vdcよりも誘起電圧Edが高い状態であっても、永久磁石モータ1の電流Iu,Iw、インバータ2の直流入力電流Idc、又はインバータ2の直流入力電圧Vdcに基づいて、回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定し、高速回転中の場合には、インバータ2の起動タイミングを制御又は電流制御器8のゲインを増加することにより、インバータ2を再起動する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転子位置検出手段又は回転子速度検出手段を用いずに、永久磁石モータを制御するセンサレスのモータ制御装置に係り、例えばインバータの停止中にモータが高速回転中の場合にも、インバータをより円滑に再起動し得るモータ制御装置に関する。
従来のモータ制御装置は、永久磁石モータの出力トルクを高精度高速に制御する場合、モータ回転子位置に基づいて電流を流すために、レゾルバ等の回転子位置センサを必要とする。
しかしながら、従来のモータ制御装置では、回転子位置センサが比較的大型のために配置に制約がある上、センサ出力と制御装置との間に引き回しの煩雑な制御伝送線が必要になり、また、制御伝送線の断線といった故障要因を増加させたりする不都合がある。
この種の不都合を解消する観点から、回転子位置センサを用いないモータ制御装置が近年、開発されてきている。例えば、近年のモータ制御装置では、永久磁石モータの永久磁石磁束に起因して回転中に発生するモータ逆起電圧を検出して間接的に回転子位置を推定し、この推定結果に基づいて高速高精度なトルク制御を行う、いわゆるセンサレスベクトル制御が実用化され始めている。
センサレスベクトル制御においては、モータに印加したインバータ電圧指令と、モータに流れた電流検出値とからモータ逆起電圧を推定演算する方法や、インバータのPWMリプルによる推定演算する方法が一般に知られている。
特開2000−295889号公報 特開2001−169591号公報
しかしながら、以上のようなモータ制御装置では、インバータ動作開始前に、モータ回転子位置を知ることができないことから、特にモータが高速に回転して逆起電圧振幅が高い場合には、インバータを円滑に再起動できない可能性がある。補足すると、例えば、電流制御器及びセンサレス制御器の応答不足による制御誤差が発生し、望まないトルクが発生し、最悪の場合には過電流保護動作が生じる心配があるので、インバータを円滑に再起動できない可能性があると考えられる。
また、センサレスベクトル制御におけるインバータの再起動については、例えば特許文献1,2等にも記載されている。特許文献1,2記載の技術でも特に問題は無いが、より円滑に再起動し得る方式を検討する余地があると考えられる。
本発明は上記実情を考慮してなされたもので、センサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動し得るモータ制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、回転子を有する永久磁石モータを制御するインバータと、電流指令と前記永久磁石モータの電流との間の電流偏差にゲインを乗じることにより、前記インバータを制御するための電圧指令を算出する電流制御器とを備えたモータ制御装置において、前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、前記判定の結果、前記低速回転中の場合には、前記インバータの起動タイミング及び前記電流制御器のゲインの両者を制御せずに前記インバータを再起動する第1の再起動手段と、前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータの起動タイミングを制御又は前記電流制御器のゲインを増加することにより、前記インバータを再起動する第2の再起動手段とを備えたモータ制御装置である。
第2の発明は、回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とを備えており、前記第2の再起動手段としては、前記永久磁石モータに流れる多相交流電流のうちの少なくとも1つの相の交流電流に基づいて、前記回転子の初期回転速度を推定する初期回転速度推定手段と、前記回転子の回転速度の初期値として、前記初期回転速度を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段とを備えたモータ制御装置である。
第3の発明は、回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と、前記第2の再起動手段により再起動する場合、前記インバータの停止中に流れる多相交流電流又は直流入力電流を実質的にゼロにするように、前記直流入力電圧を制御する直流電圧制御手段と、前記ゼロに制御したときの直流入力電圧に基づいて、前記回転子の初期回転速度を推定する初期回転速度推定手段と、前記回転子の回転速度の初期値として、前記初期回転速度を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段とを備えたモータ制御装置である。
第4の発明は、回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記永久磁石モータに流れている多相交流電流の特定の位相に基づく起動タイミングで前記インバータを再起動する第2の再起動手段とを備えたモータ制御装置である。
第5の発明は、回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とを備えており、前記第2の再起動手段としては、前記永久磁石モータに流れる多相交流電流に基づいて、前記回転子の初期位置を推定する初期位置推定手段と、前記推定演算の結果の初期値として、前記初期位置を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段とを備えたモータ制御装置である。
(作用)
第1の発明によれば、インバータ起動前に、制御器の応答が追従しないような高い速度で永久磁石モータが回転し、インバータの直流電圧よりも誘起電圧が高い状態であっても、永久磁石モータの電流、インバータの直流入力電流、又はインバータの直流入力電圧に基づいて、回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定し、高速回転中の場合には、インバータの起動タイミングを制御又は電流制御器のゲインを増加することにより、インバータを再起動する。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
第2の発明によれば、インバータの停止中、永久磁石モータに流れる多相交流電流の少なくとも1つの相の交流電流に基づいて、回転子の初期回転速度を推定し、この初期回転速度を回転子位置推定演算手段に設定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態を検出できる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
第3の発明によれば、インバータを再起動する場合、インバータの停止中に流れる多相交流電流又は直流入力電流を実質的にゼロにするように、直流入力電圧を制御し、ゼロに制御したときの直流入力電圧に基づいて、回転子の初期回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度を検出できる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
第4の発明によれば、回転子が高速回転中の場合、永久磁石モータに流れている多相交流電流の特定の位相に基づく起動タイミングでインバータを再起動するようにしたので、モータ回転子の位相をある程度把握して再起動をかけられるようになる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータを比較的円滑に再起動することができる。
第5の発明によれば、回転子が高速回転中の場合に、インバータを再起動する際に、永久磁石モータに流れる多相交流電流に基づいて、回転子の初期位置を推定するようにしたので、モータ回転子の位相をある程度把握して再起動をかけられるようになる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータを比較的円滑に再起動することができる。
以上説明したように本発明によれば、センサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動できる。
以下、本発明の各実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。このモータ制御装置は、レゾルバ等の回転子位置検出手段及び回転子速度検出手段を用いずに、制御対象の永久磁石式モータ1を制御するセンサレス制御を用いている。
このモータ制御装置は、具体的には、永久磁石式モータ1に接続されたインバータ2と、インバータ2の電源としてのバッテリー3と、バッテリー3及びインバータ2間における直流電圧の変動抑制用のコンデンサ4と、インバータ2を制御するためのマイコンとを備えている。
ここで、永久磁石式モータ1は、回転子に鉄心と永久磁石を有し、図示しないステータが電磁鋼板と三相のコイルで構成される。永久磁石式モータ1においては、ステータに流す電流の制御により磁束が発生し、回転子の永久磁石の磁束位相とステータの磁束位相との相互作用によりモータの出力トルクが制御される。
インバータ2は、三相各相2対のスイッチング素子で構成される。例えばU相においてはゲート信号uがON、ゲート信号xがOFFのときには正の相電圧が出力される。ゲート信号uがOFF、ゲート信号xがONのときは、負の相電圧が出力される。
バッテリー3は、この例では直流電圧源であるが、これに限らず、例えば家電や産業用途では、交流電源と、整流回路とを含む交流直流変換装置となることが多い。
マイコン(破線内)は、インバータ2をゲート制御するものであり、dq軸電流指令演算部5、電流座標変換部6、加減算器7、電流制御器8、電圧座標変換部9、PWM制御部10、誘起電圧演算部11、磁極位置推定制御器12、積分器13及びインバータ起動判定部14を備えている。
ここで、dq軸電流指令演算部5は、入力されたトルク指令に基づいて、最小電流でトルクが最大となるようなd軸・q軸の電流指令Id,Iqを算出し、得られたd軸・q軸の電流指令Id,Iqを加減算器7に送出するものである。
電流座標変換部6は、三相電流のうちU相とW相の電流であるIuとIwの検出値Iu,Iwを電流センサから受けると、この検出値Iu,Iwを、積分器13から受けた磁極位置位相θを用いてd軸・q軸の電流値Id,Iqに変換し、得られたd軸・q軸の電流値Id,Iqを加減算器7に送出するものである。
加減算器7は、dq軸電流指令演算部5から受けたd軸・q軸の電流指令Id,Iqと、電流座標変換部6から受けたd軸・q軸の電流値Id,Iqとの差分である電流偏差を個別に算出し、得られた電流偏差(Id−Id),(Iq−Iq)を電流制御器8に送出するものである。
電流制御器8は、加減算器7から受けた電流偏差にゲインを乗じることにより、d軸・q軸の電圧指令Vd,Vqを算出し、得られたd軸・q軸の電圧指令Vd,Vqを電圧座標変換部9に送出するものである。
電圧座標変換部9は、電流制御器8から受けたd軸・q軸の電圧指令Vd,Vqを、積分器13から受けた磁極位置推定位相θを用いて三相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換し、得られた三相電圧指令Vu,Vv,VwをPWM制御部10に送出するものである。
PWM制御部10は、インバータ起動判定部14からの起動許可GstartがONの場合、電圧センサから受けたインバータ2への直流入力電圧の検出値Vdcに基づいて、電圧座標変換部9から受けた三相電圧指令Vu,Vv,Vwと、振幅が直流電圧Vdcと比例する三角波キャリアとの間で大小関係を比較し、比較結果に応じてゲート信号のON・OFFを決定し、このゲート信号をインバータに送出するものである。但し、PWM制御部10は、インバータ起動判定部14からの起動許可GstartがOFFの場合、全てのゲート信号をOFFと決定する。
誘起電圧演算部11は、電流制御器8から受けたd軸電圧指令Vdと、電流座標変換部6から受けたdq軸の電流値Id,Iqとに基づいて、d軸誘起電圧推定値Edを算出し、得られた誘起電圧推定値Edを磁極位置推定制御器12に送出するものである。
磁極位置推定制御器12は、誘起電圧演算部11から受けた誘起電圧推定値Edに基づいて、磁極位置を推定するための速度ωslを生成し、この速度ωslを積分器13に送出するものである。
積分器13は、磁極位置推定制御器12から受けた速度ωslを積分して磁極位置推定位相θを算出し、この磁極位置推定位相θを電流座標変換部6及び電圧座標変換部9に送出するものである。
インバータ起動判定部14は、インバータ2の停止中、起動命令を受信するための起動命令受信機能と、起動命令を受信すると、永久磁石モータ1の電流、インバータ2の直流入力電流Idc、又はインバータ2の直流入力電圧Vdcに基づいて、回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定機能と、判定の結果、低速回転中の場合には、インバータ2の起動タイミング及び電流制御器8のゲインの両者を制御せずにインバータ2を再起動する第1の再起動機能と、判定の結果、高速回転中の場合には、インバータ2の起動タイミングを制御又は電流制御器8のゲインを増加することにより、インバータ2を再起動する第2の再起動機能とを備えている。
次に、以上のように構成されたモータ制御装置の動作を説明する。
dq軸電流指令演算部5では、通常上位の制御系で決定されるトルク指令を基に最小電流でトルクが最大となるようなd軸・q軸の電流指令Id,Iqに変換する。三相電流のうちU相とW相の電流であるIuとIwは電流センサで検出され、検出値Iu,Iwとして電流座標変換部6に送出される。
電流座標変換部6は、この検出値Iu,Iwを、積分器13から受けた磁極位置位相θを用いて次式でd軸・q軸の電流値Id,Iqに変換し、得られた電流値Id,Iqを加減算器7に送出する。
Figure 2007236015
加減算器7は、d軸・q軸の電流値Id,Iqと、電流指令Id、Iqとの電流偏差を個別に算出し、得られた偏差(Id−Id),(Iq−Iq)を電流制御器8に入力する。電流制御器8では次式の演算式によりdq軸電圧指令Vd*,Vq*を決定する。
Vd=G(s)・(Id−Id)
Vq=G(s)・(Iq−Iq)
G(s)は制御関数。sはラプラス演算子である。通常は高周波ノイズによる過敏な応答をさける制御器及びゲインとされる。逆に言うと、高周波の制御偏差には追従できないことになる。
dq軸電圧指令Vd,Vqは電流座標変換部9に送出される。電流座標変換部9は、dq軸電圧指令Vd,Vqを、積分器から受けた磁極位置推定位相θを用いて、次式に示すように三相電圧指令Vu,Vv,Vwに変換する。
Figure 2007236015
これら三相電圧指令Vu,Vv,Vwは、PWM制御部10に送出される。PWM制御部10は、三相電圧指令Vu,Vv,Vwと、振幅が直流電圧と比例する三角波キャリアとの間で大小関係を比較し、ゲート信号のON・OFFを決定する。また、PWM制御部10ではインバータ起動判定部14からの起動許可GstartがOFFの場合、全てのゲートをOFFとし、インバータからモータへの給電を停止する。
以下、磁極位置推定値θを演算する回転子位置推定演算について説明する。誘起電圧演算部11は、電流制御器8から受けたd軸電圧指令Vdと、電流座標変換部6から受けたdq軸電流Id,Iqを用い、速度ωに対して次の(1),(2)に示すように場合分けをして、d軸誘起電圧推定値Edを求める。
(1)ω≧0の場合、
Ed=Vd−(R×Id−ω・Lq・Iq)
(2)ω<0の場合、
Ed=−(Vd−(R×Id−ω・Lq・Iq))
(Rはモータ巻線抵抗、Lqはモータq軸同期インダクタンス)
しかる後、この誘起電圧推定値Edは磁極位置推定制御器12に送出される。磁極位置推定制御器12は、このd軸誘起電圧推定値Edがゼロになるように次式にて調整し、回転子の速度ωslを積分器13に出力する。
ωsl=H(s)・Ed
H(s)は制御関数。H(s)のsはラプラス演算子。ωslのslはセンサレス制御を表す添字。通常は高周波ノイズによる過敏な応答をさける制御器及びゲインとなっている。従って、高周波の制御偏差には追従できないことになる。
積分器13は、出力された速度ωslを積分することにより、磁極位置推定位相θを求め、この磁極位置推定位相θを電流座標変換部6及び電圧座標変換部9に送出する。
インバータ起動判定部14では、図2のフローチャートに示すように動作する。始めに、上位制御系からインバータの起動命令又は停止命令を授受し(ST1)、起動命令を受けた場合には、三相電流Iu又はIv又はIw、もしくは直流電流Idcの大きさを判定する(ST2)。
三相電流のうちの少なくとも1つの相の電流Iu,Iv,Iwが流れない場合(実質的にゼロの場合)又は直流入力電流Idcが流れない場合(実質的にゼロの場合)、「低速回転中」と判定して通常起動モード1を選択する(ST3)。また、各電流Iu,Iv,Iw,Idcが流れた場合(実質的にゼロでない場合)、「高速回転中」と判定して起動モード2を選択し(ST4)、Gstart=ONとする。一方、ステップST1にて停止命令を受けた場合には、PWM制御器10に停止指令(Gstart=OFF)を送信する(ST5)。
一般に永久磁石モータを広い可変速度範囲で用いる場合、インバータ停止時における誘起電圧Ed、直流電圧Vdcと永久磁石モータの回転の速度ωとの関係は図3に示すように表される。図3中、縦軸は電圧を示し、横軸は速度ωを示している。
インバータ2に印加される直流電圧Vdcは、速度ωに無関係に一定である。永久磁石モータ1の誘起電圧Edは、速度ωに比例して増加し、A点の速度ωを境に直流電圧Vdcを超えるようになる。なお、高速回転中と低速回転中との境界は、永久磁石モータ1の誘起電圧Edがインバータ2の直流入力電圧Vdcとが等しくなる回転速度付近である。
誘起電圧Edが直流電圧Vdcを超えると、インバータ2が停止(ゲートブロック)していても、インバータ2の逆導通ダイオードを介して永久磁石モータ1からインバータ2に整流電流が流れる現象が生じる。
インバータ起動判定部14は、この現象を利用して、永久磁石モータ1が高速回転中か否かを判定し、高速回転中の場合、起動タイミングの制御処理や、電流制御器8のゲイン制御処理(ゲイン増加処理)などのように、通常とは異なる起動モード2の処理を実行する。なお、起動タイミング処理については、第4の実施形態で詳述する。
電流制御器8のゲイン増加については、電流制御器(Vd=G(s)・(Id−Id)、Vq=G(s)・(Iq−Iq))6のG(s)を、高速回転中の再起動時だけ、大きく設定すればよい。
なお、制御関数G(s)は、PI制御器として(Kp・s+Ki)/sである。従って、ゲイン制御としては、高速回転中の再起動の直後だけ、G(s)の比例ゲインKp,積分ゲインKiを大きく設定することが有効である。
また、磁極位置推定制御器(ωsl = H(s)・Ed)12の制御関数H(s)も同様に、高速回転中の再起動の直後だけ、ゲインを大きく設定することが有効である。
いずれにしても、インバータ起動判定部14は、永久磁石モータ1が高速回転中の場合には、このような起動モード2の処理を実行することにより、インバータをより円滑に再起動することができる。
上述したように本実施形態によれば、インバータ2の起動前に、制御器の応答が追従しないような高い速度ωで永久磁石モータ1が回転し、インバータ2の直流電圧Vdcよりも誘起電圧Edが高い状態であっても、永久磁石モータ1の電流Iu,Iw、インバータ2の直流入力電流Idc、又はインバータ2の直流入力電圧Vdcに基づいて、回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定し、高速回転中の場合には、インバータ2の起動タイミングの制御又は電流制御器8のゲインを増加することにより、インバータ2を再起動する。従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
(第2の実施形態)
図4は本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図であり、図1と同種の部分には同一符号を付してその詳しい説明を省略し、ここでは異なる部分について主に述べる。なお、以下の各実施形態も同様にして重複した説明を省略する。
すなわち、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、前述した起動モード2の処理(起動タイミング又はゲインの制御)に代えて、回転子の回転速度の初期値(初期速度推定値)を推定演算するものである。具体的には、インバータ起動判定部14に初期回転速度推定演算部20が付加されている。
初期回転速度推定演算部20は、インバータ停止中の三相電流からインバータ起動時における回転子の初期速度を推定し、初期速度推定値ωsl0を回転子位置推定演算部の磁極位置推定制御器12に設定する。
ここで、初期回転速度推定演算部20は、例えば、種々の構成例(1)〜(8)に示すように、実現可能となっている。
(構成例1)
構成例1は、三相電流Iu,Iv,Iwの少なくとも一つの電流の大きさに基づいて、初期速度推定値ωsl0を演算する方式である。但し、ここでは、三相電流Iu,Iv,Iwの平均の大きさに基づく場合を例に挙げて述べる。図5はインバータ停止時における三相電流、誘起電圧、直流電圧と速度の関係を示す図であり、縦軸に電圧を示し、横軸に速度ωを示している。図示するように、誘起電圧Edが直流電圧Vdcを超えるA点を境にして、三相電流と速度ωの相関が発生する。従って、三相電流Iu,Iv,Iwの大きさ(振幅)に基づいて、初期速度推定値ωsl0を演算することができる。
図6は初期回転速度推定演算部20の構成例を示す模式図である。この初期回転速度推定演算部20は、演算器21、絶対値回路22、ピークホールダー23、平均化回路24及びルックアップテーブル25から構成されている。
始めに、三相電流のうちの2つの相電流Iu,Iwから演算器21により、残りの相電流Ivが得られる。これら三相電流Iu,Iv,Iwは、個別に絶対値回路22にて絶対値化された後、ピークホールダー23で波高値が取得される。その後、平均化回路24により、三相の波高値が平均化処理されて振幅が得られる。振幅と速度の関係を示すルックアップテーブル25等の特性テーブルを参照して、振幅から速度を求め、初期回転速度推定値ωsl0とする。なお、回転数の正負を判別する必要がある場合は、電流がピークとなる相順を計算すればよい。
構成例1の場合、インバータ2が停止中に流れる多相交流電流Iu,Iv,Iwの少なくとも一つの電流の大きさに基づき回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態の程度まで検出できる。従って、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例2)
構成例2は、インバータ停止中の三相電流の周波数fを求め、その周波数fに基づいて初期速度推定値ωsl0を推定する方式である。図7は初期回転速度推定演算部20の他の構成例を示す模式図である。この初期回転速度推定演算部20は、零クロス検出器26、積分器27、ピークホールダー28及び割り算器29から構成されている。
始めに、三相電流Iu,Iv,Iwのうちの少なくとも1つの相電流が零クロス検出器26に入力される。零クロス検出器26は、零クロスが発生した際に積分器27へクリア信号を送信する。
積分器27は、一定時間毎に基底値を積算して積算値をピークホールダー28に出力し、ゼロクロス検出器26からのクリア信号により、積算値をクリアする。
ピークホールダー28は、積算値の最大値を記憶し、この時点で周期Tの1/2の値(T/2)が得られる。この値(T/2)を2倍して割り算器29にて逆数(1/T=f)を求め、得られた逆数f(=周波数f)に2πを乗じることにより、初期速度推定値ωsl0(=2πf)が得られる。
構成例2の場合、インバータ2が停止中に流れる多相交流電流Iu,Iv,Iwの周波数fからモータ回転子の回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度を検出できる。従って、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例3)
構成例3は、インバータ停止中に流れるインバータの電流ベクトルの位相変化(回転角度変化)に基づいて初期速度推定値ωsl0を推定する方式である。図8は初期回転速度推定演算部20の他の構成例を示す模式図である。この初期回転速度推定演算部20は、電流座標変換部30、逆正接器31、遅延器32、加減算器33及び乗算器34から構成されている。
始めに、三相電流Iu,Iwを磁極位置θをゼロとして、電流座標変換部30により座標変換し、2軸のId,Iq電流とする。このときのId,Iq電流の軌跡は、dq軸平面を円を描くように変化する。このため、Id,Iqに対して逆正接器31にて位相角θ(=tan-1(Iq/Id))を求める。次に、この位相角θと、遅延器32から得られる1サンプル時間前の位相角θ’との差分Δθを加減算器33にて求める。この差分Δθにサンプル時間に相当するゲインを乗算器34により乗じて初期速度推定値ωsl0を得る。この方式は速度を直接求めることができるので、真値への収斂が速い特徴がある。
構成例3の場合、インバータが停止中に流れる電流ベクトルの回転角度変化からモータ回転子の回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度を比較的高速に検出できる。従って、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例4)
構成例4は、インバータ停止中に流れる直流入力電流Idcに基づいて、初期速度推定値ωsl0を推定する方式である。図9にインバータ停止時における直流入力電流Idc、誘起電圧Ed、直流電圧Vdcと永久磁石モータの速度ωとの関係を示す。この関係を図10に示すように、ルックアップテーブル25等の特性テーブルとして用意する。ここで、初期回転速度推定演算部20は、ルックアップテーブル25等の特性テーブルから構成される。
初期回転速度推定演算部20においては、検出された直流入力電流Idcに基づいて、ルックアップテーブル25を参照することにより、初期速度推定値ωsl0を得ることができる。
構成例4の場合、インバータ2の直流入力電流Idcを検出し、インバータ2が停止中に流れる直流入力電流Idcから回転子の回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における程度を検出できる。従って、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例5)
構成例5は、インバータ停止中に流れる直流電流のリプル成分の周波数(リップル周波数)に基づいて、初期速度推定値ωsl0を推定する方式である。このリプルは三相機の場合回転電気周波数の6倍の成分となる。図11は初期回転速度推定演算部20の他の構成例を示す模式図である。この初期回転速度推定演算部20は、ハイパスフィルタ(HPF)35、零クロス検出器26、積分器27、ピークホールダー28及び割り算器29から構成されている。
始めに、直流電流に対してハイパスフィルタ35を通し高周波成分を取り出す。ハイパスフィルタのカットオフ周波数は、事前に図9におけるA点の周波数以上の成分を取り出す設定とする。直流電流の高周波成分は零クロス検出器26に入力される。零クロス検出器26は、零クロスが発生した際に積分器27へクリア信号を送信する。
積分器27は、一定時間毎に基底値を積算して積算値をピークホールダー28に出力し、零クロス検出器26からのクリア信号により、積算値をクリアする。
ピークホールダー28は、積算値の最大値を記憶し、この時点でリップル周期T’の1/2の値(T’/2)が得られる。この値を2倍してリップル周期T’が得られるので、さらに6分の1して三相電流の周期T(=T’/6)を求める。続いて、割り算器29にて周期Tの逆数(1/T=f)を求め、得られた逆数f(=周波数f)に2πを乗じることにより、初期速度推定値ωsl0(=2πf)が得られる。
構成例5の場合、インバータ2の直流入力電流Idcを検出し、インバータ2の停止中に流れる直流入力電流Idcのリップル周波数から回転子の回転速度を推定するので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度を検出できる。従って、インバータを再起動することができる。
(構成例6)
構成例6は、構成例5の直流電流に代えて、インバータ2に印加される直流電圧Vdcのリップル周波数に基づいて、構成例5と同様の作用により、初期速度推定値ωsl0を得る方式である。
インバータ直流側に設置されているバッテリー3は、通常、内部抵抗を有しており、電流を流すと内部抵抗によって電圧降下が発生する。従って、この電圧リプルを利用して回転子の初期速度推定値ωsl0を得ることができる。
図12は初期回転速度推定演算部20の他の構成例を示す模式図である。この初期回転速度推定演算部20は、入力が直流電圧Vdcである他は図11と同一構成であり、構成例5と同様の作用によって、回転子の初期速度推定値ωsl0を得るものである。
構成例6の場合、インバータ2の直流電圧Vdcを検出し、インバータ2が停止中の直流電圧Vdcのリップル周波数から回転子の回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度を検出できる。従って、インバータをより円滑に再起動することができる。
以上の構成例1〜6に述べたように、起動前に高速で回転するモータの回転子速度を把握し、制御に反映することができるので、センサレス制御において、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例7)
構成例7は、構成例1及び構成例4のルックアップテーブル25を直流入力電圧Vdcの大きさに応じて準備することにより、より高精度に、初期速度推定値ωsl0を得る方式である。
図13にインバータ停止時における直流入力電流Idc、三相電流、誘起電圧Ed、直流電圧Vdcと永久磁石モータの速度ωとの関係を直流電圧Vdcが増加した場合について、A点からB点への変化として示す。直流電圧Vdcが増加した場合は、誘起電圧Edが直流電圧Vdcを超える周波数ωが増加する。よって、図6及び図9のテーブルを直流電圧Vdcにあわせて用意すれば、より精度の良い初期速度推定値ωsl0を得ることができる。
構成例7の場合、インバータ2の直流電圧Vdc及び直流(入力)電流Idcを検出し、当該インバータ2が停止中に流れる直流電流Idcの大きさと直流電圧Vdcの関係からモータ回転子の回転速度を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度をより正確に検出できる。従って、センサレス制御において、インバータをより円滑に再起動することができる。
(構成例8)
構成例8は、予め設定した初期速度を初期速度推定値ωsl0として推定する方式である。図14(a)に一般的な電流制御器の一巡伝達特性ボード線図を示す。電流制御器は、直流成分に対してはハイゲインとなり良好な特性をもつが、高周波になるにつれてその特性が低下する。従って、高周波に対して制御器が追従しないためセンサレス制御を起動できないことになる。
しかしながら、上述した構成例1〜7のように比較的正確に速度を求めなくても、高速状態を検知し、図14(b)に示すように、回転速度推定値の初期値に適当なオフセット値を代入すれば相対的に周波数が低下し、制御応答範囲内とすることができる。これが構成例8の方式である。
図15は構成例8の動作を説明するためのフローチャートである。前述したステップST2と同様に、停止状態における三相電流又は直流電流の有無で高速回転中か否かを判定する(ST2)。高速回転中の場合には、初期回転速度推定演算部20は、初期速度推定値ωsl0としてオフセット値α(=定数)を得る(ST4a)。否の場合には、初期回転速度推定演算部20は、初期速度推定値ωsl0としてゼロを得る(ST3a)。
構成例8の場合、インバータ起動前に高速で回転する回転子の速度を所定値として設定し、制御器動作点を応答範囲内にすることができるので、センサレス制御において、インバータをより円滑に再起動することができる。
上述したように本実施形態によれば、インバータ2の停止中、永久磁石モータ1に流れる多相交流電流Iu,Iv,Iwの少なくとも1つの相の交流電流に基づいて、回転子の初期速度推定値ωsl0を推定し、この初期速度推定値ωsl0を回転子位置推定演算部に設定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態を検出できる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
(第3の実施形態)
図16は本発明の第3の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、前述した起動モード2の処理(起動タイミング又はゲインの制御)に代えて、回転子の回転速度の初期値(初期速度推定値)を推定演算するものである。具体的には、インバータ2とバッテリー3の間の直流電圧Vdcを可変とするための直流電圧可変回路40と、インバータ起動判定部14からの直流電圧指令に応じて直流電圧可変回路40を制御するための直流電圧制御部41とがマイコン内に実装されている。
これに伴い、インバータ起動判定部14には、インバータ2を再起動する場合、インバータ2の停止中に流れる多相交流電流Iu,Iw又は直流入力電流Idcを実質的にゼロにするように、直流入力電圧Vdcを制御するための直流電圧指令を直流電圧制御部41に送出する機能が付加されている。
また、インバータ起動判定部14には初期回転速度推定演算部20が付加されている。
初期回転速度推定演算部20は、三相交流電流Iu,Iw又は直流入力電流Idcを実質的にゼロに制御したときの直流入力電圧Vdcに基づいて、回転子の初期速度推定値ωsl0を推定する機能と、回転子の回転速度の初期値として、初期速度推定値ωsl0を回転子位置推定演算部の磁極位置推定制御器12に設定する機能とをもっている。
次に、以上のように構成されたモータ制御装置における再起動時の動作を述べる。
インバータ起動判定部14は、図17に示すように、起動命令受信後(ST1)、三相電流Iu,Iwもしくは直流電流Idcが実質的にゼロか否かを判定する(ST2)。
判定の結果、否の場合、直流電圧制御部41に送出する直流電圧指令Vdc*の値を増加する(ST2−1)。その後、同様に、三相電流Iu,Iwもしくは直流電流Idcが実質的にゼロか否かを判定し(ST2−2)、判定結果が否の場合には、ステップST2−1に戻って直流電圧指令Vdcの値を増加し、再びステップST2−2の判定を実行する。
ステップST2−2の判定の結果、三相電流Iu,Iwもしくは直流電流Idcが実質的にゼロになった場合、そのときの直流電圧Vdcと誘起電圧Edが等しいということになる。従って、初期回転速度推定演算部20は、このときの直流電圧指令Vdcに基づいて、初期速度推定値ωsl0を推定する(ST4b)。
ωsl0=Vdc/φ
φは誘起電圧定数。
しかる後、初期回転速度推定演算部20は、得られた初期速度推定値ωsl0を回転子位置推定演算部の磁極位置推定制御器12に出力する。これにより、インバータ起動判定部14は、インバータ2を再起動する。
なお、図示はしないが、システムの設計上、電流Iu,Iw,Idcがゼロにならない場合等は、直流電圧指令Vdcを最大値でリミット処理等を行えば良く、あるいは、最大値の直流電圧指令Vdcに対応した初期速度推定値ωsl0を予め求めておき、この初期速度推定値ωsl0を回転子位置推定演算部に出力するようにしてもよい。
上述したように本実施形態によれば、インバータ2を再起動する場合、インバータ2の停止中に流れる多相交流電流Iu,Iv,Iw又は直流入力電流Idcを実質的にゼロにするように、直流入力電圧Vdcを制御し、ゼロに制御したときの直流入力電圧Vdcに基づいて、回転子の初期速度推定値ωsl0を推定するようにしたので、インバータ起動時にモータが高速回転し、制御器の応答が追従しないような周波数であっても、モータの高速状態における速度をより正確に検出できる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータをより円滑に再起動することができる。
(第4の実施形態)
図18は本発明の第4の実施形態に係るインバータ起動判定部の構成を示す模式図である。
本実施形態は、第1の実施形態の具体例であり、図2の起動モード2(ST4)において、インバータ起動判定部14が起動タイミングを制御するものである。
すなわち、インバータ起動判定部14は、ステップST2の判定の結果、回転子が高速回転中の場合には、永久磁石モータ1に流れている多相交流電流Iu,Iv,Iwの特定の位相θiに基づく起動タイミングでインバータ2を再起動する機能をもっている。
具体的にはインバータ起動判定部14は、演算器51、PLL(Phase Locked Loop)回路52、特定位相条件判定部(比較器)53及びD−ラッチ回路54から構成されている。
始めに、前述同様に2つの相電流Iu,Iwから演算器51を介して得られた三相電流Iu,Iv,IwをPLL回路52に入力する。PLL回路52は、入力された三相電流Iu,Iv,Iwの位相情報θiを特定位相条件判定部53に送出する。特定位相条件判定部53は、この位相情報θiのうちの特定の領域(α<θi<β)を判別している期間中、クロック信号(パルス出力)をD−ラッチ回路54に送出する。
これにより、インバータ起動判定部14においては、入力された起動命令がα<θi<βという特定のタイミングでのみ、起動命令GstartとしてPWM制御部10に出力される。
これにより、特定の位相タイミングのみでインバータが再起動される。インバータ停止時に流れる三相電流Iu,Iv,Iwは、誘起電圧Edの位相と相関があり、誘起電圧Edの位相を把握した状態でインバータを再起動するため、より円滑に再起動を行うことができる。
上述したように本実施形態によれば、回転子が高速回転中の場合、永久磁石モータ1に流れている多相交流電流Iu,Iv,Iwの特定の位相(α<θi<β)に基づく起動タイミングでインバータ2を再起動するようにしたので、モータ回転子の位相をある程度把握して再起動をかけられるようになる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータを比較的円滑に再起動することができる。
(第5の実施形態)
図19は本発明の第5の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、前述した起動モード2の処理(起動タイミング又はゲインの制御)に代えて、回転子の位置の初期値(初期位置推定値)を推定演算するものである。具体的には、インバータ起動判定部14に初期回転位置推定演算部60が実装されている。
すなわち、初期回転位置推定演算部60は、永久磁石モータ1に流れる多相交流電流Iu,Iwに基づいて、回転子の初期位置を推定する初期位置推定機能と、回転子位置推定演算部による推定演算の結果の初期値として、初期位置推定値θ0を回転子位置推定演算部の積分器13に設定する機能とをもっている。
具体的には、初期回転位置推定演算部60は、図20に示すように、演算器61、PLL回路62及び加算器63から構成されている。
始めに、前述同様に2つの相電流Iu,Iwから演算器61を介して得られた三相電流Iu,Iv,IwをPLL回路62に入力する。PLL回路62は、入力された三相電流Iu,Iv,Iwの位相情報θiを加算器63に送出する。一方、電流位相と誘起電圧の位相差θdが加算器63に送出される。
加算器63は、三相電流Iu,Iv,Iwの位相情報θiと、位相差θdとを加算し、得られた加算結果を誘起電圧Edの位相とし、初期位置推定値θ0とする。この初期位置推定値θ0は、回転子位置推定演算部の積分器13に設定される。
以上のように、起動前に高速で回転するモータの回転子位置を把握することができるので、センサレス制御システムをスムーズに再起動することができる。
上述したように本実施形態によれば、回転子が高速回転中の場合に、インバータ2を再起動する際に、永久磁石モータ1に流れる多相交流電流Iu,Iv,Iwに基づいて、回転子の初期位置θ0を推定するようにしたので、モータ回転子の位相をある程度把握して再起動をかけられるようになる。
従って、例えばセンサレスベクトル制御において、インバータの停止中にモータが高速に回転している場合にも、インバータを比較的円滑に再起動することができる。
なお、第5の実施形態は、位相情報θを得る第4の実施形態と組み合わせた構成としても実施することができ、この場合、第4の実施形態の効果をも得ることができる。このことは、以下の実施形態でも同様である。
(第6の実施形態)
図21は本発明の第6の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。
本実施形態は、第2及び第5の実施形態を互いに組み合わせた例である。ここで、第2の実施形態は、構成例1〜8のいずれでもよい。第5の実施形態は、第4の実施形態と組み合わせた変形例でもよい。
いずれにしても本実施形態によれば、インバータ起動判定部14が初期速度推定演算部20及び初期位置推定演算部60を備えた構成により、第2及び第5の実施形態の効果を同時に得ることができるので、より円滑にインバータを再起動することができる。
また、本実施形態は、第2及び第5の実施形態の組み合わせに限らず、図22に示すように、第3及び第5の実施形態を互いに組み合わせた例としてもよい。ここで、第5の実施形態は、第4の実施形態と組み合わせた変形例でもよい。いずれにしても、インバータ起動判定部14が初期速度推定演算部20及び初期位置推定演算部60を備えた構成により、第3及び第5の実施形態の効果を同時に得ることができるので、より円滑にインバータを再起動することができる。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。 同実施形態におけるインバータ起動判定部の動作を説明するためのフローチャートである。 同実施形態におけるインバータ停止時における誘起電圧、直流電圧と永久磁石モータの速度との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。 同実施形態におけるインバータ停止時における三相電流、誘起電圧、直流電圧と永久磁石モータの速度との関係を示す図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の構成例を示す模式図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の他の構成例を示す模式図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の他の構成例を示す模式図である。 同実施形態におけるインバータ停止時における直流入力電流、誘起電圧、直流電圧と永久磁石モータの速度との関係を示す図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の他の構成例を示す模式図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の他の構成例を示す模式図である。 同実施形態における初期回転速度推定演算部の他の構成例を示す模式図である。 同実施形態におけるインバータ停止時における直流入力電流、三相電流、誘起電圧、直流電圧と永久磁石モータの速度との関係を直流電圧が増加した場合について示す図である。 一般的な電流制御器の一巡電圧特性を示すボード線図及び同実施形態のオフセット値を説明するための図である。 同実施形態におけるインバータ起動判定部の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。 同実施形態におけるインバータ起動判定部の動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係るインバータ起動判定部の構成を示す模式図である。 本発明の第5の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。 同実施形態における初期回転位置推定演算部の構成を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態に係るモータ制御装置の構成を示す模式図である。 同実施形態における変形構成を示す模式図である。
符号の説明
1…永久磁石式モータ、2…インバータ、3…バッテリー、4…コンデンサ、5…dq軸電流指令演算部、6,30…電流座標変換部、7,33…加減算器、8…電流制御器、9…電圧座標変換部、10…PWM制御部、11…誘起電圧演算部、12…磁極位置推定制御器、13,27…積分器、14…インバータ起動判定部、20…初期回転速度推定演算部、21,51,61…演算器、22…絶対値回路、23,28…ピークホールダー、24…平均化回路、25…ルックアップテーブル、26…零クロス検出器、29…割り算器、31…逆正接器、32…遅延器、34…乗算器、35…ハイパスフィルタ、40…直流電圧可変回路、41…直流電圧制御部、52,62…PLL回路、53…特定位相条件判定部、54…D−ラッチ回路、60…初期回転位置推定演算部、63…加算器。

Claims (16)

  1. 回転子を有する永久磁石モータを制御するインバータと、電流指令と前記永久磁石モータの電流との間の電流偏差にゲインを乗じることにより、前記インバータを制御するための電圧指令を算出する電流制御器とを備えたモータ制御装置において、
    前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、
    前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、
    前記判定の結果、前記低速回転中の場合には、前記インバータの起動タイミング及び前記電流制御器のゲインの両者を制御せずに前記インバータを再起動する第1の再起動手段と、
    前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータの起動タイミングを制御又は前記電流制御器のゲインを増加することにより、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記高速回転中と低速回転中との境界は、前記永久磁石モータの誘起電圧と前記インバータの直流入力電圧とが等しくなる回転速度であることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    前記回転速度判定手段は、前記永久磁石モータに流れる多相電流のうちの少なくとも1つの相の電流が流れない場合又は前記直流入力電流が流れない場合に「低速回転中」と判定し、前記多相電流及び前記直流入力電流が流れた場合に「高速回転中」と判定することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、
    前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、
    前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、
    前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、
    前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、
    前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とを備えており、
    前記第2の再起動手段は、
    前記永久磁石モータに流れる多相交流電流のうちの少なくとも1つの相の交流電流に基づいて、前記回転子の初期回転速度を推定する初期回転速度推定手段と、 前記回転子の回転速度の初期値として、前記初期回転速度を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段とを備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段は、前記永久磁石モータに流れる多相交流電流の少なくとも一つの電流の大きさに基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  6. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段は、前記永久磁石モータに流れる多相交流電流の周波数に基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  7. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段は、前記永久磁石モータに流れる電流に対応する電流ベクトルの回転角度変化に基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  8. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段に代えて、
    前記インバータに供給される直流入力電流に基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  9. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段に代えて、
    前記インバータに供給される直流入力電流のリップル周波数に基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  10. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段に代えて、
    前記インバータに印加される直流入力電圧のリップル周波数に基づいて、前記初期回転速度を推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  11. 請求項5又は請求項8に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段は、当該電流の大きさと前記インバータの直流入力電圧の大きさとに基づいて、前記初期回転速度を推定することを特徴とするモータ制御装置。
  12. 請求項4に記載のモータ制御装置において、
    前記初期回転速度推定手段に代えて、
    予め設定した初期速度を前記回転子の速度として推定する手段を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  13. 回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、
    前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、
    前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、
    前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、
    前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、
    前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段と、
    前記第2の再起動手段により再起動する場合、前記インバータの停止中に流れる多相交流電流又は直流入力電流を実質的にゼロにするように、前記直流入力電圧を制御する直流電圧制御手段と、
    前記ゼロに制御したときの直流入力電圧に基づいて、前記回転子の初期回転速度を推定する初期回転速度推定手段と、 前記回転子の回転速度の初期値として、前記初期回転速度を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  14. 回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、
    前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、
    前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、
    前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記永久磁石モータに流れている多相交流電流の特定の位相に基づく起動タイミングで前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  15. 回転子を有する永久磁石モータをインバータにより制御するモータ制御装置において、
    前記インバータの停止中、起動命令を受信するための起動命令受信手段と、
    前記起動命令を受信すると、前記永久磁石モータの電流、前記インバータの直流入力電流、又は前記インバータの直流入力電圧に基づいて、前記回転子が高速回転中か又は低速回転中かを判定する回転速度判定手段と、
    前記判定の結果、前記高速回転中の場合には、前記インバータを再起動する第2の再起動手段と、
    前記回転子の回転速度に基づいて、前記回転子の位置を推定演算する回転子位置推定演算手段と、
    前記推定演算の結果に基づいて、前記インバータを制御する制御手段とを備えており、
    前記第2の再起動手段は、
    前記永久磁石モータに流れる多相交流電流に基づいて、前記回転子の初期位置を推定する初期位置推定手段と、 前記推定演算の結果の初期値として、前記初期位置を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
  16. 請求項4乃至請求項13のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
    前記第2の再起動手段は、
    前記永久磁石モータに流れている多相交流電流の特定の位相に基づく起動タイミングで、前記再起動を実行する手段と、
    前記永久磁石モータに流れる多相交流電流に基づいて、前記回転子の初期位置を推定する初期位置推定手段と、
    前記推定演算の結果の初期値として、前記初期位置を前記回転子位置推定演算手段に設定する手段と
    を備えたことを特徴とするモータ制御装置。
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