JP2001339999A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JP2001339999A JP2000160194A JP2000160194A JP2001339999A JP 2001339999 A JP2001339999 A JP 2001339999A JP 2000160194 A JP2000160194 A JP 2000160194A JP 2000160194 A JP2000160194 A JP 2000160194A JP 2001339999 A JP2001339999 A JP 2001339999A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】回転子位置センサを用いることなくモータ回転
子の位置を把握して、小型化、低コスト化、ならびにメ
ンテナンスの容易化を図ること。 【解決手段】d軸電圧指令およびq軸電圧指令と、d軸
電流およびq軸電流の実際値とを用いて、それぞれの入
力の値の高周波電流指令重畳手段11で重畳した高周波
電流の周波数成分を抽出し、かつ当該q軸電圧高周波成
分とq軸電流高周波成分との積から、d軸電圧高周波成
分とd軸電流高周波成分との積を減じた値を算出し、当
該算出値の直流成分がゼロとなるようにモータ回転子の
回転速度推定値を補正して出力すると共に、モータ回転
子の回転速度推定値の時間積分値をモータ回転子の位置
推定値として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータの制御装置
に係り、特に小型化、低コスト化、ならびにメンテナン
スの容易化を図るようにしたモータ制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば永久磁石同期モータの
制御装置としては、回転する界磁の位置を検出して、そ
れに合わせて駆動用インバータの制御を行なう方式のも
のと、界磁の位置に関係なく、開ループでインバータの
出力周波数を制御する方式のものとがある。
【0003】前者は、直流モータと類似の動作および特
性が得られることから、ブラシレス直流モータと呼ばれ
る場合もある。後者は、誘導機の電圧/周波数制御と同
様の制御となるが、同強制風冷式の場合には脱調が発生
する可能性がある。従って、低速回転で大きなトルクを
得ることが困難なため、繊維機械の巻取機等、特殊な用
途に使用されているにすぎない。
【0004】図17は、この種の永久磁石同期モータの
基本的な制御構成を示すブロック図である。図17に示
すように、永久磁石同期モータ1と、直流電力を交流電
力に変換して永久磁石同期モータ1に供給するための電
圧形PWMインバータ(以下、単にインバータと称す
る)2と、永久磁石同期モータ1の印加電圧または電流
の位相を決定するための磁極位置の検出器3と、電流制
御器4とから構成されている。これに速度制御を行なう
ためには、そのための速度制御器5および回転速度の検
出器3が付加される。さらに、位置制御を行なう場合に
は、位置制御器6および位置の検出器3が付加される。
一方、最近では、この種の永久磁石同期モータの制御装
置として、ベクトル制御により制御を行なう方式のもの
が提案されてきている。図18は、この種のベクトル制
御による従来の永久磁石同期モータの制御装置の構成例
を示す機能ブロック図であり、図17と同一要素には同
一符号を付して示している。図18において、電流制御
手段12では、d軸電流指令、q軸電流指令IdRe
f、IqRefと、電流座標変換手段14から出力され
るd軸電流、q軸電流の実際値Id、Iqとを入力とし
て、演算によりd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRe
f、VqRefを求めて出力する。
【0005】電圧指令座標変換手段13では、電流制御
手段12から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令V
dRef、VqRefと、回転子位置センサ10から出
力されるモータ回転子の位置検出値θとを入力として、
演算によりインバータ2の3相電圧指令Vu、Vv、V
wを求めて出力する。
【0006】電流座標変換手段14では、3相のうちの
2相の電流検出値Iu、Iwと、回転子位置センサ10
から出力される回転子位置検出値θとを入力として、演
算によりdq座標軸での値である上記d軸電流、q軸電
流の実際値Id、Iqを求めて出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、永久磁石モ
ータやリラクタンスモータ等のモータの出力トルクを、
上記のようなベクトル制御による制御装置で高精度かつ
高速に制御する場合には、モータ回転子の位置に応じて
電流を流し込むために、回転子位置センサ10を取り付
ける必要がある。
【0008】しかしながら、回転子位置センサ10は比
較的体積が大きいために、装置が大型となって配置上の
制約を誘起したり、回転子位置センサ10からの出力を
制御装置本体まで伝送するための制御伝送線の引き回し
の煩わしさ、断線等の故障要因が増加して、コストが高
くなるばかりでなくメンテナンスも困難となる。
【0009】これに対して、永久磁石モータにおいて
は、永久磁石の磁束に起因して回転中に発生するモータ
逆起電圧を検出することで、間接的にモータ回転子の位
置を知ることができるが、逆起電圧が原理的に発生しな
い回転数ゼロの運転状態では、モータ回転子の位置を知
ることができないという問題がある。
【0010】本発明の目的は、回転子位置センサを用い
ることなくモータ回転子の位置を把握して、小型化、低
コスト化、ならびにメンテナンスの容易化を図ることが
可能なモータ制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明では、モータ回転子に磁
気的突極性を有し、直流電力を交流電力に変換するイン
バータからの出力が供給されるモータの制御装置におい
て、モータ回転子の回転周波数と異なる高周波数成分の
回転電流指令を、トルクを出力するために必要なd軸電
流指令およびq軸電流指令(q軸:回転子突方向、d
軸:回転子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳する高周
波電流指令重畳手段と、モータのd軸電流およびq軸電
流の実際値が高周波電流指令重畳手段から出力される電
流指令値に追従するように、インバータ出力のd軸電圧
指令およびq軸電圧指令を操作する電流制御手段と、電
流制御手段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電
圧指令を、モータ回転子の位置推定値を用いて、インバ
ータの3相電圧指令に変換する電圧指令座標変換手段
と、モータの3相電流を、モータ回転子の位置推定値を
用いて、dq座標軸での値であるd軸電流およびq軸電
流の実際値に変換する電流座標変換手段と、電流制御手
段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指令
と、電流座標変換手段からの出力であるd軸電流および
q軸電流の実際値とを用いて、それぞれの入力の値の高
周波電流指令重畳手段で重畳した高周波電流の周波数成
分を抽出し、かつ当該q軸電圧高周波成分とq軸電流高
周波成分との積から、d軸電圧高周波成分とd軸電流高
周波成分との積を減じた値を算出し、当該算出値の直流
成分がゼロとなるようにモータ回転子の回転速度推定値
を補正して出力すると共に、モータ回転子の回転速度推
定値の時間積分値をモータ回転子の位置推定値として出
力する回転子位置推定手段とを備えている。
【0012】従って、請求項1に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、モータ回転子の回転速度と異なる高周波回転電流
をモータに印加し、その電流を印加するために必要な高
周波電圧を用いて、モータ回転子の磁気抵抗の差を検出
することで、回転子位置センサなしにモータ回転子の位
置を推定することができる。
【0013】特に、q軸高周波電圧成分とq軸高周波電
流成分との積と、d軸高周波電圧成分とd軸高周波電流
成分との積との差の直流成分に応じて、モータ回転子の
位置推定値を補正することにより、簡単な装置構成で高
精度の磁極位置推定値を得ることができる。
【0014】これにより、回転子位置センサを用いるこ
となくモータ回転子の位置を把握して、小型化、低コス
ト化、ならびにメンテナンスの容易化を図ることが可能
となる。
【0015】また、請求項2に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明のモータ制御装置において、回
転子位置推定手段に、q軸電圧高周波成分とq軸電流高
周波成分との積から、d軸電圧高周波成分とd軸電流高
周波成分との積を減じた結果を入力として、高周波電流
指令重畳手段で重畳する高周波電流指令の周波数の2倍
の周波数成分のみを選択的に遮断して出力するフィルタ
手段を付加している。
【0016】従って、請求項2に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、速度変化率が高い運転状態におけるモータ回転子
位置推定応答速度遅れなく、直流成分のみを取り出すこ
とができる。
【0017】さらに、請求項3に対応する発明では、モ
ータ回転子に磁気的突極性を有し、直流電力を交流電力
に変換するインバータからの出力が供給される永久磁石
モータの制御装置において、モータ回転子の回転周波数
と異なる高周波数成分の回転電流指令を、トルクを出力
するために必要なd軸電流指令およびq軸電流指令(q
軸:回転子突方向、d軸:回転子突方向と直角方向)に
それぞれ重畳する高周波電流指令重畳手段と、永久磁石
モータのd軸電流およびq軸電流の実際値が高周波電流
指令重畳手段からの出力である電流指令値に追従するよ
うに、インバータ出力のd軸電圧指令およびq軸電圧指
令を操作する電流制御手段と、電流制御手段からの出力
であるd軸電圧指令およびq軸電圧指令を、モータ回転
子の位置推定値を用いてインバータの3相電圧指令に変
換する電圧指令座標変換手段と、永久磁石モータの3相
電流を、モータ回転子の位置推定値を用いてdq座標軸
での値であるd軸電流およびq軸電流の実際値に変換す
る電流座標変換手段と、電流制御手段からの出力である
d軸電圧指令およびq軸電圧指令と、電流座標変換手段
からの出力であるd軸電流検出値およびq軸電流検出値
とを用いて、それぞれの入力の値の高周波電流指令重畳
手段で重畳した高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ
当該q軸電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積か
ら、d軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を
減じた値を算出し、当該算出値の直流成分がゼロとなる
ようにモータ回転子の回転速度推定値を補正して出力す
ると共に、モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値
をモータ回転子の位置推定値として出力する回転子位置
推定手段と、永久磁石モータの永久磁石のN極、S極を
同定するように、高周波電流指令重畳手段からの出力で
あるd軸電流指令に一定時間で交番する正負の直流電流
指令を重畳するd軸直流電流指令重畳手段と、電流制御
手段からの出力であるd軸電圧指令と、電流座標変換手
段からの出力であるd軸電流の実際値とを入力として、
それぞれの入力の値の高周波電流指令重畳手段で重畳し
た高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該d軸電圧
高周波成分をd軸電流高周波成分で除した値を、d軸直
流電流指令重畳手段で重畳したd軸直流電流が正の時と
負の時とで大小関係を比較し、当該大小比較結果に応じ
て永久磁石のN極がd軸正方向であるか負方向であるか
を判別し、位相角修正値を算出して出力するNS判別手
段とを備えている。
【0018】従って、請求項3に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、埋め込み磁石モータや永久磁石リラクタンスモー
タ等のように、モータ回転子に磁気的突極性を有する永
久磁石モータのモータ回転子の位置を検出することがで
きる。
【0019】また、請求項4に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明のモータ制御装置において、回
転子位置推定手段のモータ回転子位置補正の制御ゲイン
を、電源投入時やインバータ動作停止後の再起動時等の
インバータ動作開始時と通常運転時とで異なる値として
設定する手段を付加している。
【0020】従って、請求項4に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、インバータ動作開始時のモータ回転子の位置推定
の整定時間の短縮と、高ゲインによる定常時のモータ回
転子の位置推定の安定性との両立を図ることができる。
【0021】さらに、請求項5に対応する発明では、上
記請求項1に対応する発明のモータ制御装置において、
回転子位置推定手段に、モータ回転子位置補正の制御ゲ
インを、q軸電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との
積から、d軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との
積を減じた値の直流成分の絶対値の大きさに応じて可変
設定する制御ゲイン設定手段を付加している。
【0022】従って、請求項5に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、外乱が加わった時のモータ回転子の位置推定失
敗、いわゆる脱調現象の防止と、定常時の安定性との両
立を図ることができる。
【0023】一方、請求項6に対応する発明では、直流
電力を交流電力に変換するインバータからの出力が供給
される永久磁石モータの制御装置において、永久磁石モ
ータのd軸電流およびq軸電流の実際値がd軸電流指令
値およびq軸電流指令値に追従するように、インバータ
出力のd軸電圧指令およびq軸電圧指令を操作する電流
制御手段と、電流制御手段からの出力であるd軸電圧指
令およびq軸電圧指令を、永久磁石モータのモータ回転
子の位置推定値を用いてインバータの3相電圧指令に変
換する電圧指令座標変換手段と、永久磁石モータの3相
電流を、モータ回転子の位置推定値を用いてdq座標軸
での値であるd軸電流およびq軸電流の実際値に変換す
る電流座標変換手段と、電流制御手段からの出力である
d軸電圧指令およびq軸電圧指令と、d軸電流指令値お
よびq軸電流指令値と、モータ回転子の回転速度推定値
とを用いて、永久磁石モータの永久磁石によるモータ誘
起電圧を推定演算する第一の誘起電圧推定演算手段と、
電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令と、電流座標変換手段からの出力であるd軸電
流およびq軸電流の実際値と、モータ回転子の回転速度
推定値とを用いて、永久磁石モータの永久磁石によるモ
ータ誘起電圧を推定演算する第二の誘起電圧推定演算手
段と、第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電
圧d軸成分推定値に重み係数を乗じた値と、第二の誘起
電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定値
に重み係数を乗じた値とを加算した値がゼロとなるよう
に、モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力する
と共に、モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値を
モータ回転子の位置推定値として出力する回転子位置推
定手段とを備えている。
【0024】従って、請求項6に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、電流指令値を用いた誘起電圧推定値による検出系
のノイズ等に対する安定性の向上と、電流実際値を用い
た誘起電圧推定による回転子位置推定誤差が大きい場合
の検出感度向上との両方のよい特性を持ったモータ回転
子の位置推定を行なうことができる。
【0025】また、請求項7に対応する発明では、上記
請求項6に対応する発明のモータ制御装置において、回
転子位置推定手段に、第一の誘起電圧推定手段からの出
力である誘起電圧d軸成分推定値と、第二の誘起電圧推
定手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定値とにそ
れぞれ乗じる重み係数を、回転子位置推定手段からの出
力であるモータ回転子の回転速度推定値の絶対値の大き
さに応じて可変設定する重み係数設定手段を付加してい
る。
【0026】従って、請求項7に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、外乱等によるモータ回転子の位置推定誤差が大き
くなり易い高速運転領域での検出感度向上と、低速運転
領域での検出系ノイズに対する安定性の向上との両立を
図ることができる。
【0027】さらに、請求項8に対応する発明では、上
記請求項6に対応する発明のモータ制御装置において、
回転子位置推定手段に、電流制御手段からの出力である
電圧指令がインバータの出力可能最大電圧を上回った場
合には、第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起
電圧d軸成分推定値を用いずに、第二の誘起電圧推定手
段からの出力である誘起電圧d軸成分推定値のみを用い
てモータ回転子の位置推定値補正を行なうように、重み
係数を切り替える重み係数切替手段を付加している。
【0028】従って、請求項8に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、電圧指令がインバータの出力可能最大電圧を越え
た場合の電流制御不能状態で電流実際値が電流指令値と
かけ離れた場合に、電流指令値を用いてモータ誘起電圧
の推定を行なうことによる推定誤差を防止することがで
きる。
【0029】さらにまた、請求項9に対応する発明で
は、上記請求項6に対応する発明のモータ制御装置にお
いて、回転子位置推定手段に、第一の誘起電圧推定手段
からの出力である誘起電圧d軸成分推定値と、第二の誘
起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定
値とにそれぞれ乗じる重み係数を、電流制御手段からの
出力であるd軸電圧指令の2乗とq軸電圧指令の2乗と
の和の平方根(電圧ベクトル振幅)の、インバータの出
力可能最大電圧に対する比率(変調率)の大きさに応じ
て可変設定する重み係数設定手段を付加している。
【0030】従って、請求項9に対応する発明のモータ
制御装置においては、以上のような手段を備えることに
より、重み係数を連続的に変化させることで、上記請求
項8に対応する発明のモータ制御装置で問題となる可能
性のある、重み係数の急激な切替えによる制御不連続を
抑制することができる。
【0031】一方、請求項10に対応する発明では、直
流電力を交流電力に変換するインバータからの出力が供
給される永久磁石モータの制御装置において、d軸電流
指令値およびq軸電流指令値と、永久磁石モータのd軸
電流およびq軸電流の実際値とを入力として、トルク成
分電流実際値がトルク成分電流指令値に追従するように
電圧位相角を操作する電流制御手段と、電流制御手段か
らの出力である電圧位相角と、インバータの入力直流電
圧とを入力として、インバータの出力可能最大電圧をd
軸およびq軸に分配してd軸電圧指令およびq軸電圧指
令を生成するdq軸電圧指令発生手段と、dq軸電圧指
令発生手段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電
圧指令を、永久磁石モータのモータ回転子の位置推定値
を用いてインバータの3相電圧指令に変換する電圧指令
座標変換手段と、永久磁石モータの3相電流を、モータ
回転子の位置推定値を用いてdq座標軸での値であるd
軸電流およびq軸電流の実際値に変換する電流座標変換
手段と、電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令お
よびq軸電圧指令と、電流座標変換手段からの出力であ
るd軸電流およびq軸電流の実際値と、モータ回転子の
回転速度推定値とを用いて、永久磁石モータの永久磁石
によるモータ誘起電圧を推定演算する誘起電圧推定演算
手段と、誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d
軸成分推定値がゼロとなるように、モータ回転子の回転
速度推定値を補正して出力すると共に、モータ回転子の
回転速度推定値の時間積分値をモータ回転子の位置推定
値として出力する回転子位置推定手段とを備えている。
【0032】従って、請求項10に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、インバータの出力可能最大電圧での電圧位相角
操作による電流制御、いわゆる1パルスベクトル制御
を、回転子位置センサなしに実現することができる。
【0033】また、請求項11に対応する発明では、上
記請求項6に対応する発明のモータ制御装置において、
電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令を入力として、dq軸電圧ベクトルのd軸に対
する位相角の時間変化率を算出して出力する電圧位相角
回転速度演算手段と、インバータの動作開始後一定時間
は、電流制御手段に入力するd軸電流指令値およびq軸
電流指令値を共にゼロに設定すると共に、回転子位置推
定手段から出力するモータ回転子の回転速度推定値およ
び位置推定値を共にゼロに設定し、その間に電圧位相角
回転速度演算手段から出力される電圧位相角回転速度
を、回転子位置推定手段のモータ回転子の回転速度推定
値の初期値として設定する手段とを付加し、モータ回転
子の回転速度推定値の初期値を設定した後に回転子位置
推定手段の動作を開始して定常動作に移行するようにし
ている。
【0034】従って、請求項11に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、回転中の永久磁石モータをインバータで再始動
する時の過渡変動の抑制と、定常動作への速やかな移行
との両立を図ることができる。
【0035】一方、請求項12に対応する発明では、モ
ータ回転子に磁気的突極性を有し、直流電力を交流電力
に変換するインバータからの出力が供給される永久磁石
モータの制御装置において、モータ回転子の回転周波数
と異なる高周波数成分の回転電流指令を、トルクを出力
するために必要なd軸電流指令およびq軸電流指令(q
軸:回転子突方向、d軸:回転子突方向と直角方向)に
それぞれ重畳する高周波電流指令重畳手段と、永久磁石
モータのd軸電流およびq軸電流の実際値が高周波電流
指令重畳手段から出力される電流指令値に追従するよう
に、インバータ出力のd軸電圧指令およびq軸電圧指令
を操作する電流制御手段と、電流制御手段からの出力で
あるd軸電圧指令およびq軸電圧指令を、モータ回転子
の位置推定値を用いてインバータの3相電圧指令に変換
する電圧指令座標変換手段と、永久磁石モータの3相電
流を、モータ回転子の位置推定値を用いてdq座標軸で
の値であるd軸電流およびq軸電流の実際値に変換する
電流座標変換手段と、電流制御手段からの出力であるd
軸電圧指令およびq軸電圧指令と、電流座標変換手段か
らの出力であるd軸電流およびq軸電流の実際値とを用
いて、それぞれの入力の値の高周波電流指令重畳手段で
重畳した高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該q
軸電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積から、d
軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた
値を算出し、当該算出値の直流成分がゼロとなるように
モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共
に、モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値をモー
タ回転子の位置推定値として出力する第一の回転子位置
推定手段と、電流制御手段からの出力であるd軸電圧指
令およびq軸電圧指令と、d軸電流指令値およびq軸電
流指令値と、モータ回転子の回転速度推定値とを用い
て、永久磁石モータの永久磁石によるモータ誘起電圧を
推定演算する第一の誘起電圧推定演算手段と、電流制御
手段からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指令
と、電流座標変換手段からの出力であるd軸電流および
q軸電流の実際値と、モータ回転子の回転速度推定値と
を用いて、永久磁石モータの永久磁石によるモータ誘起
電圧を推定演算する第二の誘起電圧推定演算手段と、第
一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成
分推定値に重み係数を乗じた値と、第二の誘起電圧推定
手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定値に重み係
数を乗じた値とを加算した値がゼロとなるように、モー
タ回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共に、
モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値をモータ回
転子の位置推定値として出力する第二の回転子位置推定
手段と、電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令お
よびq軸電圧指令のベクトル和の大きさ(電圧べクトル
振幅)を算出して出力する電圧ベクトル振幅演算手段
と、インバータの動作開始後一定時間は、電流制御手段
に入力するd軸電流指令値およびq軸電流指令値を共に
ゼロに設定すると共に、第一および第二の回転子位置推
定手段から出力するモータ回転子の回転速度推定値およ
び位置推定値を共にゼロに設定し、その間に電圧ベクト
ル振幅演算手段からの出力である電圧ベクトル振幅の大
きさに応じて、当該電圧ベクトル振幅が一定値以上の場
合には第二の回転子位置推定手段からの出力を、また電
圧ベクトル振幅が一定値未満の場合には第一の回転子位
置推定手段からの出力を、電圧指令座標変換手段および
電流座標変換手段に対するモータ回転子の位置推定値と
してそれぞれ出力するように切り替える手段とを備えて
いる。
【0036】従って、請求項12に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、インバータ再始動時のモータの回転速度によら
ずに、再始動時の過渡変動の抑制と、定常動作への速や
かな移行との両立を図ることができる。
【0037】また、請求項13に対応する発明では、上
記請求項6に対応する発明のモータ制御装置において、
インバータの動作開始後一定時間は、インバータの3相
出力電圧を相間電圧がそれぞれゼロとなるように設定出
力し、その時に流れる永久磁石モータの電流の実際値か
ら電流周波数を算出し、回転子位置推定手段の初期値と
して設定する手段を付加している。
【0038】従って、請求項13に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、回転中の永久磁石モ一タに対するインバータ再
始動、特に永久磁石モータの誘起電圧線間電圧がインバ
ータの直流電圧以上になる高速回転中の再始動時の過渡
変動の抑制と、定常動作への速やかな移行との両立を図
ることができる。
【0039】一方、請求項14に対応する発明では、直
流電源と、当該直流電源からの直流電力を交流電力に変
換して永久磁石モータに供給するインバータと、直流電
源とインバータとの間を電気的に接続/切り離しするス
イッチとから構成される、上記請求項6に対応する発明
のモータ制御装置において、永久磁石モータの回転誘起
電圧のダイオード整流電圧が、直流電源電圧を上回るよ
うな高速回転状態からインバータを動作させる場合に、
インバータの動作開始前に直流電源とインバータとの間
のスイッチを投入し、その時永久磁石モータからインバ
ータのスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオー
ドを介して流れる3相交流電流の実際値から電流周波数
を算出し、回転子位置推定手段の初期値として設定した
後にインバータの動作を開始する手段を付加している。
【0040】従って、請求項14に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、永久磁石モータの誘起電圧線間電圧がインバー
タの直流電源電圧以上になる高速回転中の再始動に際し
て、直流電源とインバ−タ直流入力とをスイッチで接続
した際に流れる電流を検出するだけで、再始動時の過渡
変動の抑制と、定常動作への速やかな移行との両立を図
ることができる。
【0041】また、請求項15に対応する発明では、上
記請求項14に対応する発明のモータ制御装置におい
て、スイッチの投入時、3相交流電流の実際値がすベて
ゼロの場合には、永久磁石モータの速度が低いと判断し
て、回転子位置推定手段で得られる定常状態と同一のモ
ータ回転子の位置推定値でインバータの動作を開始する
手段を付加している。
【0042】従って、請求項15に対応する発明のモー
タ制御装置においては、以上のような手段を備えること
により、永久磁石モータの誘起電圧線間電圧の大小にか
かわらず、回転中の永久磁石モータの再始動時の過渡変
動抑制と、定常動作への速やかな移行との両立を図るこ
とができる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明は、モータのモータ回転子
の回転速度と異なる高周波回転電流をモータに印加し、
その電流を印加するために必要な高周波電圧を用いて、
モータ回転子の磁気抵抗の差を検出することで、回転子
位置センサなしにモータ回転子の位置を推定するもので
ある。
【0044】以下、上記のような考え方に基づく本発明
の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。
【0045】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態によるモータ回転子に磁気的突極性を有し、直流電力
を交流電力に変換するインバータからの出力が供給され
るモータの制御装置の構成例を示す機能ブロック図であ
り、図18と同一要素には同一符号を付して示してい
る。すなわち、本実施の形態のモータ制御装置は、図1
に示すように、高周波電流指令重畳手段11と、電流制
御手段12と、電圧指令座標変換手段13と、電流座標
変換手段14と、回転子位置推定手段15とから構成し
ている。高周波電流指令重畳手段11は、モータ1のモ
ータ回転子の回転周波数と異なる高周波数成分の回転電
流指令を、トルクを出力するために必要なd軸電流指令
およびq軸電流指令(q軸:回転子突方向、d軸:回転
子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳する。
【0046】電流制御手段12は、電流座標変換手段1
4からの出力であるモータ1のd軸電流およびq軸電流
の実際値が高周波電流指令重畳手段11から出力される
電流指令値に追従するように、インバータ2出力のd軸
電圧指令およびq軸電圧指令を操作する。
【0047】電圧指令座標変換手段13は、電流制御手
段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指
令を、回転子位置推定手段15からの出力であるモータ
回転子の位置推定値を用いて、インバータ2の3相電圧
指令に変換する。
【0048】電流座標変換手段14は、モータ1の3相
電流(3相のうちの2相の電流検出値)を、回転子位置
推定手段15からの出力であるモータ回転子の位置推定
値を用いて、dq座標軸での値である上記d軸電流およ
びq軸電流の実際値に変換する。
【0049】回転子位置推定手段15は、電流制御手段
12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指令
と、電流座標変換手段14からの出力であるd軸電流お
よびq軸電流の実際値とを用いて、それぞれの入力の値
の高周波電流指令重畳手段11で重畳した高周波電流の
周波数成分を抽出し、かつこのq軸電圧高周波成分とq
軸電流高周波成分との積から、d軸電圧高周波成分とd
軸電流高周波成分との積を減じた値を算出し、この算出
値の直流成分がゼロとなるようにモータ回転子の回転速
度推定値を補正して出力すると共に、モータ回転子の回
転速度推定値の時間積分値を上記モータ回転子の位置推
定値として出力する。
【0050】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0051】図1において、高周波電流指令重畳手段1
1では、トルク指令に基づきあらかじめ記憶しておいた
パターンにしたがったd軸電流指令、q軸電流指令Id
Ref1、IqRef1を入力として、モータ1の回転
周波数に対して十分高い周波数、例えば500Hzの高
周波回転電流指令IdRefHF、IqRefHFをそ
れぞれの電流指令IdRef1、IqRef1に重畳し
て、新たなd軸電流指令、q軸電流指令IdRef2、
IqRef2が出力される。
【0052】この場合、入力されるd軸電流指令、q軸
電流指令IdRef1、IqRef1は、例えば次のよ
うな式で与えられる。
【0053】 IdRef1=TrqRef*k*cos(3π/4) IqRef1=TrqRef*k*sin(3π/4) (TrqRef:トルク指令、kは定数) また、重畳する高周波成分は、例えば次のような式で与
えられる。
【0054】 IdRefHF=I1HF*cos(2π*fHF*
t) IqRefHF=I1HF*sin(2π*fHF*
t) (I1HF:高周波電流振幅、fHF:重畳電流周波数
500Hz、t:時刻) さらに、出力する新たなd軸電流指令、q軸電流指令
は、例えば次のような式で与えられる。
【0055】 IdRef2=IdRef1+IdRefHF IqRef2=IqRef2+IqRefHF 電流制御手段12では、高周波電流指令重畳手段11か
ら出力されるd軸電流指令、q軸電流指令IdRef
2、IqRef2と、電流座標変換手段14から出力さ
れるd軸電流、q軸電流の実際値Id、Iqとを入力と
して、次のような演算により、d軸電圧指令、q軸電圧
指令VdRef、VqRefを求めて出力される。
【0056】 VdRef=(Kp+Ki/s)*(IdRef−I
d) VqRef=(Kp+Ki/s)*(IqRef−I
q) (Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲイン、sはラプラス
演算子) 電圧指令座標変換手段13では、電流制御手段12から
出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、V
qRefと、回転子位置推定手段15から出力される回
転子位置推定値θhとを入力として、次のような演算に
より、3相電圧指令Vu、Vv、Vwを求めて出力され
る。
【0057】
【数1】
【0058】
【数2】
【0059】電流座標変換手段14では、モータ1の3
相のうちの2相の電流検出値Iu、Iwと、回転子位置
推定手段15から出力される回転子位置推定値θhとを
入力として、次のような演算により、d軸電流、q軸電
流の実際値Id、Iqを求めて出力される。
【0060】
【数3】
【0061】回転子位置推定手段15では、電流制御手
段12から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令Vd
Ref、VqRefと、電流座標変換手段14から出力
されるd軸電流、q軸電流の実際値Id、Iqとを入力
として、次のような手順により、モータ回転子の位置推
定値θhおよび回転角速度推定値ωhを求めて出力され
る。
【0062】すなわち、図1中のBPFブロックは、バ
ンドパスフィルタ(Band Pass Filte
r)を示す。
【0063】
【数4】
【0064】(xは入力、yは出力、fHFは高周波電
流指令重畳手段11で重畳する高周波電流周波数成分
(500Hz)、Qは定数) d軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、VqRef、
d軸電流、q軸電流Id、IqのバンドパスフィルタB
FPの出力結果を、それぞれVdRefBPF、VqR
efBPF、IdBFP、IqBPFとし、まず次のよ
うな評価関数Hが求められる。
【0065】H=VqRefBPF*IqBPF−Vd
RefBPF*IdBPF次に、この評価関数Hがゼロ
となるように、比例積分制御により回転子角周波数推定
値ωhを求めて出力される。
【0066】ωh=(KpSL+KiSL/s)*H (KpSL:比例ゲイン、KiSL:積分ゲイン、s:
ラプラス演算子) さらに、回転子角周波数推定値ωhの積分値が、モータ
回転子の位置推定値θhとして出力される。
【0067】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、簡単な装置構成で、高精度の磁極位置推定
値を得ることができる。
【0068】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、回転子位置センサを用いることなくモ
ータ回転子の位置を把握して、小型化、低コスト化、な
らびにメンテナンスの容易化を図ることが可能となる。
【0069】(第2の実施の形態)図2は、本実施の形
態によるモータ制御装置の構成例を示す機能ブロック図
であり、図1と同一要素には同一符号を付してその説明
を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0070】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図2に示すように、図1における回転子位置推定手
段15に、フィルタ手段であるバンドパスフィルタBF
P2を付加した構成としている。
【0071】バンドパスフィルタBFP2は、前記q軸
電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積から、d軸
電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた結
果を入力として、高周波電流指令重畳手段11で重畳す
る高周波電流指令の周波数の2倍の周波数成分のみを選
択的に遮断して出力する。
【0072】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0073】図2において、回転子位置推定手段15で
は、評価関数Hに対して次のようなバンドパスフィルタ
BFP2で、電流指令重畳高周波fHFの2倍の周波数
成分のみを選択的に遮断した結果Hdcがゼロとなるよ
うに比例積分制御し、回転子角周波数推定値ωhを求め
て出力される。
【0074】
【数5】
【0075】 ωh=(KpSL+KiSL/s)*Hdc (KpSL:比例ゲイン、KiSL:積分ゲイン、s:
ラプラス演算子) さらに、この回転子角周波数推定値ωhの積分値が、モ
ータ回転子の位置推定値θhとして出力される。
【0076】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 上述したように、本実施の形態によるモータ制御装置で
は、速度変化率が高い運転状態におけるモータ回転子位
置推定応答速度遅れなく、直流成分のみを取り出すこと
が可能となる。 (第3の実施の形態)図3は、本実施の形態によるモー
タ回転子に磁気的突極性を有し、直流電力を交流電力に
変換するインバータからの出力が供給される永久磁石モ
ータの制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、
図1と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0077】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図3に示すように、図1におけるモータ1として、
埋め込み磁石モータや永久磁石式リラクタンスモータ等
のように、モータ回転子に磁気的突極性を有する永久磁
石モータを適用し、さらにd軸直流電流指令重畳手段1
6と、NS判別手段17とを付加した構成としている。
【0078】d軸直流電流指令重畳手段16は、永久磁
石モータ1の永久磁石のN極、S極を同定するように、
高周波電流指令重畳手段11からの出力であるd軸電流
指令に一定時間で交番する正負の直流電流指令を重畳す
る。
【0079】NS判別手段17は、電流制御手段12か
らの出力であるd軸電圧指令と、電流座標変換手段から
の出力であるd軸電流の実際値とを入力として、それぞ
れの入力の値の高周波電流指令重畳手段11で重畳した
高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該このd軸電
圧高周波成分をd軸電流高周波成分で除した値を、d軸
直流電流指令重畳手段16で重畳したd軸直流電流が正
の時と負の時とで大小関係を比較し、この大小比較結果
に応じて永久磁石のN極がd軸正方向であるか負方向で
あるかを判別し、位相角修正値を算出して出力する。
【0080】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について、図4を用いて説
明する。
【0081】図3において、d軸直流電流指令重畳手段
16では、高周波電流指令重畳手段11から出力される
d軸電流指令IdRef2を入力として、次のような手
順で、新たなd軸電流指令IdRef3を求めて出力さ
れる。
【0082】すなわち、インバータ2の動作開始時刻を
t=0とし、インバータ2の動作開始からの経過時間T
1、T2、T3に対応して、d軸直流電流バイアスId
Biasが設定される。
【0083】 T1<t<T2の時、 IdBias=+IdBIAS
0 T2<t<T3の時、 IdBias=−IdBIAS
0 それ以外の時、 IdBias=0 (IdBIASは正の一定値、モータ回転子鉄心が磁気
飽和する程度大きい電流振幅値に相当する) IdRef3=IdRef2+IdBias NS判別手段17では、図4に示すように、電流制御手
段12から出力されるd軸電圧指令VdRef、電流座
標変換手段14から出力されるd軸電流Idを入力とし
て、次のような演算により、現在のd軸がN極方向か、
S極方向かを判別し、位相角修正値ΔθNSを求めて出
力される。
【0084】次に、d軸電圧指令VdRefのfHF
(500Hz)周波数成分振幅|VdRefHF|が、
次のような演算により求められる。
【0085】
【数6】
【0086】また、d軸電流IdのfHF(500H
z)周波数成分振幅|IdHF|が、次のような演算に
より求められる。
【0087】
【数7】 次に、上記2つの演算値を用いて、次のような演算によ
りLdが求められる。
【0088】 Ld=|VdRefHF|/|IdHF| 次に、上記d軸直流電流指令重畳手段16において、正
の直流バイアス電流指令を重畳している時間(T1<t
<T2)に上記Ldをサンプルホールドした値をLdP
とし、負の直流バイアス電流指令を重畳している時間
(T2<t<T3)に上記Ldをサンプルホールドした
値をLdMとし、これらの値LdPとLdMとの大小関
係の比較結果に応じて、位相角修正値ΔθNSを求めて
出力される。
【0089】 LdP<LdMの時、 ΔθNS=0 LdP>LdMの時、 ΔθNS=π そして、回転子位置推定手段15から出力される回転子
位置推定値θhと、位相角修正値ΔθNSとの加算値
を、あらたな回転子位置推定値として、電圧指令座標変
換手段13および電流座標変換手段14にそれぞれ入力
して演算に用いられる。
【0090】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、埋め込み磁石モータや永久磁石リラク
タンスモータ等のように、モータ回転子に磁気的突極性
を有する永久磁石モータ1のモータ回転子の位置を検出
することが可能となる。 (第4の実施の形態)本実施の形態によるモータ制御装
置の構成は、前記第1の実施の形態と同一であり、前記
回転子位置推定手段15のモータ回転子位置補正の制御
ゲインを、電源投入時やインバータ2動作停止後の再起
動時等のインバータ2動作開始時と通常運転時とで異な
る値として設定する手段を付加している点のみが異なっ
ている。
【0091】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0092】図5において、回転子位置推定手段15の
制御比例ゲインKpSLは、インバータ2の動作開始か
ら一定時間ΔT経過するまでの間は、ΔT以降の通常動
作時の値よりも大きい値に設定される。
【0093】 0<t<ΔTの時、 KpSL=K1 ΔT<tの時、 kpSL=K2 (K1、K2は正の定数、K1>K2) 以上により、インバータ2の動作開始時の短時間での回
転子位置推定ができ、かつ高ゲインに起因した定常時の
回転子位置推定の安定性低下を抑制することができる。
【0094】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、インバータ2動作開始時のモータ回転
子の位置推定の整定時間の短縮と、高ゲインによる定常
時のモータ回転子の位置推定の安定性との両立を図るこ
とが可能となる。 (第5の実施の形態)図6は、本実施の形態によるモー
タ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、図1
と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0095】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図6に示すように、図1における回転子位置推定手
段15に、モータ回転子位置補正の制御ゲインを、q軸
電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積から、d軸
電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた値
の直流成分の絶対値の大きさに応じて可変設定する制御
ゲイン設定手段 18を付加した構成としてい
る。
【0096】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0097】図6において、回転子位置推定手段15で
は、電流制御手段12から出力されるd軸電圧指令、q
軸電圧指令VdRef、VqRefと、電流座標変換手
段14から出力されるdq軸電流、q軸電流の実際値I
d、Iqとを入力として、次のような手順により、回転
子位置推定値θhと回転角速度推定値ωhを求めて出力
される。
【0098】すなわち、図1中のBPFブロックは、バ
ンドパスフィルタ(BaRd Pass Filte
r)を示す。
【0099】
【数8】 (xは入力、yは出力、fHFは高周波電流指令重畳手
段11で重畳する高周波電流周波数成分(500H
z)、Qは定数)
【0100】d軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、
VqRef、d軸電流、q軸電流の実際値Id、Iqの
バンドパスフィルタBFPの出力結果を、それぞれVd
RefBPF、VqRefBPF、IdBPF、IqB
PFとし、まず次のような評価関数Hが求められる。
【0101】H=VqRefBPF*IqBPF−Vd
RefBPF*IdBPF 次に、この評価関数Hに対して次のようなバンドパスフ
ィルタBFP2で、電流指令重畳高周波fHFの2倍の
周波数成分のみを選択的に遮断した結果Hdcが求めら
れる。
【0102】
【数9】
【0103】次に、この評価関数Hdcに対して、次の
ような演算により、制御ゲインKpSL、KiSLの設
定値が求められる。
【0104】 KpSL=KpSL0+G・|Hdc| KiSL=KiSL0+G・|Hdc| (KpSL0、XiSL0、Gは定数) 次に、この評価関数Hdcがゼロとなるように、上記制
御ゲインを用いた比例積分制御により、回転子角周波数
推定値ωhを求めて出力される。
【0105】 ωh=(KpSL+KiSL/s)*H (KpSL:比例ゲイン、KiSL:積分ゲイン、s:
ラプラス演算子) さらに、この回転子角周波数ωhの積分値が、モータ回
転子の位置推定値θhとして出力される。
【0106】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、外乱が加わった時の回転子位置推定失敗、
いわゆる脱調現象の防止と、定常時の安定性の両立を図
ることができる。
【0107】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、外乱が加わった時のモータ回転子の位
置推定失敗、いわゆる脱調現象の防止と、定常時の安定
性との両立を図ることが可能となる。 (第6の実施の形態)図7は、本実施の形態による直流
電力を交流電力に変換するインバータからの出力が供給
される永久磁石モータの制御装置の構成例を示す機能ブ
ロック図であり、図1と同一要素には同一符号を付して
示している。すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図7に示すように、電流制御手段12と、電圧指令
座標変換手段13と、電流座標変換手段14と、第一の
誘起電圧推定演算手段21と、第二の誘起電圧推定演算
手段22と、回転子位置推定手段23とから構成してい
る。
【0108】モータ1は、永久磁石モータ、永久磁石リ
ラクタンスモータ等の、回転によって逆起電圧がモータ
端子に現われるモータである。
【0109】電流制御手段12は、電流座標変換手段1
4からの出力である永久磁石モータ1のd軸電流および
q軸電流の実際値がd軸電流指令値およびq軸電流指令
値に追従するように、インバータ2出力のd軸電圧指令
およびq軸電圧指令を操作する。
【0110】電圧指令座標変換手段13は、電流制御手
段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指
令を、回転子位置推定手段23からの出力である永久磁
石モータ1のモータ回転子の位置推定値を用いて、イン
バータ2の3相電圧指令に変換する。
【0111】電流座標変換手段14は、永久磁石モータ
1の3相電流(3相のうちの2相の電流検出値)を、回
転子位置推定手段23からの出力であるモータ回転子の
位置推定値を用いて、dq座標軸での値であるd軸電流
およびq軸電流の実際値に変換する。
【0112】第一の誘起電圧推定演算手段21は、電流
制御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令と、d軸電流指令値およびq軸電流指令値と、
回転子位置推定手段23からの出力であるモータ回転子
の回転速度推定値とを用いて、永久磁石モータ1の永久
磁石によるモータ誘起電圧を推定演算する。
【0113】第二の誘起電圧推定演算手段22は、電流
制御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令と、電流座標変換手段14からの出力であるd
軸電流およびq軸電流の実際値と、回転子位置推定手段
23からの出力であるモータ回転子の回転速度推定値と
を用いて、永久磁石モータ1の永久磁石によるモータ誘
起電圧を推定演算する。
【0114】回転子位置推定手段23は、第一の誘起電
圧推定手段21からの出力である誘起電圧d軸成分推定
値に重み係数を乗じた値と、第二の誘起電圧推定手段2
2からの出力である誘起電圧d軸成分推定値に重み係数
を乗じた値とを加算した値がゼロとなるように、モータ
回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共に、モ
ータ回転子の回転速度推定値の時間積分値を上記モータ
回転子の位置推定値として出力する。
【0115】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0116】図7において、電流制御手段12では、d
軸電流指令、q軸電流指令IdRef、IqRefと、
電流座標変換手段14から出力されるd軸電流、q軸電
流の実際値Id、Iqとを入力として、次のような演算
により、d軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、Vq
Refを求めて出力される。
【0117】 VdRef=(Kp+Ki/s)*(IdRef−I
d) VqRef=(Kp+Ki/s)*(IqRef−I
q) (Kp:比例ゲイン、Ki:積分ゲイン、sはラプラス
演算子) 電圧指令座標変換手段13では、電流制御手段12から
出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、V
qRefと、回転子位置推定手段23から出力される回
転子位置推定値θhとを入力として、次のような演算に
より、3相電圧指令Vu、Vv、Vwを求めて出力され
る。
【0118】
【数10】
【0119】電流座標変換手段14では、永久磁石モー
タ1の3相のうちの2相の電流検出値Iu、Iwと、回
転子位置推定手段23から出力される回転子位置推定値
θhとを入力として、次のような演算により、d軸電
流、q軸電流の実際値Id、Iqを求めて出力される。
【0120】
【数11】
【0121】第一の誘起電圧推定演算手段21では、電
流制御手段12から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧
指令VdRef、VqRefと、d軸電流指令、q軸電
流指令IdRef、IqRefと、回転子位置推定手段
23から出力される回転子角速度推定値ωhとを入力と
して、次のような演算により、d軸誘起電圧推定値Ed
1を求めて出力される。
【0122】
【数12】 (R:モータ巻線抵抗、Ld、Lq:モータdq軸イン
ダクタンス)
【0123】第二の誘起電圧推定演算手段21では、電
流制御手段12から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧
指令VdRef、VqRefと、電流座標変換手段14
から出力されるd軸電流、q軸電流の実際値Id、Iq
と、回転子位置推定手段23から出力される回転子回転
角速度推定値ωhとを入力として、次のような演算によ
り、d軸誘起電圧推定値Ed2を求めて出力される。
【0124】
【数13】 (R:モータ巻線抵抗、Ld、Lq:モータdq軸イン
ダクタンス)
【0125】回転子位置推定手段23では、第一の誘起
電圧推定演算手段21から出力されるd軸誘起電圧推定
値Ed1と、第二の誘起電圧推定演算手段22から出力
されるd軸誘起電圧推定値Ed2とを入力として、次の
ような演算により、モータ回転子角速度推定値ωhおよ
び回転子位置推定値θhを求めて出力される。
【0126】
【数14】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子、k1、k2:正の定数)
【0127】さらに、回転子角周波数推定値ωhの積分
値が、モータ回転子の位置推定値θhとして出力され
る。
【0128】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、電流指令値を用いた誘起電圧推定値(第一
の誘起電圧推定演算手段21)による、電流センサ等の
検出系のノイズに対する安定性の向上と、電流実際値を
用いた誘起電圧推定による回転子位置推定誤差が大きい
場合の検出感度向上との両方のよい特性を持ったモータ
回転子の位置推定を行なうことができる。
【0129】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、電流指令値を用いた誘起電圧推定値に
よる検出系のノイズ等に対する安定性の向上と、電流実
際値を用いた誘起電圧推定による回転子位置推定誤差が
大きい場合の検出感度向上との両方のよい特性を持った
モータ回転子の位置推定を行なうことが可能となる。 (第7の実施の形態)図8は、本実施の形態によるモー
タ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、図7
と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0130】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図8に示すように、図7における回転子位置推定手
段23に、重み係数設定部19を付加した構成としてい
る。
【0131】重み係数設定部19は、前記第一の誘起電
圧推定手段21からの出力である誘起電圧d軸成分推定
値と、第二の誘起電圧推定手段22からの出力である誘
起電圧d軸成分推定値とにそれぞれ乗じる重み係数を、
回転子位置推定手段23からの出力であるモータ回転子
の回転速度推定値の絶対値の大きさに応じて可変設定す
る。
【0132】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0133】図8において、回転子位置推定手段23で
は、第一の誘起電圧推定演算手段21から出力されるd
軸誘起電圧推定値Ed1と、第二の誘起電圧推定演算手
段22から出力されるd軸誘起電圧推定演算手段Ed2
とを入力として、次のような演算により、モータ回転子
角速度推定値ωhおよび回転子位置推定値θhを求めて
出力される。
【0134】
【数15】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子)
【0135】上記式中に現われるk1、k2は重み係数
であり、モータ回転子の角速度推定値ωhに応じて、重
み係数設定部19で次のような演算により設定される。
【0136】すなわち、まず、切替え関数Kexgが演
算される。
【0137】 (1)|ωh|<ω01の時、 Kexg=0 (2)ω01<|ωh|<ω02の時、 Kexg=(|ωh|−ω01)/(ω02−ω01) (3)ω02<|ω01|の時、 Kexg=1 (ω01、ω02はω01<ω02を満たす定数) 次に、このKexgを用いてk1、k2が、次のような
演算により求められる。
【0138】k1=1−Kexg k2=Kexg さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、モータ回転子
の位置推定値θhとして出力される。
【0139】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、外乱等によるモータ回転子の位置推定誤差
が大きくなり易い高速領域での位相誤差検出感度向上
と、低速領域での電流センサ等の検出系ノイズに対する
安定性の向上とを両立することができる。
【0140】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、外乱等によるモータ回転子の位置推定
誤差が大きくなり易い高速運転領域での検出感度向上
と、低速運転領域での検出系ノイズに対する安定性の向
上との両立を図ることが可能となる。 (第8の実施の形態)図9は、本実施の形態によるモー
タ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、図7
と同一要素には同一符号を付してその説明を省略し、こ
こでは異なる部分についてのみ述べる。
【0141】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図9に示すように、図7における回転子位置推定手
段23に、重み係数切替部20を付加し、さらに電圧最
大超過判定部24を別途付加した構成としている。
【0142】電圧最大超過判定部24は、電流制御手段
12から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令を入力
として、この電圧指令がインバータ2の出力可能最大電
圧を超過したか否かを判別する。重み係数切替部20
は、電圧最大超過判定部24による判定結果に応じて、
電流制御手段12からの出力であるd軸電圧指令、q軸
電圧指令がインバータ2の出力可能最大電圧を上回った
場合には、第一の誘起電圧推定手段21からの出力であ
る誘起電圧d軸成分推定値を用いずに、第二の誘起電圧
推定手段22からの出力である誘起電圧d軸成分推定値
のみを用いてモータ回転子の位置推定値補正を行なうよ
うに、前記重み係数を切り替える。
【0143】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0144】図9において、電圧最大超過判定部24で
は、電流制御手段12から出力されるd軸電圧指令、q
軸電圧指令VdRef、VqRefを入力として、次の
ような条件判別により、電圧最大超過判定フラグを設定
して出力される。
【0145】すなわち、まず、電圧ベクトル振幅V1R
efが求められる。
【0146】
【数16】
【0147】次に、インバータ2の出力可能最大電圧V
1Maxが、次のような演算により求められる。
【0148】
【数17】
【0149】(1)V1Ref>V1Maxの時、Fl
g_V1Lim=1 (2)V1Ref<V1Maxの時、Flg_V1Li
m=0 回転子位置推定手段23では、第一の誘起電圧推定演算
手段21から出力されるd軸誘起電圧推定値Ed1と、
第二の誘起電圧推定演算手段22から出力されるd軸誘
起電圧推定演算手段Ed2と、最大電圧超過判定部24
から出力される最大電圧超過フラグFlg_V1Lim
とを入力として、次のような演算により、モータ回転子
角速度推定値ωhおよび回転子位置推定値θhを求めて
出力される。
【0150】
【数18】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子)
【0151】さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、
モータ回転子の位置推定値θhとして出力される。
【0152】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 上記式中に現われるk1、k2は重み係数であり、最大
電圧超過判定部24から出力される電圧最大超過判定部
24から出力される電圧最大超過フラグFlg_V1L
imに応じて、重み係数切替部20で次のように設定さ
れる。
【0153】(1)Flg_V1Lim=1の時、k1
=0、k2=1 (2)Flg_v1Lim=0の時、k1=k10、k
2=k20 (k10、k20はk10+k20=1をみたす任意の
正の定数) 以上により、電圧指令がインバータ2の出力可能最大を
超えた場合の電流制御不能状態で電流実際値が電流指令
値とかけ離れた場合に、電流指令値を用いてモータ電圧
誘起電圧推定を行なうことによる推定誤差を防止するこ
とができる。
【0154】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、電圧指令がインバータ2の出力可能最
大電圧を越えた場合の電流制御不能状態で電流実際値が
電流指令値とかけ離れた場合に、電流指令値を用いてモ
ータ誘起電圧の推定を行なうことによる推定誤差を防止
することが可能となる。
【0155】(第9の実施の形態)図10は、本実施の
形態によるモータ制御装置の構成例を示す機能ブロック
図であり、図7と同一要素には同一符号を付してその説
明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0156】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図10に示すように、図7における回転子位置推定
手段23に、重み係数設定部19を付加し、さらに変調
率演算部25を別途付加した構成としている。
【0157】変調率演算部25は、電流制御手段12か
ら出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、
VqRefと、インバータ2の入力直流電圧Vdcとを
入力として、変調率ALを算出して出力する。
【0158】重み係数設定部19は、第一の誘起電圧推
定手段21からの出力である誘起電圧d軸成分推定値
と、第二の誘起電圧推定手段22からの出力である誘起
電圧d軸成分推定値とにそれぞれ乗じる重み係数を、変
調率演算部25による変調率の算出結果に応じて、すな
わち電流制御手段12からの出力であるd軸電圧指令の
2乗とq軸電圧指令の2乗との和の平方根(電圧ベクト
ル振幅)の、インバータ2の出力可能最大電圧に対する
比率(変調率)の大きさに応じて可変設定する。
【0159】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0160】図11において、変調率演算部25では、
電流制御手段12から出力されるd軸電圧指令、q軸電
圧指令VdRef、VqRefと、インバータ2の入力
直流電圧Vdcとを入力として、次のような演算によ
り、変調率ALを求めて出力される。
【0161】すなわち、まず、電圧ベクトル振幅V1R
efが求められる。
【0162】
【数19】
【0163】次に、インバータ2の出力可能最大電圧V
1Maxが、次のような演算により求められる。
【0164】
【数20】 また、変調率ALが、次のような演算により求められ
る。
【0165】AL=V1Ref/V1Max 回転子位置推定手段23では、第一の誘起電圧推定演算
手段21から出力されるd軸誘起電圧推定値Ed1と、
第二の誘起電圧推定演算手段22から出力されるd軸誘
起電圧推定演算手段Ed2と、変調率演算部25から出
力される変調率ALとを入力として、次のような演算に
より、モータ回転子角速度推定値ωhおよび回転子位置
推定値θhを求めて出力される。
【0166】
【数21】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子)
【0167】上記式中に現われるk1、k2は重み係数
であり、変調率演算部25から出力される変調率ALに
応じて、重み係数設定部19で次のように設定される。
【0168】k1=1−AL k2=AL さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、モータ回転子
の位置推定値θhとして出力される。
【0169】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、重み係数を連続的に変化させることで、前
記第8の実施の形態で問題となる可能性のある重み係数
の急激な切替えによる制御不連続を抑制することができ
る。
【0170】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、重み係数の急激な切替えによる制御不
連続を抑制することが可能となる。 (第10の実施の形態)図11は、本実施の形態による
直流電力を交流電力に変換するインバータからの出力が
供給される永久磁石モータの制御装置の構成例を示す機
能ブロック図であり、図7と同一要素には同一符号を付
して示している。すなわち、本実施の形態のモータ制御
装置は、図11に示すように、電流制御手段31と、d
q軸電圧指令発生手段32と、電圧指令座標変換手段1
3と、電流座標変換手段14と、誘起電圧推定演算手段
33と、回転子位置推定手段34とから構成している。
【0171】モータ1は、永久磁石モータ、永久磁石リ
ラクタンスモータ等の、回転によって逆起電圧がモータ
端子に現われるモータである。
【0172】電流制御手段31は、d軸電流指令値およ
びq軸電流指令値と、電流座標変換手段14からの出力
である永久磁石モータのd軸電流およびq軸電流の実際
値とを入力として、トルク成分電流実際値がトルク成分
電流指令値に追従するように電圧位相角を操作する。
【0173】dq軸電圧指令発生手段32は、電流制御
手段31からの出力である電圧位相角と、インバータ2
の入力直流電圧とを入力として、インバータ2の出力可
能最大電圧をd軸およびq軸に分配してd軸電圧指令お
よびq軸電圧指令を生成する。
【0174】電圧指令座標変換手段13は、dq軸電圧
指令発生手段32からの出力であるd軸電圧指令および
q軸電圧指令を、回転子位置推定手段34からの出力で
ある永久磁石モータ1のモータ回転子の位置推定値を用
いてインバータ2の3相電圧指令に変換する。
【0175】電流座標変換手段14は、永久磁石モータ
の3相電流(3相のうちの2相の電流検出値)を、回転
子位置推定手段34からの出力である永久磁石モータ1
のモータ回転子の位置推定値を用いて、dq座標軸での
値であるd軸電流およびq軸電流の実際値に変換する。
【0176】誘起電圧推定演算手段33は、電流制御手
段31からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指
令と、電流座標変換手段14からの出力であるd軸電流
およびq軸電流の実際値と、回転子位置推定手段34か
らの出力であるモータ回転子の回転速度推定値とを用い
て、永久磁石モータ1の永久磁石によるモータ誘起電圧
を推定演算する。
【0177】回転子位置推定手段34は、誘起電圧推定
手段33の出力である誘起電圧d軸成分推定値がゼロと
なるように、モータ回転子の回転速度推定値を補正して
出力すると共に、モータ回転子の回転速度推定値の時間
積分値を上記モータ回転子の位置推定値として出力す
る。
【0178】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0179】図11において、電流制御手段31では、
d軸電流指令、q軸電流指令IdRef、IqRef
と、電流座標変換手段14から出力されるd軸電流、q
軸電流の実際値Id、Iqとを入力として、次のような
演算により、電圧位相角γを求めて出力される。
【0180】
【数22】 (Kp1p,Ki1p,Kd1pは制御ゲイン、sはラ
プラス演算子)
【0181】dq軸電圧指令発生手段32では、電流制
御手段31から出力される電圧位相角γと、インバータ
2の入力直流電圧Vdcとを入力として、次のような演
算により、d軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、V
qRefを求めて出力される。
【0182】すなわち、まず、電圧ベクトル振幅V1R
efが求められる。
【0183】
【数23】
【0184】次に、d軸電圧指令、q軸電圧指令VdR
ef、VqRefが、次のような演算により求められ
る。
【0185】 VdRef=V1Ref*cos(γ) VqRef=V1Ref*sin(γ) 電圧指令座標変換手段13では、電流制御手段12から
出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、V
qRefと、回転子位置推定手段23から出力される回
転子位置推定値θhとを入力として、次のような演算に
より、3相電圧指令Vu、Vv、Vwを求めて出力され
る。
【0186】
【数24】
【0187】電流座標変換手段14では、3相のうちの
2相の電流検出値Iu、Iwと、回転子位置推定手段2
3から出力される回転子位置推定値θhsを入力とし
て、次のような演算により、d軸電流、q軸電流の実際
値Id、Iqを求めて出力される。
【0188】
【数25】
【0189】誘起電圧推定演算手段33では、dq軸電
圧指令発生手段32から出力されるd軸電圧指令、q軸
電圧指令VdRef、VqRefと、電流座標変換手段
14から出力されるd軸電流、q軸電流の実際値Id、
Iqと、回転子位置推定手段34から出力される回転子
回転角速度推定値ωhとを入力として、次のような演算
により、d軸誘起電圧推定値Edを求めて出力される。
【0190】
【数26】 (R:モータ巻線抵抗、Ld、Lq:モータdq軸イン
ダクタンス)
【0191】回転子位置推定手段34では、誘起電圧推
定演算手段83から出力されるd軸誘起電圧推定値Ed
を入力として、次のような演算により、モータ回転子角
速度推定値ωhおよび回転子位置推定値θhを求めて出
力される。
【0192】
【数27】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子)
【0193】さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、
モータ回転子の位置推定値θhとして出力される。
【0194】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、インバータ2の出力可能最大電圧での電圧
位相角操作による電流制御、いわゆる1パルスベクトル
制御を、回転子位置センサなしに実現することができ
る。
【0195】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、インバータ2の出力可能最大電圧での
電圧位相角操作による電流制御、いわゆる1パルスベク
トル制御を、回転子位置センサなしに実現することが可
能となる。 (第11の実施の形態)図12は、本実施の形態による
モータ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、
図7と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0196】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図12に示すように、図7における回転子位置推定
手段23に、下記の手段を付加して新たな回転子位置推
定手段42を構成し、さらに電圧位相角回転速度演算手
段41を別途付加した構成としている。
【0197】電圧位相角回転速度演算手段41は、前記
電流制御手段12からの出力であるd軸電圧指令および
q軸電圧指令を入力として、dq軸電圧ベクトルのd軸
に対する位相角の時間変化率を算出して出力する。
【0198】回転子位置推定手段42は、インバータ2
の動作開始後一定時間は、電流制御手段12に入力する
d軸電流指令値およびq軸電流指令値を共にゼロに設定
すると共に、本回転子位置推定手段42から出力するモ
ータ回転子の回転速度推定値および位置推定値を共にゼ
ロに設定し、その間に電圧位相角回転速度演算手段41
から出力される電圧位相角回転速度を、本回転子位置推
定手段42のモータ回転子の回転速度推定値の初期値と
して設定する手段を付加している。そして、このモータ
回転子の回転速度推定値の初期値を設定した後に、回転
子位置推定手段42の動作を開始して定常動作に移行す
るようにしている。
【0199】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0200】図12において、電流制御手段12に入力
されるd軸電流指令、q軸電流指令IdRef、IqR
efは、インバータ2の動作開始から一定時間ΔT経過
するまでの間(フラグINITmode=1の間)は、
両者共に強制的にゼロに設定される。
【0201】(1)0<t<ΔTの時、 INITmode=1、IdRef=0、IqRef=
0 (2)ΔT<tの時、 INITmode=0、IdRef、IqRefはトル
ク指令に応じてあらかじめパターン化された値。
【0202】電圧位相角回転速度演算手段41では、フ
ラグINITmodeと、電流制御手段12から出力さ
れるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRef、VqRe
fとを入力として、INITmode=1の間の電圧べ
クトル回転速度ωinitを、次のような演算により演
算して出力される。
【0203】すなわち、まず、電圧位相角θinit
が、次のような演算により求められる。
【0204】
【数28】
【0205】次に、電圧ベクトル回転角速度ωinit
が、次のような演算により求められる。
【0206】ωinit=dθinit/dt 回転子位置推定手段43では、第一の誘起電圧推定演算
手段21から出力されるd軸誘起電圧推定値Ed1と、
第二の誘起電圧推定演算手段22から出力されるd軸誘
起電圧推定値Ed2と、電圧位相角回転速度演算手段4
1から出力される電圧位相角回転角速度ωinitとを
入力として、次のような演算により、モータ回転子角速
度推定値ωhおよび回転子位置推定値θhを求めて出力
される。
【0207】(1)INITmode=0の時、
【数29】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子、k1、k2:正の定数)
【0208】(2)INITmodeが0から1へ切り
替わる時、上記積分値が、電圧位相角回転角速度ωin
itにプリセットされる。
【0209】(3)INITmode=1の時、 ωh=0 さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、モータ回転子
の位置推定値θhとして出力される。
【0210】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 以上により、回転中の永久磁石モータ1をインバータ2
で再始動する時の過渡変動の抑制と、定常動作への速や
かな移行を行なうことができる。
【0211】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、回転中の永久磁石モータ1をインバー
タ2で再始動する時の過渡変動の抑制と、定常動作への
速やかな移行との両立を図ることが可能となる。 (第12の実施の形態)図13は、本実施の形態による
モータ回転子に磁気的突極性を有し、直流電力を交流電
力に変換するインバータからの出力が供給される永久磁
石モータの制御装置の構成例を示す機能ブロック図であ
り、図1および図7と同一要素には同一符号を付して示
している。すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図13に示すように、高周波電流指令重畳手段11
と、電流制御手段12と、電圧指令座標変換手段13
と、電流座標変換手段14と、第一の誘起電圧推定演算
手段21と、第二の誘起電圧推定演算手段22と、第一
の回転子位置推定手段15と、第二の回転子位置推定手
段23と、電圧ベクトル振幅演算手段51とから構成し
ている。
【0212】高周波電流指令重畳手段11は、永久磁石
モータ1のモータ回転子の回転周波数と異なる高周波数
成分の回転電流指令を、トルクを出力するために必要な
d軸電流指令およびq軸電流指令(q軸:回転子突方
向、d軸:回転子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳す
る。
【0213】電流制御手段12は、電流座標変換手段1
4からの出力である永久磁石モータ1のd軸電流および
q軸電流の実際値が高周波電流指令重畳手段11から出
力される電流指令値に追従するように、インバータ2出
力のd軸電圧指令およびq軸電圧指令を操作する。
【0214】電圧指令座標変換手段13は、電流制御手
段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電圧指
令を、第一の回転子位置推定手段15からの出力である
モータ回転子の位置推定値を用いて、インバータ2の3
相電圧指令に変換する。
【0215】電流座標変換手段14は、永久磁石モータ
1の3相電流(3相のうちの2相の電流検出値)を、第
一の回転子位置推定手段15からの出力であるモータ回
転子の位置推定値を用いて、dq座標軸での値であるd
軸電流およびq軸電流の実際値に変換する。
【0216】第一の誘起電圧推定演算手段21は、電流
制御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令と、d軸電流指令値およびq軸電流指令値と、
第二の回転子位置推定手段23からの出力であるモータ
回転子の回転速度推定値とを用いて、永久磁石モータ1
の永久磁石によるモータ誘起電圧を推定演算する。
【0217】第二の誘起電圧推定演算手段22は、電流
制御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸
電圧指令と、電流座標変換手段14からの出力であるd
軸電流およびq軸電流の実際値と、第二の回転子位置推
定手段23からの出力であるモータ回転子の回転速度推
定値とを用いて、永久磁石モータ1の永久磁石によるモ
ータ誘起電圧を推定演算する。
【0218】第一の回転子位置推定手段15は、電流制
御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電
圧指令と、電流座標変換手段14からの出力であるd軸
電流およびq軸電流の実際値とを用いて、それぞれの入
力の値の高周波電流指令重畳手段11で重畳した高周波
電流の周波数成分を抽出し、かつこのq軸電圧高周波成
分とq軸電流高周波成分との積から、d軸電圧高周波成
分とd軸電流高周波成分との積を減じた値を算出し、こ
の算出値の直流成分がゼロとなるようにモータ回転子の
回転速度推定値を補正して出力すると共に、モータ回転
子の回転速度推定値の時間積分値を上記モータ回転子の
位置推定値として出力する。
【0219】第二の回転子位置推定手段23は、第一の
誘起電圧推定手段21からの出力である誘起電圧d軸成
分推定値に重み係数を乗じた値と、第二の誘起電圧推定
手段22からの出力である誘起電圧d軸成分推定値に重
み係数を乗じた値とを加算した値がゼロとなるように、
モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共
に、モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値を上記
モータ回転子の位置推定値として出力する。
【0220】電圧ベクトル振幅演算手段51は、電流制
御手段12からの出力であるd軸電圧指令およびq軸電
圧指令のベクトル和の大きさ(電圧べクトル振幅)を算
出して出力する。
【0221】そして、インバータ2の動作開始後一定時
間は、電流制御手段12に入力するd軸電流指令値およ
びq軸電流指令値を共にゼロに設定すると共に、第一お
よび第二の回転子位置推定手段21および22から出力
するモータ回転子の回転速度推定値および位置推定値を
共にゼロに設定し、その間に電圧ベクトル振幅演算手段
51からの出力である電圧ベクトル振幅の大きさに応じ
て、この電圧ベクトル振幅が一定値以上の場合には第二
の回転子位置推定手段25からの出力を、また電圧ベク
トル振幅が一定値未満の場合には第一の回転子位置推定
手段15からの出力を、電圧指令座標変換手段13およ
び電流座標変換手段14に対するモータ回転子の位置推
定値としてそれぞれ出力するように切り替えるようにし
ている。
【0222】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0223】図13において、電圧指令座標変換手段1
3、および電流座標変換手段14の作用は、前記第1の
実施の形態と同一であるが、入力されるモータ回転子の
位置推定値θhは、電圧ベクトル振幅演算手段51から
出力されるセンサレスモード切り替えフラグSLmod
eの値に応じて、SLmode=1の時は、第二の回転
子位置推定手段23から出力される回転子位置推定値θ
hが用いられ、SLmode=0の時は、第一の回転子
位置推定手段15から出力される回転子位置推定値θh
に切り替えて用いられる。
【0224】高周波電流指令重畳手段11に入力される
d軸電流指令、q軸電流指令IdRef1、IqRef
1は、インバータ2の動作開始から一定時間ΔT経過す
るまでの間(フラグINITmode=1の間)は、両
者共に強制的にゼロに設定される。
【0225】(1)0<t<ΔTの時、 INITmode=1、IdRef1=0、IqRef
1=0 (2)ΔT<tの時、 INITmode=0、IdRef1、IqRef1は
トルク指令に応じてあらかじめパターン化された値。
【0226】高周波電流指令重畳手段11では、永久磁
石モータ1の回転周波数に対して十分高い周波数、例え
ば500Hzの高周波回転電流指令IdRefHF、I
qRefHFをそれぞれの電流指令に重畳して、新たな
d軸電流指令、q軸電流指令IdRef2、IqRef
2が出力される。
【0227】この場合、入力されるd軸電流指令、q軸
電流指令IdRef1、IqRef1は、例えば次のよ
うな式で与えられる。
【0228】 IdRef1=TrqRef*k*cos(3π/4) IqRef1=TrqRef*k*sin(3π/4) (TrqRef:トルク指令、kは定数) また、重畳する高周波成分は、次のような式で与える。
【0229】(1)INITmode=1の時、 IdRefHF=0 IqRefHF=0 (2)INITmode=0の時、 IdRefHF=I1HF*cos(2π*fHF*
t) IqRefHF=I1HF*sin(2π*fHF*
t) (I1HF:高周波電流振幅、fHF:重畳電流周波数
500Hz、t:時刻) さらに、出力する新たなd軸電流指令、q軸電流指令I
dRef2、IqRef2は、次のような式で与える。
【0230】 IdRef2=IdRef1+IdRefHF IqRef2=IqRef2+IqRefHF 電圧ベクトル振幅演算手段51では、電流制御手段12
から出力されるd軸電圧指令、q軸電圧指令VdRe
f、VqRefを入力として、次のような演算により、
電圧ベクトル振幅V1Refを求め、さらにその値の大
きさに応じて、センサレス制御モード切り替えフラグS
Lmodeを切り替えて出力される。
【0231】
【数30】
【0232】(1)V1Ref>V1RefSETの
時、SLmode=1 (2)V1Ref<V1RefSETの時、SLmod
e=0 (V1RefSETは正の定数) 以上により、低速から高速までインバータ2再始動時の
永久磁石モータ1の回転速度によらずに、再始動時の過
渡変動の抑制と、定常動作への速やかな移行を行なうこ
とができる。上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、インバータ2再始動時の永久磁石モー
タ1の回転速度によらずに、再始動時の過渡変動の抑制
と、定常動作への速やかな移行との両立を図ることが可
能となる。 (第13の実施の形態)図14は、本実施の形態による
モータ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、
図12と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0233】すなわち、本実施の形態によるモータ制御
装置の構成は、図14に示すように、前記第11の実施
の形態と同一であり、インバータ2の動作開始後一定時
間は、インバータ2の3相出力電圧を相間電圧がそれぞ
れゼロとなるように設定出力し、その時に流れる永久磁
石モータ1の電流の実際値から電流周波数を算出し、回
転子位置推定手段42の初期値として設定する手段を付
加している点のみが異なっている。
【0234】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0235】図14において、インバータ2の動作開始
から一定時間ΔT経過するまでの間(INITmode
=1の間)は、電圧指令座標変換手段13からの出力
は、強制的にゼロに設定される。
【0236】または、2レベルインバータ2の各相下側
素子をU相、V相、W相すベてオンにし、各相上側素子
をU相、V相、W相すベてオフにすることで、3相線間
電圧をゼロにするようにしてもよい。
【0237】以上により、回転中の永久磁石モータ1に
対するインバータ2の再始動、特にモータ誘起電圧がイ
ンバータ2の直流電圧以上になる高速回転中の再始動時
の過渡変動抑制と、定常動作への速やかな移行を行なう
ことができる。
【0238】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、回転中の永久磁石モ一タ1に対するイ
ンバータ2再始動、特に永久磁石モータ1の誘起電圧線
間電圧がインバータ2の直流電圧以上になる高速回転中
の再始動時の過渡変動の抑制と、定常動作への速やかな
移行との両立を図ることが可能となる。 (第14の実施の形態)図15は、本実施の形態による
モータ制御装置の構成例を示す機能ブロック図であり、
図7と同一要素には同一符号を付してその説明を省略
し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0239】すなわち、本実施の形態のモータ制御装置
は、図15に示すように、図7における回転子位置推定
手段23に、下記の手段を付加して新たな回転子位置推
定手段62を構成し、さらに電流位相角回転速度演算手
段61と、遅延手段71とを別途付加した構成としてい
る。
【0240】また、インバータ主回路に、バッテリ等の
安定な直流電源81と、直流電源81とインバータ2と
の間を電気的に接続/切り離しするスイッチ82と、イ
ンバータ2の入力直流を平滑する平滑コンデンサ83と
を付加して構成している。
【0241】遅延手段71は、インバータ主回路のスイ
ッチ82の投入指令SWonを入力として、一定時間遅
延させてインバータ動作開始フラグGstを出力する。
電流位相角回転速度演算手段61は、電流座標変換手段
14から出力されるd軸電流、q軸電流の実際値Id,
Iqと、遅延手段71から出力されるインバータ動作開
始フラグGstとを入力として、電流位相角回転角速度
ωinitを算出して出力する。
【0242】回転子位置推定手段62は、永久磁石モー
タ1の回転誘起電圧のダイオード整流電圧が、直流電源
81の電圧を上回るような高速回転状態からインバータ
2を動作させる場合に、インバータ2の動作開始前に直
流電源81とインバータ2との間のスイッチ82を投入
し、その時永久磁石モータ1からインバータ2の図示し
ないスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオード
を介して流れる3相交流電流の実際値から電流周波数を
算出し、本回転子位置推定手段62の初期値として設定
した後にインバータ2の動作を開始する手段を付加して
いる。
【0243】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について説明する。
【0244】図15において、インバータ主回路のスイ
ッチ82の投入指令SWonが0から1に変わると同時
に、インバータ主回路のスイッチ82が投入される。
【0245】スイッチ82の投入指令SWonに対して
一定時間ΔTの遅れ時間を持って、インバータ動作開始
指令フラグGstが0から1に切り替わる。
【0246】回転子位置推定手段62では、第一の誘起
電圧推定演算手段21から出力されるd軸誘起電圧推定
値Ed1と、第二の誘起電圧推定演算手段22から出力
されるd軸誘起電圧推定値Ed2と、電流位相角回転速
度演算手段61から出力される電流位相角回転角速度ω
initと、インバータ動作開始指令フラグGstとを
入力として、次のような演算により、モ一タ回転子角速
度推定値ωhおよび回転子位置推定値θhを求めて出力
される。
【0247】(1)GSt=1の時、
【数31】 (KpSL:制御比例ゲイン、KiSL:制御積分ゲイ
ン、s:ラプラス演算子、k1、k2:正の定数)
【0248】(2)Gstが0から1へ切り替わる時、
上記積分値が、電流位相角回転角速度ωinitにプリ
セットされる。
【0249】(3)Gst=0の時、 ωh=0 さらに、回転子角周波数ωhの積分値が、モータ回転子
の位置推定値θhとして出力される。
【0250】θh=1/s*ωh (s:ラプラス演算子) 電流位相角回転速度演算手段61では、電流座標変換手
段14から出力されるd軸電流、q軸電流の実際値I
d,Iqと、インバータ動作開始フラグGstとを入力
として、Gst=0の間、次のような演算により、電流
位相角回転角速度ωinitを求めて出力される。
【0251】すなわち、まず、電圧位相角θinit
が、次のような演算により求められる。
【0252】θinit=tan-1(Iq/Id) 次に、電圧ベクトル回転角速度ωinitが、次のよう
な演算により求められる。
【0253】ωinit=dθinit/dt 以上により、モータ誘起電圧線間電圧がインバータ2の
直流電源81の電圧以上になる高速回転中の再始動に際
して、直流電源81とインバータ2の直流入力とをスイ
ッチ82で接続した際に流れる電流を検出するだけで、
インバータ2再始動時の過渡変動の抑制と、定常動作へ
の速やかな移行を行なうことができる。上述したよう
に、本実施の形態によるモータ制御装置では、永久磁石
モータ1の誘起電圧線間電圧がインバータ2の直流電源
81電圧以上になる高速回転中の再始動に際して、直流
電源81とインバ−タ2の直流入力とをスイッチ81で
接続した際に流れる電流を検出するだけで、インバータ
2再始動時の過渡変動の抑制と、定常動作への速やかな
移行との両立を図ることが可能となる。 (第15の実施の形態)本実施の形態によるモータ制御
装置の構成は、前記第14の実施の形態と同一であり、
前記スイッチ82の投入時、3相交流電流の実際値がす
ベてゼロの場合には、永久磁石モータ1の速度が低いと
判断して、回転子位置推定手段62で得られる定常状態
と同一のモータ回転子の位置推定値でインバータ2の動
作を開始する手段を付加している点のみが異なってい
る。
【0254】次に、以上のように構成した本実施の形態
によるモータ制御装置の作用について、図16を用いて
説明する。
【0255】電流位相角回転速度演算手段61では、電
流座標変換手段14から出力されるd軸電流、q軸電流
の実際値Id,Iqと、インバータ動作開始フラグGs
tとを入力として、Gst=0の間、次のような演算に
より、電流位相角回転角速度ωinitを求めて出力さ
れる。
【0256】すなわち、まず、電流ベクトル振幅I1
が、次のような演算により求められる。
【0257】
【数32】
【0258】ここで、電流ベクトル振幅I1の大ききが
一定値I1setよりも小さい場合には、電流位相角回
転角速度ωinitとして0が出力される。
【0259】また、電流ベクトル振幅I1の大きさが一
定値I1setよりも大きい場合には、次のような演算
により、電流位相角回転角速度ωinitを求めて出力
される。
【0260】すなわち、まず、電圧位相角θinit
が、次のような演算により求められる。
【0261】θinit=tan-1(Iq/Id) 次に、電圧ベクトル回転角速度ωinitが、次のよう
な演算により求められる。
【0262】ωinit=dθinit/dt 以上により、モータ誘起電圧線間電圧の大小に関わら
ず、回転中の永久磁石モータ1の再始動時の過渡変動抑
制と、定常動作ヘの速やかな移行を行なうことができ
る。
【0263】上述したように、本実施の形態によるモー
タ制御装置では、永久磁石モータ1の誘起電圧線間電圧
の大小にかかわらず、回転中の永久磁石モータ1の再始
動時の過渡変動抑制と、定常動作への速やかな移行との
両立を図ることが可能となる。 (その他の実施の形態)尚、本発明は、上記各実施の
形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨
を逸脱しない範囲で、種々に変形して実施することが可
能である。また、各実施の形態は可能な限り適宜組合わ
せて実施してもよく、その場合には組合わせた作用効果
を得ることができる。さらに、上記各実施の形態には種
々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成
要件における適宜な組合わせにより、種々の発明を抽出
することができる。例えば、実施の形態に示される全構
成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解
決しようとする課題の欄で述べた課題(の少なくとも一
つ)が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果
(の少なくとも一つ)が得られる場合には、この構成要
件が削除された構成を発明として抽出することができ
る。
【0264】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のモータ制
御装置によれば、回転子位置センサを用いることなくモ
ータ回転子の位置を把握して、小型化、低コスト化、な
らびにメンテナンスの容易化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモータ制御装置の第1の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図2】本発明によるモータ制御装置の第2の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図3】本発明によるモータ制御装置の第3の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図4】同第3の実施の形態のモータ制御装置における
NS判別手段の動作を説明するための図。
【図5】本発明による第4の実施の形態のモータ制御装
置における制御ゲイン変化を説明するための図。
【図6】本発明によるモータ制御装置の第5の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図7】本発明によるモータ制御装置の第6の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図8】本発明によるモータ制御装置の第7の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図9】本発明によるモータ制御装置の第8の実施の形
態を示す機能ブロック図。
【図10】本発明によるモータ制御装置の第9の実施の
形態を示す機能ブロック図。
【図11】本発明によるモータ制御装置の第10の実施
の形態を示す機能ブロック図。
【図12】本発明によるモータ制御装置の第11の実施
の形態を示す機能ブロック図。
【図13】本発明によるモータ制御装置の第12の実施
の形態を示す機能ブロック図。
【図14】本発明によるモータ制御装置の第13の実施
の形態を示す機能ブロック図。
【図15】本発明によるモータ制御装置の第14の実施
の形態を示す機能ブロック図。
【図16】本発明による第15の実施の形態のモータ制
御装置における電流位相角回転角速度演算手段での出力
切替えを説明するための図。
【図17】永久磁石同期モータの基本的な制御構成を示
すブロック図。
【図18】ベクトル制御による従来の永久磁石同期モー
タの制御装置の構成例を示す機能ブロック図。
【符号の説明】
1…モータ 2…インバータ 11…高周波電流指令重畳手段 12…電流制御手段 13…電圧指令座標変換手段 14…電流座標変換手段 15…回転子位置推定手段 16…d軸直流電流指令重畳手段 17…NS判別手段 18…制御ゲイン設定手段 19…重み係数設定部 20…重み係数切替部 21…第一の誘起電圧推定演算手段 22…第二の誘起電圧推定演算手段 23…回転子位置推定手段 24…電圧最大超過判定部 25…変調率演算部 31…電流制御手段 32…dq軸電圧指令発生手段 33…誘起電圧推定演算手段 34…回転子位置推定手段 41…電圧位相角回転速度演算手段 42…回転子位置推定手段 51…電圧ベクトル振幅演算手段 61…電流位相角回転速度演算手段 62…回転子位置推定手段 71…遅延手段 81…直流電源 82…スイッチ 83…平滑コンデンサ IdRef1、IqRef1…d軸電流指令、q軸電流
指令 IdRefHF、IqRefHF…高周波回転電流指令 IdRef2、IqRef2…新たなd軸電流指令、q
軸電流指令 VdRef、VqRef…d軸電圧指令、q軸電圧指令 Vu、Vv、Vw…3相電圧指令 Iu、Iw…電流検出値 θh…モータ回転子の位置推定値 ωh…モータ回転子の回転角速度推定値 BFP…バンドパスフィルタ BFP2…バンドパスフィルタ H…評価関数 IdRef3…新たなd軸電流指令 IdBias…d軸直流電流バイアス ΔθNS…位相角修正値 LdM、LdP…サンプルホールド値 Kp…比例ゲイン Ki…積分ゲイン KpSL…制御比例ゲイン KiSL…制御積分ゲイン s…ラプラス演算子 R…モータ巻線抵抗 Ld、Lq…モータdq軸インダクタンス Ed1…d軸誘起電圧推定値 Ed2…d軸誘起電圧推定値 Ed…d軸誘起電圧推定値 k1、k2…重み係数 Kexg…切替え関数 V1Ref…電圧ベクトル振幅 V1Max…インバータ2の出力可能最大電圧 Flg_V1Lim…最大電圧超過フラグ Flg_V1Lim…電圧最大超過フラグ AL…変調率 Kp1p,Ki1p,Kd1p…制御ゲイン Vdc…インバータ2の入力直流電圧 INITmode…フラグ ΔT…経過時間 θinit…電圧位相角 ωinit…電圧ベクトル回転角速度 SLmode…センサレスモード切り替えフラグ SWon…スイッチ82の投入指令 Gst…インバータ動作開始フラグ I1…電流ベクトル振幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H550 BB04 BB09 DD04 DD08 FF01 HB08 JJ11 JJ22 LL13 LL19 LL22 LL33 5H560 BB04 BB15 BB17 BB18 DA12 DA15 DB12 DB16 DC12 DC13 EB01 HA08 RR10 TT01 TT08 XA02 XA10 XA13 5H576 BB03 BB07 BB10 DD07 DD09 EE01 FF01 FF03 FF08 GG04 GG08 HB01 JJ04 JJ08 JJ18 JJ22 JJ24 JJ25 JJ26 KK10 LL14 LL15 LL16 LL22 LL24 LL25 LL37 LL39 LL41

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ回転子に磁気的突極性を有し、直
    流電力を交流電力に変換するインバータからの出力が供
    給されるモータの制御装置において、 前記モータ回転子の回転周波数と異なる高周波数成分の
    回転電流指令を、トルクを出力するために必要なd軸電
    流指令およびq軸電流指令(q軸:回転子突方向、d
    軸:回転子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳する高周
    波電流指令重畳手段と、 前記モータのd軸電流およびq軸電流の実際値が前記高
    周波電流指令重畳手段から出力される電流指令値に追従
    するように、前記インバータ出力のd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を操作する電流制御手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を、前記モータ回転子の位置推定値を用い
    て、前記インバータの3相電圧指令に変換する電圧指令
    座標変換手段と、 前記モータの3相電流を、前記モータ回転子の位置推定
    値を用いて、dq座標軸での値である前記d軸電流およ
    びq軸電流の実際値に変換する電流座標変換手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流およびq軸電流の実際値とを用いて、それぞ
    れの入力の値の前記高周波電流指令重畳手段で重畳した
    高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該q軸電圧高
    周波成分とq軸電流高周波成分との積から、前記d軸電
    圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた値を
    算出し、当該算出値の直流成分がゼロとなるように前記
    モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共
    に、前記モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値を
    前記モータ回転子の位置推定値として出力する回転子位
    置推定手段と、 を備えて成ることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段に、 前記q軸電圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積か
    ら、前記d軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との
    積を減じた結果を入力として、前記高周波電流指令重畳
    手段で重畳する高周波電流指令の周波数の2倍の周波数
    成分のみを選択的に遮断して出力するフィルタ手段を付
    加したことを特徴とするモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 モータ回転子に磁気的突極性を有し、直
    流電力を交流電力に変換するインバータからの出力が供
    給される永久磁石モータの制御装置において、 前記モータ回転子の回転周波数と異なる高周波数成分の
    回転電流指令を、トルクを出力するために必要なd軸電
    流指令およびq軸電流指令(q軸:回転子突方向、d
    軸:回転子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳する高周
    波電流指令重畳手段と、 前記永久磁石モータのd軸電流およびq軸電流の実際値
    が前記高周波電流指令重畳手段からの出力である電流指
    令値に追従するように、前記インバータ出力のd軸電圧
    指令およびq軸電圧指令を操作する電流制御手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を、前記モータ回転子の位置推定値を用い
    て、前記インバータの3相電圧指令に変換する電圧指令
    座標変換手段と、 前記永久磁石モータの3相電流を、前記モータ回転子の
    位置推定値を用いて、dq座標軸での値である前記d軸
    電流およびq軸電流の実際値に変換する電流座標変換手
    段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流検出値およびq軸電流検出値とを用いて、そ
    れぞれの入力の値の前記高周波電流指令重畳手段で重畳
    した高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該q軸電
    圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積から、前記d
    軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた
    値を算出し、当該算出値の直流成分がゼロとなるように
    前記モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力する
    と共に、前記モータ回転子の回転速度推定値の時間積分
    値を前記モータ回転子の位置推定値として出力する回転
    子位置推定手段と、 前記永久磁石モータの永久磁石のN極、S極を同定する
    ように、前記高周波電流指令重畳手段からの出力である
    d軸電流指令に一定時間で交番する正負の直流電流指令
    を重畳するd軸直流電流指令重畳手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令と、前
    記電流座標変換手段からの出力であるd軸電流の実際値
    とを入力として、それぞれの入力の値の前記高周波電流
    指令重畳手段で重畳した高周波電流の周波数成分を抽出
    し、かつ当該d軸電圧高周波成分を前記d軸電流高周波
    成分で除した値を、前記d軸直流電流指令重畳手段で重
    畳したd軸直流電流が正の時と負の時とで大小関係を比
    較し、当該大小比較結果に応じて前記永久磁石のN極が
    d軸正方向であるか負方向であるかを判別し、位相角修
    正値を算出して出力するNS判別手段と、 を備えて成ることを特徴とするモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段のモータ回転子位置補正の制御
    ゲインを、電源投入時やインバータ動作停止後の再起動
    時等のインバータ動作開始時と通常運転時とで異なる値
    として設定する手段を付加して成ることを特徴とするモ
    ータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段に、 前記モータ回転子位置補正の制御ゲインを、前記q軸電
    圧高周波成分とq軸電流高周波成分との積から、前記d
    軸電圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた
    値の直流成分の絶対値の大きさに応じて可変設定する制
    御ゲイン設定手段を付加したことを特徴とするモータ制
    御装置。
  6. 【請求項6】 直流電力を交流電力に変換するインバー
    タからの出力が供給される永久磁石モータの制御装置に
    おいて、 前記永久磁石モータのd軸電流およびq軸電流の実際値
    がd軸電流指令値およびq軸電流指令値に追従するよう
    に、前記インバータ出力のd軸電圧指令およびq軸電圧
    指令を操作する電流制御手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を、前記永久磁石モータのモータ回転子の
    位置推定値を用いて、前記インバータの3相電圧指令に
    変換する電圧指令座標変換手段と、 前記永久磁石モータの3相電流を、前記モータ回転子の
    位置推定値を用いて、 dq座標軸での値である前記d軸電流およびq軸電流の
    実際値に変換する電流座標変換手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記d軸電流指令値およびq軸電流指
    令値と、前記モータ回転子の回転速度推定値とを用い
    て、前記永久磁石モータの永久磁石によるモータ誘起電
    圧を推定演算する第一の誘起電圧推定演算手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流およびq軸電流の実際値と、前記モータ回転
    子の回転速度推定値とを用いて、前記永久磁石モータの
    永久磁石によるモータ誘起電圧を推定演算する第二の誘
    起電圧推定演算手段と、 前記第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧
    d軸成分推定値に重み係数を乗じた値と、前記第二の誘
    起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定
    値に重み係数を乗じた値とを加算した値がゼロとなるよ
    うに、前記モータ回転子の回転速度推定値を補正して出
    力すると共に、前記モータ回転子の回転速度推定値の時
    間積分値を前記モータ回転子の位置推定値として出力す
    る回転子位置推定手段と、 を備えて成ることを特徴とするモータ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記請求項6に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段に、 前記第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧
    d軸成分推定値と、前記第二の誘起電圧推定手段からの
    出力である誘起電圧d軸成分推定値とにそれぞれ乗じる
    重み係数を、前記回転子位置推定手段からの出力である
    モータ回転子の回転速度推定値の絶対値の大きさに応じ
    て可変設定する重み係数設定手段を付加したことを特徴
    とするモータ制御装置。
  8. 【請求項8】 前記請求項6に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段に、 前記電流制御手段からの出力である電圧指令が前記イン
    バータの出力可能最大電圧を上回った場合には、前記第
    一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成
    分推定値を用いずに、前記第二の誘起電圧推定手段から
    の出力である誘起電圧d軸成分推定値のみを用いて前記
    モータ回転子の位置推定値補正を行なうように、前記重
    み係数を切り替える重み係数切替手段を付加したことを
    特徴とするモータ制御装置。
  9. 【請求項9】 前記請求項6に記載のモータ制御装置に
    おいて、 前記回転子位置推定手段に、 前記第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧
    d軸成分推定値と、前記第二の誘起電圧推定手段からの
    出力である誘起電圧d軸成分推定値とにそれぞれ乗じる
    重み係数を、前記電流制御手段からの出力であるd軸電
    圧指令の2乗とq軸電圧指令の2乗との和の平方根(電
    圧ベクトル振幅)の、前記インバータの出力可能最大電
    圧に対する比率(変調率)の大きさに応じて可変設定す
    る重み係数設定手段を付加したことを特徴とするモータ
    制御装置。
  10. 【請求項10】 永久磁石モータの制御装置において、 d軸電流指令値およびq軸電流指令値と、前記永久磁石
    モータのd軸電流およびq軸電流の実際値とを入力とし
    て、トルク成分電流実際値がトルク成分電流指令値に追
    従するように電圧位相角を操作する電流制御手段と、 前記電流制御手段からの出力である電圧位相角と、前記
    インバータの入力直流電圧とを入力として、前記インバ
    ータの出力可能最大電圧をd軸およびq軸に分配してd
    軸電圧指令およびq軸電圧指令を生成するdq軸電圧指
    令発生手段と、前記dq軸電圧指令発生手段からの出力
    であるd軸電圧指令およびq軸電圧指令を、前記永久磁
    石モータのモータ回転子の位置推定値を用いて、前記イ
    ンバータの3相電圧指令に変換する電圧指令座標変換手
    段と、 前記永久磁石モータの3相電流を、前記モータ回転子の
    位置推定値を用いて、dq座標軸での値である前記d軸
    電流およびq軸電流の実際値に変換する電流座標変換手
    段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流およびq軸電流の実際値と、前記モータ回転
    子の回転速度推定値とを用いて、前記永久磁石モータの
    永久磁石によるモータ誘起電圧を推定演算する誘起電圧
    推定演算手段と、 前記誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成
    分推定値がゼロとなるように、前記モータ回転子の回転
    速度推定値を補正して出力すると共に、前記モータ回転
    子の回転速度推定値の時間積分値を前記モータ回転子の
    位置推定値として出力する回転子位置推定手段と、 を備えて成ることを特徴とするモータ制御装置。
  11. 【請求項11】 前記請求項6に記載のモータ制御装置
    において、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を入力として、dq軸電圧ベクトルのd軸
    に対する位相角の時間変化率を算出して出力する電圧位
    相角回転速度演算手段と、 前記インバータの動作開始後一定時間は、前記電流制御
    手段に入力するd軸電流指令値およびq軸電流指令値を
    共にゼロに設定すると共に、前記回転子位置推定手段か
    ら出力するモータ回転子の回転速度推定値および位置推
    定値を共にゼロに設定し、その間に前記電圧位相角回転
    速度演算手段から出力される電圧位相角回転速度を、前
    記回転子位置推定手段のモータ回転子の回転速度推定値
    の初期値として設定する手段とを付加し、 前記モータ回転子の回転速度推定値の初期値を設定した
    後に前記回転子位置推定手段の動作を開始して定常動作
    に移行するようにしたことを特徴とするモータ制御装
    置。
  12. 【請求項12】 モータ回転子に磁気的突極性を有し、
    直流電力を交流電力に変換するインバータからの出力が
    供給される永久磁石モータの制御装置において、 前記モータ回転子の回転周波数と異なる高周波数成分の
    回転電流指令を、トルクを出力するために必要なd軸電
    流指令およびq軸電流指令(q軸:回転子突方向、d
    軸:回転子突方向と直角方向)にそれぞれ重畳する高周
    波電流指令重畳手段と、 前記永久磁石モータのd軸電流およびq軸電流の実際値
    が前記高周波電流指令重畳手段から出力される電流指令
    値に追従するように、前記インバータ出力のd軸電圧指
    令およびq軸電圧指令を操作する電流制御手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令を、前記モータ回転子の位置推定値を用い
    て、前記インバータの3相電圧指令に変換する電圧指令
    座標変換手段と、 前記永久磁石モータの3相電流を、前記モータ回転子の
    位置推定値を用いて、dq座標軸での値である前記d軸
    電流およびq軸電流の実際値に変換する電流座標変換手
    段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流およびq軸電流の実際値とを用いて、それぞ
    れの入力の値の前記高周波電流指令重畳手段で重畳した
    高周波電流の周波数成分を抽出し、かつ当該q軸電圧高
    周波成分とq軸電流高周波成分との積から、前記d軸電
    圧高周波成分とd軸電流高周波成分との積を減じた値を
    算出し、当該算出値の直流成分がゼロとなるように前記
    モータ回転子の回転速度推定値を補正して出力すると共
    に、前記モータ回転子の回転速度推定値の時間積分値を
    前記モータ回転子の位置推定値として出力する第一の回
    転子位置推定手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記d軸電流指令値およびq軸電流指
    令値と、前記モータ回転子の回転速度推定値とを用い
    て、前記永久磁石モータの永久磁石によるモータ誘起電
    圧を推定演算する第一の誘起電圧推定演算手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令と、前記電流座標変換手段からの出力であ
    るd軸電流およびq軸電流の実際値と、前記モータ回転
    子の回転速度推定値とを用いて、前記永久磁石モータの
    永久磁石によるモータ誘起電圧を推定演算する第二の誘
    起電圧推定演算手段と、 前記第一の誘起電圧推定手段からの出力である誘起電圧
    d軸成分推定値に重み係数を乗じた値と、前記第二の誘
    起電圧推定手段からの出力である誘起電圧d軸成分推定
    値に重み係数を乗じた値とを加算した値がゼロとなるよ
    うに、前記モータ回転子の回転速度推定値を補正して出
    力すると共に、前記モータ回転子の回転速度推定値の時
    間積分値を前記モータ回転子の位置推定値として出力す
    る第二の回転子位置推定手段と、 前記電流制御手段からの出力であるd軸電圧指令および
    q軸電圧指令のベクトル和の大きさ(電圧べクトル振
    幅)を算出して出力する電圧ベクトル振幅演算手段と、 前記インバータの動作開始後一定時間は、前記電流制御
    手段に入力するd軸電流指令値およびq軸電流指令値を
    共にゼロに設定すると共に、前記第一および第二の回転
    子位置推定手段から出力するモータ回転子の回転速度推
    定値および位置推定値を共にゼロに設定し、その間に前
    記電圧ベクトル振幅演算手段からの出力である電圧ベク
    トル振幅の大きさに応じて、当該電圧ベクトル振幅が一
    定値以上の場合には前記第二の回転子位置推定手段から
    の出力を、また前記電圧ベクトル振幅が前記一定値未満
    の場合には前記第一の回転子位置推定手段からの出力
    を、前記電圧指令座標変換手段および電流座標変換手段
    に対するモータ回転子の位置推定値としてそれぞれ出力
    するように切り替える手段と、 を備えて成ることを特徴とするモータ制御装置。
  13. 【請求項13】 前記請求項6に記載のモータ制御装置
    において、 前記インバータの動作開始後一定時間は、前記インバー
    タの3相出力電圧を相間電圧がそれぞれゼロとなるよう
    に設定出力し、その時に流れる前記永久磁石モータの電
    流の実際値から電流周波数を算出し、前記回転子位置推
    定手段の初期値として設定する手段を付加したことを特
    徴とするモータ制御装置。
  14. 【請求項14】 直流電源と、当該直流電源からの直流
    電力を交流電力に変換して永久磁石モータに供給するイ
    ンバータと、前記直流電源と前記インバータとの間を電
    気的に接続/切り離しするスイッチとから構成される、
    前記請求項6に記載のモータ制御装置において、 前記永久磁石モータの回転誘起電圧のダイオード整流電
    圧が、前記直流電源電圧を上回るような高速回転状態か
    ら前記インバータを動作させる場合に、前記インバータ
    の動作開始前に前記直流電源とインバータとの間のスイ
    ッチを投入し、その時前記永久磁石モータから前記イン
    バータのスイッチング素子と逆並列に接続されたダイオ
    ードを介して流れる3相交流電流の実際値から電流周波
    数を算出し、前記回転子位置推定手段の初期値として設
    定した後に前記インバータの動作を開始する手段を付加
    したことを特徴とするモータ制御装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項14に記載のモータ制御装
    置において、 前記スイッチの投入時、前記3相交流電流の実際値がす
    ベてゼロの場合には、前記永久磁石モータの速度が低い
    と判断して、前記回転子位置推定手段で得られる定常状
    態と同一のモータ回転子の位置推定値で前記インバータ
    の動作を開始する手段を付加したことを特徴とするモー
    タ制御装量。
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