JP2007234469A - 固体高分子電解質型燃料電池用電極及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】構造上均質な触媒層を得ることにより、電解質膜接着面の局所的な応力集中を防止し、膜の破損に起因するクロスリークによる電池性能の低下を抑制する。
【解決手段】固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体1は、電解質膜2を挟む燃料極3および酸化剤極4の基板5,6としてカーボンペーパーを用いる。カーボンペーパーの面上にカーボン粉とPTFE粉末を混合して塗布した燃料極側ガス拡散層7および酸化剤極側ガス拡散層8をそれぞれ形成した後、焼成して各ガス拡散層7,8を定着する。ガス拡散層7,8に面して、カーボンを担持体とする白金触媒と固体高分子電解質の混合層である触媒層9,10を設ける。触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを基材に塗布した後の乾燥工程において、乾燥中の塗布面を加熱圧着して基材に触媒層を定着させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質型燃料電池用電極及びその製造方法に関するものであって、特に、触媒層のひび割れや溶媒残留を抑制することに適した触媒層形成用インクの製作技術および当該インクを基材に塗布した場合の乾燥条件に改良を施したものである。
近年、高効率のエネルギー変換装置として燃料電池が注目を集めている。このような燃料電池は電解質の相違により幾つかの種類に分類されるが、このうち水素イオン伝導性を有する固体高分子を電解質とする固体高分子電解質型燃料電池は、コンパクトな構造で高出力密度を得ることができ、また、簡素なシステムによる運転が可能であることから、宇宙用や車両用あるいは家庭用電源として大きく注目されている。高分子電解質として最近では、パーフルオロカーボンスルホン酸膜(たとえば、ナフィオン:商品名、デュポン社製)等が用いられている。
このような高分子電解質を電解質膜として用いる固体高分子電解質型燃料電池は、通常単位セルを複数積層した積層体構造として構成されている。図6に示すように単位セル中の膜−電極接合体101は、高分子電解質膜102と、前記高分子電解質膜102を相互で挟持するように配置された燃料極103および酸化剤極104から構成される。前記燃料極103および酸化剤極104の基板105、106はそれぞれ導電性多孔質材料からなる。
また、前記燃料極103および酸化剤極104の基板105、106上にはカーボン粉と撥水材を含むガス拡散層107、108をそれぞれ形成している。さらに、前記燃料極103および酸化剤極104のガス拡散層107、108上に触媒と電解質、あるいはさらに、撥水材も加えた触媒層109、110をそれぞれ担持した構造となっている。また、膜−電極接合体101の形成方法としては燃料極103および酸化剤極104を高分子電解質膜102に加熱圧着して接合し一体化する方法が行われている。
電池反応においては、反応ガス特に燃料ガスである水素は燃料極側ガス拡散層107を経由して燃料極側触媒層109中を拡散し、カーボン担持体上の白金等の触媒に到達すると反応して水素イオンと電子に分離される。電子は燃料極103側から外部回路を通り酸化剤極104側へ移動すると共に、水素イオンは燃料極側触媒層109中の触媒に近接する電解質を伝達経路として電解質膜102中へ移動し、酸化剤極104に到達して酸化剤極側触媒層110中の電解質を伝達経路として拡散して触媒上で酸素と反応して生成水となる。生成水は触媒層およびガス拡散層中を移動しあるいは蒸発してガス拡散層基板の外部へ除去される。
従来の固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体の触媒層形成方法としては、前記を含め次のようなものがある。即ち、触媒と高分子電解質溶液を含む成分と共に分散媒としてアルコール等の揮発性溶媒を用いた触媒層形成用インクを製作し、
(1)電極基材の片面に触媒層形成用インクの塗布及び乾燥を行い、電解質膜面上に触媒層塗布面を電極基材と共に熱圧着する方法(例えば、特許文献1)。
(2)電解質膜面上に触媒層形成用インクの塗布及び乾燥を行う方法(例えば、特許文献2)。
(3)フィルム等の基材上に触媒層形成用インクの塗布及び乾燥を行い、電解質膜に転写する方法(例えば、特許文献3、特許文献4)。
などが行われている。
前記触媒層形成用インクの製作方法については、次のようなものがある。即ち、特許文献5では、触媒粉末、電解質及び撥水化剤の分散媒として各種炭化水素、アルコール類、ケトン類、エーテル類、各種エステル等の有機溶媒を使用した混合液を製作する。前記混合液は一部の溶媒を揮発させて粘度を調整した後、ガス拡散層に塗布される。さらに、特許文献6では、粘度を調整して塗布後の周縁への流動を抑制して塗布膜厚を制御するために、カルボキシメチルセルロースなどの増粘剤を添加している。
また、触媒層形成用インクに関して、乾燥の進行と共に塗布表面が収縮し触媒層表面にひび割れが発生する場合がある。ひび割れの発生した触媒層は、隣接する電解質膜の局所的な応力集中を発生させて膜の破損を誘発し、クロスリークによる電池特性の低下をもたらすなどの懸念がある。
これらの懸念に対して特許文献7では、溶媒として沸点が水より大きな2価あるいは3価のアルコール類、例えばエチレングリコールを使用することにより乾燥速度を遅くすることでひび割れを抑制すると共に、スクリーン印刷におけるメッシュ目詰まりを防止するなどインクの塗布性を向上させている。また、特許文献8では、t−ペンタノールなどの3級アルコールとジアセトンアルコールなどの誘電率20以下の有機溶媒を併用することで、触媒層の乾燥収縮を抑制している。
さらに、特許文献9では、触媒担持カーボン粉末と溶媒を混合分散する際に生じる恐れのある発火や発熱を予防すると共に、均一な触媒層を形成するために溶媒として水より沸点が高く水溶液としたときに所定の温度以下で共沸する共沸溶剤を使用することにより、印刷性や乾燥性を改善している。
あるいは特許文献10では、塗布及び乾燥処理の過程で触媒インクの収縮速度と一致するように溶媒に対して膨潤及び収縮する基材シートを用い、乾燥時における触媒インク及び基材シートの湿度雰囲気をそれぞれ調整することによりひび割れを防止する方法を提案している。また、特許文献11では、触媒インク塗布後の表面の凹凸に対し、表面に圧力を加えて平坦化する方法を提案している。
特公昭62−61118 特公平2−48632 特開平10−64574 特開2004−95553 特開平9−180728 特開平8−236123 特開2002−280003 特開2003−208903 特開2001−266901 特開2004−259509 特開2003−242988
しかしながら、前記のように形成された従来の固体高分子電解質型燃料電池用電極の触媒層形成方法としては次のような課題があった。
即ち、特許文献5で提案されているような触媒層形成用インクの製作方法では、触媒粉末、電解質及び撥水化剤の分散媒として使用した有機溶媒を含む混合液の一部の溶媒を揮発させて粘度を調整しているため、触媒層形成用インクに含まれる揮発残留成分の構成比を把握することが困難であり、触媒層形成用インクの品質ばらつきを招き易い懸念がある。
また、特許文献6の方法では、粘度調整用として増粘剤を添加しているが、触媒層形成後に増粘剤に由来する成分の一部が残留することにより触媒層内のガス拡散性を低下させるなど電池反応を阻害する要因となることが懸念される。
さらに、特許文献7乃至特許文献9に記載の方法では、触媒形成用インクをフィルムなどの基材へ塗布し乾燥する場合に、溶媒として沸点が水より大きな有機溶媒を使用することにより乾燥速度を遅くして触媒層の乾燥収縮を抑制している。しかし、使用量が多すぎると従来の乾燥温度(50〜100℃近傍)では蒸発が十分に進行せず、溶媒が触媒層内に残留する結果、フラッディングによるガス拡散性の低下などの反応阻害の原因となり電池特性を低下させる懸念がある。
また、使用量が少ない場合には塗布面内の乾燥の進行にばらつきを生じ、触媒層表面の不均一な乾燥ムラの部分にひび割れが発生して、塗布対象の基材から剥離して均質な触媒層が形成されない問題があった。ひび割れの発生した触媒層は、転写する電解質膜の局所的な応力集中を発生させて膜の破損を誘発し、クロスリークによる電池特性の低下をもたらす懸念がある。
また、さらに、特許文献10では、塗布及び乾燥処理の過程で触媒層形成用インクと基材シートとの収縮速度と一致するように湿度雰囲気をそれぞれ調整しているが、連続的な塗布を行う場合、湿度雰囲気を流れ方向に従って時系列に所定の条件を維持することは困難である。乾燥室内で湿度雰囲気を調整してバッチによる逐次処理を行う場合には、量産性に問題がある。
また、特許文献11では、触媒層形成用インク塗布後の表面の凹凸に対して表面に圧力を加えて平坦化する方法を用いているが、触媒層形成用インクの成分及び組成と圧力を加える条件によっては平坦化せずに触媒層のひび割れや剥離が発生する恐れがある。
上述の如く従来の固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体の触媒層形成方法にあっては、触媒と高分子電解質溶液及び分散媒としてアルコール等の揮発性溶媒を用いた触媒層形成用インクを製作して電極基板や触媒転写用フィルム等の基材に塗布する方法に関して、触媒層形成用インクを例えばフィルム基材へ塗布し乾燥する場合に、溶媒成分による不均一な乾燥の進行により触媒層表面にひび割れを生じ、均質な触媒層が形成されない問題があった。ひび割れの発生した触媒層は、転写する電解質膜の局所的な応力集中を発生させて膜の破損を誘発し、クロスリークによる電池特性の低下をもたらす懸念があった。
また、増粘剤や分散媒として沸点が100℃以上の有機溶媒を使用する場合には、従来の乾燥温度(50〜100℃近傍)では蒸発が十分に進行せず、増粘剤成分や溶媒が触媒層内に残留する結果、フラッディングによるガス拡散性の低下などの電池反応の阻害原因となり電池特性を低下させる懸念があった。これらの結果として電池寿命が短くなるという問題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、固体高分子電解質型燃料電池用の膜−電極接合体の触媒層形成方法において、触媒層のひび割れや溶媒残留を抑制することに適した触媒層形成用インクを製作し、当該インクを基材に塗布した場合の乾燥条件として、半乾燥状態の触媒層塗布面を加熱圧着して触媒層を基材に定着させた構成とすることで、塗布面内にわたり均質な触媒層を形成し、長期にわたり安定した電圧特性を示すと共に寿命特性を向上させ得る固体高分子電解質型燃料電池用電極及びその製造方法を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明の固体高分子電解質型燃料電池用電極は、燃料極および酸化剤極は、基板上にガス拡散層をそれぞれ形成し、このガス拡散層上に触媒と電解質を含む触媒層をそれぞれ担持した構成を有し、前記触媒層が、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを、基材上に塗布した状態で生乾き状態が保持するように調整し、その乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留分を蒸発させて基材に触媒層を定着させたものであることを特徴とする。
また、本発明の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法は、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを、基材に塗布した状態で生乾き状態が保持するように調整し、その乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留成分を蒸発させて基材に触媒層を定着させたことを特徴とする。この場合、前記基材としては、電解質転写用基材やガス拡散層が使用できる。さらに、当該乾燥中の塗布面を加熱圧着して基材に触媒層を定着させる場合には被覆部材で被覆しても良い。
また、当該触媒層形成用インクの溶媒は純水、炭素数3以下のアルコール及び沸点が
100℃以上230℃未満の有機溶媒の混合液とする。さらに、当該触媒層形成用インクの溶媒の組成比は重量の多い順に純水、炭素数3以下のアルコール、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒としており、前記の沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒は当該インク組成の20wt%以下とする。この場合、当該有機溶媒は、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、酢酸、プロピオン酸及びブタン酸のいずれか1つ、また、は組み合わせによって構成する。
加えて、当該触媒層形成用インクの塗布に使用される基材は燃料極および酸化剤極のガス拡散層基板、あるいは触媒層の電解質膜転写用高分子フィルムとする。さらに、前記の乾燥中の塗布面を被覆する被覆部材はガス透過性の不織紙とする。
本発明によれば、触媒層形成用インクを基材上に塗布して触媒層を形成するにあたり、その乾燥工程において、加熱圧着するようにしたので、従来技術のように、単に自然乾燥させたり、熱風により加熱乾燥させた場合に比較して、乾燥温度、速度、時間を適切に制御することが可能になる。特に、基材の全域にわたって乾燥条件の均質な制御が可能となり、完成された触媒層の均質化が可能となる。その結果、この電極を使用した燃料電池において、電圧並びに寿命特性の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態における固体高分子電解質型燃料電池用電極の構成を示す断面図、図2及び図3は本発明による固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法の一例を示す断面図および側面図、図4は図2又は図3の方法により触媒層形成用インクから製造された燃料極触媒層および酸化剤極触媒層を高分子電解質膜に一体化する方法の一例を示す断面図である。
(1)第1実施形態
(実施形態における電極の構成)
図1における固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体1は、電解質膜2を挟む燃料極3および酸化剤極4の基板5,6として例えばカーボンペーパーを用いる。前記カーボンペーパーの面上にカーボン粉とPTFE粉末を混合して塗布した燃料極側ガス拡散層7および酸化剤極側ガス拡散層8をそれぞれ形成した後、焼成して各ガス拡散層7,8が定着されている。前記燃料極側ガス拡散層7および前記酸化剤極側ガス拡散層8に面して、カーボンを担持体とする白金触媒と固体高分子電解質の混合層である触媒層9,10が設けられている。
このような構成を有する本実施形態の燃料電池用電極の各部分は、それぞれ次のように形成されている。
即ち、前記の触媒層9,10の形成方法としては、まず、カーボンを担持体とする白金触媒に発火防止剤としてイオン交換水を添加して分散した後、所定量の高分子電解質溶液と炭素数3以下のアルコールとしてイソプロパノール、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒としてエチレングリコールを添加し攪拌混合して触媒層形成用インクを作製する。
この場合、触媒層形成用インクの組成は純水よりもイソプロパノールが少なくなるように、例えば重量組成比で触媒量1に対し純水7.5:イソプロパノール5とする。さらに、エチレングリコールはインク組成中で5wt%となるように添加する。
前記炭素数3以下のアルコールはイソプロパノールに限定されるものではなくエタノールや1−プロパノールであっても良い。沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒は、エチレングリコールに限定されるものではなく1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、酢酸、プロピオン酸及びブタン酸のいずれか1つ、又は組み合わせによって構成しても良い。さらに、これら溶媒の組成比は前記実施形態に限定されるものではない。
(実施形態における電極の製造方法)
次に、図2に示すように、前記のように作製した触媒層形成用インク11を基材、例えば有機溶剤に対して化学的に安定で耐熱性のPET樹脂やPEN樹脂等の高分子フィルム基材12上に塗布し乾燥させる。この場合、乾燥工程の初期においては塗布面内の溶媒の大半を蒸発させるために恒温槽や赤外線ヒーターなどの加熱手段を用いて、溶媒の主成分である純水の沸点よりも相対的に低い温度、例えば約50℃〜80℃の範囲で設定した乾燥温度により、塗布面内の乾燥の進行が均質一様となるようにする。
さらに、前記フィルム基材12上で溶媒の大半が蒸発した後、外観上流動変形せずに平滑面となった半乾燥状態において、ガス透過性の不織紙、例えば濾紙13を用いて塗布表面を被覆した状態に保持すると共に加熱固定用スペーサ14で基材12と濾紙13を挟持しても良い。この状態でさらに、引き続き触媒層内の高分子電解質が加熱により変質や分解しない所定温度(〜150℃程度)以下、例えば120℃で加熱プレス15により加熱圧着して基材12に触媒層を定着させる。また、この場合、加熱雰囲気は窒素、アルゴンまたは二酸化炭素などの不活性ガスを含み、酸素濃度を20%未満としたガスであることが好ましい。
この場合、図3に示すように濾紙による被覆は連続的なロール紙16で供給しても良く、恒温槽17により溶媒の大半を蒸発させた後に加熱圧着は加熱プレス以外に加熱ローラ18で実施しても良い。すなわち、図3において、触媒層形成用インク11は、インク供給用ホッパー19に貯留されており、このホッパー19の出口部分に配置された塗工用バックアップローラ20との間を走行するフィルム基材12上に、所定の厚みを形成するように供給される。
その後、恒温槽17により生乾き状態となるようにインク11の乾燥状態を制御した後、インク11の表面にロール紙16からなるガス透過性の不織布を被覆しながら、上下の加熱ローラ18により加熱し、触媒層形成用インク11を乾燥させ、基材12に定着させる。このように、恒温槽17による乾燥とガス透過性不織布を介在させた加熱圧着とにより、触媒層形成用インク11は加熱ローラ18の圧着面全域において均等に乾燥され、乾燥ムラが解消される。なお、触媒層形成用インク11が定着された基材12は、加熱ローラ18の後段に設けられた保護フィルム供給部21より供給された保護フィルムによって被覆される。
特に、恒温槽17による生乾き状態への乾燥度の制御と、ローラ間に発生した水や溶媒などの蒸気を濾紙などのロール紙16で連続的に除去することにより、触媒層形成用インク11の乾燥条件を基材12の全域にわたって均等に制御することが可能になる。
前記の加熱圧着処理を燃料極側及び酸化剤極側の触媒層について実施した後は、図4に示すように、前記フィルム基材12上に形成した燃料極側及び酸化剤極側触媒層9,10を電解質膜2の対向する面上にそれぞれ配置し加熱圧着により転写した後、フィルム基材12を電解質膜2から剥離して燃料極側触媒層9および酸化剤極側触媒層10を形成する。
さらに、図1に示すように、燃料極側触媒層9および酸化剤極側触媒層10を形成した電解質膜2を挟んで両側に燃料極側ガス拡散層7および酸化剤極側ガス拡散層8をそれぞれ配置し、加熱プレスにより圧着して一体化することにより膜−電極接合体1を形成する。
(実施形態の作用)
前記のように、本実施形態においては、当該触媒層形成用インク11の溶媒は純水、炭素数3以下のアルコール及び沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒の混合液としている。さらに、当該触媒層形成用インクの溶媒の組成比は重量の多い順に純水、炭素数3以下のアルコール、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒とすると共に、前記の沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒はインク組成の20wt%以下としている。
この場合、溶媒として炭素数3以下のアルコールは基材に対する濡れ促進剤として作用する。即ち炭素数3以下のアルコールを加えない場合には塗布基材との濡れ、即ち当該インクと塗布基材との親和性が十分でなく乾燥時に剥離が生じ易くなる。また、炭素数3以下のアルコールが純水に比べ過剰である場合には、炭素数3以下のアルコールは沸点が純水よりも低いことから相対的に蒸発速度が速くなり乾燥の進行と共に乾燥ムラ、さらに、はひび割れが発生し易くなる。
また、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒は乾燥抑制剤として作用する。即ち当該有機溶媒を加えない場合には、塗布面内の局所的な塗布膜厚のばらつきや塗布基材の微小な凹凸により生じる塗布ムラの発生に伴い、乾燥の進行と共に乾燥ムラが発生し易くなる。
これに対し、当該有機溶媒をインク組成の20wt%以下の範囲で添加すると乾燥速度が抑制される結果、前記のような局所的な塗布条件による乾燥速度のばらつきが相対的に抑制されて乾燥ムラへの影響が小さくなり、塗布面内で均等に乾燥が進行する。さらに、当該有機溶媒の添加量の範囲を超えて増加した場合には、触媒層内の高分子電解質が加熱により変質や分解しない範囲の乾燥温度において蒸発し難くなり、触媒層内に有機溶媒が残留する可能性が高くなる。
また、使用する有機溶媒によっては当該触媒層形成用インクを構成する純水や炭素数3以下のアルコールに対する溶解度に限度があり、過剰な添加量の増加によって溶媒が分離する結果、分散すべき当該触媒層形成用インク成分が凝集してしまう場合がある。このため、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒はインク組成の20wt%以下の範囲で添加する必要がある。
この場合、当該有機溶媒としては1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、酢酸、プロピオン酸及びブタン酸のいずれか1つ、又は組み合わせであれば良く、これらにより互いに同様の作用が得られる。
また、溶媒として純水、炭素数3以下のアルコール及び沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒の混合液を前記に示したような組成の配合とすることで、溶媒を揮発して濃縮するような粘度の調整を行うことなく安定な液性の触媒層形成用インクを得ることが可能となる。
また、本実施形態によれば、固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体の触媒層形成方法に関し、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを基材に塗布した後の乾燥工程において、乾燥中の塗布面を加熱圧着して基材に触媒層を定着している。さらに、当該乾燥中の塗布面を加熱圧着して基材に触媒層を定着させるために被覆部材で被覆する。
これらの場合、当該触媒層形成用インクの塗布に使用される基材は燃料極および酸化剤極のガス拡散層基板、あるいは触媒層の電解質膜転写用高分子フィルムとしている。さらに、乾燥中の塗布面を被覆する当該被覆部材はガス透過性の不織紙としている。
この場合、乾燥工程の初期においては塗布面内の溶媒の大半を蒸発させるために恒温槽や赤外線ヒーターなどの加熱手段を用いて、溶媒の主成分である純水の沸点よりも相対的に低い温度、例えば約50℃〜80℃の範囲で設定した乾燥温度により乾燥の進行が均質一様となるようにしている。
さらに、前記フィルム基材上で溶媒の大半が蒸発した後、外観上流動変形せずに平滑面となった半乾燥状態においても、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒の一部が触媒層内に残留する場合がある。当該有機溶媒を除去するために引き続き、触媒層内の高分子電解質が加熱により変質や分解しない所定温度(〜150℃程度)以下、例えば120℃で加熱圧着して基材に触媒層を定着させる。
当該有機溶媒の一部を加熱圧着により蒸発させることで塗布面内の局所的な塗布膜厚のばらつきや塗布基材の微小な凹凸により生じる塗布ムラの発生に伴う乾燥ムラの発生を抑制すると共に、乾燥時間を短縮することができる。
さらに、乾燥中の当該塗布面を加熱圧着して基材に触媒層を定着させる際に、被覆部材としてガス透過性の不織紙、例えば濾紙を用いて塗布表面を被覆した状態とすることにより、加熱により発生する溶媒の揮発蒸気の通路を確保しながら溶媒の蒸発も促進して乾燥を均等に進行させると共に、触媒層乾燥面の局所的な剥離を抑制するので触媒層はフィルム基材上でひび割れることなく定着する。
この場合さらに、前記濾紙などの被覆部材による被覆は連続的なロール紙状の形態で供給しても良く、加熱圧着は熱プレスのほか加熱ローラでも実施することができるため、連続的な処理による量産化にも対応することができる。
当該触媒層形成用インクの塗布に使用される基材としては、カーボンペーパーやカーボンクロスなどのカーボン多孔質材料より構成される燃料極および酸化剤極のガス拡散層基板、あるいは有機溶剤に対して化学的に安定で耐熱性のPET樹脂やPEN樹脂などの触媒層の電解質膜転写用高分子フィルムとしているので、触媒層形成用インクの塗布面が乾燥し定着するまで、当該基材の形状は加熱による膨張や収縮などの熱変形が小さく安定に触媒層を保持することができる。この結果、当該基材の熱変形に起因する触媒層のひび割れ発生を抑制することができる。
その上、加熱雰囲気が不活性ガスを含み酸素濃度を20%未満としたガスとすることで、蒸発させた溶媒と触媒層及び酸素との反応による発火を防止し、不良を発生させることがなく、加熱圧着して基材に触媒層を定着させることができる。この場合、加熱雰囲気の不活性ガスとして窒素、アルゴンまたは二酸化炭素を添加した雰囲気を用いることで、他の不活性ガスよりも安価な構成で酸素濃度を20%未満とすることができる。
(実施形態の効果)
以上説明したように本実施形態によれば、前記固体高分子電解質型燃料電池の膜−電極接合体の触媒層形成方法に関して、触媒層のひび割れを抑制して平滑な乾燥表面とすることができるので構造上均質な触媒層が得られることにより、電解質膜接着面の局所的な応力集中を防止し、膜の破損に起因するクロスリークによる電池性能の低下を抑制することができる。
また、フラッディングによるガス拡散性低下などの電池反応の阻害原因として懸念される触媒層中の残留溶媒を除去することができるので、電池特性が安定し寿命を向上させた固体高分子電解質型燃料電池用電極を提供することができる。
(2)第2実施形態
前記第1実施形態は、基材12として別途用意した高分子フィルムを使用し、高分子フィルムについては触媒層9,10と高分子電解質膜2とを圧着した後、高分子電解質膜2とガス拡散層7,8とを積層する前工程で触媒層表面から剥がして除去したものである。
これに対して、図5に示す第2実施形態は、基材12として別途用意した高分子フィルムを使用する点では、前記第1実施形態と共通するが、触媒層9,10をガス拡散層7,8に定着させた後、基材12として使用した高分子フィルムを剥がし、その後、高分子電解質膜2の両面に触媒層9,10を介してガス拡散層7,8を積層したものである。
このような方法によっても、別途用意した基材12である高分子フィルム上に生乾き状態のインクを塗布した後、加熱圧着させることでインクの乾燥状態を適正に制御することが可能になり、品質に優れた燃料電池用の電極を製造することが可能である。
(3)第3実施形態
前記の第1及び第2実施形態は、インクを塗布する基材12として別途用意した高分子フィルムを使用し、インクの乾燥後はこの基材を取り除いていたものである。これに対して、以下述べる第3実施形態は、インクを塗布する基材12としてガス拡散層を使用し、インクの乾燥後は触媒層9,10をそのまま使用することで、電解質膜や触媒層に対する転写用の高分子フィルムを使用したり、その除去作業を不要としたものである。
図6は、このような第3実施形態の断面図である。この実施形態では、基材12としてガス拡散層7あるいは8が使用され、このガス拡散層の表面にインク11を塗布した状態で、乾燥工程が実施される。
この乾燥工程においては、前記転写用のフィルム基材12を使用した場合と同様に、ガス拡散層7または8からなる基材12上で溶媒の大半が蒸発した後、外観上流動変形せずに平滑面となった半乾燥状態において、ガス透過性の不織紙、例えば濾紙13を用いて塗布表面を被覆した状態に保持すると共に加熱固定用スペーサ14で基材12と濾紙13を挟持する。
この状態でさらに、引き続き触媒層内の高分子電解質が加熱により変質や分解しない所定温度(〜150℃程度)以下、例えば120℃で加熱プレス15により加熱圧着して基材12に触媒層を定着させる。
このようにして、ガス拡散層7,8に触媒層9,10を固着させた後は、燃料極側と酸化剤極側のガス拡散層を7,8によって電解質膜2を挟持して膜−電極接合体1を形成する。
以上のように図6に示す第3実施形態においても、半乾き状態の触媒層形成用インク11を加熱しながらプレスすることで、乾燥状態を適正に制御することが可能になり、触媒層のひび割れを抑制して平滑な乾燥表面とすることができる。
(4)他の実施形態
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記乾燥中の塗布面を被覆する当該被覆部材はガス透過性の不織紙(例えば、濾紙13)を使用することなく、ローラやプレス板によって直接基材12を加熱圧着させるものでも良い。
本発明による固体高分子電解質型燃料電池用電極の第1の実施の形態を示す断面図。 図1の実施形態における燃料極触媒層又は酸化剤極触媒層を触媒層形成用インクから製造する方法の一例を示す断面図。 図1の実施形態における燃料極触媒層又は酸化剤極触媒層を触媒層形成用インクから製造する方法の他の例を示す断面図。 触媒層形成用インクから製造された燃料極触媒層および酸化剤極触媒層を高分子電解質膜に一体化する方法の一例を示す断面図。 本発明の第2実施形態におけるガス拡散層に触媒層を形成する方法を示す断面図。 本発明の第3実施形態におけるガス拡散層に触媒層を形成する方法を示す断面図。 従来の固体高分子電解質型燃料電池の断面図。
符号の説明
1…膜−電極接合体
2…高分子電解質膜
3…燃料極
4…酸化剤極
5…燃料極基板
6…酸化剤極基板
7…燃料極ガス拡散層
8…酸化剤極ガス拡散層
9…燃料極触媒層
10…酸化剤極触媒層
11…触媒層形成用インク
12…転写用の高分子フィルム基材
13…濾紙
14…加熱固定用スペーサ
15…加熱プレス
16…ロール紙
17…恒温槽
18…加熱ローラ
101…膜−電極接合体
102…高分子電解質膜
103…燃料極
104…酸化剤極
105…燃料極基板
106…酸化剤極基板
107…燃料極ガス拡散層
108…酸化剤極ガス拡散層
109…燃料極触媒層
110…酸化剤極触媒層

Claims (13)

  1. 高分子電解質膜と、この高分子電解質膜を相互で挟持するように配置された燃料極および酸化剤極から構成された膜−電極接合体を有する固体高分子電解質型燃料電池用電極において、
    前記燃料極および酸化剤極は、基板上にガス拡散層をそれぞれ形成し、このガス拡散層上に触媒と電解質を含む触媒層をそれぞれ担持した構成を有し、
    前記触媒層が、触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを、基材上に塗布した状態で生乾き状態が保持するように調整し、その乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留分を蒸発させて基材に触媒層を定着させたものであることを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用電極。
  2. 前記触媒層形成用インクの塗布に使用される基材は、燃料極および酸化剤極のガス拡散層か、あるいはガス拡散層または高分子電解質膜への転写用高分子フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極。
  3. 高分子電解質膜と、この高分子電解質膜を相互で挟持するように配置された燃料極および酸化剤極から構成された膜−電極接合体を有する固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法において、
    触媒担持カーボン粒子と高分子電解質溶液及び溶媒により混合分散して製作した触媒層形成用インクを、基材に塗布した状態で生乾き状態が保持するように調整し、その乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留成分を蒸発させて基材に触媒層を定着させたことを特徴とする固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  4. 前記基材が、ガス拡散層への転写用基材であり、乾燥後の触媒層をガス拡散層に定着させるにあたり、触媒層から剥がして除去されるものであることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  5. 前記基材が、高分子電解質膜への転写用基材であり、乾燥後の触媒層を高分子電解質膜に定着させるにあたり、触媒層から剥がして除去されるものであることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  6. 前記基材が、ガス拡散層であることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  7. 前記乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留成分を蒸発させて基材に触媒層を定着させ.工程において、乾燥中の塗布面を被覆部材で被覆し加熱圧着して基材に触媒層を定着させたことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  8. 前記触媒層形成用インクの溶媒は、純水、炭素数3以下のアルコール及び沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒の混合液であることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  9. 前記触媒層形成用インクの溶媒の組成比は、重量の多い順に純水、炭素数3以下のアルコール、沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒となっており、前記の沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒はインク組成の20wt%以下であることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  10. 前記触媒層形成用インクの溶媒を構成する沸点が100℃以上230℃未満の有機溶媒は、1−ブタノール、2−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、酢酸、プロピオン酸及びブタン酸のいずれか1つ、又は組み合わせによって構成されることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  11. 前記乾燥中の塗布面を被覆する当該被覆部材はガス透過性の不織紙であることを特徴とする請求項3から請求項10のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  12. 前記乾燥中の塗布面を加熱圧着して溶媒残留成分を蒸発させて基材に触媒層を定着させ.工程において、加熱雰囲気は不活性ガスを含み、酸素濃度を20%未満としたガスであることを特徴とする請求項3から請求項11のいずれか1項に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
  13. 前記加熱雰囲気の不活性ガスは、窒素、アルゴンまたは二酸化炭素であることを特徴とする請求項12に記載の固体高分子電解質型燃料電池用電極の製造方法。
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