JP2015050073A - 燃料電池用のガス拡散層の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガス拡散層の基材に対して多孔質材を含むペーストの染み込みを抑制することで、ガス拡散性および排水性を向上させた燃料電池用のガス拡散層の製造方法を提供する。【解決手段】燃料電池用のガス拡散層の製造方法は、;ガス拡散層の基となる炭素繊維で形成された基材を搬送ローラーによって搬送する工程と;撥水性樹脂と分散剤とを含むペーストを基材に塗布する工程と;塗布する工程の後に、基材を乾燥させる工程と;乾燥させる工程の後に、基材における搬送ローラーとの接触面とは反対側の面に、導電性を有する多孔質材を含むペーストを塗布する工程と、を備え;搬送ローラーにおける基材との接触面は、撥水性を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用のガス拡散層の製造方法に関する。
反応ガス(燃料ガスおよび酸化剤ガス)を利用して電気化学反応を引き起こすことにより、物質の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する燃料電池が知られている。燃料電池は、一般に、膜電極接合体(以下「MEA(Membrane Electrode Assembly)」とも呼ぶ)と、MEAを挟むように積層された一対のガス拡散層とを含む膜電極ガス拡散層接合体(以下、「MEGA(Membrane Electrode & Gas Diffusion Layer Assembly)」とも呼ぶ)と、MEGAを挟むように積層された一対のセパレータと、を備える。MEAは、電解質膜の一方の表面にアノードが形成され、他方の表面にカソードが形成された構成を有している。
特許文献1には、グラビアロールを用いたキス方式によって導電性微粒子層を形成するための塗工液をガス拡散層の基材に塗工する場合に、基材を搬送するライン速度と、グラビアロールの周速度と、塗工液の見かけ粘度と、を調整することで、電解質の乾燥やフラッディングを抑制する燃料電池の製造方法について開示されている。また、特許文献2には、リチウムイオン二次電池等に用いられる表裏面を貫通する孔が設けられた集電体の片面にスラリーを塗工すると共に、反対側の面に接触する搬送ローラーの表面を撥液部材で構成することで、スラリーを均一に塗工する技術について開示されている。また、特許文献3には、薄膜を加圧する加圧ローラーに混合液を吹き付け、加圧ローラーを加熱することで、塗りムラ等を発生させずに薄膜に混合液を塗布する塗布装置について開示されている。
国際公開第2011/030720号 特開2011−76824号公報 特開2001−38268号公報
しかし、特許文献1に開示された燃料電池では、導電性微粒子層を基材に結着させるために用いられるバインダーが親水性であった場合に、塗工液の一部が基材を貫通する裏抜けという現象が発生する場合があった。また、特許文献2には、集電体に塗工されたスラリーが付着して搬送ローラーの汚染を抑制する技術について開示されているが、裏抜けの課題については何も記載されていない。また、特許文献3に開示された塗布装置についても、裏抜けの課題について考慮されていない。そのほか、燃料電池のガス拡散層の製造方法においては、製造方法の簡易化、容易化、低コスト化、省資源化、製造装置や製造設備の小型化、および、使い勝手の向上等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池用のガス拡散層の製造方法が提供される。このガス拡散層の製造方法は、前記ガス拡散層の基となる炭素繊維で形成された基材を搬送ローラーによって搬送する工程と;撥水性樹脂と分散剤とを含むペーストを前記基材に塗布する工程と;前記塗布する工程の後に、前記基材を乾燥させる工程と;前記乾燥させる工程の後に、前記基材における前記搬送ローラーとの接触面とは反対側の面に、導電性を有する多孔質材を含むペーストを塗布する工程と、を備え;前記搬送ローラーにおける前記基材との接触面は、撥水性を有する。この形態のガス拡散層の製造方法によれば、多孔質材を含むペーストを基材に塗布する前に親水性の撥水性樹脂と分散剤とを含むペーストを基材に塗布した場合であっても、搬送ローラーの表面が撥水性を有するため、基材における多孔質材を含むペーストが塗布された面とは反対側の面への多孔質材を含むペーストの染み込みを抑制できる。よって、燃料電池の積層方向に沿った面内透気度が大きくなり、本発明のガス拡散層を用いた燃料電池におけるガス拡散性および排水性を向上させることができる。
本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、上記の製造方法によって製造された燃料電池のガス拡散層、燃料電池、燃料電池のガス拡散層の製造装置、燃料電池の製造装置、これらの製造装置の制御方法を実現するコンピュータプログラム、および、そのコンピュータプログラムを記録した一時的でない記録媒体等の形態で実現することができる。
本発明の実施形態としての製造方法によって製造されたガス拡散層が用いられている燃料電池の概略構成を示す説明図である。 ガス拡散層5の製造方法の流れを示す説明図である。 ガス拡散層5の基材52にMPL54を形成する工程の概略を示す説明図である。 ガス拡散層5の製造方法における各種条件の詳細を示す説明図である。 ガス拡散層5の製造方法における各種条件の詳細を示す説明図である。 ガス拡散層5の製造方法における各種条件の詳細を示す説明図である。 作製されたガス拡散層5の詳細を示す説明図である。 作製されたガス拡散層5の詳細を示す説明図である。 作製されたガス拡散層5の詳細を示す説明図である。 ガス拡散層5における面内透気度の測定結果を示す説明図である。 接触角とMPLペースト40の付着面積比との関係の一例を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の実施形態としての製造方法によって製造されたガス拡散層が用いられている燃料電池の概略構成を示す説明図である。この燃料電池10は、反応ガスとして水素と酸素との供給を受けて発電する固体高分子型燃料電池である。燃料電池10は、複数の単セル11が直列に積層されたスタック構造を有する。単セル11のそれぞれは、膜電極接合体3(以降、「MEA3」とも呼ぶ)と、2つのガス拡散層5と、一対のセパレータ8と、を備えている。
MEA3は、電解質膜1と、電解質膜1の両面に形成された2つの触媒電極層2と、を備えている。電解質膜1は、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を示す固体高分子薄膜である。電解質膜1は、例えば、ナフィオン(登録商標)などのフッ素系樹脂のイオン交換膜によって構成される。触媒電極層2のそれぞれは、水素と酸素との化学反応を促進する触媒(図示は省略)を有する。触媒電極層2のそれぞれは、触媒を担持する導電性粒子(例えば、白金担持カーボン)と、電解質膜1と同種または類似の固体電解質樹脂と、の分散溶液の乾燥塗膜として形成される。
ガス拡散層5のそれぞれは、MEA3の両面に形成されている。ガス拡散層5のそれぞれは、MEA3と接している反対側の面で、セパレータ8と接している。単セル11が積層方向に圧縮されることで、ガス拡散層5のそれぞれは、各触媒電極層2に圧着されてMEA3と一体化している。以降、本明細書では、ガス拡散層5の触媒電極層2と対向する側の面を「電極対向面ES」と呼ぶ。
ガス拡散層5のそれぞれは、セパレータ8に形成されているガス流路溝8pを介して供給された反応ガスを触媒電極層2の全体に行き渡らせる。また、ガス拡散層5のそれぞれは、MEA3とセパレータ8との間の導電経路として機能する。ガス拡散層5は、導電性およびガス拡散性を有する多孔質のガス拡散性基材(例えば、カーボン繊維)によって形成される。燃料電池10の運転中には、ガス拡散層5に供給された反応ガスは、ガス拡散層5の内部の貫通細孔内を流通し、ガス拡散層5の積層方向に直交する面方向に沿って拡散されながら、触媒電極層2に到達する。
ガス拡散層5のそれぞれには、MEA3と接する面に撥水層6が形成されている。撥水層6は、反応ガスの化学反応によって生成された水が反応ガスの流路を閉塞してしまうことを抑制することで、電極対向面ESにおけるガス拡散性および排水性を確保する。
一対のセパレータ8は、導電性およびガス不透過性を有する板状部材であり、例えば、金属板によって構成される。セパレータ8のそれぞれは、ガス拡散層5のそれぞれの表面に積層して配置されている。セパレータ8のそれぞれには、反応ガスの水素または酸素が流れるガス流路溝8pが形成されている。
図示および詳細な説明は省略するが、燃料電池10には、各単セル11のMEA3およびガス拡散層5の外周に、反応ガス等の流体の漏洩やセパレータ8同士の短絡を防止するための絶縁性シール部が設けられる。また、各単セル11のMEA3およびガス拡散層5の外周には、各単セル11に反応ガスを供給するためのマニホールドが設けられる。
本実施形態の燃料電池10では、単セル11のMEA3において多量の水分が生成されるが、以下に説明する製造方法によってガス拡散層5が製造されていることによって、撥水層6に撥水性のムラが生じることが抑制され、良好な排水性が確保されている。
A−2.ガス拡散層の製造方法:
図2は、ガス拡散層5の製造方法の流れを示す説明図である。ガス拡散層5の製造方法では、初めに、ガス拡散層5の基となるシート状の基材を準備する(ステップS10)。シート状の基材は、多孔質のカーボンペーパーで構成されている。基材は、搬送ローラーで搬送され、製造方法における各種処理が施される。次に、基材の一方の面に撥水性樹脂であるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を含むPTFEペーストが塗布される(ステップS12)。PTFEペーストには、PTFEの他に、溶媒液と親水性の分散剤とが含まれている。本実施形態では、分散剤として、LION社製のレオコール(登録商標)が用いられている。次に、PTFEペーストが塗布された基材を乾燥させる。乾燥させた基材では、塗布されたPTFEペーストの水分が蒸発して、基材の内部にPTFEと分散剤とが残存する。
次に、基材にMPL(Micro Porous Layer)ペーストが塗布される(ステップS16)。MPLペーストには、PTFEと分散剤とカーボン粉末と溶媒液とが含まれている。図3は、ガス拡散層5の基材52にMPL54を形成する工程の概略を示す説明図である。図3には、基材52にMPLペースト40を塗布してMPL54を形成する塗工装置の一部と、搬送される基材52と、が示されている。塗工装置には、塗工ヘッド30と、基材52に塗布されるMPLペースト40と、第1の搬送ローラー22と、第2の搬送ローラー26と、MPLペースト40が塗布された基材52を焼成する焼成炉60と、が含まれている。基材52は、第1の搬送ローラー22から第2の搬送ローラー26への方向(図3の矢印の搬送方向)へと搬送される。なお、第1の搬送ローラー22および第2の搬送ローラー26以外の搬送ローラーも存在し、図3では、基材52にPTFEペーストが塗布される工程と、基材52を乾燥させる工程と、を図示していない。第1の搬送ローラー22に搬送される基材52は、乾燥工程の後の基材52が図示しない搬送ローラーによって搬送されたものである。
塗工ヘッド30は、搬送された基材52にMPLペースト40を塗布してMPL54を形成する。第1の搬送ローラー22の表面23と第2の搬送ローラー26の表面27とは、撥水加工されて撥水性を有するように、接触角が90度以上の撥水部材によってコーティングされている。なお、撥水性および接触角の詳細については後述する。焼成炉60は、基材52およびMPL54を焼成する。MPLペースト40が塗布される面を基材52の塗布面とも呼ぶ。
基材52にMPLペースト40が塗布されると、基材52に残存している分散剤が親水性であるため、MPLペースト40が基材52の塗布面と反対側の面(裏面)へと染み込む事象(以降、「裏抜け」とも呼ぶ)が発生するおそれがある。本実施形態では、第1の搬送ローラー22の表面23および第2の搬送ローラー26の表面27が撥水性のため、MPLペースト40の裏抜けが発生することを抑制できる。
基材52にMPLペースト40が塗布されると(図4のステップS16)、次に、MPL54が形成された基材52が焼成される(ステップS18)。基材52が焼成されると、シート状のガス拡散層5が作製される。シート状のガス拡散層5は、所定の寸法に切られ、燃料電池10の他の構成部材と積層されて燃料電池10を構成する。
A−3.ガス拡散層の評価:
本実施形態の製造方法によって得られたガス拡散層5の評価を行ない、以下、これらの評価結果を示す。図4ないし図6は、ガス拡散層5の製造方法における各種条件の詳細を示す説明図である。図4には、本実施形態におけるMPLペースト40に溶かされている各固形材料の成分比(グラム/グラム)が示されている。MPLペースト40に溶かされている固形材料としては、カーボン粉末とPTFEとがある。例えば、単位体積あたりに、カーボン粉末が90グラム、PTFEが25グラム溶かされている場合には、全体の固形材料におけるカーボン粉末の質量パーセント(質量%)は、およそ78.2%(90/(90+25)×100)になる。また、図4には、カーボン粉末の質量に対する分散剤の質量が示されている。例えば、カーボン粉末が90グラム、分散剤の質量が5グラムだった場合には、カー分粉末に対する分散剤の質量%は、5.6%(5/90)になる。
図5には、MPLペースト40の物性値が示されている。図5に示すように、MPLペースト40の粘度は、500〜2500(mPa・s)である。MPLペースト40の貯蔵弾性率は、500〜5500(Pa)である。
図6には、MPLペースト40を基材52に塗布する場合の塗工条件と、基材52およびMPL54を焼成する焼成条件と、が示されている。塗工条件として、基材52にMPLペースト40を単位時間当たりに吐出する量の吐出速度が60〜90(ml/min)であり、基材52を搬送する第1の搬送ローラー22および第2の搬送ローラー26の搬送速度が1.0〜1.5(m/min)である。焼成条件として、焼成炉60の焼成温度が摂氏250〜350度(℃)であり、基材52およびMPL54を焼成する焼成時間が3〜5(min)である。
図7ないし図9は、作製されたガス拡散層5の詳細を示す説明図である。図7には、作製されたガス拡散層5の断面が示されている。図7に示すように、本実施形態の製造方法で作製されたガス拡散層5は、撥水層6と、カーボンペーパー層12と、PTFE層14と、から構成されている。ガス拡散層5は、基材52とMPL54とが焼成された層である。ガス拡散層5の撥水層6は、焼成後のMPL54と基材52に染み込んだMPLペースト40とが形成する層である。PTFE層14は、乾燥前に塗布されたPTFEペーストが焼成された層である。PTFE層は、カーボンペーパー層12よりも排水性に優れる。カーボンペーパー層12は、基材52にPTFEペーストおよびMPLペースト40が染み込まずに焼成された層である。
図8には、本実施形態の製造方法により製造されたガス拡散層5(実施例)における裏面の拡大写真が示されている。図9には、比較例のガス拡散層5における裏面の拡大写真が示されている。実施例と比較例との違いは、基材52にMPLペースト40を塗布する際に、第1の搬送ローラー22の表面23および第2の搬送ローラー26の表面27が撥水性を有する(実施例)か否か(比較例)である。図8に示すように、実施例では、基材52に対して裏抜けが発生せずに、裏面にMPLペースト40の付着が観察されず、PTFE層14がムラなく形成されている。図9に示すように、比較例では、基材52に対して裏抜けが発生し、基材52に対して裏抜けが発生し、裏面にMPLペースト40の付着が観察され、PTFE層14にムラが発生している。そのため、実施例では、PTFE層14にムラがないため、比較例と比較して、良好な排水性を有する。
図10は、ガス拡散層5における面内透気度の測定結果を示す説明図である。図10には、実施例と比較例とにおける積層方向に沿った単位面積当たりの面内透気度が示されている。ガス拡散層5において積層方向に沿った面内透気度が大きいほど、反応ガスが流通しやすいことを示している。本実施形態では、ガス拡散層5に1.8(MPa)の空気圧によって面内透気度を測定している。図10に示すように、実施例の面内透気度は、17.1(Pa・sec)であり、比較例の面内透気度の6.5よりも大きい。そのため、実施例では、比較例と比較して、反応ガスが流通しやすく、MPLペースト40の裏面への染み込みが抑制されて、裏抜けの発生が抑制されていることがわかる。
図11は、接触角とMPLペースト40の付着面積比との関係の一例を示す説明図である。請求項における「撥水性を有する」とは、接触角が90度以上であることに相当し、技術常識として、このことは知られている。図11には、撥水性の程度を表わす指標である接触角と、基材52の裏面の面積に対してMPLペースト40が染み出した面積の比となるMPLペースト40の付着面積比と、の関係が示されている。MPLペースト40の面積は、図8に示す拡大写真に写る付着ムラから算出されている。図11では、接触角ごとに、複数の実施例のサンプルの測定結果における平均値がハッチングを施した棒グラフで示され、棒グラフの上部の直線によって平均値よりも大きい値のばらつきが示されている。例えば、接触角が100度の場合には、MPLペースト40の付着面積比の平均値が0.065で、サンプルの上限値が0.105である。図11に示すように、MPLペースト40の付着面積比の平均値は、接触角が125度以下の場合には約0.065であり、接触角が130度の場合には0.015である。また、接触角が130度を超えると、MPLペースト40の付着面積が0、すなわち、基材52の裏面にMPLペースト40の付着ムラがない状態であった。そのため、接触角を130度以上にすることで、MPLペースト40の裏抜けの発生をさらに抑制できるので、接触角は130度以上あることが好ましい。
以上説明したように、本実施形態における燃料電池10のガス拡散層5の製造方法では、ガス拡散層5の基材52が第1の搬送ローラー22および第2の搬送ローラー26で搬送され、基材52にPTFEペーストが塗布された後、基材52が乾燥させられて、基材52の表面にMPLペースト40が塗布される。基材52は、多孔質のカーボンペーパーで形成されている。PTFEペーストには、撥水性樹脂であるPTFEと分散剤とが含まれている。MPLペースト40には、PTFEとカーボン粉末とが含まれている。第1の搬送ローラー22の表面23および第2の搬送ローラー26の表面27は、撥水性を有するように接触角が90度以上の撥水部材によってコーティングされている。そのため、本実施形態における燃料電池10のガス拡散層5の製造方法では、MPLペースト40を基材52に塗布する前に親水性のPTFEペーストを基材52に塗布した場合であっても、第1の搬送ローラー22の表面23および第2の搬送ローラー26の表面27が撥水性を有するため、基材52の裏面へのMPLペースト40の染み込みを抑制できる。よって、本実施形態の製造方法で作成されたガス拡散層5は、積層方向に沿って面内透気度が大きくなり、燃料電池10におけるガス拡散性および排水性を向上させることができる。
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態では、図3に示すように、表面に撥水性を有する搬送ローラーが第1の搬送ローラー22および第2の搬送ローラー26であったが、搬送ローラーの態様についてはこれに限られず、種々変形可能である。例えば、搬送ローラーの数は1つであってもよいし、3つ以上あってもよい。また、全ての搬送ローラーの表面に撥水性が備わっていなくてもよい。
上記実施形態では、ガス拡散層5の撥水層6が電極対向面ES側に形成されるように燃料電池10が積層されたが、ガス拡散層5の撥水層6がセパレータ8と接する面に形成されてもよい。また、上記実施形態の燃料電池10では、膜電極接合体3の両側にガス拡散層5が配置されていたが、膜電極接合体3のいずれか一方の面のみにガス拡散層5が形成されてもよい。
上記実施形態では、撥水性樹脂としてPTFEが用いられていたが、他の撥水性樹脂が用いられてもよい。また、分散剤としては、LION社製のレオコール(登録商標)に限定されず、それ以外の他の界面活性剤等が用いられてもよい。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…電解質膜
2…触媒電極層
3…MEA
5…ガス拡散層
6…撥水層
8…セパレータ
8p…ガス流路溝
10…燃料電池
11…単セル
12…カーボンペーパー層
22…第1の搬送ローラー
23…第1の搬送ローラーの表面
26…第2の搬送ローラー
27…第2の搬送ローラーの表面
30…塗工ヘッド
40…MPLペースト
52…基材
54…MPL
60…焼成炉
ES…電極対向面

Claims (1)

  1. 燃料電池用のガス拡散層の製造方法であって、
    前記ガス拡散層の基となる炭素繊維で形成された基材を搬送ローラーによって搬送する工程と、
    撥水性樹脂と分散剤とを含むペーストを前記基材に塗布する工程と、
    前記塗布する工程の後に、前記基材を乾燥させる工程と、
    前記乾燥させる工程の後に、前記基材における前記搬送ローラーとの接触面とは反対側の面に、導電性を有する多孔質材を含むペーストを塗布する工程と、を備え、
    前記搬送ローラーにおける前記基材との接触面は、撥水性を有する、方法。
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