JP2007232503A - 原子炉システム及び原子炉制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】原子炉システムは、冷却材を原子炉圧力容器6から引き出して冷却材を浄化した後に、自然循環系に戻す冷却材浄化系を形成する原子炉冷却材浄化系(CUW)装置15と、冷却材浄化系により浄化された冷却材を加熱する加熱器16と、原子炉システムの起動時に、加熱器16により冷却材に対する加熱の制御を行うことにより、原子炉圧力容器6の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール温度を制御する制御装置20とを備えている。
【選択図】図1
Description
さらに、特許文献1に記載の自然循環型原子炉は、自然循環系に用いられるものであるため、ポンプが設けられていないが、バルブを開いただけでは炉水を熱交換器に送ることはできず、また、熱交換器で加熱した炉水を注水配管から下部プレナム内に戻すことはできない。従って、このためのポンプが余計に必要になる。
そして、本発明の原子炉システムは、冷却材を原子炉圧力容器から引き出して冷却材を浄化した後に、自然循環系に戻す冷却材浄化系を形成する冷却材浄化部と、冷却材浄化系により浄化された冷却材を加熱する加熱部と、原子炉システムの起動時に、加熱部により冷却材に対する加熱の制御を行うことにより、原子炉圧力容器の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール温度を制御する制御部とを備えている。
さらに、制御部は、予め設定される目標値圧力と原子炉圧力容器の内部の圧力との圧力差を求める圧力演算手段を備え、圧力演算手段により求められた圧力差がなくなるまで、比例積分演算手段による演算出力に応じて冷却材に対する加熱の制御を行う。
また、制御部は、原子炉システムの起動時の原子炉圧力容器の内部の圧力と原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、サブクール度が低下したときに、最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始するか否かを判断し、最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始したときに、サブクール度を算出し、冷却材浄化系により浄化された冷却材の加熱を抑制し、原子炉圧力容器の内部の圧力と温度に応じて生じる不安定領域外となるサブクール度まで、サブクール度が上昇したか否かを判断する。
また、制御部は、制御部は、原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となるまで、最大温度上昇率時の制御をする。
そして、本発明の原子炉制御方法は、冷却材を前記原子炉圧力容器から引き出して冷却材を浄化した後に、自然循環系に戻す冷却材浄化系を形成するステップと、冷却材浄化系により浄化された冷却材を加熱するステップと、原子炉システムの起動時に、加熱処理により冷却材に対する加熱の制御を行うことにより、原子炉圧力容器の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール温度を制御するステップとを含んでいる。
そして、制御ステップは、原子炉システムの起動時の原子炉圧力容器の内部の圧力と原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、サブクール度が低下するように冷却材浄化系により浄化された前記冷却材を加熱する。
さらに、制御ステップは、原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となるまで、冷却材浄化系により浄化された冷却材の加熱を停止する。
また、原子炉圧力容器6の下部には、炉心4内で制御棒3を上下方向に挿抜可能に駆動する制御棒駆動装置8が設けられている。そして、原子炉圧力容器6には、主蒸気管12と給水管13が接続されており、原子炉圧力容器6の内部には炉心4を囲むようにして円筒状のシュラウド5が配設されている。
原子炉圧力容器6の下部に設けられた冷却材引き込み配管14から炉内の冷却水が原子炉冷却材浄化系(CUW)に引き込むポンプ151に導かれる。ポンプ151は、原子炉冷却材浄化系(CUW)内の配管や機器の圧力損失に打ち勝ち浄化水を、給水配管19を経て原子炉圧力容器6内に戻すことができるように原子炉冷却材浄化系(CUW)を昇圧する。
また、フィルタ154により浄化された冷却水は、再生熱交換器152により再生熱交換により加熱された後、加熱器16に供給される。
まず、原子炉冷却材浄化系(CUW)装置15は、冷却材を原子炉圧力容器6から引き出して冷却材を浄化した後に、自然循環系の給水配管19に戻すことにより冷却材浄化系を形成する。
制御装置20の温度目標値算出手段203は、飽和温度算出手段201により算出される飽和温度及び制御モード切替器211により出力されるサブクール温度ΔTに基づいて原子炉圧力容器6の内部の温度の目標値を算出する。
これにより、比例積分演算器206による演算出力に応じて、冷却材に対する加熱器16による加熱の制御が行われる。
このため、起動時に原子炉内の温度と圧力の関係で決められる不安定領域に入ることのないように原子炉を安定に制御することができる。さらに、起動時に、原子炉冷却材浄化系(CUW)を用いることにより、自然循環系の循環効率を向上させることができる。
また、不安定領域を回避するために、図3のT5の点の温度変化率で制御棒を引抜いて炉水温度を上昇させると共に炉圧力を上昇させると、定格の炉圧力に到達するまでの時間が長くなり、結果としてプラントの起動時間が長くなるという問題が生じる。
次に、制御装置20は、温度目標値算出手段203で目標温度を算出する(ステップS2)。
(ステップS5)。
Claims (15)
- 原子炉圧力容器の内部に、冷却材の上昇流路と下降流路とを形成し、前記上昇流路における冷却材と前記下降流路における冷却材との密度差によって冷却材を循環させる自然循環系を有する原子炉システムにおいて、
前記冷却材を前記原子炉圧力容器から引き出して前記冷却材を浄化した後に、前記自然循環系に戻す冷却材浄化系を形成する冷却材浄化部と、
前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材を加熱する加熱部と、
前記原子炉システムの起動時に、前記加熱部により前記冷却材に対する加熱の制御を行うことにより、前記原子炉圧力容器の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール度を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする原子炉システム。 - 前記制御部は、前記原子炉圧力容器の内部の温度と圧力に応じて生じる不安定領域外となるように、前記サブクール度を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力に対する飽和温度を算出する飽和温度算出手段と、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力に対するサブクール度を算出するサブクール度算出手段とを備え、
前記飽和温度算出手段により算出された飽和温度及び前記サブクール度算出手段により算出されたサブクール度に基づいて
前記冷却材に対する加熱の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉システム。 - 前記飽和温度算出手段により算出された飽和温度及び前記サブクール度算出手段により算出されたサブクール温度に基づいて前記原子炉圧力容器の内部の温度の目標値を算出する温度目標値算出手段と、
前記温度目標値算出手段により算出された目標値温度と前記原子炉圧力容器の内部の温度との温度差を求める温度演算手段と
を備えたことを特徴とする請求項3に記載の原子炉の原子炉システム。 - 前記制御部は、
前記温度演算手段により求められた温度差に比例積分演算を施す比例積分演算手段を備え、
前記比例積分演算手段による演算出力に応じて前記冷却材に対する加熱の制御を行う
ことを特徴とする請求項4に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、
予め設定される目標値圧力と前記原子炉圧力容器の内部の圧力との圧力差を求める圧力演算手段を備え、
前記圧力演算手段により求められた圧力差がなくなるまで、前記比例積分演算手段による演算出力に応じて前記冷却材に対する加熱の制御を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、前記原子炉システムの起動時の前記原子炉圧力容器の内部の圧力と前記原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、前記サブクール度を低下させるように低圧時の制御をする
ことを特徴とする請求項1に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、
前記原子炉システムの起動時の前記原子炉圧力容器の内部の圧力と前記原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、前記サブクール度が低下したときに、最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始するか否かを判断し、
前記最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始したときに、サブクール度を算出し、
前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材の加熱を抑制し、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力と温度に応じて生じる不安定領域外となるサブクール度まで、サブクール度が上昇したか否かを判断する
ことを特徴とする請求項7に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力と温度に応じて生じる不安定領域外となるサブクール度まで、サブクール度が上昇したときに、前記サブクール度を更新し、前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材の加熱を抑制し、
原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となったか否かを判断する
ことを特徴とする請求項8に記載の原子炉システム。 - 前記制御部は、前記原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となるまで、前記最大温度上昇率時の制御をする
ことを特徴とする請求項9に記載の原子炉システム。 - 原子炉圧力容器の内部に形成される冷却材の上昇流路と下降流路とにおける、冷却材との密度差によって冷却材を循環させる自然循環系により原子炉を制御する原子炉制御方法において、
前記冷却材を前記原子炉圧力容器から引き出して前記冷却材を浄化した後に、前記自然循環系に戻す冷却材浄化系を形成するステップと、
前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材を加熱するステップと、
前記原子炉システムの起動時に、前記加熱処理により前記冷却材に対する加熱の制御を行うことにより、前記原子炉圧力容器の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール度を制御するステップと、
を含むことを特徴とする原子炉制御方法。 - 前記制御ステップは、
前記原子炉圧力容器の内部の温度と沸点までの温度差を示すサブクール温度を算出するステップと、
前記原子炉システムの起動時の前記原子炉圧力容器の内部の圧力と前記原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、前記サブクール度が低下したか否かを判断するステップと、
を有し、
前記原子炉システムの起動時の前記原子炉圧力容器の内部の圧力と前記原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、前記サブクール度が低下するように前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材を加熱する
ことを特徴とする請求項11に記載の原子炉制御方法。 - 前記制御ステップは、
前記原子炉システムの起動時の前記原子炉圧力容器の内部の圧力と前記原子炉圧力容器の内部の温度に応じて生じる不安定領域外となるまで、前記サブクール度が低下したときに、最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始するか否かを判断するステップと、
前記最大温度上昇率時のサブクール度制御を開始したときに、サブクール度を算出するステップと、
前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材の加熱を抑制するステップと、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力と温度に応じて生じる不安定領域外となるサブクール度まで、サブクール度が上昇したか否かを判断するステップと
を有する
ことを特徴とする請求項12に記載の原子炉制御方法。 - 前記制御ステップは、
前記原子炉圧力容器の内部の圧力と温度に応じて生じる不安定領域外となるサブクール度まで、サブクール度が上昇したときに、前記サブクール度を更新し、前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材の加熱を抑制するステップと、
原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となったか否かを判断するステップと、
を有する
ことを特徴とする請求項13に記載の原子炉制御方法。 - 前記制御ステップは、前記原子炉圧力容器の内部の圧力が予め設定される目標値圧力となるまで、前記冷却材浄化系により浄化された前記冷却材の加熱を停止する
ことを特徴とする請求項14に記載の原子炉制御方法。
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