JP7245112B2 - 原子炉制御装置、原子力発電プラント及び原子炉の制御方法 - Google Patents
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Description
その一方で、ホウ素濃度変化系は、ゆっくりとした変化であるので、早い出力変動に対応できない。
この発明の第一態様によれば、原子炉制御装置は、原子炉の炉心に対して軸方向に挿入及び引抜可能な複数の制御棒を有した複数の制御バンクと、前記制御バンク毎に前記制御棒を挿入及び引抜させる制御棒駆動装置と、前記制御棒駆動装置を制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、出力分布取得部と、冷却材平均温度取得部と、軸方向出力偏差算出部と、制御バンク位置取得部と、温度偏差算出部と、駆動制御部と、を備える。出力分布取得部は、前記炉心の軸方向出力分布を取得する。冷却材平均温度取得部は、前記炉心に流れる一次冷却材の平均温度を取得する。軸方向出力偏差算出部は、前記出力分布取得部の取得結果に基づき、炉心上部の中性子束と、炉心下部の中性子束との偏差である軸方向出力偏差を算出する。制御バンク位置取得部は、前記制御バンクの位置を取得する。温度偏差算出部は、前記冷却材平均温度取得部で取得した前記平均温度と、前記一次冷却材の目標温度との温度偏差を求める。駆動制御部は、前記温度偏差算出部により取得した温度偏差情報と、前記軸方向出力偏差算出部により算出した軸方向出力偏差情報と、前記制御バンク位置取得部により取得した前記制御バンクの位置情報とに基づいて、前記制御棒駆動装置に対して前記複数の制御バンク毎に前記制御棒の挿入及び引抜制御を行う。前記駆動制御部は、前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの全ての位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒のみを挿入させる。
このように制御バンク毎に制御棒の挿入及び引抜制御を行うことで、一次冷却材平均温度を変更するときに、駆動順序が連続する制御バンク同士が固定間隔を保ちながら駆動するように連動している場合のように、軸方向出力分布が目標範囲から逸脱してしまうことを抑制できる。そのため、ホウ素濃度の調節により出力を変動させていたような状況を、制御バンクの制御棒の挿抜制御に置き換えることができる。したがって、ホウ素濃度の調整頻度を低減することができる。
このように構成することで、既に第一制御バンクの制御棒が炉心下部まで深く挿入されており、炉心上部の中性子束の値が炉心下部の中性子束の値よりも大きい場合には、第二制御バンクの引抜は行わずに、第一制御バンクのみを炉心から引抜くことができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を上昇させることが可能となる。
このように構成することで、既に第一制御バンクの制御棒が炉心下部まで深く挿入されているが、炉心下部の中性子束の値が炉心上部の中性子束の値よりも大きい場合には、第二制御バンクの挿入は行わずに、第一制御バンクのみを更に挿入させることができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を低下させることが可能となる。
このように構成することで、既に第一制御バンクの制御棒が炉心下部まで深く挿入されており、炉心下部の中性子束の値が炉心上部の中性子束の値よりも大きい場合には、第一制御バンクの引抜は行わずに、第二制御バンクのみを引抜くことができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を上昇させることが可能となる。
このように構成することで、第一制御バンクの制御棒が炉心上部に配置されており、炉心上部の中性子束の値が炉心下部の中性子束の値よりも大きい場合には、第一制御バンク及び第二制御バンクの両方を炉心に挿入させることができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を低下させることが可能となる。
このように構成することで、第一制御バンクの制御棒が炉心上部に配置されており、炉心下部の中性子束の値が炉心上部の中性子束の値よりも大きい場合には、第一制御バンク及び第二制御バンクの両方を炉心から引抜くことができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を上昇させることが可能となる。
このように構成することで、第一制御バンクの制御棒が炉心上部に配置されており、炉心上部の中性子束の値が炉心下部の中性子束の値よりも大きい場合には、ホウ素濃度調整部により一次冷却材の平均温度を上昇させることで、第一制御バンク及び第二制御バンクの挿入を促すことができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を低下させることが可能となる。
このように構成することで、第一制御バンクの制御棒が炉心上部に配置されており、炉心下部の中性子束の値が炉心上部の中性子束の値よりも大きい場合には、ホウ素濃度調整部により前記平均温度を低下させることで、第一制御バンク及び第二制御バンクの引抜を促すことができる。したがって、軸方向出力偏差の絶対値が増大することなしに、一次冷却材の温度を上昇させることが可能となる。
このように構成することで、温度偏差が大きい場合により迅速に出力の増減を行うことが可能となる。
このように構成することで、例えば、再生可能エネルギーによる発電量が変動したときに、その他の運転から負荷追従運転に切り替えて、負荷追従運転をより安定的に行うことができる。
このようにすることで、一次冷却材平均温度を変更するときに、駆動順序が連続する制御バンク同士が固定間隔を保ちながら駆動するように連動している場合のように、軸方向出力分布が目標範囲から逸脱してしまうことを抑制できる。そのため、従来ホウ素濃度の調節により出力を変動させていたような状況を、制御バンクの制御棒の挿抜制御に置き換えることができる。したがって、ホウ素濃度の調整頻度を低減することができる。
図1は、この実施形態の原子力発電プラントの概略構成を示す構成図である。
図1に示すように、この実施形態における原子力発電プラント1は、加圧水型軽水炉である原子炉設備100と、タービン設備200と、を備えている。
原子炉設備100は、原子炉2と、一次冷却ループ3と、加圧器5と、蒸気発生器4と、原子炉格納容器7と、制御棒駆動装置20と、原子炉制御装置100(図3参照)と、を主に備えている。
制御棒クラスタ9は、分散配置された複数の制御棒からなる。これら制御棒クラスタ9は、核燃料を含む炉心で生成される中性子を吸収可能となっている。これら制御棒クラスタ9を燃料集合体8に対して挿入及び引抜をすることにより中性子の数を調整することで原子炉出力を制御する。
加圧器5は、一次冷却材が沸騰しないように、一次冷却ループ3の内部を加圧する。加圧器5は、例えば、一次冷却ループ3から分岐するように接続されている。
原子炉格納容器7は、コンクリート製等の耐圧容器であり、上述した原子炉2、一次冷却ループ3、加圧器5、蒸気発生器4をそれぞれ格納する。
図2に示すように、制御棒クラスタ9は、複数の制御バンク90Cと、複数の停止バンク90Sとに分かれている。この実施形態では、複数の制御バンク90Cとして、Dバンク、Cバンク、Bバンク、及びAバンクを備えている場合を例示している。制御バンク90Cは、原子炉出力を変化させるときに用いられる。一方で、停止バンク90Sは、原子炉を停止させるときに用いられる。なお、図2中、Dバンクを「D」、Cバンクを「C」、Bバンクを「B」、Aバンクを「A」で示している。また、複数の停止バンク90Sについては、図示都合上、全て「S」で示している。
原子炉制御装置100は、制御装置21と、上述した制御棒駆動装置20とを備えている。
制御装置21は、制御棒駆動装置20を制御する。より具体的には、制御装置21は、制御棒駆動装置20を介して、制御バンク90C毎に、燃料集合体8に対する挿入や引抜による位置制御を行う。この実施形態における制御装置21は、各種演算を行うCPU(Central Processing Unit;図示せず)を備えている。制御装置21は、演算プログラムを実行することで実現される複数の機能部として、出力分布取得部22と、軸方向出力偏差算出部23と、冷却材平均温度取得部24と、温度偏差算出部25と、制御バンク位置取得部26と、駆動制御部27と、を備えている。
図4は、この発明の実施形態における原子炉の制御方法のフローチャートである。
図4に示すように、この実施形態の原子炉制御装置の原子炉2の制御方法は、駆動制御部27の有する機能ブロックによりそれぞれ実行される冷却材平均温度取得工程S1と、温度偏差算出工程S2と、比較工程S3と、出力分布取得工程S4、軸方向出力偏差算出工程S5と、制御バンク位置取得工程S6と、駆動制御工程S7と、を含む。
温度偏差算出工程S2では、冷却材平均温度取得工程S1で取得した一次冷却材の平均温度と、一次冷却材の目標温度との温度偏差を求める。
軸方向出力偏差算出工程S5では、出力分布取得工程S4で取得された軸方向出力分布に基づき、軸方向出力偏差を算出する。
制御バンク位置取得工程S6では、制御バンク90Cの位置を取得する。この実施形態では、後述するDバンク90Cdの制御棒の位置を取得する。
次に、駆動制御部で行われる制御バンク90Cの駆動制御(駆動制御工程S7)について具体例を用いて説明する。なお、この実施形態の原子炉2は、四つの制御バンク90Cを備えている。しかし、これら四つ全ての制御バンク90Cの挿入及び引抜動作の説明は非常に煩雑になるため、複数の制御バンク90CのうちDバンクとCバンクとの二つの制御バンクを例にして動作概念を説明する。この実施形態では、原子炉2の出力を100%から50%まで負荷追従させて変化させた後、この50%の状態で一定時間運転するケースを一例にして説明する。なお、負荷追従運転における負荷変動は、上記100%から50%まで変化させる場合に限られない。
駆動制御部27は、原子炉出力の低下を停止した後、図5に示す論理回路のように制御を行う。駆動制御部27は、上述した一次冷却材の平均温度の温度偏差情報(図5中、「一次冷却材平均温度偏差」)と、上述した軸方向出力偏差情報(図5中、「上部下部中性子束偏差」)と、制御バンク90Cの位置情報(図5中、「Dバンク制御棒位置」)とに基づいて、Dバンク90Cdの制御棒とCバンク90Ccの制御棒との挿入及び引抜制御を、制御バンク90C毎に行う。
図6の制御棒位置からCバンク90Ccの制御棒のみを挿入させると、図7の右側のグラフに示すように、炉心上部の中性子束が減少する。すると、図7の右側のグラフに示すように、炉心上部と炉心下部との軸方向出力偏差の絶対値が小さくなる。また、Cバンク90Ccの制御棒を挿入するほど温度偏差の絶対値が小さくなる。なお、温度偏差が正側の閾値未満となった時点で、加算器61の条件は揃わなくなり、Cバンク90Ccの制御棒は挿入停止される。
図6に例示しているケースで、例えば、図5の比較器52により温度偏差が負側の閾値以下であると判定され、且つ、比較器53により軸方向出力偏差が正の値であると判定され、且つ、比較器54によりDバンク90Cdの制御棒の位置が炉心下部にあると判定されたとする。すると、図5の加算器62のみ条件が揃い、Dバンク90Cdの制御棒のみを引抜く方向へ変位させる制御指令が出力される。なお、比較器51の正側の閾値と、比較器52の負側の閾値との間には、不感帯が設けられている。
例えば、温度偏差が正の値(すなわち、目標温度の方が現在温度よりも低い)であり、軸方向出力偏差が負の値(すなわち、炉心下部の出力が高い)であり、且つ、Dバンク90Cdの位置が炉心下部になっているケースがある。このケースにおいて、図5の論理回路の比較器51によって温度偏差が正側の閾値以上であると判定され、且つ、比較器53及びインバーター55によって軸方向出力偏差が負の値であると判定され、且つ、比較器54及びインバーター56によって複数の制御バンク90CのうちのDバンク90Cdの位置が下側の閾値以下であると判定されると、図5の論理回路の加算器63のみ条件が揃い、Dバンク90Cdの制御棒のみを挿入する方向へ変位させる制御指令が出力される。
上述した実施形態によれば、一次冷却材の平均温度を変更(増減)するときに、複数の制御バンク90Cの駆動順序が連続する制御バンク90C同士が固定間隔を保ちながら駆動するように連動している場合のように、軸方向出力分布が目標範囲から逸脱してしまうことを抑制できる。そのため、ホウ素濃度の調節により出力を変動させていたような状況を、制御バンク90Cの制御棒の挿抜制御に置き換えることができる。したがって、ホウ素濃度の調整頻度を低減することができる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、制御装置21で実行するプラグラムは、上述した機能の一部だけを実現するようにしてもよい。
さらに、制御バンク90Cの数は、上述した実施形態で例示した数に限られない。
2 原子炉
3 一次冷却ループ
3a ホットレグ
3b コールドレグ
4 蒸気発生器
5 加圧器
6 一次冷却ポンプ
7 原子炉格納容器
8 燃料集合体
9 制御棒クラスタ
10 原子炉容器
11 二次冷却ループ
12 蒸気タービン
13 復水器
15 復水ポンプ
16 発電機
17 冷却管
18 取水管
19 排水管
20 制御棒駆動装置
21 制御装置
22 出力分布取得部
23 軸方向出力偏差算出部
24 冷却材平均温度取得部
25 温度偏差算出部
26 制御バンク位置取得部
27 駆動制御部
28 中性子束検出部
29 温度検出部
30 目標温度設定部
31 ホウ素濃度調整部
51~54 比較器
55,56 インバーター
61~67 加算器
70 速度プログラム(制御棒速度調整部)
90C 制御バンク
90Cc Cバンク(第二制御バンク)
90Cd Dバンク(第一制御バンク)
90S 停止バンク
100 原子炉制御装置
Claims (11)
- 原子炉の炉心に対して軸方向に挿入及び引抜可能な複数の制御棒を有した複数の制御バンクと、
前記制御バンク毎に前記制御棒を挿入及び引抜させる制御棒駆動装置と、
前記制御棒駆動装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記炉心の軸方向出力分布を取得する出力分布取得部と、
前記炉心に流れる一次冷却材の平均温度を取得する冷却材平均温度取得部と、
前記出力分布取得部の取得結果に基づき、炉心上部の中性子束と、炉心下部の中性子束との偏差である軸方向出力偏差を算出する軸方向出力偏差算出部と、
前記制御バンクの位置を取得する制御バンク位置取得部と、
前記冷却材平均温度取得部で取得した前記平均温度と、前記一次冷却材の目標温度との温度偏差を求める温度偏差算出部と、
前記温度偏差算出部により取得した温度偏差情報と、前記軸方向出力偏差算出部により算出した軸方向出力偏差情報と、前記制御バンク位置取得部により取得した前記制御バンクの位置情報とに基づいて、前記制御棒駆動装置に対して前記複数の制御バンク毎に前記制御棒の挿入及び引抜制御を行う駆動制御部と、
を備え、
前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの全ての位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒のみを挿入させる原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が高く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクの制御棒のみを引抜させる請求項1に記載の原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも低く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクの制御棒のみを挿入させる請求項1又は2に記載の原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が高く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも低く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒のみを引抜させる請求項1から3の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心上部である場合に、前記第一制御バンクの制御棒と、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒とを両方挿入させる請求項1から4の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が高く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも低く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心上部である場合に、前記第一制御バンクの制御棒と、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒とを両方引抜させる請求項1から5の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 前記一次冷却材のホウ素濃度を調整するホウ素濃度調整部を備え、
前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が高く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心上部である場合に、前記ホウ素濃度調整部によって前記一次冷却材のホウ素濃度を希釈させる請求項1から6の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 前記一次冷却材のホウ素濃度を調整するホウ素濃度調整部を備え、
前記駆動制御部は、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも低く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの位置が炉心上部である場合に、前記ホウ素濃度調整部によって前記一次冷却材のホウ素濃度を濃縮させる請求項1から7の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 前記駆動制御部は、
前記温度偏差の絶対値に応じて前記制御棒を挿入及び引抜をする速度を変化させる制御棒速度調整部を備える請求項1から8の何れか一項に記載の原子炉制御装置。 - 請求項1から9の何れか一項に記載の原子炉制御装置を備え、負荷追従運転と、その他の運転とを切り替え可能な原子力発電プラント。
- 原子炉の炉心に対して軸方向に挿入及び引抜可能な複数の制御棒を有した複数の制御バンクを備え、前記制御棒を前記制御バンク毎に挿入及び引抜可能な原子炉の制御方法であって、
前記炉心の軸方向出力分布を取得する出力分布取得工程と、
前記炉心に流れる一次冷却材の平均温度を取得する冷却材平均温度取得工程と、
前記軸方向出力分布に基づき、炉心上部の中性子束と、炉心下部の中性子束との偏差である軸方向出力偏差を算出する軸方向出力偏差算出工程と、
前記制御バンクの位置を取得する制御バンク位置取得工程と、
前記一次冷却材の平均温度と、前記一次冷却材の目標温度との温度偏差を求める温度偏差算出工程と、
前記温度偏差と、前記軸方向出力偏差と、前記制御バンクの位置情報とに基づいて、前記複数の制御バンク毎に前記制御棒の挿入及び引抜制御を行う駆動制御工程と、
を含み、
前記駆動制御工程では、
前記平均温度よりも前記目標温度の方が低く、前記炉心上部の中性子束が前記炉心下部の中性子束よりも高く、且つ、複数の制御バンクのうちの第一制御バンクの全ての位置が炉心下部である場合に、前記第一制御バンクとは異なる第二制御バンクの制御棒のみを挿入させる
原子炉の制御方法。
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