JP2022129412A - 原子力発電プラントの出力制御装置及び出力制御方法 - Google Patents

原子力発電プラントの出力制御装置及び出力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させる。【解決手段】出力制御装置11は、原子炉12で発生した蒸気により駆動されるタービン(高圧タービン14)と、タービンにより駆動されて電力を発生する発電機17と、タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁41と、タービンの排気系統に設置された排気弁42と、を備える原子力発電プラント10に対して用いられる。出力制御装置11は、原子力発電プラントの出力目標値A11と発電機の実出力値A12とに基づいて、抽気弁と排気弁の開度を制御する信号処理部50と、原子炉の炉出力を設定する炉出力設定部60と、を備えている。タービンの負荷上げ時に、信号処理部は、抽気弁と排気弁の開度を絞ることで、一時的にタービンの負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に負荷上げ量を増加させている間に、炉出力設定部は、炉出力を上げる制御を行う。【選択図】図1

Description

本発明は原子力発電プラントの出力制御装置及び出力制御方法に関する。
従来、沸騰水型の原子力発電プラントにおける発電機の出力制御は、発電機の出力目標値と現在の発電機の実際の出力値(発電機の実出力値)との間に偏差が生じた場合、まず偏差量に応じて原子炉出力を調整し、その後原子炉出力に応じた蒸気をタービンに送ることで発電機の実出力値を出力目標値に調整している。すなわち、原子炉内の圧力が急変しないように、原子炉から送りだされる蒸気(以下、「主蒸気」と記す)の量を調整している。これは、沸騰水型の原子力発電プラントにおいて、原子炉内の圧力が急変すると冷却材内の蒸気泡(以下、ボイドと記す)の状態が変わり、原子炉の出力が変化するためである。
特許文献1には、従来の出力制御装置の一例が示されている。この例では、発電機の出力目標と発電機の実出力値との間の偏差量に基づいて再循環ポンプ速度要求信号が出力され、原子炉の出力が変化し、原子炉の出力変更により原子炉から発生する蒸気量が変化してタービン入口圧力が変化する。そして、タービン入口圧力の変化に比例して、タービン加減弁の開度が調整され、タービンへの蒸気量が調整されることにより発電機の実出力値が発電機の出力目標値に一致するように制御される。このような従来の制御方式において、特許文献1には、発電機の出力目標値と発電機の実出力値の制御遅れを抑制することを目的として、本来の発電機の出力目標値とは別に、制御用の発電機の出力目標値を設定し、これにより制御遅れを先行的に補償する出力制御方法が開示されている。
また、特許文献2には、従来の出力制御装置に加えて、主蒸気からの抽気量を制御することで発電機の実出力値を調節する出力制御装置及び方法の例が示されている。この例では、原子炉の出力を発電機の出力目標値と発電機の実出力値との間の偏差量に基づいて上昇され、それでも発電機の出力目標値と発電機の実出力値との間に偏差が生じる場合に、主蒸気からの抽気量を制御することによって発電機出力を上昇させるものである。
特開昭64-91095号公報 特開2017-194312号公報
特許文献1,2に開示された従来技術は、以下に説明するように、原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させることが要望されていた。
近年、温室効果ガスの排出量削減を目標として、太陽光や風力発電に代表される再生可能エネルギーの導入、火力発電所の廃止が進んでいる。これに伴い、電力の需給バランスを調節するための調整力と呼ばれる機能が重要となりつつあり、調整力を対象とした市場も開始されている。これに伴い、これまで定格出力一定での運転が前提だった原子力発電プラントにも、電力系統からの指令に応じて負荷追従運転をすることが期待されている。
負荷追従運転は、変更出力の大きさと周期によっていくつかのカテゴリに分類される。例えば、負荷追従運転は、日負荷追従運転と呼ばれる運転と周波数制御運転と呼ばれる運転とに分類される。日負荷追従運転は、昼夜での需要の変動に合わせて、昼間に発電機出力を大きくし、夜間に発電機出力を抑制する運転である。出力変化幅は最大で定格の50%を超えるケースもあるが、数時間かけて出力を変更するため、速応答は要求されない。一方、周波数制御運転は、系統内の周波数を一定に保つように、数秒から数分程度の時間で変化する電力需要に合わせて発電機出力を調整する運転である。出力変化幅は10%程度と小さいが、速応答が要求される。
前記したように、沸騰水型の原子力発電プラントにおいては、発電機出力を調整するために、まず再循環ポンプ速度や制御棒位置を制御して原子炉の出力を変更し、出力に応じた蒸気量をタービンに送出することにより発電機出力を調整する。そのため、発電機の出力目標値の変化率が大きいときには、発電機の実出力値の遅れが顕著に生じる。遅れの主要因としては、制御棒が引抜された際の核反応が増加するまでの遅れや、増加した核反応により燃料内で発生した熱が冷却材に伝わるまでの遅れが挙げられる。この時間の遅れを考慮して、炉心の出力を急激に変化させようとすると、炉心の燃料棒の健全性が課題となり、原子力発電プラントを安全に運転することが困難となる。
原子力発電プラントの負荷追従運転の幅を広げるため、従来の炉心の出力上げに加えて、原子炉内に蓄積されている蒸気を利用して発電機出力を上昇させる方法がある。例えば、主蒸気の抽気絞りによって、必要となる蒸気をタービンに送ることが考えられる。しかしながら、この手法ではあくまで炉出力の上げ速度を前提としており、主蒸気の抽気絞りによって必要となる蒸気をタービンに送ることができない場合、炉出力が急激に上昇することにより、上記と同じく原子力発電プラントを安全に運転することが困難となる。
原子炉の炉出力上げ速度に制限があることから、原子力発電プラントの負荷追従に関しては、上記の主蒸気の抽気絞りで実施することが考えられる。しかしながら、主蒸気の抽気絞りは、負荷上げ量も小さく、また抽気先の給水加熱器の抽気が閉ざされることになる。そのため、抽気絞りによる出力の増加は一時的なものであるため、出力を上げた後、その出力を維持することができないという課題がある。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させた原子力発電プラントの出力制御装置及び出力制御方法を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、原子力発電プラントの出力制御装置であって、原子炉で発生した蒸気により駆動されるタービンと、前記タービンにより駆動されて電力を発生する発電機と、前記タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁と、前記タービンの排気系統に設置された排気弁と、を備える原子力発電プラントに対して、前記原子力発電プラントの出力目標値と前記発電機の実出力値とに基づいて、前記抽気弁と前記排気弁の開度を制御する信号処理部と、前記原子炉の炉出力を設定する炉出力設定部と、を備え、前記タービンの負荷上げ時に、前記信号処理部は、前記抽気弁と前記排気弁の開度を絞ることで、一時的に前記タービンの負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に前記負荷上げ量を増加させている間に、前記炉出力設定部は、前記炉出力を上げる制御を行う構成とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、原子力発電プラントの負荷追従性能を向上させることができる。
実施形態1に係る出力制御装置を備えた原子力発電プラントの概略構成図である。 実施形態1に係る出力制御装置の抽気弁開度設定部と排気弁開度設定部の制御ブロック図である。 実施形態2に係る出力制御装置を備えた原子力発電プラントの概略構成図である。 実施形態2に係る出力制御装置の抽気弁開度設定部と排気弁開度設定部と原子炉の制御ブロック図である。 実施形態3に係る出力制御装置を備えた原子力発電プラントの概略構成図である。 実施形態3に係る出力制御装置の抽気弁開度設定部と排気弁開度設定部と原子炉の制御ブロック図である。 実施形態4に係る出力制御装置を備えた原子力発電プラントの概略構成図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示しているに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<原子力発電プラントの出力制御装置の構成>
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態1に係る出力制御装置11の構成について説明する。図1は、本実施形態1に係る出力制御装置11を備えた原子力発電プラント10の概略構成図である。図2は、出力制御装置11の抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55の制御ブロック図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る出力制御装置11は、原子力発電プラント10に対して用いられる。出力制御装置11は、原子力発電プラント10の動作を制御する装置である。
原子力発電プラント10は、出力制御装置11と、原子炉12と、高圧タービン14(以下、単に「タービン」と称する場合がある)と、気水分離機15と、低圧タービン16と、発電機17と、低圧給水加熱器18と、給水加熱器19と、高圧給水加熱器20と、ドレンタンク21と、を有している。
原子炉12は、複数の燃料集合体を内部に装荷し、燃料集合体に対して制御棒13の引抜及び挿入を行うことで原子核分裂連鎖反応の進行速度を制御して、原子エネルギーを徐々にとり出す装置である。
高圧タービン14(タービン)は、原子炉12で発生した主蒸気の圧力で回転する回転体である。
気水分離機15は、蒸気と水とを分離する装置である。
低圧タービン16は、高圧タービン14から排出された蒸気の圧力で回転する回転体である。
発電機17は、高圧タービン14及び低圧タービン16の回転に伴って回転して電力を発生する装置である。発電機17は、図示せぬシャフトを介して高圧タービン14及び低圧タービン16と接続されている。
低圧給水加熱器18は、低圧タービン16から排出された蒸気を加熱する装置である。
給水加熱器19は、低圧タービン16から排出されて低圧給水加熱器18で加熱された蒸気及び高圧タービン14から排出された蒸気を加熱する装置である。
高圧給水加熱器20は、高圧タービン14から流出した抽気蒸気(低圧タービン16を通った蒸気を含む)を加熱する加熱手段である。
ドレンタンク21は、給水加熱器19で加熱された蒸気を一時的に貯蔵するタンクである。
原子炉12と高圧タービン14とは配管31で接続されている。
また、高圧タービン14と気水分離機15とは、配管32で接続されている。
また、気水分離機15と低圧タービン16とは、配管33で接続されている。
また、低圧タービン16と低圧給水加熱器18とは、配管34で接続されている。
また、低圧給水加熱器18と給水加熱器19とは、配管35で接続されている。
また、給水加熱器19と高圧給水加熱器20とは、配管36で接続されている。
また、高圧給水加熱器20と原子炉12とは、配管37で接続されている。
また、高圧タービン14と高圧給水加熱器20とは、配管38で接続されている。
また、配管32と給水加熱器19とは、配管39で接続されている。
配管38は、高圧タービン14を通った後の低圧タービン16に供給しない蒸気を高圧給水加熱器20に導く配管である。
配管39は、高圧タービン14から気水分離機15側に送られた抽気蒸気のうち、低圧タービン16に供給しない排気を給水加熱器19に導く、排気系統の配管である。
原子炉12で発生した主蒸気は、配管31を通って高圧タービン14に供給される。配管31の途中には、原子炉12から高圧タービン14に供給される主蒸気の量を制御する蒸気加減弁40(以下、単に「加減弁」と称する場合がある)が配置されている。
また、配管38の途中には、抽気弁41が配置されている。抽気弁41は、高圧タービン14から流出した抽気蒸気の流量を調整する。
また、配管39の途中には、排気弁42が配置されている。排気弁42は、高圧タービン14から流出した抽気蒸気のうち、低圧タービン16に供給しない排気の流量を調整する。
また、高圧タービン14の周囲には、高圧タービン14を通過した主蒸気を凝縮して水に戻す図示せぬ復水器が配置されている。また、図示せぬ復水器と原子炉12との間には、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された水を原子炉12に戻す図示せぬ再循環ポンプが配置されている。
信号処理部50は、タービン負荷設定部51と、偏差計算部52と、加減弁開度設定部53と、抽気弁開度設定部54と、排気弁開度設定部55と、を有している。
タービン負荷設定部51は、出力目標値A11に基づいて、タービンの負荷量を設定する設定手段である。
偏差計算部52は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算する計算手段である。
加減弁開度設定部53は、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを設定する設定手段である。
抽気弁開度設定部54は、抽気弁41の開度の速度及び大きさを設定する設定手段である。
排気弁開度設定部55は、排気弁42の開度の速度及び大きさを設定する設定手段である。
また、炉出力設定部60は、制御棒引抜挿入指令部62と、再循環流量制御部63と、を有している。
制御棒引抜挿入指令部62は、原子炉12の内部に配置された制御棒の図示せぬ支持手段に制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する制御手段である。
再循環流量制御部63は、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された冷却水を原子炉12に戻す際の再循環流量を制御する制御手段である。
信号処理部50には、外部から原子力発電プラント10の出力目標値A11と、発電機17の実出力値A12とが入力される。出力目標値A11は、タービン負荷設定部51と、偏差計算部52とに入力される。また、出力目標値A11は、偏差計算部52に入力される。
タービン負荷設定部51は、出力目標値A11に基づいて、タービンの負荷量を設定し、設定されたタービンの負荷量を表すタービン負荷設定信号A13を加減弁開度設定部53に出力する。加減弁開度設定部53は、タービン負荷設定信号A13に基づいて、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを設定し、設定された蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを表す加減弁開度設定信号A14を蒸気加減弁40に出力する。蒸気加減弁40の駆動手段(図示せぬ加減弁サーボ)は、加減弁開度設定信号A14に基づいて、設定された速度及び大きさに蒸気加減弁40の開度を調整する。
また、偏差計算部52は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算し、計算した偏差量を表す偏差信号A15を抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに出力する。
抽気弁開度設定部54は、偏差信号A15に基づいて、抽気弁41の開度の速度及び大きさを設定し、設定された抽気弁41の開度の速度及び大きさを表す抽気弁開度設定信号A16を抽気弁41に出力する。抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)は、抽気弁開度設定信号A16に基づいて、設定された速度及び大きさに抽気弁41の開度を調整する。
また、排気弁開度設定部55は、偏差信号A15に基づいて、排気弁42の開度の速度及び大きさを設定し、設定された排気弁42の開度の速度及び大きさを表す排気弁開度設定信号A17を排気弁42に出力する。排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)は、排気弁開度設定信号A17に基づいて、設定された速度及び大きさに排気弁42の開度を調整する。
炉出力設定部60には、原子炉12から炉出力を表す炉出力信号A18が入力される。炉出力信号A18は、制御棒引抜挿入指令部62と、再循環流量制御部63とに入力される。
制御棒引抜挿入指令部62は、炉出力信号A18に基づいて、制御棒の位置を設定し、設定された位置への制御棒の移動を指示する制御棒引抜挿入指令A19を制御棒の図示せぬ支持手段に出力する。図示せぬ支持手段は、制御棒引抜挿入指令A19に基づいて、設定された位置へ制御棒を移動させて、原子炉12の内部に配置された制御棒の支持手段に制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する。
また、再循環流量制御部63は、炉出力信号A18に基づいて、再循環流量を設定し、設定された再循環流量を表す再循環流量制御信号A20を図示せぬ再循環ポンプに出力する。図示せぬ再循環ポンプは、再循環流量制御信号A20に基づいて、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された冷却水を原子炉12に戻す。これにより、出力制御装置11は、原子炉12の内部の水位を設定水位に保つ。
このように、出力制御装置11は、原子炉12で発生した蒸気により駆動されるタービン(高圧タービン14)と、タービンにより駆動されて電力を発生する発電機17と、タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁41と、タービンの排気系統に設置された排気弁42と、を備える原子力発電プラント10に対して用いられる。また、出力制御装置11は、原子力発電プラントの出力目標値A11と発電機の実出力値A12とに基づいて、抽気弁と排気弁の開度を制御する信号処理部50と、原子炉の炉出力を設定する炉出力設定部60と、を備えている。
そして、高圧タービン14(タービン)の負荷上げ時に、信号処理部50は、抽気弁41と排気弁42の開度を絞ることで、一時的に高圧タービン14の負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に負荷上げ量を増加させている間に、炉出力設定部60は、炉出力を上げる制御を行う。
このような出力制御装置11は、高圧タービン14(タービン)の負荷上げ時に、抽気弁41と排気弁42の開度を絞ることで、一時的に負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に負荷上げ量を増加させている間に炉出力を上げる。これにより、出力制御装置11は、負荷上げした後も発電機の出力を上げたままに維持することが可能である。
また、高圧タービン14(タービン)の負荷下げ時に、信号処理部50は、抽気弁41と排気弁42の開度を広げることで、一時的に高圧タービン14の負荷下げ量を増加させるとともに、一時的に負荷下げ量を増加させている間に、炉出力設定部60は、炉出力を下げる制御を行う。
このような出力制御装置11は、高圧タービン14(タービン)の負荷下げ時に、抽気弁41と排気弁42の開度を広げることで、一時的に負荷下げ量を増加させるとともに、一時的に負荷下げ量を増加させている間に炉出力を下げる。これにより、出力制御装置11は、負荷下げした後も発電機の出力を下げたままに維持することが可能である。
以下、図1及び図2を用いて、出力制御装置11の動作について説明する。ここでは、高圧タービン14(タービン)の負荷上げ時の動作を重点的に説明し、高圧タービン14(タービン)の負荷下げ時の動作については説明を省略する(他の実施形態も同様)。また、ここでは、偏差計算部52から抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに信号を送信する際の出力制御装置11の動作について重点的に説明する。
図1に示すように、出力制御装置11の信号処理部50には、外部から原子力発電プラント10の出力目標値A11と発電機17の実出力値A12とが入力される。そして、出力目標値A11と実出力値A12とが偏差計算部52に入力される。
偏差計算部52は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算し、計算した偏差量を表す偏差信号A15を抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに出力する。
抽気弁開度設定部54は、偏差信号A15に基づいて、抽気弁41の開度の速度及び大きさを設定し、設定された抽気弁41の開度の速度及び大きさを表す抽気弁開度設定信号A16を抽気弁41に出力する。ここでは、このとき出力される抽気弁開度設定信号A16が例えば図2に示す抽気量変化グラフB11のような動作を抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)に指示する内容になっているものとして説明する。抽気量変化グラフB11は、抽気量の変化を表している。図2に示す例では、抽気量変化グラフB11は、偏差信号A15に基づいて、初めは定格値である抽気量を時刻aから時刻bまでの間下げさせる内容になっている。抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)は、抽気弁開度設定信号A16に基づいて、設定された速度及び大きさに抽気弁41の開度を調整する。
また、排気弁開度設定部55は、偏差信号A15に基づいて、排気弁42の開度の速度及び大きさを設定し、設定された排気弁42の開度の速度及び大きさを表す排気弁開度設定信号A17を排気弁42に出力する。ここでは、このとき出力される排気弁開度設定信号A17が例えば図2に示す排気量変化グラフB12のような動作を排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)に指示する内容になっているものとして説明する。排気量変化グラフB12は、排気量の変化を表している。図2に示す例では、排気量変化グラフB12は、偏差信号A15に基づいて、初めは定格値である抽気量を時刻cから時刻dまでの間下げさせる内容になっている。排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)は、排気弁開度設定信号A17に基づいて、設定された速度及び大きさに排気弁42の開度を調整する。
また、加減弁開度設定部53は、タービン負荷設定信号A13に基づいて、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを設定し、設定された蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを表す加減弁開度設定信号A14を蒸気加減弁40に出力する。蒸気加減弁40の駆動手段(図示せぬ加減弁サーボ)は、加減弁開度設定信号A14に基づいて、設定された速度及び大きさに蒸気加減弁40の開度を調整する。
また、炉出力設定部60Aの制御棒引抜挿入指令部62は、炉出力信号A18に基づいて、制御棒の位置を設定し、設定された位置への制御棒の移動を指示する制御棒引抜挿入指令A19を制御棒の図示せぬ支持手段に出力する。図示せぬ支持手段は、制御棒引抜挿入指令A19に基づいて、設定された位置へ制御棒を移動させて、原子炉12の内部に配置された制御棒の支持手段に制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する。
また、炉出力設定部60Aの再循環流量制御部63は、炉出力信号A18に基づいて、再循環流量を設定し、設定された再循環流量を表す再循環流量制御信号A20を図示せぬ再循環ポンプに出力する。図示せぬ再循環ポンプは、再循環流量制御信号A20に基づいて、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された冷却水を原子炉12に戻す。これにより、出力制御装置11は、原子炉12の内部の水位を設定水位に保つ。
抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)が抽気弁41の開度を調整するとともに排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)が排気弁42の開度を調整することにより、発電機17の実出力値は、図2に示す出力変化グラフB14の実線のように変化する。このときの発電機17の実出力値の変化は、出力変化グラフB14に点線で示す抽気の絞りのみの場合の変化よりも速度が速く、また、変化量が大きくなっている。
このような出力制御装置11は、発電機出力への短時間での出力変更要求に対して、主蒸気の抽気及び排気により発電機出力を一時的に増加させ、その間に燃料棒の健全性を確保した状態で炉出力を上げることができる。これにより、原子力発電プラント10の負荷追従性能を向上させることができる。
なお、時刻a、b、c、及びdは、偏差計算部52から出力される偏差信号A15に基づいて、設定可能である。出力制御装置11は、このような制御を行うことによって、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量から、抽気量及び排気量を変化させることが可能となる。
また、排気絞りによる出力向上は、抽気絞りによる出力向上と比較して、一時的に出力が上がるピーク動作を有するという利点がある。これは、排気絞り時に出力上げの律速(速さを律する、つまり、制御する要素)となる排気圧について、排気圧が飽和値となるまで一定の時間がかかるため、排気圧が飽和値になるまで出力上げの範囲が拡大することに起因する。そのため、原子力発電プラント10の制御によって、図2の出力変化グラフB14に示す通り、排気絞りによる発電機出力のピーク動作と、抽気絞りによる発電機出力上げを組み合わせることで、一時的な負荷追従性能の拡大と、排気圧が飽和した後の出力上げ量を増加させることが可能となる。
なお、本実施形態では出力上げ時の出力制御装置11の制御動作について説明したが、出力制御装置11は、出力下げ時にも同様の制御動作を行うことができる。
以上の通り、本実施形態1に係る出力制御装置11によれば、発電機出力への短時間での出力変更要求に対して、主蒸気の抽気及び排気により発電機出力を一時的に増加させ、その間に燃料棒の健全性を確保した状態で炉出力を上げることができる。これにより、原子力発電プラント10の負荷追従性能を向上させることができる。
[実施形態2]
前記した実施形態1に係る出力制御装置11の抽気及び排気絞りによる発電機出力の向上は、抽気及び排気先の給水加熱器19やドレンタンク21の健全性の観点から、ある一定の期間しか開度を調節することができない可能性がある。したがって、前記した実施形態1に係る出力制御装置11の発電機出力の向上は、一過的なものになる可能性がある。
そこで、本実施形態では、発電機出力の上昇後にも、上昇後の出力を維持できるよう、抽気及び排気絞りによる発電機出力の向上に加えて炉出力の向上も加えた制御を実現する出力制御装置11Aを提供する。
以下、図3及び図4を参照して、本実施形態2に係る出力制御装置11Aの構成について説明する。図3は、本実施形態2に係る出力制御装置11Aを備えた原子力発電プラント10の概略構成図である。図4は、出力制御装置11Aの抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55と原子炉12の制御ブロック図である。
図3に示すように、本実施形態2に係る出力制御装置11Aは、実施形態1に係る出力制御装置11(図1参照)と比較すると、信号処理部50の代わりに信号処理部50Aを有するとともに、炉出力設定部60の代わりに炉出力設定部60Aを有する点で相違している。
信号処理部50A(図3参照)は、信号処理部50(図1参照)と比較すると、以下の点で相違している。
(1)出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算する偏差計算部56が付加されている点。
(2)偏差計算部56によって計算された出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量(以下、「第1偏差量」と称する場合がある)を表す偏差信号A31が後記するタービン負荷偏差計算部57と炉出力偏差計算部61とに入力される点。
(3)タービン負荷設定部51と加減弁開度設定部53との間に、タービン負荷設定信号A13が表すタービンの負荷量と偏差信号A31が表す第1偏差量との間の偏差量(以下、「第2偏差量」と称する場合がある)を計算するタービン負荷偏差計算部57が付加されている点。
(4)タービン負荷偏差計算部57によって計算された第2偏差量を表す偏差信号A32が加減弁開度設定部53に入力される点。
また、炉出力設定部60A(図3参照)は、炉出力設定部60(図1参照)と比較すると、以下の点で相違している。
(1)炉出力信号A18と偏差信号A31との間の偏差量(以下、「第3偏差量」と称する場合がある)を計算する炉出力偏差計算部61が付加されている点。
(2)炉出力偏差計算部61によって計算された第3偏差量を表す偏差信号A33が制御棒引抜挿入指令部62と再循環流量制御部63とに入力される点。
ところで、炉出力の向上による発電機出力の変更は、抽気及び排気絞りによる発電機出力の変更と比較すると、速度は遅いものの、出力上昇後もその出力を維持できる利点がある。つまり、抽気及び排気絞りによる発電機出力の変更は、出力上げ後の出力を維持することが容易でない代わりに、出力上げ速度に優れた炉出力上げ制御を実現することができる。一方、炉出力上げによる発電機出力の変更は、出力上げ速度に劣る代わりに、出力上げ後の出力を維持することが容易な炉出力上げ制御を実現することができる。本実施形態2に係る出力制御装置11Aは、抽気及び排気絞りによる発電機出力の変更と、炉出力上げによる発電機出力の変更とを組み合わせた制御を実現する構成になっている。このような本実施形態2に係る出力制御装置11Aは、出力上げ速度が速く、かつ出力上げ後の出力を維持する原子力発電プラント10の出力制御を行うことができる。
以下、図3及び図4を用いて、出力制御装置11Aの動作について説明する。ここでは、偏差計算部52から抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに信号を送信する際の出力制御装置11Aの動作について重点的に説明する。
図3に示すように、出力制御装置11Aの信号処理部50には、外部から原子力発電プラント10の出力目標値A11と発電機17の実出力値A12とが入力される。そして、出力目標値A11と実出力値A12とが偏差計算部52と偏差計算部56とに入力される。
実施形態1に係る出力制御装置11と同様に、本実施形態に係る出力制御装置11Aでは、偏差計算部52は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算し、計算した偏差量を表す偏差信号A15を抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに出力する。
抽気弁開度設定部54は、偏差信号A15に基づいて、抽気弁41の開度の速度及び大きさを設定し、設定された抽気弁41の開度の速度及び大きさを表す抽気弁開度設定信号A16を抽気弁41に出力する。ここでは、このとき出力される抽気弁開度設定信号A16が例えば図2及び図4に示す抽気量変化グラフB11のような動作を抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)に指示する内容になっているものとして説明する。抽気弁41の駆動手段(図示せぬ抽気弁サーボ)は、抽気弁開度設定信号A16に基づいて、設定された速度及び大きさに抽気弁41の開度を調整する。
また、排気弁開度設定部55は、偏差信号A15に基づいて、排気弁42の開度の速度及び大きさを設定し、設定された排気弁42の開度の速度及び大きさを表す排気弁開度設定信号A17を排気弁42に出力する。ここでは、このとき出力される排気弁開度設定信号A17が例えば図2及び図4に示す排気量変化グラフB12のような動作を排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)に指示する内容になっているものとして説明する。排気弁42の駆動手段(図示せぬ排気弁サーボ)は、排気弁開度設定信号A17に基づいて、設定された速度及び大きさに排気弁42の開度を調整する。
一方、実施形態1に係る出力制御装置11と異なり、本実施形態に係る出力制御装置11Aでは、偏差計算部56は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量(第1偏差量)を計算し、計算した第1偏差量を表す偏差信号A31をタービン負荷偏差計算部57と炉出力設定部60Aの炉出力偏差計算部61とに出力する。
タービン負荷偏差計算部57は、タービン負荷設定信号A13と第1偏差量を表す偏差信号A31との間の偏差量(第2偏差量)を計算し、計算した第2偏差量を表す偏差信号A32を加減弁開度設定部53に出力する。
加減弁開度設定部53は、第2偏差量を表す偏差信号A32に基づいて、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを設定し、設定された蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを表す加減弁開度設定信号A14aを蒸気加減弁40に出力する。蒸気加減弁40の駆動手段(図示せぬ加減弁サーボ)は、加減弁開度設定信号A14aに基づいて、設定された速度及び大きさに蒸気加減弁40の開度を調整する。
また、炉出力設定部60Aの炉出力偏差計算部61は、炉出力信号A18と第1偏差量を表す偏差信号A31との間の偏差量(第3偏差量)を計算し、計算した第3偏差量を表す偏差信号A33を制御棒引抜挿入指令部62と再循環流量制御部63とに出力する。
制御棒引抜挿入指令部62は、第3偏差量を表す偏差信号A33に基づいて、制御棒の位置を設定し、設定された位置への制御棒の移動を指示する制御棒引抜挿入指令A19aを制御棒の図示せぬ支持手段に出力する。図示せぬ支持手段は、制御棒引抜挿入指令A19aに基づいて、設定された位置へ制御棒を移動させて、原子炉12の内部に配置された制御棒の支持手段に制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する。
また、再循環流量制御部63は、第3偏差量を表す偏差信号A33に基づいて、再循環流量を設定し、設定された再循環流量を表す再循環流量制御信号A20aを図示せぬ再循環ポンプに出力する。図示せぬ再循環ポンプは、再循環流量制御信号A20aに基づいて、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された冷却水を原子炉12に戻す。これにより、出力制御装置11Aは、原子炉12の内部の水位を設定水位に保つ。
出力制御装置11Aは、加減弁開度設定信号A14aによる蒸気加減弁40の開度の調整制御、制御棒引抜挿入指令A19aによる制御棒の引抜又は挿入制御、及び、再循環流量制御信号A20aによる再循環流量の調整制御により、例えば図4に示す炉出力制御パターンB13のように変化する炉出力制御を実現することができる。
その結果、出力制御装置11Aは、図4に示す出力変化グラフB14aの実線のように変化する発電機17の実出力値を実現することができる。このときの発電機17の実出力値の変化は、出力変化グラフB14aに点線で示す抽気の絞りのみの場合の変化よりも速度が速く、また、変化量が大きくなっている。しかも、本実施形態2に係る出力制御装置11Aで実現される実出力値は、実施形態1に係る出力制御装置11で実現される実出力値(図2の出力変化グラフB14参照)と比較すると、一旦、出力目標値A11付近まで上昇した後に低下し、その後に、出力目標値A11まで再度上昇するように変化する点で相違している。
つまり、抽気弁及び排気弁の開度制御の動作については、本実施形態に係る出力制御装置11Aの動作は、実施形態1に係る出力制御装置11の動作と同様である。一方、炉出力の制御の動作については、本実施形態に係る出力制御装置11Aの動作は、実施形態1に係る出力制御装置11の動作と比較すると、出力目標値A11と実出力値A12との間の第1偏差量を表す偏差信号A31が炉出力設定部60に送られる点で相違している。そして、本実施形態に係る出力制御装置11Aは、例えば図4に示す炉出力制御パターンB13のように炉出力を変化(上昇)させる。炉出力上げの時刻は、排気絞りを開始する時刻cと同時刻に設定される。出力制御装置11Aは、図4に示す出力変化グラフB14aのように、排気絞りによる一時的な出力上げ制御が行われている間に、炉出力を上昇させることにより、目的となる発電機出力をより素早く達成することが可能となる。
なお、本実施形態では出力上げ時の出力制御装置11Aの制御動作について説明したが、出力制御装置11Aは、出力下げ時にも同様の制御動作を行うことができる。
以上の通り、本実施形態2に係る出力制御装置11Aによれば、実施形態1に係る出力制御装置11と同様に、原子力発電プラント10の負荷追従性能を向上させることができる。
[実施形態3]
実施形態2に係る出力制御装置11Aでは、出力目標値A11と実出力値A12との差が大きくなり、炉出力を急激に上昇(変化)させる場合に、炉心の燃料棒が急激な温度変化により破損する等の障害が発生する可能性があるため、燃料棒の健全性を保つことが好ましい。
そこで、本実施形態では、そのような燃料棒の健全性を保つことができる出力制御装置11Bを提供する。
以下、図5及び図6を参照して、本実施形態3に係る出力制御装置11Bの構成について説明する。図5は、本実施形態3に係る出力制御装置11Bを備えた原子力発電プラント10の概略構成図である。図6は、出力制御装置11Bの抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55と原子炉12の制御ブロック図である。
図5に示すように、本実施形態3に係る出力制御装置11Bは、実施形態2に係る出力制御装置11A(図3参照)と比較すると、信号処理部50Aの代わりに信号処理部50Bを有する点で相違している。
信号処理部50B(図5参照)は、信号処理部50A(図3参照)と比較すると、以下の点で相違している。
(1)偏差計算部56とタービン負荷偏差計算部57との間及び偏差計算部56と炉出力設定部60の炉出力偏差計算部61との間に、変化率制限部59が付加されている点。
(2)外部に配置された評価装置58から燃料棒の健全性の評価を表す燃料棒健全性評価信号A99が変化率制限部59に入力される点。
(3)変化率制限部59は、燃料棒の健全性に問題がある場合に、偏差信号A31の代わりに、炉出力の変更に制限をかける内容になっている偏差信号A31aをタービン負荷偏差計算部57と炉出力設定部60の炉出力偏差計算部61とに出力する点。
(4)制御棒引抜挿入指令部62は、制御棒引抜挿入速度に制限をかけるとともに、再循環流量制御部63は、再循環流量に制限をかける点。
なお、燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、炉心燃料棒の最大線出力密度に基づいて行うことができる。又は、燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、燃料棒の燃焼度履歴に基づいて行うこともできる。又は、燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、原子炉12に対して設定された安全最小限界出力比に基づいて行うこともできる。
以下、図5及び図6を用いて、出力制御装置11Bの動作について説明する。ここでは、偏差計算部52から抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに信号を送信する際の出力制御装置11Bの動作について重点的に説明する。
図5に示すように、出力制御装置11Bの信号処理部50には、外部から原子力発電プラント10の出力目標値A11と発電機17の実出力値A12とが入力される。そして、出力目標値A11と実出力値A12とが偏差計算部52と偏差計算部56とに入力される。
他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aと同様に、本実施形態に係る出力制御装置11Bでは、偏差計算部52は、出力目標値A11と実出力値A12との間の偏差量を計算し、計算した偏差量を表す偏差信号A15を抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55とに出力する。本実施形態に係る出力制御装置11Bの抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55の動作は、他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aの抽気弁開度設定部54と排気弁開度設定部55の動作と同じである。また、本実施形態に係る出力制御装置11Bの偏差計算部56の動作は、他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aの偏差計算部56の動作と同じである。
ただし、他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aと異なり、本実施形態に係る出力制御装置11Bでは、偏差計算部56によって計算された第1偏差量を表す偏差信号A31が変化率制限部59に入力される。また、外部に配置された評価装置58から燃料棒の健全性の評価を表す燃料棒健全性評価信号A99が変化率制限部59に入力される。評価装置58は、燃料棒の健全性を評価する装置である。
変化率制限部59は、燃料棒健全性評価信号A99に基づいて、燃料棒の健全性に問題があるか否かを判定する。そして、燃料棒の健全性に問題がある場合に、変化率制限部59は、偏差計算部56から出力された偏差信号A31の代わりに、偏差信号A31aをタービン負荷偏差計算部57と炉出力設定部60の炉出力偏差計算部61とに出力する。
偏差信号A31aが入力されたタービン負荷偏差計算部57は、タービン負荷設定信号A13と偏差信号A31aとの間の偏差量(第2偏差量)を計算し、計算した第2偏差量を表す偏差信号A32aを加減弁開度設定部53に出力する。
加減弁開度設定部53は、第2偏差量を表す偏差信号A32aに基づいて、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを設定し、設定された蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさを表す加減弁開度設定信号A14bを蒸気加減弁40に出力する。この加減弁開度設定信号A14bは、実施形態2の加減弁開度設定信号A14a(図3参照)と異なり、蒸気加減弁40の開度の速度及び大きさに制限をかける内容を含んでいる。蒸気加減弁40の駆動手段(図示せぬ加減弁サーボ)は、加減弁開度設定信号A14bに基づいて、設定された速度及び大きさに蒸気加減弁40の開度を調整する。
また、炉出力設定部60の炉出力偏差計算部61は、炉出力信号A18と第1偏差量を表す偏差信号A31aとの間の偏差量(第3偏差量)を計算し、計算した第3偏差量を表す偏差信号A33aを制御棒引抜挿入指令部62と再循環流量制御部63とに出力する。
制御棒引抜挿入指令部62は、第3偏差量を表す偏差信号A33aに基づいて、制御棒の位置を設定し、設定された位置への制御棒の移動を指示する制御棒引抜挿入指令A19bを制御棒の図示せぬ支持手段に出力する。この制御棒引抜挿入指令A19bは、実施形態2の制御棒引抜挿入指令A19a(図3参照)と異なり、制御棒引抜挿入速度に制限をかける内容を含んでいる。図示せぬ支持手段は、制御棒引抜挿入指令A19bに基づいて、設定された位置へ制御棒を移動させて、原子炉12の内部に配置された制御棒の支持手段に制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する。
また、再循環流量制御部63は、第3偏差量を表す偏差信号A33aに基づいて、再循環流量を設定し、設定された再循環流量を表す再循環流量制御信号A20bを図示せぬ再循環ポンプに出力する。この再循環流量制御信号A20bは、実施形態2の再循環流量制御信号A20a(図3参照)と異なり、再循環流量に制限をかける内容を含んでいる。図示せぬ再循環ポンプは、再循環流量制御信号A20bに基づいて、図示せぬ復水器で主蒸気から復水された冷却水を原子炉12に戻す。これにより、出力制御装置11Bは、原子炉12の内部の水位を設定水位に保つ。
このような出力制御装置11Bでは、制御棒引抜挿入指令部62は、制御棒引抜挿入速度に制限をかける。また、炉出力偏差計算部61は、再循環流量(原子炉12に戻す冷却水の流量)に制限をかける。
出力制御装置11Bは、加減弁開度設定信号A14bによる蒸気加減弁40の開度の調整制御、制御棒引抜挿入指令A19bによる制御棒の引抜又は挿入制御、及び、再循環流量制御信号A20bによる再循環流量の調整制御により、例えば図6に示す炉出力制御パターンB13bのように変化する炉出力制御を実現することができる。
その結果、出力制御装置11Bは、図6に示す出力変化グラフB14bの実線のように変化する発電機17の実出力値を実現することができる。本実施形態3に係る出力制御装置11Bで実現される実出力値は、実施形態2に係る出力制御装置11Aで実現される実出力値(図4の出力変化グラフB14a参照)と比較すると、制限値AZが設定されている点で相違している。
つまり、抽気弁及び排気弁の開度制御の動作については、本実施形態に係る出力制御装置11Bの動作は、他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aの動作と同様である。一方、炉出力の制御の動作については、本実施形態に係る出力制御装置11Bの動作は、実施形態2に係る出力制御装置11Aの動作と比較すると、実出力値A12に制限を設定している点で相違している。具体的には、本実施形態に係る出力制御装置11Bは、出力目標値A11と実出力値A12との間の第1偏差量を表す偏差信号A31aが炉出力設定部60に送られる。これを受けて、出力制御装置11Bは、例えば図6に示す炉出力制御パターンB13bのように炉出力を変化(上昇)させる。炉出力上げの時刻は、排気絞りを開始する時刻cと同時刻に設定される。出力制御装置11Bは、偏差信号A31と燃料棒健全性評価信号A99とを変化率制限部59で比較し、炉出力上げ要求の速度が燃料棒健全性評価信号A99で規定された速度を上回った場合に、変化率制限部59で設定された値以下に炉出力速度を設定する。これにより、本実施形態に係る出力制御装置11Bは、図6に示す出力変化グラフB14bのように、原子力発電プラント10の負荷追従運転時に、燃料棒の健全性の制限値AZを超えない範囲で、負荷追従運転が可能となる。この偏差出力信号と、燃料棒の健全性を評価する評価装置58からの燃料棒健全性評価信号A99とを変化率制限部59で比較し、変化率制限部59からの信号を炉出力上げ要求の速度が上回った場合は、炉出力速度を変化率制限部で設定された値以下とする。この原子力発電プラントの制御による出力変化グラフB14bに示す通り、原子力発電プラントの負荷追従時に燃料棒健全性の制限値AZを超えない範囲での負荷追従が可能となる。
制限値AZは、原子力発電プラント10の負荷追従運転時に燃料棒の健全性を確保するための制限値である。制限値AZは、炉心燃料棒の最大線出力密度、燃料棒の燃焼度履歴、原子炉12に対して設定された安全最小限界出力比等から設定される。制限値AZは、燃料棒健全性評価信号A99に含むようにしてもよい。又は、制限値AZは、変化率制限部59が燃料棒健全性評価信号A99に基づいて設定するようにしてもよい。
以上の通り、本実施形態3に係る出力制御装置11Bによれば、他の実施形態に係る出力制御装置11,11Aと同様に、原子力発電プラント10の負荷追従性能を向上させることができる。
[実施形態4]
本実施形態では、原子力発電プラント10で過去に実施されたタービンの負荷変更運転時の実績レートを記憶部に記憶しておき、その実績レートを利用するようにした出力制御装置11Cを提供する。
以下、図7を参照して、本実施形態4に係る出力制御装置11Cの構成について説明する。図7は、本実施形態4に係る出力制御装置11Cを備えた原子力発電プラント10の概略構成図である。
図7に示すように、本実施形態4に係る出力制御装置11Cは、実施形態1に係る出力制御装置11(図1参照)と比較すると、実績レート記憶部71を有する点で相違している。
実績レート記憶部71は、原子力発電プラント10で過去に実施されたタービンの負荷変更運転時の実績レートを記憶する記憶部である。実績レート記憶部71には、原子力発電プラント10で過去に実施されたタービンの負荷上げ運転時の負荷上げ実績レートA71aとタービンの負荷下げ運転時の負荷下げ実績レートA71bとが記憶されている。なお、実績レート記憶部71は、出力制御装置11Cの外部に配置するようにしてもよい。
負荷上げ実績レートA71aと負荷下げ実績レートA71bは、原子力発電プラント10の運転時に実績レート記憶部71からタービン負荷設定部51に出力される。
タービン負荷設定部51は、タービンの負荷上げ時に、実績レート記憶部71に記録された負荷上げ実績レートA71aよりも現在のタービンの負荷量が低くなるように設定する。
また、タービン負荷設定部51は、タービンの負荷下げ時に、実績レート記憶部71に記録された負荷下げ実績レートA71bよりも現在のタービンの負荷量が高くなるように設定する。
このような本実施形態4に係る出力制御装置11Cによれば、他の実施形態に係る出力制御装置11,11A,11Bと同様に、原子力発電プラント10の負荷追従性能を向上させることができる。
しかも、出力制御装置11Cによれば、タービンの負荷上げ時に、過去に記録された負荷上げ実績レートA71aよりも現在のタービンの負荷量が低くなるように、原子力発電プラント10を制御することができる。また、タービンの負荷下げ時に、過去に記録された負荷下げ実績レートA71bよりも現在のタービンの負荷量が高くなるように、原子力発電プラント10を制御することができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10 原子力発電プラント
11,11A,11B 出力制御装置
12 原子炉
13 制御棒
14 高圧タービン(タービン)
15 気水分離機
16 低圧タービン
17 発電機
18 低圧給水加熱器
19 給水加熱器
20 高圧給水加熱器
21 ドレンタンク
31,32,33,34,35,36,37,38 配管
39 配管(排気系統)
40 蒸気加減弁(加減弁)
41 抽気弁
42 排気弁
50,50A,50B 信号処理部
51 タービン負荷設定部
52 偏差計算部
53 加減弁開度設定部
54 抽気弁開度設定部
55 排気弁開度設定部
56 偏差計算部
57 タービン負荷偏差計算部
58 評価装置
59 変化率制限部
60,60A 炉出力設定部
61 炉出力偏差計算部
62 制御棒引抜挿入指令部
63 再循環流量制御部
71 実績レート記憶部(記憶部)
A11 出力目標値
A12 実出力値
A13 タービン負荷設定信号
A14,A14a 加減弁開度設定信号
A15 偏差信号
A16 抽気弁開度設定信号
A17 排気弁開度設定信号
A18 炉出力信号(炉出力)
A19,A19a,A19b 制御棒引抜挿入指令(位置)
A20,A20a,A20b 再循環流量制御信号(再循環流量)
A31,A31a 偏差信号(第1偏差量)
A32,A32a 偏差信号(第2偏差量)
A33,A33a 偏差信号(第3偏差量)
A71a 負荷上げ実績レート
A71b 負荷下げ実績レート
A99 燃料棒健全性評価信号(燃料棒健全性評価)
AZ 制限値
B11 抽気量変化グラフ
B12 排気量変化グラフ
B13,B13b 炉出力制御パターン
B14,B14a,B14b 出力変化グラフ

Claims (12)

  1. 原子炉で発生した蒸気により駆動されるタービンと、前記タービンにより駆動されて電力を発生する発電機と、前記タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁と、前記タービンの排気系統に設置された排気弁と、を備える原子力発電プラントに対して、前記原子力発電プラントの出力目標値と前記発電機の実出力値とに基づいて、前記抽気弁と前記排気弁の開度を制御する信号処理部と、
    前記原子炉の炉出力を設定する炉出力設定部と、を備え、
    前記タービンの負荷上げ時に、前記信号処理部は、前記抽気弁と前記排気弁の開度を絞ることで、一時的に前記タービンの負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に前記負荷上げ量を増加させている間に、前記炉出力設定部は、前記炉出力を上げる制御を行う
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  2. 請求項1に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記タービンの負荷下げ時に、前記信号処理部は、前記抽気弁と前記排気弁の開度を広げることで、一時的に前記タービンの負荷下げ量を増加させるとともに、一時的に前記負荷下げ量を増加させている間に、前記炉出力設定部は、前記炉出力を下げる制御を行う
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  3. 請求項1に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記信号処理部は、
    前記出力目標値に基づいて、前記タービンの負荷量を設定するタービン負荷設定部と、
    前記タービン負荷設定部によって設定された前記タービンの負荷量に基づいて、前記タービンに供給される主蒸気の量を制御する加減弁の開度を設定する加減弁開度設定部と、
    前記出力目標値と前記実出力値との間の偏差量を計算する偏差計算部と、
    前記偏差計算部によって計算された偏差量に基づいて前記抽気弁の開度を設定する抽気弁開度設定部と、
    前記偏差計算部によって計算された偏差量に基づいて前記排気弁の開度を設定する排気弁開度設定部と、を有する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  4. 請求項3に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記信号処理部は、前記タービン負荷設定部と前記加減弁開度設定部との間に、前記出力目標値と前記実出力値との間の第1偏差量とし、前記タービン負荷設定部によって設定された前記タービンの負荷量と前記第1偏差量との間の第2偏差量を計算するタービン負荷偏差計算部を有し、
    前記加減弁開度設定部は、前記第2偏差量に基づいて、前記加減弁の開度を設定する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  5. 請求項1に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記炉出力設定部は、
    前記原子炉の内部に配置された制御棒の支持手段に前記制御棒の引抜又は挿入を指令して炉出力を制御する制御棒引抜挿入指令部と、
    復水器で主蒸気から復水された水を前記原子炉に戻す際の再循環流量を制御する再循環流量制御部と、を有し、
    前記制御棒引抜挿入指令部は、前記原子炉の炉出力に基づいて、前記制御棒の位置を設定するとともに、
    前記再循環流量制御部は、前記原子炉の炉出力に基づいて、前記再循環流量を設定する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  6. 請求項5に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記炉出力設定部は、前記出力目標値と前記実出力値との間の第1偏差量とし、前記原子炉の炉出力と前記第1偏差量との間の第3偏差量を計算する炉出力偏差計算部を有し、
    前記制御棒引抜挿入指令部は、前記第3偏差量に基づいて、前記制御棒の位置を設定するとともに、
    前記再循環流量制御部は、前記第3偏差量に基づいて、前記再循環流量を設定する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  7. 請求項5に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    評価装置によって評価された燃料棒の健全性に問題がある場合に、前記制御棒引抜挿入指令部は、制御棒引抜挿入速度に制限をかけるとともに、前記再循環流量制御部は、前記再循環流量に制限をかける
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  8. 請求項7に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、最大線出力密度に基づいて行われる
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  9. 請求項7に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、燃焼度履歴に基づいて行われる
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  10. 請求項7に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記燃料棒の健全性に問題があるか否かの評価は、安全最小限界出力比に基づいて行われる
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  11. 請求項3に記載の原子力発電プラントの出力制御装置において、
    前記原子力発電プラントで過去に実施された前記タービンの負荷上げ運転時の負荷上げ実績レートと前記タービンの負荷下げ運転時の負荷下げ実績レートとを記録する記録部を更に備え、
    前記タービン負荷設定部は、
    前記タービンの負荷上げ時に、前記記録部に記録された前記負荷上げ実績レートよりも現在の前記タービンの負荷量が低くなるように設定するとともに、
    前記タービンの負荷下げ時に、前記記録部に記録された前記負荷下げ実績レートよりも現在の前記タービンの負荷量が高くなるように設定する
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制御装置。
  12. 原子炉で発生した蒸気により駆動されるタービンと、前記タービンにより駆動されて電力を発生する発電機と、前記タービンから流出した抽気蒸気の流量を調整する抽気弁と、前記タービンの排気系統に設置された排気弁と、を備える原子力発電プラントに対して、前記タービンの負荷上げ時に、前記抽気弁と前記排気弁の開度を絞ることで、一時的に前記タービンの負荷上げ量を増加させるとともに、一時的に前記負荷上げ量を増加させている間に、前記原子炉の炉出力を上げる制御を行い、一方、前記タービンの負荷下げ時に、前記抽気弁と前記排気弁の開度を広げることで、一時的に前記タービンの負荷下げ量を増加させるとともに、一時的に前記負荷下げ量を増加させている間に、前記原子炉の炉出力を下げる制御を行う
    ことを特徴とする原子力発電プラントの出力制方法。
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