JP5657441B2 - 原子炉再循環流量制御装置および制御方法 - Google Patents

原子炉再循環流量制御装置および制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、原子力発電所において、原子炉出力を調整するための原子炉再循環流量制御装置および制御方法に関する。
原子力発電所における原子炉には、原子炉冷却材再循環ポンプ(以下、適宜「RIP」という)が備えられ、このRIPによって、冷却水(冷却材)が原子炉圧力容器内を循環し、原子炉出力が調整されるようになっている。すなわち、RIPの回転速度を上げて炉心流量を増やすことで、原子炉出力が上昇し、RIPの回転速度を下げて炉心流量を減らすことで、原子炉出力が降下するようになっている。
また、例えば、原子炉給水ポンプ(RFP)がトリップ(停止)した場合、RIPを通常の回転速度(例えば100%)で稼動し続けると、冷却水が消費され、原子炉内の冷却水の水位(原子炉水位)が低下する。そして、原子炉水位が下限値に達すると、原子炉を緊急停止(スクラム)させなければならず、このような原子炉のスクラムを防止するために、炉心流量を急速に下げる高速ランバックを行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この高速ランバックは、図6に示すように、例えば、速度制御器からの出力(図中、出力カーブL100)がステップ状に急激に下げられ、これによりRIPの回転速度が、例えば100%から最低速度である30%に減速するものである。
特開平07−306296号公報
ところで、RIPの回転速度が例えば100%から30%に急激に減速されることで、原子炉圧力容器内を循環する炉心流量は、図6の流量カーブL101に示すように、急激に低下していく。一方、炉心流量が急激に下がると、炉心(燃料)の熱除去が適正に行われないおそれが生じるため、炉心流量が下限値以上急激に低下した場合には、原子炉を緊急停止(炉心流量急減スクラム)させる制御が行われている。つまり、炉心流量が、図6のスクラムカーブL102に示す炉心流量急減スクラムセット値以下に達した場合には、原子炉が緊急停止される。このため、流量カーブL101とスクラムカーブL102との差(図中、余裕CL100)が小さい、あるいは差がないと、高速ランバック時に、減少された炉心流量が炉心流量急減スクラムセット値以下となり、原子炉が緊急停止されるおそれがある。
そこでこの発明は、高速ランバック時において、原子炉水位の低下および炉心流量の急減による原子炉のスクラムを防止することが可能な原子炉再循環流量制御装置および制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、原子力発電における冷却材の炉心流量を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを備え、前記炉心流量を急速に下げる必要がある高速ランバック時において、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を瞬時に第1の速度まで低下させ、その後、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を所定の変化経緯で第2の速度まで低下させるものであり、原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、前記第1の速度および前記所定の変化経緯が設定され、前記第2の速度が、前記炉心流量の確保や原子炉出力に必要な最低速度に設定され、前記所定の炉心流量が、時間の経過に伴って単調減少するように設定され、前記所定の変化経緯が、前記第1の速度から前記第2の速度に至って所定の変化率で直線的に低下するように設定され、さらに、前記所定の炉心流量に対する前記各時における炉心流量の余裕を炉心流量急減スクラム余裕とし、前記変化率を固定値として前記第1の速度を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記第1の速度が設定され、前記第1の速度を固定値として前記変化率を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記変化率が設定されている、ことを特徴とする原子炉再循環流量制御装置である。
この発明によれば、高速ランバック時において、まず、RIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)の速度指令が瞬時に第1の速度まで低下し、その後、RIPの速度指令が所定の変化経緯で第2の速度まで低下する。このとき、原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならない。つまり、原子炉水位が下限値に達することによる原子炉水位低下スクラムや、炉心流量が所定値以上急激に低下することによる炉心流量急減スクラムが防止される。
請求項に記載の発明は、原子力発電における冷却材の炉心流量を、原子炉冷却材再循環ポンプの速度を変えることで調整する原子炉再循環流量制御方法であって、前記炉心流量を急速に下げる必要がある高速ランバック時において、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を瞬時に第1の速度まで低下させ、その後、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を所定の変化経緯で第2の速度まで低下させるものであり、原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、前記第1の速度および前記所定の変化経緯を設定し、前記第2の速度を、前記炉心流量の確保や原子炉出力に必要な最低速度に設定し、前記所定の炉心流量を、時間の経過に伴って単調減少するように設定し、前記所定の変化経緯を、前記第1の速度から前記第2の速度に至って所定の変化率で直線的に低下するように設定し、さらに、前記所定の炉心流量に対する前記各時における炉心流量の余裕を炉心流量急減スクラム余裕とし、前記変化率を固定値として前記第1の速度を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記第1の速度を設定し、前記第1の速度を固定値として前記変化率を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記変化率を設定する、ことを特徴とする。
請求項1およびに記載の発明によれば、高速ランバック時において、原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、RIPの速度を2段階で低下させる。このため、所定の水位を原子炉水位の下限値以上に設定し、所定の炉心流量を炉心流量の下限値以上に設定することで、原子炉水位の低下および炉心流量の急減による原子炉のスクラムを防止することが可能となる。
また、第1の速度から第2の速度に至って直線的に低下するように、変化経緯が設定されているため、所定の炉心流量(下限値)が単調減少する場合であっても、炉心流量の急減による原子炉のスクラムを防止することが可能となる。しかも、第1の速度から第2の速度に至って直線的に低下するように変化経緯を設定すればよいため、変化経緯(制御回路)を簡素化、単純化することが可能となる。
さらに、高速ランバックにおける各時の炉心流量が、所定の炉心流量(下限値)に対して所定量以上の余裕を有するため、炉心流量の急減による原子炉のスクラムを、より確実に防止することが可能となる。
この発明の実施の形態に係る原子炉再循環流量制御装置が適用される改良沸騰水型原子力発電設備を示す概略構成図である。 図1の改良沸騰水型原子力発電設備の概略構成ブロックである。 この発明の実施の形態に係る原子炉再循環流量制御装置の高速ランバックを示す図である。 この発明の実施の形態において、変化率を固定値として第1の速度を変化させた場合の原子炉水位の低下量(a)と炉心流量急減スクラム余裕(b)を示す図である。 この発明の実施の形態において、第1の速度を固定値として変化率を変化させた場合の原子炉水位の低下量(a)と炉心流量急減スクラム余裕(b)を示す図である。 従来の高速ランバックを示す図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る原子炉再循環流量制御装置1を備える改良沸騰水型原子力発電設備(以下、「ABWR」という)を示す概略構成図である。このABWRは、原子炉建物内に原子炉圧力容器101が設置され、この原子炉圧力容器101内には、燃料集合体102が配設されている。また、複数の燃料制御棒103が、原子炉圧力容器101に対して出し入れ自在に配設され、さらに、原子炉圧力容器101の下部に、複数のRIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)2が一体的に内蔵されている。
一方、タービン建物内には、高圧タービン111、低圧タービン112、発電機113および復水器114が配設されている。そして、復水器114からの水が、複数のRFP(原子炉給水ポンプ)115によって原子炉圧力容器101に送られ、原子炉圧力容器101で生成された蒸気が、タービン111、タービン112に送られて、発電機113で発電されるようになっている。
このようなABWRにおいて、原子炉再循環流量制御装置1が次のように配設されている。すなわち、図2に示すように、原子炉再循環流量制御装置1は、複数のRIP2とRIP制御装置(制御手段)3とを備え、RIP制御装置3は、RFP115を監視、制御するRFP制御装置4と通信可能に接続されている。そして、RFP115がトリップした場合に、RFP制御装置4からRIP制御装置3に、その停止情報が送られるようになっている。
RIP2は、冷却水(冷却材)の炉心流量を、回転速度を変えることで調整するポンプであり、原子炉圧力容器101内の炉心流量を確保して燃料集合体102を冷却する役割と、炉心流量を調整することで原子炉出力を調整・制御する役割を備えている。また、このRIP2は、駆動電動機と発電機とが流体継手で接続された電源方式(MFGやMG)などで、駆動、制御されるようになっている。
RIP制御装置3は、RIP2を制御する装置であり、速度制御器(図示せず)を備え、速度制御器の出力(流体継手のすくい管位置指令など)を変えることで、RIP2の回転速度を制御するようになっている。このRIP制御装置3による制御のひとつとして、RFP115のトリップなどが発生した場合に、原子炉のスクラムを防止するために、次のようにして炉心流量を急速に下げる高速ランバックがある。
すなわち、図3のRIP回転速度指令カーブL1に示すように、高速ランバックオンで、速度制御器の出力、つまりRIP2の回転速度指令を、高速ランバック前の回転速度H0から第1の速度H1まで瞬時に(ステップ状に)低下させる。その後、RIP2の回転速度指令を所定の変化率(傾き)Rで直線状に(所定の変化経緯で)、第2の速度H2まで低下させ、第2の速度H2で回転速度を維持する。そして、このようなRIP2の回転速度指令の変化に伴って、MFGやMGといったRIP駆動電源が応答し、この結果、RIP回転速度が回転速度指令に追従して変化し、炉心流量が、図3の流量カーブL2に示すように、急激なカーブで低下した後に、直線的に低下し、一定の流量に維持されるものである。
ここで、第2の速度H2は、炉心流量の確保や原子炉出力に必要な最低速度に設定されている。また、第1の速度H1および、第1の速度H1から第2の速度H2に至る変化率R(第2の速度H2に至る時間T2)は、原子炉圧力容器101内の冷却水の水位(原子炉水位)が所定の水位(後述する境界線L4)以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、設定されている。すなわち、例えばRFP115がトリップした場合に、過渡的な原子炉水位の低下を抑制するためには、瞬時にRIP2の回転速度を下げ、炉心流量をある程度素早く減少させる必要がる。また、RFP115のトリップにより減少した給水流量でまかなえるだけの原子炉出力に整定させるためには、その後、RIP2の回転速度をある変化率Rで最低速度まで下げる必要がる。その一方、RIP2の回転速度を瞬時に下げすぎると、炉心流量が急激に下がりすぎて、炉心流量の急減による原子炉の緊急停止(炉心流量急減スクラム)が発生するおそれがある。同様に、変化率Rが大きすぎると、炉心流量が下がりすぎて、炉心流量急減スクラムが発生するおそれがある。
このような観点から、原子炉水位の低下を抑制しつつ、炉心流量が下がりすぎるのを防止するように、第1の速度H1および変化率Rが決定、設定されている。さらに、高速ランバックオン後における各時における炉心流量が、所定の炉心流量に対して所定量以上の余裕CL1を有するように、第1の速度H1および変化率Rが設定されている。
具体的には、上記の所定の炉心流量が、炉心流量急減スクラムが発生する炉心流量急減スクラムセット値に設定され、このセット値が、時間T1前の時点の炉心流量×定数(1より小さい値)+一定値で設定されるため、図3のスクラムカーブL3に示すように、高速ランバックオンしてから時間T1までは一定の値で、その後、時間の経過に伴って単調減少し、結果的に直線的に低下することになる。そして、このような炉心流量急減スクラムセット値L3に対して、高速ランバックオン後における各時における炉心流量、つまり流量カーブL2が、常に所定量CL0以上の余裕CL1を有するように、第1の速度H1および変化率Rが設定されている。ここで、余裕CL1の所定量CL0は、炉心流量の時間的な揺らぎ(バラツキ・誤差)、つまりMG速度(MFG速度)の揺らぎなどを考慮して設定されている。
このような第1の速度H1および変化率Rは、第1の速度H1と変化率Rの2つのパラメータを変化させて、原子炉水位の低下量および炉心流量急減スクラムセット値L3に対する余裕CL1を確認することで、決定、設定されている。すなわち、図4に示すように、変化率Rを固定値として第1の速度H1を変化させ、原子炉水位の低下量および余裕CL1(炉心流量急減スクラム余裕)を確認する。この結果、第1の速度H1が大きいほど、初期の炉心流量のステップ状の変化が小さくなるため、余裕CL1が大きく確保される一方で、原子炉水位の低下量が大きくなることが認められる。そして、例えば、第1の速度H1が速度HC以上であれば、所定量CL0以上の余裕CL1が確保されることが認められる。
同様にして、図5に示すように、第1の速度H1を固定値として変化率Rを変化させ、原子炉水位の低下量および余裕CL1(炉心流量急減スクラム余裕)を確認する。この結果、変化率Rが大きいほど、炉心流量の減少が早くなるため、余裕CL1が小さくなる一方で、原子炉水位の低下量に対しては、あまり変化がないことが認められる。ここで、図4、5における3つの線は、高速ランバックオン前の原子炉出力および炉心流量が異なる場合を示している。また、図4における境界線L4は、原子炉水位の低下による原子炉スクラム(原子炉水位低下スクラム)が発生する下限の水位を示す線である。
このような確認事項から、まず、第1の速度H1を速度HCに設定すればよいことがわかる。また、変化率Rを、余裕CL1が所定量CL0以上確保される変化率RCに設定するものである。
次に、このような構成の原子炉再循環流量制御装置1の作用および、この原子炉再循環流量制御装置1による原子炉再循環流量制御方法について説明する。
まず、通常の運用時においては、RIP2が所定の回転速度H0(例えば100%)で稼動し、原子炉出力および炉心流量が所定の流量となっている。このような状態で、例えば、RFP115がトリップした場合、RFP制御装置4からRIP制御装置3にRFP115の停止情報が送られ、RIP制御装置3において高速ランバックが行われる。すなわち、上記のように、高速ランバックオンで、RIP2の回転速度指令が第1の速度H1まで瞬時に低下し、その後、RIP2の回転速度指令が所定の変化率Rで直線的に第2の速度H2まで低下する。そして、このようなRIP2の回転速度指令の変化に伴って、上記のように、RIP回転速度が回転速度指令に追従して変化し、炉心流量が、急激なカーブで低下した後に、直線的に低下し、一定の流量に達する。
このとき、第1の速度H1および変化率Rが上記のように設定されているため、原子炉圧力容器101内の原子炉水位が所定の水位(境界線L4)以下とならず、原子炉水位低下スクラムが発生しない。さらに、各時における炉心流量が、炉心流量急減スクラムセット値L3以下とならないため、炉心流量急減スクラムも発生しない。
以上のように、この原子炉再循環流量制御装置1およびその制御方法によれば、高速ランバック時において、原子炉水位の低下および炉心流量の急減による原子炉のスクラムを防止することができる。しかも、高速ランバックにおける各時の炉心流量が、炉心流量急減スクラムセット値L3に対して常に所定量CL0以上の余裕CL1を有するため、炉心流量の急減による原子炉のスクラムを、より確実に防止することができる。そして、原子炉のスクラムを防止できることで、電力を円滑に供給維持することが可能となり、さらには、発電プラントの安全性、信頼性が向上する。
また、時間の経過に伴って直線的に変化する炉心流量急減スクラムセット値L3に対して、RIP2の回転速度が第1の速度H1から第2の速度H2まで直線的に低下するため、炉心流量の急減による原子炉のスクラムを適正に防止することが可能となる。しかも、第1の速度H1から第2の速度H2まで直線的に低下するように変化経緯を設定すればよいため、制御回路(高速ランバック回路)を簡素化、単純化することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、RIP2の回転速度を第1の速度H1から第2の速度H2まで直線的に低下させているが、炉心流量急減スクラムセット値L3や余裕CL1の所定量CL0などに応じて、他の変化経緯を経て低下させるようにしてもよい。
また、RFP115がトリップした場合の高速ランバック時のみならず、その他の要因による高速ランバック時にも、本原子炉再循環流量制御装置1による高速ランバックを適用することができる。例えば、原子炉スクラム時に行われる制御棒駆動機構ランインによりオンされるFMCRD−RUNINランバックや、RIP2が所定台数(例えば4台)以上トリップした場合にオンされるRIP所定台数以上トリップランバックに適用してもよい。ここで、FMCRD−RUNINランバックは、原子炉スクラムが正常に行われた場合には、スクラムによる原子炉水位の大幅低下を抑制し、スクラムが万一失敗した場合には、炉心流量を減少させて原子炉出力を下げる効果がある。また、RIP所定台数以上トリップランバックは、トリップしていないRIP2の回転速度を下げ、RIP2による過流量を防止する効果がある。そして、このような場合にも本原子炉再循環流量制御装置1による高速ランバックを適用することで、不要なスクラム信号の発生の防止や、高速ランバック回路の統一化、シンプル化などが可能となる。
1 原子炉再循環流量制御装置
2 RIP(原子炉冷却材再循環ポンプ)
3 RIP制御装置
4 RFP制御装置
101 原子炉圧力容器
102 燃料集合体
103 燃料制御棒
111 高圧タービン
112 低圧タービン
113 発電機
114 復水器
115 RFP(原子炉給水ポンプ)
H1 第1の速度
H2 第2の速度
L1 RIP回転速度指令カーブ
L2 流量カーブ
L3 スクラムカーブ(炉心流量急減スクラムセット値)
L4 境界線(原子炉水位下限値)
CL1 余裕

Claims (2)

  1. 原子力発電における冷却材の炉心流量を、速度を変えることで調整する原子炉冷却材再循環ポンプを備え、
    前記炉心流量を急速に下げる必要がある高速ランバック時において、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を瞬時に第1の速度まで低下させ、その後、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を所定の変化経緯で第2の速度まで低下させるものであり、
    原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、前記第1の速度および前記所定の変化経緯が設定され
    前記第2の速度が、前記炉心流量の確保や原子炉出力に必要な最低速度に設定され、前記所定の炉心流量が、時間の経過に伴って単調減少するように設定され、前記所定の変化経緯が、前記第1の速度から前記第2の速度に至って所定の変化率で直線的に低下するように設定され、
    さらに、前記所定の炉心流量に対する前記各時における炉心流量の余裕を炉心流量急減スクラム余裕とし、前記変化率を固定値として前記第1の速度を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記第1の速度が設定され、前記第1の速度を固定値として前記変化率を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記変化率が設定されている、
    ことを特徴とする原子炉再循環流量制御装置。
  2. 原子力発電における冷却材の炉心流量を、原子炉冷却材再循環ポンプの速度を変えることで調整する原子炉再循環流量制御方法であって、
    前記炉心流量を急速に下げる必要がある高速ランバック時において、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を瞬時に第1の速度まで低下させ、その後、前記原子炉冷却材再循環ポンプの速度指令を所定の変化経緯で第2の速度まで低下させるものであり、
    原子炉内の冷却材の水位が所定の水位以下とならず、かつ、各時における炉心流量が所定の炉心流量以下とならないように、前記第1の速度および前記所定の変化経緯を設定し、
    前記第2の速度を、前記炉心流量の確保や原子炉出力に必要な最低速度に設定し、前記所定の炉心流量を、時間の経過に伴って単調減少するように設定し、前記所定の変化経緯を、前記第1の速度から前記第2の速度に至って所定の変化率で直線的に低下するように設定し、
    さらに、前記所定の炉心流量に対する前記各時における炉心流量の余裕を炉心流量急減スクラム余裕とし、前記変化率を固定値として前記第1の速度を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記第1の速度を設定し、前記第1の速度を固定値として前記変化率を変化させた場合に、所定量の前記炉心流量急減スクラム余裕が確保されるように前記変化率を設定する、
    ことを特徴とする原子炉再循環流量制御方法。
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