JPH0664184B2 - 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置 - Google Patents

原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置

Info

Publication number
JPH0664184B2
JPH0664184B2 JP1180349A JP18034989A JPH0664184B2 JP H0664184 B2 JPH0664184 B2 JP H0664184B2 JP 1180349 A JP1180349 A JP 1180349A JP 18034989 A JP18034989 A JP 18034989A JP H0664184 B2 JPH0664184 B2 JP H0664184B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
flow rate
output
signal
pump
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1180349A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0346596A (ja
Inventor
義之 宮本
文夫 水木
義衛 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1180349A priority Critical patent/JPH0664184B2/ja
Publication of JPH0346596A publication Critical patent/JPH0346596A/ja
Priority to US07/935,655 priority patent/US5293411A/en
Publication of JPH0664184B2 publication Critical patent/JPH0664184B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置
に係り、特に沸騰水型原子炉に適用するのに好適な原子
炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置に関するもので
ある。
〔従来の技術〕
沸騰水型原子炉は、タービン駆動型給水ポンプ(TD-RFP)
及びモータ駆動型給水ポンプ(MD-RFP)を有する給水系統
を備えている。通常運転時は、二台のタービン駆動型給
水ポンプにより原子炉に給水を供給する。モータ駆動給
水ポンプは、タービン駆動型給水ポンプのバツクアツプ
としても用いられる。通常運転時に、タービン駆動型給
水ポンプ一台トリツプモータ駆動型給水ポンプの不起動
の異常時には給水流量が不足し、原子炉水位低下による
原子炉スクラムが引起こされる。
このような原子炉スクラムを避けるための方法が、特開
昭55-114998号公報に説明されている。この方法は、原
子炉水位が設定値よりも減少しかつ原子炉に供給される
給水流量と原子炉から吐出される蒸気流量とのミスマツ
チがある場合、このミスマツチ量によって再循環流量制
御装置を直接制御し、原子炉出力を減少させるものであ
る。やがて蒸気流量は減少し、原子炉水位が上昇に転じ
る。従って、原子炉スクラムが回避できる。この方法
は、モータ駆動型給水ポンプの不起動による給水流量不
足を原子炉水位の低下によて検出している。
更に、上記の重水ポンプトリツプによる異常の例ではな
いが、特開昭49-37094号公報は給水流量の減少による原
子炉水位低下が引起こす原子炉スクラムを回避する方法
を述べている。特開昭49-37049号公報は、給水配管の破
断による給水流量の減少を対象にしている。特開昭49-3
7094号公報の方法は、給水流量が蒸気流量よりも一定値
以上低下しかつ原子炉水位が定常水位よりも一定値以上
低下したときに原子炉出力を下げるものである。原子炉
出力を下げる操作として、再循環ポンプの回転数の減少
及び選択制御棒の挿入を上げている。
〔発明が解決しようとする課題〕
沸騰水型原子炉の運転領域の拡大が検討されている。運
転領域の拡大とは、第14図に示す斜線部分の領域を原子
炉の運転範囲に加えるものである。これにより、低炉心
流量、高原子炉出力(例えば、炉心流量85%、原子炉出
力100%)での原子炉の運転が可能になる。
運転領域を拡大しても、前述したようなタービン駆動型
給水ポンプ一台トリツプ及び待機状態にあるモータ駆動
型給水ポンプの不起動の異常状態が発生する。このた
め、発明者等は、拡大された運転領域で上記の異常が発
生したときに生じる現象を検討した。その結果、拡大さ
れた運転領域で原子炉が運転されている状態で上記異常
が発生したときに、上記従来例の原子炉水位、給水流量
と蒸気流量のミスマツチに基づいて原子炉出力を低下し
ても、原子炉スクラムに至る可能性があることが新たに
分かった。上記の検討結果を以下に説明する。
第15図は、上記の原子炉スクラムに至る特性を示したも
のである。この特性は、炉心流量85%、原子炉出力100
%の運転状態で上記の異常が生じた場合のものである。
一台のタービン駆動型給水ポンプのトリツプによって給
水流量は急激に減少する。しかしながらモータ駆動型給
水ポンプの不起動を原子炉水位によって判定しているた
め、原子炉出力のランバツクが遅くなる。特に、特開昭
49-37094号公報のように給水流量と蒸気流量のミスマツ
チ量及び原子炉水位に基づいて判定する場合には原子炉
出力のランバツクが更に遅れる。このため、蒸気流量の
減少開始が遅れ第15図(B)に示すように原子炉水位が原
子炉スクラム設定値よりも低くなり、原子炉スクラムに
至る。
本発明の目的は、給水ポンプトリツプ時における蒸気流
量の減少を早期に行うことができ原子炉スクラムの可能
性を減少できる原子炉出力制御方法及びその制御装置を
提供することにある。
本発明の他の目的は、給水ポンプトリツプ時における蒸
気流量の減少し過ぎを抑制できる原子炉出力制御方法及
びその制御装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、運転中の給水ポンプのランアウト
を防止できる原子炉出力制御方法及びその制御装置を提
供することにある。
本発明の他の目的は、原子炉の炉心に冷却水を供給する
第2ポンプのランバツク後における原子炉出力低下の制
御が容易になる原子炉出力制御方法及びその制御装置を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的を達成する本発明の特徴は、原子炉の炉心
に冷却水を供給する第2のポンプを、給水を供給する第
1ポンプがトリツプしたときに発生するトリツプ信号に
基づいてランバツクさせ、原子炉出力を減少させること
にある。
本発明の他の目的を達成する他の特徴は、原子炉の炉心
に冷却水を供給する第2のポンプを給水を供給する第1
ポンプがトリツプしたときに発生するトリツプ信号に基
づいてランバツクさせて原子炉出力を第1の所定値まで
減少させる第1の操作を行い、原子炉出力をその第1所
定値よりも低い第2の所定値に下げる第2の操作を行う
ことにある。
更に、本発明の他の目的を達成する他の特徴は、原子炉
出力を、運転中の他の第1ポンプのランアウトを防止で
きるレベルに減少させることにある。
更に、本発明の目的を達成する他の特徴は、原子炉出力
制御に用いる原子炉出力の設定値を、第1ポンプがトリ
ツプしたときに用いていた第1の所定値よりも低いレベ
ルの第2の所定値に切替ることにある。
〔作用〕
第2のポンプを、第1ポンプがトリツプしたときに発生
するトリツプ信号に基づいてランバツクさせているの
で、給水流量の減少とほぼ同時に蒸気流量を減少させる
ことができる。このため、給水ポンプトリツプ時におけ
る蒸気流量の減少を早期に行うことができ原子炉スクラ
ムの可能性を減少できる。
第2ポンプをランバツクさせて原子炉出力を第1の所定
値まで減少させる第1の操作と原子炉出力をその第1所
定値よりも第2の所定値に下げる第2の操作を行つてい
るので、第2のポンプのランバツクによる原子炉出力の
減少幅が制限される。これによつて、給水ポンプトリツ
プ時における蒸気流量の減少幅を必要以上に大きくする
ことが抑制される。
原子炉出力を、運転中の他の第1ポンプのランアウトを
防止できるレベルに減少させているので、運転中の第1
ポンプのランアウトを防止できる。
原子炉出力の設定値を、第1ポンプがトリツプするとき
に用いていた第1の所定値よりも低いレベルの第2の所
定値に切替るので、第2ポンプのランバツク後における
原子炉出力低下の制御が容易になる。
〔実施例〕
沸騰水型原子炉に適用した本発明の好適な一実施例であ
る原子炉出力制御装置を第1図に基づいて以下に説明す
る。
まず最初に、本実施例を適用する沸騰水型原子炉のプラ
ントの概要を説明する。原子炉圧力容器1内の炉心2で
発生した蒸気は、主蒸気管3を通つてタービン5に供給
される。この蒸気は、タービン5を回転させた後、復水
器6で凝縮された水になる。この水は、冷却水として給
水配管10により原子炉圧力容器1に戻される。その冷却
水は、給水ポンプ11A、11B(または給水ポンプ15)によ
つて昇圧される。給水ポンプ11A、11Bは、タービン駆動
型で各々55%の冷却水流量(給水流量)を供給可能な容
量を有する。抽気管12Aは、タービン5から抽気した蒸
気を給水ポンプ11Aのタービンに導く。蒸気加減弁13A及
び蒸気止め弁14Aが、抽気管12Aに設けられる。抽気管12
Bは、タービン5から抽気した蒸気を給水ポンプ11Bのタ
ービンに導く。蒸気加減弁13B及び蒸気止め弁14Bが、抽
気管12Bに設けられる。給水ポンプ15は、モータ駆動型
で約27.5%の給水流量を供給可能な容量を有する。給水
加減弁16が、給水ポンプ15の下流で給水配管10に設けら
れる。
発電機9が、タービン5に離脱可能に連結される。4は
蒸気加減弁であり、主蒸気管3に設けられる。バイパス
弁8を有するバイパス配管7が、主蒸気管3と復水器6
とを直接連絡する。インターナルポンプ(以下、RIPと
称する)17の駆動によつて、冷却水が炉心2に供給され
る。炉心に供給される冷却水流量、すなわち炉心流量
は、RIP17の回転数を調節することによつて制御され
る。沸騰水型原子炉の原子炉出力は、炉心流量制御によ
り制御され、また制御棒18によつても制御される。制御
棒18は、制御棒駆動装置19に連結される。制御棒駆動装
置19は、水圧駆動及びモータ駆動のいずれのタイプでも
使用が可能である。
水位計20が、原子炉圧力容器1に設けられる。水位計20
は、原子炉圧力容器1内の水位Hを検出する。原子炉圧
力容器1から吐出される蒸気流量Qを検出する流量計
21が、主蒸気管3に設けられる。原子炉圧力容器1に供
給される給水流量Qを検出する流量計22が、給水配管
10に設けられる。給水制御器23は、検出された水位H、
蒸気流量Q及び給水流量Qを入力し、これらに基づ
いてよく知られている三要素制御により給水流量を制御
する。給水制御器23は、蒸気加減弁13A及び13B、及び給
水加減弁16の開度を制御する制御信号を出力する。原子
炉の通常運転時(例えば100%の定格出力運転時)にお
いては、給水ポンプ11A及び11Bが駆動される。給水ポン
プ15は、予備機として待機状態にある。
トリツプ検出装置24は、給水ポンプの回転数、給水ポン
プの吐出圧、ポンプ駆動タービンに供給される抽気蒸気
流量、及び給水ポンプ15のモータに通電される電流、そ
れに印加される電圧等の給水ポンプに関連する状態量の
測定値を入力し、給水ポンプのトリツプを検出する。ト
リツプ検出装置24は、ある給水ポンプのトリツプを検出
した場合には該当する給水ポンプの蒸気止め弁(14Aま
たは14B)また遮断器25にトリツプ信号Sを出力す
る。蒸気止め弁は、トリツプ信号Sにより全閉され
る。遮断器25は、トリツプ信号Sにより開される。
本実施例は、更に、以下に示す4つの検出器を備える。
発電機出力検出器26は、発電機9の出力である電力Wを
検出する。原子炉出力Pを検出する中性子検出器27
が、炉心2内に設けられる。原子炉圧力容器1に設けら
れる流量計28は、炉心流量Qを測定する。位置検出器
29は、制御棒18の炉心2内への挿入深さ(制御棒18の軸
方向の位置)を測定する。
出力制御装置30は、通常時及び異常時において原子炉出
力Pを制御する。出力制御装置30は、第2図に示すよ
うに、給水異常時制御手段31、出力パターン設定手段4
6、原子炉出力設定手段47、低値優先回路48、及び原子
炉出力制御手段49を備える。給水異常時制御手段31は、
許容原子炉出力設定手段32及び運転モード切替手段40を
有する。
許容原子炉設定手段32は、目標出力発生手段33、ランア
ウト防止手段34、加算器35、36及び37、及び開閉手段
(スイツチ)38及び39を含む。ランアウト防止手段34
は、加算器36に開閉手段34Bを介して接続される信号発
生器34A、及び加算器36に開閉手段34Dを介して接続され
る信号発生器34Cを備える。信号発生器34Aは20%に相当
する信号Sを出力する。信号発生器34Cは110%に相当
する信号Sを出力する。加算器35は、流量計21及び22
に接続され、各流量計の出力信号の偏差S(=Q
)を出力する。開閉手段34B、38及び39は、運転モ
ード切替手段40がランバツク信号RBを出力したときに、
閉(ON)される。開閉手段34Dは、ランバツク信号RBが
出力されたときに、開(OFF)される。加算器36は、開
閉手段38を介して加算器35に接続される。加算器36は、
信号Sに偏差Sを加算して得られる信号Sを出力
する。加算器37は、開閉手段39を介して目標出力発生手
段33に接続され、また加算器36にも連絡される。加算器
37は、偏差S(=S−S)を出力する。信号S
は、目標出力発生手段33から出力される目標出力であ
り、給水ポンプ11A(または11B)のトリツプ時の許容原
子炉出力である。本実施例においては、信号Sは原子
炉出力75%に相当する信号である。
運転モード切替手段40は、TD-RFP(タービン駆動型給水
ポンプ)トリツプ確認手段41、流量偏差判定手段42、水
位判定手段43、アンド回路44及びオア回路45を有する。
TD-RFPトリツプ確認手段41は、トリツプ信号Stを入力し
たときに論理「1」の信号を出力する。流量偏差判定手
段42は、偏差S(=Q−Q)が所定値よりも大き
くなつたときに論理「1」の信号を出力する。水位判定
手段43は、水位Hが所定値まで低下したときに、論理
「1」の信号を出力する。水位Hの所定値とは、原子炉
をスクラムさせる原子炉水位低のレベルよりもかなり高
く設定されたレベルであり、しかも正常水位よりも低い
レベルである。流量偏差判定手段42及び水位判定手段43
の出力が、アンド回路44に入力される。TD-RFPトリツプ
確認手段41及びアンド回路44の出力が、オア回路45に入
力される。オア回路45は、TD-RFPトリツプ確認手段41ま
たはアンド回路44が論理「1」の信号を出力するとき
に、ランバツク信号RBを出力する。
出力パターン設定手段46は、図示されていないが、統括
監視計算機に接続される。出力パターン設定手段46は、
統括監視計算機から出力されたデータに基づいて発電機
の出力パターンを作成する。原子炉出力設定手段47は、
出力パターン設定手段46に接続される。原子炉出力設定
手段47は、出力パターン設定手段46で作成された発電機
の出力パターン及び測定された電力Wに基づいてこれら
に対応する原子炉出力の設定値を定める。低値優先回路
48は、その入力側が許容原子炉出力設定手段32の加算器
37及び原子炉出力設定手段47に接続され、その出力側が
原子炉出力制御手段49に連絡される。低値優先回路48
は、加算器37及び原子炉出力設定手段47の出力のうち低
値の出力を選択し、これを信号Prとして出力する。
原子炉出力制御手段49は、第3図に示す構成を有する。
原子炉出力制御手段49は、加算器50及び58、開閉手段5
1、55及び59、リミツタ52、ヒステリシススイツチ53、5
6及び60、PIコントローラ54、及び目標炉心流量設定手
段57を備える。これらのヒステリシススイツチは、不感
帯を有する。加算器50は、中性子検出器27及び低値優先
回路48に連絡され、偏差ΔP(=P−Pr)を出力す
る。開閉手段51及び59はランバツク信号RBに基づいて開
(OFF)する。開閉手段55はランバツク信号RBに基づいて
閉(ON)される。開閉手段51を介して加算器50に連絡され
るリミツタ52は、ヒステリシススイツチ53及びPIコント
ローラ54へと連絡される。目標炉心流量設定手段57は、
出力パターン設定手段46で作成された発電機の出力パタ
ーンを基に、これに対応する炉心流量の設定値QR0を定
める。加算器58は、流量計28と目標炉心流量設定手段57
とに接続され、偏差ΔQ(=QR0−Q)を求める。
ヒステリシススイツチ60は、開閉手段59を介して加算器
58に接続される。PIコントローラ54は、再循環流量制御
装置61に接続される。再循環流量制御装置61は、炉心流
量制御装置とも言う。ヒステリシススイツチ56及び60
は、制御棒駆動制御装置62に接続される。
再循環流量制御装置61は、出力制御装置30の出力信号を
入力して第43図に示す処理手順を実行し、炉心流量ΔQ
を制御する。再循環流量制御装置61は、RIP17の駆動
モータに制御信号Rを出力する。
制御棒駆動制御装置62は、第5図に示す構成を有し、制
御棒駆動装置19に制御信号Cを出力する。制御棒駆動
制御手段62は、制御手段63及び制御棒価値ミニマイザ64
を有する。制御手段63は、出力制御装置30及び制御棒価
値ミニマイザ64の出力信号を入力して第6図の処理手順
を実行する。制御棒価値ミニマイザ64には、通常運転時
に操作する制御棒18の順番を規定した制御棒挿入引抜き
シーケンスが設定されている。位置検出器29の出力信号
が、制御棒価値ミニマイザ64に伝達される。制御棒挿入
引抜きシーケンスの一例を第7図に示す。第7図におい
て、F欄は制御棒のグループ番号を示す。F欄は経
過時間(相対値)を、及びF欄は制御棒の軸方向の位
置をそれぞれ示している。1つのグループは、複数(通
常、4本)の制御棒18を含む。F欄の数字は、制御棒
18の位置を炉心の軸方向を48等分してなるノツチ数で示
している。48ノツチは全引抜きの制御棒18であることを
意味する。なお、0ノツチは全挿入の制御棒18であるこ
とを意味する。グループ番号27に含まれる制御棒18は、
経過時間12のときに6ノツチの位置まで引抜かれ、経過
時間13で12ノツチの位置まで引抜かれる。経過時間12に
おいては、グループ番号22及び23の制御棒18が12ノツチ
の位置まで引抜かれ、グループ番号26〜30の制御棒18が
6ノツチの位置まで引抜かれている。
このような構成を有する本実施例の原子炉出力制御装置
の作用を以下に説明する。
まず、二台の給水ポンプ11A及び11Bが正常に運転されて
いる場合について説明する。トリツプ検出装置24は、給
水ポンプ11A及び11Bのトリツプを検出しないので、トリ
ツプ信号Stを出力しない。このため、オア回路45は、ラ
ンバツク信号RBを出力しなく、許容原子炉出力設定手段
32の開閉手段34B、38及び39は開(OFF)される。また、開
閉手段34Dは閉(ON)されている。原子炉出力制御手段49
の開閉手段51及び59は閉(ON)され、開閉手段55は開(OF
F)されている。低値優先回路48は、信号発生器34Cから
出力された信号及び原子炉出力設定手段47から出力され
た原子炉出力の設定値のうち後者の設定値を選択して信
号Prとする。この信号Prは原子炉出力制御手段49に出力
される。加算器50の出力ΔPは、リミツタ52に入力さ
れる。リミツタ52の出力は、ヒステリシススイツチ53に
伝えられる。PIコントローラ54は、ヒステリシススイツ
チ53の出力を入力して信号Sを出力する。ヒステリシ
ススイツチ60は、偏差ΔQを入力してこれに対応する
信号Sを出力する。信号Sは再循環流量制御装置61
に伝えられる。また、信号Sは制御棒駆動制御装置62
に入力される。
再循環流量制御装置61は、ランバツク信号RBを入力しな
いので、第4図のステツプ61Aが「NO」となる。このた
め、次にステツプ61Gの処理が実行され、再循環流量制
御装置61は制御信号Rを出力する。制御信号Rは、
信号Sに対応するポンプ回転数を生じる信号である。
RIP17の回転数は、制御信号Rに基づいて制御され
る。このように、炉心流量は、原子炉出力設定手段47で
設定された原子炉出力を得るように、再循環流量制御装
置61によつて、制御される。
制御棒操作による原子炉出力制御は、制御棒駆動制御装
置62が信号Sを入力することにより行なわれる。すな
わち、第6図のステツプ62Aの判定が「NO」となり、ス
テツプ62Gの処理が実行される。ステツプ62Gでは、制御
棒価値ミニマイザ64に設定された所定グループの制御棒
を操作するために、該当する制御棒18の操作する制御棒
駆動装置19に対して制御信号Cが出力される。炉心流
量の設定値QR0は出力パターン設定手段46で作成された
発電機の出力パターンを基に定められている。また制御
信号Cは偏差ΔQに基づいて発生すると言える。従
つて、制御棒18にる原子炉出力の制御は、炉心流量の調
節による原子炉出力の制御と補完しあつて所定の原子炉
出力を得るために機能する。
沸騰水型原子炉の正常な状態における原子炉の起動及び
停止、定格出力(原子炉出力100%)運転、負荷追従運
転及びAFC運転等の時の原子炉出力制御は、以上のよう
な炉心流量制御及び制御棒制御により行われる。
沸騰水型原子炉は、前述した原子炉出力制御により原子
炉出力100%、炉心流量85%の運転状態(第14図のA
点)に達したと想定する。炉心流量85%は、拡大された
運転領域において、原子炉出力100%のレベルで最低の
炉心流量である。
この運転状態で給水ポンプ11Aがトリツプし待機状態に
ある給水ポンプ15が起動しない異常発生時における本実
施例の作用を説明する。給水ポンプ11B一台が運転され
ている。この第1のケースでは、給水ポンプ11Aのトリ
ツプによつてトリツプ検出器24から出力されたトリツプ
信号Stは、蒸気止め弁14Aを全閉する。このトリツプ信
号Stを入力した運転モード切替手段40のTD-RFPトリツプ
確認手段41は、論理「1」の信号を出力する。オア回路
45は、この信号を受けてランバツク信号RBを出力する。
従つて、開閉手段34B、38、49及び55は閉され、開閉手
段34D、51及び59は開される。運転モード切替手段40
は、ランバツク信号発生手段でもある。
ランバツク信号RBは、再循環流量制御装置61に入力され
る。このためステツプ61Aで「YES」と判定される。次
に、ステツプ61Bが実行される。ステツプ61Bは、RIP17
をランバツクさせる。すなわち、原子炉出力75%に対応
する炉心流量QR1が得られるRIP17の回転数Rを求め
る。そして回転数Rに応じた制御信号Rを出力す
る。制御信号RによつてRIP17は回転数Rまでラン
バツクされる。なお、RIP17のランバツクにより原子炉
出力が低下して75%になつた時の炉心流量QR1は、RIP1
7がランバツクされる時の原子炉の運転状態(特に原子
炉出力及び炉心流量の値)によつて異なる。このため、
RIP17ランバツクによる原子炉出力減少過程を示す多数
の炉心流量−原子炉出力特性曲線(例えば、第14図の特
性曲線C、C、C及びC等)を用いることによ
つて、RIP17がランバツクされる時の原子炉の運転状態
に対応した炉心流量QR1を、求める必要がある。本実施
例の再循環流量制御装置61は、これらの炉心流量−原子
炉出力特性曲線を記憶し、この特性曲線を用いて炉心流
量QR1を求める。本ケースは、原子炉出力100%、炉心
流量85%の運転状態を想定しているので、炉心流量QR1
は特性曲線Cを用いて求めることによつてRIP17の最
低回転速度曲線Kの炉心流量(第14図のB点)となる。
給水ポンプ11Bだけが運転されているので、RIP17をラン
バツクさせたとしても蒸気流量Qよりも給水流量Q
が少なく、蒸気流量Qと給水流量Qにミスマツチが
生じる。このため、許容原子炉出力設定手段32の加算器
35はそのミスマツチ量をゼロにすべく偏差Sを出力す
る。加算器36は信号発生器34Aの出力である20%に相当
する信号Sを信号Sに加算して得られる信号S
出力する。加算器37は偏差Sを出力する。信号S
は、再循環流量制御装置61及び制御棒駆動制御装置62
に伝えられる。信号Sは、低値選択回路48に伝達され
る。
信号Sを得るために加算器36に信号発生器34Aの出力
である20%の信号Sを加算している理由は、以下の通
りである。タービン駆動型の給水ポンプは、定格容量が
55%であるが短時間であれば68%でも運転が可能であ
る。しかし、68%の給水容量で給水ポンプ11Bを長時間
(例えば1分を越えて)運転した場合には、ポンプのラ
ンアウトを防止するために給水ポンプ11B自信もトリツ
プされる。この状態は、原子炉スクラムに至る。ランア
ウト防止手段34は、タービン駆動型の給水ポンプのラン
アウト防止が可能なレベルまで原子炉出力を低下させる
機能を有する。ランアウト防止手段34が設置されていな
い場合は、偏差Sがゼロになる状態まで原子炉出力が
低下しても、給水ポンプ11Bがランアウトする可能性が
ある。ランアウト防止手段34から出力される信号S
は、タービン駆動型の給水ポンプのランアウト防止が
可能なレベルまで原子炉出力を確実に低下させる値を有
する。
目標出力発生手段33に、原子炉出力75%に相当する信号
を設定している理由は、以下の通りである。一台の
タービン駆動型給水ポンプ及び一台のモータ駆動型給水
ポンプが運転状態にある場合において、得ることのでき
る原子炉出力は75%である。原子炉出力75%は、原子炉
出力100%及び炉心流量85%の運転状態から全てのRIP17
がランバツクされて炉心流量がRIP17の最低回転速度曲
線Kの値まで低下したB点の原子炉出力でもある。目標
出力発生手段33は、原子炉出力の設定値を原子炉出力設
定手段47の設定値よりも低い75%に変更するものでる。
このように設定値を下げることによりRIPランバツク後
の原子炉出力低下の制御が容易になる。本実施例は、一
台のタービン駆動型給水ポンプ及び一台のモータ駆動型
給水ポンプが運転されている場合には、原子炉出力を75
%に低下させることによつて原子炉スクラムを回避でき
る。
再循環流量制御装置61は、ステツプ61Bの後にステツプ6
1Cの処理を実行する。信号Sの入力によりステツプ61
Cの判定は、「YES」となる。次に第4図には図示されて
いないがステツプ61Dが実行される。ステツプ61Dは、RI
P17の回転数が所定の最低回転速度(最低回転速度曲線
Kを得る回転速度)であるかを判定し、「YES」と判定
する。この判定を行うために、RIP17の回転数を検出す
る回転計(図示せず)が設けられ、この回転計の出力が
再循環流量制御装置61に入力される。ステツプ61Dの判
定が「YES」であるため、RIP17の回転数は所定の最低回
転速度に保持される。RIP17の回転数は所定の最低回転
速度よりも小さくすることができない。ステップ61Dの
判定が「NO」の場合に、ステツプ61E及び61Fの処理が行
われる。
低値優先回路48は、信号Prとして信号Sを選択する。
信号Prを入力する原子炉出力制御手段49の加算器50が出
力する偏差ΔPは、中性子検出器27で測定された原子
炉出力Pと信号Sとの差(=P−S)となる。
ヒステリシススイツチ56は、偏差ΔPに基づいて信号
を出力する。
制御棒駆動制御装置62は、信号S及びSを入力す
る。このため、ステツプ62Aが「NO」となり、次のステ
ツプ62Bが「YES」となる。その後のステツプ62Cも「YE
S」となり、ステツプ62Dに移る。ステツプ62Bまたは62C
の判定が「NO」の場合は、ステツプ62Fにより制御棒18
の操作が停止される。ステツプ62Dでは、信号Sの大
きさに応じて選択制御棒として用いる制御棒グループを
設定する。設定された制御棒グループに含まれた複数の
制御棒18が選択制御棒となる。本ケースの場合には、第
8図で格子の○印で示した升目の位置にある44本の制御
棒18が選択制御棒に設定される。第8図は、炉心2の横
断面を示し、格子で囲まれた1つの升目が1つのセルを
表す。1つのセルは4体の燃料棒集合体を含み、それら
の間に1本の制御棒18が挿入される。ちなみに、第8図
に示す選択制御棒は第6図のステツプ62Dの特性図中のS
Rに該当するものである。更にその特性図のSRに該
当する選択制御棒は第9図に○印で示した升目の位置に
あり、SRに該当する選択制御棒は第10図に○印で示し
た升目の位置にある。第9図及び第10図の○印内に記入
した数字は制御棒のグループの番号である。第6図のス
テツプ62Dの特性図中のRAで示す信号Sの範囲ではS
Rの選択制御棒が設定される。同様に、RAで示す信
号Sの範囲ではSRの選択制御棒が設定され、RA
示す信号Sの範囲ではSRの選択制御棒が設定され
る。選択制御棒は、一度設定された後では信号Sの大
きさが変化しても原子力出力が第14図のC点の原子炉出
力に低下するまで変わらない。
ステツプ62Eは、前述の設定された制御棒グループに含
まれた複数の制御棒18を選択制御棒として炉心2内に挿
入させる制御信号Cを出力する。制御信号Cは、選
択制御棒として設定された制御棒18をそれぞれ操作する
制御棒駆動装置19に伝えられる。制御信号Cを入力し
た制御棒駆動装置19は、該当する制御棒18を炉心2内に
挿入する。RIP17のランバツク及び選択制御棒の挿入に
よつて、原子炉出力は、第14図のA点からC点まで低下
する。C点の原子炉出力(55%)は、一台のタービン駆
動型給水ポンプの運転で原子炉スクラムが回避できしか
もその給水ポンプのランアウトを確実に防止できる原子
炉出力である。本ケースの選択制御棒の挿入は、第14図
のB点とC点との差分の原子炉出力を下げる働きがあ
る。原子炉スクラムを回避するだけであれば、原子炉出
力は、約65%まで下げればよい。しかしこの場合は、運
転中の給水ポンプ11Bにランアウトが起きる可能性があ
る。
第14図のA点の運転状態で前述の給水ポンプの異常が発
生した場合における本実施例での蒸気流量Q、給水流
量Q及び水位Hの変化を第11図に示す。給水ポンプ11
Aのトリツプにより給水流量Qが急激に減少する。ま
た給水ポンプ11Aのトリツプと実質的に同時に行われるR
IP17のランバツクによる原子炉出力の低下により蒸気流
量Qも急激に低下する。蒸気流量Qの減少開始が第
15図の場合よりも著しく早く給水流量Qの減少開始と
ほぼ同時にできるのは、ランバツク信号RBの発生が、ト
リツプ検出装置24のトリツプしんごうStの発生とほぼ同
時に行われるからである。M点は第14図のB点と一致
する。加算器35から出力される蒸気流量Qと給水流量
とのミスマツチ量(偏差S)に基づいた制御棒駆
動制御装置62の作用により、選択制御棒が炉心2に挿入
され原子炉出力が低下するので、M点以降では蒸気流
量Qが徐々に減少する。やがて給水流量Qよりも蒸
気流量Qが小さくなる。このミスマツチは、給水制御
器23の働きにより解消され、給水流量Qと蒸気流量Q
が等しくなる。他方、水位Hは、給水ポンプ11Aのト
リツプによって減少するが、選択制御棒の挿入による原
子炉出力の低下に伴つて上昇する。水位Hは、原子炉ス
クラム設定レベルまで減少せず、原子炉のスクラムが回
避される。すなわち、第15図に示す従来の問題点が解消
される。本実施例では、選択制御棒の炉心への挿入開始
時点も早くなる。これは、制御棒駆動制御装置62での偏
差Sを利用した制御信号Cの作成を、ランバツク信
号RBを用いて許可しているためである。
原子炉の運転状態が第14図の特性曲線CのD点にあ
る第2のケースを考える。この運転状態で、第1のケー
スと同じ給水ポンプの異常が発生したとする。このとき
の出力制御装置30の作用は、前述した通りである。再循
環流量制御装置61は、ステツプ61A、61B、61C及び61Dの
処理を順番に実行する。原子炉出力は、ステツプ61Bに
よるランバツク操作により特性曲線Cに沿つて低下し
75%になる。このような原子炉出力の低下は、炉心流量
が特性曲線C上で炉心流量QR1になるところ(D
点)までRIP17をランバツクすることにより達成でき
る。ステツプ61Dは「NO」となるので、処理はステツプ6
1Eへと移る。ステツプ61Eは、D点の原子炉出力を更
に低下させるべくRIP17の回転数Rを設定する。回転
数Rは信号Sの大きさに基づいて決まる。ステツプ
61Eの特性図中、KはRIP17の所定の最低回転速度を示
す。ステツプ61Fは、回転数Rに基づいて制御信号R
を出力する。RIP17の回転数はRまで低下し、原子
炉出力は第14図のD点の値になる。D点とC点との
差分の原子炉出力の低下は、制御棒駆動制御装置62のス
テツプ62A〜62Eの実行により行われる。なお、特性曲線
上に初期の運転状態(給水ポンプ11Aがトリツプし
給水ポンプ15が起動しない異常が生じたときの運転状
態)がある場合には、ステツプ62Dによつて設定される
選択制御棒はSRのものとなる。ちなみに特性曲線C
上に初期の運転状態がある場合には、ステツプ62Dによ
つて設定される選択制御棒はSRのものとなる。
第14図の特性曲線C上のE点に初期の運転状態があ
る第3のケースについて説明する。出力制御装置30の作
用は前に述べた通りである。本ケースでは、再循環流量
制御装置61によるステツプ61A〜61Eの実行だけで原子炉
出力はC点まで低下する。すなわち、選択制御棒の挿入
は行われない。なお、ステツプ61Bによつて炉心流量が
特性曲線C上での炉心流量QR1になるように、すなわ
ちE点に達するようにRIP17がランバツクされる。
以上の種々のケースにおける選択制御棒の挿入は、信号
がゼロになるまで行われ、それがゼロになつた時点
で停止される。全選択制御棒が完全に炉心2内に挿入さ
れず、軸方向の一部が炉心2に挿入された状態で停止さ
れる場合もある。このような選択制御棒の操作を行うた
めには、制御棒駆動装置19として制御棒18の微小駆動が
可能なモータ駆動型制御棒駆動装置を使用することが望
ましい。従つて、原子炉スクラムを回避でき給水ポンプ
11Bのランアウトを防止できる必要最小限の原子炉出力
が低下される。これは、異常状態解消後において原子炉
出力を定格出力まで上昇させるために要する時間の短縮
につながる。必要最小限の原子炉出力の低下は、第6図
のステツプ62Dに示すように信号Sに対応て選択制御
棒の本数を設定することができるので、より木目細かな
ものになる。
炉心流量低下による原子炉出力の減少を、RIP17のラン
バツクに基づいた所定の原子炉出力(75%出力)低下後
に行う場合においても、第4図のステツプ61Eに示すよ
うに、RIP17の回転数を信号Sに対応させて決めてい
る。その所定の原子炉出力低下後におけるRIP17による
原子炉出力の低下も、必要最小限の値にすることができ
る。
本実施例は、第12図に示す特性を得ることもできる。第
12図は、負荷追従運転等で第14図のG点で原子炉が運
転されていた場合に、前述の給水ポンプの異常が生じた
ときの特性を示す。このケースは、第3のケースと同じ
出力制御が行われる。第11図と同様に、給水流量Q
び蒸気流量Qは、給水ポンプ11Aのトリツプ及びRIP17
のランバツクにより急激に低下する。M点は、第14図
のG点に対応し、原子炉出力75%の位置である。M
点以降は、偏差Sに応じた再循環流量制御装置61にる
原子炉出力の減少が行われ蒸気流量Qが徐々に減少す
る。水位Hは、通常水位よりも低下するが原子炉スクラ
ム水位まで低下しない。この場合でも、原子炉がスクラ
ムしないのは言うまでもない。第12図における2回目の
給水流量の減少は給水制御器23の働きによる。第12図の
特性の特徴は、第16図の特性と比較することにより明ら
かになる。
第16図は、第15図の特性を生じる従来例において、第14
図のG点の運転状態で上記の給水ポンプの異常が生じ
た場合の特性を示す。従来例は、前述したように一台の
タービン駆動型給水ポンプがトリツプした場合、原子炉
水位及び給水流量と蒸気流量とのミスマツチ量に基づい
て原子炉出力のランバツクを行つている。このため、第
15図の特性と同様に蒸気流量の減少開始が遅れると共
に、そのランバツクにより原子炉出力がG点まで必要
以上に低下する。従つて、第15図の特性は、第12図の特
性に比べて蒸気流量がより減少する。原子炉水位は、第
16図(B)に示すように第12図に比べて低下し、更に定常
状態の水位に整定するまでの時間が長くなる。本実施例
は、前述の給水ポンプの異常時にRIP17のランバツクに
よる炉心流量の低下を所定の原子炉出力(75%出力)に
対応する炉心流量QR1で止めているので、第16図に示す
問題も解消する。本実施例におけるいずれのケースも、
RIPランバツクにより減少される原子炉出力は、上記異
常発生時点の原子炉出力と原子炉出力75%との差であ
る。B点、D点、E点及びG点の原子炉出力は、
いずれも75%である。
運転モード切替手段40が流量偏差判定手段42及び水位判
定手段43の機能を有しこれらの機能のアンド条件でもラ
ンバツク信号RBを発生できるので、前述の給水ポンプト
リツプ以外の異常(例えば、特開昭49-37094号公報に示
された異常)によつて給水流量が異常になる場合におい
てもRIPランバツクが可能になる。
運転モード切替手段40を設けずにトリツプ信号Stをラン
バツク信号RBとして用いることも可能である。この場
合、給水ポンプのトリツプ以外の要因(例えば、第2図
のアンド回路44の出力に基づいて)でRIPをランバツク
させるためにランバツク信号RBを発生させなければなら
ない関係上、原子炉出力制御装置の構成が複雑になる。
出力パターン設定手段46、原子炉出力設定手段47及び原
子炉出力制御手段49は、原子炉正常時の出力制御手段を
構成する。本実施例は、給水異常時制御手段32に含まれ
る許容原子炉出力設定手段32の出力信号を原子炉出力制
御手段49に伝えているので、正常時出力制御手段の一部
を給水異常時制御手段32の一部として共用していると言
える。このため、本実施例の原子炉制御装置の構造が簡
単になる。ランバツク信号RBは、本実施例の原子炉制御
装置に含まれる給水ポンプ正常時に用いられる第1の原
子炉出力制御機能と、給水ポンプ異常時に用いられる第
2の原子炉出力制御機能とを切替る切替信号でもある。
ランバツク信号RBがトリツプ信号Stに基づいて発生する
場合には、トリツプ信号Stが前述の切替信号であるとも
言える。
第13図は、第8図に示すaグループの4本の制御棒18を
全引抜きの状態から全挿入の状態にしたときに炉心2に
投入される負の反応度(換算出力で示す)の変化を示し
ている。ここで、横軸の0は制御棒が全引抜きの状態に
あることを意味する。また横軸の200は制御棒が全挿入
の状態にあることを意味する。投入される負の反応度
は、S字状に変化する。従つて、制御棒が全引抜きに近
い状態にあるときは、制御棒を動かしても投入される負
の反応度の変化率は小さい。大きな負の反応度の変化率
を得るためには、原子炉の通常運転中に炉心2から全引
抜きされている制御棒よりも、通常運転時に炉心2に部
分的に挿入されて出力制御を行う制御棒を選択制御棒に
設定することが望ましい。第9図及び第10図に示す選択
制御棒には、通常運転時の出力制御に用いられるグルー
プ番号22及び24の制御棒が含まれる。第8図の選択制御
棒には、グループ番号22の制御棒が含まれる。原子炉の
通常運転時の出力制御に用いられる制御棒を選択制御棒
に用いることにより、選択制御棒の本数を減らすことが
できる。
第2図に示す出力パターン設定手段46及び原子炉出力設
定手段47を、前述した統括監視計算機内に設けることも
可能である。
運転モード切替手段40の他の実施例を第17図に示す。本
実施例の運転モード切替手段40Aは、運転モード切替手
段40の構成に遅延回路64を付加したものである。遅延回
路64は、オア回路45の出力側に接続される。第1図の実
施例において、運転モード切替手段40の替わりに運転モ
ード切替手段40Aを用いた場合には、遅延回路64が許容
原子炉出力設定手段32及び原子炉出力制御手段49の各開
閉手段にオア回路45の出力であるランバツク信号RBを出
力する。また、オア回路45から出力されたランバツク信
号RBは、遅延回路64を介さないで再循環流量制御装置61
に直接入力される。遅延回路64は、入力したランバツク
信号RBを所定時間(例えば2または3秒)遅らせて出力
する。
前述した第1図の実施例ではRIP17のランバツクと選択
制御棒の挿入が実質的に同時に行われる。しかしなが
ら、本実施例は、RIP17のランバツクによる原子炉出力
の低下が始まつた後に選択制御棒の挿入が行われる。す
なわちRIP17のランバツクによる原子炉出力の低下後の
選択制御棒の挿入は、選択制御棒の挿入によつて影響を
受ける炉心2の軸方向に出力分布の歪は小さくなる。こ
れは、原子炉の運用上の観点から好ましいことである。
本発明の他の実施例である原子炉出力制御装置を第18図
に基づいて説明する。本実施例の原子炉出力制御装置
は、第1図の実施例の出力パターン設定手段46及び原子
炉出力設定手段47の替わりにタービン制御装置67を設
け、出力制御装置30Aの低値選択回路48にタービン制御
装置67の出力を入力するものである。出力制御装置30A
は、出力パターン設定手段46及び原子炉出力設定手段47
を含まず、運転モード切替手段40Aを備えている。
タービン5に供給される蒸気の圧力を検出する圧力計56
が、主蒸気管3に設けられる。回転計66は、タービン5
の回転速度を検出する。
タービン制御装置67は、圧力制御器68、速度制御器69、
低値選択回路70及び負荷設定器71を有する。
負荷設定器71は、統括監視計算機の指令に基づいて負荷
設定値Lを設定する。圧力計65から出力された圧力信
号Pは、加算器72に入力される。加算器72は、圧力設定
値Pと圧力信号Pの偏差ΔPを算出する。圧力制御器
68は、偏差ΔPに基づいて得られた蒸気流量要求信号S
11を出力する。回転計66で検出されたタービン回転速度
Rは、加算器73に入力される。加算器73は、回転速度R
と回転速度設定値Rの偏差ΔRを求める。速度制御器
69は、偏差ΔRにより信号S12を出力する。加算器74
は、負荷設定値Lに信号S12を加算して速度調節信号
13を得る。低値選択回路70は、加減弁開度要求信号S
14として蒸気流量要求信号S11及び負荷設定値Lのう
ち低値の信号を選択する。信号S12はバイアスが加えら
れて大きくなつているので、通常は、蒸気流量要求信号
11が選択される。蒸気加減弁4は、蒸気流量要求信号
11により制御される。加算器76は、蒸気流量要求信号
11、加減弁開度要求信号S14及びバイアスBを加算
してバイパス弁開度要求信号S15を出力する。バイパス
弁8は、バイパス弁開度要求信号S15に基づいて制御さ
れる。加算器75は、蒸気流量要求信号S11、速度調節信
号S13及びバイアス信号Bを入力して信号S16を出力
する。信号S16が、原子炉出力設定手段47で作成される
原子炉出力設定値に該当する。信号S16は、出力制御装
置30Aの低値優先回路48に伝えられる。
出力制御装置30Aは、第1図に示す出力制御装置30とほ
ぼ同じように機能する。詳細には、運転モード切替手段
40Aによつて得られる機能が加わる。本実施例は、運転
モード切替手段40Aを用いた第1図の実施例によつて生
じる効果を得ることができる。
本発明は、RIPではなく再循環配管系を有する沸騰水型
原子炉にも適用できる。すなわち、再循環配管系に設け
られた再循環ポンプを、再循環流量制御装置61から出力
された制御信号Rによつて制御することにより、前述
した実施例と同じ機能を得ることができる。
〔発明の効果〕
第2のポンプを、第1ポンプがトリツプしたときに発生
するトリツプ信号に基づいてランバツクさせているの
で、給水ポンプトリツプ時における蒸気流量の減少を早
期に行うことができ原子炉スクラムの可能性を減少でき
る。
第2ポンプをランバツクさせて原子炉出力を第1の所定
値まで減少させる第1の操作と原子炉出力をその第1所
定値よりも低い第2の所定値に下げる第2の層を行つて
いるので、給水ポンプトリツプ時における蒸気流量の減
少幅を必要以上に大きくすることが抑制される。
原子炉出力を、運転中の第1のポンプのランアウトを防
止できるレベルに減少させているので、運転中の第1ポ
ンプのランアウトを防止できる。
原子炉出力の設定値を、第1ポンプがトリツプするとき
に用いていた第1の所定値よりも低いレベルの第2の所
定値に切替るので、第2ポンプのランバツク後における
原子炉出力低下の制御が容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は沸騰水型原子炉に適用した適用した本発明の好
適な一実施例である原子炉出力制御装置の構成図、第2
図は第1図の出力制御装置の詳細構成図、第3図は第2
図の出力制御手段の詳細構成図、第4図は第1図の再循
環流量制御装置で実行される処理手順の説明図、第5図
は第1図の制御棒駆動制御装置の詳細構成図、第6図は
第5図の制御手段で実行される処理手順の説明図、第7
図は第5図の制御棒価値ミニマイザに設定されている制
御棒挿入引抜きシーケンスの一例を示す説明図、第8
図、第9図及び第10図は選択制御棒の配置を示す説明
図、第11図は第14図のA点で給水ポンプトリツプが生じ
たときの第1図の実施例によつて得られる特性を示す説
明図、第12図は第14図のG点で給水ポンプトリツプが
生じたときの第1図の実施例によつて得られる特性を示
す説明図、第13図は制御棒挿入によつて投入される負の
変化を示す特性図、第14図は拡大された運転領域におけ
る炉心流量と原子炉出力との関係を示す特性図、第15図
は第14図のA点で給水ポンプトリツプが生じたときの従
来例によつて得られる特性を示す説明図、第16図は第14
図のG点で給水ポンプトリツプが生じたときの従来例
によつて得られる特性を示す説明図、第17図は運転モー
ド切替手段の他の実施例の構成図、第18図は沸騰水型原
子炉に適用した適用した本発明の他の実施例である原子
炉出力制御装置の構成図、第19図は第18図の出力制御装
置の詳細構成図、第20図は第18図のタービン制御装置の
詳細構成図である。 1……原子炉、2……炉心、3……主蒸気管、5……タ
ービン、9……発電機、10……給水配管、11A,11B,15…
…給水ポンプ、17……RIP、18……制御棒、19……制御
棒駆動装置、20……水位計、21,22,28……流量計、23…
…給水制御器、24……トリツプ検出装置、26……発電機
出力検出器、27……中性子検出器、30,30A……出力制御
装置、31……給水異常時制御手段、33……目標出力発生
手段、34……ランアウト防止手段、40,40A……運転モー
ド切替手段、47……原子炉出力設定手段、49……原子炉
出力制御手段、61……再循環流量制御装置、62……制御
棒駆動制御装置、65……圧力計、66……回転計、67……
タービン制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−50395(JP,A) 特開 昭59−138994(JP,A) 特開 昭61−160088(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉に冷却水を供給する2台以上の常用
    の給水ポンプのうち少なくとも1台の給水ポンプがトリ
    ップしたときに再循環流量を制御する再循環ポンプをラ
    ンバックさせ原子炉出力を減少させる原子炉出力制御方
    法において、前記常用の給水ポンプの1台の給水ポンプ
    がトリップしたときに発生するトリップ信号に基づいて
    前記再循環ポンプをランバックさせ、前記原子炉から吐
    出する蒸気流量と前記給水流量のミスマッチ量に基づい
    て前記原子炉出力が減少するように制御棒の選択と操作
    量を定めて操作するようにしたことを特徴とする原子炉
    出力制御方法。
  2. 【請求項2】原子炉に冷却水を供給する2台以上の常用
    の給水ポンプと、前記原子炉への再循環流量を制御する
    再循環ポンプと、前記常用の給水ポンプの1台の給水ポ
    ンプがトリップしたときにトリップ信号を出力するトリ
    ップ検出手段と、前記トリップ信号が発生したときに、
    前記再循環ポンプをランバックさせるランバック手段
    と、トリップ信号の発生時における前記原子炉から吐出
    する蒸気流量と前記給水流量のミスマッチ量に基づいて
    制御棒の選択と操作量を定めて操作する原子炉出力制御
    手段とを備えたことを特徴とする原子炉出力制御装置。
JP1180349A 1989-07-14 1989-07-14 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置 Expired - Fee Related JPH0664184B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1180349A JPH0664184B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置
US07/935,655 US5293411A (en) 1989-07-14 1992-08-26 Nuclear reactor power control method and device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1180349A JPH0664184B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0346596A JPH0346596A (ja) 1991-02-27
JPH0664184B2 true JPH0664184B2 (ja) 1994-08-22

Family

ID=16081679

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1180349A Expired - Fee Related JPH0664184B2 (ja) 1989-07-14 1989-07-14 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0664184B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5657441B2 (ja) * 2011-03-18 2015-01-21 中国電力株式会社 原子炉再循環流量制御装置および制御方法
JP6865186B2 (ja) * 2018-02-28 2021-04-28 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 負荷追従装置及びそれを有する原子力発電プラント

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5950395A (ja) * 1982-09-14 1984-03-23 株式会社東芝 原子炉水位低下抑制装置
JPS59138994A (ja) * 1983-01-31 1984-08-09 株式会社日立製作所 原子炉水位制御方式
JPS61160088A (ja) * 1985-01-07 1986-07-19 株式会社日立製作所 スクラム回避総合制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0346596A (ja) 1991-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5293411A (en) Nuclear reactor power control method and device
US4440715A (en) Method of controlling nuclear power plant
JP6453262B2 (ja) 制御棒操作監視方法及び制御棒操作監視システム
US4832898A (en) Variable delay reactor protection system
JPH0664184B2 (ja) 原子炉出力制御方法及び原子炉出力制御装置
JPH0241715B2 (ja)
JPS6146799B2 (ja)
US4053786A (en) Transducer out of range protection for a steam turbine generator system
JP2007232541A (ja) 原子炉出力制御装置およびその方法
JPH0456957B2 (ja)
US5960049A (en) Pump selection logic
JP2539514B2 (ja) ボイラ給水制御装置
JP3871733B2 (ja) 原子炉の炉心監視装置
JP3141468B2 (ja) 原子炉出力制御装置
JPH02244000A (ja) 原子力プラントの制御方法及びその制御装置
JPH0278995A (ja) 再循環流量制御装置及び方法
JP3604566B2 (ja) 沸騰水型原子力発電所の給水制御装置
JPH0660958B2 (ja) 原子力発電プラントの給水制御装置
JPS60117002A (ja) 原子炉給水制御装置
JPH09145894A (ja) 沸騰水型原子力発電所の原子炉給水制御装置
JPS61295401A (ja) 給水ポンプの制御装置
JP2000227498A (ja) 原子炉制御装置
JPH07280988A (ja) 原子力プラント保護装置とその操作判定方法
JPH04125494A (ja) 原子炉出力制御装置
JPH09288189A (ja) すくい管制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees