JP2539514B2 - ボイラ給水制御装置 - Google Patents

ボイラ給水制御装置

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JP2539514B2
JP2539514B2 JP1260053A JP26005389A JP2539514B2 JP 2539514 B2 JP2539514 B2 JP 2539514B2 JP 1260053 A JP1260053 A JP 1260053A JP 26005389 A JP26005389 A JP 26005389A JP 2539514 B2 JP2539514 B2 JP 2539514B2
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、火力発電所等のボイラへの給水流量を自動
的に制御するボイラ給水制御装置に係り、特に、前記給
水流量のハンチングを早期に検出し、異常診断し、当該
制御系を安全方向に退避し、ユニットトリップを未然に
防止するボイラ給水制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の装置は特許公報昭63−685号に記載のように蒸
気発生装置(例えばボイラ)の給水ポンプはタービン駆
動及びモータ駆動のごとく異なる駆動方式の複数のポン
プで構成されている。蒸気発生装置の出力が少ないとき
には、主にモータ駆動給水ポンプ(M−BFP)が使用さ
れ、出力上昇過程でタービン駆動給水ポンプ(T−BF
P)に切替える。従来、この切替操作は運転員の手動操
作によりなされていた。タービン駆動給水ポンプは、タ
ービン回転数によつて給水ポンプ流量を制御する。この
タービン回転数の上昇率を大きくすると、急激に流量が
増加して、ボイラ給水流量が増加する。ボイラでは、ボ
イラ・タービン主機保護上の要求から給水の変動が厳し
く制限されており、偏差が規定値以上になるとボイラ・
タービンがトリツプするインターロツクが働く。また、
給水低下に対してもボイラの空焚き保護上の要求からボ
イラトリツプのインターロツクが働く。したがつて、給
水ポンプの切替操作は、経験をつんだ運転員によつて注
意深く、長時間をかけておこなわれていた。
これに対して、近年、給水ポンプを入手によらず自動
的に切替える装置が提案されており、例えば第2図に示
す方式がある。
ボイラ1で発生した蒸気は主蒸気配管2を通りタービ
ン3に導入され、図示しない発電機を駆動したのち、復
水器4に送られ水に戻される。この復水は、低圧復水ポ
ンプ5、高圧復水ポンプ6により昇圧され、タービン駆
動給水ポンプ(T−BFP)7およびモータ駆動給水ポン
プ(M−BFP)8により更に高圧され、給水管10を介し
てボイラ1に給水される。通常、給水ポンプには、ター
ビン駆動給水ポンプ2台とモータ駆動給水ポンプ1台の
計3台が用いられる。タービン始動時においては、モー
タ駆動給水ポンプ8が運転され、タービンが20%出力程
度になつた時点でタービン駆動給水ポンプ7が運転され
る。加算器12では、ボイラの給水流量が設定値から減算
される。この出力は、主制御器13の制御信号となる。始
動開始時には、制御器16をオンに制御しているので、主
制御器13による制御は、給水調整弁9のみとなる。前述
のように発電機出力が増大すると、給水制御を給水調整
弁9からタービン制御器に移してから、制御器16をオフ
とする。そこで、主制御器13の出力はタービン制御に送
られ、タービン駆動給水ポンプ7用のタービン蒸気量を
制御する。
さらに、ボイラ給水制御系の詳細システム構成を第3
図に示す。タービン駆動給水ポンプ7、モータ駆動給水
ポンプ8には、給水ポンプの空回りによる焼き付きを防
止する目的から最低流量の給水を流す必要があり、再循
環弁26〜28がポンプ吐出側に取付けられている。この再
循環弁はオンオフ弁でポンプの吐出流量の増大に伴い順
次閉し、また減少に伴い順次開するが、開閉時には、給
水流量の変動となつて現れる。従つて給水制御系では変
動を少なくするために、開閉指令と同時に再循環弁の分
流分の開度分−xa%だけ開度指令21を補正している。
第4図に負荷上げ時のA〜Cの給水ポンプの切替とそ
の時の再循環弁の開閉時の給水流量への影響を示す。こ
の開時の鋸状の給水流量の突変は帰環制御系の外乱とな
るが、通常はすぐに整定する。しかし、開時に偏差が
出ていたり、開度指令21の補正と実際の再循環弁の機械
的な動作タイミングがずれたりすると、給水流量の突変
が発散形のハンチングになりユニツトリツプになる場合
がある。
第5図は、給水流量20が再循環弁の閉時T0から突変し
て整定する通常の変動を示す。
第6図は、給水流量20が再循環弁の閉時T0から突変
し、発散しながらハンチングを続け、TTのタイミングで
ボイラの空焚き保護流量以下のユニツトトリツプレベル
以下になり、ユニツトトリツプする変動を示す。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、帰環制御系の外乱に対して、系が発
散形のハンチング状態になつた場合でも、この異常を早
期に検出し系を整定状態に戻し、ユニツトトリツプを未
然に防止する点についての配慮がされておらず、ユニツ
トトリツプに至る問題があつた。
本発明は、帰環制御系の発散形のハンチング状態を早
期に検出し、異常診断することにより制御系を安全方向
に退避、ユニツトトリツプを未然に防止することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明のボイラ給水制御
装置は、指令室から要求する給水要求流量信号とボイラ
への給水の帰還給水流量信号とに基づいて、モータによ
り駆動する給水ポンプからの給水の流量を調整する給水
調整弁とタービンからの蒸気により駆動する給水ポンプ
の前記蒸気の流量を調整する蒸気加減弁とを切り換え
て、前記ボイラへの給水の流量を制御する。また、前記
帰還給水流量信号の第1の波の最大値と最小値とに基づ
いて前記第1の波の振幅を計算する第1の演算器と、前
記第1の波に次いで連続して発生する第2の波の最大値
と最小値とに基づいて前記第2の波の振幅を計算する第
2の演算器と、前記第1の波の振幅と前記第2の波の振
幅との偏差を演算し、前記偏差が予め設定される設定値
以上の時に異常信号を出力する偏差モニタとを有する異
常診断装置を備える。また、前記異常信号を受けて、前
記給水要求流量信号と前記帰還給水流量信号とに基づい
て前記給水調整弁及び前記蒸気加減弁を制御する自動帰
還制御モードを、手動により前記給水調整弁及び前記蒸
気加減弁を制御する手動モードに切り換える。
〔作用〕
帰環制御系の帰環信号のハンチング状態に波形の変化
を連続監視し、第1波の最大値ホールド回路のホールド
値と最少値ホールド回路から第一波振幅を求め、第2波
の最大値ホールド回路と最少値ホールド回路から第2波
振幅を求め、さらに第3波の振幅については第1波の振
幅検出回路のホールド値をリセツトし検出するため、連
続的に前回の振幅と今回の振幅が分かり、振幅の変化が
連続監視できる。それによつて、振幅の変化が通常の値
以上に大きくなつた場合は、帰環信号が発散形のハンチ
ング状態にあることが診断できるので、警報を発し、制
御系を自動帰環制御モードから手動モード等安全方向へ
退避、ユニツトトリツプを未然に防止することができ
る。
代案として、制御偏差が通常の値以上に大きくなつた
場合でも制御ループに異常があり帰環信号が発散形のハ
ンチング状態等にあることは推定できるが、ハンチング
の初期状態における診断は難しく、検出が遅れるケース
が多い。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。
第1図は本発明の異常診断回路の一例を示すブロツク
図であり、第3図の本発明の一実施例である給水ポンプ
自動切換装置の異常診断回路19に相当する。第3図は従
来技術の項で説明した構成及び動作であるが、特に負荷
上げ時のA〜Cのタービン及びモータ駆動給水ポンプ7,
8の切替えとその時の再循環弁26〜28の開閉時の給水流
量20の変動が制御上の課題となりその影響を第4図に示
す。この開時の鋸状の給水流量20の突変は帰環制御系の
外乱となるが、通常はすぐに整定する。しかし、再循環
弁26〜28の閉時に別の要因で偏差が出ていたり、開度
指令21の補正17と実際の再循環弁26〜28の機械的な動作
タイミングがずれたりすると、給水流量20が発散型のハ
ンチングになりユニツトトリツプになる場合がある。そ
こで制御系の帰環信号である給水流量20を入力とする異
常診断回路19を追加し、発散形ハンチングの初期の段階
で、異常を診断し警報をし、制御系を自動帰環制御モー
ドから手動モード等安全方向へ退避、ユニツトトリツプ
を未然に防止するようにした。
第1図の異常診断回路は、給水流量20を入力とし、第
7図の如く変動する給水流量20の第1(,3,5…)波の最
大値A、最少値Aを高信号選択器52,低信号選択器5
4で、第2(,4,6…)波の最大値B、最少値Bを高
信号選択器56、低信号選択器58で、ホールドし、第1
(3,5,…)波の振幅HA、第2(4,6,…)波の振幅HBを演
算器59,63で計算、一時その値を記憶器60,64に保持し、
第1波→第2波への振幅の増加を偏差モニター61で連続
監視し、通常の変動範囲以上であれば、異常で発散形の
ハンチングの状態にあると判断し異常出力89を出力す
る。第2波→第3波への振幅の増加は第1波の波高値を
演算する回路を、次のステツプで使用することにより第
3波の振幅HCを計算し記憶器60に保持することにより、
その振幅の増加を偏差モニター62で同様に連続監視す
る。以上、第3波→第4波への振幅の増加等も同様に連
続監視できる。
その結果、第7図に示すように給水流量20が再循環弁
の閉時T0から突変し、発散しながらハンチングを続け、
従来のように、本発明の異常診断回路19がない場合はTT
のタイミングでボイラの空焚き保護流量以下のユニツト
トリツプ以下になり、ユニツトトリツプするが、本発明
の異常診断回路19がある場合はT2のタイミングで、第1
波→第2波への振幅の増加が通常の値以上になつたこと
により早期異常出力し、警報を発するとともに、制御系
を自動帰環制御モードから手動モード等安全方向へ退避
するため、ユニツトトリツプを未然に防止することがで
きる。
以上の実施例は給水ポンプ自動切替装置のケースにつ
いての説明であるが、本発明のキークレムにもあるよう
に、帰環制御系全般について、振幅の増加からループの
異常診断を早期にすることができ、同様の効果がある。
〔発明の効果〕
本発明によれば、帰環制御系に外乱が加わつた時の発
散形のハンチング状態を早期に診断することができるの
で、制御系を早期に安全方向に退避できる効果がある。
また、給水ポンプ自動切替装置に適用した場合早期に
異常を検出し制御系を自動帰環制御モードから手動モー
ド等安全方向へ退避することができるため、ユニツトト
リツプを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の異常診断回路のロジツク図、第2図は
火力発電所の水蒸気系統と給水ポンプ自動切替装置のブ
ロツク図、第3図は本発明の給水ポンプ切替詳細ブロツ
ク図、第4図は給水切替を示す図、第5図は通常の再循
環弁閉時の給水流量変動を示す図、第6図は異常時の再
循環弁閉時の給水流量変動を示す図、第7図は本発明の
異常時の再循環弁閉時の給水流量変動を示す図である。 1……ボイラ、2……主蒸気配管、3……タービン、4
……復水器、5……低圧復水ポンプ、6……高圧復水ポ
ンプ、7……タービン駆動用給水ポンプ、8……モータ
駆動用給水ポンプ、10……給水管、12……加算器、13…
…主制御器、16、18……制御器、19……異常診断回路、
20……帰還流量信号、21……開度指令、26〜28……再循
環弁、31……給水ポンプ駆動用蒸気加減弁、32……給水
ポンプ駆動用タービン、51、53、55、57……ホールド信
号切換器、52、56……高信号選択器、54、58……低信号
選択器、59、63……演算器、60、64……記憶器、61、62
……偏差モニタ、71〜74……ホールド信号、75、76……
振幅信号、77、78……振幅の記憶信号、81〜84……切換
指令信号、85、86……振幅の記録指令信号、87、88……
偏差モニタ信号、89……異常診断出力。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−168106(JP,A) 特開 昭61−150013(JP,A) 実開 平1−64013(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】指令室から要求する給水要求流量信号とボ
    イラへの給水の帰還給水流量信号とに基づいて、モータ
    により駆動する給水ポンプからの給水の流量を調整する
    給水調整弁とタービンからの蒸気により駆動する給水ポ
    ンプの前記蒸気の流量を調整する蒸気加減弁とを切り換
    えて、前記ボイラへの給水の流量を制御するボイラ給水
    制御装置において、 前記帰還給水流量信号の第1の波の最大値と最小値とに
    基づいて前記第1の波の振幅を計算する第1の演算器
    と、 前記第1の波に次いで連続して発生する第2の波の最大
    値と最小値とに基づいて前記第2の波の振幅を計算する
    第2の演算器と、 前記第1の波の振幅と前記第2の波の振幅との偏差を演
    算し、前記偏差が予め設定される設定値以上の時に異常
    信号を出力する偏差モニタとを有する異常診断装置を備
    え、 前記異常信号を受けて、前記給水要求流量信号と前記帰
    還給水流量信号とに基づいて前記給水調整弁及び前記蒸
    気加減弁を制御する自動帰還制御モードを、手動により
    前記給水調整弁及び前記蒸気加減弁を制御する手動モー
    ドに切り換えることを特徴とするボイラ給水制御装置。
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