JP3302788B2 - タービン制御装置および原子炉隔離時冷却系制御システム - Google Patents
タービン制御装置および原子炉隔離時冷却系制御システムInfo
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Description
り、特に原子炉隔離時冷却系(以下、RCICと呼ぶ)
のタービン等におけるように、急速起動を必要とするタ
ービン制御装置に関する。
常時における発電所内バックアップ電源供給用のタービ
ンは、タービン制御のための油圧を自ら油ポンプを運転
して確保しているので、油圧が確立するまでにはある程
度の時間がかかる。
な起動トルクを得れるように蒸気加減弁開度が全開の状
態で起動されるため、制御油圧が確立される前にタービ
ン回転数が急上昇して、異常な初期ピーク回転数に達
し、非常調速機が動作して緊急停止する恐れがあった。
めに、特公平5−9605号公報には、タービン起動に
際し、ランプ信号および流量要求信号の低値信号によっ
て蒸気加減弁(全開状態から)の開度制御を行う場合
に、タービン回転数がランプ信号を超えるまで負の速度
要求である弁閉信号を、上記低値信号の優先回路に与え
る方式が提案されている。これによって、タービン起動
直後から蒸気加減弁を閉方向に制御して起動時の回転数
の異常上昇を回避しようとするものである。
タービン回転数がランプ信号に達する以前の油圧系の遅
れによる初期ピーク回転数は回避できる。しかし、その
後に発生する可能性がある過回転とそれによるトリップ
は回避できない。
ンの起動特性図を示す。同図で、時刻t1におけるター
ビン回転数のピークn1が、上記の初期ピークに相当す
る。時刻t2で、タービンに直結されている緊急冷却系
のポンプ吐出流量は流量要求値に到達し、流量調節器に
よる絞り込みが開始される。しかし、タービン回転数の
上昇率に対してこの絞り込みが少ないと、時刻t3でタ
ービン回転数がオーバーシュートによって第2のピーク
n2に到達し、再びトリップしてしまう恐れがある。
超えるオーバーフローが発生し、RCICの場合はとも
かく、シビアな一定流量制御が求められるシステムにお
いては問題がある。
服し、回転数の上昇率を一定に保って急速起動を安全に
実行するタービン制御装置を提供することにある。
回転数も流量もオーバーシュートすることなく、急速起
動を安全に実行するタービン制御装置またはポンプ制御
装置を提供することにある。
作動する原子炉隔離時冷却系制御システムを提供するこ
とにある。
回転数で駆動されて所定の要求流量を吐出するポンプの
駆動用タービンを、流入する蒸気の入口弁開度を調節し
て前記所定の回転数に制御するタービン制御装置におい
て、ポンプからの吐出流量と前記要求流量の偏差に応じ
てタービン回転数の要求値を出力する第一の調節器と、
前記タービン回転数の要求値とその実回転数の偏差およ
び起動時におけるタービン回転数の上昇率を定める設定
過速度とのいずれか低値に応じて前記入口弁開度を制御
する第二の調節器を設けることにより達成される。
器に、前記吐出流量が前記要求流量に到達したときに開
始される前記タービン回転数の要求値のしぼり込みを検
出したとき前記低値を0とし、前記所定の回転数を維持
するように前記入口弁開度を制御する手段を備えること
により達成される。
もその上昇率は常に一定に保持されるので、回転数の異
常上昇による運転停止などを発生させる心配がない。し
たがって、従来のように、油圧の確立遅れによる入口弁
の制御遅れや、入り口止め弁の開検出器の誤動作などに
よる回転数の異常上昇を発生する恐れがなくなり、RC
ICのタービン・ポンプシステムなどに好適である。
に移行するので、しぼり込みの遅れによる回転数のオー
バーシュートとそれによるトリップが回避でき、さらに
信頼性を向上できる。また、要求流量に対するオーバー
シュートも生じないので、オーバーフローを生じること
のない急速起動のポンプ制御が可能になる。
する。図1は、本発明のタービン制御装置を適用した原
子炉隔離時冷却系の構成を示したものである。
の緊急冷却時に、貯水プール2に溜めた水をポンプ4で
吸い上げ、原子炉1内へ注水する。ポンプ4は回転軸を
機械的に直結したタービン5によって駆動される。ター
ビン5は原子炉1で発生した蒸気を、ON/OFF弁で
ある入口止め弁6、開度制御される入口弁7(蒸気弁)
を経由して取り込み、これを動力源として回転する。
口弁7は全開状態とされているが入口止め弁6が全閉さ
れているので、タービン5は停止し、ポンプ4の吐出流
量Qは0である。
い装置から起動要求を受信して開弁を開始すると、流入
する蒸気でタービン5が回転をはじめ、その回転数に応
じてポンプ4の吐出流量Qが増加する。この流量Qは流
量検出器3によって検出される。
号Qと吐出流量要求値Qdの偏差を比例積分するPI調
節器12を有し、この調節器12の出力であるタービン
回転数要求値Ndをタービン回転数調整器13に与え
る。
転数要求値Ndとタービン回転数検出器8による実回転
数Nとの偏差△nをとる加算器14と、加速度設定器1
5からの設定過速度dN0および偏差△nの低値信号優
先回路16と、タービン回転数Nから実加速度dNを求
める微分器17と、低値優先回路16の出力と微分器1
7からの実加速度dNとの偏差により入口弁7の弁開度
を制御する弁開度制御信号出力回路18を備えている。
なお、上記演算に用いられるタービン回転数Nの値はそ
の要求値Nd(所定の最高要求値を100%とする百分
率値)の100%値(百分率値)で、また実加速度dN
や設定過速度dN0の値は所定の最高過速度値の百分率
値として、各々ノーマライズ(正規化)されている。
で、ポンプ吐出流量Qが要求値Qdに到達するまでは、
正の偏差によるPI調節器12の動作により、流量調節
器10からは回転数要求値Ndの100%値(飽和値)
が出力されるので、低値信号優先回路16は設定過速度
dN0を出力し続ける。したがって、弁開度制御信号出
力回路18は、設定過速度dN0と実過速度dNの偏差
を0にするようにしながら入口弁7を開方向に制御する
する弁開度制御信号を出力する。
定過速度にしたがいながら一定の上昇率で増加するの
で、初期ピークなど回転数の異常上昇率によるトリップ
は回避できる。
入口止め弁6の開度検出器による弁開(全閉以外)信号
を開始点として一定割合で増加するランプ信号を出力
し、回転数要求値Ndとともに低値優先回路の入力とし
ていた。しかし、この開度検出器が誤動作すると、入口
止め弁6が閉状態の正常時に、本来ゼロとなるべきラン
プ出力が100%回転数要求値Ndと同じ値になってし
まう。このため、実際の緊急冷却時には、起動と同時に
100%要求値による異常上昇が発生し、トリップに至
る。
器は、発電所の運転員より遠く離れたタービン近傍に設
置されるので、このような誤動作の発生する恐れは十分
ある。しかし、本実施例のタービン制御装置は、このよ
うな誤動作の恐れのある開度検出器やランプ出力回路を
用いないので、この点においても信頼性が高い。
定値N0になると、ポンプ吐出流量Qが流量要求値Qd
に到達する。この結果、PI調節器12の出力Ndは1
00%値から減少に転じ、いわゆる絞り込みが始まる。
しかし、100%値からの絞り込みのため、加算器14
の出力△nは依然として設定過速度dNより大きく、弁
開度制御信号出力回路18は入力弁7を開方向に制御し
続ける。このため、図3のt2〜t3のようにタービン回
転数Nと流量Qは上昇を続け、所定値N0と要求値Qd
をオーバーシュートする。t3でタービン回転数Nが所
定回転数N0からの予め定められた値を超えると、ター
ビン5は非常調速機により緊急停止する。
の第二の実施例を説明する。図2はそのタービン回転数
調整器の構成を示し、そのほかは図1と同じ構成にな
る。タービン回転数調整器13には、図1の構成に加え
新たに、絞り込み検出器19と、加算器14と低値優先
回路16の間に切替回路20を設けている。
のから回転数要求値Ndを入力し、100%値からの絞
り込みを検出すると、切替信号を切替回路20に出力す
る。切替回路20は、切替信号によって低値優先回路1
6の入力端を加算器14の出力端aから切離し、接地入
力端bに切替え、入力0とする。
れまでの設定過速度dNに代わり出力0となるので、弁
開度制御信号出力回路18は、過速度0、すなわち、タ
ービン回転数Nが所定回転数N0になるように入力弁7
を制御し、この結果、回転数Nと流量Qは各々、N0と
Qdに整定される。
後は、Ndの減少は停止するので、絞り込み検出器19
の切替信号がなくなり、切替回路20は再びa側に切り
替わる。これにより低値優先回路16は、検出流量Qま
たは実回転数Nのずれを、偏差△nとして弁開度制御信
号出力回路18に出力し、上記のN0とQdの一定制御
を維持する。
うに、流量Qが要求値Qdに達したt2以降は、タービ
ン回転数Nは一定量N0に制御されるので、従来のよう
に過回転によるトリップを生じることがない。
のオーバーシュートも防止できるので、急速起動が求め
られる一方、流量オーバが許されないタービン・ポンプ
システムに好適である。
転数の上昇率を一定に保つので、急速起動をトリップな
く確実に実行できる効果がある。
御装置によれば、回転数や流量のオーバーシュートを回
避できるので、急速起動を安全に実行できる効果があ
る。
によれば、原子炉の緊急冷却を急速に起動でき、かつ、
異常回転によるトリップを確実に回避できるので、シス
テムの信頼性を大きく向上できる効果がある。
制御システムにおけるタービン制御装置を示す構成図で
ある。
示す構成図である。
する特性図である。
動作を説明する特性図である。
ン、6…入口止め弁、7…入口弁(蒸気弁)、8…回転
数検出器、10…流量調節器、11…流量要求値設定手
段、12…回転数要求値出力手段、13…タービン回転
数調節器、14…加算器、15…過速度設定手段、16
…低値優先手段、17…微分器、18…弁開度制御信号
出力手段、19…しぼり込み検出手段、20…切替手
段。
Claims (6)
- 【請求項1】 所定の回転数で駆動されて所定の要求流
量を吐出するポンプの駆動用タービンを、流入する蒸気
の入口弁開度を調節して前記所定の回転数に制御するタ
ービン制御装置において、 ポンプからの吐出流量と前記要求流量の偏差に応じてタ
ービン回転数の要求値を出力する第一の調節器と、前記
タービン回転数の要求値の百分率値とその実回転数の百
分率値の偏差および起動時におけるタービン回転数の上
昇率を定める設定過速度の百分率値とのいずれか低値に
応じて前記入口弁開度を制御する第二の調節器を備える
ことを特徴とするタービン制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、 前記第二の調節器は、前記吐出流量が前記要求流量に到
達したときに開始される前記タービン回転数の要求値の
しぼり込みを検出して前記低値を0とする手段を備える
ことを特徴とするタービン制御装置。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記低値を0とする手段は、前記タービン回転数の要求
値が前記要求流量を維持する回転数に等しくなり、前記
しぼり込みを検出しなくなったとき、その機能を中断し
て前記低値の選択を旧復することを特徴とするタービン
制御装置。 - 【請求項4】 流入する蒸気の入口弁開度を調節しその
回転数が制御されるタービンによって駆動されるポンプ
を、前記回転数にしたがって定まるポンプの吐出流量が
予め定められた所定の要求流量となるように制御するポ
ンプ制御装置において、 ポンプからの吐出流量と前記要求流量の偏差に応じてタ
ービン回転数の要求値を出力する第一の調節器と、前記
タービン回転数の要求値とその実回転数の百分率による
偏差および起動時におけるタービン回転数の上昇率を定
める設定過速度とのいずれか低値に応じて前記入口弁開
度を制御し、かつ、前記吐出流量が前記要求流量に到達
したときに開始される前記タービン回転数の要求値のし
ぼり込みを検出し前記低値を0として前記入口弁開度を
制御する第二の調節器を備えることを特徴とするポンプ
制御装置。 - 【請求項5】 貯水プールと、このプールから水を汲み
上げて原子炉に注水するポンプと、入口弁を介して原子
炉の蒸気を流入して起動し前記ポンプを駆動するタービ
ンと、原子炉隔離時を示す信号によって前記タービンの
起動を開始しその運転を制御するタービン制御装置を具
備する原子炉隔離時冷却系制御システムにおいて、 前記タービン制御装置は、冷却前記ポンプの吐出流量と
その要求流量の偏差に応じてタービン回転数の要求値を
出力する第一の調節器と、前記タービン回転数の要求値
とその実回転数の百分率による偏差および起動時におけ
るタービン回転数の上昇率を定める設定過速度とのいず
れか低値に応じて前記入口弁開度を制御する第二の調節
器を備えることを特徴とする原子炉隔離時冷却系制御シ
ステム。 - 【請求項6】 請求項5において、 前記第二の調節器は、前記吐出流量が前記要求流量に到
達したときに開始される前記タービン回転数の要求値の
しぼり込みを検出して前記低値を0とする手段を備える
ことを特徴とする原子炉隔離時冷却系制御システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17967993A JP3302788B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | タービン制御装置および原子炉隔離時冷却系制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17967993A JP3302788B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | タービン制御装置および原子炉隔離時冷却系制御システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0734806A JPH0734806A (ja) | 1995-02-03 |
JP3302788B2 true JP3302788B2 (ja) | 2002-07-15 |
Family
ID=16069981
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17967993A Expired - Lifetime JP3302788B2 (ja) | 1993-07-21 | 1993-07-21 | タービン制御装置および原子炉隔離時冷却系制御システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3302788B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8840312B1 (en) | 2013-03-13 | 2014-09-23 | Regal Beloit America, Inc. | Electric machine and associated method |
US9281725B2 (en) | 2013-03-13 | 2016-03-08 | Regal Beloit America, Inc. | Electric machine and method of manufacturing the same |
US9692272B2 (en) | 2013-03-13 | 2017-06-27 | Regal Beloit America, Inc. | Electric machine and associated method |
US10072662B2 (en) | 2013-03-14 | 2018-09-11 | Regal Beloit America, Inc. | Dynamic speed control for pump motor |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5586020B2 (ja) * | 2010-09-28 | 2014-09-10 | 株式会社日立製作所 | タービン制御装置、ポンプ制御装置及び原子炉隔離時冷却系制御システム |
JP5922909B2 (ja) * | 2011-10-31 | 2016-05-24 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | 蒸気タービン制御装置及びそれを用いた蒸気タービン設備 |
-
1993
- 1993-07-21 JP JP17967993A patent/JP3302788B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0734806A (ja) | 1995-02-03 |
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