JP2007232541A - 原子炉出力制御装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】選択制御棒の炉心への挿入の際、その挿入をタイミングよく段階的に行い、炉心に対し、急激な反応度の変化を与えず、不要な原子炉自動停止運転を回避する原子炉出力制御装置を提供する。
【解決手段】運転中、原子炉再循環ポンプ2A,2Bに事故が発生したとき、原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータ3A,3Bに与えられる電気量の変化に基づいて制御棒駆動機構31に与える第1段選択制御棒挿入信号25を演算する一方、冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路10を備え、危険運転領域に入っていることが判定されたとき、選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて制御棒駆動機に第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号30を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路15を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】運転中、原子炉再循環ポンプ2A,2Bに事故が発生したとき、原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータ3A,3Bに与えられる電気量の変化に基づいて制御棒駆動機構31に与える第1段選択制御棒挿入信号25を演算する一方、冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路10を備え、危険運転領域に入っていることが判定されたとき、選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて制御棒駆動機に第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号30を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路15を備えた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子炉出力制御装置およびその方法に係り、特にポンプトリップ時、炉心への選択制御棒の自動挿入に改良を加え、出力の安定化を図る原子炉出力制御装置およびその方法に関する。
一般に、沸騰水型原子力発電プラントは、運転出力の制御を、制御棒の位置または原子炉の炉心に流れる冷却材の流量を調節することによって行っている。
また、原子炉の炉心に供給される冷却材の流量制御は、原子炉の外部ループに設けられた再循環ポンプの回転数を可変にすることによって行われている。
このように、制御棒の位置および冷却材流量の相関から、図4に示す原子炉出力炉心流量特性が得られている。
図4は、縦軸に原子炉出力を採り、横軸に炉心流量を採る原子炉出力炉心流量特性線図である。
この原子炉出力−炉心流量特性線図において、炉心に冷却材(給水)を供給する原子炉再循環ポンプの回転数を一定にし、制御棒を炉心から引き抜いていくと、原子炉出力は、運転曲線OC1に沿って変化する。
また、制御棒の位置を一定にし、再循環ポンプの回転数を増加させ、炉心流量を増加させると、原子炉出力は、運転曲線OC2に沿って増加する。
したがって、図4から、沸騰水型原子炉の運転状態は、炉心流量と原子炉出力との2つのパラメータに依拠していることがわかる。
尤、沸騰水型原子炉は、図4に示す運転曲線OC1,OC2上であれば、どの位置でも良好な運転が可能という訳ではなく、種々制限があり、その1つに炉心安定性がある。
炉心安定性は、原子炉出力の指標である中性子束の振動的な動きの収束性を示すものである。例えば、何らかの外乱によって中性子束が変化しても、1以下の減衰係数によって収束すれば、原子炉として支障はなく、特に減衰係数が小さければ小さいほど炉心安定性がよいとされている。
なお、減衰係数が1を超えると、原理的には中性子束のピーク値は、振動性を示しながら次第に大きくなる。
この炉心安定性は、定性的には原子炉高出力、低炉心流量の領域で悪くなる傾向にあり、図4上では、危険領域ARで炉心安定性が良くない。このため、仮に、当初、図4の運転曲線OC2上の運転位置OP1で運転している場合、原子炉再循環ポンプのうち、1台がトリップすると、炉心流量は著しく減少して運転位置OP2に移動し、安定性の良くない危険領域ARに突入する虞がある。
このような場合、そのまま放置すると、中性子束信号は、振動性を示しながらピーク値が上昇し、沸騰水型原子炉に備えている保護装置の中性子束高原子炉自動停止機能の設定値に達し、原子炉は自動停止される。
しかし、このとき、運転操作によって一部の制御棒のみを炉心に挿入すれば、運転曲線OC1に沿って運転位置OP3にシフトし、原子炉出力は低下するものの、炉心安定性は良好になり、原子炉の自動停止は回避される。
このような事象から、例えば、原子炉再循環ポンプが何らかの事情でトリップすると、運転員は、炉心への制御棒挿入を手動操作で行っていた。
しかし、制御棒挿入の手動操作には、時間的制約を受けるため、運転操作員の労苦を伴う。操作が不十分な場合、原子炉は自動停止し、稼働率が低下する等の支障が出る。
このような支障の回避策には、予め決められている選択制御棒を一斉に自動挿入する手法がある。
図5〜図7は、この手法を用いたときの原子力発電プラントの応答線図である。
原子力発電プラントの運転中、例えば、原子炉再循環ポンプが何らかの事情でトリップすると、図5に示すように、原子炉出力Pおよび炉心流量SQは減少していく。
原子炉出力Pおよび炉心流量SQが予め定められた値まで低下すると、原子力発電プラントは、選択制御棒挿入運転を開始する。
選択制御棒挿入運転が行われると、図6に示すように、炉心に対し、急激な反応度の変化を与え、この反応度変化に伴ってボイドが発生し、また、主蒸気MSの減少と相俟って給水流量FWが波打つように大きく変動しながら減少する。
給水流量FWが大きく変動しなが減少する間に、原子炉水位WLは、図7に示すように、予め設定されている低水位値(原子炉低スクラム設定値)LWLおよび高水位値(原子炉高スクラム設定値)HWLのいずれかに達し、時としてこれらの値LWL,HWLを超えて危険域に入り、保護装置(図示せず)が作動し、原子炉自体を自動停止させることがあった。
このような事象に対し、さらに改良を加えた技術として、例えば、特許文献1が開示されている。
この技術は、選択制御棒の自動挿入を段階的に行い、炉心に急激な反応度の変化を与えず、不要な原子炉自体の自動停止を防止したものである。
特開平5−249271号公報
特許文献1に開示された技術は、炉心に急激な反応度変化を与えず、選択制御棒の炉心への挿入を段階的に行うので、炉心安定性に寄与するものの、それでも幾つかの問題があり、その一つに段階的制御棒の炉心挿入時期の判断がある。
すなわち、早期に制御棒を炉心に挿入すると、原子炉水位の低下量が大きくなって、原子炉の保護装置が作動し、エネルギの無駄な浪費につながる。逆に、制御棒の炉心への挿入時期が遅れると、炉心安定性が確保、維持等ができない不安がある。
本発明は、このような点に対処してなされたもので、運転中、原子炉再循環ポンプに事故が発生し、このとき選択制御棒を炉心に挿入するにあたり、この挿入のタイミング段階的かつ効果的に行い、炉心に対し、急激な反応度の変化を与えず、不要な原子炉自動停止運転を回避する原子炉出力制御装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明に係る原子炉出力制御装置は、上述の目的を達成するために、原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路と、前記原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与える一方、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路とを備えたものである。
また、本発明に係る原子炉出力制御装置は、上述の目的を達成するために、原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路と、前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与える一方、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路とを備えたものである。
また、本発明に係る原子炉出力制御方法は、上述の目的を達成するために、原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別し、前記原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与え、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与えるものである。
また、本発明に係る原子炉出力制御方法は、上述の目的を達成するために、原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別し、前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与え、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与えるものである。
本発明に係る原子炉出力制御装置およびその方法は、原子炉圧力容器の炉水の水位変動を低くさせて原子炉に効率のよい、安定運転を行わせることができる。
以下、本発明に係る原子炉出力制御装置の実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
図1は、本発明に係る原子炉出力制御装置の第1実施形態を示す概略制御系統図である。
なお、本発明に係る原子炉出力制御装置は、選択制御棒の炉心への自動挿入を、2段階に分けて挿入することを例示として説明する。
例えば、発電用に適用する原子炉圧力容器1は、蒸気加減弁19、発電機20を備える蒸気タービン21、復水器22、給水ポンプ23を順次直列に接続し、原子炉圧力容器1内で発生した蒸気を蒸気加減弁19で流量制御した後、蒸気タービン21で膨張仕事をさせて発電機20を駆動し、膨張仕事後のタービン排気を復水器22で凝縮して復水、給水にし、この復水、給水を給水ポンプ23で圧送して原子炉圧力容器1に戻すランキンサイクルを構成している。
また、原子炉圧力容器1は、例えば、原子炉再循環系列をA系列,B系列の2系列に区分けし、各系列のそれぞれに原子炉再循環ポンプ2A,2Bを備えるとともに、A系列の原子炉再循環ポンプ2AおよびB系列の原子炉再循環ポンプ2BのそれぞれをA系列の再循環ポンプモータ3Aと、B系列の再循環ポンプモータ3Bとのそれぞれで駆動させるようにしている。
また、A系列の再循環ポンプモータ3AおよびB系列の再循環ポンプモータ3Bのそれぞれは、A系列の可変周波数電源装置4AとB系列の可変周波数電源装置4Bとのそれぞれからの三相交流によって駆動され、その電源ラインに、再循環ポンプ停止検出手段としてのA系列の再循環ポンプモータ電圧検出装置5AとB系列の再循環ポンプモータ電圧検出装置5Bとのそれぞれを備えている。
そして、A系列の再循環ポンプモータ電圧検出装置5AとB系列の再循環ポンプモータ電圧検出装置5Bとのそれぞれからの電圧信号は、A系列の再循環ポンプ停止検出装置6AとB系列の再循環ポンプ停止検出装置6Bとのそれぞれに入力させる構成にしている。
すなわち、各系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのそれぞれの停止を検出するのに、各系列の再循環ポンプモータ3A,3Bの電圧不足を検出する手法が採られ、各系列の再循環ポンプモータ電圧検出装置5A,5Bのそれぞれからの電圧信号が予め定められた設定電圧以下になったとき、各系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのそれぞれが停止したと判断し、各系列の再循環ポンプ停止検出装置6A,6Bのそれぞれから、各系列の再循環ポンプ停止信号7A,7Bのそれぞれとして選択制御棒挿入信号発生回路15に入力される。
さらに、各系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのそれぞれの吐出側ラインには、A系列の再循環駆動水流量検出器8AとB系列の再循環駆動水流量検出器8Bが設けられ、各系列再循環駆動水流量検出器8A,8Bのそれぞれの検出信号であるA系列の再循環駆動水流量信号9AとB系列の再循環駆動水流量信号9Bのそれぞれが選択制御棒挿入領域判定回路10に入力される。選択制御棒挿入領域判定回路10は、各系列の再循環駆動水流量信号9A,9Bの論理和を演算し、再循環駆動水流量を求めている。
一方、原子炉圧力容器1内には、中性子検出器11が設置されており、その検出信号は炉心熱出力測定装置12に入力され、この炉心熱出力測定装置12における演算信号が炉心熱出力信号13として選択制御棒挿入領域判定回路10に入力される。
選択制御棒挿入領域判定回路10から出力される選択制御棒挿入領域判定信号14と、上記各系列の再循環ポンプ停止検出装置6A,6Bからの再循環ポンプ停止信号7A,7Bとは、ともに選択制御棒装置信号発生回路15に入力される。
選択制御棒挿入信号発生回路15から出力される選択制御棒挿入信号16A,16Bは、原子炉圧力容器1に設けた制御棒駆動機構31に対し、それぞれ第1段制御棒、第2段制御棒の制御棒挿入指令を出力する。
また、原子炉水位検出器17から出力される原子炉水位信号18は、選択制御棒挿入信号発生回路15に入力され、選択制御棒挿入判定の補助信号に用いられる。
図2は、図1に示した選択制御棒挿入信号発生回路15の回路構成を示す制御ブロック図である。
図1で示した原子炉再循環ポンプ停止検出手段であるA系列,B系列それぞれの再循環ポンプ停止検出装置6A,6Bから出力された再循環ポンプ停止信号7A,7Bと、選択制御棒挿入領域判定回路10から出力された選択制御棒挿入領域判定信号14とが選択制御棒挿入信号発生回路15に入力される。
このとき、選択制御棒挿入信号発生回路15は、上述A系列の再循環ポンプ停止信号7AまたはB系列の再循環ポンプ停止信号7Bを入力して再循環ポンプ停止信号を出力するOR回路24と、このOR回路24からの出力信号と上述選択制御棒挿入領域判定信号14とが揃ったことを条件に、第1段選択制御棒挿入信号25を出力する第1AND回路26を備えている。
また、第1AND回路26を出力した第1段選択制御棒挿入信号25のうち、一部の第1段選択制御棒挿入信号25は、時間遅れ回路27を介して第2AND回路28に入力される。
第2AND回路28は、原子炉水位信号18としての実水位Lが予め定められた水位設定値L0を超えとき、ONする比較器29からの出力信号が揃ったことを条件に、第2段選択制御棒挿入信号30を出力する構成になっている。
なお、選択制御棒挿入領域判定回路10は、再循環駆動水流量信号9A,9Bの和である再循環駆動水流量信号と炉心熱出力信号13とに基づいて運転位置を判定する構成になっており、図3に示すように、再循環駆動水流量がW0以下で、原子炉出力がP0以上とする条件が成立し、運転位置が危険領域AR内の選択制御棒挿入領域にあると判定したときに、選択制御棒挿入領域判定信号14を出力する。
次に、本実施形態に係る構成に基づく作用を説明する。
今、例えば、2台の原子炉再循環ポンプ2A,2Bが運転されていて原子炉圧力容器1における冷却材が炉心に対して十分に確保され、制御棒が炉心から引き抜かれているとき、原子炉は正常の出力で運転されている。
このとき、再循環ポンプ停止検出装置6A,6Bからは、再循環ポンプ停止信号7A,7Bは出力されていない。また、再循環駆動水流量信号9A,9Bは、いずれも十分に炉水流量が確保されているので、二つの流量信号が加算された再循環駆動水流量信号も大きくなっている。
この状態における原子炉圧力容器1の運転の安定性が良好であり、運転位置は図3に示す危険領域AR以外の位置であり、選択制御棒挿入領域判定信号14は出力されない。
このときの原子炉圧力容器1は、図4に示す運転曲線OC2上の、例えば運転位置OP2で運転されている。
ここで、A系列,B系列、合計2台の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのうち、例えばA系列の原子炉再循環ポンプ2AがA系列の可変周波数電源装置4Aの故障によって停止した場合を仮定する。
A系列の可変周波数電源装置4Aの故障によって再循環ポンプモータ3Aへの電圧が降下、あるいは喪失すると、原子炉再循環ポンプ2Aは、速度の低下、あるいは停止し、A系列における再循環駆動水流量が減少する。
A系列の再循環ポンプモータ3Aに供給される電圧が降下、あるいは喪失すると、再循環ポンプモータ電圧検出装置5Aは、検出した信号を再循環ポンプ停止検出装置6Aに送られる。この電圧信号が予め定められた設定電圧以下になると、A系列の再循環ポンプ停止検出装置6Aは、原子炉再循環ポンプ2Aが停止したと判断し、再循環ポンプ停止信号7Aを選択制御棒挿入信号発生回路15に出力する。
また、原子炉圧力容器1内では、A系列の原子炉再循環ポンプ2Aの停止に伴う再循環駆動水流量の低下により、冷却材の再循環流量が減少するので原子炉出力が低下する。このため、原子炉圧力容器1は、図4に示すように、運転曲線OC1の運転位置OP2に移行し、炉心安定性を悪くする。
A系列の再循環起動水流量の低下は、再循環駆動水流量検出器8Aで検出し、再循環駆動水流量信号9Aとして選択制御棒挿入領域判定回路10に出力され、ここで、正常流量のB系列の再循環駆動水流量信号9Bに加算される。
この場合、再循環駆動水流量信号は、B系列の原子炉再循環ポンプ2Bからの再循環駆動水流量信号9Bが大部分であるから、正常運転時に較べて少なくなっている。
また、原子炉再循環ポンプ2Aの故障に伴って低下した原子炉出力は、中性子検出器11で検出され、炉心熱出力測定装置12から炉心熱出力信号13として選択制御棒挿入領域判定回路10に出力される。
選択制御棒挿入領域判定回路10では、再循環駆動水流量信号と低下した炉心熱出力信号13から、運転位置が図3に示す危険領域ARに入ったと判定し、その危険信号である選択制御棒挿入領域判定信号14を選択制御棒挿入信号発生回路15に出力する。
選択制御棒装置信号発生回路15では、図2に示すように、先に入力したA系列の再循環ポンプ停止信号7AがOR回路24を経て第1AND回路26に入力され、さらに選択制御棒挿入領域判定信号14が第1AND回路26に入力されていることから、論理積が演算され、第1段選択制御棒挿入信号25(選択制御棒挿入信号16A)を演算する。
また、第1段選択制御棒挿入信号25のうち、一部の第1段選択制御棒挿入信号25は、予め定められた時間t1経過後に作動する時間遅れ回路27を経て第2AND回路28に入力される。その一方、原子炉水位信号18が選択制御棒挿入信号発生回路15に入力され、比較器29で原子炉水位信号18としての実水位Lが設定水位L0と比較される。比較器29で、実水位Lが設定水位L0を超え、かつt1時間経過後、時間遅れ回路27からの第1段選択制御棒挿入信号が入力されて揃ったことを条件に、第2AND回路28は第2段選択制御棒挿入信号30(選択制御棒挿入信号16B)を演算する。
このように、本実施形態は、A系列およびB系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのうち、例えば、A系列の原子炉再循環ポンプ2Aがトリップしたとき、炉心に対し、選択制御棒を時間遅れを伴う2段階に分けて緊急挿入するので、図4に示すように、炉心安定性の悪い危険領域ARの運転位置OP2より運転曲線OC1に沿って炉心安定性のよい運転位置OPに段階的にシフトさせることができる。
したがって、本実施形態によれば、複数系列のうち、例えば1つの系列の原子炉再循環ポンプがトリップしても、危険領域ARから安定領域に段階的にシフトさせる制御手段を備えたので、炉内に発生する急激な負の反応度の増加と、これに伴って発生するボイドの急激な減少および原子炉水位変動、給水系の外乱等を抑制し、原子炉圧力容器1に安定運転を行わせることができる。
なお、運転状態が図4に示す運転位置OP2が運転位置OP3まで移動すると、炉出力の低下に伴い炉心熱出力信号13が低下し、図3に示す原子炉出力P0を下回ることになる。このため、選択制御棒挿入領域判定回路10内に組み込まれている図3に示す原子炉出力−再循環駆動水流量線図における危険領域AR内に運転位置があるとした判定が消滅し、第1段選択制御棒挿入信号25(選択制御棒挿入信号16A)、第2段選択制御棒挿入信号30(選択制御棒挿入信号16B)はリセットされる。
通常、正常運転中の原子炉圧力容器において、選択制御棒の挿入による急激な負の反応度の増加は、ボイドの急激な減少を引き起し、原子炉圧力容器水位の変動と給水系の外乱の原因になっている。つまり、原子炉再循環ポンプ2A,2Bのトリップ時、炉水流量の減少、ボイドの増加、原子炉圧力容器水位の上昇、給水流量の減少、選択制御棒挿入に伴う反応度低下、ボイドの減少、原子炉圧力容器水位の低下、給水流量の増加等の事象が発生する。
しかし、このような事象は、不安定な運転領域を脱するのに必要な制御棒の全数を一度に挿入するのに較べ、ある時間差を持って何段階かに分けて選択制御棒を炉心シュラウドに挿入することによって大幅に緩和される。
このような手法を採ると、制御棒の全数同時挿入に較べ、最初に挿入する制御棒の本数が少なくなることから、ボイドの急激な減少による原子炉圧力容器水位の低下量は少なくなり、また、残りの制御棒の原子炉圧力容器水位の上昇過程で挿入し、ボイドの減少に伴う原子炉圧力容器水位の上昇を抑制することができる。
なお、本実施形態では、選択制御棒の炉心シュラウドへの挿入を2段階に分けた場合について説明したが、この例に限らず、3段階以上にすることは容易であり、その回路構成として上述選択制御棒挿入信号発生回路15に組み込む第2段制御棒設定挿入の数を増加すればよい。
また、本実施形態では、原子炉再循環ポンプ2A,2Bの停止を検出する場合、再循環ポンプモータ3A,3Bに供給される電圧を再循環ポンプモータ電圧検出装置5A,5Bで検出しているが、この例に限らず、例えば、電流検出装置、電力検出装置、あるいはこれらを組み合せてもよい。
また、本実施形態では、原子炉再循環ポンプ2A,2Bの停止を検出する場合、再循環ポンプモータ3A,3Bに供給される電圧を再循環ポンプモータ電圧検出装置5A,5Bで検出し、検出された電圧信号が予め定められた設定電圧以下になったとき、各系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのそれぞれが停止したと判断し、各系列の再循環ポンプ停止検出装置6A,6Bのそれぞれから各系列の再循環ポンプ停止信号7A,7Bのそれぞれとして選択制御棒挿入信号発生回路15に出力し、ここで演算して選択制御棒挿入信号16A,16B、具体的には時間遅れの伴った第1段選択制御棒挿入信号25、第2段選択制御棒挿入信号30を、順次、制御棒起動機構31に与えているが、この例に限らず、例えば、図8に示すように、制御棒駆動機構31に時間遅れを伴って第1段選択制御棒挿入信号25(選択制御棒挿入信号16A)、第2段選択制御棒挿入信号30(選択制御棒挿入信号16B)を順次与える際、各系列に設けた再循環駆動水流量検出器8A,8Bのそれぞれから検出した再循環駆動水流量信号9A,9Bを利用し、これら流量信号9A,9Bが予め定められた設定流量よりも低いとき、各系列の原子炉再循環ポンプ2A,2Bのそれぞれが停止したと判断し、各系列の再循環ポンプ停止検出装置32A,32Bのそれぞれから各系列の再循環ポンプ停止信号33A,33Bのそれぞれとして選択制御棒手挿入信号発生回路15に出力し、ここで図2に示した回路を用いて第1段選択制御棒挿入信号25、第2段選択制御棒挿入信号30を、順次、演算させてもよい。
図9は、本発明に係る原子炉出力制御装置のうち、選択制御棒挿入信号発生回路15の第2実施形態を示す概略制御ブロック図である。
なお、第1実施形態の構成要素と同一構成要素には、同一符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態に係る選択制御棒挿入信号発生回路15は、A系列の原子炉再循環ポンプおよびB系列の原子炉再循環ポンプのうち、少なくともいずれか一方の停止等があり、第1段選択制御棒挿入信号25(選択制御棒挿入信号16A)、第2段選択制御棒挿入信号30(選択制御棒挿入信号16B)を順次、時間遅れを伴って制御棒駆動機構31に送る制御系統に時間t1経過後、ONする時間遅れ回路27と、第1段選択制御棒挿入信号25によって原子炉水位が著しく低くなり過ぎて、予め定められた設定水位L0に回復するまで時間を要するとき、時間t2(但し、t2>t1)経過後、ONする第2時間遅れ回路34と、この第2時間遅れ回路34からの出力と通電させる第2段選択制御棒挿入信号30として制御棒駆動機構31に与える第2OR回路35とを設けたものである。
すなわち、本実施形態は、図2で示した第1実施形態と同様に、A系列の再循環ポンプ停止検出装置6Aからの再循環ポンプ停止信号7AまたはB系列の再循環ポンプ停止検出装置6Bからの再循環ポンプ停止信号7Bのいずれかの信号と、選択制御棒挿入領域判定回路10からの選択制御棒挿入領域判定信号14とが揃ったことを条件に第1段選択制御棒挿入信号25が第1AND回路26から制御棒駆動機構31に与えられる。
また、本実施形態は、第1AND回路26を通電した第1段選択制御棒挿入信号25の一部を時間t1経過後、ONする時間遅れ回路27に与える。
このとき、比較器29に与えられた実水位Lである原子炉水位信号18が設定水位L0を超えているとき、この原子炉水位信号18と上述時間遅れ回路27をONした第1段選択制御棒挿入信号25とが揃ったことを条件に第2AND回路28からの第2段選択制御棒挿入信号30が制御棒起動機構31に与えられる。
しかし、制御棒駆動機構31に送られた第1段選択制御棒挿入信号25によって、原子炉水位が予め定められた設定水位L0よりも著しく低下し、設定水位L0に回復するまで時間を要する場合、本実施形態では、第2AND回路28の出力を待つまでもなく、時間t2経過後、ONした第2時間遅れ回路34からの第2段選択制御棒挿入信号30を制御棒駆動機構31に与えている。
本実施形態は、起動運転時、原子炉圧力容器1の炉水から発生するボイドが多い場合、第1段選択制御棒挿入信号25が制御棒駆動機構31に与えられると、炉水の水位が著しく低下することに着目したもので、第2AND回路28の出力を待つまでもなく、第2時間遅れ回路34からの第2段選択制御棒挿入信号30を第2OR回路35を介して制御棒駆動機構31に与え、炉水の水位低下をより早く設定水位に回復させたものである。
一般に、原子炉出力が不安定運転領域に入ると、中性子束から振動が発生し、この発生時間も実運転データや実験による解析からも知られている。
本実施形態は、このような情報を基に、第2時間遅れ回路34、第2OR回路35を選択制御棒挿入信号発生回路15に組み入れるとともに、第2時間遅れ回路34のON作動時間を上述の情報に基づいて設定しているので、炉水の水位安定確保とともに、中性子束からの振動の発生を確実に抑制することができる。
図10は、本発明に係る原子炉出力制御装置のうち、選択制御棒挿入信号発生回路15の第3実施形態を示す概略制御ブロック図である。
なお、第1実施形態の構成要素と同一構成要素には、同一符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態に係る選択制御棒挿入信号発生回路15は、図2に示した制御回路のうち、実水位Lとしての原子炉水位信号18と、設定水位L0とを比較する比較器29に代えて給水ポンプ23から原子炉圧力容器1に送られる給水FWの給水流量信号と、原子炉圧力容器1から蒸気タービン21に送られる主蒸気MSの主蒸気流量信号との偏差を演算する偏差演算回路36と、この偏差演算回路36からの偏差流量Qが予め定められた設定流量Q0を超えているときに出力し、この出力と時間遅れ回路27からの出力とが揃ったことを条件に第2段選択制御棒挿入信号30を第2AND回路28から制御棒駆動機構31に与える流量比較器37を設けたものである。
なお、他の制御回路は、図2に示した制御回路と同じである。
このように、本実施形態は、給水FWの流量と主蒸気MSの流量とから偏差を演算する偏差演算回路36と、偏差流量Qが設定流量Q0を超えているとき、第2段選択制御棒挿入信号30の制御駆動機構31への出力を許可する流量比較器37を備え、原子炉圧力容器1の炉水量のインベントリを監視しながら第2段選択制御棒挿入信号30を制御棒駆動機構31に出力する構成にしているので、インベントリとして炉水の降下中に許可しないことになり、不必要な原子炉圧力容器1の炉水の低下を抑制することができ、原子炉再循環ポンプ2A,2Bに予期せぬトリップが発生しても、より早く原子炉の水位の安定確保を図ることができる。
1 原子炉圧力容器
2A,2B 原子炉再循環ポンプ
3A,3B 再循環ポンプモータ
4A,4B 可変周波数電源装置
5A,5B 再循環ポンプモータ電圧検出装置
6A,6B 再循環ポンプ停止検出装置
7A,7B 再循環ポンプ停止信号
8A,8B 再循環駆動水流量検出器
9A,9B 再循環駆動水流量信号
10 選択制御棒挿入領域判定回路
11 中性子検出器
12 炉心熱出力測定装置
13 炉心熱出力信号
14 選択制御棒挿入領域判定信号
15 選択制御棒挿入信号発生回路
16A,16B 選択制御棒挿入信号
17 原子炉水位検出器
18 原子炉水位信号
19 蒸気加減弁
20 発電機
21 蒸気タービン
22 復水器
23 給水ポンプ
24 OR回路
25 第1段選択制御棒挿入信号
26 第1AND回路
27 時間遅れ回路
28 第2AND回路
29 比較器
30 第2段選択制御棒挿入信号
31 制御棒駆動機構
32A,32B 再循環ポンプ停止検出装置
33A,33B 再循環ポンプ停止信号
34 第2時間遅れ回路
35 第2OR回路
36 偏差演算回路
37 流量比較器
2A,2B 原子炉再循環ポンプ
3A,3B 再循環ポンプモータ
4A,4B 可変周波数電源装置
5A,5B 再循環ポンプモータ電圧検出装置
6A,6B 再循環ポンプ停止検出装置
7A,7B 再循環ポンプ停止信号
8A,8B 再循環駆動水流量検出器
9A,9B 再循環駆動水流量信号
10 選択制御棒挿入領域判定回路
11 中性子検出器
12 炉心熱出力測定装置
13 炉心熱出力信号
14 選択制御棒挿入領域判定信号
15 選択制御棒挿入信号発生回路
16A,16B 選択制御棒挿入信号
17 原子炉水位検出器
18 原子炉水位信号
19 蒸気加減弁
20 発電機
21 蒸気タービン
22 復水器
23 給水ポンプ
24 OR回路
25 第1段選択制御棒挿入信号
26 第1AND回路
27 時間遅れ回路
28 第2AND回路
29 比較器
30 第2段選択制御棒挿入信号
31 制御棒駆動機構
32A,32B 再循環ポンプ停止検出装置
33A,33B 再循環ポンプ停止信号
34 第2時間遅れ回路
35 第2OR回路
36 偏差演算回路
37 流量比較器
Claims (10)
- 原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路と、前記原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与える一方、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路とを備えたことを特徴とする原子炉出力制御装置。
- 原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別する選択制御棒挿入領域判定回路と、前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与える一方、前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与える選択制御棒挿入信号発生回路とを備えたことを特徴とする原子炉出力制御装置。
- 前記選択制御棒挿入信号発生回路は、原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化および前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量変化のうち、いずれか一方と選択制御棒挿入領域判定回路からの出力とが揃ったことを条件に第1段選択制御棒挿入信号を演算する回路と、前記演算された第1段選択制御棒挿入信号と原子炉炉水の水位が予め定められた設定水位よりも高いときに比較器から出力される原子炉水位信号とが揃ったことを条件に第2段選択制御棒挿入信号を演算する回路と、この第2段選択制御棒挿入信号を前記第1段選択制御棒挿入信号よりも時間遅れを伴って演算する時間遅れ回路とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の原子炉出力制御装置。
- 前記第2段選択制御棒挿入信号に優先させて前記第1段選択制御棒挿入信号を制御棒駆動機構に与える回路を備えたことを特徴とする請求項3記載の原子炉出力制御装置。
- 前記第2段選択制御棒挿入信号に優先させて前記第1段選択制御棒挿入信号を制御棒駆動機構に与える回路は、時間遅れ回路を備えたことを特徴とする請求項4記載の原子炉出力制御装置。
- 前記選択制御棒挿入信号発生回路は、原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化および前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量変化のうち、いずれか一方と選択制御棒挿入領域判定回路からの出力とが揃ったことを条件に第1段選択制御棒挿入信号を演算する回路と、前記演算された第1段選択制御棒挿入信号と、前記原子炉圧力容器に供給される冷却材の流量と前記原子炉圧力容器から発生する主蒸気流量との偏差を演算し、この偏差演算信号が予め定められた設定流量よりも高いときに出力する信号とが揃ったことを条件に第2段選択制御棒挿入信号を演算する回路と、この第2段選択制御棒挿入信号を前記第1段選択制御棒挿入信号よりも時間遅れを伴って演算する時間遅れ回路とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の原子炉出力制御装置。
- 原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別し、
前記原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与え、
前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与えることを特徴とする原子炉出力制御方法。 - 原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化および炉心熱出力変化に基づいて危険運転領域に入っているかを判別し、
前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量の変化に基づいて第1段選択制御棒挿入信号を演算して制御棒駆動機構に与え、
前記選択制御棒挿入領域判定回路からの出力と前記原子炉圧力容器の炉水の水位変化とに基づいて前記制御棒駆動機に前記第1段選択制御棒挿入信号に時間遅れを伴って第2段選択制御棒挿入信号を演算して与えることを特徴とする原子炉出力制御方法。 - 原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化および前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量変化のうち、いずれか一方と選択制御棒挿入領域判定回路からの出力とが揃ったことを条件に第1段選択制御棒挿入信号を演算し、
前記演算された第1段選択制御棒挿入信号と原子炉炉水の水位が予め定められた設定水位よりも高いときに比較器から出力される原子炉水位信号とが揃ったことを条件に第2段選択制御棒挿入信号を演算し、
この第2段選択制御棒挿入信号を前記第1段選択制御棒挿入信号よりも時間遅れを伴って演算することを特徴とする請求項7または8記載の原子炉出力制御方法。 - 原子炉再循環ポンプを駆動する再循環ポンプモータに与えられる電気量の変化および前記原子炉再循環ポンプから原子炉圧力容器に供給される冷却材流量変化のうち、いずれか一方と選択制御棒挿入領域判定回路からの出力とが揃ったことを条件に第1段選択制御棒挿入信号を演算し、
前記演算された第1段選択制御棒挿入信号と、前記原子炉圧力容器に供給される冷却材の流量と前記原子炉圧力容器から発生する主蒸気流量との偏差を演算し、この偏差演算信号が予め定められた設定流量よりも高いときに出力する信号とが揃ったことを条件に第2段選択制御棒挿入信号を演算し、
この第2段選択制御棒挿入信号を前記第1段選択制御棒挿入信号よりも時間遅れを伴って演算することを特徴とする請求項7または8記載の原子炉出力制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101903073B1 (ko) | 2016-12-22 | 2018-10-01 | 한국전력기술 주식회사 | 원자로냉각재펌프 1대 상실 시 원자로 정지 방지 장치 및 방법 |
JP2020153752A (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子炉出力制御装置 |
CN114038598A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-02-11 | 山东核电有限公司 | 一种非能动核电厂的控制装置系统及方法 |
-
2006
- 2006-02-28 JP JP2006053955A patent/JP2007232541A/ja active Pending
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JP2020153752A (ja) * | 2019-03-19 | 2020-09-24 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子炉出力制御装置 |
JP7076394B2 (ja) | 2019-03-19 | 2022-05-27 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子炉出力制御装置 |
CN114038598A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-02-11 | 山东核电有限公司 | 一种非能动核电厂的控制装置系统及方法 |
CN114038598B (zh) * | 2021-11-04 | 2024-04-26 | 山东核电有限公司 | 一种非能动核电厂的控制装置系统及方法 |
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