JP3871733B2 - 原子炉の炉心監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉を運転するうえで遵守すべき運転制御値を適切に計算し炉心の運転状況を監視する原子炉の炉心監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉を運転する際には、通常運転時において原子炉の安全性を保つための様々な制限値を遵守する必要がある。また原子炉内に、冷却材の流量変化や炉心内の温度や圧力の変化等の何らかの過渡変化が発生した場合においても、原子炉の安全性を保つための制限値を遵守する必要がある。
【0003】
特に燃料の破損に関わる制限値の代表的なものとして、線出力密度(Linear Heat Generation Rate ;以下LHGRという。)と限界出力比(Critical Power Ratio;以下CPRという。)が挙げられる。LHGRとは燃料棒の単位長さあたりの発熱量をさす。またCPRは、燃料集合体のある点において沸騰遷移を生じさせる燃料集合体出力(限界出力と呼ばれる。)と実際の燃料集合体出力との比である。
【0004】
一般的な原子炉においては、LHGRについては、燃料被覆管と燃料ペレットの機械的相互作用による被覆管の破損等を防止する観点から「燃料被覆管に1%の円周方向の平均塑性歪が生じる線出力密度」以下となるよう、炉心の最高線出力密度を制限している。またCPRについては、熱伝達の悪化による燃料被覆材の焼損等を防止する観点から、「炉心内燃料の99.9%以上が沸騰遷移を起こさない」ように、炉心内の最小限界出力比を制限している。こうして定められたLHGRやCPRの基準値、つまり上述の最高線出力密度及び最小限界出力比のことを安全限界値という。定格出力における定常運転状態でこれらの安全限界値を遵守していれば、燃料の健全性が損なわれることはない。
【0005】
一般に原子炉運転中に何らかの過渡変化が発生した場合、LHGRやCPRは一時的に悪化する。すなわちLHGRは一時的に増加し、CPRは一時的に減少する。よって、原子炉の安全性を保つための制限値としては、過渡変化時に一時的に悪化する量を考慮して、上記の安全制限値よりも厳しい制限値を設定する必要がある。以後この厳しい制限値のことを運転制限値と呼ぶ。
【0006】
従来、原子炉の運転制御においては、LHGRやCPRに関する運転制御値は、運転を行う前の事前解析によって決定されている。すなわち、炉心状態によって変化する条件については、ある典型的な、かつ十分余裕をもった条件を仮定して、過渡変化を想定した場合の炉心装置を動特性方程式等を用いた解析により模擬して、運転制限値を求めていた。以後過渡変化を想定した場合の動特性方程式等を用いた解析のことを過渡解析と呼ぶ。
【0007】
しかし、実際の原子炉運転においては、過渡解析に用いる条件に十分な余裕をもたせた結果、運転制限値が必要以上に厳しくなり、効率の良い原子炉の運転を妨げている場合があった。ここでいう過渡解析に用いる条件の代表的なものとしては、過渡変化時のスクラムによる印加反応度(以後スクラム反応度と呼ぶ。)や炉心の反応度係数が挙げられる。
【0008】
このスクラム反応度を縦軸にとり、制御棒挿入割合を横軸にとったものをスクラム反応度曲線という。図4はスクラム反応度曲線の一例を示すグラフである。図4に示されるように、一般に制御棒挿入割合を0%から徐々に増加させると、すなわち制御棒を徐々に挿入すると、それに伴ってスクラム反応度は減少する。このスクラム反応度曲線は、炉内の軸方向の出力分布によって変わるため、事前解析において一意に決定することができない。
【0009】
よって事前解析においてはある典型的なスクラム反応度曲線を選択し、さらに保守性をもたせるために、この選択されたスクラム反応度曲線に一定のマージンを付加した、より厳しい条件となるスクラム反応度曲線を過渡解析の条件としている。また炉心の反応度係数についても、例えば、炉心内のボイド率が大きくなり反応度の厳しくなる炉心の燃焼末期における値を代表させ、さらにマージンを考慮して過渡解析の条件としている。
【0010】
図4に示したグラフのうち、実線で示される曲線8は事前解析において過渡解析の条件としているスクラム反応度曲線の一例である。また破線で示される曲線9は実運転中のスクラム反応度曲線の一例である。
【0011】
ここで、スクラム反応度曲線の特性を表す量としてスクラム指標を考える。スクラム指標とは、制御棒挿入割合を0%から50%まで引き上げたときに炉心に投入される反応度のことである。例えばスクラム反応度曲線8に対するスクラム指標とは、曲線8により囲まれた、図中斜線で示される領域10の積分値である。また、図5はスクラム指標に対する過渡変化時におけるCPRの減少量の一例を示すグラフである。このグラフからもわかるように、スクラム指標の値が大きいほど、CPRの減少量は小さくなる。またこのときLHGRの増加量は小さくなる
【0012】
図4におけるスクラム反応度曲線8、9に対応するスクラム指標は、それぞれ0.32と0.7である。よって図5によれば、過渡解析の条件としているスクラム反応度曲線8においてはCPRの悪化量すなわち減少量は0.27であるのに対し、実運転中のスクラム反応度曲線9においてはCPRの悪化量は0.12である。つまりこの例に示される結果によれば、現状でのCPRの悪化量は0.15もの余裕(マージン)を有しており、それだけ過渡変化における条件としてはかなり厳しいものであるといえる。
【0013】
その他にも、例えば炉心内計装系のバイパス状態についても、過渡解析においては厳しい条件を設定し、大きな余裕を確保している。
このような運転制限値は、例えば炉心の設計等に際して一つの制約条件として考慮される。もしCPRに対する運転制限値が上述した厳しい条件と比べてより緩やかであれば、それだけ炉心設計に関する自由度が高まる。よってこの場合、運転制限値の許容範囲内で反応度の高い燃料集合体を炉心内に集中して配置する等の設計を行うことにより、中性子経済の高い炉心を設計することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の原子炉の炉心監視装置においては、上述した運転を行う前の事前解析により決定した運転制限値に基づいて、実運転中の制限値の推移を監視している。このため、実際の運転制限値に対して大きな余裕(マージン)をもたせた運転を行うことが余儀なくされていた。つまり従来の原子炉の炉心監視装置は、経済性の高い運転を行うという観点においては、かなり厳しい制限を有するといえる。
【0015】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、リアルタイムで当該時点において適切な運転制限値を計算することで、原子炉の運転制限値に対し従来考慮されていた大きな余裕(マージン)を適切な範囲内で低減し、より経済性の高い原子炉運転を行うことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データを保存する記憶手段と、この記憶手段の情報に基づいて炉心性能計算を行う炉心性能計算手段と、前記記憶手段に保存された実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データに基づいて燃料の線出力密度及び限界出力比の安全限界値を計算する安全限界値計算手段とを具備する原子炉の炉心監視装置であって、前記炉心性能計算手段及び前記記憶手段の情報に基づいて過渡解析を行い当該時点の線出力密度、限界出力比及びこれらの変化量を計算する過渡解析計算手段と、この過渡解析計算手段及び前記安全限界値計算手段で実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データを用いて計算された当該時点の情報に基づいて通常運転時に遵守すべき燃料の線出力密度及び限界出力比の運転制限値を計算する運転制限値計算手段を具備することを特徴とする原子炉の炉心監視装置を提供する。
【0017】
この構成により、運転履歴を保存することによって原子炉運転中にオンライン・リアルタイム処理によって当該時点における適切な運転計算値を計算する。この原子炉の炉心監視装置の過渡解析計算手段は、実機のプロセスデータ及び運転履歴を用いて動特性方程式による過渡解析を行う手段を具備する。
【0018】
また、過渡解析計算手段は、入力される情報に基づいて特に過渡解析を行う必要性の高い事象を選択して選択的に過渡解析を行うよう設定してもよい。
さらに、この原子炉の炉心監視装置に原子炉運転補助手段を具備することにより、炉心状態の運転制限値に対する余裕が規定値より小さくなった場合や運転制限値を逸脱した場合に、制御棒の選択挿入や炉心流量の減量の指令を発するように設定してもよい。あるいはこの場合に警報を発生し状況を運転員に知らせるよう設定してもよい。
【0019】
この構成により、適切な制御を行うことによって運転制限値からの逸脱を回避する。
さらに、この原子炉の炉心監視装置に、事前解析によって予め求められた運転制限値を与える運転制限値代替計算手段を具備することにより、炉心状態の変化が小さいときには運転制限値計算手段において前記運転制限値の計算を行い、炉心状態の変化が大きいときには前記運転制限値代替計算手段によって前記運転制限値を与えるように設定してもよい。
この構成により、過渡解析計算に時間を要するような場合でも常にリアルタイムで適切な運転制限値を与えることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は第1の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置は、実機のプロセスデータや運転履歴、また燃料等の原子炉構成要素に関する初期データを保存するデータ記憶手段1と、このデータ記憶手段1と接続され炉心性能計算を行う炉心性能計算手段2と、データ記憶手段1と接続され安全限界値を計算する安全限界値計算手段3と、データ記憶手段1及び炉心性能計算手段2と接続され過渡事象を想定した場合のCPRやLHGRの変化量を計算する過渡解析計算手段4と、さらにこの計算結果及び安全限界値計算手段3の情報に基づきCPRやLHGRの運転制限値を計算する運転制限値計算手段5とから構成される。
【0021】
原子炉運転中に定期的に、例えば数時間毎に、実機の炉心のプロセスデータをデータ記憶手段1から過渡解析計算手段4へ入力する。このプロセスデータとしては、当該時点での炉心出力、炉心内冷却材流量等がある。またさらに詳細なプロセスデータとしてはこれらに加えて炉心内出力分布等が必要とされる。しかし、炉心内出力分布については一般的には炉内計装系によるプロセスデータのみから得られるものではなく、炉心性能計算手段2により出力分布計算を行う必要がある。
【0022】
炉心性能計算手段2においては炉心の出力分布の他に、燃焼度分布やボイド分布等が計算される。また燃料の燃焼度等から、炉心の反応度係数やギャップコンダクタンス等の物性値を求める。こうして炉心性能計算手段2の計算結果は、実機プロセスデータとともにデータ記憶手段1に保存される。
【0023】
また、過渡解析計算手段4では、当該時点において過渡変化の発生を想定した場合のCPRやLHGRの変化量を計算する。こうした過渡解析は、オンラインで過渡解析計算手段4に入力される実機のプロセスデータをもとに、動特性方程式やプラントの制御特性を用いた動特性解析コードによる計算により行う。
【0024】
さらに運転制限値計算手段5において、過渡解析計算手段4で求められたCPRやLHGRの変化量を、安全限界値計算手段3により与えられる安全限界値に上乗せして、当該時点の運転制限値を求めることができる。
【0025】
この構成により、本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置によって、定期的にプロセスデータから当該時点の運転制限値を求めることができる。またこうして求められた運転制限値は、従来の事前解析により求められる運転制限値と比較してマージンが少ない。従って運転中に運転状況に即したより妥当な運転制限値を得ることができる。
【0026】
また本実施形態の変形例として、過渡解析計算手段4において、CPRやLHGRの変化量に限らず、より広範囲にわたり詳細に過渡解析を行うことが考えられる。すなわち過渡解析計算手段4においては、実機プロセスデータや、炉心性能計算手段2において計算された炉心の出力分布、燃焼度分布やボイド分布等の結果に基づいて、いくつかの、例えば制御棒誤引き抜きや発電機負荷遮断を想定した過渡解析を行い、CPR、LHGRの変化量に加えて、出力分布の変化、燃料被覆管温度の変化やボイド率の変化等を求める。
【0027】
また、過渡解析計算手段4においては想定されるいくつかの過渡事象に対して過渡解析を行うが、過渡事象を選択し特定の事象に対してのみ過渡解析を行うよう設定することも考えられる。この際には、種々の炉心状態に対して、燃料の健全性を確保するうえで厳しくなる過渡事象を過渡解析計算手段4に予め設定しておく。そして過渡解析計算手段4に入力される種々のデータに基づいて特に過渡解析を行う必要性の高い事象を選択し、選択的に過渡解析を行う。例えば、最小限界出力比の減少量すなわち悪化量が増大し燃料の健全性確保が厳しくなる事象としては、燃焼の初期においては給水加熱喪失、また燃焼の末期においては発電機負荷遮断が挙げられる。このような選択的過渡解析により、解析に要する計算時間を短縮することができる。
【0028】
以下本発明の第2の実施形態について図面を参照して説明する。尚、第1の実施形態と同等の構成部分については同一符号を付し詳細な説明を省略する。図2は第2の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
【0029】
本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置は、実機のプロセスデータや運転履歴、また燃料等の原子炉構成要素に関する初期データを保存するデータ記憶手段1と、このデータ記憶手段1と接続され炉心性能計算を行う炉心性能計算手段2と、データ記憶手段1と接続され当該時点の安全限界値を与える安全限界値計算手段3と、データ記憶手段1及び炉心性能計算手段2と接続され過渡事象を想定した場合のCPRやLHGRの変化量を計算する過渡解析計算手段4と、さらにこの計算結果及び安全限界値計算手段3の情報に基づきCPRやLHGRの運転制限値を計算する運転制限値計算手段5とを具備する。またこれらの手段に加えて、炉心性能計算手段2及び運転制限値計算手段4と接続され、炉心のCPRやLHGRが過度に悪化したときに警報を発生しまたこれらの悪化量を改善するために制御棒挿入等の操作を行う原子炉操作補助手段6を具備する。
【0030】
本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置に関しては、原子炉操作補助手段6を除いた部分の構成は、第1の実施形態と同様である。
過渡解析計算手段4では定期的に過渡計算が行われる。原子炉操作補助手段6は、この過渡解析計算手段4により得られた当該時点のCPRやLHGRと、計算手段3から得られた運転制限値とを比較する。この結果、当該時点のCPRとLHGRの少なくとも一つが運転制限値を逸脱しているときには、原子炉操作補助手段6により警報を発生し、この逸脱を運転員に知らせる。さらに、原子炉操作補助手段6の発信する指令信号によって制御棒の挿入あるいは炉心流量の減量の操作を行う。こうした制御操作により、CPRやLHGRを適切に制御し運転制限値からの逸脱を回避する。
【0031】
こうした制御操作に伴って運転制限値は変化する。そのため、制御棒挿入や炉心流量変化等の操作を行う前に、炉心性能計算手段2によって操作後の炉心状態の予測計算を行う。さらにこの予測計算の結果に基づいて過渡解析計算手段4により再び運転制限値の計算を行い、制御棒挿入や炉心流量減少の操作が妥当であることを確認する。
【0032】
この構成により、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、CPRやLHGRが運転制限値を逸脱した場合には早期にその逸脱を検知しまた逸脱を回避する措置をとることができる。
【0033】
また本実施形態の変形例として、原子炉操作補助手段6が作動する条件を、CPRやLHGRが悪化して、運転制限値との差が予め定めた規定値より小さくなった時点とすることも考えられる。すなわちこの方法では、CPRやLHGRが運転制限値を逸脱する前に警報を発し所定の操作を行うことにより、より確実に炉心の安全性を維持することができる。
【0034】
以下本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。尚、第1または第2の実施形態と同等の構成部分については同一符号を付し詳細な説明を省略する。図3は第3の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
【0035】
本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置は、実機のプロセスデータや運転履歴、また燃料等の原子炉構成要素に関する初期データを保存するデータ記憶手段1と、このデータ記憶手段1と接続され炉心性能計算を行う炉心性能計算手段2と、データ記憶手段1と接続され当該時点の安全限界値を与える安全限界値計算手段3と、データ記憶手段1及び炉心性能計算手段2と接続され過渡事象を想定した場合のCPRやLHGRの変化量を計算する過渡解析計算手段4と、さらにこの計算結果及び安全限界値計算手段3の情報に基づきCPRやLHGRの運転制限値を計算する運転制限値計算手段5とを具備する。またこれらの手段に加えて、データ記憶手段1及び炉心性能計算手段2と接続され、事前解析による運転制限値の代替値を与える運転制限値代替計算手段7を具備する。
【0036】
本実施形態に係る原子炉の炉心監視装置に関しては、運転制限値代替計算手段7を除いた部分の構成は、第1の実施形態と同様である。
運転制限値代替計算手段7においては、例えばスクラム指標に対する、CPRやLHGRの悪化量等が事前解析により求められている。
【0037】
原子炉運転中、特に定常運転中で炉心状態の変化が小さいときには、定期的に計算手段5においていくつかの過渡解析を行い、CPRやLHGRの変化量を求める。この計算により得られたCPRやLHGRの変化量を安全限界値に上乗せした値を運転制限値として得ることができる。
【0038】
一方、原子炉の起動時等、短時間で炉心状態が大きく変化するような場合には、過渡解析計算手段5による過渡解析の計算処理に多くの時間を要することが予想される。よってこの場合、正確な運転制限値に基づいて原子炉の監視を行おうとすると、実機プロセスデータの入力から運転制限値の算出までに有為な時間遅れが生じ、原子炉の運転に支障を来すことも考えられる。このような場合、計算手段5による過渡解析計算を一時的に中止し、代わりに運転制限値代替計算手段7により事前解析で得られている運転制限値を代替値として与える。
【0039】
この構成により、第1の実施形態と同様の効果が得られるとともに、適切な運転制限値を有為な時間遅れがないよう常にリアルタイムで得ることができる。
なお、本実施形態の変形例として、第2の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置の原子炉操作補助装置6を付加することが考えられる。これにより、炉心の安全性をより確実に維持することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の原子炉の炉心監視装置によれば、原子炉で過渡事象の発生を想定した場合でも燃料の健全性を確保するための信頼性の高い運転制限値を、運転履歴を保存することによってオンライン・リアルタイム処理により有為な時間遅れなしに逐次求めることにより、適度な安全余裕を有しかつ経済性の高い原子炉の運転を安定的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係る原子炉の炉心監視装置のブロック図である。
【図4】過渡解析の条件としているスクラム反応度曲線及び実運転中のスクラム反応度曲線の一例を示したグラフである。
【図5】スクラム指標と限界出力比の相関の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 データ記憶手段
2 炉心性能計算手段
3 安全限界値計算手段
4 過渡解析計算手段
5 運転制限値計算手段
6 原子炉操作補助手段
7 運転制限値代替計算手段
8 過渡解析の条件としているスクラム反応度曲線
9 実運転中のスクラム反応度曲線

Claims (8)

  1. 実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データを保存する記憶手段と、この記憶手段の情報に基づいて炉心性能計算を行う炉心性能計算手段と、前記記憶手段に保存された実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データに基づいて燃料の線出力密度及び限界出力比の安全限界値を計算する安全限界値計算手段とを具備する原子炉の炉心監視装置であって、前記炉心性能計算手段及び前記記憶手段の情報に基づいて過渡解析を行い当該時点の線出力密度、限界出力比及びこれらの変化量を計算する過渡解析計算手段と、この過渡解析計算手段及び前記安全限界値計算手段で実機のプロセスデータ及び運転履歴等の初期データを用いて計算された当該時点の情報に基づいて通常運転時に遵守すべき燃料の線出力密度及び限界出力比の運転制限値を計算する運転制限値計算手段を具備することを特徴とする原子炉の炉心監視装置。
  2. 過渡解析計算手段は、入力される情報に基づいて特に過渡解析を行う必要性の高い事象を選択して選択的に過渡解析を行うことを特徴とする請求項記載の原子炉の炉心監視装置。
  3. 炉心状態の運転制限値に対する余裕が予め定められた規定値より小さくなった場合や運転制限値を逸脱した場合に制御棒の選択挿入や炉心流量の減量の指令を発する原子炉操作補助手段を具備することを特徴とする請求項1または2記載の原子炉の炉心監視装置。
  4. 前記原子炉操作補助手段が制御棒の選択挿入や炉心流量の減量の指令を発し、制御棒の選択挿入や炉心流量の変化操作を行う前に前記炉心性能計算手段が操作後の炉心状態の予測計算を行い、この予測計算の結果に基づいて前記過渡解析計算手段により運転制限値の計算を行い、前記指令が妥当であることを確認することを特徴とする請求項3記載の原子炉の炉心監視装置。
  5. 炉心状態の運転制限値に対する余裕が予め定められた規定値より小さくなった場合や運転制限値を逸脱した場合に警報を発する原子炉操作補助手段を具備することを特徴とする請求項1乃至4記載の原子炉の炉心監視装置。
  6. 事前解析によって予め求められた運転制限値を与える運転制限値代替計算手段を具備し、かつ炉心状態の変化が小さいときには運転制限値計算手段において前記運転制限値の計算を行い、炉心状態の変化が大きいときには前記運転制限値代替計算手段によって前記運転制限値を与えることを具備することを特徴とする請求項1乃至5記載の原子炉の炉心監視装置。
  7. 前記過渡解析計算手段において、炉内計装系のバイパス状態を考慮することを特徴とする請求項1乃至6記載の原子炉の炉心監視装置。
  8. 監視する運転制限値として、炉心の出力分布、燃焼度分布、ボイド分布、反応度係数やギャップコンダクタンスの結果から得られる炉心特性を用いることを特徴とする請求項1乃至7記載の原子炉の炉心監視装置。
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