JP2522500B2 - 原子炉運転制御方法 - Google Patents

原子炉運転制御方法

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JP2522500B2
JP2522500B2 JP62277284A JP27728487A JP2522500B2 JP 2522500 B2 JP2522500 B2 JP 2522500B2 JP 62277284 A JP62277284 A JP 62277284A JP 27728487 A JP27728487 A JP 27728487A JP 2522500 B2 JP2522500 B2 JP 2522500B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、沸騰水型原子炉に用いられる原子炉運転制
御方法に関する。
(従来の技術) 沸騰水型原子力発電プラントに於いては、原子炉建屋
内に原子炉格納容器が設けられており、この原子炉格納
容器内には冷却材(例えば水)と複数の燃料集合体及び
制御棒等からなる炉心が収容されている。冷却材は炉心
を上昇する際、炉心の核反応によって昇温し水と蒸気の
二相流状態となる。この二相流は気水分離器により水と
蒸気に分離され、その内蒸気は、蒸気乾燥器により乾燥
状態となる。この乾燥蒸気は原子炉圧力容器に接続され
た主蒸気配管系を介してタービンに送られタービンを駆
動させる。このタービンの駆動により発電機が回転され
発電する。タービンで仕事をした蒸気は復水器内に導入
されて復水となり、給水ポンプにより再度原子炉圧力容
器内に供給される。
ところで、現状の沸騰水型原子炉(以下BWRと記す)
には燃料被覆管の健全性、ジェットポンプの健全性、及
び炉心チャンネル安全性の保持の観点から次の様な運転
制限が設けられている。
まず燃料被覆管の健全性について説明する。一般にBW
Rの出力を上昇させる手段としては2つの方法がある。
1つは制御棒を引抜くことであり、もう1つは冷却材再
循環量を増加させることである。制御棒を引抜くことに
より熱中性子が吸収材(ホウ素等)によって吸収される
断面積が減少し、燃料(ウラン−235)と衝突する断面
積が増加するため、核反応が促され中性子束の上昇、即
ち原子炉出力の上昇につながる。他方、冷却材再循環流
量を増加させると炉心内ボイドのはき出し(Sweefing)
効果が高まるための炉心内ボイド率が減少し高速中性子
に対する散乱断面積が増加する。このことによって炉内
の熱中性子の割合の増加と核反応が促され、中性子束の
上昇、即ち原子炉出力が上昇する。
中性子束が増加すると燃料被覆管表面から発生する熱
流束(以下燃料表面熱流束と記す)の量も増加するが、
熱発生が過度に増加すると燃料被覆管−冷却材沸騰状態
が通常の核沸騰から遷移沸騰を経て膜沸騰に移行し、燃
料被覆管の健全性が損なわれる可能性が強まる。燃料被
覆管の健全性を評価するための1つの指標として最小限
界出力比(以下MCPRと記す)があるが、これは燃料集合
体運転出力に対する限界出力(沸騰状態が遷移沸騰に至
る出力)の比によって表わされる。即ち、燃料集合体の
運転出力が限界出力よりも大きくなったとき、すなわち
MCPRが1.0未満になったとき、燃料集合体のある領域で
遷移沸騰ないし沸騰状態となる。
現状のBWRでは燃料被覆管の健全性を保持することを
目的として原子炉出力に関して2つの信号によって全制
御棒緊急挿入(スクラム)が実行されるように構成され
ている。その1つは中性子束高信号であり、他の1つは
燃料表面熱流束高信号である。ここで中性子束高信号は
例えば主蒸気配管に設けられた弁の急閉あるいは急激な
制御棒の引抜きあるいは冷却材再循環流量の急増が原因
となって炉内ボイドの割合が減少し正の反応度が印加さ
れ、出力が急上昇するのを防止する観点から設定されて
いる。他方、燃料表面熱流束高信号は給水温度のゆるや
かな低下、あるいは制御棒のゆるやかな引抜き、及び冷
却材再循環流量の漸増等が原因となって炉内の核反応が
活発になり中性子束が増加し、燃料表面熱流束が準定常
的に燃料被覆管が損なわれる程度まで上昇するのを防止
する観点から設定されている。
ここで炉内のボイドの発生ないしは潰れによって炉内
に印加される反応度(以下ボイド反応度係数と記す)
は、装荷される燃料タイプあるいは炉心燃焼度等によっ
て異なり、第20図に示すBWRの運転特性図からわかるよ
うにBWRでは燃料取替サイクルの末期に近づく程、一般
にボイド反応度係数の絶対値が大きくなる傾向がある。
次に、ジェットポンプの健全性について説明する。一
般にポンプを健全な状態で運用する為にはキャビテーシ
ョンが発生しない環境にすることが重要である。ジェッ
トポンプ部での有効NPSHが必要NPSHよりも低下した場合
には当該部分でのボイドの発生から潰れによるメカニズ
ムによってポンプの羽根が損傷を受ける可能性がある。
そこで、従来のプラントでは出力を示す給水流量、主
蒸気流量等と炉心入口流量を検出することにより、設定
出力−炉心流量以下では冷却材再循環ポンプスピードを
最低ポンプ速度(例えば定格速度の20〜30%)までラン
バックさせるロジックを設けている。ジェットポンプキ
ャビテーション制限ラインよりも低出力まで運転点を移
行させる例としては、高炉心流量状態で制御棒を大幅挿
入することが考えられる。
さらに、炉心、チャンネル安全性の保持について以下
に説明する。一般に高出力−低炉心流量状態ではチャン
ネル内ボイド量が比較的多くなるため、圧力外乱あるい
は反応度外乱に対して、原子炉出力が振動的になる可能
性がある。
このとき安定度の評価は、例えば、単位ステップ外乱
に対する出力の減幅比を評価することにより行われる。
減幅比とは、時間領域での解析または実験結果を示すグ
ラフ上に於ける第1のオーバシュートと第2のオーバシ
ュートの最終整定値に対する偏差の比を意味する。現状
のBWRでは、減幅比が1.0を越える領域での運転を禁じる
ために、原子炉出力−炉心入口流量に関して運転ガイド
ラインを設置している。
上述したようにBWRでは、燃料被覆管の健全性、ジェ
ットポンプの健全性、及び炉心・チャンネル安定性の保
持の観点から様々な運転制限が設けられている。即ち、
現状のBWRでは第2図に示す運転特性図に於いて点B−
H−C−D−E−F−G−A−Bに囲まれる領域の内部
での運転のみが許されている。このような状況下で運転
点を変更する場合の冷却材再循環ポンプ速度最大変化率
は、例えば、100%制御棒パターン流量制御曲線(ライ
ンd)の90%出力の点で+10%速度要求信号が発生した
ときに中性子高で原子炉スクラム至らないように決めら
れた値が、全ての運転領域に対して設定されている。ま
た制御棒的移動度、本数については、急激な制御棒引抜
きにより燃料棒線出力密度が急増したり、あるいは、中
性子束高によりスクラムが発生することがないよう、制
御棒駆動系が調整され、かつ運転員の制御棒の引抜き手
順が定められている。
なお、第21図において、実線aは自然循環曲線を示
し、実線bは最低ポンプ速度曲線、実線cは最高ポンプ
速度曲線、実線dは100%出力制御棒パターン流量制御
曲線、実線eは中性子束高スクラム設定曲線、実線fは
燃料平均表面熱流束高スクラム設定曲線、実線gはジェ
ットポンプキャビテーション制限曲線、実線hは炉心・
チャンネル安定性制限曲線を示している。
(発明が解決しようとする問題点) 上記冷却材再循環流量制御系及び制御棒駆動系を有す
るBWRでは、特に定格出力付近での炉心流量増加に対す
る出力増加量の中性子束高スクラム設定点に対する余裕
を評価することによって定められた冷却材再循環流量変
化速度を全運転領域に適用し、中性子束高あるいは燃料
平均表面熱流束高スクラム設定点、あるいはジェットポ
ンプキャビテーション制限曲線及び炉心チャンネル安定
性ガイドライン付近での制御棒操作を慎重に行なうこと
により、原子炉スクラムに至ったり、運転点が上記制限
曲線を越えることを防止することが可能であった。
しかしながら、ボイド反応度係数に代表される炉心特
性は炉心の運転状況によって大きく変化するものである
こと、及び同一制御棒パターンで底流量状態では中性子
束高あるいは燃料平均表面熱流束高スクラム設定点に対
する余裕が大きいことから、運転炉心状態及び運転点に
よって冷却材再循環流量制御系による炉心流量変化率を
最適にするような原子炉の運転制御方法が求められてい
た。
また制御棒移動速度については各種運転制限曲線に近
い状態での運転点の変更を行う際の運転員の負担を軽く
し、かつ制限曲線を越えることがないような制御棒移動
速度及び制御棒移動本数を提供するような原子炉の運転
制御方法が求められていた。
本発明の目的は沸騰水型原子炉に於いて原子炉運転点
を変更する際に、原子炉運転点から見たときのスクラム
設定点、あるいはジェットポンプキャビテーション制限
曲線、あるいは炉心・チャンネル安定性制限曲線に対す
る余裕の大小により、最適な冷却材再循環流量変化速度
及び制御棒移動速度・本数を与える原子炉の運転制御方
法を提供することにある。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 近年、人間の持つ直感的であり、かつあいまいである
が優れた判断能力を制御などの意志決定問題に適用し、
より機能の高いシステムを実現したいとの要求が高まり
つつある。この要求を取り扱う一つの方法としてフアジ
イ理論の使用が考えられている。このフアジイ理論は複
雑すぎて、あるいは悪構造であるために正確な数字的解
法手法の適用が困難なシステムの記述のために提案され
た理論である。フアジイ論理を応用したフアジイ制御で
は、例えばオペレーターが運用中に利用している定性的
な制御戦略を言語表現したいわゆる言語制御規則を制御
アルゴリズムとしている。
このフアジイ制御の方法については多くの研究がなさ
れてきており、実用化されてきた例としては列車の運転
制御などがある。
本発明では、上記目的を達成するためにフアジイ制御
論理を応用したことを特徴としている。
すなわち、本発明の原子炉運転制御装置に於いては、
炉心熱出力及び炉心入口流量で代表される運転点を変更
する必要性が生じた場合の3つの代表的な制御目標、即
ち原子炉スクラムが発生しないこと、ジェットポンプキ
ャビテーションが発生しないこと、原子炉出力が発振状
態にならないことを別途のブロックとして所有し、さら
にそれぞれのブロックに関与する制御則Rを分類し、そ
れぞれが独立したメンバーシップ関数を形成している。
そして各々のブロックでは制御則Rに従い、2つの制御
対象、即ち冷却材再循環ポンプ速度変化率、及び制御棒
移動速度、制御棒移動本数の最適値を任意の信頼度に於
いて選定している。
また、本発明装置は上記3つのブロックの各々で選定
された冷却材再循環ポンプ速度変化率と制御棒移動速度
及び本数の中から絶対値における最小値を選定する機能
を備えている。
さらに本発明装置には運転出力、炉心流量、運転点変
更後の出力、炉心流量、中性子束高スクラム設定点、燃
料表面熱流束高スクラム設定点、原子炉水位高スクラム
設定点、ジェットポンプキャビテーション制限曲線、炉
心・チャンネル安定性制限曲線、及び炉心運転計画デー
タあるいは炉心運用状況、炉内計測データより求められ
るボイド反応度係数が時々刻々入力される構成となって
いる。
(作用) このように構成された原子炉運転制御装置を備えたBW
Rでは、あらゆる炉心状態において、原子炉運転点を変
更させる必要性が生じた際に、原子炉スクラム、ジェッ
トポンプキャビテーション、及び原子炉出力の発振化の
防止の観点から最適な冷却材再循環ポンプ速度変化率、
及び制御棒移動速度・移動本数を提供することが可能で
ある。
(実施例) 以下第1図から第19図を参照して本発明の第1の実施
例を説明する。第1図はBWRの概略構成を示す系統図で
ある。図中符号1は原子炉格納容器を示し、この原子炉
格納容器1は図示しない原子炉建屋内に配設されてい
る。上記原子炉格納容器1内には原子炉圧力容器2が図
示しないペデスタル上に設置されている。この原子炉圧
力容器2内には、炉心3が収容されているとともに、冷
却材4が収納されている。上記炉心3は複数の燃料集合
体3dおよび制御棒3aから構成されている。また冷却材4
は再循環系8により強制循環されており、この再循環系
8は、上記炉心3の外周のダウンカマ部2aに設置された
複数台のジェットポンプ5、上記原子炉圧力容器2の外
部に設置された再循環ポンプ6及びこれらジェットポン
プ5と再循環ポンプ6とを連絡する再循環系配管7とか
ら構成されている。上記冷却材4は炉心3を上方に向か
って流通する際、炉心3の核反応熱により昇温し、水と
蒸気の二相流状態となる。二相流状態となった冷却材4
は、上記炉心3の上方に設けられた図示しない気水分離
器により水と蒸気とに分離され、その内蒸気は気水分離
器の上方に設けられた蒸気乾燥器に流入して乾燥され乾
燥蒸気となり、原子炉圧力容器2の上部に接続された主
蒸気管9を介してタービン10に移送される。一方上記分
離された水はダウンカマ部2aを介して炉心3の下方に流
下し、再度炉心3を上方に流通する。上記主蒸気管9に
おける原子炉格納容器1の貫通部前後には、主蒸気隔離
弁(以下MSIVという)11および12が夫々介挿されてい
る。このMSIV12と前記タービン10との間には、主蒸気止
め弁13および主蒸気加減弁14が順次介挿されている。そ
して前記タービン10に移送された蒸気は、そこでタービ
ン10を駆動させ、その結果はタービン10に連結された発
電機15が回転する。タービン10を駆動させた蒸気は、タ
ービン10の下方に設置された復水器16内に収容され、そ
こで凝縮化されて復水となる。この復水は、復水ポンプ
17、給水加熱器18、タービン駆動原子炉給水ポンプ19お
よび電動機駆動給水ポンプ給水制御弁20を介して前記原
子炉圧力容器2内に導入され、炉心3下方に給水され
る。
上記MSIV12と主蒸気止め弁13との間の主蒸気管9には
タービンバイパス管21が分岐して配設され他端を復水器
16に接続している。このタービンバイパス管21にはター
ビンバイパス弁22が介挿されている。すなわち、負荷遮
断が発生した場合には、上記主蒸気加減弁14が閉弁し、
同時にタービンバイパス弁22が開弁する。それによって
蒸気はタービンバイパス管21を介して復水器16に直接導
入される。
また前記主蒸気管9のMSIV11の入口側には、主蒸気逃
し安全弁23が接続されているとともに、この主蒸気逃し
安全弁23には主蒸気逃し配管24が接続されている。この
主蒸気逃し配管24の下端は原子炉格納容器1の底部に設
けられた圧力抑制室25内の冷却水25a中に浸漬されてい
る。そして例えばMSIV11および12が閉弁して主蒸気圧力
が過度に上昇した場合には、主蒸気逃し安全弁23が開弁
し、原子炉圧力容器2内の主蒸気が上記主蒸気逃し管24
を介して圧力抑制室25内の冷却水25a中に導入され、そ
れによって原子炉圧力容器2内の圧力上昇が抑制され
る。
次に上記構成をなすBWRに適用されている原子炉運転
制御装置31について説明する。第2図に本発明の原子炉
運転制御装置31の概略構成図を示すが、本発明装置は3
つの別途の制御を司る第1から第3ブロック40,41,42と
冷却材再循環ポンプ速度変化率の絶対値の最小値あるい
は制御棒移動速度の絶対値の最小値あるいは制御棒移動
本数の最小値を選定する評価部43とから構成されてい
る。
また、第3図から第5図に示すように上記各々のブロ
ックでは本制御装置の制御目標である原子炉スクラム発
生の回避、ジェットポンプキャビテーション発生の回
避、原子炉出力の発振の回避を制御するためにフアジイ
制御を応用して冷却材再循環ポンプ速度変化率、あるい
は制御棒移動速度・移動本数を規定している。
各々のブロックの制御目標に対しては具体的な目的評
価部が設けられており、例えば、第3図において、第1
ブロック40の制御目標「原子炉スクラムが発生しない
(ブロック40a)」に対しては「中性子束高スクラム発
生しない」、「燃料平均表面熱流束高スクラムが発生し
ない」という目標評価が与えられている(ブロック40
b)。またこの制御目標40bに対しては、これまでの原子
力発電プラントの運転経験あるいは事前の解析評価によ
って得られた制御則供給部R40cが設けられている。第1
ブロックの制御目標40aの「原子炉スクラムが発生しな
い」に対しては次のR1からR5の制御則が予め与えられて
いる。
R1:冷却材再循環ポンプ速度を急激に増加すると中性子
束高あるいは燃料平均表面熱流束高スクラムが発生し易
い。
R2:制御棒引抜速度を速くしすぎると中性子束高スクラ
ムが発生し易い。
R3:高出力状態で冷却材再循環ポンプ速度を急激に減少
させると燃料平均表面熱流束高スクラムが発生し易い。
R4:制御棒引抜本数を多くしすぎると燃料平均表面熱流
束高スクラムが発生し易い。
R5:ボイド反応度係数絶対値が大きいときに、冷却材再
循環ポンプ速度を急激に増加させたり、制御棒を急激に
引抜くと中性子束高スクラムが発生し易い。
上記制御則R1〜R5はメンバーシップ関数:(X1,X2,
X3,……)として表現されており、そのスカラー量は0.0
〜1.0で規格化されている。
例えば第6図に示すように、制御則R1,R5に関しては
中性子高スクラムが発生しない確率▲▼(x1,x2) x1:冷却材再循環ポンプ速度変化率 x2:ボイド反応度係数 として表現されている。また制御則R2,R5に関しては第1
1図に示すように、中性子束高スクラムが発生しない確
率▲▼が ▲▼(x3,x2) x3:制御棒移動速度 x2:ボイド反応度係数 として表現されている。また、制御則R3に関しては第8
図に示すように燃料表面熱流束高スクラムが発生しない
確率▲▼が ▲▼(x1) x1:冷却材再循環ポンプ速度変化率 として表現され、制御則R4に関しては第9図に示すよう
に燃料表面熱流束高スクラムが発生しない確率▲▼
が ▲▼(x4) x4:制御棒移動本数 として表現されている。
同様に第4図に示す第2ブロックの制御目標41aの
「ジェットポンプキャビテーションが発生しない」に対
しては「運転点がジェットポンプキャビテーション制限
曲線を超えない」という目的評価41bが与えられてお
り、上記制御目標41bに関して次の制御則供給部R′41c
が設けられている。
R1′:低出力−高炉心流量状態で多くの制御棒を挿入す
るとジェットポンプキャビテーションが発生し易い。
R2′:低出力−低炉心流量状態で冷却材再循環ポンプ速
度を増加させるとジェットポンプキャビテーションが発
生し易い。
また、制御則R1′,R2′はメンバーシップ関数:(X
1,X2,X3,……)とし表現されており、R1′に関しては第
10図に示すようにジェットポンプキャビテーションが発
生しない確率▲▼が ▲▼(x4) x4:制御棒移動本数 として表わされており、R2′に関しては第11図に示すよ
うにジェットポンプキャビテーションが発生しない確率
▲▼が ▲▼(x1) x1:冷却材再循環ポンプ速度変化率として表わされてい
る。
さらに第5図に示す第3ブロックの制御目標42aの
「原子炉出力が発振状態とならない」に対しては「運転
点が炉心・チャンネル安定性制限曲線を越えない」とい
う目的評価42bが与えられており、上記制御目標42aに関
して次の制御則供給部R″42cが設けられている。
R1″:高出力−中炉心流量状態で冷却材再循環ポンプ速
度を減少させると原子炉出力が発振状態となり易い。
R2″:高出力−低炉心流量状態で多くの制御棒を引抜く
と原子炉出力が発振状態となり易い。
制御則R1″,R2″はメンバーシップ関数:(X1,X2,X
3,……)として表現されており、R1″に関しては第12図
に示すように、原子炉出力が発振状態とならない確率▲
▼が ▲▼(x1) x1:冷却材再循環ポンプ速度変化率 として表現されており、R2″に関しては第13図に示すよ
うに原子炉出力が発振状態とならない確率▲▼が ▲▼(x4) x4:制御棒移動本数 として表わされている。
このように構成された原子炉出力制御装置31を有する
BWRに於いて運転点を変更する場合には、次の各ステッ
プに従い、最適な冷却材再循環ポンプ速度変化率、また
は制御棒移動速度・本数が選択される。
第1ステップ…運転点を変更する際に制御棒操作を行う
か、あるいは冷却材再循環ポンプ速度を変化させるかを
決定する。
第2ステップ…第1ブロックの制御目標「原子炉スクラ
ムが発生しないこと」に対して予め用意されている制御
則R1〜R5に関するメンバーシップ関数▲▼,▲
▼,▲▼,▲▼それぞれについて、例えば95%
の信頼度で中性子束高、燃料平均表面熱流束高スクラム
が発生しない冷却材再循環ポンプ速度変化率a1,あるい
は制御棒移動速度b1,あるいは制御棒移動数c1を選定す
る(第3図ブロック40d)。
第3ステップ…第2ブロックの制御目標「ジェットポン
プキャビテーションが発生しないこと」に対して予め用
意されている制御則R1′,R2′に関するメンバーシップ
関数▲▼,▲▼それぞれについて例えば95%の
信頼度でジェットポンプキャビテーションが発生しない
冷却材再循環ポンプ速度変化率a2,あるいは制御棒移動
速度b2,または制御棒移動本数c2を選定する(第4図ブ
ロック40a)。
第4ステップ…第3ブロックの制御目標「原子炉出力が
発振状態にならないこと」に対して予め用意されている
制御則R1″,R2″に関するメンバーシップ関数▲
▼,▲▼それぞれについて例えば95%の信頼度で炉
心・チャンネル安定性制限曲線を超えないような冷却材
再循環ポンプ速度変化率a3,あるいは制御棒移動速度b3,
または制御棒移動本数c3を選定する(第5図ブロック42
d)。
第5ステップ…第2〜第4ステップで選定された冷却材
再循環ポンプ速度変化率、あるいは制御棒移動速度、ま
たは制御棒移動本数それぞれに対する最小値を選定する
(第2図ブロック43)。
第6ステップ…第5ステップで選定された冷却材再循環
ポンプ速度変化率を冷却材再循環ポンプ速度制御系32に
伝達し、制御棒移動速度、本数を制御棒駆動性御系33に
伝達する。
以上詳述したように本発明の原子炉制御方法はフアジ
イ制御を応用して原子炉圧力、炉心入口流量で代表され
る運転点を変更させる際に、あらゆる炉心状態につい
て、原子炉スクラムが発生することなく、かつ、ジェッ
トポンプキャビテーションが発生せず、かつ原子炉出力
が発振状態とならないような、冷却材再循環ポンプ速度
変化率、あるいは制御棒移動速度、あるいは制御棒移動
本数を提供することを特徴としている。
運転点を第21図に示す点Pから点Qまで移動させる場
合に、従来制御を用いた場合の主要パラメータ変化を第
14図から第16図に、本発明装置を用いた場合の主要パラ
メータ変化を第17図から第19図に示す。
なお、第14図から第19図において実線はサイクル早期
炉心の特性を示し、破線はサイクル末期炉心の特性を示
している。また、ここでは冷却材再循環ポンプ速度を増
加させることにより運転点の変更が行われている。
従来制御方式を用いた場合、炉心入口流量変化は第14
図に示すように燃料取替サイクルを通じてほぼ同一とな
る。このため、第15図に示すようにボイド反応度係数絶
対値の大きいサイクル末期炉心の方がサイクル早期炉心
よりも中性子束の増加率が大きく、これに伴い第16図に
示すようにタービン蒸気流量が目標出力に到達するのは
サイクル末期炉心の方が早くなっている。
他方、本発明装置を用いて制御した場合には、第17図
に示すように炉心入口流量増加率はサイクル早期炉心の
方がサイクル末期炉心よりも早くなる。このため第18図
に示すようにサイクルを通じて中性子束の増加率はほぼ
同一となり、中性子束高スクラムに対する余裕も十分に
確保される。これに伴い第19図に示されるようにタービ
ン蒸気流量が目標出力に到達する時刻もサイクルを通じ
てほぼ同等であり、かつサイクル早期炉心の場合には、
従来制御よりも目標出力到達時刻が速くなっている。上
記効果の他に、本発明装置を用いた場合、次の(1)か
ら(3)の効果が期待できる。
(1) 第21図に示す運転点Rで炉心入口流量を減少さ
せる、あるいは出力を増加させると燃料平均表面熱流束
高スクラムする可能性があるが、本発明装置を用いた場
合には、燃料平均表面熱流束高スクラム設定曲線との余
裕が小さいと判断されたときには、冷却材再循環ポンプ
速度減少率は零、かつ制御棒引抜速度・本数が零とな
る。
(2) 第21図に示す運転点Tで出力を減少させる、あ
るいは運転点Uで炉心入口流量を増加させるとジェット
ポンプキャビテーションが発生する可能性があるが、本
発明装置を用いた場合には、ジェットポンプキャビテー
ション制限曲線との余裕が小さいと判断された場合に
は、運転点Tでは制御棒挿入速度・本数が零となり、運
転点Uでは冷却材再循環ポンプ速度増加率が零となる。
(3) 第21図に示す運転点Sで炉心入口流量を減少さ
せる、あるいは出力を増加させると原子炉出力が発振状
態となる可能性があるが、本発明装置を用いた場合には
炉心・チャンネル安定性制限曲線との余裕が小さいと判
断された場合には、冷却材再循環ポンプ速度減少率は
零、かつ制御棒引抜速度・本数が零となる。
以上より、本発明装置を採用した場合、運転点を変更
する際に、全炉心状態を通じて、スクラム設定曲線、ジ
ェットポンプキャビテーション制限曲線、炉心・チャン
ネル制限曲線に対する余裕を確保した上で、短時間で目
標運転まで移動させるような冷却材再循環ポンプ速度、
あるいは制御棒移動速度、あるいは制御棒移動本数を提
供することが可能である。
また、本発明の原子炉運転制御方法は、制御目標を別
途のブロックとして所有し、各々のブロックにはこれま
でのBWRの運転経験から得られた数々の制御則が含まれ
ている。従って、新たな制御則を加え、制御目標が実現
させる確率をさらに高めることが可能である。
例えば、定格出力−定格流量付近で冷却材再循環ポン
プ速度を急激に最低ポンプスピード付近まで減少させる
と炉心内ボイドの発生により水位が膨張し、原子炉水位
高スクラムが発生する確率が高まる。従って「原子炉ス
クラムが発生しないこと」の制御則の中に「高出力状態
で冷却材再循環ポンプ速度を急激に減少させると原子炉
水位スクラムが発生し易い」という制御則を新たに追加
し、上記制御則に対応するメンバーシップ関数を作成す
ることによりさらに高性能の制御装置とすることが可能
である。
また、実際に運転点を変更させた場合の主要パラメー
タ計測結果を各メンバーシップ関数に反映させることに
より、さらに精密な制御を可能とさせる学習機能を追加
させることも可能である。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明に係る原子炉運転制御方法に
よれば、運転点を変更する場合において、全炉心状態を
通じて、スクラム設定曲線、ジェットポンプキャビテー
ション制限曲線、炉心・チャンネル制限曲線に対する余
裕を確保した上で、短時間で目標運転まで移動させるよ
うな冷却材再循環ポンプ速度、あるいは制御棒移動速
度、あるいは制御棒移動本数を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に適用する沸騰水型原子炉の全体構成を
示す系統図、第2図は本発明の一実施例に係る原子炉運
転制御方法の論理構成を示すブロック図、第3図から第
5図は本発明に示した第1ブロックから第3ブロックの
フアジイ制御適用例を示す説明図、第6図から第9図は
第3図に示した制御則Rのメンバーシップ関数を示す説
明図、第10図および第11図は第4図に示した制御則R′
のメンバーシップ関数を示す説明図、第12図および第13
図は第5図に示した制御則R″のメンバーシップ関数を
示す説明図、第14図から第16図は燃料取替サイクル早期
炉心およびサイクル末期炉心において運転点が変更させ
たときに従来制御を適用した場合の炉心入口流量、中性
子束、タービン蒸気流量を変数として示す特性図、第17
図から第19図は燃料取替サイクル早期炉心およびサイク
ル末期炉心において運転点を変更させた時に本発明の制
御方法を適用した場合の炉心入口流量、中性子束、ター
ビン蒸気流量を変数として示す特性図、第20図は従来例
における沸騰水型原子炉の運転特性図、第21図は沸騰水
型原子炉における炉心熱出力と炉心入口流量の関係を示
す運転特性図である。 31……原子炉運転制御装置 32……冷却材再循環ポンプ速度制御系 33……制御棒駆動制御系 40a,41a,42a……制御目標 40b,41b,42b……目的評価 40c……制御則R 41c……制御則R′ 42c……制御則R″

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷却材再循環流量と制御棒の移動によって
    制御する原子炉運転制御方法において、炉心熱出力及び
    炉心入口流量で代表される運転点を変更する場合に、原
    子炉スクラム及びジェットポンプキャビテーション、原
    子炉出力の発振化の防止を制御目標とし、この各々の制
    御目標において原子力発電プラントの運転経験あるいは
    事前の解析評価によって求められた制御則Rを設定し、
    この制御則Rに従って冷却材再循環ポンプ速度変化率及
    び制御棒移動速度、制御棒移動本数の最適値を任意の信
    頼度において選定し、この各制御目標において選定され
    た冷却材再循環ポンプ速度変化率及び制御棒移動速度、
    制御棒移動本数から絶対値における最小の値を選定して
    制御の値として提供して成ることを特徴とする原子炉運
    転制御方法。
  2. 【請求項2】前記原子炉スクラムの制御目標は、炉心運
    転計画データ及び炉心運用状況あるいは炉内計測データ
    から判断して出力される中性子束高信号と、原子炉運転
    点から見たときの前記スクラム設定点に対する余裕度が
    零あるいは非常に小さいと判断した時に出力される燃料
    平均表面熱流量束信号によって判断されて成ることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の原子炉運転制御方
    法。
  3. 【請求項3】前記制御則Rは、メンバーシップ関数とし
    て表現され、その各々の制御則Rの変数は原子力発電プ
    ラントの運転経験あるいは事前の解析評価によって得ら
    れた変数が用いられて成ることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の原子炉運転制御方法。
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