JPH10253793A - 原子炉の制御棒操作装置 - Google Patents

原子炉の制御棒操作装置

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JPH10253793A
JPH10253793A JP9052928A JP5292897A JPH10253793A JP H10253793 A JPH10253793 A JP H10253793A JP 9052928 A JP9052928 A JP 9052928A JP 5292897 A JP5292897 A JP 5292897A JP H10253793 A JPH10253793 A JP H10253793A
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JP
Japan
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control rod
control
core
output
rod operation
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Application number
JP9052928A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Takeshita
下 哲 郎 竹
Akira Metori
鳥 明 目
Masaki Sasaki
正 樹 佐々木
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Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Engineering Corp
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制御棒の操作を自動的且つ正確に行うことが
できる原子炉の制御棒操作装置を提供する。 【解決手段】 オペレータからの入力に基づいて制御棒
操作手順を作成し、この制御棒操作手順に基づいて制御
棒駆動機構4を動作させる制御棒操作制御装置6と、制
御棒操作制御装置6で作成された制御棒操作手順のデー
タを保存する制御棒操作手順装置10と、を備えてい
る。制御棒操作を実施する際には、制御棒操作手順装置
10に保存されている制御棒操作手順のデータを制御棒
操作制御装置6に送信し、送信されたデータに基づいて
制御棒操作制御装置6から制御棒駆動機構4に制御棒操
作信号を送信し、この制御棒操作信号によって制御棒駆
動機構4を動作させて制御棒3を駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の制御棒操
作装置に係わり、特に、沸騰水型原子力発電プラントの
制御棒を操作するための原子炉の制御棒操作装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントの制御棒及
び制御棒駆動装置の設置形態、制御棒駆動機構の動作、
及び制御棒挿入位置の検出機構について説明する。な
お、沸騰水型原子力発電プラントの制御棒駆動系には水
圧式のものと電動式のものとがあり、以下それぞれにつ
いて説明する。
【0003】図3は、沸騰水型原子力発電プラントの原
子炉で使用される水圧式の制御棒駆動系を示している。
図3において符号1は制御棒を示し、この制御棒20の
下端はピストンロッド22の上端のカップリング23に
結合されている。ピストンロッド22は、制御棒シリン
ダー21内に昇降自在に挿入されている。ピストンロッ
ド22は中空部材によって形成されており、このピスト
ンロッド22の下端にはマグネット24が設けられてい
る。ピストンロッド22の内部の中空部分には、制御棒
駆動シリンダー21の底面から挿入された位置検出ロッ
ド25が挿入されている。制御棒駆動シリンダー21の
上下端には作動液出入口26a、26bが形成されてお
り、作動液出入口26a、26bへ作動液を供給するこ
とによってピストンロッド22が昇降駆動され、これに
伴って制御棒20が昇降駆動される。
【0004】位置検出ロッド25には、その軸方向に一
定間隔で複数のリードスイッチ27が配設されており、
これらのリードスイッチ27は、制御棒駆動シリンダー
21の下端にあるマグネット24によって開閉する。そ
して、リードスイッチ27の開閉状態をケーブル28を
介して電気的に検出することによって、制御棒シリンダ
ー21内でのマグネット24の上下方向の位置を検出
し、これによって制御棒20の上下方向の位置を検知す
ることができる。
【0005】図4は、複数のリードスイッチ27が配設
された位置検出ロッド25を示し、リードスイッチ27
は、S00からS52まで計53個設置されており、S
00からS48まで等間隔で配設され、S00は制御棒
20の全挿入位置に対応し、S48は制御棒20の全引
抜位置に対応している。また、S00、S02、……
…、S46、S48は制御棒ラッチ位置と一致し、S0
1、S03、………、S45、S47は、ラッチ中間位
置と一致する。S51はS00よりも上方に位置し、S
52はS00と同一位置にあり、共に制御棒20の全挿
入位置に対応する。S49はS48と同一位置にあり、
制御棒20の全引抜位置に対応する。また、S50はS
48よりも下方にあり、制御棒20がオーバートラベル
になった場合の位置に対応する。
【0006】上記構成よりなる水圧式の制御棒駆動系に
おいては、S00からS52のリードスイッチ27のう
ちのどのリードスイッチ27がオンになったかを検出す
ることによって、制御棒20の上下方向の位置(挿入/
引抜位置)を決定することができる。
【0007】ここで、53個のリードスイッチ27の各
々からケーブル28を引き出すようにすると計53本も
のケーブル28が必要となってしまう。そこで、図5に
示したように、リードスイッチ27間にケーブル28を
設置し、A1からA5及びB1からB6に示した計11
本のケーブルで信号を取り出すことが行われている。す
なわち、図5において例えば22番のリードスイッチ2
7が励磁された場合には、A4及びB2に信号が出力さ
れ、これによって22番のリードスイッチ27が励磁状
態にあることを検出することができる。
【0008】次に、沸騰水型原子力発電プラントの原子
炉で使用される電動式の制御棒駆動系について説明す
る。図6は、原子炉圧力容器42の底部の制御棒駆動系
部分を示しており、図中符号1は制御棒を示している。
制御棒20の下端部は、バイオネットカップリング40
を介して中空ピストン36に接続されており、この中空
ピストン36は制御棒駆動機構ハウジング31内に昇降
自在に挿入されている。中空ピストン36は、ボールネ
ジ機構39のボールナット37上に載っており、このボ
ールナット37にはボールネジ機構39のボールネジ軸
43が螺装されている。ボールネジ軸43は、電動機3
4の駆動軸32によって回転駆動される。電動機34の
駆動軸32の周囲には軸封部等の摩耗部品44が設けら
れ、この摩耗部品44はスプールピース33の内部に収
納されている。
【0009】電動機34の下方には、駆動軸32の回転
から制御棒位置を検出するためのシンクロ位置検出装置
41が設置されている。また、制御棒駆動機構ハウジン
グ31の外側には、原子炉スクラム時の制御棒20の位
置を検出するためのスクラム位置検出プローブ35が設
置されている。さらに、スプールピース33の外側に
は、制御棒20と中空ピストン36との分離状態、或い
は中空ピストン36とボールナット37との分離状態を
検出するための分離検出プローブ38が設置されてい
る。
【0010】上記構成よりなる電動式の制御棒駆動系に
おいては、原子炉通常運転時には電動機34の駆動軸3
2の回転をボールネジ機構39によって直線運動に変換
して、制御棒20の挿入操作、或いは引抜操作を行う。
具体的には、電動機34の駆動軸32によってボールネ
ジ軸43を回転させ、ボールネジ軸43の回転によって
ボールナット37を上下に移動させる。すると、ボール
ナット37の上下の動きに追従して中空ピストン36及
び制御棒20が昇降駆動される。
【0011】また、シンクロ位置検出装置41は、電動
機34の駆動軸32の回転数を検出し、この回転数に基
づいて制御棒20の位置を検出する。
【0012】一方、原子炉スクラム時には、上述した水
圧式制御棒駆動系と同様に高圧水の水圧によって制御棒
20を炉心内に挿入すると共に、電動機34によって制
御棒20の挿入をフォローアップするようになってい
る。
【0013】ところで、原子炉運転中においては、制御
棒系の炉心内での反応度制御能力を確認することを目的
として、周期的に全制御棒について動作試験が実施され
ている。この試験は、「反応度制限条件」の“制御棒の
試験”として、少なくとも一週間に一度、全制御棒につ
いて実施される。この試験は、動作確認をする制御棒を
運転員が選択し、その後、選択された制御棒を1ノッチ
挿入し、動作確認後、1ノッチ引抜操作を行い、操作前
の制御棒位置とする手順で行われている。なお、この制
御棒動作試験は通常“ノッチテスト”と称されている。
【0014】また、原子炉運転中においては、制御棒の
操作及び炉心流量(炉心内の冷却材流量)の調整によっ
て炉心の反応度を補償し、これによって原子炉の定格出
力を維持している。具体的には以下のような二種類の方
法が取られる。
【0015】第1の方法としては、制御棒パターンを固
定して、定格出力運転で許容されている炉心流量領域で
炉心流量を調整する。このとき、炉心流量領域の許容範
囲を逸脱する場合には、炉心流量による調整期間を長く
するために、制御棒パターンを調整する。
【0016】この制御棒パターンの調整は、炉心の反応
度が上昇する期間で、炉心流量を許容されている運用の
上限になるように制御棒を挿入し、一方、炉心の反応度
が下降する期間では、炉心流量を許容されている運用の
下限になるように制御棒を引き抜いている。
【0017】第2の方法としては、炉心流量を固定して
定格出力を維持し、定格出力が維持できない場合に制御
棒パターンを調整している。この制御棒パターンの調整
は、炉心の反応度が上昇する期間では制御棒を挿入し、
炉心の反応度が下降する期間では制御棒を引き抜いてい
る。
【0018】上述した制御棒パターン調整は、炉心及び
燃料の改良により、定格出力近傍で実施されている。操
作手順としては、できるだけ定格出力を維持するため
に、制御棒パターン調整後の制御棒を一度に操作しない
ようにする。
【0019】すなわち、炉心反応度上昇期では、例え
ば、制御棒1本を1ノッチ挿入し、この制御棒挿入によ
る出力降下を炉心流量の増加で補って定格出力とする手
順を繰り返して最終制御棒パターンにしている。以下、
この制御棒パターン調整方法を「全出力挿入法」と称す
る。
【0020】また、炉心反応度下降期では、例えば、制
御棒1本を1ノッチ引き抜く際の出力上昇を抑制するた
めに、この制御棒操作による出力上昇分を炉心流量の減
少によって予め出力降下させておき、しかる後に制御棒
を引き抜いて定格出力とする手順を繰り返して最終制御
棒パターンにしている。以下、この制御棒パターン調整
方法を「全出力引抜法」と称する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、制御
棒動作試験であるノッチテストは、動作確認する制御棒
を運転員が選択し、1ノッチ挿入し、動作確認後、1ノ
ッチ引抜の操作を行い、操作前の制御棒位置とする手順
によって行われるものであり、運転員の負担が大きく、
また、多大の試験時間を必要としていた。しかも、この
ノッチテストは、制御棒1本毎に、一週間に一度は実施
することになっているため、運転員の負担はますます大
きくなり、累積の試験時間は長時間に及んでいた。
【0022】また、ノッチテストで制御棒を操作する際
に、1ノッチ操作を行うべきところを誤って2ノッチ操
作を行ってしまうというような、制御棒操作の「誤操
作」が発生する可能性があり、さらに、この誤操作によ
って、原子炉内に装荷されている原子燃料の健全性への
問題が生じる可能性があった。
【0023】図7(a)、(b)、(c)は、制御棒の
誤操作による原子燃料への影響評価例の一例を示してお
り、1ノッチ挿入する制御棒操作を、誤って2ノッチ挿
入したときに生じる、原子炉内に装荷された原子燃料の
線出力密度変化量(1/8炉心)の解析結果である。図
7から分かるように、誤操作により2ノッチ挿入した場
合は、線出力密度が制御棒操作前に比べて、全引抜制御
棒において最大で0.4kW/ft程度、中間位置制御
棒において最大で0.2kW/ft程度増加している。
【0024】また、図8(a)、(b)、(c)は、制
御棒の誤操作による原子燃料への影響評価例の他の例を
示しており、1ノッチ挿入する制御棒操作を、誤って1
ノッチ引き抜いたときに生じる、原子炉内に装荷された
原子燃料の線出力密度変化量(1/8炉心)の解析結果
である。図8から分かるように、誤操作により1ノッチ
引き抜いた場合は、線出力密度が制御棒操作前に比べ
て、中間位置制御棒において最大で1.6kW/ft程
度増加している。
【0025】なお、図9(a)、(b)、(c)は、図
7及び図8に示した影響評価解析における制御棒操作前
の制御棒パターンを示している。
【0026】上述した解析結果から分かるように、制御
棒操作前の線出力密度によっては、上記のような制御棒
誤操作によって運転制限値を超えてしまう可能性があ
る。
【0027】また、中間位置制御棒1本を1ノッチ挿入
すると、炉心熱出力が低下し、発電機出力で約0.3%
程度の負荷損が生じている。
【0028】さらに、定格出力の下で実施される全出力
挿入法或いは全出力引抜法による制御棒パターン調整で
は、制御棒操作と炉心流量による僅かな出力調整を繰り
返し行う必要があるため、運転員の負担が大きかった。
【0029】本発明は、上述した種々の問題点に鑑みて
なされたものであり、制御棒の操作を自動的且つ正確に
行うことができる原子炉の制御棒操作装置を提供するこ
とを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る原子炉の制御棒操作装置は、オペレータからの入力に
基づいて制御棒操作手順を作成し、この制御棒操作手順
に基づいて制御棒駆動機構を動作させるための制御棒操
作制御装置と、前記制御棒操作制御装置で作成された制
御棒操作手順のデータを保存するための制御棒操作手順
装置と、を備え、制御棒操作を実施する際には、前記制
御棒操作手順装置に保存されている制御棒操作手順のデ
ータを前記制御棒操作制御装置に送信し、送信されたデ
ータに基づいて前記制御棒操作制御装置から前記制御棒
駆動機構に制御棒操作信号を送信し、この制御棒操作信
号によって前記制御棒駆動機構を動作させて制御棒を駆
動することを特徴とする。
【0031】請求項2記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、制御棒操作による出力の変化を調整するた
めの出力調整装置と、原子炉内に設置された検出器で得
られたプロセス量に基づいて炉心熱出力及び炉心内出力
分布を計算するための炉心性能計算装置と、をさらに有
し、前記制御棒操作制御装置は、オペレータからの入力
に基づいて出力調整手順を作成して前記出力調整装置に
出力調整信号を送信し、前記出力調整装置は、発電機出
力及び炉心熱出力を調整するために、プロセス量である
発電機出力、前記炉心性能計算装置で計算された炉心熱
出力、及び前記制御棒操作制御装置からの制御棒操作後
の要求信号に基づいて、原子炉再循環ポンプのポンプ速
度を調整して炉心流量を制御することを特徴とする。
【0032】請求項3記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記炉心性能計算装置は、3次元核熱水力
計算モデルを用いて炉心内出力分布を計算すると共に原
子燃料の熱的制限値を計算し、この熱的制限値が運転制
限値を超えているか否かを判定し、超えている場合に
は、制御棒操作手順及び出力調整手順を中止する信号を
発することを特徴とする。
【0033】請求項4記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記炉心性能計算装置は、熱的制限値が運
転制限値を超えている場合に前記出力調整装置に対して
炉心流量を低下させる信号を発信し、熱的制限値の超過
量に応じて炉心流量を調節することを特徴とする。
【0034】請求項5記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記炉心性能計算装置で計算された最新の
炉心内出力分布計算結果を入力として、予定された制御
棒操作手順及び出力調整手順を実施した場合の炉心性能
を事前に予測計算し、この予測計算結果を前記制御棒操
作制御装置に送信するための炉心性能予測計算装置をさ
らに有することを特徴とする。
【0035】請求項6記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記炉心性能予測計算装置は、炉心性能の
予測計算結果がオペレータからの要求を満たしているか
否かを判断し、要求を満たしていない場合には、予定さ
れた制御棒操作手順及び出力調整手順の一方又は両方に
ついての代替案を作成することを特徴とする。
【0036】請求項7記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記炉心性能予測計算装置は、前記炉心性
能計算装置で計算された最新の炉心内出力分布計算結果
を入力として、予定された制御棒操作手順及び出力調整
手順を実施した場合の原子燃料の熱的制限値を事前に予
測計算し、この予測計算結果を前記制御棒操作制御装置
に送信することを特徴とする。
【0037】請求項8記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記制御棒の位置を検出するための制御棒
位置検出装置と、前記制御棒位置検出装置からの検出信
号に基づいて前記制御棒駆動機構の動作確認を行うため
の制御棒操作確認装置と、をさらに備えたことを特徴と
する。
【0038】請求項9記載の発明による原子炉の制御棒
操作装置は、前記制御棒の位置を記憶するための制御棒
位置記憶装置と、オペレータが入力した制御棒パターン
又は前記制御棒位置記憶装置に保存されている制御棒パ
ターンと、前記制御棒位置検出装置で判定された制御棒
パターンとを比較し、前記制御棒位置検出装置の異常を
判定するするための制御棒位置監視装置と、をさらに備
えたことを特徴とする。
【0039】請求項10記載の発明による原子炉の制御
棒操作装置は、前記制御棒操作制御装置は、原子炉内に
設置された局所出力検出器の計測値を受信し、制御棒操
作の前後における局所出力検出器の計測値を比較するこ
とによって制御棒の動作確認を行うことを特徴とする。
【0040】請求項11記載の発明による原子炉の制御
棒操作装置は、制御棒操作及び出力調整の実施結果、異
常判定の結果等を出力するためのメッセージ出力装置を
さらに有することを特徴とする。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
原子炉の制御棒操作装置について図1及び図2を参照し
て説明する。図1は、本実施形態による制御棒操作装置
の概略構成を示したブロック図である。図1において符
号1は原子炉を示し、この原子炉1の内部には原子燃料
からなる炉心2が収納されている。そして、炉心2にお
ける核分裂反応の反応度を制御するために、炉心2の内
部に複数の制御棒3が下方から挿入されており、これら
の制御棒3は原子炉1の下部に設けられた制御棒駆動機
構4によって昇降駆動される。また、原子炉1内の冷却
材は、原子炉再循環ポンプ(PLRポンプ)5によって
強制的に循環されるようになっている。
【0042】炉心2には、局所出力検出器(図示せ
ず)、移動式炉心内計装系の各検出器(図示せず)が設
置されており、これらの検出器からは、制御棒パター
ン、炉心流量、出入口温度、炉心圧力等のプロセス量が
出力されるようになっている。そして、各検出器の出力
であるプロセス量は、出力調整装置7及び炉心性能計算
装置8に入力されるようになっている。
【0043】出力調整装置7は、各検出器で得られたプ
ロセス量である発電機出力や炉心性能計算装置8で計算
された炉心熱出力、及び後述する制御棒操作制御装置6
からの要求信号に基づいて、発電機出力や炉心熱出力を
調整するためにPLRポンプ5のポンプ速度(回転数)
を制御して炉心2内の冷却材の流量(炉心流量)を調節
する。
【0044】炉心性能計算装置8は、各検出器からのプ
ロセス量に基づいて、ヒートバランスから炉心熱出力を
計算すると共に、3次元核熱水力計算モデルを用いて炉
心内出力分布を計算する。
【0045】また、炉心性能計算装置8は、炉心内出力
分布を計算すると共に原子燃料の熱的制限値を計算し、
この熱的制限値の計算結果が運転制限値を超えているか
否かを判定する。そして、熱的制限値が運転制限値を超
えている場合には、制御棒操作手順及び出力調整手順を
中止する信号及び警報信号を発すると共に、出力調整装
置7に炉心流量を低下させるための信号を発信し、熱的
制限値の超過量に応じて炉心流量を調節して炉心熱出力
を降下させる。これによって、制御棒操作後及び出力調
整後において原子炉の熱的制限値が運転制限値を超えた
場合に、自動的且つ迅速に熱的制限値を運転制限値内に
収めることができる。
【0046】制御棒駆動装置17は、後述する制御棒操
作制御装置6からの要求信号に基づいて、選択された制
御棒3の制御棒駆動機構4に動作信号を要求し、その選
択された制御棒3及び制御棒駆動機構4を動作させる。
【0047】制御棒操作制御装置6は、オペレータから
の入力に基づいて制御棒操作手順及び出力調整手順を作
成すると共に、制御棒操作及び出力調整操作を行い、さ
らに、制御棒操作の確認及び出力調整操作の確認等を行
う装置であり、一連の制御棒操作及び出力調整を管理・
運用・制御する装置である。制御棒操作制御装置6にお
いて作成された制御棒操作手順及び出力調整手順は、制
御棒操作手順装置10に送られて保存される。
【0048】制御棒操作制御装置6において制御棒操作
手順及び出力調整手順を作成する際には、操作対象の制
御棒の条件(1本毎、グループ毎、或いは操作制御棒全
数等)、制御棒操作量の条件(1ステップや1ノッチ、
2ノッチ等の挿入・引抜)、出力調整量の条件等のオペ
レータの要求を制御棒操作制御装置6に入力する。そし
て、その要求通りの計画で行う場合には、その要求通り
に、制御棒操作制御装置6に入力された一連の制御棒操
作手順及び出力調整手順を、制御棒操作制御装置6から
制御棒操作手順装置10に送信する。
【0049】オペレータの要求に基づく計画を予測計算
する場合は、その要求通りに、一連の制御棒操作手順及
び出力調整手順を制御棒操作制御装置6から炉心性能予
測計算装置9に送信する。炉心性能予測計算装置9は、
炉心性能計算装置8で計算された最新の炉心内出力分布
計算結果を入力として、オペレータの要求に基づく計画
を予測計算し、その予測結果を制御棒操作制御装置6に
送信する。
【0050】そして、炉心性能予測計算装置9による予
測計算結果が、オペレータの要求を満たし、さらに、オ
ペレータがその手順で良いと判断する場合には、その一
連の制御棒操作手順及び出力調整手順を制御棒操作制御
装置6から制御棒操作手順装置10に送信する。
【0051】一方、炉心性能予測計算装置9による予測
計算結果がオペレータの要求を満足しない場合には、炉
心性能予測計算装置9は、計算された条件を満足しない
予測点と、その1つ手前の予測点(以下、「予測直前
点」と言う。)を保存し、さらに、条件を満足しない情
報と代替案とを制御棒操作制御装置6に送信する。
【0052】ここで、予測計算結果がオペレータの要求
を満足しない場合の具体例としては、例えば、発電機出
力を95%以上に維持しながら一連の制御棒操作を実施
するというオペレータの要求に対して、ある制御棒グル
ープ4本を1ノッチ挿入操作した時点で発電機出力が9
5%未満となってしまうような場合が挙げられる。ま
た、この例の場合の代替案としては、制御棒操作を変更
せずに、発電機出力の条件をこの予測結果に基づいて変
更する方法、或いは、制御棒操作を1本1ノッチづつ挿
入する条件に変更する方法、等が考えられる。
【0053】オペレータは、炉心性能予測計算装置9か
らの予測結果及び代替案に基づいて条件を変更し、変更
した条件を制御棒操作制御装置6から炉心性能予測計算
装置9に送信し、その後の予測を予測直前点から計算す
る。また、制御棒操作制御装置6は、変更された条件に
基づいて一連の手順を変更して保存する。このようにし
て、制御棒操作制御装置6は一連の制御棒操作手順及び
出力調整手順を作成し、作成した手順を制御棒操作手順
装置10に送信する。
【0054】制御棒操作制御装置6は、上記の如く制御
棒操作手順装置10に保存された一連の手順に基づい
て、以下のようにして制御棒操作及び出力調整を実施す
る。
【0055】制御棒操作制御装置6からの操作実行入力
により、制御棒操作手順装置10に保存されている一連
の手順を制御棒操作制御装置6に送信する。次に、制御
棒操作手順装置10から送信された一連の手順であるデ
ータに基づいて、制御棒操作制御装置6から制御棒駆動
装置17に制御棒操作信号を送信し、また、出力調整信
号を出力調整装置7に送信する。制御棒駆動装置17
は、受信した制御棒操作信号に基づいて制御棒駆動機構
4を動作させて制御棒2を駆動し、一方、出力調整装置
7は、受信した出力調整信号に基づいてPLRポンプ5
の回転数を制御して原子炉出力を調整する。
【0056】また、制御棒操作制御装置6は、この制御
棒操作制御装置6に保存されている一連の手順であるデ
ータに基づいて、以下のようにして制御棒操作及び出力
調整操作を確認する。
【0057】制御棒操作及び出力調整前の制御棒パター
ンの確認は、オペレータが入力した制御棒パターン又は
制御棒位置記憶装置11に保存されている制御棒パター
ンと、制御棒位置検出装置12から判定される制御棒パ
ターンとを、制御棒位置監視装置13で比較して、その
比較結果を制御棒操作制御装置6に送信する。
【0058】そして、比較した制御棒パターンが一致し
ていない場合には、制御棒操作制御装置6は、警報装置
16に警報信号を送信すると共にメッセージ出力装置1
5に異常信号を送信し、さらに、一連の制御棒操作及び
出力調整を中止する。警報信号を受信した警報装置16
は警報を発し、また、異常信号を受信したメッセージ出
力装置15は異常を知らせるメッセージを出力する。な
お、このメッセージ出力装置15は、前記異常判定の結
果のみならず、制御棒操作及び出力調整の実施結果等を
出力することもできる。
【0059】次に、制御棒駆動機構4の動作確認の手順
について説明する。制御棒操作信号及び制御棒操作前後
の制御棒パターンが、制御棒操作制御装置6から制御棒
駆動装置17及び制御棒操作確認装置14に送信され
る。上述したように、制御棒駆動装置17は、受信した
制御棒操作信号に基づいて制御棒駆動機構4に動作信号
を送信し、制御棒駆動機構4は、受信した動作信号に基
づいて該当する制御棒駆動機構を動作させる。
【0060】また、同時に、制御棒駆動装置17は、制
御棒位置検出装置12に対して、「制御棒駆動機構が動
作する」という信号(以下、「駆動信号」と言う。)を
送信し、制御棒位置検出装置12は、この駆動信号に基
づいて動作し、全制御棒の動作及び位置を検出する。
【0061】この制御棒駆動機構4の動作確認のため
の、制御棒位置検出装置12における全制御棒の動作及
び位置の確認時間は、一連の制御棒操作及び出力調整操
作手順の条件として制御棒操作制御装置6に入力されて
おり、制御棒操作制御装置6から制御棒駆動装置17を
経由して制御棒位置検出装置12に送信される。そし
て、制御棒位置検出装置12は、制御棒操作制御装置6
から送信された確認時間内において、制御棒駆動機構4
の動作情報を監視し、取得した動作情報を制御棒操作確
認装置14に送信する。
【0062】また、制御棒位置検出装置12は、この確
認時間後の制御棒駆動機構4の情報を制御棒位置記憶装
置11及び制御棒操作確認装置14に送信する。そし
て、制御棒操作確認装置14は、制御棒位置検出装置1
2から受信した情報を制御棒操作制御装置6に送信し、
この時点で1つの制御棒操作が完了する。
【0063】また、制御棒操作確認装置14は、上記確
認時間内において、制御棒位置検出装置12からの情報
と、制御棒操作制御装置6からの制御棒操作信号及び制
御棒操作前後の制御棒パターンとを監視する。
【0064】図2は、水圧式の制御棒駆動系における、
操作する制御棒駆動機構4の動作確認の手順を示したフ
ローチャートである。図4を参照して既に説明したよう
に、制御棒の位置を示すリードスイッチ27は、制御棒
が停止する位置の中間にも設置されている。したがっ
て、制御棒が移動する際には、必ずラッチ中間位置のリ
ードスイッチ27がオンとなり、やがてオフとなる。
【0065】そこで、制御棒操作確認装置14は、図2
に示したように、まずラッチ中間位置信号がオンとな
り、その後にオフとなるかどうかを判断する(ステップ
1)。ラッチ中間位置信号がオン後にオフとなった場合
には、制御棒位置検出装置12から出力される情報であ
る制御棒位置信号と、制御棒操作制御装置6から入力さ
れ、制御棒操作確認装置14に保存されている制御棒操
作信号とを比較する(ステップ2)。そして、両信号が
一致する場合には制御棒駆動機構4が正常に操作されて
いると判断する(ステップ3)。
【0066】ここで、電動式の制御棒駆動系の場合に
は、制御棒位置検出装置12により検出された電動機の
回転数と、制御棒操作制御装置6から入力され、制御棒
操作確認装置14に保存されている制御棒操作信号とを
比較し、両信号が一致する場合には制御棒駆動機構4が
正常に操作されていると判断する。
【0067】一方、両信号が一致しない場合には、制御
棒位置検出装置12の出力信号と、制御棒操作制御装置
6の出力信号とに基づいて、制御棒位置及び異常リード
スイッチを決定する(ステップ4)。
【0068】さらに、両信号が一致しない場合には、制
御棒操作確認装置14は、制御棒操作が異常であると判
断し、制御棒操作制御装置6に対して異常信号を送信
し、制御棒操作制御装置6の一連の制御棒操作及び出力
調整操作を中止する。異常信号を受信した制御棒操作制
御装置6は、警報装置16に警報信号を送信すると共に
メッセージ出力装置15に異常信号を送信し、警報信号
を受信した警報装置16は警報を発し、また、異常信号
を受信したメッセージ出力装置15は異常を知らせるメ
ッセージを出力する。
【0069】また、制御棒操作確認装置14は、上記確
認時間後において、制御棒位置検出装置12からの情報
と、制御棒操作制御装置6からの制御棒操作信号及び制
御棒操作前後の制御棒パターンとが一致していない場合
にも、同様に、制御棒操作制御装置6の一連の制御棒操
作及び出力調整操作を中止し、警報及びメッセージの出
力を行う。
【0070】また、ステップ1において、ラッチ中間位
置信号がオン後にオフとならなかった場合には、次に、
制御棒位置検出装置12の出力信号に変化がないかどう
か判断し(ステップ5)、変化なしの場合には制御棒駆
動装置17の故障であると判断する(ステップ6)。
【0071】一方、ステップ5において、制御棒位置検
出装置12の出力信号に変化があった場合には、ラッチ
中間位置信号に対応するリードスイッチが故障であると
判断し(ステップ7)、ステップ2へと進む。
【0072】次に、出力調整装置7によって行われる、
制御棒操作後の発電機出力及び炉心熱出力の監視及び出
力制御について説明する。
【0073】出力調整装置7は、発電機出力及び炉心熱
出力を調整するために、プロセス量である発電機出力
や、炉心性能計算装置8で計算された炉心熱出力、及び
制御棒操作制御装置6からの制御棒操作後の要求信号に
基づいて、PLRポンプ5のポンプ速度を調整して炉心
流量を制御する。この出力調整装置7によるPLRポン
プ5のポンプ速度の調整は、制御棒操作制御装置6から
の制御棒操作後の要求信号と一致するまで行われる。こ
の出力調整を行った場合は、出力調整装置7から操作す
る信号と、操作終了後の信号を適時に制御棒操作制御装
置6に送信する。
【0074】次に、一連の制御棒操作及び出力調整操作
時における原子燃料の健全性の監視手順について説明す
る。制御棒操作制御装置6には、例えば、「制御棒操作
完了後に確認する」というような条件データが入力され
ており、この条件データに基づいて、制御棒操作制御装
置6は、制御棒操作装置に絡む各種の情報から判断し、
計算条件及び計算信号を炉心性能計算装置8に送信す
る。炉心性能計算装置8は、この信号を受信した後、そ
の時の炉心2内のプロセス量に基づいて3次元核熱水力
計算モデルで炉内の出力分布を計算し、その計算結果を
制御棒操作制御装置6に送信する。
【0075】制御棒操作制御装置6には、例えば、「最
大線出力密度が運転制限値に対して1%余裕があるこ
と」というような条件が入力されており、炉心性能計算
装置8による計算結果がこの条件を満たしている場合に
は正常であると判断し、一方、満たしていない場合には
異常であると判断して、上記と同様に、制御棒操作制御
装置6による一連の制御棒操作及び出力調整操作を中止
し、警報及びメッセージの出力を行う。
【0076】さらに、後述する炉心性能予測計算装置9
で計算された一連の制御棒操作及び出力調整操作手順に
基づく予測計算結果、例えば、「最大線出力密度が1k
W/ftの超過に対する発電機出力降下量は10%出
力」という条件と、制御棒操作制御装置6に入力されて
いる条件として、例えば、「予測計算結果に対して1%
余裕を持つこと」というような条件と、炉心性能計算結
果の超過量とに基づいて、制御棒操作制御装置6が判断
し、出力調整装置7にその発電機出力降下量を送信し、
PLRポンプ5のポンプ速度を減少させる。
【0077】この時、出力調整装置7は、発電機出力降
下後、制御棒操作制御装置6に対して完了信号を送信
し、制御棒操作制御装置6は炉心性能計算装置8に対し
て計算する信号を送信する。炉心性能計算装置8は、こ
の信号を受信した後、その時の炉心2内のプロセス量に
基づいて3次元核熱水力計算モデルで炉内の出力分布を
計算し、その計算結果を制御棒操作制御装置6に送信す
る。
【0078】次に、一連の制御棒操作及び出力調整操作
時における制御棒操作及び出力調整操作、並びに原子燃
料の健全性の予測計算による監視について説明する。制
御棒操作制御装置6には、例えば、「制御棒操作完了後
に、次の操作を予測計算する」というような条件データ
が入力されており、この条件データに基づいて、制御棒
操作制御装置6は制御棒操作装置に絡む各種の情報から
判断し、炉心性能予測計算装置9に対してその計算条件
及び計算信号を送信する。
【0079】炉心性能予測計算装置9は、この信号を受
信した後、その計算条件で、炉心2内のプロセス量より
炉心性能計算装置8の3次元核熱水力計算モデルで計算
された最新の炉内の出力分布計算結果を入力データとし
て、予測計算を行い、その計算結果を制御棒操作制御装
置6に送信する。
【0080】そして、この予測計算結果が、制御棒操作
制御装置6に入力されている条件として、例えば、「最
大線出力密度が運転制限値に対して1%余裕があるこ
と」というような条件を満足している場合には正常と判
断し、一方、満足していない場合には異常と判断して、
上記と同様に、制御棒操作制御装置6の一連の制御棒操
作及び出力調整操作を中止し、警報及びメッセージの出
力を行う。
【0081】また、炉心性能予測計算装置9は、炉心性
能計算装置8で計算された最新の炉心内出力分布計算結
果を入力として、予定された制御棒操作手順及び出力調
整手順を実施した場合の原子燃料の熱的制限値を事前に
予測計算し、この予測計算結果を制御棒操作制御装置6
に送信する。具体的には、制御棒操作制御装置6による
一連の手順を実行する前に、原子燃料の健全性の観点か
ら、炉心性能予測計算装置9において、原子燃料の熱的
制限値の超過量に対する発電機出力降下量を、最新の炉
心性能計算装置8の出力分布データを入力として予測計
算を行い、その結果を制御棒操作制御装置6に送信す
る。
【0082】さらに、制御棒操作制御装置6による一連
の手順を実行する前に、炉心性能予測計算装置9におい
て、最新の炉心性能計算装置8の出力分布データを入力
として、制御棒操作制御装置6から炉心性能予測計算装
置9に一連の手順を送信して予測計算を行うこともでき
る。
【0083】次に、一連の制御棒操作における炉内の制
御棒動作の確認手順について説明する。制御棒操作制御
装置6からの入力データにおいて、操作する制御棒の周
囲に局所出力検出器がある場合は、制御棒操作前後の局
所出力検出器のプロセス量である計測値(読み値)を計
測する。この制御棒操作前後の計測値のデータを炉心性
能計算装置8を介して制御棒操作制御装置6に送信し、
制御棒操作制御装置6はその計測値を比較することによ
って制御棒の動作確認を行う。
【0084】また、炉心性能計算装置8は、制御棒パタ
ーン、炉心流量、出入口温度、炉心圧力等のプロセス量
を入力データとして、3次元核熱水力計算モデルを用い
て炉心内出力分布を計算すると共に、その出力分布に基
づく局所出力検出器の計算値も計算する。そして、炉心
性能計算装置8は、局所出力検出器の計算値を制御棒操
作制御装置6に送信し、制御棒操作制御装置6は、制御
棒操作(及び出力調整操作)前後の3次元核熱水力計算
モデルによる局所出力検出器の計算値を比較し、また、
その計算値と計測値とを比較することによって制御棒の
動作確認を行う。
【0085】以上述べたように本実施形態による原子炉
の制御棒操作装置によれば、制御棒操作制御装置6から
の制御棒操作信号に基づいて所定の制御棒操作を自動的
に行うことができるので、制御棒動作確認試験(ノッチ
テスト)等における運転員の負担を大幅に低減できると
共に、運転員による制御棒操作の誤操作を防止すること
ができる。また、炉心性能計算装置及び炉心性能予測計
算装置を備えているので、原子燃料の健全性を確実に維
持しながら支障なく制御棒操作を実施することができ
る。さらに、出力調整装置を備えているので、制御棒操
作に伴う出力の変動を補償しながら支障なく制御棒操作
を実施することができる。
【0086】
【発明の効果】以上述べたように本発明による原子炉の
制御棒操作装置によれば、制御棒操作制御装置からの制
御棒操作信号に基づいて所定の制御棒操作を自動的に行
うことができるので、制御棒動作確認試験(ノッチテス
ト)等における運転員の負担を大幅に低減できると共
に、運転員による制御棒操作の誤操作を防止することが
できる。また、炉心性能計算装置及び炉心性能予測計算
装置を備えているので、原子燃料の健全性を確実に維持
しながら支障なく制御棒操作を実施することができる。
さらに、出力調整装置を備えているので、制御棒操作に
伴う出力の変動を補償しながら支障なく制御棒操作を実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による原子炉の制御棒操作
装置の概略構成を示したブロック図。
【図2】水圧式の制御棒駆動系における、操作する制御
棒駆動機構の動作確認の手順を示したフローチャート。
【図3】沸騰水型原子力発電プラントの原子炉で使用さ
れる水圧式の制御棒駆動系を示した概略構成図。
【図4】複数のリードスイッチが配設された水圧式制御
棒駆動系の位置検出ロッドを示した概略構成図。
【図5】位置検出ロッドのリードスイッチの配線状態を
示した結線図。
【図6】沸騰水型原子力発電プラントの原子炉で使用さ
れる電動式の制御棒駆動系を示した概略構成図。
【図7】制御棒を2ノッチ挿入した時の線出力密度の変
化量の解析結果を示した図。
【図8】制御棒を誤って1ノッチ引き抜いた時の線出力
密度の変化量の解析結果を示した図。
【図9】図7及び図8に示した影響評価解析における制
御棒操作前の制御棒パターンを示した図。
【符号の説明】
1 原子炉 2 炉心 3 制御棒 4 制御棒駆動機構 5 原子炉再循環ポンプ(PLRポンプ) 6 制御棒操作制御装置 7 出力調整装置 8 炉心性能計算装置 9 炉心性能予測計算装置 10 制御棒操作手順装置 11 制御棒位置記憶装置 12 制御棒位置検出装置 13 制御棒位置監視装置 14 制御棒操作確認装置 15 メッセージ出力装置 16 警報装置 17 制御棒駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 正 樹 神奈川県川崎市幸区堀川町66番2 東芝エ ンジニアリング株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オペレータからの入力に基づいて制御棒操
    作手順を作成し、この制御棒操作手順に基づいて制御棒
    駆動機構を動作させるための制御棒操作制御装置と、 前記制御棒操作制御装置で作成された制御棒操作手順の
    データを保存するための制御棒操作手順装置と、を備
    え、 制御棒操作を実施する際には、前記制御棒操作手順装置
    に保存されている制御棒操作手順のデータを前記制御棒
    操作制御装置に送信し、送信されたデータに基づいて前
    記制御棒操作制御装置から前記制御棒駆動機構に制御棒
    操作信号を送信し、この制御棒操作信号によって前記制
    御棒駆動機構を動作させて制御棒を駆動することを特徴
    とする原子炉の制御棒操作装置。
  2. 【請求項2】制御棒操作による出力の変化を調整するた
    めの出力調整装置と、 原子炉内に設置された検出器で得られたプロセス量に基
    づいて炉心熱出力及び炉心内出力分布を計算するための
    炉心性能計算装置と、をさらに有し、 前記制御棒操作制御装置は、オペレータからの入力に基
    づいて出力調整手順を作成して前記出力調整装置に出力
    調整信号を送信し、 前記出力調整装置は、発電機出力及び炉心熱出力を調整
    するために、プロセス量である発電機出力、前記炉心性
    能計算装置で計算された炉心熱出力、及び前記制御棒操
    作制御装置からの制御棒操作後の要求信号に基づいて、
    原子炉再循環ポンプのポンプ速度を調整して炉心流量を
    制御することを特徴とする請求項1記載の原子炉の制御
    棒操作装置。
  3. 【請求項3】前記炉心性能計算装置は、3次元核熱水力
    計算モデルを用いて炉心内出力分布を計算すると共に原
    子燃料の熱的制限値を計算し、この熱的制限値が運転制
    限値を超えているか否かを判定し、超えている場合に
    は、制御棒操作手順及び出力調整手順を中止する信号を
    発することを特徴とする請求項2記載の原子炉の制御棒
    操作装置。
  4. 【請求項4】前記炉心性能計算装置は、熱的制限値が運
    転制限値を超えている場合に前記出力調整装置に対して
    炉心流量を低下させる信号を発信し、熱的制限値の超過
    量に応じて炉心流量を調節することを特徴とする請求項
    3記載の原子炉の制御棒操作装置。
  5. 【請求項5】前記炉心性能計算装置で計算された最新の
    炉心内出力分布計算結果を入力として、予定された制御
    棒操作手順及び出力調整手順を実施した場合の炉心性能
    を事前に予測計算し、この予測計算結果を前記制御棒操
    作制御装置に送信するための炉心性能予測計算装置をさ
    らに有することを特徴とする請求項2乃至請求項4のい
    ずれか一項に記載の原子炉の制御棒操作装置。
  6. 【請求項6】前記炉心性能予測計算装置は、炉心性能の
    予測計算結果がオペレータからの要求を満たしているか
    否かを判断し、要求を満たしていない場合には、予定さ
    れた制御棒操作手順及び出力調整手順の一方又は両方に
    ついての代替案を作成することを特徴とする請求項5記
    載の原子炉の制御棒操作装置。
  7. 【請求項7】前記炉心性能予測計算装置は、前記炉心性
    能計算装置で計算された最新の炉心内出力分布計算結果
    を入力として、予定された制御棒操作手順及び出力調整
    手順を実施した場合の原子燃料の熱的制限値を事前に予
    測計算し、この予測計算結果を前記制御棒操作制御装置
    に送信することを特徴とする請求項5又は請求項6に記
    載の原子炉の制御棒操作装置。
  8. 【請求項8】前記制御棒の位置を検出するための制御棒
    位置検出装置と、 前記制御棒位置検出装置からの検出信号に基づいて前記
    制御棒駆動機構の動作確認を行うための制御棒操作確認
    装置と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至
    請求項7のいずれか一項に記載の原子炉の制御棒操作装
    置。
  9. 【請求項9】前記制御棒の位置を記憶するための制御棒
    位置記憶装置と、 オペレータが入力した制御棒パターン又は前記制御棒位
    置記憶装置に保存されている制御棒パターンと、前記制
    御棒位置検出装置で判定された制御棒パターンとを比較
    し、前記制御棒位置検出装置の異常を判定するするため
    の制御棒位置監視装置と、をさらに備えたことを特徴と
    する請求項8記載の原子炉の制御棒操作装置。
  10. 【請求項10】前記制御棒操作制御装置は、原子炉内に
    設置された局所出力検出器の計測値を受信し、制御棒操
    作の前後における局所出力検出器の計測値を比較するこ
    とによって制御棒の動作確認を行うことを特徴とする請
    求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の原子炉の制
    御棒操作装置。
  11. 【請求項11】制御棒操作及び出力調整の実施結果、異
    常判定の結果等を出力するためのメッセージ出力装置を
    さらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項10
    のいずれか一項に記載の原子炉の制御棒操作装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002333494A (ja) * 2001-05-08 2002-11-22 Toshiba Corp 原子炉制御棒の誤動作防止装置
JP2010032246A (ja) * 2008-07-25 2010-02-12 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 原子炉制御棒制御装置

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