JPH05209979A - 原子炉の起動法 - Google Patents

原子炉の起動法

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JPH05209979A
JPH05209979A JP4015931A JP1593192A JPH05209979A JP H05209979 A JPH05209979 A JP H05209979A JP 4015931 A JP4015931 A JP 4015931A JP 1593192 A JP1593192 A JP 1593192A JP H05209979 A JPH05209979 A JP H05209979A
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core
cooling water
nuclear
reactor
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Masataka Hidaka
政隆 日▲高▼
Akira Susuki
晃 須々木
Sadao Uchikawa
貞夫 内川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【目的】炉心における流動安定性と炉心安定性の低下を
防止し原子炉の制御性を向上する。 【構成】自然循環型原子炉のシュラウド4内に炉心の一
部である炉心2を囲みその上端が気水分離器の入口より
も低い第二のシュラウド10を設け、起動時に、冷却水
が第二のシュラウド10の上端より上方でかつ気水分離
器9の入口より水張りし、炉心2を核加熱、炉心3を非
核加熱状態とする。第二のシュラウド10内外の冷却水
の密度差によって冷却水をシュラウド10内外で循環し
て昇温し、水位が気水分離器内まで上昇して冷却水がシ
ュラウド4内外に循環を開始した後に炉心3を核加熱
し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子炉に係
り、特に、炉心内外の静水頭差により循環流量が確保さ
れる自然循環型原子炉の起動法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉は、原子炉の冷態
停止後の起動時に、シュラウド上部の気水分離器の高さ
まで水張りし、再循環ポンプで冷却水を炉心に循環し、
制御棒を引き抜き核加熱により冷却水を昇温,昇圧す
る。炉心は強制循環によって冷却されているため炉心流
量の制御性が良く、冷却水温の上昇にともなって炉心で
は低ボイド率から高ボイド率まで円滑に蒸気が発生し、
原子炉の安定した起動が可能となる。この時、炉心内及
びシュラウド内の蒸気ボイド率の増加にともなって、圧
力容器内の水位が上昇するため、圧力容器内の冷却水の
一部を外部に抜くことにより水位を一定に保つ。
【0003】これに対し、自然循環型原子炉では再循環
ポンプを具備しておらず、炉心における冷却水の自然循
環は、炉心を囲むシュラウド内外の静水頭を駆動力とし
ている。このため、原子炉の起動時にサブクール度の大
きな低温の冷却水を核加熱する場合に、炉心の核加熱に
よって蒸気が発生すると、シュラウド内の静水頭が減少
して自然循環流量が増加する。この炉心流量の増加によ
り冷却が促進されて蒸気が凝縮し、炉心内の冷却水が単
相流状態にもどり自然循環流量が減少する。このため、
自然循環流量の減少により炉心では再び蒸気が発生す
る。
【0004】この蒸気発生と蒸気凝縮は交番し、自然循
環流量の変動と反応度変化を生じ、流動安定性と炉心安
定性が低下する。さらに、炉心及びシュラウド内の蒸気
発生と蒸気凝縮の繰返しにより圧力容器内の水位が安定
せず、水位維持のための水抜き量の設定も困難になる。
水抜き量が多すぎる場合は、圧力容器内水位が低下して
シュラウド内外の循環が遮断され炉心の自然循環が滞
り、水抜き量が少なすぎる場合には、圧力容器内水位が
上昇して、ドライヤに冷却水が衝突したり、気水分離器
やドライヤが水没する可能性もある。
【0005】この低温二相流状態に起因する不安定現象
の発生を回避するためには、冷却水のサブクール度が低
くなるまで炉心で蒸気が発生しないように炉心の核加熱
量を十分に小さくしなければならない。この場合、起動
に要する時間が長大になり経済性が低下する。
【0006】また、炉心の核加熱量を小さくすると自然
循環流量が低くなり、炉心下方の下部プレナムの流れが
澱んで温度成層化が起こり、低温の冷却水が下部プレナ
ム内に停滞する。炉心入口のサブクール度が十分低くな
った後に、炉心で蒸気の発生が始まると、自然循環流量
が増加し下部プレナムに停滞していた低温水が炉心に流
入し、低温二相流の不安定現象が発生する可能性があ
る。
【0007】この他、通常運転時にも、自然循環型原子
炉ではシュラウド内外の静水頭差によって冷却水が循環
しているため、シュラウド内における大気泡の生成や気
泡の偏在によって、自然循環流量が低下する可能性があ
る。また、大気泡の生成による水位変動やキャリオーバ
による気水分離性能の低下も防止しなければならない。
【0008】さらに、事故時に圧力容器内の冷却水の水
位がシュラウドの上端より下方になると、シュラウド内
外の自然循環が滞り、炉心の冷却能力が低下する問題が
ある。
【0009】この自然循環型原子炉の起動時における低
温二相流に起因する不安定現象の発生,下部プレナムの
温度成層化を防止するための従来の装置は、特開昭59−
143997号公報に記載のように、原子炉の起動時に、定期
点検時熱供給用ボイラからの熱を原子炉圧力容器内の冷
却水に供給することにより、冷却水を昇温しサブクール
度を減少した後に核加熱を開始し、流動安定性と炉心安
定性の低下を防ぐものや、特開昭59−217188号公報に記
載のように、圧力容器内の下部プレナムに起動用熱交換
器を設け、冷却水の温度成層化を防止するとともに昇温
するものがある。
【0010】また、圧力容器内の水位変動の防止に適用
可能で、シュラウド内における大気泡の生成,気泡の偏
在を防止し、キャリオーバによる気水分離性能の低下を
防止する従来の装置の第2は、特開平2−268294 号公報
に記載のように、高さに食違いのあるチムニを高さに食
違いのあるドライヤと組み合わせて使用することによ
り、蒸気のキャリオーバ及びキャリアンダを防止するも
のがある。
【0011】さらに、圧力容器内の水位が低下した場合
の自然循環の停滞を防止するするための従来の装置は、
特開平2−59697号公報に記載のように、圧力容器内に上
下二つのチムニを間隙を有するように配置することによ
り、圧力容器内の水位が低下した場合の自然循環流路を
確保するものがある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の第1
は、冷却水の昇温に核熱を用いず、ボイラを用いるた
め、格納容器内外あるいは圧力容器内に熱交換器と熱供
給系を設けて冷却水を昇温するものであり、配管群,制
御系を必要とし原子炉の構造が複雑となるため建設に係
る経済性が低くなる問題があった。
【0013】上記従来技術の第2では、起動時の流動安
定性,炉心安定性の低下防止については考慮されておら
ず、起動時に炉心内及びチムニ内の蒸気発生と蒸気凝縮
の繰返しにより流動安定性と炉心安定性が低下する問題
がある。また、原子炉の起動時にチムニ上端より上方に
水張りし、蒸気の発生に対応して冷却水を外部に抜く必
要があるが、前記不安定現象のため圧力容器内の水位が
安定せず、水抜き量の設定が困難になる問題もある。核
加熱量を低くして不安定を回避する場合にも、下部プレ
ナムにおける低温水の温度成層化を防止できないだけで
なく、起動に長大な時間を要し、経済性が向上しない問
題があった。
【0014】従来技術の第三のものは、従来技術の第二
のものと同じ問題を有すほか、上下のチムニに間隙があ
るため、チムニ内とダウンカマ間の静水頭差が減少して
自然循環流量が大幅に減少する問題があった。
【0015】本発明の目的は、自然循環型原子炉の起動
時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性及
び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
し、起動時の圧力容器内の水位制御性能を向上して安定
した原子炉の起動を可能にすることと、通常運転時にも
原子炉の自然循環性能を向上し、気水分離能力を高め、
事故時における炉心の冷却能力を向上することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、自然循環型
原子炉において、シュラウド内部にあって炉心の一部を
囲みその上端が前記気水分離器の入口よりも低い第2の
シュラウドを設け、原子炉の起動時に冷却水が前記第2
のシュラウド上端より上方で前記気水分離器の入口より
下方に水位を形成するように水張りし、前記第2のシュ
ラウドによって囲まれる前記炉心の一部あるいは全部を
制御棒を引き抜いて核加熱する炉心領域とし、それ以外
を非核加熱領域として、核加熱炉心領域の冷却水と非核
加熱炉心領域の冷却水の密度差に起因する前記第2のシ
ュラウドの内外の水頭差によって冷却水が前記第2のシ
ュラウド内を上昇し前記第2のシュラウド外を下降する
自然循環を行ないながら冷却水を昇温し、前記第2のシ
ュラウド内側の炉心核加熱領域における蒸気発生によっ
て水位が気水分離器内まで上昇し冷却水がシュラウド内
からシュラウド外側のダウンカマ領域に循環を開始した
後に前記非核加熱炉心領域の制御棒を引き抜いてこの領
域でも冷却水を核加熱し、原子炉定格運転蒸気温度及び
圧力を得ることにより達成される。
【0017】
【作用】核燃料からなる炉心と、炉心を囲むシュラウド
と、シュラウド上部にあって炉心で発生した蒸気を冷却
水から分離する気水分離器と、気水分離後の冷却水が下
降するシュラウド外側のダウンカマと、気水分離器で分
離された蒸気から湿分を分離するドライヤと、炉心の出
力を制御する制御棒と、前記構造物を内蔵する圧力容器
と、圧力容器からの蒸気により回転するタ−ビンと、蒸
気をタ−ビンに送る主蒸気管と、タ−ビン軸によって駆
動される発電機と、タ−ビン駆動後の蒸気を凝縮する復
水器と、復水器の凝縮水である冷却水を圧力容器に給水
する給水ポンプと、給水ポンプからの冷却水を圧力容器
内に注水する給水管からなる自然循環型原子炉におい
て、シュラウド内部にあって炉心の一部を囲みその上端
が気水分離器の入口よりも低い第2のシュラウドを設け
る。原子炉の起動時に冷却水が前記第2のシュラウド上
端より上方でかつ気水分離器の入口より下方に水位を形
成するように水張りし、第2のシュラウドによって囲ま
れる炉心の一部あるいは全部を制御棒を引き抜いて核加
熱する炉心領域とし、それ以外を非核加熱領域とする。
この時、第2のシュラウド内側の領域は核加熱されてお
り、第2のシュラウド外側の領域は非核加熱であるた
め、第2のシュラウド内外には冷却水の密度差に起因す
る水頭差によって冷却水が第2のシュラウド内側を上昇
し外側を下降する自然循環が生じる。
【0018】冷却水の循環は第2のシュラウド内外に生
じるので、核加熱を受ける冷却水の量は少なく、低い核
加熱量で比較的短時間で冷却水を昇温できる。このた
め、炉心における蒸気発生,凝縮による不安定現象の発
生を防止できる。この時、ダウンカマ内及び下部プレナ
ム内の冷却水は低温状態にある。
【0019】任意の核加熱量でさらに核加熱を続ける
と、第2のシュラウド内部の炉心領域に蒸気が発生し、
第2のシュラウド内外の自然循環量が増加するととも
に、シュラウド内の水位が上昇する。この時の自然循環
流量は、第2のシュラウド高さがシュラウドより低いた
めに、現行の原子炉のシュラウドを用いたの場合より少
ない。このため、炉心内に蒸気が発生し自然循環流量が
増加した場合の下部プレナムからの低温水の流入量も少
なくなり、不安定現象の発生は抑制される。
【0020】核加熱を続けるにつれて、第2のシュラウ
ド内外の冷却水のサブクール度が減少し、蒸気発生量が
増加してシュラウド内の水位が上昇し、気水分離器内に
達すると冷却水の一部はシュラウド外のダウンカマに流
入する。ダウンカマへの流入流量は水位の上昇分のみで
あり第2のシュラウド内の炉心領域の流量のほとんどは
第2のシュラウド外の自然循環流量となる。したがっ
て、ダウンカマから炉心への低温水の流入量は僅かであ
り、炉心における不安定現象の発生は抑制される。
【0021】さらに核加熱を続けるにつれて、第2のシ
ュラウド内の蒸気体積率が増加し、ダウンカマ内の水位
も上昇する。この時、ダウンカマ内の冷却水は温度成層
化によって上部ほど水温が高く、ダウンカマ下部からは
低温水が徐々に炉心内に流入する。また、第2のシュラ
ウド内の自然循環流量の増加につれて、下部プレナム内
の低温水も徐々に炉心内に流入する。以上の過程では、
ダウンカマ内及び下部プレナム内の低温水の急激な流入
は生じないため、炉心における不安定現象の発生が防止
される。
【0022】シュラウド内の蒸気体積率が十分に増加
し、ダウンカマ水位が十分に上昇した後、非核加熱領域
でも制御棒を引き抜いて核加熱を開始する。この時、第
2のシュラウド外側の炉心内における冷却水の流れが下
降流から上昇流に転じ、流量が増加する過程では、第2
のシュラウド外側の炉心の出力が核沸騰から膜沸騰への
流動遷移が起こる限界熱出力を越えないように安全余裕
を持たせた上で核加熱量を調整する。
【0023】以上の手順を用いて炉心の全領域で核加熱
することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力を得
る。以上の手順で、水位が定格運転水位より低くなる場
合には、給水ポンプを用いて適宜少量ずつ給水を加え
る。
【0024】原子炉起動時の初期の水張り水位Hiを決
定する水張り量Viは、定格運転時における圧力容器内
水位Hより下方の圧力容器内空間体積をVtとし、定格
運転時における圧力容器内水位より下方の平均の蒸気体
積率をBとすると、概ね式(1)で表される。ただし、体
積Viは定格運転圧力,温度における体積であるので水
張り時には雰囲気温度,圧力に対応して体積を補正する
必要がある。
【0025】 Vi=Vt(1−B) …(1) 原子炉の起動時には、圧力容器内に上式で求めた水量に
安全余裕を持たせた上で圧力容器内に給水するか、ある
いは圧力容器内の空間体積を計算し、上式の水量が圧力
容器内を満たす水位を求め、その水位に安全余裕を持た
せた水位まで給水する。
【0026】以上の起動手順において、炉心の一部を核
加熱領域とし、それ以外を非核加熱領域とする手順は、
それぞれを核加熱大の領域と核加熱小の領域とすること
によっても達成可能である。また、以上の起動手順は、
第2のシュラウドを設けず、炉心の一部を核加熱領域、
それ以外を非核加熱領域とするか、あるいは核加熱大の
領域と核加熱小の領域とすることによっても達成可能で
ある。または、以上の起動手順は、全部の炉心を第2の
シュラウドで囲み、第2のシュラウド外側を炉心バイパ
ス領域とすることによっても達成可能である。さらに、
以上の起動手順は、第2のシュラウドを用いるかわり
に、炉心の上方に核加熱領域と非核加熱領域あるいは核
加熱大の領域と核加熱小の領域の境界付近を仕切りその
上端が気水分離器の入口より下方のチムニをシュラウド
内に設けることによっても達成可能である。
【0027】次に、通常運転時における第2のシュラウ
ドあるいはシュラウド内のチムニによる自然循環流量の
低下防止及び水位変動防止の作用を示す。
【0028】第2のシュラウドによってシュラウド内は
仕切られており、第2のシュラウドの内外で、気泡合体
による大気泡の生成は妨げられる。また、シュラウド内
における気泡の上昇経路も第2のシュラウドによって規
制されるため、シュラウド内における気泡の偏在が妨げ
らる。これにより、第2のシュラウドによって仕切られ
た領域に発生した蒸気量に対応した自然循環流量が得ら
れるだけでなく、炉心内の各燃料集合体ごとの自然循環
流量の変動が抑制され、シュラウド内外の自然循環流量
も確保される。この作用の効果は、第2のシュラウドの
他に第3のシュラウド,第4のシュラウド等を設けシュ
ラウド群にした場合及びシュラウド群にほぼ直角のバッ
フルで炉心上方を仕切ることによって向上する。
【0029】次に、事故時における第2のシュラウドあ
るいはシュラウド内のチムニによる自然循環の停滞の防
止作用を示す。
【0030】各種配管破断等の事故時において、圧力容
器内の水位がシュラウド上端より下降した場合に、炉心
周辺部の出力は中央部の出力より低いため、第2のシュ
ラウド内外の冷却水の静水頭差によって第2のシュラウ
ド内側を上昇し、外側を下降する自然循環が生じる。こ
れにより、第2のシュラウドが無い場合より炉心の冷却
水循環流速を高められるので、炉心の冷却が促進されて
事故時の安全性が向上する。この作用の効果は、第2の
シュラウド外側の領域を炉心を設けないバイパス領域と
することにより、さらに向上する。
【0031】
【実施例】本発明の第一の実施例を図1,図2,図3,
図4,図5により説明する。図1は本発明による原子炉
の縦断面を示す。
【0032】原子炉圧力容器1内において、核燃料から
なる炉心2,炉心3はシュラウド4で囲まれており、シ
ュラウド4の上部には炉心2,炉心3で発生した蒸気を
冷却水から分離する気水分離器9が設けられ、気水分離
後の冷却水はシュラウド4外側のダウンカマ5を下降す
る。気水分離器9で分離された蒸気は、気水分離器9上
方のドライヤ8で湿分分離され主蒸気管6からタービン
に送られる。タービンからの復水は給水ポンプによって
給水管7から原子炉圧力容器1内にに給水される。この
自然循環型原子炉において、シュラウド4の内部にあっ
て炉心2を囲みその上端が気水分離器9の入口よりも低
い第2のシュラウド10を設ける。
【0033】以下に、本発明による原子炉の起動法を図
2から図5の作動原理図を用いて説明する。
【0034】原子炉の起動時に、図2に示すように冷却
水が第2のシュラウド10の上端より上方でかつ気水分
離器9の入口より下方に水位を形成するように水張りす
る。次に、第2のシュラウド10によって囲まれる炉心
2の一部あるいは全部に挿入された制御棒12を引き抜
き、炉心2を核加熱する。この時、炉心2が核加熱さ
れ、第2のシュラウド10外側の炉心3は非核加熱であ
るため、第2のシュラウド10の内外には冷却水の密度
差に起因する水頭差が生じ、第2のシュラウド10の内
側を上昇し外側を下降する冷却水の自然循環が生じる。
【0035】冷却水の循環は第2のシュラウド10内外
に生じるので、核加熱を受ける冷却水の量は少なく、低
い核加熱量で比較的短時間で冷却水を昇温できる。この
ため、炉心2における蒸気発生、凝縮による不安定現象
の発生を防止できる。この時、ダウンカマ5内及び下部
プレナム13内の冷却水は低温状態にある。
【0036】任意の核加熱量でさらに核加熱を続ける
と、図3に示すように炉心2で蒸気が発生し、第2のシ
ュラウド10内外の自然循環量が増加するとともに、シ
ュラウド4内の水位が上昇する。この時の自然循環流量
は、第2のシュラウド10の高さがシュラウド4より低
いために、シュラウド4を単独で用いた場合より少な
い。このため、炉心2内に蒸気が発生し自然循環流量が
増加した場合の下部プレナム13からの低温水の流入量
も少なくなり、不安定現象の発生は抑制される。
【0037】核加熱を続けるにつれて、第2のシュラウ
ド10内外の冷却水のサブクール度が減少し、蒸気発生
量が増加する。蒸気発生量の増加にともなって、図4に
示すように、シュラウド4内の水位が上昇し、気水分離
器9内に達すると冷却水の一部はシュラウド4外に流れ
ダウンカマ5に流入する。ダウンカマ5への流入流量は
シュラウド4内水位の上昇分のみであり炉心2の流量の
ほとんどは第2のシュラウド10外への循環流量とな
る。したがって、ダウンカマ5から炉心2への低温水の
流入量は僅かであり、炉心2における不安定現象の発生
は抑制される。
【0038】さらに核加熱を続けるにつれて、図5に示
すように第2のシュラウド10内の蒸気体積率が増加
し、ダウンカマ5内の水位も上昇する。この時、ダウン
カマ5内の冷却水は温度成層化によって上部ほど水温が
高く、ダウンカマ5の下部から低温水が徐々に炉心2内
に流入する。また、第2のシュラウド10内外の自然循
環流量の増加に伴って、下部プレナム13内の低温水も
徐々に炉心2内に流入する。以上の過程では、ダウンカ
マ5内及び下部プレナム13内の低温水の急激な流入は
生じないため、炉心2における不安定現象の発生が防止
される。
【0039】シュラウド4内の蒸気体積率が十分に増加
し、ダウンカマ5水位が十分に上昇した後、炉心3でも
制御棒11を引き抜いて核加熱を開始する。この時、炉
心3内における冷却水の流れが下降流から上昇流に転
じ、流量が増加する過程では、炉心3の出力が核沸騰か
ら膜沸騰への流動遷移が起こる限界熱出力を越えないよ
うに安全余裕を持たせた上で核加熱量を調整する。
【0040】以上の手順を用いて炉心の全領域で核加熱
することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力を得
る。以上の手順で、水位が定格運転水位より低くなる場
合には、給水ポンプを用いて適宜少量ずつ給水を加え
る。
【0041】原子炉起動時の初期の水張り水位Hiを決
定する水張り量Viは、式(1)により決定され、この水
量に安全余裕を持たせた上で圧力容器内に給水するか、
あるいは圧力容器内の空間体積を計算し、式(1)の水量
が原子炉圧力容器1内を満たす水位を求め、その水位に
安全余裕を持たせた水位まで給水する。
【0042】この原子炉起動法によって、原子炉の起動
時間を大幅に短縮でき、炉心2,3における蒸気の発
生,凝縮の交番による流動安定性及び炉心安定性の低下
や水位変動を防止でき、起動時の原子炉の制御性を向上
できる。
【0043】以上の起動手順において、炉心2を核加熱
領域とし、炉心3を非核加熱領域とする手順は、炉心2
を核加熱大の領域とし、炉心3を核加熱小の領域とする
ことによっても達成可能である。
【0044】次に、通常運転時における第2のシュラウ
ド10による自然循環流量の低下防止及び水位変動防止
を図5を用いて説明する。
【0045】第2のシュラウド10によってシュラウド
4内は仕切られる。このため、第2のシュラウド10の
内側領域から外側領域の間で蒸気泡合体による大気泡の
生成は妨げられる。また、シュラウド4内における蒸気
泡の上昇経路も炉心2で発生した蒸気は第2のシュラウ
ド10内側、炉心3で発生した蒸気は第2のシュラウド
10の外側に分けられるため、シュラウド4内の蒸気泡
の偏在や合体によって局所的な自然循環流量の差異が生
じにくくなる。また、大気泡の生成による水位変動を防
止できるので、キャリオーバや気水分離器及びドライヤ
の水没による気水分離性能の低下を防止できる。さら
に、炉心2及び第2のシュラウド10の内側には炉心2
の出力,蒸気発生量に対応した高い自然循環流量が得ら
れ、炉心3及び第2のシュラウド10の外側には低い自
然循環流量が得られる。これにより、燃料集合体間の流
量の変動による自然循環流量の低下や炉心安定性の低下
が防止され、通常運転時の信頼性が向上する。
【0046】次に、事故時における第2のシュラウド1
0による自然循環の停滞の防止作用を、図3を用いて説
明する。
【0047】各種配管破断等の事故時において、原子炉
圧力容器1内の水位がシュラウド4の上端より下降した
場合に、炉心3の出力は炉心2の出力より低いため、第
2のシュラウド10内外の冷却水の静水頭差によって第
2のシュラウド10内側を冷却水が上昇し、外側を下降
する自然循環が生じる。比較的高出力の炉心2における
冷却水の循環流速を高められるので、炉心2の冷却が促
進される。また、炉心3でも、第2のシュラウド10が
無い場合には冷却水の循環が停滞するのに対して、冷却
水の下降流による除熱が可能となる。これにより、事故
時の安全性が向上する。
【0048】本実施例によれば、自然循環型原子炉の起
動時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性
及び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
できるので、原子炉の起動時の経済性を向上できる。ま
た、起動時の水位を安定化できるので、原子炉起動時の
制御性を向上できる。通常運転時には、原子炉の自然循
環性能が向上し、気水分離能力が高まるので原子炉の信
頼性が向上する効果がある。さらに、事故時にも炉心の
冷却能力を向上できるので原子炉の安全性を向上でき
る。
【0049】本発明の第2の実施例を図6により説明す
る。図6は本発明による原子炉の縦断面及び計測,制御
系の系統を示す。
【0050】第1の実施例による原子炉において、演算
器18,制御器19を設ける。演算器18には、原子炉
圧力容器1の水位計14,ダウンカマ5内下部の水温
計,炉心2及び炉心3の出力を検出する中性子検出器1
7,炉心の蒸気体積率を測定するボイド計の測定値が入
力される。制御器19は演算器18からの信号をもと
に、制御棒駆動機構20による制御棒11と制御棒12
の出し入れ量,給水ポンプ32の吐出量を制御する。
【0051】第1の実施例で示した原子炉の起動時に、
水張り量の設定値に達したことを水位計14で確認し、
演算器18から制御器19に制御棒12の引き抜き信号
が伝達される。炉心2における核加熱量を中性子検出器
17で検出し演算器18,制御器19により最適な制御
棒12の引き抜き量が制御棒駆動機構20に伝えられ
る。
【0052】次に、炉心2における蒸気発生をボイド計
15で検出し、水位計14で測定したダウンカマ5内の
水位とボイド計15で測定したシュラウド4内の蒸気体
積率を演算器18に入力し、シュラウド4内とダウンカ
マ5内の水頭のバランスからシュラウド4内の水位を算
出する。シュラウド4内の蒸気体積率が極端に大きくシ
ュラウド4内の水位が低い場合には、制御器19によっ
て給水ポンプ32を運転し、原子炉圧力容器1内に冷却
水を給水する。
【0053】シュラウド4内の水位が上昇し、気水分離
器9の入口に達して冷却水がダウンカマ5に流下し、ダ
ウンカマ5内の水位が上昇するのを演算器18で監視す
る。ダウンカマ5内の水位が起動水位より上方でかつ定
格運転水位以下の設定値に達し、ダウンカマ5下部の冷
却水サブクール度が、炉心2,炉心3における不安定発
生サブクール度以下になると演算器18から制御器19
へ信号を伝達し、制御器19から炉心3の制御棒11を
引き抜くように制御棒駆動機構20に制御信号が出され
る。この時、炉心3における核加熱量を中性子検出器1
7で検出し演算器18,制御器19により最適な制御棒
11の引き抜き量が制御棒駆動機構20に伝えられる。
【0054】最後に、中性子検出器17によって炉心
2,炉心3の出力を、ボイド計15によってシュラウド
4内の蒸気体積率を測定して演算器18に入力し、定格
運転出力になるように制御棒11,制御棒12を制御器
19及び制御棒駆動機構20により調整するとともに、
水位計14によってダウンカマ5の水位を演算器18に
入力して確認し、定格運転水位より低い場合には、制御
器19により給水ポンプ32を運転し原子炉圧力容器1
内に給水する。以上の手順によって、原子炉の起動を完
了する。
【0055】本実施例によれば、第1の実施例による効
果に加えて、第2のシュラウドを用いた自然循環型原子
炉の起動時に起動操作を自動化できるので、原子炉運転
の制御性,信頼性が向上する。
【0056】本発明の第2の実施例を図7により説明す
る。図7は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0057】原子炉圧力容器1内において、核燃料から
なる炉心の一部である炉心2、炉心2以外の炉心である
炉心3はシュラウド4で囲まれており、シュラウド4の
上部には炉心2,炉心3で発生した蒸気を冷却水から分
離する気水分離器9が設けられ、気水分離後の冷却水は
シュラウド4外側のダウンカマ5を下降する。気水分離
器9で分離された蒸気は、気水分離器9上方のドライヤ
8で湿分分離され主蒸気管6からタ−ビンに送られる。
タ−ビンからの復水は、給水ポンプによって給水管7か
ら原子炉圧力容器1内に給水される。
【0058】原子炉の起動時に、冷却水が炉心2または
炉心3の上端より上方でかつ気水分離器9の入口より下
方に水位を形成するように水張りする。炉心2の一部あ
るいは全部に挿入された制御棒12を引き抜き、炉心2
を核加熱する。この時、炉心2が核加熱され、炉心3は
非核加熱であるため、炉心2内と炉心3内には冷却水の
密度差に起因する水頭差が生じ、炉心2を上昇し、炉心
3内を下降する冷却水の自然循環が生じる。
【0059】任意の核加熱量でさらに核加熱を続けると
炉心2で蒸気が発生し、炉心2と炉心3の間の自然循環
流量が増加するとともに、シュラウド4内の水位が上昇
する。また、炉心2内の冷却水のサブクール度が減少
し、蒸気発生量が増加する。蒸気発生量の増加にともな
ってシュラウド4内の水位が上昇し、気水分離器9内に
達すると冷却水の一部はシュラウド4外に流れダウンカ
マ5に流入する。ダウンカマ5への流入流量はシュラウ
ド4内水位の上昇分のみであり炉心2を流れる冷却水の
ほとんどは炉心3へ循環する。したがって、ダウンカマ
5から炉心2への低温水の流入量は僅かであり、炉心2
における不安定現象の発生は抑制される。さらに核加熱
を続けるにつれてシュラウド4内の蒸気体積率が増加
し、ダウンカマ5内の水位も上昇する。この時、ダウン
カマ5内の冷却水は温度成層化によって上部ほど水温が
高く、ダウンカマ5下部から低温水が徐々に炉心2内に
流入する。また、炉心2から炉心3への自然循環流量の
増加にしたがって、下部プレナム13内の低温水も徐々
に炉心2内に流入する。以上の過程では、ダウンカマ5
内及び下部プレナム13内の低温水の急激な流入は生じ
ないため、炉心2における不安定現象の発生が防止され
る。
【0060】シュラウド4内の蒸気体積率が十分に増加
し、ダウンカマ5水位が十分に上昇した後、炉心3でも
制御棒11を引き抜いて核加熱を開始する。この時、炉
心3内における冷却水の流れが下降流から上昇流に転
じ、流量が増加する過程では、炉心3の出力が核沸騰か
ら膜沸騰への流動遷移が起こる限界熱出力を越えないよ
うに安全余裕を持たせた上で核加熱量を調整する。
【0061】以上の手順を用いて炉心の全領域で核加熱
することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力を得
る。以上の手順で、水位が定格運転水位より低くなる場
合には、給水ポンプを用いて適宜少量ずつ給水を加え
る。
【0062】この原子炉起動法によって、原子炉の起動
時間を大幅に短縮できるとともに、炉心2,炉心3にお
ける蒸気の発生,凝縮の交番による流動安定性及び炉心
安定性の低下や水位変動を防止でき、起動時の原子炉の
制御性を向上できる。
【0063】以上の起動手順において、炉心2を核加熱
領域とし、炉心3を非核加熱領域とする手順は、炉心2
を核加熱大の領域とし、炉心3を核加熱小の領域とする
ことによっても達成可能である。
【0064】本実施例によれば、自然循環型原子炉の起
動時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性
及び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
できるので、原子炉の起動に係る経済性を向上すること
ができる。また、起動時の水位を安定化できるので原子
炉起動時の制御性を向上できる。
【0065】本発明の第3の実施例を図8により説明す
る。図8は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0066】第1の実施例で示した原子炉において、シ
ュラウド4内に炉心の一部である炉心2を囲む第2のシ
ュラウド10,炉心の一部である炉心3を囲む第3のシ
ュラウド21,炉心の一部である炉心25を囲む第4の
シュラウド22等、複数のシュラウドを設け、その外側
にその他の炉心26を設ける。複数のシュラウドは、第
3のシュラウド21が第2のシュラウド10より高く、
第4のシュラウド22が第3のシュラウド21より高
く、シュラウド4は第3のシュラウド22より高くなる
ように、外周になるほど高くする。
【0067】原子炉の起動時に、冷却水が第2のシュラ
ウド10の上端より上方でかつ第3のシュラウド上端よ
り下方に水位を形成するように水張りする。次に、第2
のシュラウド10によって囲まれる炉心2の一部あるい
は全部に挿入された制御棒12を引き抜き、炉心2を核
加熱する。この時、炉心2が核加熱され、第2のシュラ
ウド10外側の炉心3は非核加熱状態であるため、第2
のシュラウド10内外には冷却水の密度差に起因する水
頭差が生じ、第2のシュラウド10内側を上昇し外側を
下降する冷却水の自然循環が生じる。
【0068】任意の核加熱量でさらに核加熱を続ける
と、炉心2で蒸気が発生し、第2のシュラウド10の内
外の自然循環量が増加し、第3のシュラウド21内の水
位が上昇する。核加熱を続けるにつれて、第2のシュラ
ウド10内外の冷却水のサブクール度が減少し、蒸気発
生量が増加する。蒸気発生量の増加にともなって、水位
が第3のシュラウド21の上端を越え、冷却水が第3の
シュラウド21の外側に流れ、第4のシュラウド22内
に水位が形成された後、炉心3でも制御棒11を引き抜
いて核加熱する。第4のシュラウド22内の水位が上昇
し、第4のシュラウド33の上端を越えると、同様の手
順で炉心25を核加熱する。この手順を複数のシュラウ
ドに対して繰返し、冷却水がダウンカマ5に流入してダ
ウンカマ水位が上昇した後、全炉心を核加熱し、原子炉
定格運転温度及び圧力を得る。
【0069】以上の起動手順では、シュラウド4内の水
位上昇が円滑に行なわれ、水位制御性能が向上するだけ
でなく、炉心における出力や蒸気体積率の制御性が大幅
に向上する。
【0070】また、通常運転時には、第2のシュラウド
10,第3のシュラウド21,第4のシュラウド22等
の複数のシュラウドによって、炉心2で発生した蒸気泡
は第2のシュラウド10内を、炉心3で発生した蒸気泡
は第2のシュラウド10と第3のシュラウド21の間
を、炉心25で発生した蒸気泡は第3のシュラウド10
と第4のシュラウド21の間を、炉心26で発生した蒸
気泡は第4のシュラウド10とシュラウド4の間を、そ
れぞれ、上昇する。したがって、各炉心で発生した蒸気
泡のシュラウド4内における合体や蒸気泡の偏在が防止
される。複数のシュラウドの個数が多いほど、各炉心領
域間における循環流量の変動が防止できるので、自然循
環流量の変動,減少が防止される。
【0071】本実施例によれば、第1の実施例による効
果に加えて、原子炉起動時の水位,出力の制御性能がさ
らに向上する他、通常運転時における原子炉の自然循環
性能と、気水分離能力がさらに高まる。
【0072】本発明の第4の実施例を図9により説明す
る。図9は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0073】第1の実施例で示した原子炉において、シ
ュラウド4内部にあって炉心2を囲みその上端が気水分
離器9の入口よりも低くその下端がシュラウド4の下端
より低い第2のシュラウド10を設ける。
【0074】第1の実施例で示した手順で原子炉を起動
する。冷却水が第2のシュラウド10の上端より上方で
かつ気水分離器9の入口より下方に水位を形成するよう
に水張りする。次に、第2のシュラウド10によって囲
まれる炉心2の一部あるいは全部に挿入された制御棒1
2を引き抜き、炉心2を核加熱する。この時、炉心2が
核加熱され、第2のシュラウド10の外側の炉心3は非
核加熱であるため、第2のシュラウド10内外には冷却
水の密度差に起因する水頭差が生じ、第2のシュラウド
10内側を上昇し外側を下降する冷却水の自然循環が生
じる。
【0075】この時、下部プレナム13の低温の冷却水
も第2のシュラウド10内外に循環するため、下部プレ
ナム13内における温度成層化による低温水の停滞が防
止される。したがって、原子炉の起動後期にシュラウド
4内からダウンカマ5への冷却水の循環流速が増加した
場合に、炉心2及び炉心3への低温水の急激な流入が防
止され、流動安定性,炉心安定性がさらに向上する。
【0076】本実施例によれば、第1の実施例による効
果に加えて、流動安定性,炉心安定性をさらに向上でき
る。
【0077】本発明の第5および第6の実施例を図10
及び図11により説明する。図10,図11は本発明に
よる原子炉の縦断面を示す。
【0078】第2の実施例で示した原子炉において、図
10に示すように炉心2と炉心3の境界付近の下端から
下方に、その下端がシュラウド4の下端より低いバッフ
ル25を設ける。または、図11に示すように炉心2と
炉心3の境界付近の炉心内から下方に伸び、その下端が
シュラウド4の下端より低い第2のシュラウド10を設
ける。
【0079】第2の実施例で示した手順で原子炉を起動
する。冷却水が炉心2及び炉心3あるいは第2のシュラ
ウド10の上端より上方でかつ気水分離器9の入口より
下方に水位を形成するように水張りし、炉心2の一部あ
るいは全部に挿入された制御棒12を引き抜き、炉心2
を核加熱する。この時、炉心2が核加熱され、第2のシ
ュラウド10外側の炉心3は非核加熱であるため、炉心
2の内外には冷却水の密度差に起因する水頭差が生じ、
炉心2を上昇し炉心3を下降する冷却水の自然循環が生
じる。
【0080】この時、下部プレナム13の低温の冷却水
も図10のバッフル25あるいは図11の第2のシュラ
ウド10内外に循環するため、下部プレナム13内にお
ける温度成層化による低温水の停滞が防止される。した
がって、原子炉の起動後期において、シュラウド4内か
らダウンカマ5への冷却水の循環流速が増加した場合に
炉心2及び炉心3への低温水の急激な流入が防止され、
流動安定性,炉心安定性がさらに向上する。
【0081】本実施例によれば、第2の実施例による効
果に加えて、流動安定性,炉心安定性が向上する。
【0082】本発明の第7の実施例を図12により説明
する。図12は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0083】第5の実施例の10図で示した原子炉にお
いて、炉心2と炉心3の境界付近の下端から下方に伸び
たバッフル25の下端に接続し、シュラウド4下端の下
方を通り、ダウンカマ5の下部に達するバッフル26を
設ける。
【0084】第3の実施例で示した手順で原子炉を起動
する。冷却水が炉心2及び炉心3の上端より上方でかつ
気水分離器9の入口より下方に水位を形成するように水
張りし、炉心2の一部あるいは全部に挿入された制御棒
12を引き抜き、炉心2を核加熱する。この時、炉心2
が核加熱され、炉心3は非核加熱であるため、炉心2と
炉心3の間には冷却水の密度差に起因する水頭差が生
じ、炉心2を上昇し炉心3を下降する冷却水の自然循環
が生じる。
【0085】この時、下部プレナム13の低温の冷却水
がバッフル26内外に循環するだけでなく、バッフル2
6によってダウンカマ5下部の冷却水も炉心2に循環す
る。したがって、原子炉の起動後期においてシュラウド
4内からダウンカマ5への冷却水の循環流速が増加した
場合に炉心2及び炉心3への低温水の急激な流入が防止
され、流動安定性,炉心安定性がさらに向上する。
【0086】本実施例によれば、第6の実施例による効
果に加えて、流動安定性,炉心安定性が向上する。
【0087】本発明の第8の実施例を図13により説明
する。図13は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0088】第5の実施例で示した原子炉において、シ
ュラウド4下端より下方まで伸びた第2のシュラウド1
0の下端に接続し、シュラウド4下端の下方からダウン
カマ5内に入り、その上端が第2のシュラウド10の上
端高さより下方となるバッフル27を設ける。
【0089】第1の実施例で示した手順で低核加熱で原
子炉を起動する。冷却水が第2のシュラウド10の上端
より上方で気水分離器9の入口より下方に水位を形成す
るように水張りし、炉心2の一部あるいは全部に挿入さ
れた制御棒12を引き抜き、炉心2を核加熱する。この
時、炉心2が核加熱され、炉心3は非核加熱であるた
め、第2のシュラウド10の内外に冷却水の密度差に起
因する水頭差が生じ、第2のシュラウド10の内側を上
昇し、第2のシュラウド10の外側を下降する冷却水の
自然循環が生じる。
【0090】この時、下部プレナム13の低温の冷却水
がバッフル27の内外に循環するだけでなく、バッフル
27によってダウンカマ5の内部の冷却水も炉心2に循
環し、核加熱される。したがって、原子炉の起動後期に
シュラウド4内からダウンカマ5への冷却水の循環流速
が増加した場合に、炉心2及び炉心3への低温水の急激
な流入が防止され、流動安定性,炉心安定性がさらに向
上する。
【0091】本実施例によれば、第5の実施例による効
果に加えて、流動安定性,炉心安定性が向上する。
【0092】本発明の第9の実施例を図14により説明
する。図14は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0093】第1の実施例で示した原子炉において、第
2のシュラウド10の代わりに、炉心2と炉心3の境界
付近にあってその下端が炉心2及び炉心3の上端より上
方で、かつその上端が気水分離器9の入口より下方のチ
ムニ33を設ける。
【0094】原子炉の起動時に、冷却水がチムニ33上
端より上方でかつ気水分離器9の入口より下方に水位を
形成するように水張りし、炉心2の一部あるいは全部に
挿入された制御棒12を引き抜き、炉心2を核加熱す
る。この時、炉心2が核加熱され、炉心3は非核加熱で
あるため、チムニ33の内外に冷却水の密度差に起因す
る水頭差が生じ、チムニ33の内側を上昇し、外側を下
降する冷却水の自然循環が生じる。以下、第1の実施例
の起動手順で原子炉を起動する。
【0095】本実施例では、第2のシュラウド10によ
って炉心部の空間体積を減少させることがなく、炉心を
小型化できる。
【0096】本実施例によれば、第5の実施例による効
果に加えて、炉心の小型化による原子炉製造時の経済性
向上の効果がある。
【0097】本発明の第10の実施例を図15により説
明する。図15は本発明の実施例による原子炉の横断面
を示す。
【0098】第1の実施例,第2の実施例,第4の実施
例,第5の実施例,第8の実施例,第9の実施例で示し
た原子炉において、第2のシュラウド10,第3のシュ
ラウド21,第4のシュラウド22あるいはチムニ33
で仕切られるシュラウド4内の空間を、シュラウド等の
壁面とほぼ直角方向に仕切るバッフル28を設ける。原
子炉の通常運転時において、シュラウド4内の空間は第
2のシュラウド10,第3のシュラウド等の円周方向の
壁面とバッフル28の半径方向の壁面によって仕切られ
る。このため、仕切られた各領域の間で蒸気泡合体によ
る大気泡の生成は妨げられる。また、シュラウド4内に
おける蒸気泡の上昇経路も各領域ごとに限定されるの
で、シュラウド4内の蒸気泡の偏在や合体によって局所
的な自然循環流量の差異が生じにくくなる。また、大気
泡の生成による水位変動を防止できるので、キャリオー
バや気水分離器及びドライヤの水没による気水分離性能
の低下を防止できる。さらに、各領域では炉心の出力,
蒸気発生量に対応した自然循環流量が得られ、燃料集合
体間の流量の変動による自然循環流量の低下や炉心安定
性の低下が防止される。
【0099】本実施例によれば、第1の実施例,第2の
実施例,第4の実施例,第5の実施例,第8の実施例,
第9の実施例による効果に加えて、原子炉の通常運転時
の信頼性をさらに向上する効果がある。
【0100】本発明の第11の実施例を図16により説
明する。図16は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0101】原子炉圧力容器1内において、核燃料から
なる炉心2,炉心3はシュラウド4で囲まれており、シ
ュラウド4の上部には炉心2,炉心3で発生した蒸気を
冷却水から分離する気水分離器9が設けられ、気水分離
後の冷却水はシュラウド4の外側のダウンカマ5を下降
する。気水分離器9で分離された蒸気は、気水分離器9
の上方のドライヤ8で湿分分離され主蒸気管6からタ−
ビンに送られる。タ−ビンからの復水は給水ポンプによ
って給水管7から原子炉圧力容器1内に給水される。ダ
ウンカマ5内には循環ポンプ29が設けられ、原子炉圧
力容器1内の冷却水を強制循環する。この沸騰水型原子
炉において、シュラウド4の内部で炉心2を囲みその上
端が気水分離器9の入口よりも低い第2のシュラウド1
0を設ける。
【0102】原子炉の起動は、第1の実施例の手順と同
様である。本実施例では、原子炉の自然循環状態におけ
る起動が終了した後、循環ポンプ29,給水ポンプを運
転して原子炉圧力容器内の冷却水を強制循環し、炉心
2,炉心3における核加熱量を増加して原子炉の定格運
転温度及び圧力を得る。
【0103】この原子炉起動法では、原子炉起動時初期
に循環ポンプ29を運転する必要が無いため、ポンプ駆
動電力が節約でき、原子炉の経済性を向上できる。
【0104】また、通常運転時における第2のシュラウ
ド10による自然循環流量の低下,水位変動及び炉心安
定性の低下を防ぐことができる。
【0105】さらに、事故時にも第2のシュラウド10
によって自然循環の停滞を防止できるので、事故時の安
全性が向上する。
【0106】本実施例によれば、強制循環型原子炉の起
動時にポンプ駆動電力が節約でき、原子炉の経済性が向
上し、通常運転時における原子炉の自然循環性能が向上
し、気水分離能力が高まるので原子炉の信頼性が向上
し、さらに、事故時にも炉心の冷却能力を向上できるの
で原子炉の安全性を向上できる。
【0107】本発明の第12の実施例を図17により説
明する。図17は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0108】原子炉圧力容器1内で、核燃料からなる炉
心2はシュラウド4で囲まれており、シュラウド4の上
部には炉心2で発生した蒸気を冷却水から分離する気水
分離器9が設けられ、気水分離後の冷却水はシュラウド
4外側のダウンカマ5を下降する。気水分離器9で分離
された蒸気は、気水分離器9上方のドライヤ8で湿分分
離され主蒸気管6からタービンに送られる。タービンか
らの復水は給水ポンプによって給水管7から原子炉圧力
容器1内にに給水される。この自然循環型原子炉におい
て、シュラウド4の内部にあって炉心2を囲みその上端
が気水分離器9の入口よりも低い第2のシュラウド10
を設け、シュラウド4と第2のシュラウド10の間に空
隙ができるように配置する。
【0109】原子炉の起動時に、冷却水が第2のシュラ
ウド10の上端より上方でかつ気水分離器9の入口より
下方に水位を形成するように水張りする。次に、炉心2
の制御棒12を引き抜き、炉心2を核加熱する。この
時、第2のシュラウド10内外には冷却水の密度差に起
因する水頭差が生じ、第2のシュラウド10内側を上昇
し外側のシュラウド4と第2のシュラウド10の間の空
隙を下降する冷却水の自然循環が生じる。
【0110】冷却水の循環は第2のシュラウド10内外
に生じるので、核加熱を受ける冷却水の量は少なく、低
い核加熱量で比較的短時間で冷却水を昇温できる。この
ため、炉心2における蒸気発生,凝縮による不安定現象
の発生を防止できる。この時、ダウンカマ5内及び下部
プレナム13内の冷却水は低温状態にある。
【0111】任意の核加熱量でさらに核加熱を続ける
と、炉心2で蒸気が発生し、第2のシュラウド10内外
の自然循環量が増加するとともに、シュラウド4内の水
位が上昇する。この時の自然循環流量は、第2のシュラ
ウド10の高さがシュラウド4より低いために、シュラ
ウド4を単独で用いたの場合より少ない。このため、炉
心2内に蒸気が発生し自然循環流量が増加した場合の下
部プレナム13からの低温水の流入量も少なくなり、不
安定現象の発生は抑制される。
【0112】核加熱を続けるにつれて、第2のシュラウ
ド10内外の冷却水のサブクール度が減少し、蒸気発生
量が増加する。蒸気発生量の増加にともなって、シュラ
ウド4内の水位が上昇し、気水分離器9内に達すると冷
却水の一部はシュラウド4外に流れダウンカマ5に流入
する。ダウンカマ5への流入流量はシュラウド4内の水
位の上昇分のみであり炉心2の流量のほとんどは第2の
シュラウド10外への循環流量となる。したがって、ダ
ウンカマ5から炉心2への低温水の流入量は僅かであ
り、炉心2における不安定現象の発生は抑制される。
【0113】さらに核加熱を続けるにつれて、第2のシ
ュラウド10内の蒸気体積率が増加し、ダウンカマ5内
の水位も上昇する。この時、ダウンカマ5内の冷却水は
温度成層化によって上部ほど水温が高く、ダウンカマ5
下部から低温水が徐々に炉心2内に流入する。また、第
2のシュラウド10内外の自然循環流量の増加にしたが
って、下部プレナム13内の低温水も徐々に炉心2内に
流入する。以上の過程では、ダウンカマ5内及び下部プ
レナム13内の低温水の急激な流入は生じないため、炉
心2における不安定現象の発生が防止される。
【0114】以上の手順を用いて炉心の核加熱量を増加
することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力を得
る。以上の手順において、水位が定格運転水位より低く
なる場合には、給水ポンプを用いて、適宜、少量ずつ給
水を加える。
【0115】この原子炉起動法によって、原子炉の起動
時間を大幅に短縮でき、炉心2における蒸気の発生,凝
縮の交番による流動安定性及び炉心安定性の低下や水位
変動を防止でき、起動時の原子炉の制御性を向上でき
る。
【0116】また、各種配管破断等の事故時に、原子炉
圧力容器1内の水位がシュラウド4の上端より下降した
場合、第2のシュラウド10内外の冷却水の静水頭差に
よって第2のシュラウド10の内側を冷却水が上昇し、
外側を下降する自然循環が生じる。第2のシュラウド1
0によって炉心2における冷却水の循環流速を高められ
るので、炉心2の冷却が促進される。これにより、事故
時の安全性が向上する。
【0117】本実施例によれば、自然循環型原子炉の起
動時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性
及び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
できるので、原子炉の起動に係る経済性を向上すること
ができる。また、起動時の水位を安定化できるので、原
子炉起動時の制御性を向上できる。さらに、事故時にも
炉心の冷却能力を向上できるので原子炉の安全性を向上
できる。
【0118】本発明の第13の実施例を図18により説
明する。図18は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0119】原子炉圧力容器1内において、核燃料から
なる炉心2はシュラウド4で囲まれており、シュラウド
4の上部には炉心2で発生した蒸気を冷却水から分離す
る気水分離器9が設けられ、気水分離後の冷却水はシュ
ラウド4外側のダウンカマ5を下降する。気水分離器9
で分離された蒸気は、気水分離器9上方のドライヤ8で
湿分分離され主蒸気管6からタービンに送られる。ター
ビンからの復水は給水ポンプによって給水管7から原子
炉圧力容器1内に給水される。この自然循環型原子炉
で、シュラウド4の内部にあって炉心2領域の一部にバ
イバス流路31を形成しその上端が気水分離器9の入口
よりも低い第2のシュラウド10を設ける。
【0120】原子炉の起動時に、冷却水が第2のシュラ
ウド10の上端より上方でかつ気水分離器9の入口より
下方に水位を形成するように水張りする。次に、炉心2
の制御棒12を引き抜き、炉心2を核加熱する。この
時、第2のシュラウド10内外には冷却水の密度差に起
因する水頭差が生じ、第2のシュラウド10外側を上昇
し内側のバイパス流路31を下降する冷却水の自然循環
が生じる。
【0121】冷却水の循環は第2のシュラウド10内外
に生じるので、核加熱を受ける冷却水の量は少なく、低
い核加熱量で比較的短時間で冷却水を昇温できる。この
ため、炉心2における蒸気発生,凝縮による不安定現象
の発生を防ぐことができる。この時、ダウンカマ5内及
び下部プレナム13内の冷却水は低温状態にある。
【0122】さらに核加熱を続けると、炉心2で蒸気が
発生し、第2のシュラウド10内外の自然循環量が増加
し、シュラウド4内の水位が上昇する。
【0123】第2のシュラウド10内外の冷却水のサブ
クール度が減少し、蒸気発生量が増加する。蒸気発生量
の増加にともなって、シュラウド4内の水位が上昇し、
気水分離器9内に達すると冷却水の一部はシュラウド4
外に流れダウンカマ5に流入する。ダウンカマ5への流
入流量はシュラウド4内水位の上昇分のみであり炉心2
の流量のほとんどはバイパス流路31への循環流量とな
る。したがって、ダウンカマ5から炉心2への低温水の
流入量は僅かであり、炉心2における不安定現象の発生
は抑制される。さらに核加熱を続けるにつれて、第2の
シュラウド10内の蒸気体積率が増加し、ダウンカマ5
内の水位も上昇する。この時、ダウンカマ5内の冷却水
は温度成層化によって上部ほど水温が高く、ダウンカマ
5下部から低温水が徐々に炉心2内に流入する。また、
第2のシュラウド10内外の自然循環流量の増加につ
れ、下部プレナム13内の低温水も徐々に炉心2内に流
入する。以上の過程では、ダウンカマ5内及び下部プレ
ナム13内の低温水の急激な流入は生じないため、炉心
2における不安定現象の発生が防止される。
【0124】以上の手順を用いて炉心の核加熱量を増加
することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力を得
る。以上の手順で、水位が定格運転水位より低くなる場
合には、給水ポンプを用いて適宜少量ずつ給水を加え
る。
【0125】この原子炉起動法によって、原子炉の起動
時間を大幅に短縮できるとともに、炉心2における蒸気
発生,蒸気凝縮の交番による流動安定性及び炉心安定性
の低下や水位変動を防止でき、起動時の原子炉の制御性
を向上できる。
【0126】また、各種配管破断等の事故時に、原子炉
圧力容器1内の水位がシュラウド4の上端より下降した
場合に、第2のシュラウド10内外の冷却水の静水頭差
によって冷却水が第2のシュラウド10の外側を上昇
し、内側のバイパス流路を下降する自然循環が生じる。
第2のシュラウド10によって炉心2における冷却水の
循環流速を高められるので、炉心2の冷却が促進され
る。これにより、事故時の安全性が向上する。
【0127】本実施例によれば、自然循環型原子炉の起
動時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性
及び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
できるので、原子炉の起動に係る経済性を向上できる。
また、起動時の水位を安定化できるので、原子炉起動時
の制御性を向上できる。さらに、事故時にも炉心の冷却
能力を向上できるので原子炉の安全性を向上できる。
【0128】本発明の第14の実施例を図19により説
明する。図19は本発明による原子炉の縦断面を示す。
【0129】原子炉圧力容器1内において、核燃料から
なる炉心2,炉心3はシュラウド4で囲まれており、シ
ュラウド4の上部は上部空間に開放されている。炉心2
及び炉心3で発生した蒸気は、シュラウド4上方の自由
液面から上昇し、ドライヤ8で湿分分離され主蒸気管6
からタービンに送られる。シュラウド4内を上昇した冷
却水はダウンカマ5を下降する。タービンからの復水は
給水ポンプによって給水管7から原子炉圧力容器1内に
給水される。この自然循環型原子炉において、シュラウ
ド4の内部にあって炉心2を囲みその上端が気水分離器
9の入口よりも低い第2のシュラウド10を設ける。
【0130】原子炉の起動時に、冷却水が第2のシュラ
ウド10の上端より上方でかつシュラウド4の上端より
下方に水位を形成するように水張りする。次に、第2の
シュラウド10によって囲まれる炉心2の一部あるいは
全部に挿入された制御棒12を引き抜き、炉心2を核加
熱する。この時、炉心2が核加熱され、第2のシュラウ
ド10外側の炉心3は非核加熱であるため、第2のシュ
ラウド10内外には冷却水の密度差に起因する水頭差が
生じ、第2のシュラウド10内側を上昇し外側を下降す
る冷却水の自然循環が生じる。
【0131】さらに核加熱を続けると、炉心2で蒸気が
発生し、第2のシュラウド10内外の自然循環量が増加
し、シュラウド4内の水位が上昇する。
【0132】核加熱を続けるにつれ、第2のシュラウド
10内外の冷却水のサブクール度が減少し、蒸気発生量
が増加する。蒸気発生量の増加にともなって、シュラウ
ド4内の水位が上昇し、シュラウド4の上端を越えると
冷却水の一部はシュラウド4外に流れダウンカマ5に流
入する。ダウンカマ5への流入流量はシュラウド4内水
位の上昇分のみであり炉心2の流量のほとんどは第2の
シュラウド10外への循環流量となる。
【0133】さらに核加熱を続けると、第2のシュラウ
ド10内の蒸気体積率が増加し、ダウンカマ5内の水位
も上昇する。この時、ダウンカマ5内の冷却水は温度成
層化によって上部ほど水温が高く、ダウンカマ5下部か
ら低温水が徐々に炉心2内に流入する。また、第2のシ
ュラウド10内外の自然循環流量の増加につれ、下部プ
レナム13内の低温水も徐々に炉心2内に流入する。
【0134】シュラウド4内の蒸気体積率が十分に増加
し、ダウンカマ5水位が十分に上昇した後、炉心3でも
制御棒11を引き抜いて核加熱を開始する。この時、炉
心3内における冷却水の流れが下降流から上昇流に転
じ、流量が増加する過程では、炉心3の出力が核沸騰か
ら膜沸騰への流動遷移が起こる限界熱出力を越えないよ
うに安全余裕を持たせた上で核加熱量を調整する。
【0135】以上の手順を用いて炉心の全領域において
核加熱することにより、原子炉の定格運転温度及び圧力
を得る。以上の手順で、水位が定格運転水位より低くな
る場合には、給水ポンプを用いて、適宜、少量ずつ給水
を加える。
【0136】この原子炉起動法によって、原子炉の起動
時間を大幅に短縮でき、炉心2,炉心3における蒸気の
発生,凝縮の交番による流動安定性及び炉心安定性の低
下や水位変動を防止でき、起動時の原子炉の制御性を向
上できる。
【0137】以上の起動手順において、炉心2を核加熱
領域とし、炉心3を非核加熱領域とする手順は、炉心2
を核加熱大の領域とし、炉心3を核加熱小の領域とする
ことによっても達成できる。
【0138】次に、通常運転時における第2のシュラウ
ド10による自然循環流量の低下防止及び水位変動防止
を説明する。
【0139】第2のシュラウド10によってシュラウド
4内は仕切られる。このため、第2のシュラウド10内
側領域から外側領域の間で蒸気泡合体による大気泡の生
成は妨げられる。また、シュラウド4内における蒸気泡
の上昇経路も炉心2で発生した蒸気は第2のシュラウド
10内側、炉心3で発生した蒸気は第2のシュラウド1
0外側に分けられるため、シュラウド4内の蒸気泡の偏
在や合体によって局所的な自然循環流量の差異が生じに
くくなる。また、大気泡の生成による水位変動を防止で
きるので、キャリオーバやドライヤの水没による気水分
離性能の低下を防止できる。さらに、炉心2及び第2の
シュラウド10内側には炉心2の出力,蒸気発生量に対
応した高い自然循環流量が得られ、炉心3及び第2のシ
ュラウド10の外側には低い自然循環流量が得られる。
これにより、燃料集合体間の流量の変動による自然循環
流量の低下や炉心安定性の低下を防ぐことができる。
【0140】次に、事故時における第2のシュラウド1
0による自然循環の停滞の防止作用を説明する。
【0141】各種配管破断等の事故時に、原子炉圧力容
器1内の水位がシュラウド4の上端より下降した場合
に、炉心3の出力は炉心2の出力より低いため、第2の
シュラウド10内外の冷却水の静水頭差によって第2の
シュラウド10の内側を冷却水が上昇し、外側を下降す
る自然循環が生じる。比較的高出力の炉心2における冷
却水の循環流速を高められるので、炉心2の冷却が促進
される。また、炉心3でも、第2のシュラウド10が無
い場合には冷却水の循環が停滞するのに対して、冷却水
の下降流による除熱が可能となる。これにより、事故時
の安全性が向上する。
【0142】本実施例によれば、自然循環型原子炉の起
動時に低温二相流の不安定現象の発生による流動安定性
及び炉心安定性の低下を防止し、起動時間を大幅に短縮
できるので、原子炉の起動に係る経済性を向上できる。
また、起動時の水位を安定化できるので、原子炉起動時
の制御性を向上できる。通常運転時には、原子炉の自然
循環性能が向上し、気水分離能力が高まる。さらに、事
故時にも炉心の冷却能力を向上できるので原子炉の安全
性が向上する。
【0143】
【発明の効果】本発明の請求項1,2,3,4,5によ
れば、気水分離器を有する自然循環型原子炉の起動時に
低温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心
安定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果
と、通常運転時における自然循環流量の減少及び変動を
防ぎ、事故時における安全性が向上する。
【0144】本発明の請求項6,7,8,9,10によ
れば、気水分離器を設けない自然循環型原子炉の起動時
に低温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉
心安定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮し、通常
運転時における自然循環流量の減少及び変動を防ぎ、事
故時における安全性が向上する。
【0145】本発明の請求項11,12,13,14,
15によれば、沸騰水型原子炉の起動時に循環ポンプの
駆動電力を節約し経済性が向上し、事故時における安全
性が向上する。
【0146】請求項16によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、
事故時における安全性が向上する。
【0147】請求項17によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し、通常運転時における自然循環流量
の減少及び変動が防止される。
【0148】請求項18によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防ぐことができる。
【0149】請求項19によれば、通常運転時における
自然循環流量の減少及び変動を防ぐことができる。
【0150】請求項20によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、
原子炉の起動を円滑にし、通常運転時における自然循環
流量の減少及び変動を防止し、事故時における安全性が
向上する。
【0151】請求項21によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果があ
る。請求項22によれば、原子炉の起動時に低温二相流
の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安定性の低
下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、通常運転
時における自然循環流量の減少及び変動を防止し、事故
時における安全性が増す。
【0152】請求項23によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、
通常運転時における自然循環流量の減少及び変動を防
ぎ、事故時における安全性が増す。
【0153】請求項24によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防ぐことができる。
【0154】請求項25によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、
通常運転時における自然循環流量の減少及び変動が防止
でき、事故時における安全性が向上する。
【0155】請求項26によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防ぐことができる。
【0156】請求項27によれば、通常運転時における
自然循環流量の減少及び変動を防ぐことができる。
【0157】請求項28によれば、通常運転時における
自然循環流量の減少及び変動を防ぐことができる。
【0158】請求項29によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮し、通常運転
時における自然循環流量の減少及び変動を防ぎ、事故時
における安全性が増す。
【0159】請求項30によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果、事
故時における安全性が増す。
【0160】請求項31によれば、原子炉の起動時に低
温二相流の不安定現象の発生による流動変動及び炉心安
定性の低下を防止し起動時間を大幅に短縮する効果と、
通常運転時における自然循環流量の減少及び変動を防
ぎ、事故時における安全性が増す。
【0161】請求項32によれば、原子炉の起動時に水
位調整のために抜く冷却水量が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の縦
断面図。
【図2】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の第
一作動原理図。
【図3】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の第
二作動原理図。
【図4】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の第
三作動原理図。
【図5】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の第
四作動原理図。
【図6】本発明の一実施例における原子炉圧力容器の系
統図。
【図7】本発明の第二の実施例における原子炉圧力容器
の縦断面図。
【図8】本発明の第三の実施例における原子炉圧力容器
の縦断面図。
【図9】本発明の第四の実施例における原子炉圧力容器
の縦断面図。
【図10】本発明の第五の実施例における原子炉圧力容
器の縦断面図。
【図11】本発明の第六の実施例における原子炉圧力容
器の縦断面図。
【図12】本発明の第七の実施例における原子炉圧力容
器の縦断面図。
【図13】本発明の第八の実施例における原子炉圧力容
器の縦断面図。
【図14】本発明の第九の実施例における原子炉圧力容
器の縦断面図。
【図15】本発明の第十の実施例における原子炉圧力容
器の横断面図。
【図16】本発明の第十一の実施例における原子炉圧力
容器の縦断面図。
【図17】本発明の第十二の実施例における原子炉圧力
容器の縦断面図。
【図18】本発明の第十三の実施例における原子炉圧力
容器の縦断面図。
【図19】本発明の第十四の実施例における原子炉圧力
容器の縦断面図。
【符号の説明】
1…圧力容器、2,3…炉心、4…シュラウド、5…ダ
ウンカマ、6…主蒸気管、7…給水管、8…ドライヤ、
9…気水分離器、10…第2のシュラウド、11…制御
棒。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】核燃料からなる炉心と、前記炉心を囲むシ
    ュラウドと、前記シュラウド上部にあって前記炉心で発
    生した蒸気を冷却水から分離する気水分離器と、気水分
    離後の前記冷却水が下降する前記シュラウドの外側のダ
    ウンカマと、前記気水分離器で分離された蒸気から湿分
    を分離するドライヤと、前記炉心の出力を制御する制御
    棒とを内蔵する圧力容器と、前記圧力容器からの蒸気に
    より回転するタービンと、蒸気を前記タ−ビンに送る主
    蒸気管と、タービン軸によって駆動される発電機と、タ
    ービン駆動後の蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器の
    凝縮水である冷却水を前記圧力容器に給水する給水ポン
    プと、前記給水ポンプからの前記冷却水を前記圧力容器
    内に注水する給水管からなる自然循環型原子炉におい
    て、原子炉の起動時に前記炉心の一部を制御棒を引き抜
    いて核加熱する領域とし、それ以外の前記炉心を非核加
    熱領域として、核加熱炉心領域の前記冷却水と非核加熱
    炉心領域の冷却水の密度差に起因する水頭差によって前
    記冷却水が核加熱炉心領域の燃料集合体内を上昇し前記
    非核加熱炉心領域の前記燃料集合体内を下降する自然循
    環を行ないながら冷却水を昇温し、その後に前記非核加
    熱炉心領域の前記制御棒を引き抜いてその領域でも前記
    冷却水を核加熱し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を
    得ることを特徴とする原子炉の起動法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記原子炉の起動時に
    前記冷却水が前記圧力容器内の前記炉心の上端より上方
    でかつ前記気水分離器の入口より下方に水位を形成する
    ように水張りし、前記炉心の一部を制御棒を引き抜いて
    核加熱する領域とし、それ以外の前記炉心を前記非核加
    熱領域として、前記核加熱炉心領域の冷却水と前記非核
    加熱炉心領域の冷却水の密度差に起因する水頭差によっ
    て冷却水が前記核加熱炉心領域の前記燃料集合体内を上
    昇し前記非核加熱炉心領域の前記燃料集合体内を下降す
    る自然循環を行ないながら冷却水を昇温し、前記核加熱
    炉心領域における蒸気発生によって水位が前記気水分離
    器内まで上昇し前記冷却水が前記シュラウド内から前記
    シュラウド外側の前記ダウンカマ領域に循環を開始した
    後に前記非核加熱炉心領域の制御棒を引き抜いてその領
    域でも前記冷却水を核加熱し、原子炉定格運転蒸気温度
    及び圧力を得る原子炉の起動法。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記シュラウ
    ドの内部にあって前記炉心の一部を囲みその上端が前記
    気水分離器の入口よりも低い第二のシュラウドを設けた
    原子炉の起動法。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記シュ
    ラウド内部にあってその上端が前記気水分離器の入口よ
    りも低い第二のシュラウドによって前記炉心の一部を囲
    み、前記原子炉の起動時に前記第二のシュラウドによっ
    て囲まれる前記炉心の一部あるいは全部を前記制御棒を
    引き抜いて核加熱する炉心領域とし、それ以外を前記非
    核加熱領域として、前記核加熱炉心領域の冷却水と前記
    非核加熱炉心領域の冷却水の密度差に起因する前記第二
    のシュラウド内外の水頭差によって前記冷却水が前記第
    二のシュラウド内を上昇し前記第二のシュラウド外を下
    降する自然循環を行ないながら冷却水を昇温し、その後
    に前記非核加熱炉心領域の前記制御棒を引き抜いてその
    領域でも前記冷却水を核加熱し、原子炉定格運転蒸気温
    度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記原子炉の起動時に
    冷却水が前記第二のシュラウドの上端より上方で前記気
    水分離器の入口より下方に水位を形成するように水張り
    し、前記核加熱炉心領域の前記冷却水と前記非核加熱炉
    心領域の前記冷却水の密度差に起因する前記第二のシュ
    ラウド内外の水頭差によって冷却水が前記第二のシュラ
    ウド内を上昇し前記第二のシュラウド外を下降する自然
    循環を行ないながら前記冷却水を昇温し、前記第二のシ
    ュラウド内側の前記炉心核加熱領域における蒸気発生に
    よって水位が前記気水分離器内まで上昇し前記冷却水が
    前記シュラウド内から前記シュラウド外側のダウンカマ
    領域に循環を開始した後に前記非核加熱炉心領域の前記
    制御棒を引き抜いてその領域でも冷却水を核加熱し、原
    子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記シュラウドの上端
    に前記気水分離器を設けず前記冷却水の自由液面で気水
    分離する自然循環型原子炉の起動時に前記炉心の一部を
    前記制御棒を引き抜いて核加熱する領域とし、それ以外
    の前記炉心を非核加熱領域として、前記核加熱炉心領域
    の前記冷却水と前記非核加熱炉心領域の前記冷却水の密
    度差に起因する水頭差によって前記冷却水が前記核加熱
    炉心領域の前記燃料集合体内を上昇し前記非核加熱炉心
    領域の前記燃料集合体内を下降する自然循環を行ないな
    がら前記冷却水を昇温し、その後に前記非核加熱炉心領
    域の前記制御棒を引き抜いてその領域でも冷却水を核加
    熱し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の
    起動法。
  7. 【請求項7】請求項6において、前記原子炉の起動時に
    前記冷却水が前記圧力容器内の前記炉心の上端より上方
    で前記シュラウドの上端より下方に水位を形成するよう
    に水張りし、前記炉心の一部を前記制御棒を引き抜いて
    核加熱する領域とし、それ以外の前記炉心を前記非核加
    熱領域として、前記核加熱炉心領域の前記冷却水と前記
    非核加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因する水頭
    差によって前記冷却水が前記核加熱炉心領域の前記燃料
    集合体内を上昇し前記非核加熱炉心領域の前記燃料集合
    体内を下降する自然循環を行ないながら前記冷却水を昇
    温し、前記核加熱炉心領域における蒸気発生によって水
    位が前記シュラウドの上端を越えて前記冷却水が前記シ
    ュラウド内から前記シュラウド外側のダウンカマ領域に
    循環を開始した後に前記非核加熱炉心領域の前記制御棒
    を引き抜いてその領域でも前記冷却水を核加熱し、原子
    炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  8. 【請求項8】請求項6または7において、前記シュラウ
    ド内部にあって前記炉心の一部を囲みその上端が前記シ
    ュラウドの上端よりも低い第二のシュラウドを設けた原
    子炉の起動法。
  9. 【請求項9】請求項6,7または8において、前記シュ
    ラウド内部にあってその上端が前記シュラウドの上端よ
    りも低い第二のシュラウドによって前記炉心の一部を囲
    み、前記原子炉の起動時に第二のシュラウドによって囲
    まれる前記炉心の一部あるいは全部を前記制御棒を引き
    抜いて核加熱する炉心領域とし、それ以外を前記非核加
    熱領域として、前記核加熱炉心領域の前記冷却水と前記
    非核加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因する前記
    第二のシュラウド内外の水頭差によって前記冷却水が前
    記第二のシュラウド内を上昇し前記第二のシュラウド外
    を下降する自然循環を行ないながら前記冷却水を昇温
    し、その後に前記非核加熱炉心領域の前記制御棒を引き
    抜いてその領域でも前記冷却水を核加熱し、原子炉定格
    運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記原子炉の起動時
    に前記冷却水が前記第二のシュラウドの上端より上方で
    前記シュラウド上端より下方に水位を形成するように水
    張りし、前記核加熱炉心領域の前記冷却水と前記非核加
    熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因する前記第二の
    シュラウド内外の水頭差によって前記冷却水が前記第二
    のシュラウド内を上昇し前記第二のシュラウド外を下降
    する自然循環を行ないながら前記冷却水を昇温し、前記
    第二のシュラウド内側の前記炉心核加熱領域における蒸
    気発生によって水位が前記シュラウドの上端を越え前記
    冷却水が前記シュラウド内から前記シュラウド外側のダ
    ウンカマ領域に循環を開始した後に前記非核加熱炉心領
    域の前記制御棒を引き抜いてその領域でも前記冷却水を
    核加熱し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子
    炉の起動法。
  11. 【請求項11】請求項1の前記自然循環型原子炉の構成
    に加えて循環ポンプを具備し前記圧力容器内の前記冷却
    水を前記循環ポンプを用いて循環する沸騰水型原子炉に
    おいて、原子炉の起動時に前記炉心の一部を制御棒を引
    き抜いて核加熱する領域とし、それ以外の前記炉心を前
    記非核加熱領域として、前記核加熱炉心領域の前記冷却
    水と前記非核加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因
    する水頭差によって前記冷却水が前記核加熱炉心領域の
    前記燃料集合体内を上昇し前記非核加熱炉心領域の前記
    燃料集合体内を下降する自然循環を行ないながら前記冷
    却水を昇温し、その後に前記非核加熱炉心領域の前記制
    御棒を引き抜いてその領域でも冷却水を核加熱し、原子
    炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記原子炉の起動
    時に前記冷却水が前記圧力容器内の前記炉心の上端より
    上方でかつ前記気水分離器の入口より下方に水位を形成
    するように水張りし、前記炉心の一部を前記制御棒を引
    き抜いて核加熱する領域とし、それ以外の前記炉心を前
    記非核加熱領域として、前記核加熱炉心領域の前記冷却
    水と前記非核加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因
    する水頭差によって前記冷却水が前記核加熱炉心領域の
    前記燃料集合体内を上昇し前記非核加熱炉心領域の前記
    燃料集合体内を下降する自然循環を行ないながら前記冷
    却水を昇温し、前記核加熱炉心領域における蒸気発生に
    よって水位が前記気水分離器内まで上昇し前記冷却水が
    前記シュラウド内から前記シュラウド外側のダウンカマ
    領域に循環を開始した後に前記非核加熱炉心領域の前記
    制御棒を引き抜いてその領域でも前記冷却水を核加熱
    し、前記循環ポンプにより前記冷却水を循環し、原子炉
    定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  13. 【請求項13】請求項11または12において、前記シ
    ュラウド内部にあって前記炉心の一部を囲みその上端が
    前記気水分離器の入口よりも低い第二のシュラウドを設
    けた原子炉の起動法。
  14. 【請求項14】請求項11,12または13において、
    前記シュラウド内部にあってその上端が前記気水分離器
    の入口よりも低い第二のシュラウドによって前記炉心の
    一部を囲み、前記原子炉の起動時に第二のシュラウドに
    よって囲まれる炉心の一部あるいは全部を前記制御棒を
    引き抜いて核加熱する炉心領域とし、それ以外を前記非
    核加熱領域として、前記核加熱炉心領域の冷却水と前記
    非核加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因する第二
    のシュラウド内外の水頭差によって前記冷却水が前記第
    二のシュラウド内を上昇し前記第二のシュラウド外を下
    降する自然循環を行ないながら前記冷却水を昇温し、そ
    の後に前記非核加熱炉心領域の前記制御棒を引き抜いて
    その領域でも前記冷却水を核加熱し、原子炉定格運転蒸
    気温度及び圧力を得る原子炉の起動法。
  15. 【請求項15】請求項14において、前記原子炉の起動
    時に前記冷却水が前記第二のシュラウド上端より上方で
    前記気水分離器の入口より下方に水位を形成するように
    水張りし、前記核加熱炉心領域の前記冷却水と前記非核
    加熱炉心領域の前記冷却水の密度差に起因する前記第二
    のシュラウド内外の水頭差によって前記冷却水が前記第
    二のシュラウド内を上昇し前記第二のシュラウド外を下
    降する自然循環を行ないながら前記冷却水を昇温し、前
    記第二のシュラウド内側の前記炉心核加熱領域における
    蒸気発生によって水位が前記気水分離器内まで上昇し前
    記冷却水が前記シュラウド内から前記シュラウド外側の
    ダウンカマ領域に循環を開始した後に前記非核加熱炉心
    領域の前記制御棒を引き抜いてその領域でも前記冷却水
    を核加熱し、前記循環ポンプにより前記冷却水を循環
    し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起
    動法。
  16. 【請求項16】核燃料からなる炉心と、前記炉心を囲む
    シュラウドと、前記シュラウド上部にあって前記炉心で
    発生した蒸気を冷却水から分離する気水分離器と、気水
    分離後の前記冷却水が下降する前記シュラウドの外側の
    ダウンカマと、前記気水分離器で分離された蒸気から湿
    分を分離するドライヤと、前記炉心の出力を制御する制
    御棒とを内蔵する圧力容器と、前記圧力容器からの蒸気
    により回転するタービンと、蒸気を前記タ−ビンに送る
    主蒸気管と、タービン軸によって駆動される発電機と、
    タービン駆動後の蒸気を凝縮する復水器と、前記復水器
    の凝縮水である冷却水を前記圧力容器に給水する給水ポ
    ンプと、前記給水ポンプからの前記冷却水を前記圧力容
    器内に注水する給水管からなる第1の自然循環型原子
    炉、あるいは核燃料からなる炉心と、前記炉心を囲むシ
    ュラウドと前記シュラウド外側のダウンカマと、前記炉
    心で発生した蒸気から湿分を分離するドライヤと、前記
    炉心の出力を制御する制御棒とを内蔵する圧力容器と、
    前記圧力容器からの蒸気により回転するタービンと、蒸
    気を前記タービンに送る主蒸気管と、タービン軸によっ
    て駆動される発電機と、タービン駆動後の蒸気を凝縮す
    る復水器と、前記復水器の凝縮水である冷却水を前記圧
    力容器に給水する給水ポンプと、前記給水ポンプからの
    前記冷却水を圧力容器内に注水する給水管からなる第2
    の自然循環型原子炉、あるいは核燃料からなる炉心と、
    前記炉心を囲むシュラウドと、前記シュラウド上部にあ
    って前記炉心で発生した蒸気を前記冷却水から分離する
    気水分離器と、気水分離後の前記冷却水が下降する前記
    シュラウド外側のダウンカマと、前記気水分離器で分離
    された蒸気から湿分を分離するドライヤと、前記炉心の
    出力を制御する制御棒と、前記圧力容器内の前記冷却水
    を循環する循環ポンプとを内蔵する圧力容器と、前記圧
    力容器からの蒸気により回転するタービンと、蒸気を前
    記タービンに送る主蒸気管と、タービン軸によって駆動
    される発電機と、前記タービン駆動後の蒸気を凝縮する
    復水器と、前記復水器の凝縮水である前記冷却水を前記
    圧力容器に給水する給水ポンプと、前記給水ポンプから
    の前記冷却水を前記圧力容器内に注水する給水管からな
    る沸騰水型原子炉において、前記シュラウドの内部にあ
    って前記炉心を囲み、その上端が前記第1の自然循環型
    原子炉と前記沸騰水型原子炉では前記気水分離器の入口
    よりも低い第2のシュラウドを設け、前記第2の自然循
    環型原子炉では前記シュラウド上端よりも低い第2のシ
    ュラウドを設け、前記シュラウドと前記第2のシュラウ
    ドの間隙を炉心バイパス流路とした原子炉の起動法。
  17. 【請求項17】請求項1ないし16のいずれかにおい
    て、前記シュラウド内部にあって前記炉心の一部を囲み
    その下端が前記シュラウドの下端よりも低い第2のシュ
    ラウドを設けた原子炉の起動法。
  18. 【請求項18】請求項17において、前記第2のシュラ
    ウドの下端に接続し前記シュラウド下方からダウンカマ
    内部に入りその上端が前記第2のシュラウド上端より下
    方となるバッフルを設けた原子炉の起動法。
  19. 【請求項19】請求項1ないし18のいずれかにおい
    て、前記シュラウド内に前記炉心の一部を囲みその上端
    が前記シュラウドの上端よりも低い複数のシュラウドを
    設けた原子炉の起動法。
  20. 【請求項20】請求項19において、前記複数のシュラ
    ウドを高さの低い順に第2シュラウド,第3シュラウド
    の名称とした場合に、前記原子炉の起動時に前記複数の
    シュラウドの中で高さの最も低い前記第2シュラウドの
    上端より上方で前記シュラウドより下方に水位を形成す
    るように水張りし、高さの低いシュラウド内の炉心から
    順に前記制御棒を引き抜いて核加熱して冷却水を昇温
    し、前記第2シュラウド内の前記炉心における蒸気発生
    によって水位が前記第3シュラウドの上端を越えて前記
    第3シュラウドの外側に循環を開始した後に前記第3シ
    ュラウド内の前記炉心の前記制御棒を抜いて前記第3シ
    ュラウド内の炉心でも核加熱を行なう手順を第3,第
    4,第5等のより高いシュラウドについて繰返し、水位
    が前記シュラウドの上端を越え前記冷却水が前記シュラ
    ウド内から前記シュラウドの外側のダウンカマ領域に循
    環を開始した後に全炉心領域で前記冷却水を核加熱し、
    原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得る原子炉の起動
    法。
  21. 【請求項21】請求項1,2,6,7,11または12
    において、前記原子炉の起動時に冷却水が前記圧力容器
    内の炉心の上端より上方でかつシュラウドの上端より下
    方に水位を形成するように水張りし、前記炉心の一部を
    前記制御棒を引き抜き量の調整によって核加熱量大の領
    域とし、それ以外の前記炉心を核加熱小の領域として、
    核加熱量大の炉心領域の冷却水と核加熱量小の炉心領域
    の冷却水の密度差に起因する水頭差によって冷却水が核
    加熱量大の炉心領域の燃料集合体内を上昇し核加熱量小
    の炉心領域の前記燃料集合体内を下降する自然循環を行
    ないながら前記冷却水を昇温し、核加熱量大の炉心領域
    における蒸気発生によって水位が前記シュラウド上端を
    越えて前記シュラウド内から前記シュラウド外側の前記
    ダウンカマ領域に循環を開始した後に核加熱量小の炉心
    領域の制御棒をさらに引き抜いてその領域でも前記冷却
    水の核加熱量を増加し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧
    力を得る原子炉の起動法。
  22. 【請求項22】請求項3,5,8,10,13,15,
    17ないし21のいずれにおいて、前記シュラウド内部
    にあってその上端が前記気水分離器の入口よりも低い前
    記第2のシュラウドによって前記炉心の一部を囲み、前
    記原子炉の起動時に制御棒引き抜き量を調整して前記第
    2のシュラウドによって囲まれる前記炉心の一部あるい
    は全部を核加熱量大の領域とし、それ以外を核加熱量小
    の領域として、核加熱量大の領域の冷却水と核加熱量小
    の領域の冷却水の密度差に起因する前記第2のシュラウ
    ドの内外の水頭差によって冷却水が前記第2のシュラウ
    ド内を上昇し前記第2のシュラウド外を下降する自然循
    環を行ないながら前記冷却水を昇温し、その後に核加熱
    量小の炉心領域の制御棒を引き抜き量を増加してその領
    域でも冷却水を核加熱量を増加し、原子炉定格運転蒸気
    温度及び圧力を得ることを特徴とする原子炉の起動法。
  23. 【請求項23】請求項22において、前記原子炉の起動
    時に前記冷却水が前記圧力容器内の前記炉心の上端より
    上方で前記気水分離器入口あるいは前記シュラウドの上
    端より下方に水位を形成するように水張りし、前記炉心
    の一部を前記制御棒を引き抜き量の調整によって核加熱
    量大の領域とし、それ以外の前記炉心を核加熱小の領域
    として、前記第2のシュラウド内あるいは前記シュラウ
    ド群内の核加熱された前記冷却水と前記第2のシュラウ
    ド外あるいは前記シュラウド群外の前記冷却水の密度差
    に起因する水頭差によって前記冷却水が前記第2のシュ
    ラウド内あるいは前記シュラウド群内を上昇し前記第2
    のシュラウド外あるいは前記シュラウド群外を下降する
    自然循環を行ないながら前記冷却水を加熱し、核加熱量
    大の炉心領域における蒸気発生によって水位が前記気水
    分離器の入口あるいは前記シュラウドの上端を越えて前
    記シュラウド内から前記シュラウドの外側のダウンカマ
    領域に循環を開始した後に核加熱量小の炉心領域の前記
    制御棒をさらに引き抜いてその領域でも前記冷却水の核
    加熱量を増加し、原子炉定格運転蒸気温度及び圧力を得
    る原子炉の起動法。
  24. 【請求項24】請求項1,6または11において、前記
    炉心下端から下方に伸びその下端が前記シュラウド下端
    より下方となるバッフルを設けた原子炉及びその起動
    法。
  25. 【請求項25】請求項19または20において、前記複
    数のシュラウド下端から下方に伸びその下端が前記シュ
    ラウド下端より下方となるバッフルを設けた原子炉の起
    動法。
  26. 【請求項26】請求項24または25において、前記バ
    ッフルに接続し前記シュラウドの下方からダウンカマ内
    部に入りその上端が前記原子炉の起動時の水張り水位よ
    り下方となるバッフルを設けた原子炉の起動法。
  27. 【請求項27】請求項3,4,5,8,9,10,13
    または18において、前記第2のシュラウドによって仕
    切られるシュラウド内の空間を複数のシュラウド壁面と
    ほぼ直角方向に仕切る複数のバッフルを設けた原子炉の
    起動法。
  28. 【請求項28】請求項19,20,25または26にお
    いて、前記複数のシュラウドによって仕切られるシュラ
    ウド内の空間を複数のシュラウド壁面とほぼ直角方向に
    仕切る複数のバッフルを設けた原子炉の起動法。
  29. 【請求項29】請求項1ないし28のいずれかにおい
    て、前記シュラウド内部の炉心上方にその上端が前記気
    水分離器の入口よりも低いチムニを設けた原子炉の起動
    法。
  30. 【請求項30】請求項1ないし29のいずれかにおい
    て、シュラウド内部に炉心下端より下方から炉心上端よ
    り上方までを連通するチムニを設け炉心バイパス流路と
    した原子炉の起動法。
  31. 【請求項31】請求項16において、前記原子炉の起動
    時に冷却水が前記第2のシュラウド上端より上方で前記
    気水分離器の入口あるいは前記シュラウド上端より下方
    に水位を形成するように水張りし、制御棒を抜いて前記
    炉心を核加熱し、前記第2のシュラウド内の前記冷却水
    と前記炉心バイパス流路の前記冷却水の密度差に起因す
    る前記第2のシュラウド内外の水頭差によって前記冷却
    水が前記第2のシュラウド内を上昇し前記炉心バイパス
    流路を下降する自然循環を行ないながら冷却水を昇温す
    ることを特徴とする原子炉の起動法。
  32. 【請求項32】請求項1から31のいずれかにおいて、
    前記原子炉の起動時の初期の前記圧力容器内の水張り水
    位Hiを決定する水張り量Viiは、定格運転時におけ
    る前記圧力容器内水位Hより下方の前記圧力容器内の空
    間体積をVtとし、定格運転時における前記圧力容器内
    の水位より下方の平均の蒸気体積率をBとすると、概ね
    式Vi=Vt(1−B)で表された定格運転圧力、温度
    における体積Viを水張り時の雰囲気温度及び圧力に対
    応して体積を補正した値に安全余裕を持たせた体積Vi
    iである原子炉の起動法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007225511A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Hitachi Ltd 原子炉監視装置及び出力制御装置
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