JP2007232126A - 回転ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】温度に影響されることなく設定されたダンパー機能を良好に発揮することができ、さらにシール部材を不要にして構造を簡易化し、生産性を向上することができ、しかも、トルクを可変にすることで付勢力を変化させることのできる回転ダンパーを提供する。【解決手段】ハウジング2と、ハウジング2内に設けられたリング部5と、ハウジング2内に収容されてハウジング2から一部が突出する軸体3と、軸体3に設けられかつリング部5の円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部10とを備える回転ダンパー1である。リング部5は摺動部10に当接する当接部(リング部材9)がエラストマー等からなるとともにその内部に気体が封入されてなり、軸体3又は摺動部10とハウジング2との間には、軸体3が回動した際に発生する摺動部10と当接部との間の摩擦力を、軸体3の相対的な回動位置にて変化させるトルク可変機構20が設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は、トルク可変型の回転ダンパーに関する。
従来、例えば各種の開閉機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作に対してトルクを付与するダンパーとして、回転ダンパーが知られている。このような回転ダンパーとしては、トーションバネなどの付勢部材を用いる機構のものと、オイル等の粘性流体を用いる機構のものとが知られている。
トーションバネなどの付勢部材を用いる機構のものは、付勢部材の変位の時期、すなわち付勢の初期、中期、後期などでその付勢力が除々に変化するため、そのようなダンパー機能が要求され、あるいはこのような変化が問題とならない構造において主に用いられている。
一方、粘性流体を用いる機構のものは、基本的にトルクの付与によるダンパー機能が一定であり、したがって、開閉部材の開閉動作などを、一定の力で制動する構造に好適に用いられている。
ところで、このような粘性流体を用いる機構の回転ダンパーは、例えば粘性流体としてシリコーンオイルを用いたものが知られている。そして、このように粘性流体を用いた回転ダンパーでは、そのオイル漏れ(流体漏れ)を防止するため、Oリング等からなるシール部材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−114154号公報
しかしながら、前記のシリコーンオイル等の粘性流体を用いた回転ダンパーでは、粘性流体の粘度が温度に依存するため、そのダンパー機能も温度によって大きく変化してしまう。すると、所定の力、すなわち予め設定されたダンパー機能で高精度に制動したい構造に適用する場合、このような粘性流体を用いた回転ダンパーでは問題となることがある。
また、粘性流体を用いた回転ダンパーでは、前述したようにオイル漏れ(流体漏れ)を防止するためのシール部材が必要となることから、その構造が複雑になり、また粘性流体の注入工程が必要となることなどから、組立性が悪く生産性に劣るものとなっている。
さらに、開閉部材などに対してその開閉位置、すなわち開閉の度合いなどに応じて付勢力を変化させたい場合には、前述したようにトーションバネなどを用いる機構のダンパーが一般的であるが、付勢力の変化が複雑になるとダンパー自体の機構も複雑になってしまい、生産性が低下してコストの上昇を招くといった問題がある。また、付勢力の変化が非常に複雑になると、トーションバネなどを用いる機構では、決められた大きさ等の規格内でこれに対応するのが困難になることもある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、温度に影響されることなく設定されたダンパー機能を良好に発揮することができ、さらにシール部材を不要にして構造を簡易化し、生産性を向上することができ、しかも、トルクを可変にすることで付勢力を変化させることのできる回転ダンパーを提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の回転ダンパーは、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられた円環状のリング部と、前記ハウジング内に回動可能に収容され、前記ハウジングから一部が突出する軸体と、前記軸体に設けられ、かつ前記ハウジング内にて前記リング部に対しその円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部と、を備えてなり、
前記リング部は、少なくとも前記摺動部に当接する当接部がエラストマー又は軟質ゴムからなるとともに、その内部に気体が封入されてなり、
前記軸体又は前記摺動部と前記ハウジングとの間には、前記ハウジングに対して前記軸体が相対的に回動した際に発生する前記摺動部と当接部との間の摩擦力を、前記ハウジングに対する前記軸体の相対的な回動位置にて変化させる、トルク可変機構が設けられていることを特徴としている。
この回転ダンパーによれば、ハウジングに対して軸体を回動させると、摺動部がリング部の当接部に対して摺動することで摩擦を生じ、これによって軸体にトルクを発生し、ダンパー機能を発揮する。その際、リング部はその内部に気体が封入されているため、弾性変形に伴う弾性復帰力と、内部の気体により生じる一定な内圧とからなる反発力を、当接部に対して設定された通りに付与するようになる。したがって、前記摺動部と当接部との間の摺動による摩擦力が、リング部の全周に亘って設定された通りの大きさとなる。よって、設定されたダンパー機能を良好に発揮するようになる。
また、エラストマー又は軟質ゴムからなるリング部の当接部は、その弾性変形の度合いが温度に影響されることはなく、空気等の気体も粘性流体に比べ温度依存性が低いため、前記の弾性復帰力と気体による内圧とからなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となる。したがって、発揮されるダンパー機能が、温度に依存することなく、設定された通りに一定となる。
また、リング部内には空気等の気体を封入しているので、たとえこれが漏れても他の部材を汚すなどといった不都合がなく、したがってシール部材が不要となる。また、オイル等の粘性流体の注入工程も不要となる。
また、摺動部と当接部との間の摩擦力を、軸体の相対的な回動位置にて変化させるトルク可変機構が設けられているので、このトルク可変機構によって設定した通りにトルクを変化させることにより、例えば開閉部材への付勢力を予め設定した通りに変化させることが可能になる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記トルク可変機構は、前記摺動部の前記当接部と反対の側に設けられた第1凸状部と、前記ハウジングの内面の、前記摺動部の前記第1凸状部が設けられた側と対向する側に設けられて、前記第1凸状部と係脱可能に当接する第2凸状部と、を有し、これら第1凸状部と第2凸状部とが当接した際、前記ハウジングに対して前記軸体が相対的に回動した際に発生する前記摺動部と当接部との間の摩擦力を増大するよう構成されているのが好ましい。
このようにすれば、第1凸状部と第2凸状部とが当接すると、前記摺動部が前記ハウジングの内面に相対的に押圧されて前記当接部側に移動し、これにより摺動部と当接部との間の摩擦力が増大する。したがって、第1凸状部及び第2凸状部の高さや長さを適宜に設計してこれらの当接状態を適宜に設定しておくことにより、複雑な機構を必要とすることなく所望のトルク変化を容易に実現することができる。
また、この回転ダンパーにおいては、前記第1凸状部又は第2凸状部が複数形成されていてもよい。
このようにすれば、ハウジングに対して軸体が相対的に一回転する際、第1凸状部と第2凸状部との間の当接が複数回起こるようになり、したがって前記軸体が一回転する際の一連の動きにおいて、複数回のトルク変化を起こさせることが可能になる。よって、複雑なトルク変化が可能になるとともに、このような複雑なトルク変化が、第1凸状部や第2凸状部の形状や数を適宜に設定することで容易に実現することができる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記リング部は、円環状でエラストマー又は軟質ゴムからなり前記当接部を形成するリング部材と、前記ハウジングの内面とが、内部に気体を封入した状態で気密に密着して構成されているのが好ましい。
このようにすれば、単に大気中でリング部材をハウジングの内面に当接させ密着させるだけで、内部に気体としての空気を封入することができ、したがって構造が簡易になるとともにその組立性が極めて容易になり、従来に比べ生産性が大幅に向上する。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するよう、円環状又は円盤状に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、摺動部がリング部の当接部の全周に当接することにより、これらの間に生じる摩擦力が大きくなってダンパー機能が高まる。また、摺動部とリング部の当接部との間の接触面積が常に一定となり、さらに摺動が当接部の全周において連続していることから、軸体の回転によるダンパー機能がより安定して発揮されるようになる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記摺動部は、前記軸体と一体に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、構成部品の数が少なくなるため、組立性がより良好になり、生産性が向上する。
本発明の回転ダンパーによれば、前述したように予め設定されたダンパー機能が良好に発揮されるようになることから、特に設定した通りのダンパー機能で高精度に制動したい構造に好適となる。
また、オイルなどの粘性流体を用いることなく、流体としては、単に空気等の気体を用いているだけであるので、前述したようにシール部材が不要となり、粘性流体の注入工程も不要となる。したがって、従来に比べ生産性が大幅に向上する。
さらに、リング部の当接部の弾性復帰力と、気体による内圧と、からなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となるため、環境温度の変化にも影響されることなく、設定した通りのダンパー機能を一定に発揮させることができる。
また、トルク可変機構が設けられているので、このトルク可変機構によって設定した通りにトルクを変化させることにより、例えば開閉部材への付勢力を予め設定した通りに変化させることができ、したがって設定したダンパー機能で高精度に制動したい構造などにより好適となる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の回転ダンパーの一実施形態を示す図であり、図1中符号1は回転ダンパーである。この回転ダンパー1は、各種ドアーの開閉機構や、各種カバーの開閉機構、オーディオ機器における開閉扉の開閉機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作に対して予め設定した通りに変化するトルクを付与し、ダンパー機能を発揮するよう構成されたものである。
この回転ダンパー1は、ハウジング2と、このハウジング2内に回動可能に収容されて、該ハウジング2内から軸体3の一部を外に突出させる軸部材4と、前記ハウジング2に対する前記軸体3の相対的な回動位置にてトルク量を変化させるトルク可変機構20と、を備えたものである。ハウジング2は、例えば前記開閉機構における固定部(本体側)に設けられるようになっており、軸部材4は、その軸体3の、ハウジング2から突出した部分に、前記開閉機構の可動部(従動部)を制動するためのギアーやカムなどが取り付けられるようになっている。すなわち、可動部となる扉等の開閉部材には、通常ラックやギアーなどが設けられており、前記軸体3に設けられるギアーやカムなどは、開閉部材のラックやギアーなどと歯合することなどで、開閉部材の開閉動作を制御するようになっているのである。
また、このハウジング2内には、図2(a)、(b)の側断面図に示すように、円環状のリング部5が形成されている。ここで、ハウジング2は、図2(a)、(b)及び図3の分解斜視図に示すように、ハウジング本体6とこのハウジング本体6に一体に係止するカバー7とからなるもので、硬質の合成樹脂等によって形成されたものである。ハウジング本体6は、略円盤状の底板6aと、この底板6aの一方の面(内面)に一体に形成された円筒状の係合筒部6bと、この係合筒部6bの中心部において前記底板6aに一体に形成された円筒状の軸受け部6cと、底板6aの側部に張り出した状態で形成された一対の取付部6d、6dと、からなるものである。
軸受け6cは、図2(a)、(b)に示すように、その孔部6e内に前記軸部材4の嵌合軸8を回動可能かつ進退可能に嵌合したものである。
取付部6dは、図3に示すように取付孔6fを形成したもので、これら取付孔6fに螺子等が嵌め込まれることにより、ハウジング本体2は、前記開閉機構における固定部などに取り付け固定されるようになっている。
カバー7は、有蓋円筒状のもので、図2(a)、(b)に示すようにその円筒部7aの内周面が、前記ハウジング本体6の係合筒部6bの外周面に係合し、溶着や接着等によってここに固定されたものである。なお、これら円筒部7aの内周面及び係合筒部6bの外周面には、互いに螺合する螺子部を形成しておき、これら螺子部によって螺着し、必要に応じてさらに溶着や接着を行い、ハウジング本体6にカバー7を固定するようにしてもよい。
また、このカバー7には、図3に示すようにその蓋部7bの中心部に、外周部に比べて厚さが厚い厚肉部7cが形成されており、さらにこの厚肉部7cの中心部には、円形の開口部7dが形成されている。また、この蓋部7bの内面には、開口部7dの周辺部に、図4(a)、(b)に示すようにその周方向に沿って、該内面より突出してなるカム部(第2凸状部)21が形成されている。このカム部21は、本発明におけるトルク可変機構20の一部を構成するもので、後述する突起部(第1凸状部)と係脱可能に当接するものである。
このような構成のもとにハウジング2は、その内部に収容空間を形成したものとなっている。
このハウジング2内、すなわちその収容空間には、図3に示すように円環状のリング部材9が設けられており、これによって前記のリング部5(図2(a)、(b)参照)が形成されている。リング部材9は、シリコンゴムなどの、軟質の合成樹脂(エラストマー)又は軟質ゴムからなるもので、弾性変形可能に形成されたものであり、本発明における当接部となるものである。ここで、このリング部材9としては、その内面及び/又は外面にフッ素樹脂や金属等のコーティングがなされ、該リング部材9自体を気体(空気)が透過してしまうのが抑えられた構造であってもよい。
このリング部材9は、タイヤ形状や浮き袋形状に似た円環状のもので、図2(a)、(b)に示すように内部に空洞部9aを有し、その一方の側(前記底板6a側)を円周方向に沿って開口したものである。また、このリング部材9は、図3に示すように未使用状態では、その他方の側(前記底板6aと反対の側)が、側断面視した状態で半円状(半球面状)に湾曲して形成されている。また、このリング部材9には、図2(a)、(b)に示すように前記開口部9bの両側(外側及び内側)にそれぞれフランジ部9cが形成されている。
そして、リング部材9の内部孔9d、すなわちフランジ部9cの内側に形成された内部孔9dが、前記底板6の軸受け部6cに外挿し係合させられている。ここで、内部孔9dを形成する内側のフランジ部9cの側端面は、軸受け部6cに密着した状態で当接させられており、外側のフランジ部9cの側端面も、前記係合筒部6bの内面に密着した状態で当接させられている。さらに、これら両側のフランジ部9cは、その底面が底板6aの内面に当接し密着させられている。
このような構成のもとにリング部材9は、その内部に空気(気体)を封入した状態で、ハウジング本体6の底板6aなどに対して気密に接合されたものとなっている。そして、これによりリング部材9は、ハウジング本体6の底板6aなどとともに、本発明におけるリング部5を構成している。なお、前記ハウジング本体6の底面6aに係合突起(図示せず)を形成し、リング部材9のフランジ部9cに、前記係合突起に係合する係合凹部(図示せず)を形成することにより、リング部材9が、ハウジング本体6に対してその円周方向に回動してしまうのを防止するようにしてもよい。
また、ハウジング2内、すなわちその収容空間には、前述したように軸部材4が設けられている。この軸部材4は、合成樹脂や合成ゴム等によって形成されたもので、前記軸体3と、前記リング部5のリング部材9に対して摺動可能に当接する摺動部10と、前記嵌合軸8とが一体に形成されたものである。ここで、嵌合軸8は、前記軸体3と同一の中心軸を有して形成されたもので、前述したように軸受け6cの孔部6e内に回動可能かつ進退可能に嵌合したものである。
摺動部10は、図3に示すように円盤状のもので、そのカバー7側の中央部に前記軸体3を形成し、図2(a)、(b)に示すようにハウジング本体6の底板6a側の中央部に前記嵌合軸8を形成したものである。また、この摺動部10において、嵌合軸8を形成した側の面は、前記リング部5のリング部材9に摺動可能に当接する摺動面10aとなっている。
この摺動面10aと反対の側の面、すなわちカバー7側の面には、その外周部に、円環状の膨出部10bが形成されている。この膨出部10bは、その側断面形状が略半円状となるように形成されたもので、後述するようにトルク可変機構20が作用していない通常時において、すなわち図2(a)に示す状態において、前記カバー7の内面に摺動可能で、かつ気密に当接している。このような構成のもとに膨出部10bは、カバー7と接触する際には、面で接触することなくほとんど線に近い状態で接触するようになっている。したがって、後述するようにハウジング2に対して軸部材4が回動させられた際、膨出部10bはカバー7の内面に摺動することで摩擦を生じるものの、ここで生じる摩擦抵抗は十分に小さくなるようになっている。
また、通常時において膨出部10bとカバー7の内面とが気密に当接していることにより、ハウジング2内における、前記膨出部10bとカバー7の内面との当接箇所の外側の空間が、摺動部10とハウジング2とによって気密に構成されたものとなっている。したがって、通常時においては、この気密に構成された空間から空気が抜けないようになっていると同時に、この気密空間に、前記カバー7の開口部7dから例えば異物などが入り込まないようになっている。
また、摺動面10aと反対の側の面において、円環状の膨出部10bの内側には、図3及び図5に示すように軸体3の周辺部に、その周方向に沿って突出してなる突起部(第1凸状部)22が形成されている。この突起部22は、図2(b)に示すように前記膨出部10bとほぼ同じ高さに突出したもので、前記カム部21とともに本発明におけるトルク可変機構20を構成するものである。
前記軸体3は、前記カバー7の開口部7dから外側に突出させられたもので、円柱状に形成され、かつ、その先端側がIカット(またはDカット)されて回り止め形状とされたものである。円柱状に形成された後端側は、その外径が開口部7dの内径にほぼ一致して形成されたもので、これによって軸体3はカバー7に対してガタツクことなく回動可能に保持されたものとなっている。なお、軸部材4において軸体3と反対側に位置する嵌合軸8は、前述したようにハウジング本体6の底面6aの軸受け6cに嵌合している。したがって、軸部材4は、その回動軸(中心軸)となる嵌合軸8と軸体3とがいずれもハウジング2に保持されていることから、ハウジング2に対してブレルことなく安定した状態で回動するようになっている。
また、軸体3の回り形状に形成された先端側には、前述したように扉等の開閉部材を制動するためのギアーやカムなどが取り付けられ、固定されるようになっている。なお、この軸体3には、ギアーやカムなどを介することなく、直接扉等の開閉部材を設けるようにしてもよい。
ここで、本発明におけるトルク可変機構20について説明する。このトルク可変機構20は、前記したようにカバー7の蓋部7bの内面に形成されたカム部(第2凸状部)21と、軸部材4の摺動部10に形成された突起部(第1凸状部)22とによって構成されたもので、これらカム部21と突起部22とが互いに当接し、互いに乗り上がり合うことにより、軸体3にかかるトルク量を変化させるよう構成されたものである。
すなわち、ハウジング2に対して軸体3(軸部材4)が相対的に回動し、図2(a)に示したようにカム部21と突起部22とが当接せず、トルク可変機構20が作用していない状態から、図2(b)に示すようにカム部21と突起部22とが当接した状態に移行すると、摺動部10がカバー7の蓋部7bの内面に相対的に押圧されてリング部材(当接部)9側に移動し、これにより摺動部10とリング部材9との間の摩擦力を増大させる。
つまり、カム部21を形成したカバー7の内面における開口部7dの周囲と、突起部22を形成した摺動部10における軸体3の周囲とをそれぞれ展開し、その側面を模式的に表した図6(a)〜(e)に示すように、カム部21と突起部22とが当接し、これらが互いに乗り上げることで、トルク量が増大するのである。
すなわち、ハウジング2に対して軸体3を相対的に回動させると、図6(a)に示すように突起部22がカム部21に当接していない状態では、図2(a)に示したように摺動部10の摺動面10aはリング部材9に対して初期位置を保持していることから、この初期位置で発生する摩擦力、つまりリング部材9の弾性変形に伴う弾性復帰力と内部の気体による反発力とを主にする力により、図6(f)中Aで示すように軸体3に初期のトルク量がかかるようになる。
続いて、軸体3の回動が進み、図6(b)に示すように突起部22の側面がカム部21の側面に当接し、これら側面の少なくとも一方に形成されたテーパ面に沿って互いに乗り上がり合いつつあると、軸部材4の摺動部10がカバー7の蓋部7bの内面に相対的に押圧され、該摺動部10がリング部材9側に移動してこれを押圧することにより、図6(f)中Bで示すように軸体3にかかるトルク量が増大する。
そして、さらに軸体3の回動が進み、図6(c)に示すように突起部22がカム部21上に完全に乗り上がると、図2(b)に示したように軸部材4(摺動部10)がリング部材9側にさらに移動し、これをさらに押圧する。これにより、摺動部10とリング部材9との間の摩擦力が最大になり、図6(f)中Cで示すように軸体3にかかるトルク量も最大となる。
そして、さらに軸体3の回動が進み、図6(d)に示すように突起部22がカム部21上から外れかかる(降り始める)と、軸部材4(摺動部10)もカバー7の蓋部7b側に戻り始めることから、図6(f)中Dで示すように軸体3にかかるトルクも減少し始める。
そして、図6(e)に示すように突起部22がカム部21上から完全に外れ、これら突起部22とカム部21とが離間すると、軸部材4(摺動部10)は図2(a)に示したようにリング部材9に対して初期位置に戻り、図6(f)中Eで示すように軸体3にかかるトルク量も初期の量に戻る。
したがって、カム部(第1凸状部)21及び突起部(第2凸状部)22の形状について、例えば図6(a)中にH1、H2で示す高さやL1、L2で示す長さ、さらにはテーパ面T1、T2の傾斜角θ1、θ2等を適宜に設計し、これらの当接状態を適宜に設定しておくことにより、複雑な機構を必要とすることなく、所望のトルク変化を容易に実現することができるのである。また、カム部21や突起部22の形状については、展開し側面視した状態で図6(a)〜(e)に示したような台形でなく、その当接面が湾曲した形状、すなわち当接面が側面視した状態で曲線状であってもよい。
また、カム部(第1凸状部)21又は突起部(第2凸状部)22については、これらを複数形成してもよく、そのように構成することにより、さらに複雑なトルク変化を実現することができる。すなわち、これらを複数形成すれば、ハウジング2に対して軸体3が相対的に一回転する際、カム部21と突起部22との間の当接が複数回起こるようになり、したがって軸体3が一回転する際の一連の動きにおいて、複数回のトルク変化を起こさせることができるようになるからである。
このような構成の回転ダンパー1を作製するには、まず、ハウジング本体6の底板6aの内面にリング部材9を当接させ密着させる。すなわち、リング部材9の内部孔を軸受け部6cに係合させ、その状態でフランジ部9cを底板6aや軸受け部6c、係合筒6bにそれぞれ密着させ、リング部5を形成する。このとき、組立時の環境としては、一般の大気雰囲気とすればよく、これにより、リング部材9と底板6aとの間に形成される空間には、自然に空気が封入されることになる。ただし、封入される空気中の水分を少なくする目的で、環境中の水分(湿度)を低く調整しておいてもよい。また、封入後の空気(気体)による内圧を大きくする目的で、リング部材9と底板6aとの間に発泡剤を設けておき、リング部材9を底板6aに密着させた後、例えば最終工程で加熱等により発泡剤を発泡させ、内圧を高めるようにしてもよい。なお、必要に応じて接着剤を用い、フランジ部9cを底板6aに接着するようにしてもよい。
次いで、軸部材4の嵌合軸8を軸受け部6cに嵌合するとともに、リング部材9の上に軸部材4の摺動部10を載せ、その摺動面10aをリング部材9に当接させる。その際、これら摺動面10aとリング部材9との間に、必要に応じてうすくグリースを塗布し、その摺動を滑らかにしてもよい。そして、その状態でカバー7を被せ、その開口部7dに軸体3の先端側を通す。その際にも、摺動部10の膨出部10bとカバー7の内面との間に、必要に応じてうすくグリースを塗布し、その摺動を滑らかにしてもよい。
さらに、カバー7をハウジング本体6側に押圧してその円筒部7aを前記係合筒部6bに嵌合し、又は螺合する。そして、ハウジング本体6とカバー7とを溶着や接着等によって気密に固定する。
このようにして、ハウジング本体6とカバー7とからなるハウジング2内にリング部材9と軸部材4とを収容すると、リング部材9は軸部材4の摺動部10を介してカバー7に押圧され、弾性変形することによってその内圧を高め、相対的に摺動部10を押圧するようになる。
また、特にカム部21と突起部22とが当接していない初期状態(通常時)においては、膨出部10bとカバー7の内面とが気密に当接するようになる。これにより、ハウジング2内における、前記膨出部10bとカバー7の内面との当接箇所の外側の空間、すなわちリング部5を形成した側の収納空間が、摺動部10とハウジング2とによって気密な閉空間に形成される。
次に、このような構成の回転ダンパー1の作用について説明する。
この回転ダンパー1を使用するには、まず、ハウジング本体6の取付部6d、6dを利用してこれを例えば開閉装置(開閉機構)の本体側(固定部側)に取り付ける。そして、ハウジング2から突出した軸体3に例えばギアーやカムを取り付け、さらにこれらギアーやカムを扉等の開閉部材に設けられたギアー等に歯合させる。
このようにしてセットしたら、扉等の開閉部材を開閉動作させる。すると、この開閉動作に伴い、回転ダンパー1は、その軸体3が正方向あるいは逆方向に回動する。すなわち、軸体3は、ハウジング2に対して正方向あるいは逆方向に回動する。
そして、このようにして軸体3を回動させると、その摺動部10がリング部5の当接部、すなわちリング部材9の上面部に対して摺動することで摩擦を生じ、これによって軸体3にトルクを発生し、前記の開閉部材に対してダンパー機能を発揮する。その際、軸体3の回動に伴い、前述したようにカム部21と突起部22とが当接することでトルク可変機構20が作用すると、軸体3の相対的な回動位置に対応して、カム部21及び突起部22によって予め設定された通りにトルク量が変化するようになる。
したがって、この回転ダンパー1にあっては、予め設定されたダンパー機能を良好に発揮することができるため、特に開閉部材等を設定した通りのダンパー機能で高精度に制動したい場合に、好適なものとなる。
また、リング部5内には空気(気体)を封入しているので、たとえこれが漏れても他の部材を汚すなどといった不都合がなく、したがってシール部材が不要となり、さらにはオイル等の粘性流体の注入工程も不要となる。したがって、従来に比べ生産性を大幅に向上することができる。
さらに、エラストマー又は軟質ゴムからなるリング部材9は、その弾性変形の度合いが温度に影響されることはなく、空気等の気体も粘性流体に比べ温度依存性が低いため、前記の弾性復帰力と気体による内圧とからなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となる。したがって、発揮されるダンパー機能が、温度に依存することなく一定となるため、環境温度の変化にも影響されることなく、ダンパー機能を一定に発揮させることができる。
また、トルク可変機構20を備えているので、このトルク可変機構20によって設定した通りにトルクを変化させることにより、例えば開閉部材への付勢力を予め設定した通りに変化させることができ、したがって設定したダンパー機能で高精度に制動したい構造などにより好適となる。そして、トルク可変機構20を構成するカム部(第1凸状部)21や突起部(第2凸状部)22の形状、個数等を適宜に設計することにより、例えば複雑なトルク変化についても、複雑な機構を必要とすることなくこれを容易に実現することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、リング部5をリング部材9とハウジング本体6の底板6aとの間に空気(気体)を封入することで構成したが、本発明はこれに限定されることなく、独立した、気体を封入してなる浮き袋状のものによってリング部を構成し、これをハウジング2内に保持固定するようにしてもよい。
また、摺動部10についても、前記実施形態では円盤状に形成したが、リング部5に対してその円周方向に沿って摺動可能に当接すれば、円盤状、さらには円環状でなく、例えば扇状の羽を複数備えたプロペラ状のものであってもよい。
さらに、このような摺動部10と軸体3とを別体とし、これらを組み立てることで軸部材4を形成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、トルク可変機構20を構成する突起部(第2凸状部)22を軸部材4の摺動部10に形成したが、軸体3の後端側、すなわち軸体3の摺動部10側の側面に突起部(第2凸状部)を形成し、この突起部と前記カム部(第1凸状部)21とを、軸体3の回動によって係脱可能に当接するように構成してもよい。
本発明の回転ダンパーの一実施形態の、概略構成を示す斜視図である。 (a)、(b)は図1に示した回転ダンパーの側断面図である。 図1に示した回転ダンパーの分解斜視図である。 (a)はカバーの内面側を示す斜視図、(b)はカバーの側断面図である。 軸部材を軸体側から見た平面図である。 (a)〜(f)はトルク可変機構の作用を説明するための模式図であり、(a)〜(e)はカム部と突起部との位置関係を示す模式図、(f)はトルク量の変化を示すグラフである。
符号の説明
1…回転ダンパー、2…ハウジング、3…軸体、4…軸部材、5…リング部、6…ハウジング本体、7…カバー、7b…蓋部、9…リング部材(当接部)、10…摺動部、10a…摺動面、10b…膨出部、20…トルク可変機構、21…カム部(第1凸状部)、22…突起部(第2凸状部)

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられた円環状のリング部と、
    前記ハウジング内に回動可能に収容され、前記ハウジングから一部が突出する軸体と、
    前記軸体に設けられ、かつ前記ハウジング内にて前記リング部に対しその円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部と、を備えてなり、
    前記リング部は、少なくとも前記摺動部に当接する当接部がエラストマー又は軟質ゴムからなるとともに、その内部に気体が封入されてなり、
    前記軸体又は前記摺動部と前記ハウジングとの間には、前記ハウジングに対して前記軸体が相対的に回動した際に発生する前記摺動部と当接部との間の摩擦力を、前記ハウジングに対する前記軸体の相対的な回動位置にて変化させる、トルク可変機構が設けられていることを特徴とする回転ダンパー。
  2. 前記トルク可変機構は、前記摺動部の前記当接部と反対の側に設けられた第1凸状部と、前記ハウジングの内面の、前記摺動部の前記第1凸状部が設けられた側と対向する側に設けられて、前記第1凸状部と係脱可能に当接する第2凸状部と、を有し、これら第1凸状部と第2凸状部とが当接した際、前記ハウジングに対して前記軸体が相対的に回動した際に発生する前記摺動部と当接部との間の摩擦力を増大するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の回転ダンパー。
  3. 前記第1凸状部又は第2凸状部が複数形成されていることを特徴とする請求項2記載の回転ダンパー。
  4. 前記リング部は、円環状でエラストマー又は軟質ゴムからなり前記当接部を形成するリング部材と、前記ハウジングの内面とが、内部に気体を封入した状態で気密に密着して構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転ダンパー。
  5. 前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するよう、円環状又は円盤状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の回転ダンパー。
  6. 前記摺動部は、前記軸体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の回転ダンパー。
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