JP2007298089A - 回転ダンパー - Google Patents

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Abstract

【課題】一定のダンパー機能を発揮させることができ、しかもシール部材を不要として構造を簡易化し、生産性を向上するとともに、小型化・軽量化をも可能にした、回転ダンパーを提供する。
【解決手段】ハウジング2と、ハウジング2内に設けられた円環状のリング部4と、ハウジング2内に回動可能に収容された軸体3と、軸体3に設けられ、かつハウジング2内にてリング部4に対しその円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部8と、を備えた回転ダンパー1である。軸体3には、ハウジング2に対して軸体3を相対的に回動させる回動部材を係止させる貫通孔(係止部)3aが設けられている。リング部4は、少なくとも摺動部8に当接する当接部(Oリング部材7)がエラストマー又は軟質ゴムからなり、その内部に気体が封入されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転ダンパーに関する。
従来、例えば各種の開閉機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作に対してトルクを付与するダンパーとして、回転ダンパーが知られている。このような回転ダンパーとしては、トーションバネなどの付勢部材を用いる機構のものと、オイル等の粘性流体を用いる機構のものとが知られている。
トーションバネなどの付勢部材を用いる機構のものは、付勢部材の変位の時期、すなわち付勢の初期、中期、後期などでその付勢力が除々に変化するため、そのようなダンパー機能が要求され、あるいはこのような変化が問題とならない構造において主に用いられている。
一方、粘性流体を用いる機構のものは、基本的にトルクの付与によるダンパー機能が一定であり、したがって、開閉部材の開閉動作などを、一定の力で制動する構造に好適に用いられている。
ところで、このような粘性流体を用いる機構の回転ダンパーは、例えば粘性流体としてシリコーンオイルを用いたものが知られている。そして、このように粘性流体を用いた回転ダンパーでは、そのオイル漏れ(流体漏れ)を防止するため、Oリング等からなるシール部材が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−114154号公報
しかしながら、前記のシリコーンオイル等の粘性流体を用いた回転ダンパーでは、粘性流体の粘度が温度に依存するため、そのダンパー機能も温度によって大きく変化してしまう。すると、特に一定の力、すなわち一定のダンパー機能で制動したい構造に適用する場合には、このような粘性流体を用いた回転ダンパーでも問題となることがある。
また、粘性流体を用いた回転ダンパーでは、前述したようにオイル漏れ(流体漏れ)を防止するためのシール部材が必要となることから、その構造が複雑になり、また粘性流体の注入工程が必要となることなどから、組立性が悪く生産性に劣るものとなっている。
さらに、回転ダンパーは、例えば携帯型の装置の開閉部材に一定のトルクを付与する場合などにも用いられるが、そのような用途の場合、特に小型化や軽量化が望まれている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、一定のダンパー機能を発揮させることができ、しかもシール部材を不要として構造を簡易化し、生産性を向上するとともに、小型化・軽量化をも可能にした、回転ダンパーを提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の回転ダンパーは、ハウジングと、前記ハウジング内に設けられた円環状のリング部と、前記ハウジング内に回動可能に収容された軸体と、前記軸体に設けられ、かつ前記ハウジング内にて前記リング部に対しその円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部と、を備えてなり、前記軸体には、前記ハウジングに対して該軸体を相対的に回動させる回動部材を係止させる係止部が設けられ、前記リング部は、少なくとも前記摺動部に当接する当接部がエラストマー又は軟質ゴムからなり、その内部に気体が封入されてなることを特徴としている。
この回転ダンパーによれば、ハウジングに対して軸体を回動させると、その摺動部がリング部の当接部に対して摺動することで摩擦を生じ、これによって軸体にトルクを発生し、ダンパー機能を発揮する。その際、リング部はその内部に気体が封入されているため、弾性変形に伴う弾性復帰力と、内部の気体により生じる一定な内圧とからなる反発力が、当接部に対して一定に付与されることにより、前記摺動部と当接部との間の摺動による摩擦力がリング部の全周に亘って一定となり、したがって一定のダンパー機能を発揮するようになる。
また、エラストマー又は軟質ゴムからなるリング部の当接部は、その弾性変形の度合いが温度に影響されることはなく、空気等の気体も粘性流体に比べ温度依存性が低いため、前記の弾性復帰力と気体による内圧とからなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となる。したがって、発揮されるダンパー機能が、温度に依存することなく一定となる。
また、リング部内には空気等の気体を封入しているので、たとえこれが漏れても他の部材を汚すなどといった不都合がなく、したがってシール部材が不要となる。また、オイル等の粘性流体の注入工程も不要となる。さらに、粘性流体でなく気体を封入しているので、その分軽量化が図れる。
また、ハウジング内に軸体を収容し、この軸体に、回動部材を係止させる係止部を設けているので、基本的にダンパー全体がハウジング内に収まることでコンパクトになり、小型化がなされたものとなる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記係止部は、軸体の回転軸方向に沿って形成された貫通孔であり、該貫通孔の開口形状が、該貫通孔内に挿通させられる前記回動部材の回動を妨げて該貫通孔内に係止させる係止形状となっているのが好ましい。
このようにすれば、回動部材を貫通孔に挿通し係止させることにより、軸体を回動させ、これによって軸体を介して回動部材にトルクを発生させ、ダンパー機能を発揮することができる。したがって、この回転ダンパーを設ける箇所に対応して回動部材の構造を適宜に設定することにより、この回転ダンパーの取り付けを任意にすることができ、これにより回転ダンパーの取付自由度を高めることができる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記リング部は、円環状でエラストマー又は軟質ゴムからなり、その円周方向に沿って溝部を有したOリング部材が一対、互いにその溝部の開口側を突き合わせた状態に配置させられて、互いの溝部内に気体を封入した状態で気密に密着させられてなるのが好ましい。
このようにすれば、単に大気中でOリング部材どうしを突き合わせ、密着させるだけで、内部に気体としての空気を封入することができる。したがって、構造が簡易になるとともにその組立性が極めて容易になり、従来に比べ生産性が大幅に向上する。また、特にOリング部材どうしを突き合わせ、接着することでこれらを密着させることにより、内部に空気を確実に封じ込めることができ、これにより内部の気体によって生じる内圧を一定にし、一定なダンパー機能を良好に発揮させることができる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するよう、円環状又は円盤状に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、摺動部がリング部の当接部の全周に当接することにより、これらの間に生じる摩擦力が大きくなってダンパー機能が高まる。また、摺動部とリング部の当接部との間の接触面積が常に一定となり、さらに摺動が当接部の全周において連続していることから、軸体の回転によるダンパー機能がより安定して一定に発揮されるようになる。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記摺動部は、前記軸体と一体に形成されているのが好ましい。
このようにすれば、構成部品の数が少なくなるため、組立性がより良好になり、生産性が向上する。
また、前記回転ダンパーにおいて、前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するように円盤状に形成され、かつ前記軸体と一体に形成されてなるとともに、前記リング部の当接部に当接する側と反対の側が、前記ハウジングの内面に摺動可能で、かつ気密に当接し、これによって前記ハウジング内における、前記摺動部とハウジングの内面との当接箇所の外側が、該摺動部とハウジングとによって気密に構成されているのが好ましい。
このようにすれば、前記リング部の内部に封入された気体が、リング部の外側に洩れようとしても、このリング部を含むハウジング内の空間が、前記摺動部とハウジングの内面とが気密に当接していることで気密に構成されているため、前記気体のリング部外への洩れが抑制される。
また、リング部を含むハウジング内の空間が、摺動部とハウジングとによって気密に構成されているので、この空間に塵埃等の異物や湿気が浸入することで摺動部とリング部の当接部との間の摺動状態が変化し、発生するトルクが変化してダンパー機能が変化してしまうことが防止される。
本発明の回転ダンパーによれば、前述したように一定のダンパー機能が発揮されるようになることから、特に一定の力、すなわち一定のダンパー機能で制動したい構造に好適となる。
また、オイルなどの粘性流体を用いることなく、流体としては、単に空気等の気体を用いているだけであるので、前述したようにシール部材が不要となり、粘性流体の注入工程も不要となる。したがって、従来に比べ生産性が大幅に向上する。
さらに、リング部の当接部の弾性復帰力と、気体による内圧と、からなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となるため、環境温度の変化にも影響されることなく、ダンパー機能を一定に発揮させることができる。
また、粘性流体でなく空気等の気体を用いているので、その分軽量化を図ることができ、さらに、基本的にダンパー全体をハウジング内に収めているので、全体がコンパクトになり、小型化を図ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の回転ダンパーの一実施形態を示す図であり、図1中符号1は回転ダンパーである。この回転ダンパー1は、携帯電話等の携帯型の装置における開閉部材の開閉機構や、各種ドアーの開閉機構、各種カバーの開閉機構、オーディオ機器における開閉扉の開閉機構などに用いられて、開閉部材の開閉動作に対して一定のトルクを付与し、ダンパー機能を発揮するよう構成されたものである。具体的には、折り畳み式の携帯電話の、カバー部分と本体部分とを連結するヒンジ(開閉機構)に設けられて、カバー部分の開閉の際に一定のトルクを付与するダンパーとして、好適に用いられるものである。
この回転ダンパー1は、ハウジング2と、このハウジング2内に回動可能に収容された軸体3と、を備えたものである。ハウジング2は、例えば前記開閉機構における固定部に設けられるようになっており、軸体3は、前記開閉機構の可動部(従動部)に設けられた回動軸(回動部材)Kに連結するようになっている。すなわち、可動部となる扉等の開閉部材には、ラックやギアーなどを介して回動軸Kが設けられており、この回動軸Kが、前記軸体3に直接連結するようになっているのである。
また、このハウジング2内には、図2の側断面図に示すように、円環状のリング部4が形成されている。ここで、ハウジング2は、図2、及び図3の分解斜視図に示すように、ハウジング本体5とこのハウジング本体5に一体に係止するカバー6とからなるもので、硬質の合成樹脂等によって形成されたものである。ハウジング本体5は、図4(a)〜(c)に示すように円環状の底板5aと、この底板6aの一方の面(内面)に一体に形成された円筒状の係合筒部5bと、からなるものである。
底板5aは、前記係合筒部5bと反対の側の外周縁部がテーパ状に形成されており、これによって回転ダンパー1全体のコンパクト化(小型化)が図られている。係合筒部5bには、底板5aと反対の側に、外径を小径とする係止部5cが形成されており、この係止部5cに、前記のカバー6が外挿するようになっている。また、底板5aには、その中央部に円形の開口5dが形成されており、この開口5dに、前記の軸体3が回動可能に挿通するようになっている。
カバー6は、図5(a)〜(c)に示すように円環状の蓋板6aと、この蓋板6aの一方の面(内面)に一体に形成された円筒状の係合筒部6bと、からなるものである。
蓋板6aは、前記係合筒部6bと反対の側の外周縁部が面取りされており、これによって回転ダンパー1全体のコンパクト化(小型化)が図られているとともに、外形的に、前記ハウジング本体5と容易に見分けられるようになっている。係合筒部6bは、その内径が前記係合筒部5bの係止部5cの外径にほぼ一致し、これによって該係止部5cに外挿してここに係止するようになっている。
このような構成のもとにハウジング2は、ハウジング本体5にカバー6が係止させられることにより、その内部に収容空間を形成するようになっている。
また、前記係合筒部6bは、その外径が前記ハウジング本体5の係合筒部5bの外径と同一になっており、これによって該係合筒部6bの外周面と係合筒部5bの外周面とはほぼ面一になっている。さらに、蓋板6aには、その中央部に円形の開口6cが形成されている。この開口6cは、前記ハウジング本体5の開口5dと同じ内径に形成されたもので、この開口6cにも、前記の軸体3が回動可能に挿通するようになっている。
前記ハウジング2内、すなわちその収容空間には、図2に示すように円環状のリング部4が設けられている。このリング部4は、シリコンゴムなどの、軟質の合成樹脂(エラストマー)又は軟質ゴムからなる一対のOリング部材7、7によって構成され、これによって弾性変形可能に形成されたもので、これらOリング部材7、7間に空気等の気体を封入したものである。
Oリング部材7は、図6(a)〜(c)に示すようにタイヤ形状や浮き袋形状に似た略円環状のもので、円環部7aと、その内部孔7b側に延出した内縁部7cとからなるものである。円環部7aには、その円周方向に沿って溝部7dが形成されている。この溝部7dが形成された円環部7aは、溝部7dの開口側と反対の側が、図6(b)に示すように未使用状態では、側断面視した状態で半円状(半球面状)に湾曲して形成されている。なお、このOリング部材7は、その内面及び/又は外面にフッ素樹脂や金属等のコーティングがなされ、これによって該Oリング部材7自体を気体(空気)が透過してしまうのが防止された構造となっていてもよい。
そして、このような構成からなる一対のOリング部材7、7は、図2に示すように、互いにその溝部7dの開口側を突き合わせた状態に配置させられ、互いの溝部7d内に空気(気体)を封入した状態で気密に密着させられたことにより、リング部4となっている。これら一対のOリング部材7、7を互いに突き合わせ、接合して密着するにあたっては、単に接合するだけでも、互いの弾性変形とその弾性復帰力によって密着するが、より確実に密着させて内部(溝部7d内)に空気を封入するためのは、適宜な接着剤を用いて接着を行っても良い。
このようにして一対のOリング部材7、7から構成されたリング部4は、その外径、すなわち各Oリング部材7の円環部7aの外径が、前記ハウジング本体5の係合筒部5bの内径にほぼ一致して形成されており、これにより、図2に示したようにハウジング本体5の係合筒部5b内に収容された状態で、この係合筒部5bの内面と円環部7a、7aの外周面とが気密に密着したものとなっている。
また、リング部4の中心部には、各Oリング部材7、7の内部孔7b、7bからなる孔4aが形成されている。この孔4a(内部孔7b)は、前記ハウジング本体5の開口5d、前記カバー6の開口6cと同じ内径に形成されたもので、この内部孔7bにも、前記の軸体3が回動可能に挿通するようになっている。
なお、このような構成からなるリング部4において、カバー6側に配置されるOリング部材7の円環部7aの、溝部7dの開口側と反対の側が、後述するように摺動部に当接する当接部となっている。
また、ハウジング2内、すなわちその収容空間には、前述したように軸体3が設けられている。この軸体3は、図7(a)〜(c)に示すように円筒状のもので、その外周面上に円環状の摺動部8を一体に形成したものである。すなわち、軸体3は、摺動部8とともに一つの部品としての軸部材9を構成するもので、この軸部材9は、合成樹脂や合成ゴム等によって形成されたものである。
軸体3は、その外径が、前記ハウジング本体5の開口5d、前記カバー6の開口6c、前記リング部4の内部孔4aのそれぞれの内径よりわずかに小さい短い寸法に形成されたもので、これによってこれらの内部を円滑に回動できるようになっている。また、この軸体3は、図2に示すようにその高さ(長さ)が、ハウジング本体5とカバー6とからなるハウジング2の厚さ(高さ)と同一に形成されており、これによってハウジング2内に収容された状態で、その端面がハウジング2の表裏面とほぼ面一になるように構成されている。さらに、この軸体3は、図7(a)、(c)に示すようにその貫通孔(内部孔)3aの開口形状が円形でなく、本実施形態では小判形状(長方形の対向する二辺を、外側に膨らむ円弧状にした形状)に形成されたものである。
この貫通孔3aは、本発明における係止部となるもので、前述したように、開閉機構の可動部(従動部)に設けられた回動軸(回動部材)K(図1中二点鎖線で示す)を挿通させることでこれに連結するものである。ここで、回動軸(回動部材)Kは、例えばその横断面形状が貫通孔3aの開口形状に対応した小判形状、あるいは矩形状、正方形状等に形成されたもので、これによって貫通孔3aに挿通することにより、該貫通孔3a内に係合(係止)し、該貫通孔3a内を空回り(回動)しないようになっている。すなわち、貫通孔3aは、その開口形状が、回動軸Kの回動を妨げて該貫通孔3a内に係止させる係止形状となっているのである。
摺動部8は、図7(a)〜(c)に示したように円環状のもので、その中央部に前記軸体3が一体に形成されたものである。この摺動部8において、図2に示すようにその一方の側の面、すなわちハウジング本体5内に収容された前記リング部4側の面は、該リング部4に摺動可能に当接する摺動面8aとなっている。なお、この摺動面8aに当接するリング部4の面が、前述したように本発明における当接部となっているのである。
ここで、前記した一対のOリング部材7、7が突き合わされてなるリング部4は、その高さ、すなわち円環部7aの最外面間の距離が、ハウジング2内でのハウジング本体5の底板5aの内面と摺動面8aとの間の距離より十分に大きく形成されている。したがって、摺動面8aは、リング部4をある程度潰した状態でこれに当接しており、これによって摺動部8は、後述するように、リング部4によって相対的に押圧されるようになっているのである。なお、このように摺動部8の摺動面8aによって潰された状態となるリング部4は、これを構成する一対のOリング部材7、7が、常時潰された状態とされていることでへたりが発生することがないように、その高さが設定されている。すなわち、予め設定された耐用期間、リング部4はへたりによってその反発力(押圧力)が設定値以下に低下しないよう、設計されているのである。
また、摺動部8には、前記摺動面8aと反対の側の面の外周部に、円環状の膨出部8bが形成されている。この膨出部8bは、その側断面形状が略半円状となるように形成されたもので、前記カバー6の蓋板6aの内面に摺動可能で、かつ気密に当接している。このような構成によって膨出部8bは、カバー6とは面で接触することなく、ほとんど線に近い状態で接触したものとなっている。したがって、後述するようにハウジング2に対して軸部材9が回動させられた際、膨出部8bはカバー6の内面に摺動することで摩擦を生じるものの、ここで生じる摩擦抵抗は、十分に小さくなるようになっている。
また、膨出部8bとカバー6の蓋板6aの内面とが気密に当接していることにより、ハウジング2内における、前記膨出部8bとカバー6の内面との当接箇所の外側の空間が、摺動部8とハウジング2とによって気密に構成されたものとなっている。したがって、この気密に構成された空間からは、空気が抜けないようになっていると同時に、この気密空間に、前記カバー6の開口部7dから例えば塵埃等の異物や湿気が浸入しないようになっている。
このような構成の回転ダンパー1を作製するには、まず、一対のOリング部材7、7を例えば接着剤を用いて密着させ、リング部4を形成しておく。このとき、Oリング部材7、7を密着させる際の環境としては、一般の大気雰囲気とすればよく、これにより、Oリング部材7、7の溝部7d、7d内には、自然に空気が封入されることになる。ただし、封入される空気中の水分を少なくする目的で、環境中の水分(湿度)を低く調整しておいてもよい。また、封入後の空気(気体)による内圧を大きくする目的で、溝部7d内に発泡剤を設けておき、Oリング部材7、7を密着させた後、例えば最終工程で加熱等により発泡剤を発泡させ、内圧を高めるようにしてもよい。
次に、形成したリング部4を、ハウジング本体5の係合筒部5b内に嵌め込み、その一方のOリング部材7をハウジング本体5の底板5aに当接させる。
次いで、リング部4の孔4a内に軸部材9の軸体3の一方側を挿通し、さらに押し入れることで、摺動部8の摺動面8aをリング部4の他方のOリング部材7、すなわち当接部に当接させる。その際、これら摺動面8aとOリング部材7との間に、必要に応じてうすくグリースを塗布し、その摺動を滑らかにしてもよい。
次いで、その状態でカバー6を被せ、その開口6cに軸体3の一端側を通す。その際にも、摺動部8の膨出部8bとカバー6の蓋板6aの内面との間に、必要に応じてうすくグリースを塗布し、その摺動を滑らかにしてもよい。
さらに、カバー6をハウジング本体5側に押圧し、その係合筒部6bを前記係合筒部5bに外挿し、嵌合する。そして、これら係合筒部6bと前記係合筒部5とを熱溶着して気密に固定する。あるいは、これらの間を接着によって気密に固定してもよい。
このようにして、ハウジング本体5とカバー6とからなるハウジング2内にリング部4と軸部材9とを収容すると、リング部4は軸部材9の摺動部8を介してカバー6に押圧され、弾性変形することによってその内圧を高め、相対的に摺動部8を押圧するようになる。また、膨出部8bとカバー6の内面とが気密に当接するようになる。これにより、ハウジング2内における、前記膨出部8bとカバー6の内面との当接箇所の外側の空間、すなわちリング部4を形成した側の収納空間が、摺動部8とハウジング2とによって気密な閉空間に形成される。
なお、ハウジング本体5とカバー6とからなるハウジング2内にリング部4と軸部材9とを収容すると、前述したように、軸体3の両端面がハウジング2の表裏面とほぼ面一になる。したがって、このようにして形成された回転ダンパー1は、略円筒形状で突起などがないシンプルでコンパクトな形状となる。
次に、このような構成の回転ダンパー1の作用について説明する。
この回転ダンパー1を使用するには、まず、ハウジング2を例えば開閉装置(例えば折り畳み式の携帯電話におけるヒンジ)の固定部側に取り付ける。そして、開閉装置の可動部側に直接あるいは間接的に設けられた回動軸Kを、軸体3の貫通孔3aに挿通し、連結させる。
このようにしてセットしたら、開閉装置の可動部側を開閉動作させる。すると、この開閉動作に伴い、回転ダンパー1は、その軸体3が正方向あるいは逆方向に回動する。すなわち、軸体3は、ハウジング2に対して正方向あるいは逆方向に回動する。
そして、このようにして軸体3を回動させると、その摺動部8がリング部4の当接部、すなわち一方のOリング部材7に対して摺動することで摩擦を生じ、これによって軸体3にトルクを発生し、回動軸Kを介して前記の開閉部材に対してダンパー機能を発揮する。その際、リング部4はその内部に空気が封入されていることから、Oリング部材7、7の弾性変形に伴う弾性復帰力と、内部の気体により生じる一定な内圧とからなる反発力が、前記当接部に対して一定に付与されることにより、前記摺動部8とOリング部材7との間の摺動による摩擦力がリング部4の全周に亘って一定となる。
なお、このようにして軸体3を回動させた際、リング部4は、ハウジング本体5側のOリング部材7がハウジング本体5の底板5aに密着し、該底面5aに対して反発力を発生しているので、軸体3に伴われて連れ回りすることなく、当初の位置に保持される。
したがって、この回転ダンパー1にあっては、一定のダンパー機能を発揮することができるため、特に開閉部材等を一定の力、すなわち一定のダンパー機能で制動したい場合に、好適なものとなる。
また、リング部4内には空気(気体)を封入しているので、たとえこれが漏れても他の部材を汚すなどといった不都合がなく、したがってシール部材が不要となり、さらにはオイル等の粘性流体の注入工程も不要となる。したがって、従来に比べ生産性を大幅に向上することができる。
さらに、エラストマー又は軟質ゴムからなるOリング部材7は、その弾性変形の度合いが温度に影響されることはなく、空気等の気体も粘性流体に比べ温度依存性が低いため、前記の弾性復帰力と気体による内圧とからなる前記反発力は、温度変化にほとんど影響を受けることなくほぼ一定となる。したがって、発揮されるダンパー機能が、温度に依存することなく一定となるため、環境温度の変化にも影響されることなく、ダンパー機能を一定に発揮させることができる。
また、粘性流体でなく空気等の気体を用いているので、その分軽量化を図ることができ、さらに、基本的にダンパー1全体をハウジング2内に収め、突起などがない略円筒形状としているので、全体がシンプルでコンパクトな形状となり、十分に小型化がなされたものとなる。
また、一対のOリング部材7、7を密着させることでリング部4を形成しているので、例えば一つの場合に比べ、弾性限度領域に広がりができ、したがって個々のOリング部材7の弾性変形を小さくすることができる。
また、この回転ダンパー1にあっては、内部構造としてはハウジング本体5とカバー6側とで異なっているが、機能的には差が無く、したがって回動軸Kをハウジング本体5側から挿入しても、カバー6側から挿入しても同じダンパー効果が得られる。したがって、使い勝手に優れた、自由度の高いものとなる。
また、膨出部8bとカバー6の内面とを気密に当接させていることにより、ハウジング2内における、前記膨出部8bとカバー6の内面との当接箇所の外側の空間を、摺動部8とハウジング2とによって気密に構成しているので、前記リング部4の内部に封入した空気の、リング部4の外側への洩れを良好に抑制し、これによりリング部4による摩擦力を長期に亘って安定して生じさせることができる。
また、リング部を含むハウジング内の空間が、摺動部8とハウジング2とによって気密に構成されているので、この空間に塵埃等の異物や湿気が浸入することで摺動部8とリング部4の当接部との間の摺動状態が変化し、発生するトルクが変化してダンパー機能が変化してしまうことを防止することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、前記実施形態では、リング部4を一対のOリング部材7、7によって構成したが、本発明はこれに限定されることなく、一つのOリング部材7の溝部7d側をハウジング本体5の底板5aに密着させ、その間の溝部7d内に空気(気体)を封入することにより、リング部4を構成するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、軸体3に設ける係止部として、小判形状の開口の貫通孔3aを採用したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば開口形状として、回動軸(回動部材)の回動を妨げて該貫通孔内に係止させる係止形状となっていれば、矩形状や正方形状等の角形など、種々の形状のものを採用することができる。さらに、軸体3を円柱状に形成し、その端面に角柱状等の突起部を設けてこれを係止部としてもよい。このような突起部(係止部)に、筒状の回動部材を外挿させることにより、軸体に対して回動不能な状態で、回動部材を連結させることができる。
また、前記実施形態では、軸体3を回動させた際、リング部4は軸体3に伴われて連れ回りすることなく、ハウジング本体5内の当初の位置に保持されるようになっているが、このようなリング部4の連れ回りをより確実に防止するため、リング部4を収容するハウジング本体5の内面に、リング部4の回動を防止するための構造を付与してもよい。このような構造としては、例えば摩擦を高めるため、前記内面を粗面にするといったことが挙げられる。
また、摺動部8についても、前記実施形態では円環状に形成したが、リング部に対してその円周方向に沿って摺動可能に当接すれば、円環状や円盤状でなく、例えば扇状の羽を複数備えたプロペラ状のものであってもよい。
さらに、このような摺動部と軸体とを別体とし、これらを組み立てることで軸部材を形成するようにしてもよい。
本発明の回転ダンパーの一実施形態の、概略構成を示す斜視図である。 図1に示した回転ダンパーの側断面図である。 図1に示した回転ダンパーの分解斜視図である。 ハウジング本体の部品図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。 カバーの部品図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 Oリング部材の部品図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。 軸部材の部品図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は平面図である。
符号の説明
1…回転ダンパー、2…ハウジング、3…軸体、3a…貫通孔(係止部)、4…リング部、5…ハウジング本体、6…カバー、7…Oリング部材(当接部)、7a…円環部、7d…溝部、8…摺動部、8a…摺動面、8b…膨出部、9…軸部材

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジング内に設けられた円環状のリング部と、
    前記ハウジング内に回動可能に収容された軸体と、
    前記軸体に設けられ、かつ前記ハウジング内にて前記リング部に対しその円周方向に沿って摺動可能に当接する摺動部と、を備えてなり、
    前記軸体には、前記ハウジングに対して該軸体を相対的に回動させる回動部材を係止させる係止部が設けられ、
    前記リング部は、少なくとも前記摺動部に当接する当接部がエラストマー又は軟質ゴムからなり、その内部に気体が封入されてなることを特徴とする回転ダンパー。
  2. 前記係止部は、軸体の回転軸方向に沿って形成された貫通孔であり、該貫通孔の開口形状が、該貫通孔内に挿通させられる前記回動部材の回動を妨げて該貫通孔内に係止させる係止形状となっていることを特徴とする請求項1記載の回転ダンパー。
  3. 前記リング部は、円環状でエラストマー又は軟質ゴムからなり、その円周方向に沿って溝部を有したOリング部材が一対、互いにその溝部の開口側を突き合わせた状態に配置させられて、互いの溝部内に気体を封入した状態で気密に密着させられてなることを特徴とする請求項1記載の回転ダンパー。
  4. 前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するよう、円環状又は円盤状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転ダンパー。
  5. 前記摺動部は、前記軸体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転ダンパー。
  6. 前記摺動部は、前記リング部の当接部の全周に当接するように円盤状に形成され、かつ前記軸体と一体に形成されてなるとともに、前記リング部の当接部に当接する側と反対の側が、前記ハウジングの内面に摺動可能で、かつ気密に当接し、これによって前記ハウジング内における、前記摺動部とハウジングの内面との当接箇所の外側が、該摺動部とハウジングとによって気密に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転ダンパー。
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