JP2007231305A - 浸炭部品および浸炭歯車 - Google Patents
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Abstract
【課題】
自動車のディファレンシャルギアを構成するピニオンメートギアのような浸炭歯車において、耐摩耗性と耐衝撃疲労強度とを両立させたものを提供する。
【解決手段】
重量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.5%以下、Mn:0.3〜1.8%、Cr:0.3〜1.5%、Mo:0.80%以下、Ti:0.05%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Nb:0.01〜0.10%およびB:0.0005〜0.0035%を含有し、P:0.015%以下、S:0.020%以下であって、残部がFeおよび不可避な不純物からなる肌焼鋼を材料とし、部品形状への成形に続く浸炭処理を経てなり、C濃度が0.5〜0.8%、かつ、C濃度が0.4%の深さが0.15〜0.55mmである炭素プロファイルを有する浸炭部品。
【選択図】 図2
自動車のディファレンシャルギアを構成するピニオンメートギアのような浸炭歯車において、耐摩耗性と耐衝撃疲労強度とを両立させたものを提供する。
【解決手段】
重量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.5%以下、Mn:0.3〜1.8%、Cr:0.3〜1.5%、Mo:0.80%以下、Ti:0.05%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Nb:0.01〜0.10%およびB:0.0005〜0.0035%を含有し、P:0.015%以下、S:0.020%以下であって、残部がFeおよび不可避な不純物からなる肌焼鋼を材料とし、部品形状への成形に続く浸炭処理を経てなり、C濃度が0.5〜0.8%、かつ、C濃度が0.4%の深さが0.15〜0.55mmである炭素プロファイルを有する浸炭部品。
【選択図】 図2
Description
本発明は、肌焼鋼を材料とする、耐衝撃疲労強度にすぐれた浸炭部品、とくに浸炭歯車に関する。
たとえば自動車のディファレンシャルギアを構成するピニオンメートギアのような部品は、肌焼鋼を歯車形状に成形し、浸炭して製造している。この種の部品に要求される特性は、表面の耐摩耗性と衝撃疲労強度であるが、これらを両立させることは容易でない。従来の浸炭部品は、表層の炭素濃度が0.7〜0.8%であって、それにより表面の耐摩耗性は確保されるが、近年ますます強まりつつある衝撃疲労強度への要求には、現在の浸炭製品では不十分である。
出願人らは、冷間鍛造性と衝撃強度にすぐれた肌焼鋼を探求し、材料費および加工費の増加を抑えてこの目的を達成することができるものを開発し、すでに提案した(特許文献1)。その肌焼鋼は、C:0.1〜0.3%、Si:0.3%超〜1.0%、Mn:0.3〜1.7%、Mo:1.0%以下、Al:0.04%以下およびN:0.03%以下を含有し、P:0.03%以下、S:0.03%以下であって、残部がFeおよび不可避な不純物からなり、合金成分の含有量の関係が一定の条件を充たすものであって、かつ、浸炭層の結晶粒度がJIS粒度番号で7番以上の、微細なオーステナイト組織である。
特開2003−096539
発明者らは、ピニオンメートギアのような浸炭歯車において、必要な耐摩耗性を与える表面硬さとしてHV700を確保したうえで、衝撃疲労強度を向上させた浸炭部品を製造することを意図し、表層からある程度の深さに至る間のC濃度プロファイルの、好ましい姿を検討した。研究は、有効浸炭深さ(以下、「ECD」と略記する)が高い、低い、および中程度の浸炭部品を破壊し、破面を観察することから始めた。
図1はその結果を示すデータであって、3種の異なるECDをもつ試験片における、表層からの距離とC濃度との関係をプロットしたグラフに、破面の形態を付記したものである。図1から、おおよそC濃度0.4%を境界として破面の形態が変化すること、具体的には、表層からC濃度が0.4%に低下する深さまでの部分では脆性破壊が生じ、それより低濃度の部分では延性破壊が起こる、ということがわかる。
図1のデータから、衝撃疲労強度を向上させるためには、C濃度0.4%の深さを浅くすることが有効であると予測された。そこで、後記する実施例3の合金組成をもつ肌焼鋼を対象に、浸炭条件を調節することによってC濃度0.4%の深さを変化させた浸炭部品を製造し、ヘリカル落錘試験により100回強度(破損トルク)を測定した。その結果は図2にみるとおりであって、C濃度0.4%の深さを0.20mm以下にしたサンプルが好成績を示し、上記の予測が正しいことが確認された。
本発明の目的は、上述した発明者らの知見を活用し、肌焼鋼を材料とする浸炭部品、代表的には浸炭歯車において、耐摩耗性と耐衝撃疲労強度とを両立させたものを提供することにある。
上記の目的を達成する本発明の浸炭部品は、重量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.5%以下、Mn:0.3〜1.8%、Cr:0.3〜1.5%、Mo:0.80%以下、Ti:0.05%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Nb:0.01〜0.10%およびB:0.0005〜0.0035%を含有し、P:0.015%以下、S:0.020%以下であって、残部がFeおよび不可避な不純物からなる肌焼鋼を材料とし、部品形状への成形に続く浸炭処理を経てなり、表層部のC濃度が0.5〜0.8%、かつ、C濃度が0.4%となる深さが0.15〜0.55mmの範囲である炭素プロファイルを有する浸炭部品である。
本発明の浸炭部品は、部品の少なくとも一部において、すなわち、耐摩耗性と衝撃疲労強度とがともに求められる部分において、表層部の硬さがHv700以上であってこの種の部品に必要とされる耐摩耗性を確保し、その上で衝撃疲労強度が顕著に改善されている。したがって、自動車のディファレンシャルギアをはじめとする、耐摩耗性と耐衝撃疲労性との両立を要求される機械部品として好適である。
代表的な浸炭部品である浸炭歯車においては、上記した表層部のC濃度を0.5〜0.8%とし、かつ、C濃度が0.4%の深さを0.15〜0.55mmとした部分が、歯底R部であることが好ましい。この浸炭部品は、浸炭後の製品において、JIS結晶粒度番号で6番以上の微細結晶粒の組織を有することが好ましい。
浸炭部品の材料とする肌焼鋼の合金成分の作用と、組成範囲を上記のようにえらんだ理由を、必須成分および任意成分の順に説明すれば、つぎのとおりである。
C:0.1〜0.3%
部品の内部の硬さないし強度を確保するため、少なくとも0.1%のCが必要である。0.3%を超える過大なCが存在すると、靱性の低下、衝撃強度の低下という弊害が生じる。
部品の内部の硬さないし強度を確保するため、少なくとも0.1%のCが必要である。0.3%を超える過大なCが存在すると、靱性の低下、衝撃強度の低下という弊害が生じる。
Si:1.5%以下
Siは、脱酸剤として鋼の溶製時に添加される。過剰な添加は、機械加工性および冷間鍛造性を著しく損なうから、上限を1.5%とする。浸炭をガス浸炭による場合、Siは浸炭後の粒界酸化を助長し、強度の低下をもたらすため、できるだけ少量、できれば0.3%以下にすることが好ましい。
Siは、脱酸剤として鋼の溶製時に添加される。過剰な添加は、機械加工性および冷間鍛造性を著しく損なうから、上限を1.5%とする。浸炭をガス浸炭による場合、Siは浸炭後の粒界酸化を助長し、強度の低下をもたらすため、できるだけ少量、できれば0.3%以下にすることが好ましい。
Mn:0.3〜1.8%
Mnも、脱酸剤として作用する。0.3%以上を添加するのは、靱性の向上のためには浸炭後も適度のオーステナイトが残留する必要があるからである。1.8%を超える過剰な添加は、冷間鍛造性を低下させ、浸炭後の粒界酸化を助長する。
Mnも、脱酸剤として作用する。0.3%以上を添加するのは、靱性の向上のためには浸炭後も適度のオーステナイトが残留する必要があるからである。1.8%を超える過剰な添加は、冷間鍛造性を低下させ、浸炭後の粒界酸化を助長する。
Mo:0.80%以下
浸炭製品の表層部の硬さを確保し、耐摩耗性を高める上で、Moの存在は有意義である。この効果は、0.15%以上の添加で顕著になるが、0.80%を超えると飽和する。
浸炭製品の表層部の硬さを確保し、耐摩耗性を高める上で、Moの存在は有意義である。この効果は、0.15%以上の添加で顕著になるが、0.80%を超えると飽和する。
Ti:0.05%以下、N:0.01%以下
鋼中のNがBと結合してBNとなると、Bのもつ焼入れ効果が減殺されるが、Tiはこれを防止する作用がある。一方、Nは、Alと反応してAlNを生成し、これが浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する作用がある。TiおよびNを多量に添加すると大型のTiNが生成し、これが疲労破壊の起点となって、疲れ特性を損なうため、添加量の上限を、Tiは0.05%、Nは0.01%とした。TiおよびNの添加量の比は、重量で、Ti/N≧3.4であることが望ましい。
鋼中のNがBと結合してBNとなると、Bのもつ焼入れ効果が減殺されるが、Tiはこれを防止する作用がある。一方、Nは、Alと反応してAlNを生成し、これが浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する作用がある。TiおよびNを多量に添加すると大型のTiNが生成し、これが疲労破壊の起点となって、疲れ特性を損なうため、添加量の上限を、Tiは0.05%、Nは0.01%とした。TiおよびNの添加量の比は、重量で、Ti/N≧3.4であることが望ましい。
Al:0.05%以下
上記のように、AlはNと反応してAlNとなり、これが浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する。この効果は、Alの含有量が0.05%を超えると飽和してしまうので、これを添加量の限界とした。
上記のように、AlはNと反応してAlNとなり、これが浸炭時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止する。この効果は、Alの含有量が0.05%を超えると飽和してしまうので、これを添加量の限界とした。
Nb:0.01〜0.10%
浸炭部品の衝撃疲労強度を高くするためには、組織を微細にすること、具体的には前記のようにJIS粒度番号で6以上の微細粒とすることが望ましい。この目的で、少なくとも0.01%のNbを添加する。この効果はNb量の増大につれて飽和するので、コストを考慮して、0.10%までの添加に止める。
浸炭部品の衝撃疲労強度を高くするためには、組織を微細にすること、具体的には前記のようにJIS粒度番号で6以上の微細粒とすることが望ましい。この目的で、少なくとも0.01%のNbを添加する。この効果はNb量の増大につれて飽和するので、コストを考慮して、0.10%までの添加に止める。
Cr:0.3〜1.5%
Crは鋼の焼入れ性を向上させる上で有効な元素である。添加するのであれば、そのような効果が期待できる0.3%以上を添加するが、大量に添加すると結晶粒界の脆化を招くことがあるから、1.5%以下とする。浸炭をガス浸炭による場合は、表層部に粒界酸化物が生成して強度を低下させるから、なるべく少量にした方がよい。
Crは鋼の焼入れ性を向上させる上で有効な元素である。添加するのであれば、そのような効果が期待できる0.3%以上を添加するが、大量に添加すると結晶粒界の脆化を招くことがあるから、1.5%以下とする。浸炭をガス浸炭による場合は、表層部に粒界酸化物が生成して強度を低下させるから、なるべく少量にした方がよい。
B:0.0005〜0.0035%
肌焼鋼において適量のBを添加すると衝撃疲労強度の向上に有益であることは、知られている。本発明においても、この目的で、0.0005%以上のBを添加する。大量に加えても効果は飽和するので、0.0035%以内の添加量を選ぶ。
肌焼鋼において適量のBを添加すると衝撃疲労強度の向上に有益であることは、知られている。本発明においても、この目的で、0.0005%以上のBを添加する。大量に加えても効果は飽和するので、0.0035%以内の添加量を選ぶ。
P:0.015%以下、S:0.020%以下
ともに不純物として、若干の存在を防ぐことができないが、Pは粒界を脆弱にし、またSはMnSを生成してそれが亀裂伝播の経路となるので、なるべく低減したい。Pは0.010%、Sは0.015%以下であることが好ましいが、許容限度として、上記のP:0.015%、S:0.020%を設けた。これらのほか、原料に起因する不純物として、少量のCuおよびNiが含有されることが多いが、後記する実施例に掲げた程度の含有量であれば、別段問題はない。
ともに不純物として、若干の存在を防ぐことができないが、Pは粒界を脆弱にし、またSはMnSを生成してそれが亀裂伝播の経路となるので、なるべく低減したい。Pは0.010%、Sは0.015%以下であることが好ましいが、許容限度として、上記のP:0.015%、S:0.020%を設けた。これらのほか、原料に起因する不純物として、少量のCuおよびNiが含有されることが多いが、後記する実施例に掲げた程度の含有量であれば、別段問題はない。
表層部からの炭素濃度のプロフィールを前記のように選んだ理由は、つぎのとおりである。
表層部のC濃度が0.5〜0.8%
浸炭部品の表層部は、HV700以上の硬さをもつ必要があり、このためにはC濃度が少なくとも0.5%なければならない。一方、つぎに述べる0.4%C深さが最大でも0.55mmという制約を実現するためには、表層部のC濃度を0.8%以下に抑えなければならない。
浸炭部品の表層部は、HV700以上の硬さをもつ必要があり、このためにはC濃度が少なくとも0.5%なければならない。一方、つぎに述べる0.4%C深さが最大でも0.55mmという制約を実現するためには、表層部のC濃度を0.8%以下に抑えなければならない。
C濃度0.4%の深さが0.15〜0.55mm
前述のように、C濃度0.4%を境界に、脆性破壊/延性破壊というように破壊の形態が異なってくる。このC濃度0.4%の深さが最大でも0.55mmまでであれば、衝撃により発生した破壊が、起点から次々に伝播して歯元折損に至るということが回避でき、結果として衝撃疲労強度が改善される。下限はとくに意味をもたないが、現実の問題として、表層部のC濃度を0.5〜0.8%にした場合に、C濃度が0.4%の深さを0.15mmより小さくすることは困難であるという理由で挙げた。
前述のように、C濃度0.4%を境界に、脆性破壊/延性破壊というように破壊の形態が異なってくる。このC濃度0.4%の深さが最大でも0.55mmまでであれば、衝撃により発生した破壊が、起点から次々に伝播して歯元折損に至るということが回避でき、結果として衝撃疲労強度が改善される。下限はとくに意味をもたないが、現実の問題として、表層部のC濃度を0.5〜0.8%にした場合に、C濃度が0.4%の深さを0.15mmより小さくすることは困難であるという理由で挙げた。
上述した硬さプロファイルの条件を満たす浸炭部品は、既知の浸炭技術である真空浸炭、ガス浸炭のいずれによっても製造でき、カーボンポテンシャルや処理の温度、時間などを適切に選択することによって実施可能である。そのような条件は、当業者が容易に決定できるであろうが、好適な条件を挙げれば、下記の浸炭処理である。
1)925〜935℃に25〜35分間加熱、
2)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.95〜1.05%で35〜45分間浸炭、
3)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.75〜0.85%で35〜45分間浸炭、
4)845〜855℃において、25〜35分間拡散処理、
5)95〜105℃の油浴への焼入れ、および
6)175〜185℃に115〜125分間置く焼戻し。
1)925〜935℃に25〜35分間加熱、
2)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.95〜1.05%で35〜45分間浸炭、
3)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.75〜0.85%で35〜45分間浸炭、
4)845〜855℃において、25〜35分間拡散処理、
5)95〜105℃の油浴への焼入れ、および
6)175〜185℃に115〜125分間置く焼戻し。
以下、本発明を、実施データを示してさらに詳細に説明するが、本発明はそれにより限定を受けるものではない。また、実施例および比較例では歯車を具体例として挙げるが、本発明の対象は歯車に限定されるものではなく、とくに衝撃強度特性が重要視されるすべての機械構造部品に適用可能である。
表1に示す合金組成(重量%、残部Fe)の肌焼鋼を、真空溶解炉を用いて溶製し、150kgのインゴットに鋳造した。No.1〜7は本発明の実施例、No.8〜21は比較例である。比較例のNo.21は、従来のJISに従った肌焼鋼SCM420Hに相当する鋼である。各インゴットを熱間圧延および焼きならしした後、図3に形状を示す歯車試験片(モジュール1.5)に機械加工した。歯車試験片を、図4に示すA〜Cのヒートパターンで、浸炭−油冷焼入れ−焼戻しを行なってから、仕上げ加工を施した。浸炭はガス浸炭であり、カーボンポテンシャルCPは、前半1.0−後半0.8である。
浸炭した歯車試験片について、表層部のC濃度および硬さ(Hv)、ならびにC濃度が0.4%の深さ(mm)を測定するとともに(「0.4%C」であらわした)、落錘型衝撃試験機による衝撃試験を行なった。衝撃試験は、図5に示すように、歯車試験片を相手歯車と噛み合わせた状態で、歯車試験片に結合しているトルクアームに衝撃負荷を繰り返し加え、各衝撃トルクにおける破損までの衝撃負荷回数を求める試験である。この衝撃試験の結果に基づいて、衝撃負荷トルク(以下「100回衝撃」)と破損回数の関係式を求め、100回破損時の衝撃負荷トルクを求めた。その結果を、浸炭処理の条件と組み合わせて、表1にあわせ示す。
本発明は、例として挙げた自動車のディファレンシャルギアに限らず、表面の耐摩耗性と耐衝撃疲労強度とが両立を要求される浸炭部品として、種々の分野において、広く利用することができる。
1 歯車試験片
2 相手歯車
3 固定端
4 トルクアーム
5 衝撃荷重負荷位置
2 相手歯車
3 固定端
4 トルクアーム
5 衝撃荷重負荷位置
Claims (4)
- 重量%で、C:0.1〜0.3%、Si:1.5%以下、Mn:0.3〜1.8%、Cr:0.3〜1.5%、Mo:0.80%以下、Ti:0.05%以下、Al:0.05%以下、N:0.01%以下、Nb:0.01〜0.10%およびB:0.0005〜0.0035%を含有し、P:0.015%以下、S:0.020%以下であって、残部がFeおよび不可避な不純物からなる肌焼鋼を材料とし、部品形状への成形に続く浸炭処理を経てなり、表層部のC濃度が0.5〜0.8%、かつ、C濃度が0.4%となる深さが0.15〜0.55mmの範囲である炭素プロファイルを有する浸炭部品。
- 請求項1に記載した合金組成を有する肌焼鋼を材料とし、少なくとも歯底R部において請求項1に規定の炭素プロファイルを有する浸炭歯車。
- 浸炭処理を真空またはそれに近い減圧下で実施して得た請求項1の浸炭部品または請求項2の浸炭歯車。
- 浸炭処理を下記の条件で実施して得た請求項1の浸炭部品または請求項2の浸炭歯車:
1)925〜935℃に25〜35分間加熱、
2)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.95〜1.05%で35〜45分間浸炭、
3)925〜935℃において、カーボンポテンシャル0.75〜0.85%で35〜45分間浸炭、
4)845〜855℃において、25〜35分間拡散処理、
5)95〜105℃の油浴への焼入れ、および
6)175〜185℃に115〜125分間置く焼戻し。
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