JP2013185204A - 冷間加工性に優れた肌焼用条鋼 - Google Patents

冷間加工性に優れた肌焼用条鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な冷間加工性を示し、しかも焼入れ性向上元素として従来から用いられているNi、Cr、およびMoの含有量が少なく、且つ浸炭焼入れ処理後における強度を高められる肌焼用条鋼を提供する。
【解決手段】C、Si、Mn、P、S、Cu、Ni、Cr、Al、N、B、Ti、および
Oを含有し、残部:鉄および不可避不純物からなり、金属組織は、フェライトおよびベイナイトを含有し、フェライトとベイナイトの合計:90面積%以上、パーライト:10面積%以下(0面積%を含む)を満足する肌焼用条鋼。
【選択図】なし

Description

本発明は、デフギアやトランスミッションギアなどの歯車、または無段変速機(CVT)プーリーなど浸炭焼入れ処理を施して用いられる鋼部品を製造するために有用な肌焼用条鋼に関するものである。
歯車やCVTプーリーなどの鋼部品は、例えば、鋼を熱間圧延(例えば、棒鋼圧延または線材圧延など)した後、球状化焼鈍してから冷間加工して最終製品に近い形状に加工し、切削加工等を施して最終形状に仕上げ、その後、浸炭焼入れ処理を行うことによって鋼部品の強度を高めて製造される。そのため、熱間圧延後、球状化焼鈍前の肌焼用条鋼には、球状化焼鈍後に良好な球状化組織が得られて冷間加工性が良好で、且つ浸炭焼入れ処理時における焼入れ性が良好であることが求められる。
浸炭焼入れ処理を施して鋼部品の強度を高めるために、鋼部品の素材としては、焼入れ性を保証した構造用鋼鋼材が用いられている。この構造用鋼鋼材としては、JIS G4052で規定されるSCr420H(クロム鋼)、SCM420H(クロムモリブデン鋼)、SNCM420H(ニッケルクロムモリブデン鋼)などが一般に用いられている。こうした構造用鋼鋼材は、鋼材の焼入れ性を向上させるために、Ni、Cr、Moなどの合金元素を含有している。
こうした構造用鋼鋼材の特性を改善した技術として、特許文献1、2が知られている。これらのうち特許文献1には、真空浸炭を行ったときに表面炭素濃度の幅が小さい浸炭部品を得やすい合金組成を用いた浸炭用鋼が開示されている。この文献には、Siが浸炭時の炭化物生成を抑制するため、炭化物の分解がもたらす局部的に高い炭素濃度が生じるのを防止でき、Siは0.5〜3.0%の範囲で含有させればよいことが記載されている。また、この文献では、焼入れ性を高めて製品の機械的特性を確保するために、Crを0.3〜1.0%の範囲で含有させている。しかし、近年では、Crの価格の高騰が指摘されており、Cr添加量の低減や省略が求められている。
特許文献2には、浸炭肌焼鋼の疲労強度を向上させるために、浸炭処理時の粒界酸化および不完全焼入れ層を防止する技術が開示されている。この文献には、鋼中のMnを0.35%以下、Crを0.10%以下に抑えることによって、浸炭異常層の生成を抑えることが記載されている。また、この文献には、焼入れ性を付与し、静的強度と靭性を向上させるために、Moを0.35〜2.00%の範囲で含有させることが記載されている。この文献によれば、Cr量を低減できるが、焼入れ性を改善するためにMoを積極的に添加している。しかしMoの価格も高騰しているため、コストを削減できない。
特許第4254816号公報 特開平2−185954号公報
近年では、焼入れ性向上元素として広く一般的に用いられてきたCrやMoの価格が高騰しており、これら以外に焼入れ性向上元素として用いられているNiの価格も高騰している。これら代表的な焼入れ性向上元素(Cr、Mo、Niなど)の使用量を削減しても、もし所望の焼入れ性を得ることができれば、代替鋼として有用である。しかも肌焼部品(歯車、プーリーなど)は冷間加工して所定の形状に成形されるため、この冷間加工性に悪影響を与えることなく所望の焼入れ性を確保できれば、代替鋼としてより有用になるものと期待される。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、良好な冷間加工性を示し、しかも焼入れ性向上元素として従来から用いられているNi、Cr、およびMoの含有量が少なく、且つ浸炭焼入れ処理後における強度を高められる肌焼用条鋼を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る冷間加工性に優れた肌焼用条鋼とは、C:0.1〜0.3%(質量%の意味。以下、成分について同じ)、Si:0.15%以下(0%を含まない)、Mn:1.3%超、2%以下、P:0.03%以下(0%を含まない)、S:0.03%以下(0%を含まない)、Cu:0.3%以下(0%を含まない)、Ni:0.25%以下(0%を含まない)、Cr:0.3%以下(0%を含まない)、Al:0.06%以下(0%を含まない)、N:0.02%以下(0%を含まない)、B:0.0005〜0.005%、Ti:0.01〜0.08%、およびO:0.003%以下(0%を含まない)を含有し、残部:鉄および不可避不純物からなるものである。そして、金属組織が、フェライトおよびベイナイトを含有し、フェライトとベイナイトの合計:90面積%以上、パーライト:10面積%以下(0面積%を含む)を満足する点に要旨を有している。
前記鋼は、更に他の元素として、Mo:0.3%以下(0%を含まない)、V:0.3%以下(0%を含まない)、およびNb:0.08%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。
本発明の肌焼用条鋼は、上記成分組成を満足する鋼を熱間圧延した後、850℃から600℃までの温度範囲を1.0℃/秒以上で冷却することによって製造できる。前記冷却を行った後は、球状化焼鈍してから冷間加工を行えばよい。
本発明によれば、焼入れ性向上元素として添加するNi、Cr、およびMo量を低減する代わりに、比較的安価なMn、B、およびTiを積極的に添加すると共に、Si量を低減し、更に金属組織を、パーライトを実質的に含まず、フェライトとベイナイトの混合組織としている。このように成分組成と金属組織を適切に制御することによって、Cr、Ni、Moなどを削減しても冷間加工性に悪影響を与えることなく、浸炭焼入れ処理後における強度を向上できる。
図1は、実施例で行った球状化焼鈍の条件を説明するための模式図である。 図2は、実施例で用いた冷間加工性評価用の試験片形状を示す模式図である。 図3は、実施例で行った浸炭焼入れ処理の条件を説明するための模式図である。
本発明者は、焼入れ性向上元素として従来から広く知られているNi、Cr、およびMoの含有量を低減しても、浸炭焼入れ処理後における強度(特に、静的曲げ強度および衝撃強度)を高くでき、しかも冷間加工性が良好な肌焼用条鋼を提供するために鋭意検討を重ねてきた。その結果、肌焼用条鋼の冷間加工性を改善するには、Si量を低減すると共に、金属組織をフェライトとベイナイトの混合組織とし、パーライトの生成を抑制すればよいこと、浸炭焼入れ処理後における強度を確保するには、高価なNi、Cr、およびMoの添加量を低減する代わりに、Mn、B、およびTiを積極的に添加して焼入れ性を確保すれば良いことを見出し、本発明を完成した。
即ち、Ni、Cr、およびMoは、肌焼用条鋼の焼入れ性を高める元素であり、浸炭焼入れ処理を施して得られる鋼部品の強度を高めるのに寄与する元素である。特にCrを低減または省略すると、焼入れ性が著しく低下し、鋼部品の強度が低下する。焼入れ性を高めるには、NiやMoを添加することが有効であるが、これらの元素もCrと同様に高価な元素である。そこで本発明者は、比較的安価なMnとBに着目し、MnとBを積極的に添加して焼入れ性を確保することにした。また、Bは、鋼中に固溶することによって焼入れ性向上作用を発揮するが、Bは、鋼中のNと結合してBNを形成し易い元素であるため、本発明では、BNの生成を抑制し、Bを固溶させるために、Tiを積極的に添加している。
また、特にCrを低減または省略すると、球状化焼鈍を行ってもセメンタイトが球状化し難くなるため、肌焼用条鋼の変形能が低下する。そのため球状化焼鈍後に行う冷間加工時の冷間加工性が劣化する。そこで本発明では、球状化焼鈍後に良好な球状化組織を得て冷間加工性を改善するために、パーライトの生成を抑制している。
また、Crは、浸炭時に鋼部品表面における平衡炭素濃度を高め、浸炭性を改善する作用を有している元素である。そのためCrを低減または省略すると浸炭性が低下し、鋼部品の強度が低下する。浸炭性を改善するには、Niを添加することが有効であるが、上述したように、Niは高価な元素である。そこで本発明では、Si量を低減して浸炭性を高めることにした。
まず、本発明に係る肌焼用条鋼の成分組成について説明する。
[C:0.1〜0.3%]
Cは、鋼部品として要求される硬さを確保するために必要な元素である。C量が0.1%未満では、焼入れ性が悪くなり、硬さを確保できない。従ってC量は0.1%以上、好ましくは0.12%以上、より好ましくは0.15%以上とする。しかしC量が0.3%を超えると硬くなり過ぎるため、冷間加工性と被削性が低下する。従ってC量は0.3%以下、好ましくは0.28%以下、より好ましくは0.23%以下とする。
[Si:0.15%以下(0%を含まない)]
Siは、鉄中に固溶し、変形抵抗を増大させるため、Si量が過剰になると部品形状にするときの冷間加工性が悪くなる。また、Siは、鉄よりも酸化され易い元素であり、浸炭焼入れ処理中に酸素と結びついて粒界酸化層を形成し、鋼部品の衝撃特性や疲労特性を低下させる作用を有している。従ってSi量はできるだけ低減する必要があり、本発明では、0.15%以下、好ましくは0.10%以下、より好ましくは0.08%以下、更に好ましくは0.06%以下とする。
[Mn:1.3%超、2%以下]
Mnは、浸炭焼入れ処理を行ったときの焼入れ性を向上させ、鋼部品として要求される硬さを確保するために積極的に含有させる元素である。即ち、Mn量が1.3%以下では、Cr等を低減したことによる焼入れ性不足を充分に補えないため、鋼部品として要求される硬さを確保できない。従ってMn量は、1.3%超となるように含有させる。Mn量は、好ましくは1.35%以上、より好ましくは1.40%以上である。しかしMn量が過剰になると、成分偏析が顕著となり、材質のバラツキが大きくなる。その結果、衝撃強度や疲労強度のバラツキが大きくなる。従ってMn量は2%以下、好ましくは1.8%以下、より好ましくは1.7%以下とする。
[P:0.03%以下(0%を含まない)]
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、P量が過剰になると結晶粒界に偏析して鋼部品の衝撃特性を低下させるため、できるだけ低減する必要がある。従って本発明では、P量は0.03%以下、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下とする。
[S:0.03%以下(0%を含まない)]
Sは、Pと同様、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、S量が過剰になると、結晶粒界に偏析して鋼部品の衝撃特性を低下させるため、低減する必要がある。従って本発明では、S量は0.03%以下、好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.015%以下とする。なお、Sは、鋼中のMnと結合してMnSを形成し、冷間加工後に行う切削加工の被削性を向上させるのに寄与する。こうした作用を有効に発揮させるには、0.01%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.013%以上とする。
[Cu:0.3%以下(0%を含まない)]
Cuは、肌焼用条鋼の焼入れ性を高め、鋼部品の硬さを向上させる作用を有している元素である。また、Cuは、鉄よりも酸化され難いため、浸炭焼入れ処理時に、粒界酸化が発生するのを低減する作用を有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Cuは0.01%以上含有させることが好ましい。しかしCuを過剰に含有すると、Cu相が析出するため、冷間加工後に行う切削加工時の被削性が低下する。また、Cuは高価な元素であるため、できるだけ低減することが推奨される。従ってCu量は0.3%以下、好ましくは0.15%以下、より好ましくは0.1%以下とする。
[Ni:0.25%以下(0%を含まない)]
Niは、上記Cuと同様、肌焼用条鋼の焼入れ性を高め、鋼部品の硬さを向上させる作用を有している元素である。また、Niは、鉄よりも酸化され難いため、浸炭焼入れ処理時に、粒界酸化が発生するのを低減する作用を有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Niは0.01%以上含有させることが好ましい。しかしNiを過剰に含有すると、硬くなり過ぎて肌焼用条鋼の被削性が低下する。また、Niは高価な元素であるため、できるだけ低減することが推奨される。従ってNi量は0.25%以下、好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下とする。
[Cr:0.3%以下(0%を含まない)]
Crは、肌焼用条鋼の焼入れ性を高め、鋼部品の硬さを向上させる作用を有している元素である。また、Crは、浸炭焼入れ処理時に、肌焼用条鋼表面における平衡炭素濃度を高めて浸炭性を改善する作用も有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Crは、0.05%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.1%以上である。しかしCrは、Mnに比べて高価な元素であるため、本発明では、Crの添加を極力控える必要がある。従ってCr量は0.3%以下、好ましくは0.27%以下、より好ましくは0.23%以下とする。
[Al:0.06%以下(0%を含まない)]
Alは、脱酸剤として作用し、肌焼用条鋼に含まれる酸化物系介在物量を低減して内部品質を高める作用を有する元素である。こうした作用を有効に発揮させるには、Alは0.03%以上含有させることが好ましい。しかしAlを過剰に含有すると、粗大で硬い非金属介在物(Al23)が生成し、鋼部品の疲労特性が低下する。従ってAl量は0.06%以下、好ましくは0.05%以下、より好ましくは0.04%以下とする。
[N:0.02%以下(0%を含まない)]
Nは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、N量が過剰になると、AlNやTiN等の窒化物が生成し、変形能が低下するため、肌焼用条鋼の冷間加工性が劣化する。従ってN量はできるだけ低減する必要があり、本発明では、N量は0.02%以下、好ましくは0.010%以下、より好ましくは0.0060%以下、更に好ましくは0.0050%以下とする。
[B:0.0005〜0.005%]
Bは、少量の添加で肌焼用条鋼の焼入れ性を大幅に高め、鋼部品の硬さを向上させる作用を有している元素である。しかしB量が0.0005%未満では、こうした焼入れ性向上作用は発揮されない。従って本発明では、B量は0.0005%以上、好ましくは0.0008%以上、より好ましくは0.0010%以上とする。しかしBを過剰に含有させても焼入れ性向上作用は飽和する。また、BNが生成して肌焼用条鋼の変形能が悪くなり、冷間加工性が劣化する。また、BNが過剰に生成して鋼部品の衝撃特性が低下する。従ってB量は0.005%以下、好ましくは0.0030%以下、より好ましくは0.0020%以下とする。
[Ti:0.01〜0.08%]
Tiは、鋼中のNと結合し、NがBと結合するのを妨げて固溶B量を確保し、固溶Bによる焼入れ性を確保するために添加する元素である。また、Tiは、鋼中のCと結合してTi窒化物(TiC)を形成し、浸炭焼入れ処理時に、結晶粒が粗大化するのを抑制する作用を有している元素である。従って本発明では、Ti量は0.01%以上、好ましくは0.03%以上、より好ましくは0.035%以上とする。しかしTiを0.08%を超えて含有させてもこうした効果は飽和する。また、Tiを過剰に含有すると、TiCが過多に生成して冷間加工後に行う切削加工時の被削性を低下させる。従って本発明では、Ti量は0.08%以下、好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.065%以下とする。
[O:0.003%以下(0%を含まない)]
Oは、鋼中に不可避的に含まれる元素であり、O量が過剰になると、酸化物系介在物が生成し、鋼部品の衝撃特性や疲労特性が低下する。従ってO量はできるだけ低減する必要があり、本発明では、O量は0.003%以下、好ましくは0.002%以下、より好ましくは0.0010%以下とする。
上記鋼の残部は、鉄および不可避不純物であるが、選択元素として、Mo、V、およびNbよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有してもよい。Mo、V、およびNbは、いずれも肌焼用条鋼の焼入れ性を高め、鋼部品の硬さを向上させる作用を有している元素である。
[Mo:0.3%以下(0%を含まない)]
Moは、上述した作用を有しており、こうした作用を有効に発揮させるには、0.01%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.03%以上である。しかしMoは高価な元素であるため、使用量は低減することが推奨される、従って本発明では、Mo量は0.3%以下とすることが好ましい。より好ましくは0.15%以下、更に好ましくは0.10%以下である。
[V:0.3%以下(0%を含まない)]
Vは、上述した作用を有している他、鋼中で炭化物や窒化物として析出することによって鋼部品の硬度を高める作用も有している元素である。また、Vの炭化物や窒化物は、水素のトラップサイトとして作用し、鋼部品の耐遅れ破壊性を向上させる作用も有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Vは、0.03%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.05%以上とする。しかしVは高価な元素であるため、使用量はできるだけ低減することが推奨される。従って本発明では、V量は0.3%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下とする。
[Nb:0.08%以下(0%を含まない)]
Nbは、上述した作用を有している他、鋼中で炭化物(NbC)として析出し、浸炭焼入れ処理時に結晶粒が粗大化するのを抑制する作用も有している。こうした作用を有効に発揮させるには、Nbは、0.03%以上含有させることが好ましく、より好ましくは0.035%以上である。しかしNbを過剰に含有させてもその効果は飽和する。従って本発明では、Nb量は0.08%以下とすることが好ましく、より好ましくは0.07%以下、更に好ましくは0.065%以下とする。
次に、本発明に係る肌焼用条鋼の金属組織について説明する。
本発明の肌焼用条鋼の金属組織は、フェライトとベイナイトを主体とし、パーライトが殆ど生成していないところに特徴がある。具体的には、金属組織は、フェライトおよびベイナイトを含有し、金属組織全体に対して、フェライトとベイナイトの合計が90面積%以上で、パーライトが10面積%以下(0面積%を含む)である。
フェライトとベイナイトの合計面積率が90%を下回ると、球状化度のバラツキが発生し、冷間加工性が劣化する。従って上記合計面積率は90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは100%とする。
上記フェライトは、金属組織全体に対して、例えば、40〜70面積%であることが好ましく、上記ベイナイトは、金属組織全体に対して、例えば、30〜60面積%であることが好ましい。
上記フェライトの粒度番号は特に限定されず、通常の範囲であればよい。フェライトの粒度番号は、例えば、7.0〜9.0である。
パーライトが10面積%を超えて過剰になると、球状化し難くなるため、冷間加工性が劣化する。従ってパーライトは、10面積%以下、好ましくは5面積%以下、最も好ましくは0面積%とする。
次に、本発明に係る肌焼用条鋼を製造できる方法について説明する。
鋼部品は、通常、成分組成を調整した溶鋼を連続鋳造して鋳塊(ブルーム)とし、その後、分塊圧延により中間製品(ビレット)へ加工した後、1000〜1250℃程度に加熱され、角材に熱間鍛造される。熱間鍛造後、熱間圧延(例えば、棒鋼圧延または線材圧延など)により圧延材とし、適当な長さに切断した後、球状化焼鈍してから冷間加工して最終製品に近い形状に加工すればよい。しかしこの圧延材の金属組織中にパーライトが含まれているとセメンタイトが球状化し難いため、冷間加工性が低下する。
そこで本発明では、球状化焼鈍後の冷間加工性を向上させるために、上述した成分組成を満足する鋼を熱間圧延した後、850℃から600℃までの温度範囲を平均速度1.0℃/秒以上で冷却することによってベイナイトを生成し、フェライトとベイナイト主体の金属組織とすることが重要である。
上記850℃から600℃までの温度範囲における平均冷却速度が1.0℃/秒を下回ると、ベイナイトが充分に生成せず、金属組織はフェライトとパーライトの混合組織が主体となるため、球状化焼鈍しても良好な球状化組織を得ることができず、肌焼用条鋼の冷間加工性が低下する。従って上記温度範囲における平均冷却速度は、1.0℃/秒以上、好ましくは1.1℃/秒以上、より好ましくは1.2℃/秒以上とする。なお、上記温度範囲における平均冷却速度が大き過ぎると表面キズなどが発生し、製品品質が劣化するため、平均冷却速度は10℃/秒以下とすることが好ましい。
冷却した後は、上述したように、球状化焼鈍を施してから冷間加工すればよい。上記球状化焼鈍は、710〜790℃に加熱して3〜12時間保持した後、600〜690℃の温度域まで平均速度5〜20℃/時間で冷却し、空冷すればよい。
冷間加工後は、必要に応じて切削加工を行ってから、浸炭焼入れ処理などの表面硬化処理を施した後、必要に応じて焼戻し処理、ショットピーニング、仕上研摩等を行えば、鋼部品を製造できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
下記表1に示す成分組成(残部は、鉄および不可避不純物)の鋼を小型溶製炉で溶製、鋳造し、1200℃で、30分間加熱した後、熱間鍛造して角155mmの角棒を製造した。得られた角155mmの角棒を熱間圧延して直径26mmの棒鋼とした。熱間圧延後、850℃から600℃までの温度範囲における平均冷却速度を下記表2に示す。
冷却して得られた棒鋼(直径26mm)の金属組織を調べた。即ち、棒鋼のD/4位置(Dは直径)における断面を、光学顕微鏡で、倍率200倍で、3視野観察し、それぞれの視野においてフェライト、ベイナイト、およびパーライトの面積率を測定し、平均値を求めた。結果を下記表2に示す。下記表2には、フェライトとベイナイトの合計面積率も併せて示す。
また、参考値として、フェライト粒の結晶粒度番号を算出した。フェライト粒の結晶粒度番号は、JIS G0551に規定されている「7.1.2 結晶粒度標準図との比較による評価方法」に基づいて判定した。結果を下記表2に示す。結晶粒度番号7.0〜9.0番は、JIS G0551の「付属書C (規定) 評価の方法」によれば、平均粒径15.6〜31.2μmに相当している。
次に、冷却して得られた直径26mmの棒鋼に、図1に示した熱履歴の条件で球状化焼鈍した。即ち、球状化焼鈍は、750℃に加熱してこの温度で5時間保持した後、平均速度10℃/時間で650℃まで冷却し、次いで室温まで空冷して行なった。
球状化焼鈍して得られた供試材の金属組織を調べ、球状化度を測定した。球状化度は、供試材のD/4位置(Dは直径)における断面を、光学顕微鏡で、倍率200倍で、3視野観察し、それぞれの視野においてセメンタイトの球状化度を測定し、平均値を求めた。結果を下記表2に示す。本発明では、球状化度が、JIS G4052に規定されているSCr420Hを模擬して製造した下記表2のNo.28と同じであるか、数値が低いものを合格とし、球状化度がNo.28よりも大きくなっているものを不合格とする。
次に、球状化焼鈍して得られた供試材を機械加工して図2に示す形状の冷間加工性評価用の試験片を作製した。
[冷間加工性の評価]
冷間加工性は、上記試験片を据え込み率50%で冷間圧縮した後、更に2.5%ずつ圧縮を加えていき、割れが発生しない限界の据え込み率を割れ限界圧縮率として測定した。測定は5回ずつ行い、平均値を求めた。結果を下記表2に示す。
次に、球状化焼鈍して得られた供試材に浸炭焼入れ焼戻し処理を施した後、静的曲げ特性と衝撃特性について評価した。
[静的曲げ特性の評価]
静的曲げ特性は、静的曲げ試験を行って評価した。静的曲げ試験は、上記供試材(直径26mm)のD/4位置(Dは直径)から、機械加工により10mm×10mm×55mm(2mmのUノッチ)の形状の試験片を切り出し、浸炭焼入れ焼戻し処理を施した後に行った。
浸炭焼入れ処理は、ガス浸炭炉で、浸炭ガスとしてRXガスとプロパンガスの混合ガスを用い、図3に示すように、930℃で3時間浸炭して表面炭素濃度を0.8質量%とした後、860℃で1時間保持してから油冷し焼入れを行った。油温は、80℃とした。浸炭焼入れ処理後、170℃で、2時間の焼戻し処理を行った。焼戻し処理後、JIS Z2248に基づいて静的曲げ試験を行い、破断強度を測定した。測定結果を下記表2に示す。
[衝撃特性の評価]
衝撃特性は、衝撃試験を行って評価した。衝撃試験は、上記供試材(直径26mm)のD/4位置(Dは直径)から、機械加工により10mm×10mm×55mm(10Rノッチ)の形状の試験片を切り出し、上記静的曲げ特性を評価したときと同じ条件で、浸炭焼入れ焼戻し処理を施した後に行った。焼戻し処理後、JIS Z2242に規定されている「金属材料のシャルピー衝撃試験方法」に基づいて衝撃試験を行い、吸収エネルギーを測定した。測定結果を下記表2に示す。
下記表1、表2から次のように考察できる。No.1〜3、7〜26は、いずれも本発明で規定する要件を満足する例であり、Cr量を低減でき、しかもNiとMoを殆ど使用していないにもかかわらず、浸炭焼入れ焼戻し処理後における静的曲げ特性および衝撃特性を改善できている。また、金属組織を適切に制御しているため、球状化焼鈍後の冷間加工性にも優れている。
これに対し、No.4〜6、27、28は、いずれも本発明で規定する要件を満足しない例である。まず、No.28は、JIS G4052に規定されているSCr420Hを模擬して製造した例であり、Crを1.08%含有しているため、コスト高になっている。No.27は、Si量が過剰な例であり、浸炭焼入れ焼戻し処理時に粒界酸化層が形成された結果、衝撃強度が低下した。
No.4〜6は、いずれも成分組成は本発明で規定する要件を満足しているが、製造条件が本発明で規定する要件を満足していない例である。即ち、No.4〜6は、熱間圧延した後、850℃から600℃までの温度範囲を冷却するときの平均冷却速度が1.0℃/秒を下回っているため、パーライトが過剰に生成した。そのため球状化焼鈍を行ってもセメンタイトを球状化できず、球状化度がNo.28よりも悪くなっていた。そのため冷間加工性が劣化していた。
以上の通り、本発明では、Mn量をJIS G4052に規定されているSCr420HやSCM420Hよりも多く含有させ、また、BとTiを添加すると共に、Siを低減することによって、Cr量を、SCr420HやSCM420Hで用いているCr量(0.85〜1.25%)より大幅に低減しても、SCr420HやSCM420Hと同程度か、それ以上の機械的特性を得ることができることが分かる。
Figure 2013185204
Figure 2013185204

Claims (4)

  1. C :0.1〜0.3%(質量%の意味。以下、成分について同じ)、
    Si:0.15%以下(0%を含まない)、
    Mn:1.3%超、2%以下、
    P :0.03%以下(0%を含まない)、
    S :0.03%以下(0%を含まない)、
    Cu:0.3%以下(0%を含まない)、
    Ni:0.25%以下(0%を含まない)、
    Cr:0.3%以下(0%を含まない)、
    Al:0.06%以下(0%を含まない)、
    N :0.02%以下(0%を含まない)、
    B :0.0005〜0.005%、
    Ti:0.01〜0.08%、および
    O :0.003%以下(0%を含まない)を含有し、
    残部:鉄および不可避不純物からなり、
    金属組織は、フェライトおよびベイナイトを含有し、
    フェライトとベイナイトの合計:90面積%以上、
    パーライト:10面積%以下(0面積%を含む)を満足することを特徴とする冷間加工性に優れた肌焼用条鋼。
  2. 前記鋼は、更に他の元素として、
    Mo:0.3%以下(0%を含まない)、
    V :0.3%以下(0%を含まない)、および
    Nb:0.08%以下(0%を含まない)よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1に記載の肌焼用条鋼。
  3. 請求項1または2に記載の成分組成を満足する鋼を熱間圧延した後、850℃から600℃までの温度範囲を1.0℃/秒以上で冷却することを特徴とする冷間加工性に優れた肌焼用条鋼の製造方法。
  4. 前記冷却を行った後、球状化焼鈍してから冷間加工を行う請求項3に記載の製造方法。
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