JP2007229244A - カテーテル用チューブ及び、カテーテル用チューブの製造装置の制御方法 - Google Patents

カテーテル用チューブ及び、カテーテル用チューブの製造装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 補強線を用いながら、剛性等が異なる他のチューブを容易に接続可能なカテーテル用チューブ及び、このようなカテーテルを製造するためのカテーテルチューブの製造装置の制御方法を提供する。
【解決手段】 補強線を編み込むカテーテルチューブにおいて、先端部に他のチューブを融着するときに補強線が解れてフレアリングを起こさないように、補強線がカテーテルチューブの長さ方向とほぼ平行になる区間を有するようにする。このようなチューブは補強線を編み込むブレーダーの回転速度やチューブの走行速度を制御し、また、この区間の補強線の状態を維持するため、補強線を編み込んだ後リールに巻き取らずに、連続工程で樹脂層を設ける事によって実現可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明はカテーテル用チューブ及び、カテーテル用チューブの製造方法に関し、特に、他のチューブを容易に接続可能なカテーテル用チューブ及び、カテーテル用チューブの製造装置の制御方法に関する。
造影カテーテルやマイクロカテーテル、PCI(Percutaneous Coronary Intervention)又はPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty)で用いられるガイディングカテーテルにおいては、血管内挿入操作のために適度な剛性(曲げ剛性)、ひねり強度(ねじり剛性)が必要とされる。
従来、これらのカテーテルの本体部分を形成するカテーテルチューブは、例えば特許文献1に示されるような方法で製造される。図5は、従来のカテーテル用チューブの製造方法を説明する図である。まず、製造するチューブの内径に合わせた外径を有する、軸となる芯線を用意する(a)。そして、芯線に第1の樹脂層を押出コーティング等によって形成する(b)。次に、第1の樹脂層の上に、ステンレス線等の補強線を編み込む(c)。更に、その上に押出成形等により第2の樹脂層を形成し(d)、最後に芯を抜く(e)。
そして、このようなチューブを工業的に生産する場合には、芯線を送り出しながら押出成形機で第1の樹脂層を芯線にコーティングし、これをリールに巻き取る。次に、リールから第1の樹脂層がコーティングされた芯線を引き出しながら編組機(ブレーダー)に通すことで、補強線を編み込み、再度リールに巻き取る。そして、リールから補強線を編み込んだチューブを引き出しながら再度押出成形機で第2の樹脂層をコーティングしたのち、単位長さ毎にカットし、最後に芯線を抜き取るという方法が採用されている。
このようにして製造したカテーテル用チューブは、全長に渡って、かつ均等に補強線が入っており、また第1の樹脂層、第2の樹脂層とも同じ厚さで形成される。従って、長さ方向におけるどの位置でも同じ硬さ(剛性)を有する。
カテーテルを挿入するのは血管であり、完全な直線となっている部分はほとんど存在しない。特にカテーテルの先端は曲がりくねった血管内を、血管を傷つけることなく、ガイドワイヤに沿って目標位置までたどり着かなければならないため、血管の曲がりに追従できるように柔らかいことが望ましい。このような、血管の屈曲に沿って進みやすい性質をトラッカビリティ(trackability)と呼ぶ。
その一方で、カテーテルを経皮的に血管に挿入して目標部位まで進めたり、カテーテルを軸周りに回転させるような操作を行う点からは、カテーテルの手元部分はなるべく硬い方が望ましい。このような、押し込み力が減衰せずに先端に伝達されやすい特性をプッシャビリティ(pushability)、捻りに対する応答性をトルク性と呼ぶ。
このように、カテーテル(すなわち、カテーテルチューブ)には、トラッカビリティ、プッシャビリティ、トルク性といった特性が要求され、長さ方向に均一な剛性を有するチューブではこれら特性の全てを満たすことは困難である。つまり、全体の剛性が大きければ、プッシャビリティは良好となるが、先端が血管の屈曲に追従しにくくなり、血管壁を傷つけたり、血管壁に穴を開けてしまったりする可能性が高くなる。また、全体の剛性が小さいと、トラッカビリティは良好となるが、押し込んだ力がカテーテルチューブ自体の変形、具体的には波打ちにより吸収されてしまい、先端に伝達しにくくなる。また、波打がひどくなると折れ曲がり(キンク)が発生し、やはり血管壁を損傷させてしまう可能性がある。
従って、この製法で製造されたカテーテルチューブのみでカテーテルを構成することは現実的でなく、別途剛性を調整することが必要であった。例えば、別途成型された、補強線の入っていない柔軟なチューブを、熱融着によって先端部に接続したり、カテーテル用チューブを押出成形する工程で、チューブに一定間隔で補強線の無い部分を形成したりすることが行われていた。
米国特許第3485234号公報
しかしながら、先端に柔軟なチューブを熱融着して接続する方法では、熱融着の際に、補強線を覆う第2の樹脂層が溶融する。そのため、第1の樹脂層上に巻き付けられている補強線が元の形状に戻ろうとする力を抑えることができなくなって、補強線が端部からほどけて表面に出てくる場合がある(このような現象をフレアリングと呼ぶ)。しかし、フレアリングを防止しながら熱融着を行うのは容易でなく、熱融着する前に剥き出しにした補強線の端部を、接着剤や熱収縮チューブ等で固定してから、その部分に柔軟なチューブの接続部を重ねて熱融着するような方法が用いられてきた。
また、カテーテル用チューブの押出成形工程でチューブに補強線の無い部分を形成する方法では、第1の樹脂層を形成した後に補強線を編み込むまでは同じ工程であるが、第2の樹脂層を形成する前に、補強線を一定間隔毎に所定長さ取り除くことで、補強線の有る部分と無い部分を有するチューブを形成する。補強線の除去は、ニッパーなどで切り取って剥がしたり、グラインダーで削り取ったりする方法が採られる。また、第2の樹脂層がない状態で補強線の一部を除去すると、残った各々の補強線の端部が解れてきてフレアリングが生じ、第2の樹脂層を形成することが困難になる。そのため、除去により補強線の端部となる部分を予め瞬間接着剤などを用いて固定した後に除去を行う。
補強線を除去した部分には熱融着により他のチューブを接続しても、補強線の解けの問題は生じない。そのため、補強線有りの部分、補強線無しの部分、更に柔らかい材料からなるチューブという、先端に向かうほど柔らかくなるカテーテルチューブを形成することができる。しかし、部分的に補強線を除去する工程は非常に手間が掛かり、効率的な製造ができない。
本発明はこのような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、補強線を用いながら、他のチューブを容易に接続可能なカテーテル用チューブと、このようなカテーテル用チューブを製造するための、カテーテルチューブの製造装置の制御方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の要旨は、第1の樹脂層からなる中空のチューブと、第1の樹脂層上に編み込まれた補強線と、第1の樹脂層上に、補強線を被覆するように設けられた第2の樹脂層とを有するカテーテル用チューブであって、補強線が、第1の樹脂層上に巻き付けられている第1の部分と、カテーテル用チューブの長さ方向にほぼ平行となる第2の部分とを有することを特徴とするカテーテル用チューブに存する。
また、本発明の別の要旨は、走行する芯線上に第1の樹脂層を設ける第1の樹脂層形成手段と、第1の樹脂層形成手段の下流に配置され、第1の樹脂層上に補強線を編み込む編み込み手段と、編み込み手段の下流に配置され、補強線を被覆するように第2の樹脂層を設ける第2の樹脂層形成手段と、第2の樹脂層形成手段の下流に配置され、第1の樹脂層、補強線及び第2の樹脂層が形成された芯線を引き取る引き取り手段と、を有するカテーテルチューブの製造装置の制御方法であって、補強線が第1の樹脂層上に巻き付けられる第1の部分と、芯線の長さ方向にほぼ平行となる第2の部分とが形成されるように、引き取り手段の引き取り速度及び編み込み手段の編み込み密度の少なくとも一方を制御することを特徴とするカテーテル用チューブの製造装置の制御方法に存する。
このような構成により、本発明によれば、補強線を用いながら、剛性等が異なる他のチューブを容易に接続可能なカテーテル用チューブを得ることが可能となる。
以下、図面を参照して本発明をその好適な実施形態に基づき詳細に説明する。
従来技術における問題の大半は、補強線がその端部から解れることに起因している。そして、補強線が解れる理由は、ステンレス等、バネ性を有する鋼線である補強線を、第1の樹脂層に強制的に巻き付けながら編み込んだものを、第2の樹脂層で固定し、結果的に補強線の反発力を押さえ込んだ構成となっているからと考えられる。
上述の考察に基づき、本発明者は、反発力が少ない部分を設けるように補強線を編み込むことによって、他のチューブの接続時における補強線の解れを抑制したカテーテル用チューブが実現できることを見出し、本発明に到達した。
図1は、本発明の実施形態に係るカテーテル用チューブの構成例を示す斜視図である。
本実施形態に係るカテーテル用チューブは、補強線が実質的にカテーテル用チューブの長さ方向に平行となる区間を有する。特に好ましい形態においては、補強線の密度が長さ方向で変化しており、補強線の密度が最も高い部分から、短い距離をおいて、補強線が実質的にカテーテル用チューブの長さ方向に平行となる区間を有することを特徴とする。
本実施形態のカテーテル用チューブ製造方法の基本的な手順は、図5で説明した従来の製造方法と同様でよい。すなわち、芯線に第1の樹脂層を被覆し、その上に補強線を設け、さらに第2の樹脂層を設けた後に芯線を除去するという工程を経て製造する。図1(a)は、本実施形態に係るカテーテル用チューブの製造過程における構成例を示す斜視図である。具体的には、第2の樹脂層を設ける前の状態であって、かつ所定長さに切断した状態を示している。また、芯線は図示していない。
図1(a)に示すように、本実施形態のカテーテル用チューブ10は、その長さ方向全体に渡って補強線が設けられている。しかし、補強線の密度は一定でなく、長さ方向で変化している。より具体的には、補強線がチューブ外周に巻き付けられている部分11、12とほぼ平行な部分13を有する。補強線が巻き付けられている部分では、チューブの硬度変化をつけるために補強線の編み込み密度(単位長あたりのピック数)が低い部分11と高い部分12が存在しても良い。
本実施形態においては、芯線の入ったカテーテル用チューブを連続的に長尺で製造し、所定長さに切り出して個々のチューブを製造する。そのため、製造過程における長尺の状態では、補強線の密度は例えば図3に示すように平行→高い→低い→高い→平行→高い・・・を周期的に繰り返すことになる。
補強線がチューブの長さ方向に平行な部分は、ブレーダーの回転が停止し、チューブの進行によって、ブレーダーに組み込まれた多数のボビンから補強線が平行に引き出される事によって形成される。チューブの進行中にブレーダーが回転を始めると次の編み込み部分12が形成される。平行部分から編み込み部分への遷移部分の長さは、ブレーダーの回転立ち上がりと引き取り速度によって制御出来る。補強線の編み込み密度が低い部分11と高い部分12はブレーダーの回転速度を変化させるか、引き取り速度を変化させる事によって形成することが出来る。なお、部分11と12の遷移部分はブレーダーの回転速度を急激に変化させれば短くすることも可能であるが、遷移部分が短いと剛性の変化率も大きくなるため、ある程度の遷移部分を設けることが好ましい。
このように補強線を設けた後、図1(b)に示すように第2の樹脂層を設けることで、カテーテル用チューブを製造する。従って、本実施形態のカテーテル用チューブは、図1(c)に示すように、内側から芯線、第1の樹脂層14、補強線15、第2の樹脂層16という断面構造を有する。
図2は、本実施形態のカテーテル用チューブの製造装置の構成例を示す図である。
本実施形態の製造装置100は、インライン製造装置であり、リールに巻かれた長尺の芯線を引き出しながら、芯線上に第1の樹脂層、補強線及び第2の樹脂層を順に形成した後、定尺にカットする構成を有する。
具体的には、図2に示すように、上流側から順に芯線繰出機110、第1の押し出し機120、ブレーダー130、第2の押出機140、冷却水槽151、外形測定器153、引取機154及びカッター156が配列される。また、全体の動作制御は制御装置150が予め設定された制御プログラムに基づいて行う。
芯線繰出機110は、リール111に巻き付けられた芯線を、後述する引取機154の引き取り速度に応じて送り出す。第1の押出機120は、第1の樹脂層を芯線上に設ける手段であり、ポリアミド系樹脂など、適切な性質を有する樹脂を押し出して芯線を被覆する。
ブレーダー130は、第1の押出機120が形成した第1の樹脂層の上に、補強線を編み込む。ここでは、芯線の走向方向に合わせて横型のブレーダーを用いている。ブレーダーには編み込む補強線が巻かれたボビンが、カテーテルチューブの走向方向を中心とした円周上に、かつこの円周上で移動可能に複数配置された構成を有する。そして、補強線をボビンから引き出しながらボビンを円周上で移動(以下、ブレーダーの回転という)させつつ、互いに交差させることで、中心を走行する、第1の樹脂層が設けられた芯線の外周面(すなわち、第1の樹脂層上)に補強線を編み込んでいく。
ブレーダー130の編み込み速度は可変であり、芯線の走行速度が一定の場合、ボビンの移動速度(回転速度)を上げればチューブの単位長さ当たりの補強線の密度が上昇する。つまり、チューブのねじり剛性が高くなり、曲げ剛性は低下する。また、回転速度を低下させれば、逆に補強線の密度が低下する。また、編み込み速度が一定であっても、芯線の引き取り速度(走行速度)を上昇させれば補強線密度が低下し、走行速度を低下させれば補強線密度が上昇する。
そして、補強線を編み込むことにより、チューブのねじり剛性と曲げ剛性を調整することができる。
補強線密度を上昇させると、チューブの長さ方向成分とチューブの円周方向成分からなる、補強線の長さ方向に延びるベクトルは、円周方向成分が支配的になる。その結果、ねじり剛性の上昇には大きく寄与するが、曲げ剛性への寄与は少なく、樹脂層の有する特性が支配的になる。また、補強線密度が上昇すると、補強線の弾力が径方向への支えとなり、チューブの外形を維持する力が大きくなるため、形状維持性能が高くなる(内腔がつぶれにくく、耐キンク性能が良くなる)。
逆に、補強線密度を低下させると、補強線の長さ方向に延びるベクトルはチューブの長さ方向成分の影響が大きくなり、曲げ剛性を増加させることができる。そして、ねじり剛性については補強線が寄与する割合は低くなり、樹脂層が有する特性が支配的になる。
従って、図1(a)に示すように、高剛性を要求される近位端部分となる部分(部分11)については、補強線密度を低くし、遠位端側に向かって補強線密度を高くしていく(部分12)。そして、本実施形態のカテーテル用チューブは、先端に他の(一層柔軟な)チューブを接続して用いることを前提としているため、他のチューブを接続するための部分13については、補強線が解れようとする反発力を抑制するよう、補強線がチューブの長さ方向とほぼ平行となるようにする。補強線の走向方向の、チューブの長さ方向成分が存在すると、先端部の曲げ剛性を高めることになるが、後述するように、他のチューブを接続する際には、この部分を極力短くするようにカットし、さらに、テーパ状に削り取るなど肉厚を下げる加工等を行うため、接続部分での急激な剛性変化は生じない。むしろ、他のチューブとの接続部分の曲げ剛性が高まることで、接続部分の破断抑制が期待できる。なお、チューブの用途や特性上、剛性変化をさせる必要が無い場合や樹脂の物性のみを利用して剛性変化を得る場合は、チューブ全体にわたり補強線の密度を一定にして、先端部においてのみ、補強線がチューブの長さ方向に平行になるように変化させればよい。
なお、補強線がチューブの長さ方向にほぼ平行に走行する、部分13は、ブレーダー130の回転を停止させることにより形成することができる。つまり、ブレーダー130の回転が停止すると、各ボビンから引き出された補強線は、第1の樹脂層の外周に巻き付かずに、カテーテル用チューブもしくは芯線の走向方向(すなわち、長さ方向)平行に走行するようになる。その結果、図1(a)の部分13が形成される。
ブレーダー130の回転速度や回転の停止、再開は、制御装置150により制御可能である。また、芯線の走行速度(後述する引取機154による引き取り速度)もまた制御装置150により制御可能である。これらの少なくとも一方を変化させることにより、補強線が巻き付けられる部分11、12の長さや補強線の密度、補強線が芯線の長さ方向にほぼ平行となる部分13の長さを調整することができる。
従来の製造方法では、押出機により第1の樹脂層を設けてリールに巻いた芯線を、単独のブレーダーにセットし、ブレーダーにより補強線が編み込まれた状態で再び別のリールに巻き取り、このリールを第2の樹脂層を設けるための押出機の繰出機にセットして、補強線付きの半製品に対して第2の樹脂層を形成するという、非連続的な工程を踏んでいた。
しかしながら、前述の通り、本実施形態のカテーテルチューブは、補強線の密度が低く、チューブの長さ方向にほぼ平行となる部分を有する。そのため、従来のように、補強線を編み込んだ後リールに巻き取り、第2の樹脂層を形成する押出機にかけるという非連続的な工程を踏んで製造することは非常に困難である。これは、リールに巻き取る際に、補強線の密度の低い部分、特に補強線がカテーテルチューブの長さ方向に平行もしくはそれに近い角度に延びている部分においては、補強線が第1の樹脂層から剥がれやすく、編組された部分も解れて来る可能性があり、ブレーダー130を出た時の状態を維持することが難しいからである。
従って、図2に示すように、本実施形態の製造装置では、ブレーダー130を出た半製品がリールに巻き取りされることなく、第2の押出機へ供給される構成としている。
なお、上述のように、ブレーダー130の回転を止めることで補強線をチューブの長さ方向に平行に走る事になるが、ブレーダー130の回転速度を落として、押出速度(チューブの走行速度)を上げる事により、ブレーダー130の回転を止めなくても、補強線をチューブの長さ方向に平行に近い状態にすることができる。
ここで、部分13に設ける補強線の走向方向について説明する。本発明の趣旨は補強線の解れの要因となる反発力の発生を抑制することである。従って、他のチューブを接続する部分については補強線をチューブの長さ方向と平行とした場合が最も効果的であるが、平行であることを必須とするものではない。つまり、他のチューブ接続時に第2の樹脂層が溶融した場合でも補強線が短時間に解れて作業に支障がない程度に反発力の発生を抑制可能であれば、完全に平行である必要はない。
第2の押出機140は、第1の押出機120と同様に、走行するカテーテルチューブ(補強線付き)に第2の樹脂層を形成する。第2の樹脂層も第1の樹脂層と同様、ポリアミド系樹脂などの適切な特性を有する材質により形成する。第1の樹脂層と第2の樹脂層とは同じ材料であっても、異なる材料であっても良い。例えば、第1の樹脂層をナイロン11やナイロン12で、第2の樹脂層はポリエーテルブロックアミド(PEBA)で形成することができる。
第2の押出機140により第2の樹脂層が形成されたカテーテルチューブは、下流に配置された冷却水槽151、外径測定器153、引取機154を経て、カッター156で所定長さにカットされる。制御装置150は制御コンピュータであり、予め記憶された制御プログラムと、ユーザインタフェースとしてのコントロールパネル155からの指示に基づいて製造装置全体の動作制御(芯線繰出機110の繰出速度、引取機154の引き取り速度、第1及び第2の押出機120及び140の押し出し速度、ブレーダー130の回転制御等を行う)。
冷却水槽151は、第2の樹脂層の形成が終わったカテーテルチューブを冷却し、引き取り可能な状態にする。外径測定器153は、冷却水槽151から出てきたカテーテルチューブの外径を測定する。制御装置150は、予め定められた目標値及び許容誤差と、外径測定器153が測定した実測値とを比較し、実測値が基準値の範囲に含まれるよう、必要に応じて引き取り速度、押し出し速度、押し出し量といった、樹脂層の厚さに関係する動作条件を変更するフィードバック制御を行う。
引取機154は、制御装置150の制御に従って、樹脂層と補強線とが形成された芯線(カテーテル用チューブ)を所定速度で引き取る。
このようにして長尺で製造されたカテーテル用チューブを、カッター156によって所定長さで切断した後、芯線を引き抜いて取り除くことにより、カテーテルチューブを形成する。図3は、本発明の実施形態に係るカテーテル用チューブの補強線の密度変化とカッター156による切り出し位置を説明する図である。図3に示すように、切り出しは、接続用の部分13と、補強線の密度が低い部分11になるように行う。上述のように、補強線の密度変化は周期的であるため、無駄なくチューブを切り出して利用することができる。
図4は、本実施形態のカテーテル用チューブの先端に、より柔軟な他のチューブを接続してカテーテルチューブを製造する際の手順を説明する図である。
図4において、20は先端に接続する、本実施形態のカテーテル用チューブ10よりも曲げ剛性の小さな柔軟なチューブ(先端チューブ)である。本実施形態において、先端チューブ20は補強線を有していない。チューブを接続する際には、接続部における物理的な段差及び剛性変化の段差の両方を抑制するために、カテーテル用チューブ10の先端部(部分13)を研磨加工等して肉厚を削減し、テーパ状に加工する。そして、先端チューブ20の近位端内側21も対応するテーパ形状に加工する。部分13のテーパ加工は補強線無しの部分を有するチューブを加工する場合と同じであり、補強線の処理が必要ないため非常に容易である。
次いで、先端チューブ20の近位端にカテーテルチューブ10の遠位端(先端部)を挿入した後、加熱融着によりチューブを接続する。
上述のように、本実施形態のカテーテル用チューブの先端部13は、補強線の巻き付け密度が低く、補強線がチューブの長さ方向とほぼ平行な方向に走行している。そのため、補強線がチューブに巻き付けられることによって生じる反発力、すなわち、解れてチューブ表面へ露出しようとする力は、有るとしても非常に小さい。そのため、チューブ先端部13に他のチューブを融着する際、チューブの第2の樹脂層が溶融しても、補強線の端部が一気に解れたりすることはなく、接続作業性が非常に高い。
従って、第2の樹脂層の溶融時における解れ(フレアリング)を防止するため、先端にチューブを融着する際に補強線の端部を固定する前処理を行う必要がない。また、ニッパーやグラインダーなどを用いて補強線を部分的に除去する必要もない。
このように、本実施形態によれば、補強線がチューブの長さ方向にほぼ並行に走行する区間を設け、その区間を先端部として切り出すことにより、先端部に存在する補強線が解れようとする反発力が非常に小さくなり、特別な端末処理無しで先端部に他のチューブを加熱融着することが可能である。
さらに、従来使用が困難だった、高張力ステンレススチールやタングステン等の、高剛性の金属線を補強線として用いることが可能となる。加えて、補強線がチューブの長さ方向にほぼ平行な区間は曲げ剛性に優れるため、他のチューブを接続した場合に、接続部付近の曲げ剛性が大きく、接続部の剥離断裂に対する安全性が向上する。
なお、本実施形態のカテーテルチューブにおいては、補強線がカテーテルチューブの長さ方向と平行に走行する部分があることが好ましいが、必ずしも平行でなくても、補強線が解れようとする反発力が、例えば他のチューブの融着による接続時に問題とならない程度に十分小さければよい。
本発明の実施形態に係るカテーテルチューブの構成例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るカテーテルチューブの製造装置の構成例を示す図である。 本発明の実施形態に係るカテーテルチューブの補強線の密度変化と切り出し位置を説明する図である。 本発明の実施形態に係るカテーテルチューブの先端に、柔軟な他のチューブを接続する際の手順を説明する図である。 従来のカテーテルチューブの製造方法を説明する図である。

Claims (7)

  1. 第1の樹脂層からなる中空のチューブと、
    前記第1の樹脂層上に編み込まれた補強線と、
    前記第1の樹脂層上に、前記補強線を被覆するように設けられた第2の樹脂層とを有するカテーテル用チューブであって、
    前記補強線が、前記第1の樹脂層上に巻き付けられている第1の部分と、前記カテーテル用チューブの長さ方向にほぼ平行となる第2の部分とを有することを特徴とするカテーテル用チューブ。
  2. 前記補強線の、前記第1の部分の編み込み密度が、前記カテーテル用チューブの長さ方向で変化していることを特徴とする請求項1記載のカテーテルチューブ。
  3. 前記第2の部分を先端部分とし、前記第1の部分における前記補強線の編み込み密度が最も低い部分を近位端部分とすることを特徴とする請求項2記載のカテーテル用チューブ。
  4. 前記第2の部分に、前記第2の部分よりも柔らかい他のチューブを接続してなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のカテーテル用チューブ。
  5. 走行する芯線上に第1の樹脂層を設ける第1の樹脂層形成手段と、
    前記第1の樹脂層形成手段の下流に配置され、前記第1の樹脂層上に補強線を編み込む編み込み手段と、
    前記編み込み手段の下流に配置され、前記補強線を被覆するように第2の樹脂層を設ける第2の樹脂層形成手段と、
    前記第2の樹脂層形成手段の下流に配置され、前記第1の樹脂層、前記補強線及び前記第2の樹脂層が形成された芯線を引き取る引き取り手段と、
    を有するカテーテルチューブの製造装置の制御方法であって、
    前記補強線が前記第1の樹脂層上に巻き付けられる第1の部分と、前記芯線の長さ方向にほぼ平行となる第2の部分とが形成されるように、前記引き取り手段の引き取り速度及び前記編み込み手段の編み込み密度の少なくとも一方を制御することを特徴とするカテーテル用チューブの製造装置の制御方法。
  6. 前記編み込み手段が、横型ブレーダーであり、前記制御工程が前記横型ブレーダーの回転速度を制御することにより、前記編み込み密度を制御することを特徴とする請求項5記載のカテーテル用チューブの製造装置の制御方法。
  7. 前記編み込み手段が、横型ブレーダーであり、前記制御工程が前記横型ブレーダーの回転速度と、前記引き取り手段の引き取り速度の少なくとも一方を制御することにより、前記第1の部分の前記編み込み密度を、前記カテーテル用チューブの長さ方向で変化させることを特徴とする請求項5又は請求項6記載のカテーテル用チューブの製造装置の制御方法。
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