JP5446488B2 - カテーテルの製造方法 - Google Patents

カテーテルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5446488B2
JP5446488B2 JP2009140188A JP2009140188A JP5446488B2 JP 5446488 B2 JP5446488 B2 JP 5446488B2 JP 2009140188 A JP2009140188 A JP 2009140188A JP 2009140188 A JP2009140188 A JP 2009140188A JP 5446488 B2 JP5446488 B2 JP 5446488B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catheter
hollow tube
sheath
resin material
operation line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009140188A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010284326A (ja
Inventor
速雄 田中
賢一 兼政
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP2009140188A priority Critical patent/JP5446488B2/ja
Publication of JP2010284326A publication Critical patent/JP2010284326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5446488B2 publication Critical patent/JP5446488B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

本発明は、カテーテルの製造方法に関する。
近年、遠位端部を屈曲させることにより体腔への進入方向が操作可能なカテーテルが提供されている。特許文献1には、中央内腔(メインルーメン)の周囲に、これよりも細径の2つのワイヤ内腔(サブルーメン)を180度対向して設け、サブルーメンの内部に変向ワイヤを挿通してなるカテーテルの製造方法が記載されている。
サブルーメンの形成方法の第一例として、マンドレルに装着された内層の外面に沿って、ワイヤ内腔(サブルーメン)を有するスパゲッティチューブ(中空管)を軸方向に敷設し、これを外層で被覆して一体化することが記載されている(同文献の段落0025および0028を参照)。
また、第二例として、内層の押出成形時に加圧流体の注入によってサブルーメンを貫通して形成し、その周囲に外層を被覆することが記載されている(同文献の段落0026および0031を参照)。
そして、内層と外層とは、熱収縮性チューブの収縮圧によって一体化される(同文献の段落0033を参照)。
特開2006−192269号公報
近年のカテーテルは、血管内への挿通性などの観点から細径化が進められ、外直径が1mm以下のもの(以下、マイクロカテーテルという場合がある)が提供されるに至っている。この場合、薬剤等の供給や光学系の挿通などに供されるメインルーメンの内径を所定に確保する観点から、サブルーメンの内径は10〜数十μm以下ときわめて小径に抑えることが望まれている。
このようなマイクロカテーテルを製造するにあたっては、上記特許文献1に記載の方法を用いることは困難である。
まず、第一例のように、内層に沿って中空管をまっすぐに配置した状態で外層を被覆する作業は容易ではなく、メインルーメンとサブルーメンとの位置関係を安定して再現することは困難である。また、内層と外層とを熱収縮性チューブで加圧一体化する構成であることから、熱収縮性チューブに所定の層厚を要し、カテーテルを小径化することが困難である。
また、第二例のように、内層の押出成形時に加圧流体でサブルーメンを貫通形成した場合には、かかるサブルーメンに操作線を挿通する作業がきわめて困難となる。サブルーメンの小径化に伴って、内層の押出成形時にその壁面の内部にサブルーメンを均一かつ滑らかに貫通形成することが困難となり、操作線をサブルーメンに押し込む際にその内壁面に引っ掛かりやすくなるためである。
そして、サブルーメンの成形性や、サブルーメンに対する操作線の挿通性が低下すると、作業工数の増大のみならず、サブルーメンや操作線を損耗することによるカテーテルの品質や歩留まりの低下が問題となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、近年のきわめて小径化されたカテーテルにおいて、高い生産性と品質を実現することのできる技術を提供するものである。
本発明のカテーテルの製造方法は、樹脂材料からなり、メインルーメンおよび前記メインルーメンよりも小径のサブルーメンが軸線方向に形成された長尺のシースと、前記サブルーメンに摺動可能に挿通されて前記シースの遠位端部に先端が固定された操作線と、を備えるカテーテルの製造方法であって、
前記樹脂材料よりも高融点かつ低粘着性の中空管と、芯線と、前記樹脂材料と、を共に押し出して前記シースを成形する押出工程と、
前記中空管に対して前記操作線を挿通する挿通工程と、
前記シースから前記芯線を抜去して前記メインルーメンを形成する抜去工程と、
を含む。
また本発明のカテーテルの製造方法においては、より具体的な実施の態様として、前記押出工程における押出温度が、前記樹脂材料の融点温度よりも高く、前記中空管の融点温度よりも低くてもよい。
上記発明において、シースの樹脂材料よりも中空管が低粘着性であるとは、操作線に対する常温でのタッキング性がシースよりも中空管において低いことをいう。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の製造方法は、複数の工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は、明示の場合を除き、複数の工程を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の製造方法を実施するときには、その複数の工程の順番は内容的に支障しない範囲で変更することができる。
さらに、本発明の製造方法は、複数の工程が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある工程の実行中に他の工程が発生すること、ある工程の実行タイミングと他の工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等も許容される。
本発明のカテーテルの製造方法によれば、シースの樹脂材料よりも低粘着性の中空管を樹脂材料と共に押し出してシースの内部にサブルーメンを形成するため、シース(カテーテル)の小径化が可能である。また、操作線はタッキング性の低い中空管に対して挿通するため、挿通工程で操作線やサブルーメンを損耗することがなく、また挿通工程の作業性が良好である。以上により、本発明のカテーテルの製造方法によれば、高いスループットおよび歩留まりにより高品質のカテーテルを得ることができる。
本方法により得られるカテーテルの一例を示す縦断面模式図である。 図1のII-II断面図である。 カテーテルの動作を説明する側面図であり、(a)は自然状態のカテーテルを示す縦断面模式図であり、(b)は操作線を牽引した状態のカテーテルを示す縦断面模式図である。 (a)はカテーテルの製造装置の概要構成図であり、(b)はダイと、ダイより押し出される樹脂材料および芯線を示す縦断面模式図である。 (a)は押出工程後のシースを示す縦断面模式図であり、(b)は挿通工程および抜去工程後のシースを示す縦断面模式図である。 第二実施形態にかかる製造方法にて用いられるダイと、ダイより押し出される樹脂材料、芯線および操作線を示す縦断面模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
はじめに、本実施形態にかかる製造方法(以下、本方法という場合がある)により得られるカテーテルの概要を説明し、その後に本方法を詳細に説明する。
<カテーテル>
図1は、本方法により得られるカテーテル10の一例(以下、本実施形態のカテーテル10という)を示す縦断面模式図である。同図は、カテーテル10を軸線方向に切った断面を示している。同図の左方がカテーテル10の遠位端(先端)側にあたり、右方が近位端(基端)側にあたる。ただし、同図においては、カテーテル10の近位端側は図示を省略している。カテーテル10の軸線方向は図1の左右方向である。
図2は、図1のII-II断面図(横断面図)である。
本実施形態のカテーテル10は、樹脂材料12からなり、メインルーメン20およびメインルーメン20よりも小径のサブルーメン30が軸線方向に形成された長尺のシース16と、サブルーメン30に摺動可能に挿通されてシース16の遠位端部15に先端42が固定された操作線40と、を備えている。
シース16には、メインルーメン20と、複数のサブルーメン30とが軸線方向に通孔形成されている。メインルーメン20とサブルーメン30とは互いに離間して個別に設けられている。
図2に示すように、本実施形態のカテーテル10は、複数個のサブルーメン30がメインルーメン20の周方向に分散して配置されている。具体的には、本実施形態のカテーテル10の場合、3個のサブルーメン30がメインルーメン20の周囲に120度間隔で配置されている。
そして、カテーテル10の遠位端部15に固定された操作線40が、3個のサブルーメン30にそれぞれ摺動可能に挿通されている。
ここで、カテーテル10の遠位端部15とは、カテーテル10の遠位端DEを含む所定の長さ領域をいう。同様に、カテーテル10の近位端部17(図3を参照)とは、カテーテル10の近位端PEを含む所定の長さ領域をいう。
カテーテル10は、内層21とブレード層50と外層60とを積層して構成されている。また、カテーテル10のうち、少なくとも遠位端部15の最外層にはコート層64が設けられている。
内層21は、樹脂材料からなり、メインルーメン20が内部に形成された管状をなしている。
ブレード層50は、内層21の周囲にワイヤ52を編成してなる。
外層60は、内層21と同種または異種の樹脂材料12からなり。内層21の周囲に形成されてブレード層50を内包している。
コート層64は、潤滑処理が外表面に施された親水性の層である。
カテーテル10を構成する各層に好適に用いられる材料を説明する。
内層21には、一例として、フッ素系の熱可塑性ポリマー材料を用いることができる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)などを用いることができる。
内層21にフッ素系樹脂を用いることにより、カテーテル10のメインルーメン20を通じて造影剤や薬液などを患部に供給する際のデリバリー性が良好となる。
ブレード層50を構成するワイヤ52には、ステンレス鋼(SUS)やニッケルチタン合金など金属細線のほか、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)またはポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子ファイバーの細線を用いることができる。
ワイヤ52の断面形状は特に限定されず、丸線でも平線でもよい。
外層60を構成する樹脂材料12には、熱可塑性ポリマーが用いられる。一例として、PI、PAI、PETのほか、ポリエチレン(PE)、ポリアミド(PA)、ナイロンエラストマー、ポリウレタン(PU)、エチレン−酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリプロピレン(PP)などを用いることができる。
中空管32は、内腔が長手方向に貫通して形成された管状の部材である。中空管32の内腔は、カテーテル10におけるサブルーメン30となる。本実施形態では、中空管32は外層60に埋設されている。
中空管32は、外層60を構成する樹脂材料12よりも、耐熱性、柔軟性および摺動性の高い熱可塑性のポリマー材料が好適に用いられる。
中空管32は、シース16の主材料である樹脂材料よりも、常温でのタッキング性が低い材料を用いる。本実施形態のように外層60がシース16の過半の体積を占めるカテーテル10の場合、中空管32には、外層60を構成する樹脂材料12よりも低粘着性の材料を用いる。
具体的には、本実施形態の中空管32には、PTFE、PFAもしくは四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素系ポリマー材料を用いることができる。このほか、中空管32には、PI、PAI、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)もしくは液晶ポリマー(LCP)などの非フッ素系ポリマー材料を用いることもできる。
中空管32は、外層60を構成する樹脂材料12よりも高融点であり、溶融した樹脂材料12の押出成形時に固体を保つことが好ましい。
たとえば、中空管32をPTFE(融点=327℃)、PFA(融点=302℃)またはPEEK(融点=334℃)より構成し、外層60(樹脂材料12)をナイロンエラストマー(融点=160〜220℃)、PU(融点=60〜140℃)またはEVA(融点=約90℃)より構成するとよい。
ここで、中空管32の融点が樹脂材料12の融点よりも10℃以上、好ましくは30℃以上、さらに好ましくは100℃以上高いとよい。これにより、樹脂材料12を融点以上の十分な押出温度に加熱して押出成形を行うにあたって、中空管32の溶融が防止される。
なお、中空管32を成形するポリマー材料には、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、二酸化チタンなどの無機フィラーを混合してもよい。無機フィラーをポリマー材料に混合して中空管32の内壁面の平滑性を向上することにより、中空管32に対して操作線40を挿通する際の作業性の向上と、操作線40の牽引操作時の摩擦低減が図られる。
サブルーメン30に摺動可能に挿通された操作線40は円形断面の線材である。
操作線40の材料としては、たとえば、PEEK、PPS、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、PIもしくはPTFEなどの高分子ファイバー、または、SUS、耐腐食性被覆した鋼鉄線、チタンもしくはチタン合金などの可撓性の金属細線を用いることができる。
コート層64には、ポリビニルアルコール(PVA)やポリビニルピロリドンなどの親水性材料を用いることができる。
本実施形態では、操作線40がそれぞれ挿通されたサブルーメン30は、外層60の内部であってブレード層50の外側に形成されている。
カテーテル10の遠位端部15には、X線等の放射線が不透過な材料からなるリング状のマーカー66が設けられている。具体的には、マーカー66には白金などの金属材料を用いることができる。本実施形態のマーカー66は、メインルーメン20の周囲であって外層60の内部に設けられている。
操作線40の先端(遠位端)は、シース16の遠位端部15に固定されている。操作線40の先端を遠位端部15に固定する態様は特に限定されない。たとえば、操作線40の先端をマーカー66に締結してもよく、シース16の遠位端部15に溶着してもよく、または接着剤によりマーカー66またはシース16の遠位端部15に接着固定してもよい。
図3は、本実施形態のカテーテル10の動作を説明する側面図であり、同図(a)は自然状態のカテーテル10を示す縦断面模式図であり、同図(b)は操作線40を牽引した状態のカテーテル10を示す縦断面模式図である。同図では、本実施形態のカテーテル10における3本の操作線40のうち、1本のみを図示している。
サブルーメン30はシース16の軸線方向に沿って設けられ、少なくともカテーテル10の近位端部17は開口している。
操作線40の基端(近位端)はサブルーメン30から突出している。また、操作線40の基端には、複数の操作線40を個別に牽引してカテーテル10の遠位端部15を屈曲させる操作部70が設けられている。操作部70の詳細は説明を省略する。
本実施形態のカテーテル10において、操作線40の基端41を近位側(同図右方)に牽引した場合、マーカー66を介してカテーテル10の遠位端部15に引張力が与えられて、当該操作線40が挿通されたサブルーメン30の側に遠位端部15が屈曲する。
そして、3本の操作線40の牽引長さを個別に制御することにより、カテーテル10の遠位端部15を360度に亘り任意の向きに屈曲させることができる。これにより、カテーテル10の全体に対してトルクを負荷して遠位端部15を所定方向に向けるトルク操作をおこなうことなく、操作部70による操作線40の牽引操作のみによってカテーテル10の進入方向を操作することが可能となる。このため、本実施形態のカテーテル10に関しては、たとえば分岐する血管内を所望の方向に進入させることも可能である。
一方、操作線40の基端41をカテーテル10に対して押し込んだ場合には、当該操作線40は座屈するため、カテーテル10の遠位端部15には押込力が実質的に与えられることはない。このため、操作者が操作線40をカテーテル10に対して押し込んだとしても、操作線40がカテーテル10の遠位端部15から外れて遠位端DEより突出することがなく、被験者の安全が図られている。
<カテーテルの製造方法>
図4(a)は、本方法に用いられるカテーテル10の製造装置80の概要構成図である。同図(b)は、ダイ92と、ダイ92より押し出される樹脂材料12、芯線22および操作線40を示す縦断面模式図であり、同図(a)の円Bの拡大断面図である。
図5(a)は、押出工程後のシース16を示す縦断面模式図である。同図(b)は、挿通工程および抜去工程後のシース16を示す縦断面模式図である。
(第一実施形態)
以下、図4および図5を用いて本方法を詳細に説明する。
本方法は、押出工程と挿通工程と抜去工程とを含む。
押出工程では、樹脂材料12よりも高融点かつ低粘着性の中空管32と、芯線22と、樹脂材料12と、を共に押し出してシース16を成形する。
挿通工程では、中空管32に対して操作線40を挿通する。
抜去工程では、シース16から芯線22を抜去してメインルーメン20を形成する。
本方法においては、押出工程と挿通工程の先後は任意であり、または同時に行ってもよい。また、挿通工程と抜去工程の先後も任意であり、または同時に行ってもよい。
ここで、複数の工程を同時に行うとは、当該両工程の少なくとも一部が同時に実施されることをいう。
図4(a)に示すように、製造装置80は、押出機82と、サイジング装置84と、引取機86とを直列に配置してなる。
押出機82は、シース16を構成する樹脂材料12を投入するための材料供給部90と、芯線22および操作線40(図5を参照)と共に樹脂材料12を押し出して細線化するダイ92とを備えている。
サイジング装置84は、押出機82より押し出された樹脂材料12を冷却して、所定の径にシース16を調整する装置である。一例として水槽を用いることができる。
引取機86は、対向して走行するローラー88を含み、押出機82より押し出されてサイジング装置84で冷却されたシース16の先端を所定の引取速度で引き取る装置である。
引取機86による引取速度と、サイジング装置84における冷却温度、およびダイ92とサイジング装置84との距離は、それぞれ調整可能である。そして、これらのパラメータを調整することにより、図4(a)に示すように、ダイ92より押し出されたシース16を遠位端側(同図における左方)に引っ張って所定径に細線化することができる。
ダイ92は、図4(b)に示すように、アウトダイ921とインダイ922とを組み合わせてなる。
インダイ922には、芯線22を挿通するための主孔93と、中空管32を挿通するための副孔94とが形成されている。副孔94は、主孔93の周囲に120度間隔で3個形成されている(同図では1個のみ図示)。
押出工程では、主孔93に芯線22を挿通し、副孔94に操作線40を挿通した状態で、所定の押出圧の樹脂材料12を供給孔95から供給し、アウトダイ921の先端に位置するノズル96からこれを押し出す。
芯線22には、銅または銅合金、炭素鋼やSUSなどの合金鋼、ニッケルまたはニッケル合金などの、高い引張強度と耐食性を備える金属材料を用いることができる。芯線22の外周面には、離型処理が施されている。
かかる芯線22の外周面に対して、押出工程に先だって行われる予備工程にて、内層21を成形する。予備工程では、続けて、ワイヤ52を編組してなるブレード層50を、内層21の外周面に対して網状に被着形成する(図4(b)を参照)。
押出工程では、予備工程にて内層21およびブレード層50が周囲に形成された芯線22を、樹脂材料12および中空管32と共に押し出して、内層21の周囲に外層60を形成する。
押出工程における樹脂材料12の押出温度は、樹脂材料12の融点温度よりも高く、中空管32の融点温度よりも低い。
すなわち、押出工程において、樹脂材料12は溶融状態で、そして中空管32は固形状態で、共に押し出される。これにより、押出工程に供された中空管32の内壁面が溶融することはなく、操作線40と中空管32との摺動性が損なわれることはない。かかる観点から、押出温度は、中空管32の軟化温度よりも低いことがさらに好ましい。
押出工程では、中空管32の内部に高圧気体を吹き込みながら樹脂材料12と共にノズル96より押し出してもよい。これにより、サブルーメン30の圧潰を防止し、操作線40と中空管32との摺動性を維持することができる。
本方法では、押出工程の後に、挿通工程に先だって、シース16から芯線22を抜去する抜去工程を行う。
シース16から芯線22を抜去する際には、芯線22の両端を牽引して細線化した状態で、シース16に対して軸線方向に引き抜くとよい。芯線22の表面には離型処理が施されているため、内層21と芯線22との間で剥離が生じ、内層21はシース16に残置される。
したがって、押出工程では、図5(a)に示すように、芯線22をシース16の軸線方向より両側に突出して挿通し、芯線22の両端をシース16から露出させるとよい。
本方法の挿通工程では、押出工程にてシース16に埋設された中空管32に対して操作線40を挿通する。
ここで、図5(b)に示すように芯線22をシース16から抜去することで、シース16の内部応力は低減し、中空管32のサブルーメン30は拡径する。このため、抜去工程の後に挿通工程を行うことで、中空管32に対する操作線40の挿通性が良好となる。
挿通工程は常温で行うことができる。すなわち、シース16と中空管32はともに固形状態であって、かつ中空管32はシース16に対して低いタッキング性を示す温度条件で操作線40を中空管32に挿通する。
中空管32に対して操作線40を挿通する方法は特に限定されないが、一例として、エアジェット織機の如く圧縮空気のジェットを用いることができる。具体的には、柔軟な糸を介して操作線40の先端に接続されたニードルを、高圧空気のジェットによって中空管32のサブルーメン30に貫通させるとよい。糸は、中空管32(シース16)よりも長いとよい。そして、中空管32を貫通したニードルを手繰ることで、糸をガイドとして操作線40はサブルーメン30に挿通される。
かかる挿通工程の施されたシース16には、その遠位端DEの近傍にマーカー66を装着するとともに、操作線40の先端42をマーカー66またはシース16の遠位端部15に固定する。
さらに、シース16の遠位端部15の外周表面にコート層64を被覆形成し、シース16の近位端PE側に操作部70(図3を参照)を設けることにより、本実施形態のカテーテル10は作製される。
ここで、本方法により得られるカテーテル10の代表的な寸法について説明する。
メインルーメン20の半径は200〜300μm程度、内層21の厚さは10〜30μm程度、外層60の厚さは100〜150μm程度、ブレード層50の厚さは20〜30μmとすることができる。そして、カテーテル10の軸心からサブルーメン30の中心までの半径は300〜350μm程度、サブルーメン30の内直径は40〜100μmとし、操作線40の太さを30〜60μmとすることができる。また、中空管32の肉厚を10〜30μmとし、カテーテル10の最外径を350〜450μm程度とすることができる。
すなわち、本実施形態のカテーテル10の外径は直径1mm未満であり、腹腔動脈などの血管に挿通可能である。
上記寸法のカテーテル10を得る具体的な成形条件の一例を以下に示す。
樹脂材料12にナイロンエラストマーを用い、肉厚20μmかつ内直径80μmの中空管32と共に、内径2.5mmの円形のノズル96から押し出す。
そして、ノズル96とサイジング装置84との距離を200〜500mm、サイジング装置84による冷却温度を常温として、引取速度を10〜20m/秒として引き取りながらカテーテル10を押し出して成形する。これにより、最外径(直径)800μmのカテーテル10(シース16)を得ることができる。
(第二実施形態)
図6は、本実施形態にかかる製造方法にて用いられるダイ92と、ダイ92より押し出される樹脂材料12、芯線22および操作線40を示す縦断面模式図である。芯線22の外周に設けられる内層21とブレード層50は図示を省略している。
本方法では、挿通工程にて操作線40が挿通された中空管32を、押出工程にて樹脂材料12と共に押し出す点で第一実施形態と相違する。すなわち、本方法は、挿通工程の後に押出工程を行うものである。
本方法の挿通工程では、中空管32に対して操作線40を摺動可能に挿通する。挿通方法は特に限定されず、第一実施形態と同様に圧縮空気のジェットを用いて、操作線40に接続されたニードルを中空管32に貫通させてもよい。
本方法の押出工程では、中空管32および操作線40を樹脂材料12と共にダイ92より押し出す。したがって、本方法で用いる操作線40は、押出温度よりも融点の高い耐熱性材料を用いるとよい。
本方法では、中空管32に熱収縮材料を用いてもよい。そして、挿通工程では、成形後のカテーテル10におけるサブルーメン30よりも大径の内腔に対して操作線40を挿通する。そして、中空管32に操作線40を挿通した後にこれを加熱して、中空管32の内腔を所望のサイズに調整する。そして、操作線40が挿通されて加熱調整された中空管32を、図6に示すようにダイ92の副孔94より樹脂材料12の内部に押し出す。
なお、中空管32の熱収縮温度は、樹脂材料12の押出温度以上であることが好ましい。これにより、押出工程において中空管32の内腔が不測に縮小することが防止され、操作線40の摺動性が損なわれることがない。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
たとえば上記第一または第二実施形態においては、サブルーメン30をブレード層50の外部に形成する態様を例示したが、本発明はこれに限られない。すなわち、変形例として、サブルーメン30を内層21の内部に形成し、その周囲にブレード層50および外層60を設けてもよい。
変形例に係るカテーテル10は、以下のようにして作製することができる。
押出工程では、芯線22、樹脂材料12および中空管32を共に押し出して内層21を形成する。中空管32には、予め操作線40を挿通していてもよい。すなわち、押出工程の前に挿通工程を行ってもよい。
つぎに、編成工程にて、押し出された内層21の周囲にブレード層50を編成する。
さらに、外層形成工程にて、ブレード層50が編成された内層21の周囲に、樹脂材料12と同種または異種の樹脂材料からなる外層60(シース16)を押出成形する。
そして、抜去工程にて、成形されたシース16から芯線22を抜去する。
本変形例において、押出工程の後に操作線40を中空管32に挿通する場合、挿通工程のタイミングは特に限定されないが、抜去工程の後に行うとよい。
本変形例のようにサブルーメン30の外周をブレード層50で保護することにより、操作時に操作線40に過剰な引張力が付与されたとしても操作線40がカテーテル10を突き破って外部に露出することがない。
10 カテーテル
12 樹脂材料
15 遠位端部
16 シース
17 近位端部
20 メインルーメン
21 内層
22 芯線
30 サブルーメン
32 中空管
40 操作線
41 基端
42 先端
50 ブレード層
52 ワイヤ
60 外層
64 コート層
66 マーカー
70 操作部
80 製造装置
82 押出機
84 サイジング装置
86 引取機
88 ローラー
90 材料供給部
92 ダイ
921 アウトダイ
922 インダイ
93 主孔
94 副孔
95 供給孔
96 ノズル
DE 遠位端
PE 近位端

Claims (7)

  1. 樹脂材料からなり、メインルーメンおよび前記メインルーメンよりも小径のサブルーメンが軸線方向に形成された長尺のシースと、前記サブルーメンに摺動可能に挿通されて前記シースの遠位端部に先端が固定された操作線と、を備えるカテーテルの製造方法であって、
    前記樹脂材料よりも高融点かつ低粘着性の中空管と、芯線と、前記樹脂材料と、を共に押し出して前記シースを成形する押出工程と、
    前記中空管に対して前記操作線を挿通する挿通工程と、
    前記シースから前記芯線を抜去して前記メインルーメンを形成する抜去工程と、
    を含むカテーテルの製造方法。
  2. 前記操作線は、円形断面であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルの製造方法。
  3. 前記押出工程における押出温度が、前記樹脂材料の融点温度よりも高く、前記中空管の融点温度よりも低いことを特徴とする請求項1または2に記載のカテーテルの製造方法。
  4. 前記押出工程にて前記シースに埋設された前記中空管に対して、前記挿通工程にて前記操作線を挿通することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカテーテルの製造方法。
  5. 前記挿通工程にて前記操作線が挿通された前記中空管を、前記押出工程にて前記樹脂材料と共に押し出すことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のカテーテルの製造方法。
  6. 前記挿通工程を常温で行うことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のカテーテルの製造方法。
  7. 前記樹脂材料が熱可塑性ポリマーであり、前記中空管がフッ素系ポリマー材料からなる請求項1からのいずれかに記載のカテーテルの製造方法。
JP2009140188A 2009-06-11 2009-06-11 カテーテルの製造方法 Expired - Fee Related JP5446488B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009140188A JP5446488B2 (ja) 2009-06-11 2009-06-11 カテーテルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009140188A JP5446488B2 (ja) 2009-06-11 2009-06-11 カテーテルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010284326A JP2010284326A (ja) 2010-12-24
JP5446488B2 true JP5446488B2 (ja) 2014-03-19

Family

ID=43540505

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009140188A Expired - Fee Related JP5446488B2 (ja) 2009-06-11 2009-06-11 カテーテルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5446488B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108028266B (zh) * 2015-05-29 2021-01-26 Abb电网瑞士股份公司 具有改进的等离子体散布的晶闸管

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014203343A1 (ja) * 2013-06-19 2014-12-24 住友ベークライト株式会社 医療機器および医療機器の製造方法
JP2022515796A (ja) * 2018-12-19 2022-02-22 深▲セン▼市▲業▼聚▲實▼▲業▼有限公司 新型マイクロカテーテル

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03205061A (ja) * 1989-12-29 1991-09-06 Mitsubishi Cable Ind Ltd 医療用チューブの製造方法
NL9301181A (nl) * 1993-07-05 1995-02-01 Cordis Europ Werkwijze voor het vervaardigen van een catheter met ten minste één hoge-druklumen en catheter.
US20080234660A2 (en) * 2006-05-16 2008-09-25 Sarah Cumming Steerable Catheter Using Flat Pull Wires and Method of Making Same

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108028266B (zh) * 2015-05-29 2021-01-26 Abb电网瑞士股份公司 具有改进的等离子体散布的晶闸管

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010284326A (ja) 2010-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5604974B2 (ja) カテーテル
JP5696659B2 (ja) カテーテルの製造方法
WO2010073646A1 (ja) カテーテル
JP6149431B2 (ja) 医療用機器、カテーテルおよび医療用機器の製造方法
US10537706B2 (en) Method for manufacturing medical instrument, and medical instrument
TW201345577A (zh) 醫療機器及醫療機器之製造方法
US20140100521A1 (en) Balloon catheter and method for producing same
JP5446488B2 (ja) カテーテルの製造方法
JP2008264104A (ja) カテーテル用チューブの製造方法
JP6089876B2 (ja) 医療機器
JP2013165926A (ja) 医療機器
JP5239993B2 (ja) カテーテルの製造方法
JP2010227140A (ja) カテーテル、カテーテルの製造方法およびカテーテル製造装置
JP5817538B2 (ja) 押出成形品の製造方法及び押出成形装置
US10130794B2 (en) Medical instrument, and medical-instrument production method
JP2010207321A (ja) カテーテル
JP6209841B2 (ja) 医療用機器
JP6201368B2 (ja) 医療用機器
JP2014188216A (ja) 医療用機器および医療用機器の製造方法
JP5212092B2 (ja) カテーテルの製造方法
JP5350763B2 (ja) ゴムチューブの製造方法
JP5923986B2 (ja) 医療機器および医療機器の製造方法
JP2014100336A (ja) カテーテル用チューブの製造方法およびカテーテル用チューブの連続体
TW201500071A (zh) 醫療機器及醫療機器之製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120423

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130521

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130722

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5446488

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees