JP2006288944A - 医療用カテーテルチューブならびにその製造方法 - Google Patents

医療用カテーテルチューブならびにその製造方法 Download PDF

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貴洋 村田
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Abstract

【課題】位置調整性、トルク伝達性、柔軟性、耐キンク性、耐圧性に優れ、特に先端部がX線視認性と柔軟性を発揮し、手元部の剛性が高く、押し込み性の優れた医療用カテーテルチューブ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】内層管、補強材層、マーカー、外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、基部の補強材層を形成する素線がX線透過率の高い素線からなり、カテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回され、さらに折り返して基部まで巻回され、先端部の補強材層はX線不透過性の素線からなり、カテーテル途中域から先端部までコイル状に巻回され、マーカー部がX線不透過性を有した曲げ変形に対して柔軟性を有する金属からなり、外層管の存在により基部から先端部にかけての曲げ剛性が小さくなるように構成したことを特徴とする医療用カテーテルチューブ。
【選択図】図24

Description

本発明は、優れた柔軟性、位置調整性、トルク伝達性、耐キンク性、耐圧性、剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性等を有する医療用カテーテルチューブならびにその製造方法に関する。
特に本発明は先端部が好適なX線視認性と同時に優れた柔軟性を発揮し、同時に手元部の剛性が高く、押し込み性の優れた医療用カテーテルならびにその製造方法に関する。
カテーテルチューブは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば選択的血管造影剤等の液体の注入、血栓の吸引、閉塞状態にある血管の通路確保、血管拡張術等に用いられるもので、通常チューブ体からなっている。このようなカテーテルでは、細く複雑なパターンの血管系などに迅速かつ確実な選択性をもって挿入しうるような優れた操作性が要求される。
このようなカテーテルチューブの操作性について詳しく述べると、血管内等を挿入、引き出しなど、術者の操作が基部から先端部に確実に伝達されるための位置調整性や、内部に薬液等を流通させる際の耐圧性が必要とされる。この位置調節性にはカテーテルが伸びないという特性が必要である。また、カテーテルチューブの基部で加えられた回転力が確実に伝達されるためのトルク伝達性、血管内を前進させるために施術者の押し込み力が基端側から先端側に確実に伝達されうる押し込み性も必要となる。さらに複雑な形状に曲がった血管等を先行するガイドワイヤーに沿って円滑かつ血管内壁等を損傷することなく挿入、引き出しが行えるよう、カテーテルチューブの内面が滑性を呈するガイドワイヤー追随性とカテーテル外面の血液や組織に対する親和性が必要となる。加えて、目的とする位置までカテーテルチューブ先端が到達し、ガイドワイヤーを引き抜いた状態でも、血管の湾曲部、屈曲部でカテーテルチューブに折れ曲がりが生じない耐キンク性と、血管を傷つけず血管形状に応じた形状を保つ先端部の柔軟性が必要となる。
このような要求に応じた特性を付与するために一般的には、基部が比較的剛直で、先端部にかけて次第に柔軟性を有する構造、構成とするのがよいことが知られている。
上述のような特性のカテーテルチューブを得るために、内層管に補強材層として素線をコイル状に巻き付けたり、編組を施した上で、外層を被覆してカテーテルチューブを構成する方法が知られている。
内層管に補強材層として素線をコイル状に巻き付けるものとして、特許文献1では可撓性を有する内管および外管が補強材層を介して接合された部分を有するカテーテル本体を有し、前記補強材層は、線条体を格子状に形成したものであり、前記カテーテル本体の軸方向に沿って、前記線条体のカテーテル本体の軸に対する傾斜角度が連続的または段階的に変化するか、あるいは前記線条体の格子点のカテーテル本体軸方向の間隔が連続的または段階的に変化することによって曲げ剛性が大なる領域と曲げ剛性が小なる領域を形成するカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、このカテーテルチューブでは剛性のある基部と柔軟性がある先端部を形成することはできるが、その剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低く、さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。加えて、X線視認性を与える方法については具体的で詳細な記載が無く、カテーテル先端部の高度な押し込み性と同時にX線視認性を確保するという思想はない。
また、内層管に補強材層として素線をコイル状に巻き付けるものとして、特許文献2のように、近位端、遠位端、およびこれら端部間を伸びる内腔を規定する通路を有する細長い管状部材を備えたカテーテルチューブであって、該細長い管状部材は、第1のカバー材料を有する外部管状カバーと同軸関係にある第1のライナー材料よりなる内部管状ライナーと、1つの回りを有し、該内部管状ライナーの外側にらせん状および同軸状に巻かれ、該外部管状カバーによって覆われる少なくとも1つの第1のリボン補強材とを備えるカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、この構成でもその剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低く、さらにその製造上、リボン補強材の弾性力により切断端が内部管状ライナーや外部管状カバーを突き破るなどの不具合が生じて生産性に劣る。さらに多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。加えてX線視認性を与えるマーカーについてはX線不透過性の粒体を樹脂に混練したものをカテーテル先端に配置するとしているが、この構成では先端部の好適なX線視認性と高度な柔軟性が確保できない。さらに、カテーテルに高度な押し込み性を与えることができない。
加えて、特許文献3のように、可撓性を有する管状のカテーテル本体と、該カテーテル本体の壁内に埋設された、補強効果を有するコイルとを備えたカテーテルであって、前記カテーテル本体は、前記カテーテルの最も先端側に位置する第1領域と、該第1領域よりも基端側に位置する第2領域とを備えており、前記コイルは、前記第1領域から前記第2領域にわたって延在しており、前記第2領域では、前記コイルが全長にわたって相対的に大きい巻きピッチで巻かれており、前記第1領域では、前記コイルが全長にわたって隣接する巻回同士が隔たりをなす相対的に小さい巻きピッチで巻かれており、かつ、該コイルの巻きピッチは先端側に向かって徐々に小さくなっており、前記第2領域に比べて前記第1領域でのカテーテルの剛性が小さくなるように構成したことを特徴とするカテーテルチューブが開示されている。
しかしながら、このカテーテルチューブは剛性の高い基部と柔軟性が高い先端部を形成することは可能であり、曲げ剛性のバランスを保つことはできるが、多様なアクセス経路に応じてカテーテルチューブの調子を設定するという思想はない。さらにこのカテーテルチューブは補強効果を有するコイルが全てX線不透過性の金属線からなり、先端部の柔軟性が不充分なものとなり、加えて先端部の巻きピッチが細かくなりすぎてX線視認性が過剰となり、施術時に術者の判断に支障をきたす場合がある。さらに、カテーテルに高度な押し込み性を与えることができない。
さらに、内層管に補強材層を編組するものとして、特許文献4では近位領域、遠位領域、及びこれらの間を延伸する内腔を有する長尺状のシャフトと、この近位領域は内部平滑ポリマー層、補強層及び外部層を有することと、それぞれの層は遠位端を有することと、前記補強層は金属部材、及び複数のポリマー部材を有するブレードからなることと、各ポリマー部材は複数のモノフィラメントからなることとを有する脈管カテーテルが開示されている。
しかしながらこのカテーテルチューブでは剛性のある基部と柔軟性がある先端部を形成することはできるが、その剛性と柔軟性の傾斜制御の自由度が低い。加えて、X線視認性を与えるマーカーは金属薄板を内層管上に巻き覆うか金属管をかしめるしたものであり、このような構成をとるとマーカーおよびその周囲にわたって、カテーテル先端部の高度な柔軟性が確保できなくなる。また、カテーテル補強材層が編組(ブレード)によって構成されるために特に細い補強材素線を用いなければカテーテルが肉厚なものとなり、さらに高度な押し込み性を与えることができない。
特許3310031号 特許2672714号 特開2001−218851号公報 特表2002−535049号公報
本発明は、優れた位置調整性、トルク伝達性、柔軟性、耐キンク性、耐圧性を有する医療用カテーテルチューブを提供し、その製造方法を開示することにある。
特に本発明は先端部が好適なX線視認性と同時に優れた柔軟性を発揮し、同時に手元部の剛性が高く、押し込み性の優れた医療用カテーテルならびにその製造方法に関する。
本発明は、滑性を呈しかつ柔軟性を有する樹脂管からなる内層管、耐キンク性、耐圧性、トルク伝達性、押し込み性等を付与する素線を内層管上に配置してなる補強材層、X線不透過性を有した金属を内層管上に巻き覆うことによって配置されるマーカー、そして補強材層とマーカーを覆い柔軟性を有する樹脂管からなる外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、
該カテーテルチューブが基部、先端部、マーカー部、最先端部を有し、
基部の補強材層を形成する素線がX線透過率の高い合成樹脂素線および/または金属素線からなり、カテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回され、さらに折り返して基部まで巻回され、
先端部の補強材層はX線不透過性を有した金属素線からなり、カテーテル途中域から先端部までコイル状に巻回され、
マーカー部がX線不透過性を有した曲げ変形に対して柔軟性を有する金属からなり、
補強材層、マーカーが存在しない最先端部を有し、
該外層管の存在により、基部から先端部にかけての曲げ剛性が段階的または連続的に小さくなるように構成したことを特徴とする
医療用カテーテルチューブに関するものである。
X線不透過性を有する金属素線がタングステン系金属、白金系金属、金系金属から選ばれる医療用カテーテルチューブに関するものである。
本発明はX線不透過性を有した曲げ変形に対して柔軟性を有する金属からなるマーカーが、内層管上にX線不透過性金属素線を密着してコイル状に巻回したものか、あるいは方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板を巻き覆ったものか、あるいはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂を使用することにより形成された医療用カテーテルチューブに関する。
本発明は、前記基部から先端部にかけて外層管を形成する樹脂管のショアD硬度が、段階的または連続的に小さくなることと同時に各ショアD硬度部の長さを調整することにより、多様な調子が設定できることを特徴とする医療用カテーテルチューブに関する。
本発明は、内層管と外層管とが補強材層とX線不透過性マーカーを介して接合されている特徴とする医療用カテーテルチューブに関する。
さらに、最先端部がアール形状またはテーパー状に成形された医療用カテーテルチューブに関する。
本発明は、外層管が親水性コーティングされてなる医療用カテーテルチューブに関する。
また、内層管がその中を通るガイドワイヤー等に対して滑性を呈する樹脂からなる医療用カテーテルチューブに関する。
本発明のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、基部の補強材層を形成する素線がX線透過率の高い合成樹脂素線および/または金属素線からなり、カテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回され、さらに折り返して基部まで巻回され、先端部の補強材層はX線不透過性を有した金属素線からなり、カテーテル途中域から先端部までコイル状に巻回されることを特徴とする医療用カテーテルチューブの製造方法に関する。
本発明のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、X線不透過性マーカーは補強材層の先方に隣接する内層管上にX線不透過性金属素線をコイル状に巻回するか、あるいは方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板を巻き覆ったものか、さらにはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂を使用することにより形成された、先端部の柔軟性が確保されたことを特徴とする医療用カテーテルチューブの製造方法に関する。
また、本発明のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はこれを形成する樹脂管のショアD硬度を基部から先端部にかけて段階的に小さくなると同時に各ショアD硬度部の長さを調整することにより多様な調子を設定して、補強材層とX線不透過性マーカーが形成されている内層管上に配列し、それらの外周にシュリンクチューブを被覆、加熱収縮させて内層管と外層管とが補強材層とマーカーを介して接合され、冷却後シュリンクチューブを剥がし、医療用カテーテルチューブを得る製造方法に関する。
本発明のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管は切り替え押出法によりショアD硬度を基部から先端部にかけて段階的または連続的に小さくなると同時に各ショアD硬度部の長さを調整することによって多様な調子を設定して作製し、補強材層とマーカーが形成されている内層管上に配置し、それらの外周にシュリンクチューブを被覆、加熱収縮させて内層管と外層管とが補強材層とマーカーを介して接合され、冷却後シュリンクチューブを剥がし、医療用カテーテルチューブ得る製造方法に関する。
本発明のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管の最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形した製造方法に関する。
上述した課題を解決するための手段によって、本発明は優れたガイドワイヤー追随性を伴う位置調整性、基部から先端部にかけて連続的な柔軟性の変化があり、剛性と柔軟性の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性、また複雑な屈曲が生じた際にも折れ曲がりが生じない耐キンク性、耐圧性、ガイドワイヤー追随性、生産性等を有する医療用カテーテルチューブを提供できる効果がある。
本発明は、特に先端部が好適なX線視認性と同時に優れた柔軟性を発揮し、同時に手元部の剛性が高く、押し込み性の優れた医療用カテーテルチューブを提供することができる効果がある。
以下に本発明の医療用カテーテルチューブの最良の形態・構造および製造方法を図面を使って説明する。これらの図は本発明の構成の特徴を模式的に示したものであり、各部分の長さや径に関しては、医療用カテーテルチューブとして好適に用いることができるものであれば、任意のものとなっている。図1に製造方法のフローチャートを示し、この図にしたがって本発明の形態・構造、および製造方法をしめす。本発明の形態・構造および製造方法は請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、適宜変更を加えることができる
まず、図2のように金属芯線1を準備する。この金属芯線はリール2に巻かれており、その外径は製造するカテーテルの内径とほぼ一致するものであり、材質としては金属メッキ銅線、あるいはステンレス線が好ましい。また図2以降では便宜上、左側を基部とし、右側を先端部としている。
続いて図3のように金属芯線上に内層管3を押出機4により押出被覆形成する。
この内層管の構成材料として、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド等の樹脂、およびその混合物が挙げられるが、完成後の製品が内層管を通るガイドワイヤー等に対して優れた滑性を呈し、ガイドワイヤー追随性を伴う位置調整性を得る観点からは、ポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体で構成することが好ましい。ポリテトラフルオロエチレンを使用した際には、添加剤の乾燥等の処理を経てから、焼成を行う。
金属芯線に被覆された内層管は金属芯線に対して、充分な被着力を有していることが好ましい。さらに後の外層管を被覆する工程で、内層管と外層管との被着力を高める目的で、内層管表面に機械的な方法(サンドペーパーなどで内層管表面を擦るなどの手段)および/または化学的な方法(ナトリウムナフタリン+ジメチルエーテル等の脱フッ素薬剤の使用)、および/またはプラズマなどの電気的な方法で凹凸を形成したり、表面改質したりしてもよい。
内層管を被覆した金属芯線は適宜の長さに切断され、両端の被覆を剥がした上で、図4のようにコイリングマシーン5にセットされる。コイリングマシーンは内層管を被覆した金属芯線の両端を把持し、回転力を与えることで、内層管上に補強材層を形成する素線をコイル状に巻回する装置である。
素線6は図5のようにシュリンクチューブ7や接着剤により基部に固定され、巻回を開始される。素線は素線供給部8より供給される。
素線にはX線透過率の高い合成樹脂素線や金属素線が用いられる。この合成樹脂素線や金属素線は断面が円形状のものを用いることが好ましい。
合成樹脂素線として特に好適に用いうるのは図6の断面概念図ならびに走査顕微鏡写真に示すような溶融液晶ポリマーの芯9に、溶融液晶ポリマーの島(鞘)10と屈曲性ポリマーの海(鞘)11が被覆されたものである。この溶融液晶ポリマーとしてはポリアリレート、屈曲性ポリマーとしてはポリエチレンナフタレートで形成されているものである。好適に用いられる合成樹脂素線の直径として好ましくは5〜50μmのものを用いるのが好ましい。
本発明に用いられる他の合成樹脂素線としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、カーボンファイバー、グラスファイバーが挙げられる。
金属素線としては、ステンレス、C−Mn−Si−P−S−Cr−Mo−Ni−Fe−X(X=Au,Os,Pd,Re,Ta,Ir,Ru)合金、C−Mn−Si−P−S−Cr−Mo−Ni−X(X=Au,Os,Pd,Re,Ta,Ir,Ru)合金、銅、ニッケル、チタン、ピアノ線、Co−Cr合金、Ni−Ti合金、Ni−Ti−Co合金、Ni−Al合金、Cu−Zn合金、Cu−Zn−X合金(例えば、X=Be、Si、Sn、Al、Ga)のような合金、アモルファス合金等の各種金属素線が用いられ、これらの材料のうち、後に配置するX線不透過性マーカーの視認性を十分に確保するためにX線不透過性マーカーよりは視認性が低く、かつ加工性、経済性、毒性がないこと等の理由から、ステンレスの使用が好ましい。金属素線は、直径5〜50μm程度とするのが好ましい。
これらの素線は、素線単独で用いてもよいし、または素線の集合体(例えば合成樹脂素線を束ねたもの、金属素線を束ねたもの、合成樹脂素線と金属素線を束ねたものなど)のいずれでもよい。
素線は図7のようにカテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回される。次に素線は図8のように、さらに折り返して基部まで巻回されてシュリンクチューブ12や接着剤により基部に固定されて終端する。素線の巻回は基部から先端部にかけてコイルのピッチが次第に小さくなるように巻回してもよいし、等間隔に巻回してもよい。本発明において素線を巻回するカテーテル基部より先端方向に向けて途中域までとは、基部よりカテーテル全長の2/3〜9/10の領域である。好ましくは3/4程度がよい。
ついで、図9のようにX線不透過性を有する金属素線13をシュリンクチューブ14や接着剤で途中域に固定してから図10のように先端付近まで巻回する。この途中域から先端付近までの巻回は先端に近づくほどコイルのピッチが次第に小さくなるように巻回してもよいし、等間隔に巻回してもよい。さらに図11のように先端はX線不透過性を有する金属素線を密着巻きとしてX線不透過性マーカーを形成する。密着巻きとは隣り合った素線と素線とが隙間なく巻回されていることをさす。この密着巻きの部分の長さは0.1〜20mmがよい。良好なX線視認性を得るためには3〜5mm程度とするのが好ましい。
密着巻きをしたX線不透過性を有する金属素線は先端部で、接着剤を用いたり、金属線、絹糸、綿糸などを巻き付けて、巻きほどけが生じないように固定する。
X線不透過性を有する金属素線はタングステン系金属、白金系金属、金系金属を用いうる。タングステン系金属とは純タングステンの他、W−45Mo合金、W−5Mo−5Ni(Co、Fe)合金、W−Re系合金、W−ThO2合金、さらにはタングステンと銅、炭素などとの合金のことを表す。白金系金属とは白金や、白金とロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ルテニウムなどとの合金のことを表す。金系金属とは純金や、金と銅、銀、ロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、ルテニウムなどとの合金のことを表す。X線不透過性を有する金属素線は、断面が円形のものであり、直径5〜50μm程度とするのが好ましい。
補強材層が形成された後、これを内層管に固定させるために、ここでは図示しないが、結合層を設けてもよい。これは内層管に発生する微少な孔を塞いだり、耐破裂強度を増加させたりすることも目的のものであり、内層管上および編組された補強材層の上から柔軟なポリウレタンやポリウレタンディスパージョンあるいは柔軟な接着剤などを5〜50μmの厚みで塗布したり、スプレーでコーティングすることができる。
既に記したようにX線不透過性を有する金属素線を密着巻きとしてX線不透過性マーカーを形成したが、カテーテルとしての使用時に、X線視認性をより確実なものとするために、密着巻き部よりも先端に別のX線不透過性マーカーを付加することができる。
図12のような形状をした方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板マーカー15を、図13にカテーテル先端部を拡大して示すが、16のように密着巻きをしたX線不透過性金属素線の先方に隣接されて内層管上に巻き覆して配置してよい。金属薄板を使用するときはその厚みが5〜30μmのものが好ましい。この金属薄板は切れ目を入れることにより、好適な柔軟性が確保されるものである。
この金属薄板マーカーの材質ついては、X線不透過性金属素線の材質で例示したものと同様のものを用いることができる。
加えて、図14のように、硫酸バリウム、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、タングステン酸ビスマス、ビスマス−オキシクロライド、タングステン、金、白金等のX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブを補強材層の先方に隣接されて内層管上に配置してもよい。ここで用いる樹脂としては後述する外層管として使用するものと同様のものが好ましい。この配置の際にはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブを17のように軸方向に切れ目を入れて配置してもよいし、18のようにチューブ形態を保ったまま配置してもよい。X線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブの厚みとしては5〜50μmのものが好ましい。さらにX線不透過性マーカーは、硬化しても柔軟性を有する接着剤等を使用して、適宜内層管に固定してもよい。
ついで、外層管の配置方法としては、あらかじめ押出成形により複数の硬度の異なる外層管を作製し、基部には硬度が高い外層管を配置し、先端部にゆくほど柔軟な外層管を配置して、これらの外層管をシュリンクチューブで覆い、内層、補強材層、外層を一体化させる複数外層管配置方法がある。
さらに複数の押出機を用いて、カテーテルの基部には硬度の高い外層管を被覆し、押出しされる樹脂を切り替え、カテーテルの先端部には柔軟な外層管を被覆する切替押出外層管配置方法を選択しうる。
複数外層管配置方法について詳述すると、図15のように外層管となる樹脂管19a〜dを基部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度の有するものを配置する。外層管先端部においてはX線不透過性マーカーを超えて先端側に樹脂管を配置する。外層管最先端部は内層管の先端部分と一致させてもよいし、内層管の先端部分よりも先方にずらして配置してもよい。図15では四種類のショアD硬度を有するものを密接させて配置した状態を示したが、カテーテルの基部から先端部にかけて徐々にショアD硬度が低くなるように配置する必要がある。それぞれの外層管となる樹脂管は適宜の長さに調節することができる。このことにより後述する多様な調子を設定することができる。すなわち外層管となる樹脂管のショアD硬度は図15において19a>19b>19c>19dとなる。ショアD硬度は20〜80程度であるものが好適に用いられる。内層管に補強材層が巻回された構造体と外層管となる樹脂管との間にはごくわずかな間隔があることが好ましく、そのようにすれば外層管を配置する際に補強層となる素線のみだれが少ない。さらに外層管が配置されてからコイルの先端の巻きほどけが生じないように固定していた部分を取り除けば、素線のみだれを抑えることができる。
別法の切替押出外層管配置方法を詳述すると、外層管となる樹脂管の作成方法として、図16のように複数台の押出機20a〜dを一つの押出金型21につなぎ、ショアD硬度の異なる樹脂を、この複数台の押出機を順次、運転・停止させることによってショアD硬度が段階的に変化する樹脂管を作製するものである。図16では4台の押出機を連結させたものを示したが、外層管となる樹脂管としては軟質のものから硬質のものへ、ショアD硬度が低いものから高いものへ段階的に変化する樹脂管を作製するものである。
また、ここでは図に示さないが、切替押出外層管配置では、外層管となる樹脂管の作成方法として、弁機構を有する金型に複数台の押出機をつなぎ、連続的に押出をしながら、順次ショアD硬度の異なる樹脂を押出流路内に弁機構により導入・排出を切り替えながらショアD硬度が段階的に変化する樹脂管を作製してもよい。
この切替押出による外層管作製の際、内孔は図16のように金属線22に樹脂を被覆してのち、この金属線22を抜き取るワイヤーコーティング法で行ってもよいし、図には示さないが空気を吹き込んで内孔を形成するエアー法で行ってもよい。
このようにして切替押出により作製された外層管を図17のようにカテーテルの基部から先端部にかけて徐々にショアD硬度が低くなるように配置する。すなわち切替押出外層管配置は樹脂のショアD硬度は図17において23a>23b>23c>23dとなる。ショアD硬度は20〜80程度であるものが好適に用いられる。
外層管を形成する樹脂管の材質としてはポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが使用可能である。
ここで、ポリアミドエラストマーとは、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
好適に用いられる材料としては、その加工性、柔軟性の観点からポリアミドエラストマーが好ましく、例えばelf atochem社製のPEBAXなどがその代表として挙げられる。
こののち、図18のように加熱することによりその径が縮小する性質を有するシュリンクチューブ24で全体を覆う。シュリンクチューブはポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロエチレン−プロペンコポリマーなどを材質としていることが好ましい。
この後、シュリンクチューブがチューブが収縮する温度までヒーターで加熱させるか、高周波電磁波を与えて加熱し、内層管、補強材層、外層管を一体化する。さらにこの一体化を厳密に行うために、図19のようにシュリンクチューブで覆われた全体を円形の穴が開いている加熱金型25に通過させてもよい。
このとき、シュリンクチューブの収縮により図20のように外層管となる樹脂管先端部がアール状26に賦形される。外層管となる樹脂管先端部をテーパー状に賦形する際には、シュリンクチューブを収縮させてから、さらに図21のような加熱金型27を用いて図22のように接触、加熱してテーパー状28に賦形させる。外層となる樹脂管先端部をより確実にアール状に賦形するために、加熱金型27の内部をアール形状とした金型に接触、加熱することも可能である。
ついで、図23のようにシュリンクチューブを剥いて、必要に応じて補強材を固定していたカテーテル基部のシュリンクチューブを除去したり、カテーテル先端部と基端部の内層管、補強材層、外層管を調整する。
ついで、ここでは図示しないがカテーテルチューブ表面を親水性(または水溶性)高分子物質で覆われていることが好ましい。これにより、カテーテルチューブの外表面が血液または生理食塩水等に接触したときに、摩擦係数が減少して潤滑性が付与され、カテーテルチューブの摺動性が一段と向上し、その結果、押し込み性、追随性、耐キンク性および安全性が一段と高まる。親水性高分子物質としては、たとえば以下のような天然または合成の高分子物質、あるいはその誘導体が挙げられる。特に、セルロース系高分子物質(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロンは、低い摩擦係数が安定的に得られるので好ましい。
さらに、図24のように金属芯金を引き抜き、基部端は整形のために高速回転する円盤状のダイヤモンドカッターなどの手段で内層、補強層、外層を切断し、基部端断面を単一平面に仕上げて、カテーテルチューブが得られる。
このカテーテルチューブは、ショアDの異なる樹脂管の長さの設定により、剛性と柔軟性の傾斜制御の高い調節自由度、多様なアクセス経路に応じた調子設定性が発揮される。ここでいう調子とは図25のように先端部の高い柔軟性を有する領域の位置が異なっていることである。あるいは曲げ強度が変化する位置が異なっているとも表現できる。この図25において直線部分は先端部に比較して剛性は高いが柔軟性も同時に確保されていることを示している。多様な調子を設定できることによって、図25において、1号調に近いほど先端部の状況をダイレクトに感度よく伝えると同時にトルクの伝達能が高く、5号調に近いほど複雑な経路への侵入、深奥部への到達が行いやすくなるなどの使用上の事項に加え、多様な患部に対して施術者の手術方法の意図が反映され、かつ選択できるといった利点がある。
さらに、内層管をポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂で構成した際には、この内孔をプラズマ放電処理等の電気的な手段をもって、適度に親水化をはかることができる。
加えてここでは図示しないが、基部端に適切な形状のハブを取り付けて目的とする最良の形態の医療用カテーテルチューブが得られる。
なお、その使用に際しては上述のまま使用してもよいし、必要があるならば、予め医療用カテーテルチューブの一部をヒーターや蒸気などで加熱し、湾曲部を形成しておくこともできる。
製造方法を示すフローチャート リールに巻かれた金属芯線 内層管を押出機により連続被覆形成 内層管を被覆した金属素線をコイリングマシーンにセットした状態 素線の巻回状態 合成樹脂素線として好適に用いられる素線の断面構造 素線がカテーテル基部より途中域まで巻回された状態 素線の巻回が折り返して基部まで巻回された状態 X線不透過性を有する金属素線の巻回開始状態 X線不透過性金属素線が先端付近まで巻回された状態 X線不透過性金属素線が密着巻きされてX線不透過性マーカーが形成された状態 方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板マーカー 方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板マーカーをカテーテル先端に配置した状態 X線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブをカテーテル先端に配置した状態 外層となる四種類のショアD硬度を有する樹脂管を密接させて配置した状態 切替押出により外層管を作製 切替押出により作製した外層管をカテーテルに配置した状態 シュリンクチューブを配置した状態 円形の穴が開いている加熱金型に通過させている状態 シュリンクチューブが収縮し内層管、補強材層、外層管が一体化し、外層管となる樹脂管先端部がアール状に賦形された状態 チューブ構成体先端と先端部賦形用加熱金型 チューブ構成体先端を先端部賦形金型に接触、加熱賦形させた状態 シュリンクチューブを剥がした状態 金属芯線を引き抜き、基部端断面を仕上げた状態 調子を表す概念図
符号の説明
1 金属芯線
2 リール
3 内層管
4 押出機
5 コイリングマシーン
6 素線
7 シュリンクチューブ
8 素線供給部
9 溶融液晶ポリマーの芯
10 溶融液晶ポリマーの島(鞘)
11 屈曲性ポリマーの海(鞘)
12 シュリンクチューブ
13 X線不透過性金属素線
14 シュリンクチューブ
15 方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板マーカー
16 巻き覆された方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板マーカー
17 切れ目を入れたX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブ
18 切れ目を入れないX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブ
19a 最高ショアD硬度外層管
19b 高ショアD硬度外層管
19c 低ショアD硬度外層管
19d 最低ショアD硬度外層管
20a〜d 押出機
21 押出金型
22 金属線
23a 最高ショアD硬度外層管
23b 高ショアD硬度外層管
23c 低ショアD硬度外層管
23d 最低ショアD硬度外層管
24 シュリンクチューブ
25 円形の穴が開いている加熱金型
26 アール状賦形部
27 先端部賦形用加熱金型
28 加熱賦形されたテーパー状先端部

Claims (13)

  1. 滑性を呈しかつ柔軟性を有する樹脂管からなる内層管、耐キンク性、耐圧性、トルク伝達性、押し込み性等を付与する素線を内層管上に配置してなる補強材層、X線不透過性を有した金属を内層管上に巻き覆うことによって配置されるマーカー、そして補強材層とマーカーを覆い柔軟性を有する樹脂管からなる外層管が一体となった医療用カテーテルチューブであって、
    該カテーテルチューブが基部、先端部、マーカー部、最先端部を有し、
    基部の補強材層を形成する素線がX線透過率の高い合成樹脂素線および/または金属素線からなり、カテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回され、さらに折り返して基部まで巻回され、
    先端部の補強材層はX線不透過性を有した金属素線からなり、カテーテル途中域から先端部までコイル状に巻回され、
    マーカー部がX線不透過性を有した曲げ変形に対して柔軟性を有する金属からなり、
    補強材層、マーカーが存在しない最先端部を有し、
    該外層管の存在により、基部から先端部にかけての曲げ剛性が段階的または連続的に小さくなるように構成したことを特徴とする
    医療用カテーテルチューブ。
  2. X線不透過性を有する金属素線がタングステン系金属、白金系金属、金系金属から選ばれる請求項1記載の医療用カテーテルチューブ。
  3. X線不透過性を有した曲げ変形に対して柔軟性を有する金属からなるマーカーが、内層管上にX線不透過性金属素線を密着してコイル状に巻回したものか、あるいは方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板を巻き覆ったものか、あるいはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂を使用することにより形成された請求項1、2記載の医療用カテーテルチューブ。
  4. 前記基部から先端部にかけて外層管を形成する樹脂管のショアD硬度が、段階的または連続的に小さくなることと同時に各ショアD硬度部の長さを調整することにより、多様な調子が設定できることを特徴とする請求項1、2、3記載の医療用カテーテルチューブ。
  5. 内層管と外層管とが補強材層とX線不透過性マーカーを介して接合されている請求項1、2、3、4記載の医療用カテーテルチューブ。
  6. 最先端部がアール形状またはテーパー状に成形された請求項1、2、3、4、5記載の医療用カテーテルチューブ。
  7. 外層管が親水性コーティングされてなる請求項1、2、3、4、5、6記載の医療用カテーテルチューブ。
  8. 内層管がその中を通るガイドワイヤー等に対して滑性を呈する樹脂からなる請求項1、2、3、4、5、6、7記載の医療用カテーテルチューブ。
  9. 請求項1〜8に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、基部の補強材層を形成する素線がX線透過率の高い合成樹脂素線および/または金属素線からなり、カテーテル基部より先端方向に向けて途中域までコイル状に巻回され、さらに折り返して基部まで巻回され、先端部の補強材層はX線不透過性を有した金属素線からなり、カテーテル途中域から先端部までコイル状に巻回されることを特徴とする医療用カテーテルの製造方法。
  10. 請求項1〜8に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、X線不透過性マーカーは補強材層の先方に隣接する内層管上にX線不透過性金属素線をコイル状に巻回するか、あるいは方形の両辺から切れ目を入れたX線不透過性金属薄板を巻き覆ったものか、さらにはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂を使用することにより形成された、先端部の柔軟性が確保されたことを特徴とする医療用カテーテルチューブの製造方法。
  11. 請求項1〜8に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管はこれを形成する樹脂管のショアD硬度を基部から先端部にかけて段階的に小さくなると同時に各ショアD硬度部の長さを調整することにより多様な調子を設定して、補強材層とX線不透過性マーカーが形成されている内層管上に配列し、それらの外周にシュリンクチューブを被覆、加熱収縮させて内層管と外層管とが補強材層とマーカーを介して接合され、冷却後シュリンクチューブを剥がし、医療用カテーテルチューブを得る製造方法。
  12. 請求項1〜8に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管は切り替え押出法によりショアD硬度を基部から先端部にかけて段階的または連続的に小さくなると同時に各ショアD硬度部の長さを調整することによって多様な調子を設定して作製し、補強材層とマーカーが形成されている内層管上に配置し、それらの外周にシュリンクチューブを被覆、加熱収縮させて内層管と外層管とが補強材層とマーカーを介して接合され、冷却後シュリンクチューブを剥がし、医療用カテーテルチューブ得る製造方法。
  13. 請求項1〜8に記載のカテーテルチューブの製造方法であって、内層管の外周に補強材層を形成し、さらに補強材層の先方に隣接する曲げ変形に対して柔軟性を有するX線不透過性マーカーを形成した後、外層管を被覆してカテーテルチューブを製造するに際し、外層管の最先端部をアール形状またはテーパー形状に成形した医療用カテーテルチューブの製造方法。
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