JP2006333966A - 塞栓コイルデリバリー用カテーテルチューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた非導電性、耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性、柔軟性、患部到達性能等を有するカテーテルチューブを提供することにある。特に本発明において、肉薄で細い血管にも挿入可能であり、且つ術者が安全に塞栓コイルを動脈瘤に留置する事の出来るカテーテルチューブを提供することにある。
【解決手段】樹脂管からなる外層管と、該外層の内側の補強層2と、該補強層の内側の親水性コーティング層とを備えたカテーテル用チューブであって、該補強層は、合成樹脂素線が編組またはコイル巻きされてなり、該カテーテルチューブが基端部と先端部を有し、ここで、該基端部から該先端部までの範囲において、該樹脂素線によって被覆される該親水性コーティング層の表面面積の、該親水性コーティング層の表面面積に対する割合が0.60以上であることを特徴とするカテーテルチューブ。
【選択図】図1

Description

本発明は、カテーテルチューブに関する。
一般に、外科的手術を伴う生体の治療には種々の問題がある。例えば施術される患者においては長時間の手術に耐えなければならず、感染の危険性も比較的高く、侵襲も多い。また術者においても、長時間にわたって神経を集中させることを強いられる。このような種々の負担を軽減し、必要な手術をより安全に、かつ簡便に実行するために、近年は、カテーテルやガイドワイヤ、血管などを閉塞させるための塞栓材料、その他各種の医療機器が開発され、実用に供されている。カテーテルやガイドワイヤなどの医療機器における最近の進歩により、血管内から所要の患部にアプローチする血管内手術が実行されるようになってきており、特に動静脈奇形、脳動脈瘤、頚動脈海綿静脈洞瘻などの疾患の治療に多く適用されるようになってきた。
例えば、動脈瘤などに対する侵襲性の少ない治療法として、プラチナ等の生体に悪影響を及ぼさない金属からなる生体内留置部材を動脈瘤内に留置する血管塞栓術が知られている。この方法では、デリバリー用のワイヤに接続された生体内留置部材をカテーテルに通し、X線造影装置による透視下で生体内の所望の位置に誘導した後、生体内留置部材を目的の場所にワイヤを操作して送達させ、生体内留置部材を離脱する。
生体内留置部材を離脱する方法には機械式や電気式が存在するが、例えば電気式では外部から導電性ワイヤと生体に接続する対極との間に離脱用電流を供給し、接続部材を分解・溶断する。中でも熱溶解可能なポリビニルアルコール等の熱可溶性部材を導電性ワイヤと生体内留置部材の接続部材として用いた血管閉塞用デバイスでは、導電性ワイヤ先端部を加熱用電極とし対極との間に供給した高周波電流による加熱で瞬時に接続部材が熱溶解し生体内留置部材が分離されるため、生体内留置部材の留置が短時間で行え、手術時間が短く患者や医師に対する負担が少ないことが特徴である。
塞栓コイルデリバリー用カテーテルチューブは体内の腔、管、血管等に挿入する中空状の医療器具であり、通常チューブ体からなっている。このようなカテーテルでは、細く複雑なパターンの血管系などに迅速かつ確実な選択性をもって挿入し得るような優れた操作性が要求される。
塞栓コイルデリバリー用カテーテルチューブの操作性について詳しく述べると、血管内等にカテーテルチューブを挿入、引き出しなど、術者の操作が基端部から先端部に確実に伝達されるための位置調整性が必要とされる。また、カテーテルチューブの基端部で加えられた回転力が確実に伝達されるためのトルク伝達性、血管内を前進させるために施術者の押し込み力が基端側から先端側に確実に伝達されうる押し込み性も必要となる。さらに複雑な形状に曲がった血管等を先行する導電性ワイヤに沿って円滑かつ血管内壁等を損傷することなく挿入、引き出しが行えるよう、カテーテルチューブの内面が滑性を呈するワイヤの追随性とカテーテル外面の血液や組織に対する親和性が必要となる。加えて、脳内の細く蛇行した血管において、目的とする患部位置までカテーテルチューブ先端が到達するためにカテーテルチューブの細経化、さらには、高周波電流による導電性ワイヤ加熱時に、漏電なく安全に使用する事の出来るカテーテルチューブが必要となる。
カテーテルチューブは、このような要求に応じた特性を付与するため、一般的に外層の硬度を段階的に変える事で、基端部が比較的剛直で、先端部にかけて次第に柔軟性を有する構造、とするのが良い事が知られている。また、上述のような特性のカテーテルチューブを得るために、カテーテルチューブの内層管上に補強層として素線をコイル或いは編組を施し、外層を被覆してカテーテルチューブを構成する方法が知られている。
内層管に補強層として素線をコイル状に巻き付けるものとして、特開2002−272852号公報では、操作性、耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性等に優れた脳動脈用カテーテルが開示されている。
しかしながら、このカテーテルでは内層としてフッ素系エラストマー等を用いており、内層が親水性コーティングではないため、カテーテルチューブの細径化が困難である。さらに、実施例において、補強層としてコイルを二層に渡って巻いている事から、カテーテルチューブ本体の細径化が困難であるため患部への到達性能に劣っている。さらに、金属コイルを用いて補強層を形成しているため、導電性ワイヤの往復運動による摩擦で内層管に穴が開き、金属コイルとカテーテルチューブが接触する事で、手技の最中に漏電する恐れがある。
また、内層管に補強層として編組を施すものとして、特表2002−535049号公報では、近位領域、遠位領域、及びこれらの間を延伸する内腔を有する長尺状のシャフトと、この近位領域は内部平滑ポリマー層、補強層及び外部層を有することと、それぞれの層は遠位端を有することと、前記補強層は金属部材、及び複数のポリマー部材を有するブレードからなることと、各ポリマー部材は複数のモノフィラメントからなることとを有する脈管カテーテルが開示されている。
しかしながらこのカテーテルチューブでは、内層を有している事からカテーテルチューブ本体の細径化が困難であることと、このカテーテルチューブは伸びに対して配慮が為され、その方法がポリマー部材をカテーテルチューブの軸方向に並行に配置してなる構成のため、カテーテルが肉厚なものとなり、細い血管への挿入には困難をきたす場合がある。
さらに、補強層に樹脂素線を用いたものとして、特開平7−148264号公報では、抹消端部から手前端部にかけて延在する少なくとも一本の空腔を有する管状基体でなり、その手前端部には継手部材が取付けてあり、手前端部から抹消端部に向かう少なくともその長さの一部にかけて、前記管状基体の直径を逓減させてあると共にその可撓性を増大してあり、その直径逓減と可撓性増大とは、可撓性のある材質層がその長さにわたって実質的に均等な厚さを有し、且つ硬い材質層の厚さを手前端部から抹消端部に向かって逓減させた構造によって得られている、マイクロカテーテルが開示されている。
しかしながらこのマイクロカテーテルは、カテーテルチューブの直径を逓減させることで細径化を図ってはいるものの、内層が親水性コーティングでなく、ポリフルオロエチレン等の内層を有している事からカテーテルチューブ全体の細径化が困難である。また、補強材として糸又はフィラメントを用いており、その材料によっては、補強層を形成する際、摩擦によって補強材がフィブリル化を起し、外層形成或いは内層コーティングを施す際に支障をきたす場合がある。
特開2002−272852号公報 特表2002−535049号公報 特開平7−148264号公報
本発明の第一の課題は、非導電性、耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性、柔軟性、患部到達性能を有し、および細径化されたカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第二の課題は、上記課題に加えて、補強層を形成する再に、補強層がフィブリル化を起しにくいカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第三の課題は、耐薬品性があり、且つ非導電性にすぐれたカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第四の課題は、上記課題に加えて、安価かつ入手容易なカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第五の課題は、上記課題に加えて、トルク伝達性、押し込み性、柔軟性、患部到達性能に特に優れたカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第六の課題は、上記課題に加えて、X線視認性のよいカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第七の課題は、上記課題に加えて、親水性に優れるカテーテルチューブを提供することにある。
本発明の第八の課題は、上記課題に加えて、肉薄で細い血管にも挿入可能であり、且つ術者が安全に塞栓コイルを動脈瘤に留置するために特に適するカテーテルチューブを提供することにある。
驚くべきことに、上記課題は、樹脂管からなる外層と、該外層の内側の補強層と、該補強層の内側の親水性コーティング層とを備えたカテーテル用チューブであって、
該補強層は、樹脂素線が編組またはコイル巻きされてなり、ここで、該カテーテルチューブが基端部と先端部を有し、該基端部から該先端部までの範囲において、該樹脂素線によって被覆される該外層の内側表面面積の、該外層の内側表面面積に対する割合が0.60以上であることを特徴とするカテーテルチューブによって達成される。
よって、本発明が提供するのは、以下のとおりである:
(1)樹脂管からなる外層管と、該外層の内側の補強層と、該補強層の内側の親水性コーティング層とを備えたカテーテル用チューブであって、
該補強層は、合成樹脂素線が編組またはコイル巻きされてなり、該カテーテルチューブが基端部と先端部を有し、ここで、該基端部から該先端部までの範囲において、該樹脂素線によって被覆される該親水性コーティング層の表面面積の、該親水性コーティング層の表面面積に対する割合が0.60以上であることを特徴とするカテーテルチューブ。
(2)該樹脂素線が、溶融液晶ポリマーを内芯とし、屈曲性ポリマーを鞘とし、モノフィラメントの引張り強度が13.2cN/dtex以上である樹脂素線である、(1)記載のカテーテルチューブ。
(3)該親水性コーティングが耐薬品性、且つ非導電性の材質からなることを特徴とする(1)または(2)記載のカテーテルチューブ。
(4)該外層材はポリアミドエラストマーであり、該補強層の内側の親水性コーティング材はセルロース系高分子物質である、(1)ないし(3)いずれかのカテーテルチューブ。
(5)該外層の該(1)ないし(4)いずれかのカテーテルチューブ。
(6)該カテーテルチューブの先端部の基端側に、X線不透過性マーカーをさらに備えた、(1)ないし(5)いずれかのカテーテルチューブ。
(7)該外層管の外側に親水性コーティングをさらに備えた、(1)ないし(6)いずれかのカテーテルチューブ。
(8)塞栓コイルデリバリーにおける使用のためのものである、(1)ないし(7)いずれかのカテーテルチューブ。
本発明の第一の態様によれば、非導電性、耐キンク性、トルク伝達性、押し込み性、柔軟性、患部到達性能を有し、および細径化されたカテーテルチューブが提供される。
本発明の第二の態様によれば、上記態様に加えて、補強層を形成する再に、補強層がフィブリル化を起しにくいカテーテルチューブが提供される。
本発明の第三の態様によれば、上記態様に加えて、耐薬品性があり、且つ非導電性にすぐれたカテーテルチューブが提供される
本発明の第四の態様によれば、上記態様に加えて、安価かつ入手容易なカテーテルチューブが提供される。
本発明の第五の態様によれば、上記態様に加えて、トルク伝達性、押し込み性、柔軟性、患部到達性能に特に優れたカテーテルチューブが提供される。
本発明の第六の態様によれば、上記態様に加えて、X線視認性のよいカテーテルチューブが提供される。
本発明の第七の態様によれば、上記態様に加えて、親水性に優れるカテーテルチューブが提供される。
本発明の第八の態様によれば、上記態様に加えて、肉薄で細い血管にも挿入可能であり、且つ術者が安全に塞栓コイルを動脈瘤に留置するために特に適するカテーテルチューブが提供される。
以下に本発明であるカテーテルチューブの実施の形態を説明する。本発明の形態は請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することなく、適宜変更を加える事が出来る。以下に本発明のカテーテルチューブの製法に言及しつつ、本発明のカテーテルチューブを説明する。
ここで図1を参照すると、まず、金属芯線1を準備する。この金属芯線1はリールに巻かれており、その外径は製造するカテーテルの内径とほぼ一致するものであり、材質としては特に限定されないが、金属メッキ銅線、あるいはステンレス線が好ましい。
続いて、このリールに巻かれた金属芯線1上に補強層2の形成を行う。素線は1本または複数本を同時に使用して補強層2を形成してもよい。素線を複数本同時に巻回する際にはその素線がフラットな状態でカテーテルに巻回されることが好ましい。素線は編組またはコイル巻きであることができる。
素線には合成樹脂素線を用いる。合成樹脂素線として、非導電性およびフィブリル化し難い観点から、特に好適に用い得るのは、特開2005−34513に開示されるような、溶融液晶ポリマーの芯に、溶融液晶ポリマーの島(鞘)と屈曲性ポリマーの海(鞘)が被覆されたものである。この溶融液晶ポリマーとしてはポリアリレート、屈曲性ポリマーとしてはポリエチレンナフタレートで形成されているものである。モノフィラメントの引張り強度が13.2cN/dtex以上であることが好ましい。測定条件はJIS L1013に準拠し、サンプル長200mm、初期荷重0.1gf/D、引張り速度100mm/minの条件で測定した。ここで、1gf/D=0.8826cN/dtex、1cN/dtex=ρ×0.1、ρ:繊維密度(単位:g/cm2)である。このような合成樹脂素線を用いると、フィブリル化の発生を抑える効果があり、補強層、さらには外層、最内コーティング層の形成が良好なものとなる。好適に用いられる合成樹脂素線の直径として5〜50μmのものを用いるのが好ましい。
他に合成樹脂素線として用いられるものとしては、非導電性であるかぎり特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチレンテレフタレートのようなポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、硬質ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、熱可塑性ポリウレタン、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリオキシメチレン、高張力ポリビニルアルコール、フッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−酢酸ビニルケン化物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ケブラーに代表される芳香族ポリアラミドなど、これらのうちのいずれかを含むポリマーアロイ、グラスファイバーが挙げられる。
上記合成樹脂素線は、素線単独で用いてもよいし、または素線の集合体(例えば素線を撚ったものや束ねたもの)のいずれでもよい。
次に外層管を取り付ける工程を説明する。外層管は、ショアD硬度が長手方向に一定である管も、長手方向にショアD硬度が連続的または段階的に変化する管も使用できる。
外層管の配置方法としては、特に限定されないが、柔軟性の観点から図1のように外層管となる樹脂管3a〜dを基端部から先端部にかけてそれを形成する樹脂管が一段階以上のショアD硬度の有するものを配置するのが好ましい。より好ましくは、ショアD硬度が、基端部から先端部にかけて段階的に小さくなる。図1では四種類のショアD硬度を有するものを密接させて配置した状態を示したが、基端部から先端部にかけて徐々にショアD硬度が低くなるように配置する必要があるのが好ましい。すなわち外層管となる樹脂管のショアD硬度は図1において3a>3b>3c>3dとなる。ショアD硬度は20〜80程度であるものが好適に用いられる。一種類のショアD硬度を有する外層管のみを配置する際には、前記一種類のショアD硬度を有する外層管を複数本に分割して密接させて配置してもよい。補強層2が編組された構造体と外層管となる樹脂管との間にはごくわずかな間隔があることが好ましく、そのようにすれば補強層2を形成する素線のみだれが少ない。また、ショアD硬度の異なる外層管となる樹脂管は、それぞれピッチや巻回角度が変化する位置とずらせて配置すれば、剛性と柔軟性の傾斜が緩やかに変化させることができる。なお、本明細書にいうショアD硬度は、ISO868により測定した値を意味する。
外層管を形成する樹脂管の材質としてはポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリスチレンエラストマー、フッ素系エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種エラストマー、またはこれらのうちの2以上を組み合わせたものが挙げられる。
ここで、ポリアミドエラストマーとは、例えば、ナイロン6、ナイロン64、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、N−アルコキシメチル変性ナイロン、ヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸縮重合体、メタキシロイルジアミン−アジピン酸縮重合体のような各種脂肪族または芳香族ポリアミドをハードセグメントとし、ポリエステル、ポリエーテル等のポリマーをソフトセグメントとするブロック共重合体が代表的であり、その他、前記ポリアミドと柔軟性に富む樹脂とのポリマーアロイ(ポリマーブレンド、グラフト重合、ランダム重合等)や、前記ポリアミドを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
また、ポリエステルエラストマーとは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の飽和ポリエステルと、ポリエーテルまたはポリエステルとのブロック共重合体が代表的であり、その他、これらのポリマーアロイや前記飽和ポリエステルを可塑剤等で軟質化したもの、さらには、これらの混合物をも含む概念である。
好適に用いられる材料としては、その加工性、柔軟性の観点からポリアミドエラストマーが好ましく、例えばelfatochem社製のPEBAXなどがその代表として挙げられる。
好適な実施態様では、図2のようにカテーテルにX線不透過性マーカ4を取り付け、シュリンクチューブ5によりカテーテルを一体化する。マーカ材として、硫酸バリウム、酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、タングステン酸ビスマス、ビスマス−オキシクロライド等のX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブを補強層の先方に配置しても良い。ここで用いる樹脂としては上述した外層管として使用するものと同様のものが好ましい。この配置の際にはX線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブを軸方向に切れ目を入れて配置しても良いし、チューブ形態を保ったまま配置してもよい。X線不透過性金属粉体を混練した樹脂チューブの厚みとしては5〜30μmのものが好ましい。さらにX線不透過性マーカ4は接着剤等を使用して適宜補強層上に固定してもよい。
続いて、加熱することによりその径が縮小する性質を有するシュリンクチューブ5をカテーテル全体に配置することができる。シュリンクチューブ5はポリテトラフルオロエチレンやパーフルオロエチレン−プロペンコポリマーなどを材質としていることが好ましい。
この後、シュリンクチューブ5が収縮する温度までヒーターで加熱させるか、および/または高周波電磁波を加えて加熱し、補強層、外層管を一体化することができる。さらにこの一体化を厳密に行うために、シュリンクチューブ5で覆われた全体を円形の穴が開いている加熱金型に通過させてもよい。
この時、シュリンクチューブ5の収縮により外層管となる樹脂管先端部がアール状に賦形される。外層管となる樹脂管先端部をテーパー状に賦形する際には、シュリンクチューブ5を収縮させてから、加熱金型を用いて接触、加熱してテーパー状に賦形させる。
ついで、シュリンクチューブ5を剥いて、必要に応じてカテーテル先端部と基端部の、補強層、外層管を切断・調整する。
好適な実施態様では、続いて、カテーテルチューブ表面を親水性(または水溶性)高分子物質で覆う。これにより、カテーテルチューブの外表面が血液または生理食塩水等に接触したときに、摩擦係数が減少して潤滑性が付与され、カテーテルチューブの摺動性が一段と向上し、その結果、押し込み性、追随性、耐キンク性および安全性が一段と高まる。
さらに金属芯線を引き抜き、補強層内面を親水性高分子物質によって親水性コーティングを施す。これにより、カテーテルチューブ内面を通るガイドワイヤ或いは導電性ワイヤの摺動性が向上する。親水性高分子物質としては、親水性であれば特に限定されないが、耐薬品性と非導電性の観点からたとえば以下のような天然または合成の高分子物質、あるいはその誘導体が挙げられる。特に、セルロース系高分子物質(例えば、酢酸セルロース或いはヒドロキシプロピルセルロース、)、ポリエチレンオキサイド系高分子物質(ポリエチレングリコール)、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド)、水溶性ナイロンは、低い摩擦係数が安定的に得られるので好ましい。
以下に該樹脂素線によって被覆される該親水性コーティング層の表面面積の、該親水性コーティング層の表面面積に対する割合である、編組素線被覆率Cの計算式を示す。
補強層が編組の場合の被覆率Cbは、以下の通り計算する。編目の一つをピックと呼び、それは一本以上の素線で構成され、一つのピックに含まれる素線の数を持ち数と呼んでいる。また一周のピックの数を打ち数と呼び、これは編組機械の構造によって決まるものである。編組角θはカテーテルチューブの軸方向に対して形成された編組或いはコイリングとがなす角度である。図3に編組角の概略図を示す。
Cb=F×(2−F)
F=(m×n×d)/(2×p×sinθ)
Cb:補強層が編組時の被覆率
m:打ち数
n:持ち数
d:素線径(mm)
p:ピッチ(mm)
θ:編組角(ラジアン)
補強層がコイルの場合の被覆率Ccは、上記編組の場合の被覆率Cbのうち、片方回りの素線のみを考慮する場合に相当するため、編組素線の被覆率Cbを2で割った値をコイル素線の被覆率Ccとする。
被覆率Cは0.60以上でなければならず、さらに好適には0.80以上が好ましい。被覆率が0.60以下である場合、最内コーティング層を形成する際、コーティングのムラが生じ易く導電性ワイヤとの摺動性が低下する。また、外層形成に際して、外径変動が生じ、耐キンク性を代表とするカテーテル性能に支障をきたす。
最後に、整形のため高速回転する円盤状のダイヤモンドカッターなどの手段で、補強層、外層を切断し、基部端断面を単一平面に仕上げる事でカテーテルチューブが得られる。
加えて、基部端に適切な形状のハブを取り付けて目的とする最良の形態のカテーテルチューブが得られる。
カテーテルチューブの親水性の観点から、カテーテルチューブの外層管の外側に親水性コーティングを有するのが好ましい。親水性コーティングとしては前述したものが使用可能である。
なお、その使用に際しては上述のまま使用してもよいし、必要があるならば、予めカテーテルチューブの一部をヒーターや蒸気などで加熱し、湾曲部を形成しておくこともできる。
本発明のカテーテルチューブは、塞栓コイルデリバリーにおける使用に特に適する。
外層となる四種類のショアD硬度を有する樹脂管を密接させて配置した状態 X線不透過性マーカとシュリンクチューブを配置した状態 補強層である編組とカテーテルチューブとがなす角度θ
符号の説明
1 金属芯線
2 補強層
3a 最高ショアD硬度外層管
3b 高ショアD硬度外層管
3c 低ショアD硬度外層管
3d 最低ショアD硬度外層管
4 X線不透過性マーカ
5 シュリンクチューブ

Claims (8)

  1. 樹脂管からなる外層管と、該外層の内側の補強層と、該補強層の内側の親水性コーティング層とを備えたカテーテル用チューブであって、
    該補強層は、合成樹脂素線が編組またはコイル巻きされてなり、該カテーテルチューブが基端部と先端部を有し、ここで、該基端部から該先端部までの範囲において、該樹脂素線によって被覆される該親水性コーティング層の表面面積の、該親水性コーティング層の表面面積に対する割合が0.60以上であることを特徴とするカテーテルチューブ。
  2. 該樹脂素線が、溶融液晶ポリマーを内芯とし、屈曲性ポリマーを鞘とし、モノフィラメントの引張り強度が13.2cN/dtex以上である樹脂素線である、請求項1記載のカテーテルチューブ。
  3. 該親水性コーティングが耐薬品性、且つ非導電性の材質からなることを特徴とする請求項1または2記載のカテーテルチューブ。
  4. 該外層材はポリアミドエラストマーであり、該補強層の内側の親水性コーティング材はセルロース系高分子物質である、請求項1ないし3いずれかのカテーテルチューブ。
  5. 該外層の該樹脂管のショアD硬度が、基端部から先端部にかけて段階的に小さくなることを特徴とする、請求項1ないし4いずれかのカテーテルチューブ。
  6. 該カテーテルチューブの先端部の基端側に、X線不透過性マーカーをさらに備えた、請求項1ないし5いずれかのカテーテルチューブ。
  7. 該外層管の外側に親水性コーティングをさらに備えた、請求項1ないし6いずれかのカテーテルチューブ。
  8. 塞栓コイルデリバリーにおける使用のためのものである、請求項1ないし7いずれかのカテーテルチューブ。
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