以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としての“4サイクル" 方式のカラー複合機を示す構成図である。なお、このカラー複合機は、複写機やプリンター、あるいはファクシミリとしての機能を兼ね備えている。
このカラー複合機は、図2に示すように、その複合機本体1の上部に画像読取装置としてのスキャナー2を備えているとともに、図示しないネットワークを介して図示しないパーソナルコンピュータ等と接続されている。また、上記カラー複合機は、その複合機本体1の右側面に、当該カラー複合機で画像が形成された用紙に対して、穿孔処理や綴じ処理等の後処理を行う後処理装置3が装着されている。
そして、上記カラー複合機は、スキャナー2で読み取った文書の画像を複写したり、パーソナルコンピュータから送られてきた画像データに基づいてプリントしたり、電話回線を介して画像データを送受信するファックスとして機能するようになっている。
図2において、1はカラー複合機の本体を示すものであり、このカラー複合機本体1の上部には、図示しない原稿を一枚ずつ分離した状態で自動的に搬送する自動原稿搬送装置(ADF)4と、当該自動原稿搬送装置4によって搬送される原稿の画像を読み取るスキャナー2が配設されている。なお、上記自動原稿搬送装置4は、プラテンカバーとしても機能するようになっている。上記スキャナー2は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿を光源5によって照明し、原稿からの反射光像を、フルレートミラー6及びハーフレートミラー7、8及び結像レンズ9からなる縮小光学系11を介してCCD等からなる画像読取素子10上に走査露光して、この画像読取素子10によって原稿の色材反射光像を所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るようになっている。
上記スキャナー2によって読み取られた原稿の反射光像は、例えば、赤(R)、緑 (G)、青(B)(各8bit)の3色の反射率データとして画像処理装置12(IPS)に送られ、この画像処理装置12では、原稿の画像データに対して、必要に応じて、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の処理を含め、後述するように所定の画像処理が施される。また、この画像処理装置12は、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに対しても、所定の画像処理を行うようになっている。
そして、上記画像処理装置12で所定の画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の画像データに変換され、画像露光装置としてのROS(RaserOutputScanner)13に送られ、この画像露光装置としてのROS13では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8ビット)の4色の画像データに応じてレーザ光LBによる画像露光が所定のタイミングで順次行われる。なお、カラー複合機では、カラー画像に限らず、白黒の画像のみを形成しても勿論良い。
ところで、上記カラー複合機本体1の内部には、中央よりもやや左側の位置に、像担持体としての感光体ドラム14が矢印方向に沿って回転可能に配設されている。この感光体ドラム14としては、例えば、表面にOPC等の感光体層が被覆された導電性円筒体からなるものが用いられ、図示しない駆動手段により、矢印方向に沿って所定のプロセススピードで回転駆動される。
このカラー複合機は、例えば、プロセススピードが約160mm/secと、同様の機種においては、比較的高く設定されており、生産性の高いものとなっている。なお、上記カラー複合機のプロセススピードは、例えば、白黒モードの場合には、160mm/secよりも速く設定しても勿論良い。
上記感光体ドラム14の表面は、当該感光体ドラム14の真下近傍に配置された帯電手段としての帯電ロール15によって所定の電位に帯電された後、感光体ドラム14の斜め下方の離れた位置に配置された画像露光装置としてのROS13(Raster Output Scanner)によって、レーザービーム(LB)による画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。上記ROS13では、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像データに基づいた画像露光が所定のタイミングで順次行なわれる。上記感光体ドラム13上に順次形成された静電潜像は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の現像器16Y、16M、16C、16Kを周方向に沿って配置した回転式の現像装置16によって現像され、対応する色のトナー像となる。
上記回転式の現像装置16には、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器16Y、16M、16C、16Kが、回転軸を中心にして回転する回転フレームの周方向に沿って所定の角度を成すように装着されている。また、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器16Y、16M、16C、16Kは、前記回転フレームの回転位置を、当該回転フレームに設けられたスリット(図示せず)の位置によって検出して制御することにより、各現像器16Y、16M、16C、16Kの開口部に設けられた現像ロール17を、感光体ドラム14と対向する現像位置に停止させ、感光体ドラム14上に形成された静電潜像を対応する色のトナーによって現像するように構成されている。
さらに、上記イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各現像器16Y、16M、16C、16Kには、当該各現像器16Y、16M、16C、16Kに隣接するように、トナーカートリッジ18Y、18M、18C、18Kが装着されており、当該トナーカートリッジ18Y、18M、18C、18Kから対応する色のトナーを各現像器16Y、16M、16C、16Kに所定のタイミングで供給することによって、各現像器16Y、16M、16C、16K内のトナー濃度を調整することが可能となっている。
この実施の形態では、図2及び図3に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つのトナーカートリッジ18Y、18M、18C、18Kのうち、トナーの消費量が最も多い黒(K)色のトナーカートリッジ18Kが、他の色のトナーカートリッジ18Y、18M、18Cに比べて大きく形成されており、当該黒(K)色のトナーカートリッジ18Kには、多くの量のトナーを収容することができるように構成されている。そのため、黒(K)色のトナーカートリッジ18Kは、最も重量が重くなっている。
上記感光体ドラム14の表面には、形成する画像の色に応じて、帯電・露光・現像の各工程が、所定回数だけ繰り返される。上記回転式の現像装置16は、対応する色の現像器16Y、16M、16C、16Kの現像ロール17が、感光体ドラム14と対向する現像位置に移動する。例えば、フルカラーの画像を形成する場合、感光体ドラム14の表面には、帯電・露光・現像の各工程が、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応して4回繰り返され、当該感光体ドラム14の表面には、イエロー (Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応したトナー像が順次形成される。
また、白黒の画像を形成する場合には、感光体ドラム14の表面に、帯電・露光・現像の各工程が、黒(K)色に対応して1回だけ行われ、当該感光体ドラム14の表面には、黒(K)色に対応したトナー像のみが形成される。
上記感光体ドラム14上に順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン (C)、黒(K)の各色のトナー像は、感光体ドラム14の上部外周に中間転写体としての中間転写ベルト19が当接した一次転写位置において、当該中間転写ベルト19上に互いに重ね合わされた状態で、一次転写ロール20によって一次転写される。なお、白黒の画像を形成する場合には、感光体ドラム14の表面に、黒(K)色のトナー像が一次転写ロール20によって1回のみ一次転写される。
上記中間転写ベルト19上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像は、二次転写ロール21によって、所定のタイミングで給紙される記録媒体としての記録用紙22上に二次転写位置において一括して二次転写される。
上記記録用紙22は、図2に示すように、カラー複合機本体1の下部に複数段配設された給紙トレイ23、24、25のいずれかから所定サイズ及び所望の材質のものが、フィードロール26、分離ロール27及びリタードロール28によって一枚ずつ分離された状態で、搬送ロール29を備えた用紙搬送路30を介して給紙される。そして、上記給紙トレイ23、24、25のいずれかから給紙された記録用紙22は、レジストロール31で一旦停止され、中間転写ベルト19上の画像と同期して、当該レジストロール31によって中間転写ベルト19の二次転写位置へと搬送される。なお、上記中間転写ベルト19から記録用紙22上にトナー像を二次転写する際に、当該中間転写ベルト19上には、現像剤としてのトナーや、トナーの外添剤等が付着して残留する場合がある。
上記中間転写ベルト19は、図2及び図3に示すように、複数のロールによって張架されているとともに、感光体ドラム14の表面に一次転写位置で当接されており、所定のプロセススピード(約160mm/sec)で回転駆動するように構成されている。中間転写ベルト19は、例えば、ポリイミド樹脂等の合成樹脂によって無端ベルト状に形成されている。この中間転写ベルト19は、ドライブロール32と、感光体ドラム14上に形成されたトナー像を中間転写ベルト19上に転写する一次転写ロール20と、センサーロール33と、張力調整ロール34と、二次転写ロール21に中間転写ベルト19を介して当接するバックアップロール35とによって、所定の張力で張架されている。
また、上記中間転写ベルト19は、上記の如く、複数のロール20、32〜35によって張架されているが、この実施の形態では、カラー複合機本体1の小型化を図るため、中間転写ベルト19が張架される断面形状が、偏平な細長い略二等辺三角形状となるように構成されている。
さらに、上記中間転写ベルト19のセンサーロール33と対向する位置には、中間転写ベルト6上に形成された濃度検出用パターンとしてトナーのテストパッチの濃度を検出する反射型フォトセンサからなる濃度検出手段としての自動濃度検出(ADC)センサ36が配設されている。
そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙22は、図2及び図3に示すように、定着器37の加熱ロール38及び加圧ベルト(又は加圧ロール)39によって熱及び圧力で定着処理を受けた後、搬送ロール40によって、画像形成面を下にして第1の排出トレイとしてのフェイスダウントレイ41に排出するための第1の用紙搬送路42を介して、当該第1の用紙搬送路42の出口に設けられた排出ロール43によって、複合機本体1の上部に設けられたフェイスダウントレイ41上に排出される。
また、上記の如く画像が形成された記録用紙22を、画像形成面を上にして排出する場合には、図2に示すように、画像形成面を上にして第2の排出トレイとしてのフェイスアップトレイ44に排出するための第2の用紙搬送路45を介して、当該第2の用紙搬送路45の出口に設けられた排出ロール46によって、複合機本体1の側部(図中、左側面)に設けられるフェイスアップトレイ44上に排出される。
なお、上記カラー複合機本体1の右側面には、上述したように後処理装置3が装着されており、カラー複合機によって画像が形成された記録用紙22に対して、穿孔処理や綴じ処理等の後処理を施す場合には、定着器37によってトナー像が定着された記録用紙22を、排出ロール47によって排出するとともに、フェイスダウントレイ41を構成する搬送ユニット48の内部に設けられた用紙搬送路49を介して、後処理装置3へと搬送し、当該後処理装置3によって後処理を施すように構成されている。
また、上記カラー複合機において、フルカラー等の両面コピーをとる場合には、図2に示すように、片面に画像が定着された記録用紙22を、排出ロール43等によってフェイスダウントレイ41上にそのまま排出せずに、切替ゲートによって搬送方向を切り替え、排出ロール47へと導くとともに、排出ロール47によって記録用紙22の後端を挟持している間に、排出ロール47を一旦停止させた後に逆転して、当該排出ロール47によって両面用の用紙搬送路50へと搬送する。そして、この両面用の用紙搬送路50では、当該搬送路50に沿って設けられた搬送ローラ51により、記録用紙22の表裏が反転された状態で、再度レジストロール31へと搬送され、今度は、当該記録用紙22の裏面に画像が転写・定着された後、第1の用紙搬送路42又は第2の用紙搬送路45を介して、フェイスダウントレイ41又はフェイスアップトレイ44のいずれかに排出される。
図2中、52は所望の記録用紙22を給紙する手差しトレイを、53は感光体ドラム14の表面をクリーニングするクリーニング装置を、54は中間転写ベルト19の表面をクリーニングするクリーニング装置を、55はクリーニング装置54で除去されたトナーを回収する回収ボックスをそれぞれ示している。
なお、上記クリーニング装置54は、最終色のトナー像が通過するまで、中間転写ベルト19の表面から離間しており、当該最終色のトナー像が通過した後に、中間転写ベルト19の表面に当接するように構成されている。
ところで、この実施の形態では、トナー像が形成される像担持体を少なくとも含む像担持体ユニットと、前記像担持体上に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルトとを備え、前記像担持体ユニットは、像担持体の軸方向に沿って、画像形成装置本体に対して着脱自在に構成された画像形成装置において、
前記中間転写ベルトに張力を付与して張架した張力付与位置と、張力を緩和した張力緩和位置とに切り替え可能な張架機構と、
前記張架機構の切り替え動作に連動して前記中間転写ベルトを前記像担持体に当接した当接位置と前記像担持体から離間した離間位置とに移動させる当接部材と、
前記張架機能を張力付与位置と張力緩和位置とに切り替える操作を行う操作部材と、
前記操作部材を張力付与位置に切り替える動作に連動して、前記像担持体ユニットに対して軸方向に沿った移動を制止する予圧を付与する予圧付与部材とを備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態では、図3に示すように、像担持体としての感光体ドラム14が、帯電ロール15及びクリーニング装置53と共に一体的にユニット化された感光体ユニット60を構成しており、当該感光体ユニット60は、カラー複合機本体1に対して着脱自在となっている。この感光体ユニット60は、図4に示すように、感光体ドラム14が寿命に達した場合など、カラー複合機本体1のフロントカバー61を開けた状態で、感光体ドラム14と帯電ロール15等を一体的にカラー複合機本体1から取り外したり、装着することにより、感光体ユニット60を新しいものと交換することが可能となっている。
上記感光体ユニット60は、図5に示すように、感光体ドラム14のクリーニング装置53側の側面に位置するハウジング62を備えているとともに、当該ハウジング62の感光体ドラム14の軸方向に沿った両端部には、感光体ドラム14を回転自在に保持する手前側(フロント側)と奥側(リア側)のサイドパネル63、64が一体的に設けられている。また、上記ハウジング62の内部には、感光体ドラム14の表面に当接するように、クリーニング装置53と帯電ロール15が配設されている。さらに、上記フロント側のサイドパネル63には、図1に示すように、感光体ドラム14を回転自在に軸支する軸部材65が固定した状態で取り付けられているとともに、リア側のサイドパネル64には、図5に示すように、感光体ドラム14のリア側が仮に保持されるようになっている。なお、上記感光体ドラム14は、感光体ユニット60がカラー複合機本体1に装着された状態では、リア側のサイドパネル64から離間するようになっている。
また、上記感光体ユニット60は、図6に示すように、そのフロント側のサイドパネル63に、当該感光体ユニット60をカラー複合機本体1の所定位置に装着した際に、カラー複合機本体1の位置決めピン66、67と嵌合する位置決め用の孔68、69が、略180度異なった位置に穿設されているとともに、そのリア側のサイドパネル64には、カラー複合機本体1の位置決めピン70と嵌合する位置決め用の孔71が、フロント側のサイドパネル63の位置決め用の孔69と対応した位置に穿設されている。
上記位置決めピン66、67は、図1に示すように、カラー複合機本体1のフロント側のフレーム101であって、感光体ユニット60を着脱する開口部に近接した位置に、カラー複合機本体1のフロント側に向けて突出するように植設されている。
そして、上記感光体ユニット60は、図1及び図6に示すように、カラー複合機本体1に装着される際に、当該カラー複合機本体1の所定位置に突設された3本の位置決めピン66、67、70を、フロント側及びリア側のサイドパネルに穿設された位置決め用の孔68、69、71と嵌合するとともに、同じくカラー複合機本体1の所定位置に突設された感光体ドラム14の回転軸72を、感光体ユニット60の感光体ドラム14のリア側に露出した係合用の孔73と係合することによって、感光体ドラム14がカラー複合機本体1の所定位置に回転自在に装着されるように構成されている。
上記回転軸72は、図1に示すように、カラー複合機本体1のリア側のフレーム102に植設されている。
上記の如く感光体ドラム14がカラー複合機本体1の所定位置に回転自在に装着された状態で、カラーやモノクロの画像形成時には、回転式の現像装置16のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器16Y、16M、16C、16Kのうち、所定の色の現像器が、図1に示すように、感光体ドラム14と対向する現像位置に移動して停止し、当該感光体ドラム14上に形成された静電潜像を現像するようになっている。
このとき、上記回転式の現像装置16のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器16Y、16M、16C、16Kは、その現像ロール17が感光体ドラム14と対向する現像位置に移動した際に、当該現像器16Y、16M、16C、16Kの現像ロール17の軸方向の両端部に回転自在に設けられたトラッキングロール73、74が、感光体ドラム14の軸方向の両端部に位置するフランジ部14a、14bの表面に当接することにより、これら現像ロール17と感光体ドラム14表面との距離(DRS)を所定の値に維持するように構成されている。
また、上記の如く構成されるカラー複合機では、図2及び図3に示すように、感光体ドラム14の表面に、中間転写ベルト19が一次転写ロール20によって当接しているため、そのままの状態では、感光体ドラム14を交換することができない。
そこで、上記カラー複合機では、図1に示すように、感光体ユニット60によって感光体ドラム14を交換する際に、操作部材としての操作レバー75を操作することによって、一次転写ロール20を転写位置から退避させると同時に、中間転写ベルト19の張力を緩和させて感光体ドラム14の表面から離間させるように構成されている。
次に、上記中間転写ベルト19を張架する張架機構等について説明する。
この中間転写ベルト19は、図7に示すように、ドライブロール32と、一次転写ロール20と、センサーロール33と、張力調整ロール34と、バックアップロール35によって張架されており、ドライブロール32が回転駆動されることで、矢印M方向に沿って循環移動するようになっている。
上記張力調整ロール34は、図7に示すように、第1のアーム76の先端に回転自在に取り付けれており、当該第1のアーム76は、カラー複合機本体1に位置を固定した状態で取り付けられた回動軸77を中心にして揺動自在となっている。この第1のアーム76は、テンションスプリング78を備える連結アーム79を介してカム80と連結されている。上記連結アーム79は、図8に示すように、連結軸81の外周にテンションスプリング78を巻装して構成されている。そして、上記連結アーム79とカム80との連結部分は、連結軸81が第1のアーム76とカム80とに抜け止め状態で差し込まれている。したがって、図7に示すように、テンションスプリング78の復元力によって、第1のアーム76を矢印R1方向に回転させようとする力が発生し、この力によって張力調整ロール34が中間転写ベルト19に所定の張力を付与している。
上記一次転写ロール20は、図8に示すように、前述した回動軸77を軸心にして揺動する第2のアーム82に、回転自在に取り付けられている。そして、この一次転写ロール20は、中間転写ベルト19の内周面に当接し、中間転写ベルト19を感光体ドラム14の表面に押し付けるように構成されている。
上記感光体ユニット60は、図4に示すように、ユーザーがカラー複合機本体1のフロントカバー61を開いて、操作レバー75を時計周り方向に沿って略90度回動させることによって図7の状態から図9の状態となり、感光体ドラム14の回転軸X方向に、矢印Kで示すように、引出し及び挿入(着脱)可能な状態となる。
次に、上記感光体ユニット60の引き出し及び挿入( 着脱) について詳細に説明する。
上記感光体ユニット60がカラー複合機本体1の内部に挿入され装着された状態においては、図7に示すように、操作レバー75が、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63よりも手前側に位置するとともに、このフロント側のサイドパネル63と当接して、感光体ユニット60の回転軸X方向の移動が規制された状態となっている。また、操作レバー75は、回転軸X方向にみると感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63の一部と重なり覆っている。なお、図7に示す操作レバー75の位置を規制位置とする。
ところで、この実施の形態では、前記操作部材を張力付与状態に切り替える動作に連動して、前記像担持体ユニットに対して軸方向に沿った移動を制止する予圧を付与する予圧付与部材を備えるように構成されている。
すなわち、上記感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63には、図1に示すように、操作レバー75の規制位置と対応した位置に、付勢部材としてのコイルスプリング110によって突出する方向に付勢された予圧付与部材としてのストッパー111が、出没自在に配設されている。このストッパー111は、図1に示すように、環状のフランジ部材112と、フロント側に凸形状に突設された突出部113とから構成されており、当該突出部113の内面とフロント側のサイドパネル63の奥側の内面63aとの間に、圧縮されたコイルスプリング110が介在されている。そして、上記ストッパー111の突出部113は、通常、コイルスプリング110の付勢力によって、図10に示すように、環状のフランジ部材112がフロント側のサイドパネル63の手前側の内面63bに当接した状態で突出するようになっている。
なお、上記ストッパー111の突出部113の突出量は、感光体ユニット60に作用させる予圧の大きさ等によって決定されるが、当該予圧の大きさは、突出部113の突出量(変位量)ばかりでなく、コイルスプリング110のバネ定数によっても決まるため、当該コイルスプリング110のバネ定数を大きく設定すれば、突出部113の突出量は、僅かでも良い。
上記ストッパー111は、操作レバー75を規制位置に回動した状態で、図1に示すように、当該操作レバー75によって押圧されて押し込まれた状態となっており、コイルスプリング110の反発力によって、感光体ユニット60に対して軸方向手前側への移動を制止する予圧を作用させるように構成されている。
また、上記ストッパー111は、操作レバー75の規制位置への回動操作に伴って、当該操作レバー75によってスムースに押し込まれた状態となるように、操作レバー75の裏面に傾斜面を設けたり、ストッパー111の突出部113の形状を湾曲した形状に形成するのが望ましい。
さらに、上記感光体ユニット60には、図5に示すように、ストッパー111の操作レバー75の回動方向の下流側にコロ83が設けられる場合、ストッパーを押動するときの負荷と、操作レバー75がコロ83に当接するときの負荷とが重畳して、操作レバー75の操作力(回動力)が過大となるのを回避するため、操作レバー75の回動方向に沿ってストッパー111とコロ83の位置をずらしたり、図11に示すように、ストッパー111の代わりにコロ83のみを設け、当該コロ83をコイルスプリング110によって付勢するように構成しても良い。
また、上記感光体ユニット60にストッパー111によって予圧が作用したときに、当該感光体ユニット60の位置を制止する制止部材114、115が、図1及び図12に示すように、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63に設けられた位置決め用の孔68、69を挿通する位置決めピン66、67に挿入された状態で装着されている。上記規制部材114、115は、合成樹脂や金属、あるいは弾性部材によって円筒状に形成されている。なお、図12はカラー複合機本体1から感光体ユニット60を取り外した状態を示している。
このように操作レバー75が図1に示すように規制位置にあるときは、感光体ユニット60は手前側に引き出すことはできない。
そして、図9に示すように、ユーザーが操作レバー75を時計周り方向に沿って略90度回動させて、感光体ユニット60と重ならない退避位置に移動させると、感光体ユニット60の回転軸X方向の移動の規制が解除され、感光体ユニット60が手前側に引き出し可能となる。なお、図9に示す操作レバー75の位置を解除位置とする。
このように、上記操作レバー75は、解除位置に位置する状態で、感光体ユニット60を奥側に挿入することで、感光体ユニット60をカラー複合機本体1に装着することが可能となっている。
さて、図9に示すように、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63には、規制位置の手前側にコロ83が設けられている。
一方、上記操作レバー75の裏面75aには、図13に示すように、略碁盤の目状のリブ84が形成されており、当該裏面75aのリブ84には、コロ83に対応した位置に凹部85が形成されている。そして、上記操作レバー75が規制位置に移動する際には、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63のコロ83が、操作レバー75の裏面75aの凹部85に係合した状態となっている。
このように、上記操作レバー75を解除位置から規制位置に回動する際に、当該操作レバー75の奥側面75aにコロ83が当接して回転することで、操作レバー75をスムーズに回すことができるようになっている。更に、操作レバー75の凹部85には、感光体ユニット60のコロ83が係合することで、クリック感が生じるようになっている。また、上記操作レバー75の凹部85と感光体ユニット60のコロ83とは、それぞれ回転軸方向Xの位置決め基準の目安となっている。
ところで、上記感光体ユニット60の引き出し及び挿入の際、感光体ドラム14と中間転写ベルト19とが摺擦すると、感光体ドラム14と中間転写ベルト19とに傷が発生する。したがって、操作レバー75を回動して規制位置から解除位置に移動することに連動して、図9に示すように、第2のアーム82が回動し、一次転写ロール20が感光体ドラム14から離間する矢印R3方向に退避するとともに、第1のアーム76が揺動し、張力調整ロール34が中間転写ベルト19の内周側(矢印R2方向)に移動して中間転写ベルト19にかかる張力を緩和する連動機構を備えている。
この連動機構は、次のように構成されている。
なお、図8は図7に示す操作レバー75が規制位置にあるときの状態を示し、図14は図9に示す操作レバー75が解除位置にあるときの状態を示し、図15は操作レバー75が規制位置と解除位置との中間(図8と図14の中間) の位置にあるときの状態を示している。なお、図14において、中間転写ベルト19は、第2のアーム82の図示しないロールによって外側から押し上げられ、中間転写ベルト19が一次転写ロール20とともに、感光体ドラム14から離間するように構成されている。
また、張力調整ロール34が、中間転写ベルト19に張力を付与する位置を張力付与位置とし、張力を緩和する位置を張力緩和位置とする。また、一次転写ロール20が、中間転写ベルト19を感光体ドラム14に当接させる位置を当接位置とし、離間した位置を離間位置とする。
上記操作レバー75は、図7及び図8に示すように、回動軸86のフロント側の端部に取り付けられており、当該回動軸86のフロント側の端部近傍には、カム87が取り付けられている。このカム87には、凸部88が設けられており、当該凸部88は、一次転写ロール20が取り付けられた第2のアーム82の先端部分に形成された凹部89と係合するようになっている。また、このカム87には、凸部88と異なった角度に当接部90も設けられており、当接部90の側面90Aは、図8に示すように、張力調整ロール34が取り付けられた第1のアーム76に連結アーム79を介して連結されたカム80の側面80Aと当接するようになっている。
また、上記カム80は、回動軸91を中心にして回動可能となっている。なお、このカム80の回動軸91は、操作レバー75の回動軸86と、アーム76及びアーム82の共通の回動軸77と、を結ぶ線上の近傍に配置されている。
この操作レバー75が規制位置にあるときは、図8に示すように、カム87の凸部88がアーム81の凹部89に係合し、アーム82に取り付けられた一次転写ロール20を当接位置に保持し、中間転写ベルト19を感光体ドラム14に押し付けるようになっている。
さらに、操作レバー75が規制位置にあるときは、カム80の側面80Aが当接部90の側面90Aに当接することで、カム80の回動が規制され、張力調整ロール34が張力付与位置となる。また、テンションスプリング78の付勢力によって中間転写ベルト19に張力が付与される。
また、一次転写ロール20が取り付けられている第2のアーム82には、図8(b)に拡大して示すように、カム80の側面のスロープ80Bに当接する円柱状のスタッド92が形成されている。
上記操作レバー75を矢印W1のように回すと、図15に示すように、カム87も矢印W2に示すように回転する。カム87が回転すると当接部90が移動する。すなわち、カム80の側面80Aが当接する当接面90Aとが摺動する。このため、カム80は、テンションスプリング78の付勢力により、回動軸91を中心に矢印W3に示すように回転する。
カム80が回転することで、連結アーム79を介して連結されていた第1のアーム76が回転し、張力調整ロール34も矢印R2方向に移動する。
一方、カム87が回転することで、カム87の凸部90と第2のアーム82の凹部89との係合が解除されるとともに、凸部90の側面が凹部89の上端部に当接し、第2のアーム82を矢印W5方向に回転させる。さらに、カム80の側面のスロープ80Bに沿って、第2のアーム82のスタッド92が移動する。よって、一次転写ロール20が矢印R3方向に移動する。
そして、図9と図14とに示すように、操作レバー75が解除位置となると、図14( B)に拡大して示すように、スタッド92がスロープ80Bの端部の角部80Dを乗り越え、上面80Cに移動する。このため、クリック感が生じるとともに、連動機構全体がロックする。
つまり、操作レバー75が解除位置に固定され、張力調整ロール34は張力緩和位置に固定され、一次転写ロール20は離間位置に固定される。換言すると、ユーザーが操作レバー75から手を離しても、図9、図12の状態を維持する。
このように、図8、図14、図15の順番で示すように、操作レバー75を回して規制位置から解除位置に移動すると、連動して、一次転写ロール20が感光体ドラム14から離間する方向に退避した退避位置に移動するとともに、張力調整ロール34が中間転写ベルト19の内周側に移動して中間転写ベルト19にかかる張力を緩和する張力緩和位置に移動する。そして、この位置で固定される。
そして、図14の状態で固定されると、図中の点線で示すように、中間転写ベルト19が感光体ドラム14から離間する。したがって、感光体ユニット60を引き出し及び挿入(着脱)しても、感光体ドラム14と中間転写ベルト19が擦らないので、感光体ドラ14と中間転写ベルト19とに傷がつかない。
なお、操作レバー75を回して解除位置から規制位置にすると、連動して、一次転写ロール20が感光体ドラム14に中間転写ベルト19を当接させる当接位置に移動するとともに、張力調整ロール34が中間転写ベル19に張力を付与する張力付与位置に移動する動きは、上述した動きの逆である。
そして、前述し、図16に示すように、操作レバー75の凹部85に、感光体ユニット60のコロ82が係合し、操作レバー75が規制位置でロックされることで、連動機構全体がロックする。
以上の構成において、この実施の形態に係るカラー複合機では、次のようにして、感光体ドラム等の像担持体の交換作業を容易に行うことができるのは勿論のこと、感光体ドラム等の像担持体を交換した場合であっても、画像のレジストレーションが悪化して画質が低下するのを防止することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態に係るカラー複合機では、図2及び図3に示すように、画像形成動作を長期間実行して、感光体ドラム14が寿命に達した場合など、図4に示すように、ユーザーによって、感光体ユニット60をカラー複合機本体1から取り外して、新しい感光体ユニット60と交換する作業が行われる。
その際、ユーザーは、図7に示すように、感光体ユニット60をカラー複合機本体1から取り出すにあたり、操作レバー75を規制位置から、図14 に示す解除位置に回転させ、中間転写ベルト19の張力を緩和するとともに、当該中間転写ベルト19を一次転写ロール20と一緒に感光体ドラム14の表面から離間させるようになっている。
その後、ユーザーは、図4に示すように、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63を手で持って、手前側に引き出すとともに、感光体ユニット60に設けられたハンドルHを手で持って、カラー複合機本体1から取り出すようになっている。
そして、ユーザーは、同じく、図4に示すように、感光体ユニット60を取り外し操作とは逆に、新しい感光体ユニット60のハンドルHを手で持って、カラー複合機本体1の所定位置に挿入した後、操作レバー75を図14に示す解除位置から、図7及び図8に示すように規制位置へと回転させることにより、中間転写ベルト19に張力を付与するとともに、一次転写ロール20を中間転写ベルト19を介して感光体ドラム14の表面に当接させるようになっている。
このとき、操作レバー75を図14に示す解除位置から、図7及び図8に示すように規制位置へと回転させると、当該操作レバー75が取り付けられた回転軸86が反時計周り方向に回転し、この回転軸86に取り付けられたカム87及び当接部90が回転する。すると、上記カム87の凸部88は、図8に示すように、第2のアーム82の凹部89に係合して、当該第2のアーム82を押し下げ、この第2のアーム82に取り付けられた一次転写ロール20を、中間転写ベルト19を介して感光体ドラム14の表面に当接させる。
これと同時に、上記回転軸86に取り付けられた当接部90は、図8に示すように、カム80を押動して、第2のアーム82に取り付けられたスタッド92が、カム80の上面80Cから角部80Dを乗り越えてスロープ80Bへと移動するとともに、当該カム部80によって連結アーム79を介して第1のアーム76が、矢印R1方向に回転され、この第1のアーム76の先端に取り付けられた張力調整ロール34によって、中間転写ベルト19に張力が付与されるようになっている。
また、上記操作レバー75は、図17(a)に示す解除位置から、図17(b)の状態を経て、図17(c)に示す規制位置に回動された状態で、図1に示すように、感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63に設けられたストッパー111の突出部113を押圧した状態で停止し、当該感光体ユニット60には、ストッパー111に内蔵されたコイルスプリング110の反発力によって予圧が付与される。
そのため、上記カラー複合機では、図1に示すように、画像形成状態において、回転式の現像装置16のイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの現像器16Y、16M、16C、16Kのうち、所定の色の現像器が、図1に示すように、感光体ドラム14と対向する現像位置に移動して停止し、当該現像器の現像ロール17の両端部に設けられたトラッキングロール73、74を介して、感光体ドラム14に外乱として力Fが作用した場合であっても、感光体ユニット60には、ストッパー111に内蔵されたコイルスプリング110によって予圧が付与されており、当該感光体ユニット60のフロント側のサイドパネル63が、カラー複合機本体1のフロント側のパネル101に設けられた規制部材114、115に当接して位置が規制されているため、感光体ドラム14が軸方向に沿って移動することがない。
したがって、上記感光体ドラム14の表面に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の静電潜像を現像する際に、感光体ドラム14の位置が常に一定しており、スキューや位置ずれ等を生じることがなく、感光体ドラム14交換作業を容易に行うことができるのは勿論のこと、感光体ドラム14を交換した場合であっても、画像のレジストレーションが悪化して画質が低下するのを防止することが可能となっている。
実施の形態2
図18はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、像担持体ユニットに対して軸方向と直交する方向に予圧を付与する第2の予圧付与部材を備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図18に示すように、操作レバー75を規制位置に回動した際に、感光体ドラム14に対して軸方向と直交する方向、つまり現像器側に予圧を付与する第2の予圧付与部材120を備えるように構成されている。
この第2の予圧付与部材120は、操作レバー75の回動軸86に取り付けられた偏心カム121、122から構成されており、操作レバー75を規制位置に回動した際に、当該カム121、122によって感光体ユニット60を現像器側に付勢する予圧を付与するようになっている。
このように構成することによって、上記感光体ドラム14の表面に順次形成されるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の静電潜像を現像する際に、感光体ドラム14の位置が常に一定しており、スキューや位置ずれ等を生じることがなく、感光体ドラム14交換作業を容易に行うことができるのは勿論のこと、感光体ドラム14を交換した場合であっても、画像のレジストレーションが悪化して画質が低下するのをより一層確実に防止することが可能となっている。
その他の構成及び作用は、前記実施の形態と同一であるので、その説明を省略する。
なお、上記実施の形態1では、予圧付与部材として、付勢部材としてのコイルスプリング110によって突出する方向に付勢されたストッパー111を用いた場合について説明したが、予圧付与部材の構成としては、これに限定されるものではなく、感光体ユニット60に操作レバー75側に突出した突起を設け、操作レバー75が規制位置に回動した際に、当該操作レバー75が撓んだ状態に弾性変形して、感光体ユニット60に予圧を付与するように構成しても良い。この場合には、コイルスプリング110が不要となり、部品点数を減少させることができ、コストダウンが可能となる。
1:カラー複合機本体、14:感光体ドラム、19:中間転写ベルト、60:感光体ユニット、75:操作レバー、110:コイルスプリング、111:ストッパー(予圧付与部材)。