JP2007208831A - 絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置 - Google Patents

絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置 Download PDF

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【課題】簡素な回路によりゲート放電トランジスタのオフを早期化可能な絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置を提供すること。
【解決手段】絶縁ゲート型トランジスタ1は電流ドライバ10を通じてゲートドライブ回路7からの制御電圧Vaにより断続制御される。放電トランジスタ断続回路11は、OR回路12とNOT回路4とにより構成され、電流ドライバ10の出力電圧Veと制御電圧Vaとの論理和信号を反転してゲート放電トランジスタ2を断続制御する。ゲート放電トランジスタ2は、絶縁ゲート型トランジスタ1のオフ時にオンして絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電圧を低電位に固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置に関し、詳しくは、絶縁ゲート型トランジスタのオフ時にそのゲート電極に充電された電荷を放電するゲート放電トランジスタの制御に関する。
IGBTやMOSトランジスタなどの絶縁ゲート型トランジスタにより電気負荷に給電する負荷電流を断続駆動する絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置が広く使用されている。この種の絶縁ゲート型トランジスタでは、絶縁ゲート型トランジスタの電気負荷やラインのインダクタンス成分により、絶縁ゲート型トランジスタの状態遷移時において絶縁ゲート型トランジスタの主電極の電位変動が静電誘導により絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極電位を変調させ、絶縁ゲート型トランジスタが誤動作したり、動作不安定となったりする問題があった。
この問題に対処すべく、特許文献1は、図5に示すように、IGBTである絶縁ゲート型トランジスタ1と、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート容量を放電するMOSTであるゲート放電トランジスタ2と、絶縁ゲート型トランジスタ1のオン時にゲート放電トランジスタ2をオフするNOT回路(放電トランジスタ断続回路)4とをもつ絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置を提案している。NOT回路4は、絶縁ゲート型トランジスタ1を駆動するゲートドライブ回路(制御回路)7が出力する制御電圧Vaを電流増幅して絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極に印加する電流ドライバ(ドライブ回路)10の出力電圧を反転してゲート放電トランジスタ2のゲート電極に印加する。なお、図5では電流ドライバ10は、コンプリメンタリエミッタホロワ回路により構成されているがそれに限定されるものではない。図5の回路の各部波形を図6に示すタイミングチャートに示す。
この特許文献1の回路では、絶縁ゲート型トランジスタ1のオフ時にゲート放電トランジスタ2は絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電位を低インピーダンスで低電位源に接続(短絡)するため、ラインに重畳する電磁ノイズが、絶縁ゲート型トランジスタ1の主電極とゲート電極との静電容量を通じて絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極電位を変動させる不具合を防止することができる。
特開2003−324966号公報
しかしながら、図5に示す回路装置では、ゲートドライブ回路7が電流ドライバ10へ出力する制御電圧Vaがローレベルからハイレベルに変化した時点t1ではゲート放電トランジスタ2がオンしているため、電流ドライバ10が出力する絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極充電のための電流はゲート放電トランジスタ2を通じて放電されてしまい、図6のAに示すようにその分だけ絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電圧波形が鈍り、乱れる。その結果、このゲート電圧の増加が遅延して絶縁ゲート型トランジスタ1のターンオンが遅れたり、遅れ時間が不規則となって、その電力損失及び発熱が増大し、電気負荷オンタイミングも遅れてしまうという問題が生じた。図6に示すように、この問題は、NOT回路4の出力電圧が反転するまで続く。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、簡素な回路によりゲート放電トランジスタのオフを早期化可能な絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決する本発明の絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置は、電気負荷を断続駆動する絶縁ゲート型トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極と低位電源端とを接続するゲート放電トランジスタと、前記絶縁ゲート型トランジスタを駆動制御する制御電圧を出力する制御回路と、前記制御回路から出力された前記制御電圧により駆動されて前記絶縁ゲート型トランジスタを駆動するドライブ回路と、前記制御回路の出力端と前記絶縁ゲート型トランジスタの入力端との間の前記制御電圧の伝達経路中に配置されて前記制御電圧を時間遅延する機能を有する時間遅延回路素子の出力電圧に基づいて、前記絶縁ゲート型トランジスタのオン時に前記ゲート放電トランジスタをオフさせ、前記絶縁ゲート型トランジスタのオフ時に前記ゲート放電トランジスタをオンさせる放電トランジスタ断続回路とを備える絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置において、前記放電トランジスタ断続回路が、前記時間遅延回路素子の出力電圧と前記制御電圧との両方の論理和信号に実質的に相当する信号に基づいて前記ゲート放電トランジスタを断続制御することを特徴としている。
好適には、放電トランジスタ断続回路は、上記論理和信号を出力するOR回路と、このOR回路の出力を反転するNOT回路とを含むが、この論理和動作と否定動作をその他の論理回路で実現することは当然可能である。
また、上記で言う時間遅延回路素子は、制御回路の出力端と絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極との間に介設されて、制御回路が出力する制御電圧よりも時間遅延した信号電圧を出力する回路素子により構成される。好適には、時間遅延回路素子は、制御回路から出力される制御電圧を増幅する増幅回路であるドライブ回路により構成される。その他、このドライブ回路の入力端と制御回路の出力端とを接続する抵抗素子や、このドライブ回路の出力端と絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極とを接続する抵抗素子により上記時間遅延回路素子を構成しても良い。
すなわち、この発明では、従来同様、絶縁ゲート型トランジスタのオフ時にそのゲート電極を低位電源端に接続して電位固定するため、ライン重畳ノイズ電圧などが絶縁ゲート型トランジスタのゲート寄生静電容量などを通じてゲート電極に印加されても、絶縁ゲート型トランジスタが誤動作したり、動作不安定となったりするのを良好に防止することができる。
また、制御回路がドライブ回路へ出力する制御電圧がローレベルからハイレベルに変化すると、この制御電圧変化によりゲート放電トランジスタはオフする。その結果、その後にドライブ回路の出力状態(絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極電位)がローレベルからハイレベルに変化して絶縁ゲート型トランジスタをターンオン遷移させる際にゲート放電トランジスタが既にオフしているため、絶縁ゲート型トランジスタ充電用のドライブ回路の出力電流がゲート放電トランジスタによりバイパス放電されることがなく、絶縁ゲート型トランジスタは急速に充電されることができる。これにより、絶縁ゲート型トランジスタのターンオン遷移時間を短縮してその損失及び発熱を低減するとともに、絶縁ゲート型トランジスタのターンオンタイミングも安定化することができ、電気負荷へ速やかに給電することができる。
更に、この発明では、上記時間遅延回路素子の出力電圧と制御電圧との両方の論理和信号に実質的に相当する信号に基づいてゲート放電トランジスタを断続制御するため、絶縁ゲート型トランジスタのターンオフ時においては従来同様、制御電圧が十分に低下した後で、絶縁ゲート型トランジスタをオフすることができ、ターンオフ時の安定動作が可能となる。
好適な態様において、前記時間遅延回路素子の出力電圧は、前記時間遅延回路素子を兼ねる前記ドライブ回路の出力電圧からなる。このようにすれば、時間遅延回路素子として特別な回路素子を追設する必要がないため、回路構成を簡素化することができる。
本発明の絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置の好適な態様を以下の実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるものではなく、その他の技術を組み合わせて本発明の技術思想を実現してもよいことはもちろんである。
(回路構成)
まず、この実施形態の絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置の回路構成を図1に示すブロック図を参照して説明する。なお、絶縁ゲート型トランジスタ1としてはIGBTでもよく、MOSTでもよい。
この絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置は、IGBTである絶縁ゲート型トランジスタ1と、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート容量を放電するMOSTであるゲート放電トランジスタ2と、絶縁ゲート型トランジスタ1を駆動するゲートドライブ回路(制御回路)7と、ゲートドライブ回路(制御回路)7が出力する制御電圧Vaを電流増幅して絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極に印加する電流ドライバ(ドライブ回路)10と、絶縁ゲート型トランジスタ1のオン時にゲート放電トランジスタ2をオフするための放電トランジスタ断続回路11とをもつ。3は電流ドライバ10の出力端と絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極とを接続するいわゆるゲート抵抗素子、6はゲートドライブ回路7の出力端と電流ドライバ10の入力端とを接続するいわゆるベース抵抗素子である。絶縁ゲート型トランジスタ1はIGBTと並列接続された接合ダイオードを含んでいる。
ゲートドライブ回路7は、モノリシックIC化されたコントローラであって、外部入力信号に基づいて絶縁ゲート型トランジスタ1を断続するためのパルス信号電圧をなす制御電圧Vaを出力する。
電流ドライバ10は、周知のコンプリメンタリエミッタホロワ回路と、その二つのコレクタ電極を高電源電位源と低電源電位源とに個別に接続する二つのコレクタ抵抗8、9とからなる。
放電トランジスタ断続回路11は、ゲートドライブ回路7が出力する制御電圧Vaと、電流ドライバ10の出力電圧Veとが入力されるOR回路12と、OR回路12が出力する論理和信号電圧を反転するNOT回路4とからなる。また、抵抗素子6と電流ドライバ10とは本発明で言う時間遅延回路素子を構成している。
すなわち、図1に示すこの実施形態の回路は、図5に示す従来回路において、OR回路12を追加した点が異なっている。電流ドライバ10は、ゲートドライブ回路7が出力する制御電圧Vaを絶縁ゲート型トランジスタ1の駆動に必要な電力レベルまで増幅する回路であればよく、コンプリメンタリエミッタホロワ回路以外の増幅回路により構成されることができる。
(動作説明)
図1に示す回路の動作を図2に示すタイミングチャートを参照して説明する。
(絶縁ゲート型トランジスタ1のオン動作)
まず、絶縁ゲート型トランジスタ1のオン動作を説明する。
ゲートドライブ回路7が電流ドライバ10へ出力する制御電圧Vaがローレベルからハイレベルに変化した時点t1の直前ではゲート放電トランジスタ2がオンしているが、制御電圧Vaがハイレベルとなると、OR回路12を通じてNOT回路4が直ちにオフするため、その後、電流ドライバ10が出力する絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極充電のための電流はゲート放電トランジスタ2を通じて放電されてしまうことが無い。したがって、従来の欠点であった絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電圧波形の鈍り(図6のA参照)が生じることがなく、電流ドライバ10は高速に絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極を充電し、絶縁ゲート型トランジスタ1は速やかにオンすることができる。その結果、絶縁ゲート型トランジスタ1は、図5、図6に示す従来回路に比べて相対的に高速にターンオンすることができるため、ターンオン遷移時の電力損失及び発熱を低減することができる。すなわち、この実施形態では、電流ドライバ10の出力電圧が反転して絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極を充電する以前に、ゲートドライブ回路7がNOT回路4を通じてゲート放電トランジスタ2をオフさせるので、上記効果を奏することができる。
また、この実施例によれば、従来同様、絶縁ゲート型トランジスタのオフ時にそのゲート電極を低位電源端に接続して電位固定するため、ライン重畳ノイズ電圧などが絶縁ゲート型トランジスタのゲート寄生静電容量(図3を参照されたい)などを通じてゲート電極に印加されても、絶縁ゲート型トランジスタが誤動作したり、動作不安定となったりするのを良好に防止することができる。
(絶縁ゲート型トランジスタ1のオフ動作)
次に、絶縁ゲート型トランジスタ1のオフ動作を説明する。
ゲートドライブ回路7が電流ドライバ10へ出力する制御電圧Vaがハイレベルからローレベルに変化した時点t2では、ゲート放電トランジスタ2はオフしているため、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極に充電された電荷は、電流ドライバ10を通じてのみ放電されることになる。しかし、制御電圧Vaが時点t2にてローレベルに変化した後も、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極電位は、電流ドライバ10の出力電圧Veがローレベルに遷移し、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極に充電された電荷が放電されるまでは高い状態となる。したがって、時点t2から所定時間が経過し、絶縁ゲート型トランジスタ1のゲート電極に充電された電荷が電流ドライバ10を通じて放電されて低電位となる時点t3まで、NOT回路4はローレベルを出力し、ゲート放電トランジスタ2はオフ状態を維持する。
すなわち、この実施形態では、図5、図6に示す従来と同様、絶縁ゲート型トランジスタ1のターンオフ遷移時には、ゲート放電トランジスタ2のターンオンを所定時間ΔT=t3−t2だけ遅延することができる。したがって、このゲート放電トランジスタ2のターンオン遅延により、ゲート放電トランジスタ2が絶縁ゲート型トランジスタ1のターンオフを促進するのを防止することができる。
つまり、絶縁ゲート型トランジスタ1のターンオフ時においては従来同様、制御回路であるゲートドライブ回路7が出力する制御電圧Vaが十分に低下した後で、絶縁ゲート型トランジスタ1をオフすることができるのでターンオフ時の安定動作が可能となる。
(変形態様)
変形態様を図4に示す。この変形態様では、電流ドライバ10の入力端電圧Vbとゲートドライブ回路7が出力する制御電圧VaとがOR回路12に入力される。このようにすれば上記と同様の効果を奏することができる。
その他、制御電圧Vaと絶縁ゲート型トランジスタ1の入力電圧VcとをOR回路12に入力しても良い。
実施形態の回路を示す回路図である。 図1の回路の各部電圧波形を示すタイミングチャートである。 絶縁ゲート型トランジスタの寄生容量を示す等価回路図である。 変形態様を示す回路図である。 従来の回路を示す回路図である。 図5の回路の各部電圧波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 絶縁ゲート型トランジスタ
2 ゲート放電トランジスタ
4 NOT回路
6 抵抗素子
7 ゲートドライブ回路(制御回路)
8 コレクタ抵抗
10 電流ドライバ(ドライブ回路、時間遅延回路素子)
11 放電トランジスタ断続回路

Claims (2)

  1. 電気負荷を断続駆動する絶縁ゲート型トランジスタと、
    前記絶縁ゲート型トランジスタのゲート電極と低位電源端とを接続するゲート放電トランジスタと、
    前記絶縁ゲート型トランジスタを駆動制御する制御電圧を出力する制御回路と、
    前記制御回路から出力された前記制御電圧により駆動されて前記絶縁ゲート型トランジスタを駆動するドライブ回路と、
    前記制御回路の出力端と前記絶縁ゲート型トランジスタの入力端との間の前記制御電圧の伝達経路中に配置されて前記制御電圧を時間遅延する機能を有する時間遅延回路素子の出力電圧に基づいて、前記絶縁ゲート型トランジスタのオン時に前記ゲート放電トランジスタをオフさせ、前記絶縁ゲート型トランジスタのオフ時に前記ゲート放電トランジスタをオンさせる放電トランジスタ断続回路と、
    を備える絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置において、
    前記放電トランジスタ断続回路は、
    前記時間遅延回路素子の出力電圧と前記制御電圧との両方の論理和信号に実質的に相当する信号に基づいて前記ゲート放電トランジスタを断続制御することを特徴とする絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置。
  2. 請求項1記載の絶縁ゲート型トランジスタ駆動回路装置において、
    前記時間遅延回路素子の出力電圧は、前記時間遅延回路素子を兼ねる前記ドライブ回路の出力電圧からなる絶縁ゲート型トランジスタ。
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