JP2007206323A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】金属酸化物を着色剤として有し、画像濃度が高くカブリのない画像が得られる電子写真用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなり、前記モノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が2.0重量%以下であり、前記着色剤が、2種以上の金属を含有する金属酸化物を含有してなる、電子写真用トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーに関する。
電子写真プロセスにおいて、黒色画像形成用トナーには、従来、着色剤として黒色有機顔料であるカーボンブラックを含有させているのが一般的である。しかしながら、カーボンブラックは体積固有抵抗値が低く、現像に必要な帯電量を保持することが困難であるという欠点を有する。そこで、カーボンブラックの代替として、飽和磁化の低い金属酸化物を含有したトナーが開示されている(特許文献1〜3参照)。
特開2002−139865号公報 特開2004−53883号公報 特開2003−323004号公報
カーボンブラックの代替として金属酸化物を含有したトナーの開発が検討されているが、着色力の面からはカーボンブラックに劣り、黒色度をカーボンブラックと同等にするために金属酸化物を多量に含有する必要がある。しかしながら、金属酸化物はトナー中での分散性が低いために、トナーの低抵抗化、それに伴う帯電量レベルの低下によりカブリが発生しやすく、トナー用着色剤として利用が難しい。
本発明の課題は、金属酸化物を着色剤として有し、画像濃度が高くカブリのない画像が得られる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなり、前記モノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が2.0重量%以下であり、前記着色剤が、2種以上の金属を含有する金属酸化物を含有してなる、電子写真用トナーに関する。
本発明の電子写真用トナーは、金属酸化物を着色剤として有しても、画像濃度が高くカブリのない画像を供給することができるという優れた効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナーは、結着樹脂及び着色剤を含有し、結着樹脂として、特定のモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られ、前記モノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が2.0重量%以下であるポリエステルを、着色剤として、2種以上の金属を含有する金属酸化物を有する点に1つの特徴を有する。
従来の金属酸化物を使用したトナーは、分散不良に伴う帯電不良が発生しやすく、十分な黒色度を得ることが困難である。そこで本発明者らが検討したところ、金属酸化物を含有したトナーにおいて、ジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が2.0重量%以下である特定のモノアルキルスズ化合物を触媒として得られたポリエステルを結着樹脂として含有した場合に、帯電不良に伴うカブリや黒色度の低下が防止されることが判明した。その詳細な理由は不明なるも、ポリエステル中に残存する特定のモノアルキルスズ化合物と金属酸化物の電気的な相互作用により、金属酸化物の分散性が向上しているためと推測される。
前記特定のモノアルキルスズ化合物としては、炭素数が1〜18、好ましくは2〜12、より好ましくは4のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物としては、メチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、エチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、プロピルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、オクチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、ラウリルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、ステアリルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド、トリクロロブチルスズ等が挙げられるが、帯電特性の観点からブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドが好ましい。
炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量は2.0重量%以下であり、好ましくは1.0重量%以下であり、より好ましくは0.8重量%以下であり、さらに好ましくは0.6重量%以下である。モノアルキルスズ化合物中のジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物は、例えば、モノアルキルスズ化合物は溶解せず、ジアルキルスズ化合物及び/又はトリアルキルスズ化合物は溶解する溶剤に、ジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の含有量を低減しようとするモノアルキルスズ化合物を混合し、濾別する方法により低減することができる。例えば、ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドは溶解せず、ジブチルスズ化合物及びトリブチルスズ化合物は溶解する溶剤としては、例えば、アセトニトリル等が挙げられる。
ジアルキルスズ化合物としては、ジクロロブチルスズ、ジブチルスズオキサイド等が挙げられる。
トリアルキルスズ化合物としては、酢酸トリブチルスズ、臭化トリブチルスズ、クロロトリブチルスズ、水素化トリブチルスズ、酸化ビス(トリブチルスズ)、ビス(トリブチルスズ(IV))、硫酸ビス(トリブチルスズ)等が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物としては、例えば、MBTO(エーピーアイコーポレーション(株)製、ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド)等の市販品中のジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の含有量を必要に応じて適宜調整して用いることができる。
炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の含有量は、帯電の立ち上がり性及び触媒活性の観点から、ポリエステル中に10〜1200ppmが好ましく、200〜1100ppmがより好ましく、300〜1000ppmがさらに好ましく、400〜900ppmがさらに好ましい。
本発明におけるポリエステル中のジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量は、帯電量レベルの保持の観点から、重量基準で、0.1〜50ppmが好ましく、0.1〜40ppmがより好ましく、0.1〜30ppmがさらに好ましい。ジアルキルキスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の含有量の制御方法として、含有するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の含有量を予め低減したモノアルキルスズ化合物を使用する方法、縮重合反応時の条件を調整し、ジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物を分解させることにより低減する方法等が挙げられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等の、式(I):
Figure 2007206323
(式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5である)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの中では、帯電性と耐久性の観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。
ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、実質的に100モル%がさらに好ましい。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、例えば、不活性ガス雰囲気中にて、少なくともモノアルキルスズ化合物の存在下、180〜250℃の温度で行うことができる。例えば、縮重合反応を、230〜250℃程度の高温下で長時間行うことにより、ポリエステル中に残存するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物を低減することができる。
ポリエステルの軟化点は、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から、80〜160℃が好ましく、90〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。また、ガラス転移点は、低温定着性と保存性の観点から、50〜80℃が好ましく、55〜70℃がより好ましい。
なお、本発明におけるポリエステルは、変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとは、フェノール、ウレタン等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
本発明におけるポリエステルの結着樹脂中の含有量は、金属酸化物の分散性及び定着性の観点から、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
着色剤として、本発明のトナーには2種以上の金属を含有する金属酸化物が含有されている。
本発明における金属酸化物は、2種以上の金属により構成された金属の酸化物であるが、トナーの黒色度の観点から、元素周期表の第4周期の3〜11族に属する金属の酸化物により構成されているのが好ましい。元素周期表の第4周期の3〜11族には、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)及び銅(Cu)が属しており、これらの中では、Ti、Mn、Fe及びCuが好ましい。さらに、金属酸化物は、その少なくとも1種、好ましくは2種以上が前記元素周期表の第4周期の3〜11族に属する金属であるのが好ましく、2種類の金属は、画像特性の観点から、Fe及びTi、又はFe及びMnであることが好ましい。金属酸化物における金属の組成比は特に限定されない。
金属酸化物と結着樹脂との親和性が調整され、金属酸化物の分散性が高まる観点から、本発明における金属酸化物の単位面積当たりの吸油量は、0.07ml/m2以下が好ましく、より好ましくは0.0001〜0.05ml/m2、特に好ましくは0.001〜0.02ml/m2である。なお、本発明において、前記吸油量(ml/m2)は、JIS K5101の方法により測定される吸油量(ml/100g)と、比表面積(m2/100g)との値を用い、次式より求める。
Figure 2007206323
金属酸化物の平均粒径は、吸油量及び隠蔽力の観点から、5nm〜1μmが好ましく、5〜500nmがより好ましく、5〜300nmがさらに好ましい。
金属酸化物の製造方法としては、有機酸又はその塩の存在下、湿式酸化を行い金属酸化物を製造する方法(特開2005−170688号公報)、主酸化物を芯粒子とし、その表面に他の酸化物を付着させる方法(特開2000−10344号公報)、数種の酸化物を焼成して金属酸化物にする方法(特開平9−25126号公報)等が挙げられるが、特に限定されない。
本発明において好適な金属酸化物の市販品としては、「ダイピロキサイドブラックNo.1」(大日精化工業社製、主要含有金属:Cu,Mn,Fe)、「ダイピロキサイドブラックNo.2」(大日精化工業社製、主要含有金属:Fe,Mn,Cu)、「HSB-603Rx」(戸田工業社製、主要含有金属:Mn,Fe)、「HSB−605」(戸田工業社製、主要含有金属:Fe,Mn)、「ETB−100」(チタン工業社製、主要含有金属:Ti,Fe)、「MC−3」(三井金属鉱業社製、主要含有金属:Fe,Mn,Cu)、「MC−6」(三井金属鉱業社製、主要含有金属:Fe,Mn)、「MC−7」(三井金属鉱業社製、主要含有金属:Fe,Mn)等が挙げられる。
金属酸化物の含有量は、トナーの黒色度及び比重の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、5〜45重量部がより好ましく、10〜40重量部がさらに好ましく、10〜35重量部がさらに好ましい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲で色目や帯電量レベル調整のため、公知の着色剤を含有してもよいが、カーボンブラックは含有しないことが好ましい。画像特性の観点から、着色剤中の金属酸化物の含有量は、70〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましく、実質的に100重量%であることがさらに好ましい。
本発明のトナーには、離型剤、荷電制御剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の添加剤が、適宜添加されていてもよい。
トナーは、混練粉砕法、乳化凝集法、スプレイドライ法、重合法等の公知の方法により製造することができる。混練粉砕法により粉砕トナーを製造する一般的な方法としては、例えば、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等をボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級する方法等が挙げられる。さらに、製造過程における粗粉砕物や、得られたトナーの表面に、必要に応じて疎水性シリカ等の流動性向上剤等を添加してもよい。本発明のトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、4〜8μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、磁性トナー、非磁性トナーのいずれであってもよいが、二成分現像剤にも使用することが容易な非磁性トナーであることが好ましく、単独で一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合するための二成分現像剤用トナーとして用いられる非磁性トナーとして使用することができる。本発明において、非磁性トナーとは、常磁性体、反磁性体、又は飽和磁化が2.5Am2/kg以下の磁性体をいう。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔金属酸化物の平均粒径〕
電界放射走査型電子顕微鏡(SEM)(日立製作所製、S-4000)を用い、5万倍の倍率で観察し、100個の粒子の平均値を平均粒径とする。
〔金属酸化物の吸油量(ml/100g)〕
JIS K5101の方法により、アマニ油吸油量を測定する。
〔金属酸化物の比表面積(m2/100g)〕
窒素吸着法(BET法)により測定する。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
スズ触媒の精製
水/アセトニトリルが1/1(容量比)の混合溶媒100mlに2Mの塩酸10mlを添加した後、クロロホルムに溶解させたモノアルキルスズ化合物「MBTO」(エーピーアイコーポレーション(株)製、ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド(MBTO)の含有量:97.4重量%、ジブチルスズ化合物(DBT)の含有量:2.5重量%、トリブチルスズ化合物(TBT)の含有量:0.1重量%)を溶液に加え、振とうしたのち、分液ロートを用いて水相とアセトニトリル相に分離した溶液からアセトニトリル相のみを除去した。この操作を、DBT及びTBTの含有量が所望の範囲となるまで繰り返した。MBTO、DBT及びTBTの含有量を表1に示す。
なお、本実施例において、MBTO、DBT及びTBTの含有量は、以下の方法により測定した。
〔MBTO、DBT及びTBTの含有量の測定〕
試料を抽出溶液(KOHのメタノール溶液)で処理する。さらに抽出液をテトラエチルホウ酸ナトリウムで処理し、得られたアルキル化合物をGC/MS/SIMで定量する。また、触媒の主成分であるブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイドについては、GCで定量する。詳細を以下に示す。
(1) 試料溶液の調製
試料として、触媒0.1g又は樹脂1.0gを使用し、図1に示すフローチャートに従って前処理し、GC/MS/SIM測定用の試料溶液を調製する。触媒の試料溶液は最終的に100mlとし、樹脂の試料溶液は最終的に10mlとする。
(2) 標準溶液の調製
市販のトリクロロブチルスズ、ジクロロジブチルスズ、クロロトリブチルスズの混合溶液から3つの標準溶液(定量用に1ppm、0.1ppm、定量下限用に10ppb)を調製する。
(3) 測定装置
GC-MS:GC mate II(日本電子社製)
GC:GC-2010型(島津製作所製)
(4) GC測定条件
カラム:CP-SIL-5CB(0.25mmID×60m)
温度:100℃〜250℃(5℃/min)
注入口温度:250℃
キャリヤーガス:ヘリウム(1ml/min)
注入量:1μl
(5) MS測定条件
検出:選択的イオンモニタリング(SIM)
加速電圧:4kv
イオン源温度:180℃
測定質量数:m/z=179(モノブチル)
m/z=263(ジブチル、トリブチル)
Figure 2007206323
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2218g、テレフタル酸1603g及び表2に示すスズ触媒を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下230℃で反応率が90%に達するまで反応させた。その後、8.3kPaにて所望の軟化点に達するまで反応を行い、樹脂A〜Cを得た。
Figure 2007206323
金属酸化物製造例1
(1) 溶液1の調製
水60lに水酸化ナトリウム8kgを溶解させ、さらに500mlの温水に溶解させた55.3gの酒石酸を添加して溶液1を得た。
(2) 溶液2の調製
水35lに硫酸第一鉄を溶解させて溶液2を得た。硫酸第一鉄の添加量は、Fe2+換算で4000gであった。
(3) 溶液3の調製
温水5lに硫酸チタニルを溶解させて溶液3を得た。硫酸チタニルの添加量は、Ti4+換算で277gであった。
(4) 湿式酸化
溶液2及び溶液3を混合し50℃に加温した。この混合液を、85℃に加温した溶液1に添加混合し、反応液を得た。反応液に水酸化ナトリウムを添加してpH10.5に調整後、反応液に空気を吹き込み湿式酸化を行った。このときの空気の吹き込み量は5l/minとし、Fe2+の消費速度は1時間当たり5.9g/lであった。未反応のFe2+が存在しなくなったことを確認して空気の吹き込みを停止した。その後、反応液に塩酸を添加してpH6に中和し、固液分離して金属酸化物A(複合酸化鉄)(主要含有金属:Fe,Ti、平均粒径:150nm)を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜2
表3に示す結着樹脂、着色剤、ポリプロピレンワックス「NP-105」(三井化学社製)2重量部及び荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学工業社製)1重量部をヘンシェルミキサーに投入し、槽内温度40℃で2分間攪拌混合して混合物を得た。得られた混合物を連続型二軸混練機により100℃で溶融混練し、空気中で冷却後、ロートプレックス(スクリーン2mm目開き)を用いて粗粉砕した。該粗粉砕物をジェットミル粉砕機(IDS-2)を用いて微粉砕後、分級し、体積中位粒径(D50)が8.0μmの黒色粉体を得た。得られた粉体100重量部と疎水性シリカ「アエロジルR972」(日本アエロジル社製、平均粒径16nm)1重量部をヘンシェルミキサーで3分間攪拌混合して、トナーに外添処理を施した。
試験例1〔画像濃度〕
各実施例及び比較例で得られたトナーを市販の複写機「COLOR PAGEPRESTO N4-612」(カシオ電子工業社製)に実装し、ベタ画像(50mm×50mm)の印刷を行った。得られた画像について、「X-rite model1938」(X-rite社製、アパチャー20mm、測定モードYxy、光源D65、視野角10degree)を用いてY値を測定し、画像濃度I.D.=log(1/Y)を求め、以下の評価基準に従って画像濃度を評価した。結果を表3に示す。
〔画像濃度の評価基準〕
〇:I.D.が1.4以上
△:I.D.が1.2以上、1.4未満
×:I.D.が1.2未満
試験例2〔カブリ〕
得られたトナーで白紙を置いて印刷した後、感光体を取り出した。感光体表面に残存しているトナーをメンディングテープに移しとった。かかるメンディングテープと未使用のメンディングテープとをそれぞれ白紙に貼り付け、両者の画像濃度を色差計「CR-221」(ミノルタ社製)にてZ値を測定し、その差(Z値(印刷後のメンディングテープ)-Z値(未使用のメンディングテープ))を求め、以下の評価基準に従ってカブリを評価した。結果を表3に示す。
〔カブリの評価基準〕
◎:Z値の差が0.0以上、1.0未満
〇:Z値の差が1.0以上、2.0未満
△:Z値の差が2.0以上、3.0未満
×:Z値の差が3.0以上
Figure 2007206323
以上の結果より、実施例1〜4のトナーは特定のモノアルキルスズ化合物を触媒として合成したポリエステル及び金属酸化物を含有しても、カブリのない良好な画像を提供できることが分かる。一方、特定のモノアルキルスズ化合物以外の触媒で合成したポリエステルを含有している比較例1のトナーは、良好な画像を提供できず、本発明の効果は得られないことが分かる。また、特定のモノアルキルスズ化合物の触媒で合成したポリエステルを含有しているがカーボンブラックを使用した比較例2のトナーは、高い画像濃度が得られているが、カブリが非常に多い結果となっている。
本発明により得られる電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に用いられる。
図1は、ブチルスズ(IV)ヒドロキシオキサイド(MBTO)、ジブチルスズ化合物(DBT)、トリブチルスズ化合物(TBT)の含有量の測定において、GC/MS/SIM測定に用いる試料溶液の調製方法を示すフローチャートである。

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーであって、前記結着樹脂が、炭素数1〜18のアルキル基を有するモノアルキルスズ化合物の存在下、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなり、前記モノアルキルスズ化合物中に不純物として存在するジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が2.0重量%以下であり、前記着色剤が、2種以上の金属を含有する金属酸化物を含有してなる、電子写真用トナー。
  2. ポリエステル中のモノアルキルスズの含有量が10〜1200ppmである、請求項1記載の電子写真用トナー。
  3. ポリエステル中のジアルキルスズ化合物及びトリアルキルスズ化合物の総含有量が0.1〜50ppmである、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
  4. アルコール成分が、式(I):
    Figure 2007206323
    (式中、ROはアルキレンオキサイドであり、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数であり、xとyの和は1〜16である)
    で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を含有してなるポリエステルである、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
  5. 金属酸化物を、結着樹脂100重量部に対して1〜30重量部含有してなる請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
  6. トナーが非磁性トナーである、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナー。
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