JP2017191148A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents
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また、形度分布が広い非球状不定形シリカを、球形シリカと同じ添加量で比較した場合、転写性能は低下する。また、画像印字比率が低い画像を出力し続けた場合には、転写性を補助する遊離シリカが移動してしまい、外添剤がトナー粒子の表面で不均一に存在することになる。その結果、トナーが部分的に劣化し、転写性や帯電性にばらつきが生じ、画像濃度の変化が大きくなる場合があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、長期使用時においても、転写性、画像均一性、耐カブリ性、画像濃度維持性、帯電部材耐汚染性などが維持されるトナーを提供することを目的とする。
結着樹脂、結晶性材料、及び着色剤を有するトナー粒子と、該トナー粒子の表面に存在する無機微粒子を有するトナーであって、
該結晶性材料は、結晶性エステル化合物及び又は、結晶性エーテル化合物であり、
該無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径が60nm以上300nm以下であり、
該トナー粒子の表面に固着された無機微粒子及び該トナー粒子の表面に存在するが固着されていない該無機微粒子による該トナーの被覆率X(%)が、5%以上60%以下であり、
該被覆率Xの変動係数が0.45以下であるトナーが提供される。
本発明のトナーは、結着樹脂、結晶性材料、及び着色剤を含有するトナーである。トナー粒子の表面に無機微粒子を有する。結晶性材料は結晶性エステル化合物及び又は、結晶性エーテル化合物である。無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は60nm以上300nm以下である。無機微粒子によるトナーの被覆率X(%)は、5%以上60%以下である。表面被覆率の変動係数は0.45以下である。変動係数は、標準偏差を平均値で割ったものである。
従来、トナーの転写性の向上とその性能を維持することを目的に、トナー粒子の形状を略球形状(以下、凹部を有するじゃが芋形状ともいう)にして、スペーサー効果を有する大粒径外添剤(以下、スペーサー粒子ともいう)を添加したトナーが使用されてきた。しかしながら、トナー表面に凹部が存在すると、スペーサー粒子が転がり、凹部に偏在してしまいスペーサー効果が低下していた。そして、スペーサー粒子が転がらないように従来の方法で固着させるためには、強い物理的衝撃力を加える必要があり、スペーサー粒子がトナー粒子の表面に埋め込まれスペーサーとしての効果が低減してしまう。
本発明のトナーは、スペーサー粒子である無機微粒子によるトナーの被覆率をX(%)とした場合、被覆率Xが5%以上60%以下であり、該表面被覆率の変動係数が0.45以下である。さらに好ましくは、被覆率Xが10%以上50%以下であり、該表面被覆率の変動係数が0.40以下である。
トナー粒子に添加する該無機微粒子の質量部数は、スペーサー効果による耐久安定性を確保することと、該無機微粒子を多量に添加することによるトナー表面からの離脱を抑制することとを両立させる必要がある。そこでトナー粒子に添加する該無機微粒子の質量部数は、トナー粒子100質量部に対して、1.0質量部以上10.0質量部以下が好ましく、1.5質量部以上8.0質量部以下がさらに好ましい。
該無機微粒子による該トナー粒子の表面被覆率の変動係数は、該無機微粒子の粒径や質量部数に加え、外添時の混合条件等を変えることで制御することができる。
ゾルゲル法で製造されたシリカ微粒子は、加水分解・縮合反応工程における反応温度、有機溶媒の種類、アルコキシシランの滴下速度、並びに、水、有機溶媒及び触媒の重量比、撹拌速度などによって個数平均粒径を制御することが可能である。
強い衝撃力で混合して固着させる方法では、トナー粒子の表面に無機微粒子を均一に拡散させた後、固着するまでさらに混合するため、トナー表面の凸部から凹部に無機微粒子が転がり落ち、偏在しやすい。さらに凹部の無機微粒子には混合による衝撃力がかかりにくいため、固着させることがより一層難しくなる。その結果、遊離する無機微粒子が発生しやすくなり、部材汚染等による帯電不良の原因となる場合がある。
(形状係数SF1=(π/4)×(L2/A)×100、形状係数SF2=(1/4π)×(l2/A)×100であり、Lは最大長、lは周囲長、Aは投影面積を表す。)
形状係数SF1が上記範囲にある場合、トナー表面への無機微粒子の付着状態がより均一となりやすく、トナーの帯電均一性が高まり、高温高湿環境下での転写性に優れ、画像のがさつきが良化する。また、形状係数SF2が上記範囲にある場合、適度にトナー表面の凹凸が存在するため、さらに高温高湿環境下での転写性が向上し、耐久後においても画像のがさつき感の低下を抑制できる。
本発明のトナーは結晶性材料を含有する。
結晶性材料は、結晶性エステル化合物、および/または結晶性エーテル化合物であることが重要である。結晶性エステル化合物、結晶性エーテル化合物の一方または双方を用いることで、メインバインダーのポリエステル樹脂を可塑し低温定着性を向上させることができる。また可塑効果を十分に発揮させるためには、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
上記アルコール成分のうち、炭素数6〜12の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールの含有量が50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
該結晶性ポリエステルは、非晶性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下含有することが好ましい。
本発明のトナーは結着樹脂を含有する。
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、特に限定されないが、定着性能の観点からポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。ポリエステル樹脂のポリエステルユニットに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価もしくは3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価もしくは3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。ここで、分岐ポリマーを作製する場合には、結着樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルユニットの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;
式(B)で示されるジオール類。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステル。これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
・ビニル系樹脂やビニル系共重合ユニット及びポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応を行う方法。
本発明のトナーは必要に応じてワックスを含有してもよい。
例えば、以下のものが好ましく用いられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合あるいは低圧下でチーグラー触媒又はメタロセン触媒で重合した低分子量のアルキレンポリマー。高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー。一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス。さらにプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化水素ワックスの分別を行ったものが、より好ましく用いられる。母体としての炭化水素は、以下のものが、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であるので好ましい。金属酸化物系触媒(多くは2種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの[例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物]。ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素。エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素。特にアルキレンの重合によらない方法により合成されたワックスがその分子量分布からも好ましいものである。また、パラフィンワックスも好ましく用いられる。
本発明のトナーは着色剤を含有する。
本発明のトナーに含有される着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
本発明では、流動性の向上や摩擦帯電量の調整のために、熱処理前および/または熱処理後に外添剤が添加されていてもよい。
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりコア粒子を製造する製造方法である。乳化凝集法では、樹脂微粒子の乳化工程、凝集工程、融合工程、冷却工程、洗浄工程を経てトナーが製造される。また必要に応じて、冷却工程後にシェル化工程を加え、コアシェルトナーにすることもできる。
ポリエステル樹脂を主成分とする樹脂微粒子は公知の方法で調製できる。例えば、前記樹脂を有機溶剤に溶かして水系媒体に添加し、界面活性剤や高分子電解質と共にホモジナイザーなどの分散機により水系媒体に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を除去することにより、樹脂粒子分散液を作製することができる。溶解させるために使用する有機溶剤としては、前記樹脂を溶解させるものであればどのようなものでも使用可能であるが、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、クロロホルムなどが溶解性の観点から好ましい。
凝集工程とは、上述の樹脂微粒子、色材微粒子、離型剤微粒子を必要量に応じて混合し混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる粒子を凝集し、凝集体を形成させる工程である。当該凝集体を形成させる方法としては、例えば凝集剤を上記混合液中に添加・混合し、温度、機械的動力等を適宜加える方法が好適に例示できる。
前記凝集剤の添加・混合は、混合液中に含まれる樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)以下の温度で行うことが好ましい。この温度条件下で上記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。上記混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサー等を用いて行うことができる。
融合工程とは、上記凝集体を、樹脂のガラス転移温度(Tg)以上に加熱し融合することで、凝集体表面を平滑化させた粒子を製造する工程である。一次融合工程に入る前に、トナー粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤等を適宜投入することができる。
冷却工程とは、上記粒子を含む水系媒体の温度を、コア用樹脂のガラス転移温度(Tg)より低い温度まで冷却する工程である。冷却をTgより低い温度まで行わないと、粗大粒子が発生してしまう。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
また本発明では必要に応じて、下記の洗浄乾燥工程の前にシェル化工程を入れることができる。シェル化工程はこれまでの工程で作製した粒子に、樹脂微粒子を新たに添加し付着させて、シェル化させる工程である。
このようなシェル層を構成する樹脂としては、特に限定はなく、トナーに用いられる公知の樹脂、例えばポリエステル樹脂、スチレン−アクリル共重合体などのビニル系重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。なかでも、ポリエステル樹脂またはスチレン−アクリル共重合体が好ましく、定着性及び耐久性の観点から、ポリエステル樹脂がより好ましい。ポリエステル樹脂は、主鎖中に剛直な芳香環を有する場合、スチレン−アクリル共重合体のようなビニル系重合体にくらべ可撓性を有するため、ビニル系重合体より低分子量のものであっても同等の機械的強度を付与できる。そのため、低温定着性に適した樹脂としてもポリエステル樹脂が好ましい。
本発明においては、上記のシェル層を構成する結着樹脂は単独で用いても良いが、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記工程を経て作製した粒子を、洗浄、ろ過、乾燥等することにより、乳化凝集トナー粒子を得ることができる。水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムでpHを調整されたイオン交換水で洗浄ろ過を行い、続いて、イオン交換水で洗浄、ろ過を複数回行うことが好ましい。この方法で、洗浄を行うことによって、加水分解によって発生したモノマー成分を効率的に除去することができる。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂及びワックス、並びに必要に応じて着色剤、荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、三井ヘンシェルミキサ、ナウターミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)(旧三井三池化工機(株)))などが挙げられる。
本発明では、上記製法により得られた粒子を熱処理前トナー粒子として熱処理を施すことが好ましい。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
その後、必要に応じ選択された無機微粉体や樹脂粒子などの外部添加剤を加えて混合(外添)することにより、例えば流動性付与、帯電安定性を向上させたトナーを得ることができる。
<被覆率X・変動係数の算出>
被覆率Xは以下の手法で算出する。
被覆率は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー粒子の表面の画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上に前記の乳化凝集法又は溶融混練法を用いて得られたトナー粒子を吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナー粒子を試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
被覆率の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、被覆率を精度良く測定することができる。
S−4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筐体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を10,000(10k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。撮影するトナー粒子については、トナー粒子の最大長Lが、0.8×D4≦L≦1.2×D4の範囲にあるトナー粒子を選択する。これは、体積平均粒径に近い平均的なトナー粒子を用いることを目的としている。
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー粒子100粒子以上について画像を得る。
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を画像処理することで表面被覆率を算出する。
画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0の解析条件は以下の通りである。
ソフトImage−ProPlus5.1J
トナー粒子1つについて、トナー粒子の長径を長辺とするトナー粒子の外接長方形を9分割した長方形エリアについてそれぞれ解析し、被覆率を求める。
上記9分割した長方形エリアの画像にトナー粒子の表面ではないバックグラウンドが写っている場合、トナーの表面部分のみをAOI(Area of Interst;対象領域)としてから以下の解析を行う。AOIツールから自由曲線AOIボタンを選択し、トナーの表面部分の輪郭をなぞる閉じた曲線を描くことでAOIを定義することができる。ツールバーの「測定」から「カウント/サイズ」の順に選択し、「輝度レンジの選択」欄で「明るいオブジェクトを自動抽出」を選択する。オブジェクト抽出オプションの中で8連結を選択し、平滑化を0とする。その他、予め選別、穴を埋める、包括線は選択せず、「境界線を除外」は「なし」とする。ツールバーの「測定」から「測定項目」を選択し、面積の選別レンジを2〜107とする。「カウント」を押下し、外添剤粒子成分を抽出する。
被覆率(%)=(P/S)×100
トナー粒子100個について同様の操作を繰り返し、被覆率の平均値を求め、トナーの被覆率Xとし、また変動係数の平均値を求め被覆率Xの変動係数とする。
被覆率Yは、まず、トナー表面に固着されていない無機微粒子を除去し、その後に被覆率Xの算出と同様の操作を行って、算出する。
固着されていない無機微粒子の除去は下記のように行う。
イオン交換水100mLにスクロース160gを加え、湯せんしながら溶解させ、ショ糖溶液を調製する。上記ショ糖溶液23mLとノニオン系界面活性剤、好ましくはコンタミノンN(和光純薬工業(株)製:商品名)を6.0mL加えて調製した溶液を、密閉できる50mLのポリエチレン製サンプルビンに入れ、測定試料1.0gを加えて密閉する。密閉した容器を軽く振って撹拌したのち1時間静置する。1時間静置したサンプルを、KM shaker振とう機(イワキ産業:商品名)により350spmで20分間振とうする。このとき、振とうする角度は、振とう器の真上(垂直)を0度とすると、前方に15度、後方に20度、振とうする支柱が動くようにする。サンプルビンは支柱の先に取り付けた固定用ホルダ(サンプルビンの蓋が支柱中心の延長上に固定されたもの)に固定する。振とうしたサンプルを、速やかに遠心分離用の容器に移す。遠心分離用の容器に移し替えたサンプルを、高速冷却遠心機H−9R((株)コクサン製:商品名)にて、設定温度は20℃、加速減速は最短時間、回転数は3500rpmで回転時間を30分間、の条件で遠心分離する。最上部に分離したトナーを回収し、減圧濾過器でろ過した後、乾燥器で1時間以上乾燥する。
上述の乾燥後のトナーを上述の被覆率Xと同様にトナー粒子100個について被覆率を算出し、被覆率Yを得る。
無機微粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面の画像から算出される。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
上述した「被覆率Xの算出」と同様に(1)〜(2)まで操作を行い、(3)と同様にトナー表面を倍率5万倍で焦点調整を行ってピントを合わせた後、ABCモードで明るさ合わせを行う。その後、倍率を10万倍とした後に(3)と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、更に、オートフォーカスでピントを合わせる。焦点調整の操作を再度繰り返し、10万倍にてピントを合わせる。
トナーの形状係数SF1及びSF2の測定は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面の2次電子像を用いて行う。100個のトナー粒子を撮影し、前述の画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0を使用して、トナー粒子の最大長、周囲長、及び投影面積を算出した。下記式にて形状係数SF1及びSF2を得た。
SF2=(1/4π)×(l2/A)×100
Lは最大長、lは周囲長、Aは投影面積を表す。
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流量で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては例えば、東ソー社製あるいは昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば以下の組み合わせが挙げられる。昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807,800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合せ。
また、試料は以下のようにして作製する。
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
結晶性材料、ワックスの融点は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定したDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。なお、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピーク温度を融点とする。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
具体的な測定法は以下の(1)〜(7)の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャのフラッシュ」機能により、アパーチャチューブ内の汚れと気泡を除去する。
・「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に下記の単量体を仕込み、エステル化触媒としてテトラブトキシチタネート0.03質量部を添加し、窒素雰囲気下、温度220℃に昇温して、撹拌しながら5時間反応を行った。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物(BPA−PO):
58.7質量部
テレフタル酸: 39.2質量部
無水トリメリット酸: 2.1質量部
次いで、反応容器内を5〜20mmHgの減圧条件下で、さらに5時間反応を行い、結着樹脂1(重量平均分子量5,500、ガラス転移温度60℃)を得た。
・1,6−ヘキサンジオール 50.0質量部
・ドデカン二酸 50.0質量部
・2−エチルヘキサン酸錫 1.0質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、6時間反応させ、次いで、200℃まで10℃/時間で昇温しつつ反応させてポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性樹脂1は、重量平均分子量10,000、示差走査熱量分析によるDSC曲線において、70℃に最大吸熱ピークを有した。
1−オクタデセンオキシド100質量部、1,10−デカンジオール0.95質量部を混合し、窒素気流下で155℃に加熱した。カリウム tert-ブトキシド0.61質量部を添加し、さらに窒素気流下、150℃で3時間反応を行った。得られた樹脂をイソプロピルアルコールで2度再結晶することで結晶性樹脂2(結晶性ポリエーテル樹脂)を得た。
結晶性樹脂2は、重量平均分子量8,000、示差走査熱量分析によるDSC曲線において、70℃に最大吸熱ピークを有した。
<結着樹脂微粒子分散液(1)>
前記結着樹脂1 100質量部をテトラヒドロフラン150質量部に溶解した。このテトラヒドロフラン溶液を室温においてホモジナイザー(IKAジャパン製:ウルトラタラクス)にて10,000rpmで2分間攪拌した。攪拌しながら、界面活性剤として水酸化カリウム5質量部およびドデシルベンゼン−スルホン酸ナトリウム10質量部を添加したイオン交換水1,000質量部を滴下した。この混合溶液を約75℃に加温することによりテトラヒドロフランを除去した。その後、固形分が8%になるようにイオン交換水で希釈し、体積平均粒径0.09μmの結着樹脂微粒子分散液(1)を得た。
前記結着樹脂微粒子分散液(1)の調製において、前記結着樹脂1を前記結晶性樹脂(1)に代えた以外は同様にして結晶性樹脂微粒子分散液(2)を得た。
色材(シアン顔料大日精化工業(株)製:Pigment Blue 15:3)10質量部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1.5質量部
イオン交換水 88.5質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)を用いて約1時間分散して、色材を分散させてなる色材微粒子の水系分散液を調製した。また、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装(株)製)を用いて測定し、0.20μmであった。
離型剤(フィッシャートロプシュワックス、融点89℃) 10質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンRK) 1質量部
イオン交換水 89質量部
撹拌条件:ローター回転数19,000rpm、スクリーン回転数19,000rpm
分散処理後、ローター回転数1000rpm、スクリーン回転数0rpm、冷却速度10℃/分の冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、離型剤微粒子の水系分散液を得た。また、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装(株)製)を用いて測定し、0.15μmであった。
結着樹脂微粒子分散液(1) 85質量部(樹脂相当分)
結晶性樹脂微粒子分散液(2) 15質量部(結晶性樹脂相当分)
色剤微粒子 6質量部(色剤相当分)
離型剤微粒子 4質量部(離型剤相当分)
1.5質量%硫酸マグネシウム水溶液 10質量部
イオン交換水 残部
全量 100質量部
トナー1の概要を表1、物性を表2にそれぞれ示す。
表1に示す通り、材料の添加部数、熱処理温度を変更し製造を行った。トナー2〜10、17〜19の概要を表1、物性を表2にそれぞれ示す。
トナー1の製造例において、熱処理を行わず以下の条件に変更して製造した。
得られたトナー粒子1 100質量部に、一次粒子の個数平均粒径110nmのシリカ微粒子を4.0質量部、一次粒子の個数平均粒径15.0nmのシリカ微粒子 1.0質量部を添加した。そして、ミキサー(FM−75型)を用いて、回転数20.0s−1、回転時間3分間で混合した。得られた混合物をCOMPOSI(流動式混合機型 複合化機CP−15型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数66.7s−1、回転時間1分間で混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー11を得た。トナー11の概要を表1、物性を表2にそれぞれ示す。
・結着樹脂1 90.0質量部
・結晶性樹脂2 10.0質量部
・離型剤(フィッシャートロプシュワックス、融点89℃) 4.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
トナー12の概要を表1、物性を表2にそれぞれ示す。
表1に示す通り、材料の添加部数、熱処理温度を変更し製造を行った。トナー13〜16、20、21の概要を表1、物性を表2にそれぞれ示す。
該トナー1とシリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア粒子(個数平均粒径35μm)とで、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V−10型:(株)徳寿製作所)で0.5s−1、回転時間5分間で混合し、二成分系現像剤1を得た。
二成分系現像剤1を用い、評価を行った結果を表3に示す。
画像形成装置として、キヤノン(株)製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255改造機を用いた。温度、湿度が異なる環境下において2万枚(A4横通紙)の耐久画像出力試験を行い、以下の方法で評価を行った。
常温常湿(温度23℃/相対湿度50%)環境下(以下「N/N環境」)、パターン画像1
高温高湿(温度30℃/相対湿度80%)環境下(以下「H/H環境」)、画像印字比率40%
低温低湿(温度15℃/相対湿度10%)環境下(以下「L/L環境」)、画像印字比率1%
転写性評価は、H/H環境での耐久画像出力試験後に、ベタ画像(トナーの紙上への載り量は0.40mg/cm2)を出力し評価した。ベタ画像形成時の感光体ドラム上の転写残トナーを、透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取った。はぎ取った粘着テープを紙上に貼り、その濃度(濃度A)を分光濃度計500シリーズ(X−Rite社)で測定した。また、粘着テープのみを紙上に貼り、その際の濃度(濃度B)も測定した。前者の濃度から後者の濃度の値を差し引いた濃度差(濃度A−濃度B)を算出し、この濃度差を以下に示す評価基準に基づいて評価した。本発明においてD評価以上であれば、許容レベルである。
A: 濃度差が0.05未満
B: 濃度差が0.05以上0.10未満
C: 濃度差が0.10以上0.15未満
D: 濃度差が0.15以上0.20未満
E: 濃度差が0.2以上
画像均一性の評価は、H/H環境での耐久画像出力試験後に、A3紙全面にハーフトーン画像(トナーの紙上への載り量は0.15mg/cm2)を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値の差を求めた。画像濃度は、分光濃度計500シリーズ(X−Rite社)により濃度測定を行い、以下の基準で判断した。本発明においてD評価以上であれば、許容レベルである。
A:ハーフトーン領域の濃度差が、0.04未満
B:ハーフトーン領域の濃度差が、0.04以上0.08未満
C:ハーフトーン領域の濃度差が、0.08以上0.12未満
D:ハーフトーン領域の濃度差が、0.12以上0.16未満
E:ハーフトーン領域の濃度差が、0.16以上
耐カブリ性の評価は、H/H環境での耐久画像出力試験後に、A3紙前面にベタ白画像を印字し、以下の基準で判断した。印字しない紙の6点の平均反射率Dr(%)と、印字した紙の6点の平均反射率Ds(%)とを、リフレクトメータ((有)東京電色製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定し、カブリ率(%)を求めた。本発明においてD評価以上であれば、許容レベルである。
カブリ率(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:カブリ率が0.5%未満
B:カブリ率が0.5%以上1.0%未満
C:カブリ率が1.0%以上2.0%未満
D:カブリ率が2.0%以上3.0%未満
E:カブリ率が3.0%以上
画像濃度維持性の評価は、L/L環境での耐久画像出力試験後に、A3紙全面にベタ画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。分光濃度計500シリーズ(X−Rite社)により濃度測定を行い、5点の平均値をとって画像濃度とし、下記の指標で判断した。本発明においてD評価以上であれば、許容レベルである。
耐久後の画像濃度維持率=(耐久画像出力試験後の画像濃度)/(耐久画像出力試験開始前の画像濃度)
A:耐久後の画像濃度維持率が95%以上
B:耐久後の画像濃度維持率が90%以上95%未満
C:耐久後の画像濃度維持率が85%以上90%未満
D:耐久後の画像濃度維持率が80%以上85%未満
E:耐久後の画像濃度維持率が80%未満
帯電部材耐汚染性の評価は、N/N環境で行った。出力するパターン画像として、紙の通紙方向に対して平行方向に、2mm幅の帯状のベタ部と18mm幅の帯状の白地部が、繰り替えし配置されたパターン画像1を用いた。このとき、パターン画像1におけるベタ部におけるトナーの紙上への載り量を0.40mg/cm2とした。該パターン画像1を100枚出力した時点と、2万枚出力した時点において、一度出力を停止した後、紙上の全面がベタ部であるパターン画像2を出力した(ベタ部におけるトナーの紙上への載り量は0.40mg/cm2)。
A:画像濃度差が0.03未満
B:画像濃度差が0.03以上、0.05未満
C:画像濃度差が0.05以上、0.08未満
D:画像濃度差が0.08以上、0.12未満
E:画像濃度差が0.12以上
がさつきの評価は、H/H環境での耐久画像出力試験の前後に行った。A4紙の全面にハーフトーン画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。評価紙は、コピー用紙Multi−Purpose Paper(8.5インチx11インチ、坪量75g/m2、キヤノンUSAより販売)を用いた。この画像を目視にて観察し、がさつきについて以下の基準に基づき評価した。本発明においてD評価以上であれば、許容レベルである。
A:全くがさつきを感じなく、なめらかである。
B:がさつきを余り感じない。
C:僅かにがさつき感がある。
D:ガサツキ感がある。
E:がさつき感が非常に強い。
実施例1と同様にして二成分系現像剤を得た。
実施例1と同様にして評価を行った結果を表3に示す。
実施例1と同様にして二成分系現像剤を得た。
実施例1と同様にして評価を行った結果を表3に示す。
2.圧縮気体流量調整手段
3.導入管
4.突起状部材
5.供給管
6.処理室
7.熱風供給手段
8.冷風供給手段
9.規制手段
10.回収手段
11.熱風供給手段出口
12.分配部材
13.旋回部材
14.粉体粒子供給口
Claims (5)
- 結着樹脂、結晶性材料、及び着色剤を有するトナー粒子と、該トナー粒子の表面に存在する無機微粒子とを有するトナーであって、
該結晶性材料は、結晶性エステル化合物及び又は、結晶性エーテル化合物であり、
該無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径が60nm以上300nm以下であり、
該トナー粒子の表面に固着された無機微粒子及び該トナー粒子の表面に存在するが固着されていない無機微粒子による該トナーの被覆率X(%)が、5%以上60%以下であり、
該被覆率Xの変動係数が0.45以下である
ことを特徴とするトナー。 - 該トナー粒子の表面に固着された該無機微粒子による被覆率を被覆率Y(%)としたとき、該被覆率Yの該被覆率Xに対する比[被覆率Y/被覆率X]が、0.60以上である請求項1に記載のトナー。
- 該トナー粒子の表面に固着された該無機微粒子が、該トナーを熱により処理することによって固着されたものである請求項1又は2のいずれかに記載のトナー。
- 該トナー粒子は、
凹部を有するじゃが芋形状であり、
形状係数SF1が110以上150以下であり、
形状係数SF2が105以上140以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
(ただし、SF1=(π/4)×(L2/A)×100、SF2=(1/4π)×(l2/A)×100であり、Lは最大長、lは周囲長、Aは投影面積を表す。) - 分散された樹脂粒子を凝集させ凝集粒子を形成する工程と、
該凝集粒子を融合させる工程により得られる融合粒子を含有するトナーの製造方法であり、
該トナーは請求項1〜4のいずれかに記載のトナーであることを特徴とするトナーの製造方法。
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