JP7250557B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
従来、複写機等の電子写真式の画像形成装置には粒子状現像剤が使用され、現像剤の画像形成に伴う消費を、現像剤補給カートリッジからの補給により補い印刷する構成となっている。
こうした従来の現像剤補給カートリッジに用いられる現像剤補給容器としては、例えば、特許文献1に記載の装置では、現像剤補給容器に設けた蛇腹ポンプを用いて現像剤を排出する方式を採用している。具体的な方法としては、蛇腹ポンプを伸長させて現像剤補給容器内の気圧を大気圧よりも低い状態にすることで、現像剤補給容器内へ空気を取り込んで現像剤を流動化する。更に、蛇腹ポンプを収縮させて現像剤補給容器内の気圧を大気圧よりも高い状態にすることで、現像剤補給容器内外の圧力差により、現像剤を押し出して排出する。この2つの工程を交互に繰り返すことで、現像剤を安定排出する構成になっている。しかしながら、現像剤容器は、輸送時の振動等あるいは保管状態により容器内部で現像剤がタッピングされ過渡に圧密状態になる可能性があり、その際、上記の如き内圧変動により排出制御を行う方式では、一度に大量の現像剤が排出されるフラッシングと呼ばれる現象が発生する可能性がある。
一方、現像剤に用いるトナーにおいても、無機微粒子等を添加することによりの流動性を改善し、現像剤補給容器からの排出性を安定化させる提案もされている。
例えば、特許文献2においては、硫酸バリウム粒子等の無機微粒子をトナー表面に付着させる提案がされている。低抵抗物質により表面被覆した硫酸バリウムによりトナーの帯電特性を改善することが可能となるが、流動性の改善効果は少なく、更には、トナー表層に付着させるため、長期の使用においては、硫酸バリウム粒子が脱離し、画像形成装置内に他の部材を汚す等の弊害を引き起こし易い。
また、現像剤は、保管環境の温湿度により、その流動性の変動があり、如何なる環境下においても安定排出/高い補給精度を満足するためには、安定的な流動性を示すトナーが必要とされている。
特開2010-256894号公報 特許316837号公報
本発明の目的は、上記の課題を解決することである。すなわち、如何なる保管環境/使用環境においても、画像形成装置へのトナーの補給精度がより高いトナーを提供することである。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と硫酸バリウム粒子とを含有するトナーであって、
該硫酸バリウム粒子は、一次粒子の個数平均粒径が50nm以上200nm以下であり、且つ、該トナーは、該硫酸バリウム粒子を、トナー粒子100質量部に対して、3.00質量部以上15.0質量部以下含有し、
且つ、該硫酸バリウム粒子は、該トナー粒子に対する固着率が、80%以上95%以下であり、
且つ、X線光電子分光分析により算出された該トナー粒子表面に対する該硫酸バリウム粒子の被覆率が10.2%以上50.0%以下であることを特徴とするトナーに関する。
本発明のトナーによれば、如何なる保管状態におかれても現像剤補給容器から現像剤を精度よく排出することができ、高印字比率で多数枚の印刷を行った場合でも画像濃度変動が抑制される。
本発明に用いられる熱球形化処理装置の図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と硫酸バリウム粒子とを含有するトナーであって、該硫酸バリウム粒子は、一次粒子の個数平均粒径が30nm以上300nm以下であり、
且つ、該トナーは、該硫酸バリウム粒子を、トナー粒子100質量部に対して、0.10質量部以上15.0質量部以下含有し、
且つ、該硫酸バリウム粒子は、該トナー粒子に対する固着率が、80%以上95%以下であり、
且つ、X線光電子分光分析により算出された該トナー粒子表面に対する該硫酸バリウム粒子の被覆率が5.0%以上50.0%以下であることを特徴とする。
すなわち、高比重である硫酸バリウムをトナー表層近傍に配置させることによりトナーの転がり慣性力が増加しトナー間の凝集、及びトナー容器内壁への付着性を低下させ、良好なトナー流動性を維持できる一方で、従来、トナー粒子に硫酸バリウム粒子を外添すると、硫酸バリウム粒子がトナー表面に埋め込まれにくいため、トナーの最表層にむき出しのまま存在することで、帯電性が低下することがあった。
それに対し、本発明では、硫酸バリウム粒子をトナー表面に特有の固着率で固着させることで、摩擦帯電性の低下を防止できることを見出した。その理由は明確ではないが、本発明者らは、硫酸バリウム粒子がトナー表面に埋め込まれて存在しているため、摩擦帯電性も良好なレベルを維持できたと考えている。
本発明で用いられる硫酸バリウム粒子の一次粒子の個数平均粒径は30nm以上300nm以下である。好ましくは50nm以上150nm以下であり、更に好ましくは70nm以上100nm以下である。
該硫酸バリウム粒子の一次粒子の個数平均粒径が30nm未満である場合、トナー表面に配置させた場合、表層の凹凸がでにくく近接トナー粒子間凝集が発生し易く、流動性付与効果が発現しない。また、該硫酸バリウム粒子の一次粒子の個数平均粒径が300nmより大きいと、トナー粒子とキャリア粒子等の帯電付与物質との接触機会が不十分となり易く、摩擦帯電における帯電安定性が悪化し易い。
本発明において、該硫酸バリウム粒子は、一次粒子の個数平均粒径が上記の範囲を満たせば特に制限されず、市販品も使用することができる。また、いずれの製法によって得られるものも使用することができる。
該硫酸バリウム粒子の添加量は、容器安定排出性、帯電安定性の効果を発現するために、トナー粒子100質量部に対して0.10質量部以上15.0質量部以下である。更に好ましくは、3.00質量部以上7.00質量部以下である。硫酸バリウム粒子の添加量が、0.10質量部未満である場合、十分なトナーの転がり慣性力が得られず流動性を維持できない。15.0質量部以上である場合、トナー自体の比重が大きくなり流動性へ悪影響を与える。
また、X線光電子分光分析により算出された該トナー粒子表面に対する該硫酸バリウム粒子の被覆率が5.0%以上50.0%以下であることを特徴とする。
被覆率が5.0%未満である場合、トナー粒子近傍へ硫酸バリウム粒子が配置されておらず十分な転がり慣性を得ることができず、流動性不良から、容器排出性等に問題が発生する。また被覆率が50.0%を超える場合、硫酸バリウム粒子とキャリアとの接触回数がふえ、摩擦帯電性においてトナーの帯電が不均一をなり帯電不良を引き起こす。
該硫酸バリウム粒子は、体積固有抵抗が1×105Ω・cm以上1×108Ω・cm未満であることが好ましい。上記範囲をとることで、トナーの電荷の蓄積及び漏洩のバランスがとれ、安定した帯電性能を有することができる。また、体積固有抵抗は、硫酸バリウム粒子表面に結晶性の酸化錫被膜を形成することで調整することもできる。
本発明においてその目的を達成するに好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
[結着樹脂]
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
これらの中で、低温定着性、帯電性制御の観点で、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリエステル樹脂としては、「ポリエステルユニット」を結着樹脂鎖中に有している樹脂であり、該ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とが挙げられる。
例えば、該2価以上のアルコールモノマー成分として、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられるアルコールモノマー成分としては、芳香族ジオールであり、ポリエステル樹脂を構成するアルコールモノマー成分において、芳香族ジオールは、80モル%以上の割合で含有することが好ましい。
一方、該2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上18以下のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
これらの中で好ましく用いられる酸モノマー成分としては、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸である。
また、該ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上10000以下であることが、低温定着性の観点で好ましい。
[ワックス]
本発明のトナーは、必要に応じワックスを含有することができる。本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸の如き脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如きアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。 これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下で使用されることが好ましい。該ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温での耐ホットオフセット性を維持に効率的に発揮することが可能となり易い。
また、トナーの保存性と耐高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体]
また、本発明におけるトナーでは、ワックスとして炭化水素系ワックスを含有する場合、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を含有することがワックスを樹脂中に分散させるために好ましい。中でも、ビニル系樹脂にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体又はポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体を更に含有することが好ましい。
該重合体が含有された場合、ワックスと樹脂との相溶性が促進され、ワックス分散不良による帯電不良、部材汚染などの弊害を引き起こしにくくなる。
また該ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体の含有量は、非晶性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、非晶性樹脂中にワックスの分散状態が均一となり易い。
ビニル系樹脂にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体に関して、ポリオレフィンは二重結合を一つ有する不飽和炭化水素の重合体または共重合体であれば特に限定されず、様々なポリオレフィンを用いることができる。特にポリエチレン系、ポリプロピレン系が好ましく用いられる。
ビニル系基を有するモノマーとしては、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレン、3,4-ジクロルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n-オクチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n-デシルスチレン、p-n-ドデシルスチレンの如きスチレン及びその誘導体などのスチレン系単位。
メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きアミノ基含有α-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのN原子を含むビニル系単位。
マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β-不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β-不飽和酸無水物、前記α,β-不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系単位。
2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4-(1-ヒドロキシ-1-メチルブチル)スチレン、4-(1-ヒドロキシ-1-メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系単位。
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸-n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸-n-オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸-2-エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸-2-クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸-n-ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸-n-オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸-2-エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα-メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位
が挙げられる。
本発明に用いられるポリオレフィンにビニル系モノマーがグラフト重合したグラフト重合体は、前述したこれらの重合体同士の反応や、一方の重合体のモノマーと他方の重合体との反応等、公知の方法によって得ることができる。
ビニル樹脂の構成単位として、スチレン系単位、さらにはアクリロニトリル、またはメタアクリロニトリルを含むのが好ましい。
[着色剤]
本発明のトナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタ着色染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1の如き油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28の如き塩基性染料。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアン着色染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
[荷電制御剤]
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[流動性向上剤]
本発明は、結着樹脂、着色剤及び硫酸バリウム粒子を有するトナーであるが、他の無機微粉体等の流動性向上剤を用いることができる。流動性向上剤としては、以下のものが挙げられる。フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ;これらのシリカをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、又はシリコーンオイル等により表面処理した処理シリカ。好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカである。
その中でも、ケイ素ハロゲン化合物の気相酸化により生成されたシリカ微粉体を疎水化処理した処理シリカ微粉体が好ましく用いられる。処理シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって滴定された疎水化度が30以上98以下であることが好ましい。
シリカ微粉体の疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応する有機ケイ素化合物、あるいはシリカ微粉体を物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理する方法が挙げられる。好ましい方法は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する方法である。有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフエニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α-クロルエチルトリクロルシラン、β-クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1-ヘキサメチルジシロキサン、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシロキサン、およびジメチルポリシロキサン。これらは1種あるいは2種以上の混合物で用いられる。
シリカ微粉体は、シリコーンオイルによって処理されていても良く、また、シリコーンオイルと上記有機ケイ素化合物とを併用して処理されていても良い。シリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm2/s以上1000mm2/s以下であるものが好ましい。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α-メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルによるシリカ微粉体の疎水化処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。シランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤中にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法。シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)で加熱し、表面のコートを安定化させたものがより好ましい。
無機微粉体は、トナー粒子100.0質量部に対して0.1質量部以上8.0質量部以下用いることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上4.0質量部以下である。
[その他外添剤]
本発明では、流動性向上や摩擦帯電量調整のために、その他の外添剤が添加されていてもよい。当該外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウムの如き無機微粒子が好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができるが、混合できればよく、特に装置は限定されるものではない。
[キャリア]
本発明のトナーは、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることが好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
[製造方法]
本発明のトナー製造方法は、トナーの原材料であるトナー組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕することを特徴とする。製造方法の例を挙げて説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、着色剤、無機微粒子A及び無機微粒子B、並びに必要に応じてワックス、着色剤、荷電制御剤等の他の成分を、所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に他原材料等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面処理を行うこともできる。
本発明では、必要に応じ、上記製法により得られたトナー粒子表面に無機微粉体や樹脂粒子などの添加剤を加えて混合分散させ、その分散させた状態で熱風による表面処理により添加剤をトナー粒子表面に固着させてもよい。
例えば、図1で表される表面処理装置を用いて熱風により表面処理を行い、必要に応じて分級をすることによりトナーを得ることができる。
原料定量供給手段1により定量供給された混合物は、圧縮気体調整手段2により調整された圧縮気体によって、原料供給手段の鉛直線上に設置された導入管3に導かれる。導入管を通過した混合物は、原料供給手段の中央部に設けられた円錐状の突起状部材4により均一に分散され、放射状に広がる8方向の供給管5に導かれ熱処理が行われる処理室6に導かれる。
このとき、処理室に供給された混合物は、処理室内に設けられた混合物の流れを規制するための規制手段9によって、その流れが規制される。このため処理室に供給された混合物は、処理室内を旋回しながら熱処理された後、冷却される。
供給された混合物を熱処理するための熱は、熱供給手段7から供給され、分配部材12で分配され、熱風を旋回させるための旋回部材13により、処理室内に熱風を螺旋状に旋回させて導入される。その構成としては、熱風を旋回させるための旋回部材13が、複数のブレードを有しており、その枚数や角度により、熱風の旋回を制御することができる。処理室内に供給される熱風は、熱風供給手段7の出口部における温度が100℃乃至300℃であることが好ましく、130℃乃至170℃であることがより好ましい。熱風供給手段の出口部における温度が上記の範囲内であれば、混合物を加熱しすぎることによるトナー粒子の融着や合一を防止しつつ、トナー粒子を均一に球形化処理することが可能となる。このときの平均円形度としては、0.955以上0.980以下であることが好ましい。熱風は熱風供給手段出口11から供給される。
更に熱処理された熱処理トナー粒子は冷風供給手段8から供給される冷風によって冷却され、冷風供給手段8から供給される温度は-20℃乃至30℃であることが好ましい。冷風の温度が上記の範囲内であれば、熱処理トナー粒子を効率的に冷却することができ、混合物の均一な球形化処理を阻害することなく、熱処理トナー粒子の融着や合一を防止することができる。冷風の絶対水分量は、0.5g/m3以上15.0g/m3以下であることが好ましい。
次に、冷却された熱処理トナー粒子は、処理室の下端にある回収手段10によって回収される。なお、回収手段の先にはブロワー(不図示)が設けられ、それにより吸引搬送される構成となっている。
また、粉体粒子供給口14は、供給された混合物の旋回方向と熱風の旋回方向が同方向になるように設けられており、表面処理装置の回収手段10は、旋回された粉体粒子の旋回方向を維持するように、処理室の外周部に設けられている。さらに、冷風供給手段8から供給される冷風は、装置外周部から処理室内周面に、水平かつ接線方向から供給されるよう構成されている。粉体供給口から供給される熱処理前トナー粒子の旋回方向、冷風供給手段から供給された冷風の旋回方向、熱風供給手段から供給された熱風の旋回方向がすべて同方向である。そのため、処理室内で乱流が起こらず、装置内の旋回流が強化され、熱処理前トナー粒子に強力な遠心力がかかり、熱処理前トナー粒子の分散性が更に向上するため、合一粒子の少ない、形状の揃った熱処理トナー粒子を得ることができる。
本発明において該硫酸バリウム粒子は、熱風による表面処理を行う前に添加してもよく、さらに表面処理後に添加してもよい。
その後、必要に応じ選択された無機微粉体や樹脂粒子などの外部添加剤を加えて混合他の無機微粒子を外添し、流動性付与、帯電安定性を向上させてもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
本発明のトナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
<硫酸バリウム粒子の固着率の測定方法>
硫酸バリウム粒子の固着率の測定方法は、水洗法を用い、硫酸バリウム粒子を含有したトナーを溶液に分散させて遠心分離を掛け、水洗前後における該硫酸バリウム量を測定することによって、該硫酸バリウム粒子の、トナー中の残存量を算出し、固着率とする。詳細を以下に示す。
(1)RO水100mlに特級スクロース粉末160gを加え、湯せんをしながら溶解させショ糖溶液を調製する。
(2)50ml遠心分離用チューブに(1)で作製したショ糖溶液24mlと、分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を6ml入れた後、トナー約1gを導入する。
(3)上記(2)で作製したチューブをシェイカーにセットし、振とう数6s-1、振とう時間20minの条件で振とうさせる。
(4)上記(3)で作製した振とう後の溶液を、50mlスイングローター用ガラスチューブに入れ、遠心分離機に回転数58s-1、回転時間30minの条件で遠心分離を掛け、トナーと溶液、及び遊離外添剤を分離する。
(5)トナーは最上層、溶液は中層、遊離外添剤は最下層に分離されるので、最上層のトナーを採取する。
(6)上記(5)で採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥させる。
(7)上記(6)で乾燥させたトナー中のBa元素量と、初期トナー中のBa元素量を蛍光X線測定装置(XRF)で測定し、下記式(I)にて固着率を算出する。
式(I) 固着率[A]={1-(P1-P2)/P1}×100
〔式中、P1は初期のトナーの硫酸バリウム量「質量%」、P2はXRF測定による水洗後のトナーの硫酸バリウム量「質量%」である。トナーの硫酸バリウム量は、XRF測定で求められるトナーのBa元素強度から検量線を引き、算出した。〕
<硫酸バリウム粒子の被覆率の測定方法>
本発明において、トナー表面の硫酸バリウムによる被覆率は、X線光電子分光分析(ESCA)による表面組成分析を行い算出される。ESCAの装置及び測定条件は、下記の通りである。
使用装置:PHI社(Physical Electronics Industries, INC.)製、Quantum 2000 Scanning ESCA Microprobe
測定条件:
X線源;AlKα(100μ25W15KV)
Angle;45°
Pass Energy;58.70eV
以上の条件により測定された各元素のピーク強度から、PHI社提供の相対感度因子を用いて表面原子濃度(atomic%)を算出する。測定元素としては、C、O、Si、Ti、Caを測定した。
トナー表面の硫酸バリウム粒子の被覆率[B]は下式(II)から求められる。
式(II) 被覆率[B]=100×C1/C2
〔式中、C1はX線光電子分光分析算出のトナー中のBa存在比率[atomic%]、C2はX線光電子分光分析算出のトナー中のBa存在比率、C存在比率、O存在比率、Si存在比率、及びTi存在比率の和[atomic%]である。〕
該被覆率[B]は、硫酸バリウム粒子の粒径や添加量でコントロールすることが可能である。
<硫酸バリウム粒子の体積抵抗率の測定方法>
硫酸バリウム粒子の体積抵抗率は、以下のようにして測定する。装置としてはケースレーインスツルメンツ社製6517型エレクトロメータ/高抵抗システムを用いる。直径25mmの電極を接続し、電極間に硫酸バリウム粒子を厚みが約0.5mmとなるように乗せて、約2.0Nの荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
硫酸バリウム粒子に1,000Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、以下の式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×L
R:抵抗値(Ω)
L:電極間距離(cm)
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS-150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<樹脂またはトナーのピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法>
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF-801、802、803、804、805、80 6、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソ-社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
<外添剤の個数平均粒径(D1)の測定方法>
外添剤の個数平均粒径(D1)については、走査型電子顕微鏡(白金蒸着、印加電圧2.0kV、50,000倍)により、粒径1nm以上の粒子をランダムに500個以上抽出し、それぞれの粒子の長軸と短軸をデジタイザにより測定した。長軸と短軸の平均値を各粒子の粒径とし、500個以上の粒子の個数平均粒径(D1)を算出した。
<トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように該専用ソフトの設定を行った。
該専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに該電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに該電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)上記(2)のビーカーを該超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ該電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した該(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の該専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
<ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度、樹脂のガラス転移温度Tg>
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、ワックスを10mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30℃以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、ワックスの最大吸熱ピークとする。
また、樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度測定と同様に、樹脂を10mg精秤し測定する。温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化前と比熱変化後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度Tgとする。
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例中、実施例6、9、10は参考例である。また、「部」は「質量部」を意味する。
<硫酸バリウム粒子の製造例>
(硫酸バリウム粒子の製造例1)
硫酸バリウム(製品名:W-1、竹原化学工業社製)と分散剤(商品名:エアロール(固形分濃度72.0%)、東邦化学工業株式会社製)とをイオン交換水に加えて撹拌し、高圧ホモジナイザ(製品名:nano3000、株式会社美粒社製)にて室温25℃、170MPaで微粒子化し、その後、塩酸でpH2に調整した。さらに、四塩化錫溶液を添加して撹拌し、水酸化ナトリウムを加えpHを11にした。ここで固形分を分離し、酸素欠損構造になるように酸素濃度を調節した環境下で焼成し、表面に酸素欠損構造を持った結晶性の低抵抗酸化錫で被覆した硫酸バリウムの微粉体を得た。該微粉体は母体に対して30質量%の低抵抗酸化錫で被覆されており、体積抵抗率は7.6×103Ω・cmであった。
(硫酸バリウム粒子の製造例2乃至11)
硫酸バリウム粒子の製造例1において、高圧ホモジナイザでの微粒子化条件及び四塩化錫の添加量を調整し、表1に示す通りの硫酸バリウム粒子2乃至11を得た。
Figure 0007250557000001
<樹脂の製造例>
(結着樹脂製造例1)
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン76.9部(0.167モル%)、テレフタル酸24.1部(0.145モル%)、及びチタンテトラブトキシド0.5部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、180℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸1.0部(0.010モル%)を添加し、160℃で1時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂1を得た。
この結着樹脂1のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)6,500、数平均分子量(Mn)2,500、ピーク分子量(Mp)3,700、軟化点は90℃であった。
(結着樹脂製造例2)
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン71.3部(0.155モル%)、テレフタル酸24.1部(0.145モル%)、及びチタンテトラブトキシド0.6部をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸5.8部(0.030モル%)を添加し、180℃で10時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂2を得た。
この結着樹脂2のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)200,000、数平均分子量(Mn)5,000、ピーク分子量(Mp)10,000、軟化点は130℃であった。
(ビニル系樹脂の製造例)
・不飽和結合を1つ以上有するポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる吸熱ピークが100℃) 20部
・スチレン 59部
・アクリル酸-n-ブチル 18.5部
・アクリロニトリル 2.5部
上記原料をオートクレーブに仕込み、系内を窒素置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のジ-tert-ブチルパーオキシドのキシレン溶液50部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンに共重合体がグラフトしたビニル系樹脂を得た。ビニル系樹脂のTHF可溶分のGPCによる分子量は、重量平均分子量(Mw)7400、数平均分子量(Mn)2800であり、軟化点(Tm)は110℃、ガラス転移温度(Tg)は64℃であった。
<トナーの製造例>
(トナー製造例1)
・結着樹脂1 70.0部
・結着樹脂2 30.0部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 5.0部
・上記ビニル系樹脂 3.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 4.0部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山社製)でよく混合した後、温度120℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、池貝社製)で溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。
次に、得られた粗砕物を、ターボ工業社製のターボ・ミル(T-250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5.8μmの微粉砕物を作製した。
次に、得られた微粉砕物をハンマー形状と数を改良したホソカワミクロン社製の粒子設計装置(製品名:ファカルティ)を用いて分級を行い、平均円形度が0.944のトナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1 100部に、一次粒子の個数平均粒径が150nmの硫酸バリウム粒子1 5.5部を添加した。ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s-1、回転時間2minで混合し、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行った。運転条件はフィード量=5kg/hrとし、また、熱風温度=220℃、熱風流量=6m3/min.、冷風温度=5℃、冷風流量=4m3/min.、冷風絶対水分量=3g/m3、ブロワー風量=20m3/min.、インジェクションエア流量=1m3/min.とした。得られた処理トナー粒子1は、平均円形度が0.964、重量平均粒径(D4)が6.3μmであった。
得られた処理トナー粒子1 100部に、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径が10nmの疎水性シリカ微粒子0.8部を添加した。ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、回転時間2min混合して、トナー1を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
(トナー製造例2乃至10)
トナー製造例1において、硫酸バリウム粒子の種類および添加量を、表2に示すとおりに変更する以外は同様にしてトナー2乃至10を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
(比較トナー製造例1)
製造例1で製造されたトナー粒子1 100部に、一次粒子の個数平均粒径が80nmの硫酸バリウム粒子5 5.5部と、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した一次粒子の個数平均粒径が10nmの疎水性シリカ微粒子0.8部を添加した。ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井三池化工機(株)製)で回転数30s-1、回転時間2min混合して、比較トナー1を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
(比較トナー製造例2乃至6)
比較トナー製造例1において、表2に示すとおりに硫酸バリウム粒子の種類及び添加量に変更する以外は同様にして、比較トナー2乃至6を得た。得られたトナーの物性を表2に示す。
Figure 0007250557000002
<二成分系現像剤の製造例>
(二成分系現像剤の製造例1)
トナーの製造例1により作成したトナー1とシリコーン樹脂で表面被覆した磁性フェライトキャリア(個数平均粒径35μm)を、キャリア100.0部に対して、トナー1が10.0部になるようにV型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5minで混合して作製した現像剤1を得た。
(二成分系現像剤の製造例2乃至10及び比較二成分系現像剤の製造例1乃至6)
現像剤の製造例2においてトナー1をトナー2乃至10及び比較トナー1乃至6に変更する以外は同様にして現像剤2乃至10及び比較現像剤1乃至6を得た。
[実施例1]
<排出性試験>
(評価1)圧密状態からの排出性試験
本発明の、現像剤補給装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5560を用いて行った。
現像剤補給容器に現像剤1を700g充填し、排出部を下方にした状態で、振幅10cmにて、30000回のタッピングをし現像剤の圧密状態を形成した。
その後、上記現像剤補給カートリッジを現像剤補給装置に装着し、現像剤補給容器の回転数を0.5s-1とし、現像剤の排出量を毎秒ごとに計測し、平均排出量と毎秒ごとの排出量の標準偏差を算出した。また、現像剤550gの排出終了後、再度上記のタッピングを行った後、同様の排出量計測を行い、現像剤補給カートリッジの使用初期/後期の排出精度を評価した。
評価結果を表3に示す。
評価基準 毎秒ごとの現像剤排出量の標準偏差
A:0.20未満 非常に優れている
B:0.21以上0.30未満 良好である
C:0.31以上0.40未満 本発明では問題ないレベルである
D:0.41以上 本発明では許容できない
(評価2)環境変動状態での排出性試験
上記現像剤補給カートリッジを用い、40℃/95%RH環境下で、200gの現像剤排出評価を行った後、評価環境を温度10℃/湿度10%RHに変更し同様の排出評価を行い同様に平均排出量、標準偏差を算出した。評価結果を表3に示す。
(評価基準)毎秒ごとの現像剤排出量の標準偏差
A:0.20未満 非常に優れている
B:0.20以上0.30未満 良好である
C:0.30以上0.40未満 本発明では問題ないレベルである
D:0.40以上 本発明では許容できない
<現像性試験>
(評価1)画像濃度安定性評価
キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5560のシアンステーションに上記現像剤1を入れ、FFH画像(ベタ部)のトナーの紙上への載り量が1.2mg/cm2となるように現像条件を適宜調整した。
評価紙として、画像濃度1.5以上を有する黒紙を用い、随時トナー1を補給しながら下記の評価1-1乃至1-3を行った。評価結果を表4へ示す。
FFH画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(無地部)、FFHを256階調目(ベタ部)とする。
画像濃度は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を使用して測定した。
(評価1-1)低温低湿環境下(15℃、10%RH)濃度安定性評価
まず、低温低湿環境下(15℃、10%RH)で、500枚連続通紙試験(A4横、80%印字比率、60枚/分)を行った。
500枚連続通紙中は、1枚目と同じ現像条件、転写条件(キャリブレーション無し)で通紙を行うこととする。
(評価1-2)低温低湿環境下(15℃、10%RH)から、高温高湿環境下(30℃、80%RH)への変更直後の濃度安定性評価
次いで、画出し環境を、低温低湿環境下(15℃、10%RH)から、高温高湿環境下(30℃、80%RH)へ8時間かけて変更した後、同様にして、500枚連続通紙試験(A4横、80%印字比率、60枚/分)を行った。
(評価1-3)高温高湿環境下(30℃、80%RH)での濃度安定性評価
次いで、高温高湿環境下(30℃、80%RH)に8時間以上放置し十分に使用環境に馴染ませたのち、同様に500枚の連続通紙を行った。
(評価2)500枚連続時の画像濃度安定性評価
各環境にて画出しした500枚の通紙画像の全てのFFH画像部;ベタ部の画像濃度を測定し、最も高濃度ものと、最も低濃度のものの濃度差を各環境毎で算出し、各環境下での濃度安定性能として評価1-1及び評価1-3を、環境変動追従性能として評価1-2を、以下の基準で評価した。評価結果を表4に示す。
(評価基準)
A:0.05未満 (非常に優れている)
B:0.05以上0.10未満 (良好である)
C:0.10以上0.20未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:0.20以上 (本発明では許容できない)
[実施例2乃至10、比較例1乃至6]
現像剤1を、表2に示す現像剤2乃至10、比較現像剤1乃至6に変えるほかは実施例1と同様に評価を行い、評価結果を表3及び4に示す。
Figure 0007250557000003
Figure 0007250557000004
1.原料定量供給手段、2.圧縮気体流量調整手段、3.導入管、4.突起状部材、5.供給管、6.処理室、7.熱風供給手段、8.冷風供給手段、9.規制手段、10.回収手段、11.熱風供給手段出口、12.分配部材、13.旋回部材、14.粉体粒子供給口

Claims (3)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒子と硫酸バリウム粒子とを含有するトナーであって、
    該硫酸バリウム粒子は、一次粒子の個数平均粒径が50nm以上200nm以下であり、
    該トナーは、該硫酸バリウム粒子を、トナー粒子100質量部に対して、3.00質量部以上15.0質量部以下含有し、
    該硫酸バリウム粒子は、該トナー粒子に対する固着率が、80%以上95%以下であり、
    X線光電子分光分析により算出された該トナー粒子表面に対する該硫酸バリウム粒子の被覆率が10.2%以上50.0%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 該硫酸バリウム粒子は、表面に結晶性の酸化錫被膜を有する請求項1に記載のトナー。
  3. 該硫酸バリウム粒子の一次粒子の個数平均粒径が、50nm以上150nm以下である請求項1または2に記載のトナー。
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