JP2021004954A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021004954A
JP2021004954A JP2019117883A JP2019117883A JP2021004954A JP 2021004954 A JP2021004954 A JP 2021004954A JP 2019117883 A JP2019117883 A JP 2019117883A JP 2019117883 A JP2019117883 A JP 2019117883A JP 2021004954 A JP2021004954 A JP 2021004954A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particles
temperature
less
toner particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019117883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7309477B2 (ja
Inventor
健太 満生
Kenta Mansho
健太 満生
隆二 村山
Ryuji Murayama
隆二 村山
萌 池田
Moe Ikeda
萌 池田
隆穂 柴田
Takao Shibata
隆穂 柴田
田村 順一
Junichi Tamura
順一 田村
浩範 皆川
Hironori Minagawa
皆川  浩範
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2019117883A priority Critical patent/JP7309477B2/ja
Publication of JP2021004954A publication Critical patent/JP2021004954A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7309477B2 publication Critical patent/JP7309477B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】 低温定着性と耐熱保存性に優れ、長期の画像出力においても、転写性と現像性に優れ、画像濃度が低下しないトナーを提供すること。また、トナー製造時における粗大粒子の発生を抑制すること。【解決手段】 トナー粒子と微粒子とを混合する外添工程において、(i)処理室内にガスが導入され、(a)導入されるガスの温度をT1(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定されるガラス転移温度をT2(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定される軟化点をT3(℃)としたとき、該T1、T2およびT3が、T2≦T1≦T3−10の関係を満たし、(b)ガスの流量をQ(m3/min)、処理室の容積をL(m3)としたとき、Q/Lが10.0以上150.0以下であり、(ii)処理面の最外縁部の速度が10m/s以上60m/s以下となるように該回転体を回転させて処理が行われる。【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、電子写真分野の技術進化により、装置の高速化、高寿命化はもとより高精細化、画像品位の安定化、省エネルギー化などがますます厳しく要求されてきている。すなわち、長時間にわたり高速で且つ、多量に出力する場合であっても高品質な画質のプリント成果物を得るために、帯電性や転写性、現像剤の流動性の変化が少ないトナーが強く求められている。これらの特性が変化する要因としては、長時間の印刷によりトナー粒子表面の外添剤が埋め込まれることや、二成分現像剤の場合はキャリアを汚染して帯電能を低下させることなどが挙げられる。そこで、長時間の印刷によってもトナー粒子に埋め込まれづらく、トナーから別の部材への外添剤の移行が起こらないようなトナーが求められている。トナー表面の外添剤が埋め込まれるという現象は外添剤の粒径が大きいほどその影響は小さくなるものの、一方で粒径が大きい外添剤はトナーから外れやすく、部材汚染を引き起こしてしまう。
特許文献1及び特許文献2では、外添時や外添後にトナーを加熱して外添剤をトナー粒子表面に固着させるという製造方法が提案されている。外添時の加熱手段として温水を外添装置のジャケットに流すという手段をとっており、装置の壁面の温度が常に高く、トナーの付着とトナー同士の融着により、粗大粒子が発生してしまう恐れがある。また外添後に加熱する際にも静置状態で加熱することで、トナー同士の融着により粗大粒子が発生してしまう恐れがある。
そのため、粒径が大きい外添剤を用いてもトナー粒子表面に固着させつつ、トナー同士の融着による粗大粒子発生を抑制できるトナーの製造方法が求められている。
特開2011−158789号公報 特開2008−20578号公報
本発明の目的は上記問題点を解消したトナーの製造方法を提供することにある。すなわち、トナー製造時における粗大粒子の発生を抑制し、長時間の印刷においても、現像性や転写性が変動せず、画像濃度、画像の均一性が良好なトナーを製造する手法を提供することである。
本発明は、処理装置を用いて、結着樹脂を有するトナー粒子と微粒子とを攪拌混合して、トナー粒子に対して微粒子を外添する外添工程を有するトナーの製造方法であって、
該微粒子は、一次粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
該処理装置は、
トナー粒子と微粒子とが収容される処理室と、
該処理室内において、駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
を備えた装置であり、
該回転体は、該回転体本体と、該回転体の回転によりトナー粒子および微粒子に衝突する処理面を有し、
該外添工程においては、
(i)該処理室内にガスが導入され、
(a)導入されるガスの温度をT1(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定されるガラス転移温度をT2(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定される軟化点をT3(℃)としたとき、該T1、T2およびT3が、
T2≦T1≦T3−10
の関係を満たし、
(b)該ガスの流量をQ(m/min)、該処理室の容積をL(m)としたとき、Q/Lが10.0以上150.0以下であり、
(ii)該処理面の最外縁部の速度が10m/s以上60m/s以下となるように該回転体を回転させて処理が行われる、
ことを特徴とするトナーの製造方法に関する。
長時間の印刷においても、現像性や転写性が変動せず、画像濃度、画像の均一性が良好なトナーを製造することができる。また、トナー製造時における粗大粒子の発生を抑制し、トナーの生産性を向上させることができる。
本発明のトナーの製造方法は、処理装置を用いて、結着樹脂を有するトナー粒子と微粒子とを攪拌混合して、トナー粒子に対して微粒子を外添する外添工程を有するトナーの製造方法であって、
該微粒子は、一次粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
該処理装置は、
トナー粒子と微粒子とが収容される処理室と、
該処理室内において、駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
を備えた装置であり、
該回転体は、該回転体本体と、該回転体の回転によりトナー粒子および微粒子に衝突する処理面を有し、
該外添工程においては、
(i)該処理室内にガスが導入され、
(a)導入されるガスの温度をT1(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定されるガラス転移温度をT2(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定される軟化点をT3(℃)としたとき、該T1、T2およびT3が、
T2≦T1≦T3−10
の関係を満たし、
(b)該ガスの流量をQ(m/min)、該処理室の容積をL(m)としたとき、Q/Lが10.0以上150.0以下であり、
(ii)該処理面の最外縁部の速度が10m/s以上60m/s以下となるように該回転体を回転させて処理が行われる、
ことを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法によって、上記課題を解決することができる理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。
本発明者らは、外添時における熱の伝わり方に関して工夫することで、適度な外添剤の固着状態を実現しつつ、粗大粒子の発生を抑制できると考えた。具体的には、トナー粒子に含有される結着樹脂の熱特性と熱風の温度の関係を制御した上で、外添工程を行うことによって、トナー粒子に対する微粒子の瞬間的な固着を促進し、粗大粒子の発生が抑制できると考えている。
本発明のトナーの製造方法において、トナー粒子に対して外添される微粒子は、一次粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であることを特徴とする。10nm未満の場合、トナー粒子同士が合一してしまい、粗粒が発生してしまう。より好ましくは、60nm以上である。また、1000nmを超えると、トナー粒子表面に微粒子を均一固着することが困難となるため、粗粒が多くなってしまう。
また、外添工程は、駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体を内部に有している処理室内において行われる。そして、外添工程においては、処理室内にガスが導入される。導入されるガスの温度をT1(℃)、トナー粒子を測定試料として測定されるガラス転移温度をT2(℃)、トナー粒子を測定試料として測定される軟化点をT3(℃)としたとき、T1、T2およびT3が、
T2≦T1≦T3−10
を満たす。
T1がT2未満の場合、外添時におけるトナーの粘度が大きく、外添剤を十分に固着させることができず、周辺の部材やキャリアなどへの外添剤の移行による現像性の低下が起こる。T1がT3−10よりも大きい場合、トナーの粘度が小さすぎるために、外添剤が過度に埋め込まれてしまい、得られるトナーの転写性が低下する。さらに母体同士の接触頻度が上がり、粗大粒子が発生しやすくなる。
また処理室内に導入されるガスの流量をQ(m/min)、処理室の容積をL(m)としたとき、Q/Lが10.0以上150.0以下であることが重要である。
この範囲内にすることで、トナー粒子に適度に熱を伝えることができるので、トナー粒子表面に微粒子を均一に固着することができ、また粗粉の発生を抑制できる。その結果、トナーとして、良好な現像性、転写性、耐熱保存性が得られるようになる。
また、処理室内において、トナー粒子と微粒子との攪拌混合を行う回転体は、回転体本体と、回転体の回転によりトナー粒子および微粒子に衝突する処理面とを有する。そして、処理面の最外縁部の速度は、10m/s以上60m/s以下であることが好ましい。処理面の速度をこの範囲にすることにより、トナー粒子の攪拌と外添の衝撃力を適切にすることができ、外添時の均一性と固着状態が安定し、得られるトナーの耐熱保存性や転写性、現像性が担保される。またトナー粒子同士の接触時間が減り、粗大粒子の発生を抑制できる。
更に、外添工程における処理室内部の壁面の温度をT4(℃)としたとき、
T4≦T2−5
であることが、粗大粒子の発生を抑制する観点から好ましい。
また、ガスの処理室内への導入方向に沿って伸ばした直線と処理面の回転によって描かれる円とが交わることが、外添時のピンポイント加熱による固着率の向上と粗大粒子発生の抑制の観点から好ましい。
また、外添工程に要する時間としては、無機微粒子を解しつつ、固着させるという観点から1分以上が好ましく、より好ましくは2分以上、さらに好ましくは3分以上である。また、生産性を向上させる観点から、30分以下が好ましく、より好ましくは10分以下である。
次に、処理工程で用いられる処理装置について記載する。
処理装置としては、例えば、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリタイザー(奈良機械社製)、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製)等である。
以下、ヘンシェルミキサーを例にとって説明する。
ガスを導入しながら外添処理を行うために、ヘンシェルミキサーに熱風を導入できる改造を施す。熱風導入箇所としては、例えば、回転軸のシールエアー、容器上部の副装入口、容器上部のエアー抜き口等がある。これらの熱風導入箇所の中でも、装置内部の処理面と熱風導入方向の位置関係の観点から容器上部の副装入口が好ましい。
導入されるガスの温度や処理室の壁面の温度は、装置に温度センサーを設置することで測定する。温度センサーの設置位置としては、装置壁面、ガス導入口部などがある。壁面の温度制御は、例えば、混合装置のジャケットに、所定の温度に調整した水を流すことで行うことができる。
以下、本発明を実施するにあたり、好ましいトナーの構成を以下に詳述する。
<結着樹脂>
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の非晶性重合体又は非晶性樹脂を用いることが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
これらの中で、低温定着性の観点で、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。主成分とは、その含有量が50質量%以上であることを示す。
ポリエステルに用いられるモノマーとしては、多価アルコール(2価又は3価以上のアルコール)と、多価カルボン酸(2価又は3価以上のカルボン酸)、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとが用いられる。
ここで分岐ポリマーを作製するためには、非晶性樹脂の分子内において部分架橋することが有効であり、そのためには、3価以上の多官能化合物を使用することが好ましい。従って、ポリエステルの原料モノマーとして、3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステル、及び/又は3価以上のアルコールを含むことが好ましい。
ポリエステルに用いられる多価アルコールモノマーとしては、以下のモノマーを使用することができる。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また式(A)で表されるビスフェノール及びその誘導体;式(B)で示されるジオール類;が挙げられる
Figure 2021004954
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0以上10以下である。)
Figure 2021004954
3価以上のアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンが挙げられる。
これらのうち、好ましくはグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが用いられる。これらの2価のアルコール及び3価以上のアルコールは、単独であるいは複数を併せて用いることができる。
ポリエステルに用いられる多価カルボン酸モノマーとしては、以下のモノマーを使用することができる。
2価のカルボン酸成分としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、これらの酸の無水物及びこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。
これらのうち、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸が好ましく用いられる。
3価以上のカルボン酸、その酸無水物又はその低級アルキルエステルとしては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、これらの酸無水物又はこれらの低級アルキルエステルが挙げられる。
これらのうち、特に1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、すなわちトリメリット酸又はその誘導体が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。これらの2価のカルボン酸等及び3価以上のカルボン酸は、単独であるいは複数を併せて用いることができる。
ポリエステルの製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のアルコールモノマー及びカルボン酸モノマーを同時に仕込み、エステル化反応又はエステル交換反応、及び縮合反応を経て重合し、ポリエステルを製造する。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。
ポリエステルの重合に際しては、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、酢酸亜鉛、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができるスズ系触媒を使用して重合されたポリエステルがより好ましい。
結着樹脂のピーク分子量は4000以上13000以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、結着樹脂の酸価は5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。さらに、結着樹脂の水酸基価は20mgKOH/g以上70mgKOH/g以下であることが、低温定着性と保存性の観点から好ましい。
また、結着樹脂は、低分子量樹脂と高分子量樹脂とを混ぜ合わせて使用してもよい。低分子量樹脂と高分子量樹脂との含有比率(低分子量樹脂/高分子量樹脂)は、質量基準で60/40以上90/10以下であることが、低温定着性と耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
低分子量樹脂のピーク分子量は4000以上7000以下であることが、低温定着性の観点から好ましい。また、低分子量樹脂の酸価は20mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。
高分子量樹脂のピーク分子量は7000より大きく20000以下であることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。また、高分子量樹脂の酸価は15mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが、高温高湿環境下における帯電安定性の観点から好ましい。
<結晶性樹脂>
トナー粒子には、結晶性樹脂を含有させてもよい。結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
結晶性樹脂は、特に限定されないが、低温定着性の観点で、結晶性ポリエステルであることが好ましい。
結晶性ポリエステルは、炭素数2〜22の脂肪族ジオールと、炭素数2〜22の脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られるものが好ましい。
結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂100質量部に対し、3質量部以上20質量部以下であることが、低温定着性や高温高湿環境下における帯電性の観点から好ましい。
<ワックス>
トナー粒子にはワックスを用いてもよい。ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスのような炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。本発明においては、耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスがより好ましい。
ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部あたり1質量部以上15質量部以下が好ましい。
また、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定される昇温時の吸熱曲線において、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度としては45℃以上140℃以下であることが好ましい。ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲内であるとトナーの保存性と耐ホットオフセット性を両立できるため好ましい。
<ワックス分散剤>
トナー粒子にはワックスを用いる場合、必要に応じてワックス分散剤を用いてもよい。
ワックスとして炭化水素系ワックスを含有する場合、ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体を含有することがワックスを樹脂中に分散させるために好ましい。中でも、ビニル系樹脂にポリオレフィンがグラフトした構造を有するグラフト重合体又はポリオレフィンにビニル系樹脂がグラフト重合したグラフト重合体を更に含有することが好ましい。
重合体が含有されている場合、ワックスと樹脂との相溶性が促進され、ワックス分散不良による帯電不良、部材汚染などの弊害を引き起こしにくくなる。また該ビニル系樹脂成分と炭化水素化合物が反応した構造を有する重合体の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下であることが好ましい。含有量がこの範囲にあるとき、結着樹脂中にワックスの分散状態が均一となりやすい。
<着色剤>
トナー粒子には着色剤を含有させてもよい。着色剤としては、トナー用着色剤として公知のイエロー、マゼンタ、シアン用の染料、顔料を用いればよく、その他の色の着色剤を用いることもできる。また、黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤を用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
着色剤の含有量は、非晶性樹脂100質量部に対して0.1質量部以上30質量部以下が好ましい。
<荷電制御剤>
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。
荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。荷電制御剤の添加量は、非晶性樹脂100質量部に対し0.05質量部以上10質量部以下が好ましい。
<微粒子(外添剤)>
本発明のトナーの製造方法においては、外添剤としての微粒子が用いられる。微粒子としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
微粒子の一次粒子の個数平均径(D1)は、部材汚染に起因した画像濃度低下の抑制の観点、外添工程時の粗大粒子の発生抑制の観点から10nm以上1000nm以下が好ましい。更に好ましくは60nm以上300nm以下である。また、一次平均径が上記範囲外の微粒子を併用してもよい。
微粒子は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。
<現像剤>
本発明の製造方法で製造されるトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが、また長期にわたり安定した画像が得られる点で好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、又は未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、トナー濃度は、2質量%以上15質量%以下が好ましく、4質量%以上13質量%以下がより好ましい。
<トナー粒子の製造方法>
トナー粒子を製造する方法としては、粉砕法などの乾式法、乳化凝集法、溶解懸濁法などの湿式法など、公知の方法で得ることができる。
以下、粉砕法でのトナー製造手順の一例について説明する。
原料混合工程では、トナー粒子を構成する材料として、例えば、結着樹脂、必要に応じてワックス、着色剤、及び荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中にワックス等を分散させる。混練吐出温度は、使用する結着樹脂、着色剤によって適宜調整可能であるが一般的には100〜180℃が好ましい。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工社製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、さらに、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(フロイントターボ社製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)などの分級機や篩分機を用いて分級し、分級品(トナー粒子)を得る。中でも、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)は、分級と同時にトナー粒子の球形化処理を行うことができ、転写効率の向上という点で好ましい。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理などのトナー粒子の表面処理を行うこともできる。トナーの平均円形度は、転写性の向上とクリーニング性を両立する観点から0.930以上0.985以下であることが好ましい。粉砕法にてトナーを製造する場合、上記平均円形度のトナーを製造するには、トナー粒子に球形化処理などの表面処理や熱処理による表面処理を行うことで製造することができる。
本発明の特徴である外添工程に関しては、上述した通りである。尚、この外添工程を経た後に、更に他の外添剤を混合する、第二外添処理を行っても良い。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について記載する。
[GPCによる結晶性樹脂の分子量測定]
まず、室温で24時間かけて、結晶性樹脂をo−ジクロロベンゼンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC−8121GPC/HT(東ソー社製)
カラム:TSKgel GMHHR−H HT 7.8cmI.D×30cm2連(東ソー社製)
検出器:高温用RI
温度 :135℃
溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速 :1.0ml/min
試料 :0.1%の試料を0.4ml注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
[GPCによる結着樹脂、重合体の分子量測定]
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
[結着樹脂、重合体、トナー粒子の軟化点の測定方法]
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
[結着樹脂及びトナー粒子のガラス転移温度(Tg)の測定]
ガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂又はトナー粒子約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30乃至180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30乃至100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
[結晶性樹脂、及びワックスの融点の測定]
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。具体的には、試料約2mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/分で測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30〜200℃の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークのピーク温度を融点とする。なお、温度200℃まで昇温させてからの保持時間はなく、温度200℃まで到達したらすぐに30℃まで降温させる。
[トナーの重量平均径(D4)の測定方法]
トナーの重量平均径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[トナーの平均円形度の測定方法]
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は512×512画素の画像処理解像度(一画素あたり0.37×0.37μm)で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積Sや周囲長L等が計測される。
次に、上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円相当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が円形の時に円形度は1.000になり、粒子像外周の凹凸の程度が大きくなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、円形度0.200乃至1.000の範囲を800分割し、得られた円形度の相加平均値を算出し、その値を平均円形度とする。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2ml加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に該コンタミノンNを約2ml添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した該フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。該手順に従い調整した分散液を該フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を指定することにより、その範囲の粒子の個数割合(%)、平均円形度を算出することができる。トナーの平均円形度は、円相当径1.98μm以上39.96μm以下とし、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.98μm以上39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
[酸価の測定方法]
酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定した。具体的には以下の手順に従って測定した。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得た。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとした。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置した。放置後、濾過して、水酸化カリウム溶液を得た。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管した。水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1mol/Lの塩酸25mLを三角フラスコに取り、上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウム溶液の量から求めた。上記0.1mol/Lの塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて調製されたものを用いた。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに入れて精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて試料を溶解させた。次いで、指示薬として上記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、上記水酸化カリウム溶液を用いて滴定した。滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を添加しない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行った。
(3)酸価の算出
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出した。
AV=[(B−A)×f×5.61]/S
上記式中、AVは酸価[mgKOH/g]を示し、Aは空試験の水酸化カリウム溶液の添加量[mL]を示し、Bは本試験の水酸化カリウム溶液の添加量[mL]を示し、fは水酸化カリウム溶液のファクターを示し、Sは試料の質量[g]を示す。
[微粒子の一次粒子の個数平均径の測定方法]
日立超高分解能電界放出形走査型電子顕微鏡(FE−SEM)S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いて撮影した拡大写真により行う。
上記写真撮影により得られたSEM画像は、画像解析ソフトImage−ProPlusProPlus5.1J(Media Cybernetics社製)を用いて、2値の画像データに変換した。
上記画像データにより微粒子を観察し、微粒子の長軸と短軸を計測し、その平均値を一次粒子径とした。ランダムに選択した100個の無機微粒子の一次粒子径の算術平均を求め、微粒子の一次粒子の個数平均径とする。
以下、実施例等により本発明を説明する。ただし、この実施例に関する記載は、この発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、以下の処方において部数は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<結着樹脂A1の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:72.9部(0.2モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:25.4部(0.15モル;多価カルボン酸総モル数に対して91.1mol%)
・コハク酸:1.7部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して8.9mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
その後、tert−ブチルカテコール(重合禁止剤)0.1質量部を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度180℃に維持したまま、1時間反応させた。その後、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が92℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、結着樹脂A1を得た。得られた結着樹脂A1の軟化点(Tm)は92℃、ガラス転移点(Tg)は54℃、重量平均分子量(Mw)は5000、酸価は6mgKOH/gであった。
<結着樹脂A2の製造例>
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:71.4部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:22.4部(0.13モル;多価カルボン酸総モル数に対して82.2mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。
次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、160まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
その後、無水トリメリット酸6.2部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して17.7mol%)およびtert−ブチルカテコール(重合禁止剤)0.1部を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、15時間反応させた。その後、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が138℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め(第2反応工程)、結着樹脂A2を得た。得られた結着樹脂A2の軟化点(Tm)は138℃、ガラス転移点(Tg)は55℃、重量平均分子量(Mw)は60000、酸価は18mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステルBの製造例>
・1,4−ブタンジオール:29.2部(0.32モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:70.8部(0.31モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2−エチルヘキサン酸錫:0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻した後、ラウリン酸を原料モノマー100部に対し12.4部加え、常圧下にて200℃で2時間反応させた。その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステルBを得た。得られた結晶性ポリエステルBの融点(mp)は72℃、重量平均分子量(Mw)は18000、酸価は9mgKOH/gであった。
<ビニル系樹脂成分とポリオレフィンが反応した構造を有する重合体Cの製造例>
・低分子量ポリプロピレン(三洋化成工業(株)製ビスコール660P):
10.0部(0.02モル;構成モノマーの総モル数に対して2.4mol%)
・キシレン:25.0部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に175℃の温度まで昇温した。
その後、下記材料:
・スチレン:68.0部(0.65モル;構成モノマーの総モル数に対して76.4mol%)
・メタクリル酸シクロヘキシル:5.0部(0.03モル;構成モノマーの総モル数に対して3.5mol%)
・アクリル酸ブチル:12.0部(0.09モル;構成モノマーの総モル数に対して11.0mol%)
・メタクリル酸:5.0部(0.06モル;構成モノマーの総モル数に対して6.8mol%)
・キシレン:10.0部
・ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート:0.5部
を3時間かけて滴下し、さらに30分間撹拌した。次いで、溶剤を留去して、ビニル系樹脂成分とポリオレフィンが反応した構造を有する重合体Cを得た。得られた重合体Cは、ピーク分子量Mp6000、軟化点125℃であった。
<トナーの製造例1>
・結着樹脂A1 60部
・結着樹脂A2 30部
・結晶性ポリエステルB 10部
・重合体C 4部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃) 4部
・C.I.ピグメントブルー15:3 7部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s−1、回転時間5minで混合した後、温度130℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらにファカルティF−300(ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。運転条件は、分級ローター回転数を130s−1、分散ローター回転数を120s−1とした。
次いで、
・トナー粒子1 100部
・疎水性シリカ微粒子(ヘキサメチルジシラザン4質量%で表面処理、個数平均径120nm) 4.0部
・酸化チタン微粒子(イソブチルトリメトキシシランで表面処理、個数平均径20nm)
0.5部
をガスを導入できるように改造したヘンシェルミキサー(FM−10型、日本コークス工業株式会社製)に投入した。ガスとして、加熱空気を用い、温度(T1)70℃、体積あたりのガス流量(Q/L)79min−1、最外縁部の速度31m/s、回転時間6minで混合して、トナー1を得た。トナー1の重量平均径(D4)は6.5μmであった。
<トナーの製造例2乃至20>
表1、表2に示すように材料、外添工程の条件を変更した以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナー2乃至20を得た。
得られたトナーの諸物性を表1に示す。
Figure 2021004954
Figure 2021004954
<二成分系現像剤の製造例1〜20>
磁性キャリアを92.0質量部に対し、トナー1〜20を8.0質量部加え、V型混合機(V−20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1〜20を得た。
尚、磁性キャリアとしては、Mn−Mg−Sr系フェライトコアに、ビニル系樹脂の被覆層を設けたキャリアを用いた。
また、磁性キャリア5部に対して、トナーを95部混合する以外は同様にして、補給用現像剤1〜20を調製した。
<実施例1〜15、比較例1〜5>
上記の二成分系現像剤及び補給用現像剤を用いて以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
<耐久試験>
画像形成装置として、キヤノン(株)製のフルカラーの複写機(商品名:imageRUNNER ADVANCE C9075 PRO)の改造機を用いた。
各色現像器に二成分系現像剤を入れ、各色補給用現像剤を入れた補給用現像剤容器をセットし、画像を形成し、耐久試験を行いながら各種評価を行った。
なお、耐久試験は、Step1とStep2まで、合計150000枚の画像出力で、環境と画像比率を以下のように変化させて行った。
・Step1(1枚目から100000枚目まで)
温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H環境」)
画像比率60%のFFH出力チャート
・Step2(100001枚目から150000枚目まで)
温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L環境」)
画像比率3%のFFH出力チャート
ここで、FFHとは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hが256階調の1階調目(白地部)であり、FFHが256階調の256階調目(ベタ部)である。
その他の条件は、以下のとおりである。
紙:レーザービームプリンター用紙CS−814(商品名)(81.4g/m)(キヤノンマーケティングジャパン(株))
画像形成速度:A4サイズ、フルカラーで、80枚/分で出力できるように改造した。
現像条件:現像コントラストを任意値で調整可能にし、本体による自動補正が作動しないように改造した。
交番電界のピーク間の電圧(Vpp)は、周波数:2.0kHz、Vpp:0.7kVから1.8kVまで0.1kV刻みで変えられるように改造した。
各色とも、単色で画像が出力できるように改造した。
各評価項目を以下に示す。
(1)各Stepの耐久前後の画像濃度差
Step1とStep2において、各Stepの最初と最後に、画像比率100%のFFH出力チャート(A4全面ベタ画像)を1枚出力した。分光濃度計500シリーズ(X−Rite社製)により画像濃度を測定し、判断した。
測定部位は、
画像の先端(先に画像形成された方)から0.5cmの位置で、画像の左端(先に画像形成された方を上側とする。)から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から7.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から14.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点、
画像の先端から20.0cmの位置で、画像の左端から5.0cm、15.0cm、25.0cmの3点
の合計12点とし、12点の平均値を算出した。
評価は、各Stepの最初と最後の12点平均値の差分を下記基準で判定した。
A:0.00以上0.06未満
B:0.06以上0.13未満
C:0.13以上0.20未満
D:0.20以上
本発明の効果が得られているレベルはA〜Cであると判断した。
(2)低温定着性評価
キヤノン(株)製フルカラー複写機imagePress C800を、定着温度、プロセススピードを自由に設定できるように改造して、二成分系現像剤について、定着温度領域の試験を行った。評価機を用いて、前記二成分系現像剤1について、低温定着性の試験を行った。画像は単色モードで常温常湿度環境下(温度23℃、相対湿度50%以上〜60%以下)において、紙上のトナー載り量が1.0mg/cmになるように調整し、未定着画像を作成した。評価紙は、コピー用紙GF−C081(A4、坪量81.4g/m、キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、画像印字比率25%で画像を形成した。
その後、低温低湿度環境下(温度15℃、相対湿度10%以下)において、プロセススピードを400mm/secに設定し、定着温度を120℃から順に5℃ずつ上げ、オフセットが生じない下限温度を低温定着温度とした。
(低温定着温度の評価基準)
A:155℃未満
B:155℃以上、165℃未満
C:165℃以上、170℃未満
D:170℃以上
本発明の効果が得られているレベルはA〜Cであると判断した。
(3)耐熱保存性評価
耐熱保存性の評価方法としては、評価サンプル10gの入った袋(サンジップD−4袋 シーアイ化成社製)の上に、1kgの荷重を掛け、温度50℃、湿度10%の環境下で72時間放置した。72時間後、評価サンプルを温度23℃、湿度50%の環境下に移し24時間放置した。
測定法としては、セットした200メッシュふるい上に評価用のトナーをのせ、デジタル振動計の変位の値を0.50mm(peak−to−peak)になるように調整し、30秒間振動を加えた。その後、各ふるい上に残ったトナーの凝集塊の量から長期保存安定性を評価した。
A:メッシュ上のトナー残量が0.2g以下である
B:メッシュ上のトナー残量が0.2gを超え、0.5g以下である
C:メッシュ上のトナー残量が0.5gを超え、1.0g以下である
D:メッシュ上のトナー残量が1.0gを超えている。
本発明の効果が得られているレベルはA〜Cであると判断した。
(4)粗大粒子の評価
4.0kPaの吸引圧に設定した吸引装置上部に直径10cm,開口32μmのメッシュに載せ、トナー10gを吸引しながら通過させた。通過させたメッシュ上に残った粗大粒子を透明なポリエステル製の粘着テープによりテーピングしてはぎ取り、はぎ取った粘着テープを紙上に貼った後、粘着テープ上の粗大粒子の個数を目視で確認した。以下の評価基準に従い、評価を行った。
A:10個未満
B:10個以上20個未満
C:20個以上30個未満
D:30個以上
本発明の効果が得られているレベルはA〜Cであると判断した。
Figure 2021004954

Claims (5)

  1. 処理装置を用いて、結着樹脂を有するトナー粒子と微粒子とを攪拌混合して、トナー粒子に対して微粒子を外添する外添工程を有するトナーの製造方法であって、
    該微粒子は、一次粒子の個数平均径が10nm以上1000nm以下であり、
    該処理装置は、
    トナー粒子と微粒子とが収容される処理室と、
    該処理室内において、駆動軸を中心に回転可能に設けられた回転体と、
    を備えた装置であり、
    該回転体は、該回転体本体と、該回転体の回転によりトナー粒子および微粒子に衝突する処理面を有し、
    該外添工程においては、
    (i)該処理室内にガスが導入され、
    (a)導入されるガスの温度をT1(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定されるガラス転移温度をT2(℃)、該トナー粒子を測定試料として測定される軟化点をT3(℃)としたとき、該T1、T2およびT3が、
    T2≦T1≦T3−10
    の関係を満たし、
    (b)該ガスの流量をQ(m/min)、該処理室の容積をL(m)としたとき、Q/Lが10.0以上150.0以下であり、
    (ii)該処理面の最外縁部の速度が10m/s以上60m/s以下となるように該回転体を回転させて処理が行われる、
    ことを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 該外添工程における該処理室内部の壁面の温度をT4(℃)としたとき、該T4および該T2が下記式(3)を満たす請求項1に記載のトナーの製造方法。
    T4≦T2−5 (3)
  3. 該ガスの導入方向に沿って伸ばした直線と該処理面の回転によって描かれる円が交わる請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 該トナー粒子が結晶性樹脂を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  5. 該微粒子の一次粒子の個数平均径(D1)が60nm以上300nm以下である請求項1〜4のいずれか1項にトナーの製造方法。
JP2019117883A 2019-06-25 2019-06-25 トナーの製造方法 Active JP7309477B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019117883A JP7309477B2 (ja) 2019-06-25 2019-06-25 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019117883A JP7309477B2 (ja) 2019-06-25 2019-06-25 トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021004954A true JP2021004954A (ja) 2021-01-14
JP7309477B2 JP7309477B2 (ja) 2023-07-18

Family

ID=74098191

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019117883A Active JP7309477B2 (ja) 2019-06-25 2019-06-25 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7309477B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09319141A (ja) * 1996-05-27 1997-12-12 Konica Corp トナーの製造方法
JP2009015260A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Sharp Corp トナー用外添剤、それを用いたトナーおよび画像形成装置
JP2009181099A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Canon Inc 非磁性トナーおよび画像形成方法
JP2012108459A (ja) * 2010-07-22 2012-06-07 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法
JP2013134433A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Canon Inc 磁性トナー
JP2015125431A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 キヤノン株式会社 トナーおよびトナーの製造方法
JP2017191148A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP2019101280A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 キヤノン株式会社 トナー

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09319141A (ja) * 1996-05-27 1997-12-12 Konica Corp トナーの製造方法
JP2009015260A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Sharp Corp トナー用外添剤、それを用いたトナーおよび画像形成装置
JP2009181099A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Canon Inc 非磁性トナーおよび画像形成方法
JP2012108459A (ja) * 2010-07-22 2012-06-07 Ricoh Co Ltd トナー及びその製造方法
JP2013134433A (ja) * 2011-12-27 2013-07-08 Canon Inc 磁性トナー
JP2015125431A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 キヤノン株式会社 トナーおよびトナーの製造方法
JP2017191148A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法
JP2019101280A (ja) * 2017-12-05 2019-06-24 キヤノン株式会社 トナー

Also Published As

Publication number Publication date
JP7309477B2 (ja) 2023-07-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6833570B2 (ja) トナー
JP4665707B2 (ja) 電子写真用トナー
US8993207B2 (en) Method for forming fixed images
JP6821388B2 (ja) トナー
JP2012159840A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、トナー供給手段、画像形成装置並びに画像形成方法
US8962230B2 (en) Electrostatic-image developing toner, electrostatic image developer, toner cartridge, process cartridge, image-forming apparatus, and method for forming image
JP2015064449A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
US11169459B2 (en) Resin particle set
JP3525705B2 (ja) 負荷電性トナー
JP5889665B2 (ja) 静電荷現像用トナー、及びそれを用いる画像形成装置、並びに画像形成方法
US20040241564A1 (en) Toner for electrostatic image development
JP6794154B2 (ja) トナー、及び該トナーを備えた現像装置
JP5148840B2 (ja) 電子写真用トナー
US10203622B2 (en) Electrostatic latent image developing toner
JP4561536B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法
US20220308484A1 (en) Method for producing toner for developing electrostatic charge image, and toner for developing electrostatic charge image
JP2020060745A (ja) トナー
US10852652B2 (en) Toner
JP6647071B2 (ja) トナー
JP7309477B2 (ja) トナーの製造方法
JP2007058036A (ja) 静電荷像現像用トナー、及び画像形成方法
JP6824643B2 (ja) トナー
JP7346112B2 (ja) トナー
US10935900B2 (en) Toner for developing electrostatic charge image, electrostatic charge image developer, and toner cartridge
US20230305415A1 (en) Toner and method of producing toner

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230705

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7309477

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151