JP2007205850A - 電気化学測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】試料の表面をカンチレバーで走査する際の観察位置や試料の位置等に影響を受けることなく、試料上の観察位置の電位や電流密度を常に一定に制御して、正確な電気化学反応過程を観察すること。
【解決手段】電解液中で電気化学反応を制御しながら、試料の反応過程を観察する装置であって、試料を電解液内に浸漬した状態で収容する溶液セルと、電解液に浸漬された状態で試料に対向配置されたカンチレバー3と、試料に電気的に接触する試料電極と、電解液内に浸漬された状態で配された参照電極8及び対極9と、参照電極の電位を基準として試料電極の電位を制御すると共に試料電極と対極との間に流れる電流を測定する電流測定手段とを備え、カンチレバーが、参照電極及び対極を備えており、探針3aの近傍に参照電極及び対極が配置されている電気化学測定装置を提供する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電解液中で生じる試料の電気化学反応を制御しながら、その反応過程を表面観察する電気化学測定装置に関するものである。
電極/溶液界面で進行する種々の反応過程、特に電気化学反応過程を解明していく際、反応場を提供している試料表面の構造を知ることが必要不可欠とされている。このような、種々の電解液中で生じる電気化学反応過程を観察する方法は、既にいくつか考えられており、実際に実用化されている。中でも、試料表面を原子、分子レベルで実空間観察する走査型トンネル顕微鏡(STM:Scanning Tunneling Microscope)を応用した電気化学STM(ECSTM:Electrochemical STM)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このECSTMは、試料、対極、参照電極及びプローブ先端を、少なくとも電解液中に配置し、試料に対してある電位を設定した後、プローブを走査させながら試料とプローブとの間に流れるトンネル電流を検出して、電気化学反応を観察する方法である。この、ECSTMによれば、電気化学反応による試料表面の変化を、その場で直ちに観察できることが可能であるため、広く研究、利用されている。
ところが、このECSTMは、STMの原理上、トンネル電流をパラメータとして試料の表面形状を観察する装置であるため、電流を通さない不導体は試料として適さない。従って、電気化学反応の結果、試料表面に不導体が生成したり、半導体が電位により不導体になったりした場合には、測定を行えない不都合があった。
一方、ECSTMと同様に、電解液中で電気化学反応過程を測定できる装置として、電気化学AFM(ECAFM:Electrochemical Atomic Force Microscope)といった装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。このECAFMは、原子間力という試料の導電性に依存しない物理量をパラメータとして、試料を観察する装置であるため、上記ECSTMとは異なり、不導体表面の表面形状を測定することが可能である。よって、多種多様の試料に対応することができる。そのため、近年では、ECSTM以上に急速な拡がりを見せている。
このECAFMについて、図11を参照して簡単に説明する。
ECAFM80は、試料81を電解液Wに浸漬させた状態で収容する試料セル82と、電解液W中で試料81に対向配置されたカンチレバー83と、電解液W中に浸漬された状態で取り付けられた対極84及び参照電極85とを備えている。
試料セル82は、試料81が載置される試料セル下部82aと、該試料セル下部82aに組み合わされ、Oリング86を介して試料81を試料セル下部82aに押し付ける試料セル上部82bとで構成されている。
また、試料セル上部82bには、カンチレバー83を固定するカンチレバーホルダ87がOリング88を介して組み合わされている。そして、このカンチレバーホルダ87、試料セル上部82b及び試料81とで囲まれる空間に、電解液Wが満たされている。これにより、試料81及びカンチレバー83は、電解液Wに浸漬された状態となっている。
また、試料セル下部82aの上面には、バイポテンシオスタット89に電気的接続された導電部材90が設けられている。また、試料81は、試料セル上部82bのOリング86によって押し付けられているので、導電部材90と接触して導通が取られている。そのため、試料81は、バイポテンシオスタット89によって電位が制御される第1の作用電極として作用するようになっている。
また、カンチレバー83は、バイポテンシオスタット89に電気的接続されたクリップ91によってカンチレバーホルダ87に固定されている。そのため、カンチレバー83は、バイポテンシオスタット89によって電位が制御される第2の作用電極として作用するようになっている。
更に、バイポテンシオスタット89には、電位をそれぞれ独立して制御可能な上記対極84及び参照電極85が電気的に接続されている。
このように構成されたECAFM80においては、参照電極85の電位を基準として、第1の作用電極(試料81)の電位を制御する3電極方式、或いは、第1の作用電極(試料81)と第2の作用電極(カンチレバー83)との電位をそれぞれ制御する4電極方式により電気化学反応を制御することで、種々の電気化学的処理、例えば、メッキ、腐食、電気剥離が可能となり、その反応をAFMによりリアルタイムに観察することができる。
特開平1−141302号公報 特開平9−143799号公報
しかしながら、上述したECAFM80には、以下の課題がまだ残されていた。
即ち、第1の作用電極である試料81、第2の作用電極であるカンチレバー83、対極84及び参照電極85は、それぞれ単に電解液W内に浸漬されているだけの構成であり、互いの位置関係については、何ら考量されていない。そのため、以下に示す各種の不具合が生じていた。
まず、対極84は、カンチレバー83から離れた位置で単に電解液Wに浸漬した状態で取り付けられているだけであるので、カンチレバー83で試料81上を走査した際、試料81上の観察位置と対極84との相対位置関係が変化してしまう。そのため、バイポテンシオスタット89で試料81の電位を調整したとしても、試料81表面の各位置の電位が一様ではなく、不均一になってしまっていた。
また、仮に試料81の電位を正確に設定できたとしても、試料81と対極84との位置関係が変化してしまうので、対極84との距離に依存する電流密度が変化してしまう。そのため、電気化学反応速度を一定に保つことができなかった。
また、対極84と同様に参照電極85に関しても、カンチレバー83から離れた位置で単に電解液Wに浸漬した状態で取り付けられているだけであるので、カンチレバー83で試料81上を走査した際、試料81上の観察位置と参照電極85との相対位置関係が変化してしまう。よって、一定の電位勾配を保つことが困難であった。例えば、参照電極85を0Vとし、試料81を1Vに設定しようとしても、試料81を一様に1Vにすることが困難であった。その結果、第1の作用電極である試料81の電位を、正確に制御することが難しかった。
また、カンチレバー83を第2の作用電極として使用する場合、即ち、4電極方式で観察を行う場合には、試料81上を走査した際に、対極84や参照電極85との相対位置関係が変化するので、やはり上述した同じ問題が生じていた。
このように、従来のECAFM80は、第1の作用電極である試料81、第2の作用電極であるカンチレバー83、対極84及び参照電極85の互いの位置関係について、何ら考量されていないので、上記各種問題が生じてしまい、正確な電気化学反応を制御することが困難であった。特に、試料81を浸漬する電解液Wの濃度が低く、電気抵抗が高い場合や、電解液W中を流れる電流が大きい場合には、電圧降下が大きくなってしまうので、上述した各種の問題が顕著になるものであった。
加えて、従来のECAFM80は、試料81全体を第1の作用電極として用いるため、カンチレバー83で試料81の表面状態を観察する際に、観察領域以外の部分も常に電気化学反応が起こってしまう。そのため、場所によっては、カンチレバー83で表面観察を行う前に、表面状態が変化してしまう恐れがあった。その結果、正確な形状像が得られず、電気化学反応過程の形状観察を正確に行うことができない問題もあった。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、試料の表面をカンチレバーで走査する際の観察位置や試料の位置等に影響を受けることなく、試料上の観察位置の電位や電流密度を常に一定に制御して、正確な電気化学反応過程を観察することができる電気化学測定装置を提供することである。
更には、観察位置近傍で局所的に電気化学反応を行わせて、正確な表面形状観察を行うことができる電気化学測定装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明の電気化学測定装置は、電解液中で電気化学反応を制御しながら、試料の反応過程を観察する電気化学測定装置であって、前記試料を電解液内に浸漬した状態で収容する溶液セルと、先端に探針を有するレバー部と、該レバー部の基端側を片持ち状に支持する支持部とを有し、前記電解液に浸漬された状態で前記試料に対向配置されたカンチレバーと、前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動手段と、前記レバー部の撓みを測定する変位測定手段と、該変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記レバー部の撓みが一定となるように前記移動手段を制御すると共に、試料の表面形状データを取得する制御手段と、前記試料に電気的に接触する試料電極と、前記電解液内に浸漬された状態で配された参照電極及び対極と、前記参照電極の電位を基準として前記試料電極の電位を制御すると共に、試料電極と対極との間に流れる電流を測定する電流測定手段とを備え、前記カンチレバーが、前記参照電極及び前記対極を備えており、前記探針の近傍に参照電極及び対極が配置されていることを特徴とするものである。
この発明に係る電気化学測定装置においては、まず、測定対象物である試料(例えば、高配向性熱分解グラファイト)を、硫酸水溶液等の電解液が貯留されている溶液セル内に収容して、該電解液内に浸漬させる。次いで、参照電極及び対極を有するカンチレバーを、電解液内に浸漬させた状態で試料に対向配置させる。この状態において、電流測定手段が、参照電極の電位を基準として、試料電極、即ち、試料の電位を制御する。この3電極方式により、対極と試料との間に電流が流れて、試料表面に電気化学反応が生じ、例えば、白金等が析出する。また、電流測定手段は、試料電極と対極との間に流れる電流の測定を行っている。
一方、この電気化学反応と同時に、移動手段により探針と試料とを試料表面に平行な方向に走査させて、探針で電気化学反応が起きている試料表面上の走査を行う。この際、制御手段は、変位測定手段による測定結果に基づいて、レバー部の撓みが一定となるように、探針と試料表面との距離(高さ)を移動手段によりフィードバック制御する。これにより、試料の表面形状データを取得することができる。その結果、電気化学反応により、白金等が析出した試料表面の形状観察を行える。そして、この試料の表面形状データと、電流測定手段で測定された測定結果とにより、両者を相関付けることができ、電気化学反応による試料の反応過程を観察することができる。
特に、カンチレバーは、対極と参照電極とを備えており、探針の近傍に参照電極及び対極が共に配置された一体構造となっている。よって、カンチレバーを走査させて、試料の表面形状を観察する際に、参照電極及び対極も探針と共に移動することになる。つまり、探針と参照電極と対極との相対的な位置関係を変化させることなく観察を行える。
そのため、従来とは異なり、試料表面をカンチレバーで走査する際の観察位置や試料の位置等に影響を受けることなく、試料上の観察位置の電位や電流密度を常に一定にすることができる。また、同様に参照電極の電位を基準として、観察位置における試料表面の電位を常に一定にすることができる。
その結果、電気化学反応を正確に制御することができる。従って、電気化学反応過程中における試料表面の観察を、高精度に行うことができ、観察結果の信頼性を向上することができる。
また、本発明の電気化学測定装置は、上記本発明の電気化学測定装置において、前記カンチレバーが、前記レバー部と平行になるように基端側が前記支持部に片持ち状に支持された第2のレバー部と、該第2のレバー部の撓みを測定する撓み測定部とを備え、前記試料電極が、前記探針よりも前記試料側に突出した状態で、前記第2のレバー部の先端に設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る電気化学測定装置においては、カンチレバーに試料電極が設けられているので、探針の近傍に、参照電極及び対極に加え試料電極も配置することができる。
また、試料電極は、探針よりも試料側に突出しているので、移動手段によりカンチレバーを試料に近づけた際に、試料電極が探針よりも先に試料に接触して導通をとることができる。この際、第2のレバー部の撓み状態を確認することで、試料電極が試料に接触したか否かを確実に判断することができる。従って、電流測定手段は、試料電極を介して試料の電位を確実に制御することができる。
特に、探針の近傍に試料電極が配置されているので、試料表面を観察する探針の近傍でのみ電気化学反応を行わせることができる。よって、従来とは異なり、探針による観察を行う前に、観察位置以外での試料の表面状態が電気化学反応により変化してしまうことを防止することができる。その結果、電気化学反応過程における試料の表面形状を正確に観察することができる。
また、本発明の電気化学測定装置は、上記本発明の電気化学測定装置において、前記探針が、前記電流測定手段に対して電気的に接続されていると共に、前記参照電極の電位を基準として、前記試料電極とは別個に電位が制御可能とされていることを特徴とするものである。
この発明に係る電気化学測定装置においては、電流測定手段が試料電極に加え、探針の電位も制御しながら、4電極方式で電気化学反応を行うことができる。これにより、例えば、電位がコントロールされていない試料を観察する場合(酸性液の中に金属板がある場合等)、探針が近づくことで、試料表面に意図しない電気化学反応が生じてしまうことを防止できる。このように、探針の電位を制御することで試料表面に影響を与えることなく、高精度な形状観察を行うことができる。更には、観察を行っている際に、試料表面の所望する位置で探針の電位を変化させて、局所的な試料の電気物性変化を測定することもできる。
このように、探針の電位を制御することで、試料表面の形状をより高精度に観察したり、より多角的な観察を行うことができる。なお、探針を第2の作用電極として使用する場合には、試料に対して探針を非接触状態で観察を行う。これにより、試料電極と探針との電位が同一になることを防止することができる。
また、本発明の電気化学測定装置は、上記本発明のいずれかの電気化学測定装置において、前記参照電極及び前記対極が、前記探針と共に前記レバー部の先端に設けられていることを特徴とするものである。
この発明に係る電気化学測定装置においては、参照電極、対極及び探針が、共に同じレバー部に設けられているので、探針と参照電極と対極とを、さらに近接した状態で配置することができる。従って、より確実に電気化学反応を制御することができ、観察結果の信頼性を向上することができる。また、同じレバー部に、探針と参照電極と対極とを一度に作りこむことができるので、カンチレバーを製造し易い。
また、本発明の電気化学測定装置は、上記本発明のいずれかの電気化学測定装置において、前記レバー部を前記試料表面に垂直な方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振手段を備え、前記変位測定手段が、前記レバー部の振動状態を測定し、前記制御手段が、前記変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料との距離を、前記カンチレバーの振動状態が一定となるように前記移動手段を制御することを特徴とするものである。
この発明に係る電気化学測定装置においは、観察を行う際に、加振手段が先端に探針を有するレバー部を、試料表面に垂直な方向に向けて所定の周波数で振動させる。また、変位測定手段が、この時のレバー部の振動状態の測定を行っている。そして、制御手段は、変位測定手段による測定結果に基づいて、レバー部の振動状態(例えば、振動振幅)が一定となるように、探針と試料との間の距離を移動手段によって制御すると共に、この制御量に基づいて、試料表面の形状観察を行う。
このように動的な方法で試料表面の形状観察を行うことで、静的な方法に比べて測定結果の精度をより向上することができる。
この発明に係る電気化学測定装置によれば、試料表面をカンチレバーで走査する際の観察位置や試料の位置等に影響を受けることなく、電気化学反応を正確に制御することができ、電気化学反応過程中における試料表面の観察を高精度に行うことができる。よって、観察結果の信頼性を向上することができる。
以下、本発明に係る電気化学測定装置の第1実施形態について、図1から図4を参照して説明する。なお、本実施形態では、試料として、Au基板を用い、電解液としてCuSO水溶液を用いた場合を例にして説明する。
本実施形態の電気化学測定装置1は、電解液W中で電気化学反応を制御しながら、試料Sの反応過程を観察する装置(電気化学ECAFM)である。
即ち、電気化学測定装置1は、図1に示すように、試料Sを電解液W内に浸漬した状態で収容する液槽(溶液セル)2と、先端に探針3aを有するカンチレバー3と、探針3aとカンチレバー3とを相対的に移動させる移動手段4と、カンチレバー3のレバー部21の撓みを測定する変位測定手段5と、移動手段4を制御する制御手段6と、試料Sに電気的に接触する第1の作用電極(試料電極)7と、電解液W内に浸漬された状態で配置された参照電極8及び対極9と、第1の作用電極7の電位を制御すると共に第1の作用電極7と対極9との間に流れる電流を測定する電流測定手段10とを備えている。
液槽2は、図1及び図2に示すように、上部が開口した断面コ形状に形成されており、内部に電解液Wを貯留している。試料Sは、この液槽2の底面に載置された状態で収容されている。この際、試料Sは、容易に動かないように液槽2に保持されている。
また、液槽2の底板には、導電性材料で板状に形成された第1の作用電極7が埋め込まれている。この第1の作用電極7は、試料Sの下面に隠れるサイズに形成されており、上面が露出して電解液Wに直接触れないようになっている。また、第1の作用電極7は、バイポテンシオスタット11に対して電気的に接続されており、任意に電位が制御されるようになっている。つまり、第1の作用電極7を介して試料Sの電位を制御できるようになっている。
このように構成された液槽2は、XYZステージ12上に固定されている。このXYZステージ12は、例えば、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子であり、試料駆動部13から電圧が印加されると、その電圧印加量及び極性に応じて、液槽2を介して試料Sを試料表面S1に平行なXY方向及び試料表面S1に垂直なZ方向の3方向に対して、微小移動させることができるようになっている。これにより、探針3aと試料Sとを、XY方向に相対的に走査させることができると共に、Z方向に相対的に移動させることができるようになっている。即ち、XYZステージ12及び試料駆動部13は、上記移動手段4を構成している。
また、XYZステージ12は、防振台14上に固定された筐体15の凹部内に取り付けられている。この筐体15には、カンチレバー3を支持するカンチレバー支持体16が固定されていると共に、後述するレーザ光源32及びレーザ受光部33が取り付けられるブロック17が固定されている。
カンチレバー3は、図3に示すように、例えばシリコン支持層20a、SiOからなる酸化層20b及びシリコン活性層20cの3層を熱的に貼り合わせたSOI基板から形成されており、先端に探針3aを有するレバー部21と、該レバー部21の基端側を片持ち状に支持する土台(支持部)22とを備えている。
また、本実施形態のカンチレバー3は、探針3aと共に参照電極8及び対極9をレバー部21の先端に備えている。これにより参照電極8及び対極9が、探針3aの近傍に配置されている。
より具体的には、図4に示すように、探針3aが形成されたレバー部21の上面全体には、酸化層20bと同様にSiOからなる絶縁膜23が被膜されていると共に、該絶縁膜23上に各種の金属材料からなる導電性膜24がパターニングされている。この導電性膜24は、図3に示すように、土台22側からレバー部21の先端側に亘って長手方向に2本形成されており、土台22側の一端が外部接続端子25となり、レバー部21側の他端が参照電極8及び対極9として機能するようになっている。
また、この導電性膜24上には、外部接続端子25、参照電極8及び対極9を除く領域において、さらにSiOからなる絶縁膜26が被膜されている。これにより、外部接続端子25、参照電極8及び対極9を除く部分が、電解液Wに直接触れないようになっている。
なお、図3においては、絶縁膜23、26の図示を省略している。また、参照電極8としては、例えばECAFMでよく使用されるAu、AgやPt電極、対極9としては、例えばPt電極となるように導電性膜24の材料をそれぞれ選択している。
このように構成されたカンチレバー3は、図1及び図2に示すように、電解液Wに浸漬された状態で試料Sに対向配置されるように、カンチレバーホルダ30を介してカンチレバー支持体16に固定されている。また、このカンチレバー支持体16には、光学的に透明な材料で形成され、後述するレーザ光源32から照射されたレーザ光Lをカンチレバー3の裏面側に形成された図示しない反射面に導く光透過部31が取り付けられている。また、この光透過部31は、反射面にレーザ光Lを導くだけでなく、反射面で反射したレーザ光Lをレーザ受光部33にまで導くようにもなっている。
また、ブロック17の上面には、光透過部31の略真上に当たる位置に、光透過部31を介してカンチレバー3の反射面にレーザ光Lを照射するレーザ光源32が取り付けられていると共に、反射面で反射されて光透過部31を通過したレーザ光Lを受光するレーザ受光部33が取り付けられている。
レーザ受光部33は、例えば、フォトディテクタであり、レーザ光Lの入射位置に基づいて、レバー部21の撓み変化を検出している。そして、レーザ受光部33は、検出したレバー部21の撓み変化をDIF信号としてプリアンプ34に出力している。
即ち、これら光透過部31、レーザ光源32、レーザ受光部33は、上記変位測定手段5を構成している。
また、プリアンプ34に出力されされたDIF信号は、該プリアンプ34によって増幅された後、交流−直流変換回路35によって直流変換され、Z電圧フィードバック回路36に送られる。Z電圧フィードバック回路36は、直流変換されたDIF信号が常に一定となるように、試料駆動部13をフィードバック制御する。これにより、移動手段4により走査を行ったときに、探針3aと試料表面S1との距離を、レバー部21の撓みが一定となるように制御することができる。これらプリアンプ34、交流−直流変換回路35及びZ電圧フィードバック回路36は、AFM測定系37を構成している。
また、このAFM測定系37には、パーソナルコンピュータ等の制御部38が接続されており、該制御部38がZ電圧フィードバック回路36によるフィードバック信号に基づいて、試料Sの表面形状を測定したり、位相の変化を検出して各種の物性情報(例えば、電位分布等)を測定することができるようになっている。なお、制御部38は、測定した表面形状観察結果を、図示しないモニタ等に出力している。
これら制御部38及びAFM測定系37は、上記制御手段6を構成している。なお、制御手段6は、後述する構成品を含め全ての構成品を総合的に制御する機能を有している。
ここで、カンチレバー3の土台22に設けられた外部接続端子25は、第1の作用電極7と同様に、バイポテンシオスタット11に電気的に接続されている。バイポテンシオスタット11は、参照電極8の電位を基準として、第1の作用電極7の電位を制御している。また、電気化学測定系39は、参照電極8の電位を基準として、第1の作用電極7と対極9との間に流れる電流を測定するようになっている。つまり、バイポテンシオスタット11及び電気化学測定系39は、上記電流測定手段10を構成している。
なお、電気化学測定系39は、測定した電流値を制御部38に出力する。そして、制御部38は、送られた電流値から電気化学反応測定結果として、図示しないモニタ等に出力している。
次に、このように構成された電気化学測定装置1により、第1の作用電極7、参照電極8及び対極9を利用した3点電極方式で、電気化学反応を制御しながら試料Sの反応過程を観察する場合について説明する。
まず、電解液Wが貯留された液槽2内に試料Sをセットした後、レーザ光源32及びレーザ受光部33の位置を調整する。即ち、レーザ光源32から照射したレーザ光Lが、光透過部31を通過してカンチレバー3の反射面で反射し、再度光透過部31を通ってレーザ受光部33に確実に入射するように位置調整を行う。
次いで、移動手段4により試料Sを3次元方向に微小移動させる。また、この際、レーザ光源32からカンチレバー3の反射面に向けてレーザ光Lを照射させ、反射面で反射したレーザ光Lをレーザ受光部33で検出しておく。この状態で試料表面S1と探針3aとが接触すると、試料Sに探針3aが押されてレバー部21が若干撓む。これにより、反射面で反射するレーザ光Lの角度が変化して、レーザ受光部33に入射するレーザ光Lの入射位置が変化する。従って、試料表面S1と探針3aとが接触したことを確実に判断することができる。
次に、バイポテンシオスタット11が、参照電極8の電位を基準として、第1の作用電極7、即ち、試料Sの電位を制御する。これにより、試料表面S1と対極9との間に電流が流れて試料表面S1に電気化学反応が生じ、例えば、試料S上にCu等が析出する。また、電気化学測定系39は、このときの電流の測定を行っている。
一方、この電気化学反応と同時に、移動手段4により探針3aと試料SとをXY方向に走査させて、探針3aで電気化学反応が起きている試料表面S1上の走査を行う。即ち、レバー部21の撓みが一定となるようにフィードバック制御した状態で、走査を行う。この際、電気化学反応に起因した試料表面S1の凹凸に応じて、レバー部21が撓もうとするので、レーザ受光部33に入射するレーザ光L(反射面で反射したレーザ光)の振幅が異なる。
レーザ受光部33は、この振幅に応じたDIF信号をプリアンプ34に出力する。出力されたDIF信号は、プリアンプ34によって増幅されると共に、交流−直流変換回路35によって直流変換された後、Z電圧フィードバック回路36に送られる。
Z電圧フィードバック回路36は、直流変換されたDIF信号が常に一定となるように(つまり、レバー部21の撓みが一定となるように)、試料駆動部13によりXYZステージ12をZ方向に微小移動させて、フィードバック制御を行う。これにより、上述したように試料表面S1と探針3aとの距離を、レバー部21の撓みが一定となるように制御しながら走査することができる。また、制御部38は、Z電圧フィードバック回路36により上下させる信号に基づいて、試料Sの表面形状データを取得することができる。その結果、電気化学反応により、Cu等が析出した試料表面S1の形状観察を行える。
そして、試料Sの表面形状データと、電流測定手段10で測定された測定結果とにより、両者を相関付けることができ、電気化学反応による試料Sの反応過程を観察することができる。
特に、本実施形態の電気化学測定装置1は、カンチレバー3が対極9と参照電極8とを備えており、探針3aの近傍に参照電極8及び対極9が共に配置された一体構造となっている。よって、カンチレバー3を走査させて、試料Sの表面形状を観察する際に、参照電極8及び対極9も探針3aと共に移動する。つまり、探針3aと参照電極8と対極9との相対的な位置関係を変化させることなく、一定の位置関係に維持することができる。
そのため、従来とは異なり、試料表面S1をカンチレバー3で走査する際の観察位置や試料Sの位置等に影響を受けることなく、試料S上の観察位置の電位や電流密度を常に一定にすることができる。また、同様に参照電極8の電位を基準として、観察位置における試料表面S1の電位を常に一定にすることができる。
その結果、試料表面S1をカンチレバー3で走査する際の観察位置や試料Sの位置等に影響を受けることなく、電気化学反応を正確に制御することができる。従って、電気化学反応過程中における試料表面S1の観察を高精度に行うことができ、観察結果の信頼性を向上することができる。
特に、本実施形態では、探針3a、参照電極8及び対極9は、共に同じレバー部21に設けられているので、探針3aと参照電極8と対極9とが確実に近接した状態となっている。従って、上述した作用効果がより顕著なものとなる。また、同じレバー部21に、探針3aと参照電極8と対極9とを、一度に作りこむことができるので、カンチレバー3を製造し易い。
次に、本発明に係る電気化学測定装置の第2実施形態を、図5から図7を参照して説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、第1の作用電極7、参照電極8及び対極9の電位を制御しながら、電気化学反応を行う3電極方式であったが、第2実施形態の電気化学測定装置40は、探針3aがバイポテンシオスタット11に電気的に接続されており、第1の作用電極7に加え、探針3aの電位も制御しながら4電極方式で電気化学反応を制御する点である。
即ち、本実施形態の電気化学測定装置40のカンチレバー41は、図5から図7に示すように、探針3aが参照電極8及び対極9と同様に、土台22側まで延びると共に外部に電気的接続可能な導電性膜24に電気的接続されている。この導電性膜24は、参照電極8と対極9との間を通るようにレバー部21の中心に沿って形成され、一端側が探針3aに電気的接続されていると共に、他端側が外部接続端子25に電気的に接続されている。また、この導電性膜24は、探針3aの周囲及び外部接続端子25を除く部分が、絶縁膜26によって被膜されている。
なお、図6では、絶縁膜23、26の図示を省略している。
また、外部接続端子25は、図示しないワイヤを介してバイポテンシオスタット11に電気的に接続されている。そして、バイポテンシオスタット11は、参照電極8の電位を基準として、第1の作用電極7とは別個に、探針3aの電位を制御できるようになっている。即ち、この探針3aは、第2の作用電極として機能する。
このように構成された電気化学測定装置40によれば、探針3aの電位も制御しながら、4電極方式で電気化学反応を行わせることができるので、例えば、電位がコントロールされていない試料Sを観察する場合、探針3aが近づくことで、試料表面S1に意図しない電気化学反応が生じてしまうことを防止できる。このように、探針3aの電位を制御することで、試料表面S1に影響を与えることなく、高精度な形状観察を行うことができる。更には、観察を行っている際に、試料表面S1の所望する位置で探針3aの電位を変化させて、局所的な試料Sの電気物性変化を測定することも可能である。
このように、探針3aの電位を制御することで、試料表面S1の形状をより高精度に観察したり、より多角的な観察を行うことができる。
次に、本発明に係る電気化学測定装置の第3実施形態を、図8を参照して説明する。なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、第1の作用電極7が試料Sの下に隠れるように筐体15に設けられていたのに対し、第3実施形態の電気化学測定装置は、カンチレバーと第1の作用電極とが一体的に構成されている点である。
即ち、本実施形態の電気化学測定装置は、図8に示すように、カンチレバー50が、レバー部21と平行になるように基端側が土台22に片持ち状に支持された第2のレバー部51と、該第2のレバー部51の撓みを測定するピエゾ抵抗素子(撓み測定部)52とを備えている。
第2のレバー部51は、例えば、レバー部21と同じ厚みで同じ長さだけ突出するように形成されている。ピエゾ抵抗素子52は、SOI基板にイオン注入法や拡散法等により不純物が注入されて形成されたものであり、第2のレバー部51の撓みに応じて抵抗値が変化するようになっている。また、このピエゾ抵抗素子52は、図示しない配線を介して制御部38に電気的に接続されていると共に、バイアス電圧が印加されるようになっている。そして、ピエゾ抵抗素子52は、第2のレバー部51の撓み量に応じてレベル変化する電気的信号を出力信号として制御部38に出力する。これにより、制御部38は、第2のレバー部51の撓み具合を判断できるようになっている。
また、第2のレバー部51の先端には、第1の作用電極(試料電極)53が探針3aよりも突出した状態で設けられている。この第1の作用電極53は、参照電極8及び対極9と同様に、土台22側まで延びると共に外部に電気的接続可能な導電性膜54に電気的接続されている。この導電性膜54は、第2のレバー部51の中心に沿って形成され、一端側が第1の作用電極53に電気的接続されていると共に、他端側が外部接続端子55に電気的に接続されている。また、探針3aの周囲及び外部接続端子55を除く領域上には、図示しない絶縁膜が被膜されている。また、外部接続端子55は、図示しないワイヤを介してバイポテンシオスタット11に電気的に接続されている。これにより、第1の作用電極53は、バイポテンシオスタット11によって電位が制御されるようになっている。
上述したように、本実施形態の電気化学測定装置は、カンチレバー50と第1の作用電極53とが一体的に形成されているので、探針3aの近傍に、参照電極8及び対極9に加え、第1の作用電極53も配置された状態となっている。
このように構成されたカンチレバー50を有する電気化学測定装置においては、まず、移動手段4によりカンチレバー50と試料Sとを近づける際に、第1の作用電極53が探針3aよりも試料S側に向けて突出しているので、探針3aよりも先に第1の作用電極53が試料Sに接触して導通をとることができる。この際、ピエゾ抵抗素子52から出力された電気信号により、第1の作用電極53が試料Sに接触して撓み、確実に接触したか否かを確実に判断することができる。従って、バイポテンシオスタット11は、第1の作用電極53を介して試料Sの電位を確実に制御することができる。
その後、第1実施形態と同様に、走査を行って電気化学反応過程における試料Sの表面状態の観察を行う。特に、探針3aの近傍に第1の作用電極53が配置されているので、試料表面S1を観察する探針3aの近傍でのみ電気化学反応を行わせることができる。よって、従来と異なり、探針3aによる観察を行う前に、観察位置以外での試料Sの表面状態が電気化学反応により変化してしまうことを防止することができる。その結果、電気化学反応過程における試料Sの表面形状を正確に観察することができる。
次に、本発明に係る電気化学測定装置の第4実施形態を、図9を参照して説明する。なお、この第4実施形態においては、第2実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、第1の作用電極7が試料Sの下に隠れるように筐体15に設けられていたのに対し、第4実施形態の電気化学測定装置は、カンチレバーと第1の作用電極とが一体的に構成されている点である。
即ち、本実施形態の電気化学測定装置のカンチレバー60は、図9に示すように、第3実施形態と同様に、レバー部21と平行になるように基端側が土台22に片持ち状に支持された第2のレバー部51と、該第2のレバー部51の撓みを測定するピエゾ抵抗素子52とを備えている。そして、この第2のレバー部51に、第3実施形態と同様に第1の作用電極53、導電性膜54及び外部接続端子55が設けられている。
このように構成されたカンチレバー60を有する電気化学測定装置においては、4点電極方式により電気化学反応を制御する場合、まず、第3実施形態と同様の方法により、ピエゾ抵抗素子52から出力された電気信号に基づいて、第1の作用電極53と試料Sとを確実に接触させる。この際、探針3aと試料Sとを、非接触状態にしておく。これにより、試料Sを介して探針3aと第1の作用電極53とが同電位になることを防止することができる。
その後、参照電極8の電位を基準として、探針3a及び第1の作用電極の電位をそれぞれ制御して、4電極方式により電気化学反応を行わせる。特に、探針3aの近傍に第1の作用電極53が配置されているので、第3実施形態と同様に、試料表面S1を観察する探針3aの近傍でのみ電気化学反応を行わせることができる。その結果、電気化学反応過程における試料Sの表面形状をより正確に観察することができる。
なお、探針3aの電位制御を行わない場合には、探針3aと試料Sと接触させて、3点電極方式により試料Sの観察を行うことも可能である。
なお、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、探針が形成されているレバー部に、参照電極及び対極を設けた構成にしたが、この場合に限られるものではなく、例えば、参照電極及び対極をそれぞれ別々に先端に有する専用のレバー部を設け、これらレバー部を土台で片持ち状に支持するように構成しても構わない。この場合においても、探針の近傍に参照電極及び対極が配置されるので、同様の作用効果を奏することができる。
また、上記各実施形態では、変位測定手段が、レーザ光を利用した光てこ方式によりレバー部の撓みを測定したが、光てこ方式に限定されるものではない。例えば、レバー部自身に変位検出機構(例えば、ピエゾ抵抗素子等)を設けた自己検知方式によりレバー部の撓みを測定するように構成しても構わない。
また、上記各実施形態において、試料の表面形状の観察を行う際に、振動モードSPMの1つであるDFMで測定するように構成しても構わない。
即ち、この場合には、図10に示すように、カンチレバーホルダ30と土台22との間に、レバー部21を試料表面S1に垂直なZ方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振源(加振手段)70を設ければ良い。また、変位測定手段5は、反射面で反射したレーザ光Lの入射位置から、レバー部21の振動状態の測定を行う。そして、制御部38が、変位測定手段5で測定された測定結果に基づいて、走査時に探針3aと試料Sとの距離を、レバー部21の振動状態が一定となるように、即ち、振動振幅が一定となるように移動手段4を制御するように構成すれば良い。
このように、動的な方法で試料Sの形状観察を行うことで、静的な方法に比べて測定結果の精度をより向上することができる。
また、試料、電解液、参照電極及び対極は、上述したものに限定されるものではなく、適宜変更して構わない。例えば、試料として、HOPG(高配向性熱分解グラファイトを用いても構わない。また、対極としては、銀や白金等を用いても構わない。また、参照電極としては、例えば、濃酸性電解液を用いる場合には水銀/硫酸第一水銀電極、濃アルカリ性電解液を用いる場合には水銀/酸化水銀電極、有機電解液を用いる場合にはリチウム/リチウムイオン電極等を用いても構わない。また、ECAFMでよく使用されるAu、AgやPt電極を用いても構わない。
本発明に係る電気化学測定装置の第1実施形態を示す構成図である。 図1に示すカンチレバー及び液槽周辺の拡大図である。 図1に示すカンチレバーの構成を示す斜視図である。 図3に示す断面矢視A−A図である。 本発明に係る電気化学測定装置の第2実施形態を示す構成図である。 図5に示すカンチレバーの構成を示す斜視図である。 図6に示す断面矢視B−B図である。 本発明に係る電気化学測定装置の第3実施形態を示す図であって、電気化学測定装置が有するカンチレバーの斜視図である。 本発明に係る電気化学測定装置の第4実施形態を示す図であって、電気化学測定装置が有するカンチレバーの斜視図である。 図3に示すカンチレバーの変形例であって、加振源によりレバー部が所定の周波数で振動するカンチレバーの図である。 従来のECAFMの構成を示す一例である。
符号の説明
S 試料
S1 試料表面
W 電解液
1、40 電気化学測定装置
2 液槽(溶液セル)
3、41、50、60 カンチレバー
3a 探針
4 移動手段
5 変位測定手段
6 制御手段
7、53 第1の作用電極(試料電極)
8 参照電極
9 対極
10 電流測定手段
21 レバー部
22 土台(支持部)
51 第2のレバー部
52 ピエゾ抵抗素子(撓み測定部)
70 加振源(加振手段)




Claims (5)

  1. 電解液中で電気化学反応を制御しながら、試料の反応過程を観察する電気化学測定装置であって、
    前記試料を電解液内に浸漬した状態で収容する溶液セルと、
    先端に探針を有するレバー部と、該レバー部の基端側を片持ち状に支持する支持部とを有し、前記電解液に浸漬された状態で前記試料に対向配置されたカンチレバーと、
    前記探針と前記試料とを、試料表面に平行な方向に相対的に走査させると共に、試料表面に垂直な方向に相対的に移動させる移動手段と、
    前記レバー部の撓みを測定する変位測定手段と、
    該変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料表面との距離を、前記レバー部の撓みが一定となるように前記移動手段を制御すると共に、試料の表面形状データを取得する制御手段と、
    前記試料に電気的に接触する試料電極と、
    前記電解液内に浸漬された状態で配された参照電極及び対極と、
    前記参照電極の電位を基準として前記試料電極の電位を制御すると共に、試料電極と対極との間に流れる電流を測定する電流測定手段とを備え、
    前記カンチレバーが、前記参照電極及び前記対極を備えており、前記探針の近傍に参照電極及び対極が配置されていることを特徴とする電気化学測定装置。
  2. 請求項1に記載の電気化学測定装置において、
    前記カンチレバーは、前記レバー部と平行になるように基端側が前記支持部に片持ち状に支持された第2のレバー部と、該第2のレバー部の撓みを測定する撓み測定部とを備え、
    前記試料電極が、前記探針よりも前記試料側に突出した状態で、前記第2のレバー部の先端に設けられていることを特徴とする電気化学測定装置。
  3. 請求項2又は3に記載の電気化学測定装置において、
    前記探針は、前記電流測定手段に対して電気的に接続されていると共に、前記参照電極の電位を基準として、前記試料電極とは別個に電位が制御可能とされていることを特徴とする電気化学測定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の電気化学測定装置において、
    前記参照電極及び前記対極は、前記探針と共に前記レバー部の先端に設けられていることを特徴とする電気化学測定装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の電気化学測定装置において、
    前記レバー部を前記試料表面に垂直な方向に向けて、所定の周波数で振動させる加振手段を備え、
    前記変位測定手段が、前記レバー部の振動状態を測定し、
    前記制御手段が、前記変位測定手段による測定結果に基づいて、前記走査時に前記探針と前記試料との距離を、前記カンチレバーの振動状態が一定となるように前記移動手段を制御することを特徴とする電気化学測定装置。


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