JP3366929B2 - 光伝搬体プローブの透過孔形成方法および透過孔形成手段を有する走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

光伝搬体プローブの透過孔形成方法および透過孔形成手段を有する走査型プローブ顕微鏡

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JP3366929B2 JP05078194A JP5078194A JP3366929B2 JP 3366929 B2 JP3366929 B2 JP 3366929B2 JP 05078194 A JP05078194 A JP 05078194A JP 5078194 A JP5078194 A JP 5078194A JP 3366929 B2 JP3366929 B2 JP 3366929B2
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徳男 千葉
宏 村松
龍明 安宅
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科学技術庁長官官房会計課長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光伝搬体プローブの
透過孔形成方法および透過孔形成手段を有する走査型プ
ローブ顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】原子間力顕微鏡(AFM)は、走査型ト
ンネル顕微鏡(STM)に対して、試料の電導性の有無
にかかわらず試料表面の微細な形状を観察することがで
きることから広く普及している。このAFMは、試料と
測定プローブの間に働く原子間力によって、測定プロー
ブを支持しているバネ要素がたわむことを利用した測定
法である。
【0003】一方、先端が尖鋭化された光媒体からなる
プローブを光の波長以下まで測定試料に近づけることに
よって、試料の光学特性や形状を測定しようという試み
があり、いくつかの近接場光顕微鏡が提案されている。
この一つの装置として、試料の裏面からレーザー光を試
料裏面で全反射するように照射して、試料表面にもれだ
すエバネッセント光を微動機構を有する光ファイバープ
ローブの先端を近接させることによって検出して、一定
のエバネッセント光を検出するようにプローブを走査す
るかあるいはプローブを水平に走査してエバネッセント
光の強度変化を測定することによって、表面形状を観察
する装置が提案されている。
【0004】また、試料に対して垂直に保持した光ファ
イバープローブの先端を試料表面に対して水平に振動さ
せ、試料表面とプローブ先端の摩擦によって生じる振動
の振幅の変化を光ファイバー先端から照射され試料を透
過したレーザー光の光軸のズレとして検出し、試料を微
動機構で動かすことによって、プローブ先端と試料表面
の間隔を一定に保ち、微動機構に入力した信号強度から
表面形状を検出するとともに試料の光透過性の測定を行
う装置が提案されている。
【0005】さらに、導電性を持つ光媒体からなるプロ
ーブをSTMのプローブとして用い、同時に試料の光学
的特性を測定する装置も提案されている。これらの光伝
搬体プローブを用いる走査型プローブ顕微鏡では、プロ
ーブ先端に微小な透過孔を形成しなければならない。こ
の透過孔形成は、透過孔部の被覆を機械的に除去する方
法や、直線プローブについては透過孔部を蒸着源の反対
に向けてプローブを回転しながら蒸着する方法などが用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、透過孔の形成
に関して、透過孔部に金属膜が付着しないように被覆す
ることは上記のような特別の蒸着技術が要求され容易で
はなく、また、直線プローブ以外には適用できない。ま
た、透過孔部の金属膜被覆を機械的に除去する方法は容
易ではあるが、先端部を損傷する可能性がある。
【0007】本発明の目的は、光伝搬体プローブの先端
に損傷を与えずに容易に透過孔を形成させ、高分解能の
走査型プローブ顕微鏡を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、端部に光を透過する透過孔を有する光
伝搬媒体からなり、透過孔部が尖鋭な先端部と成るよう
に構成され、透過孔部を除く先端部に金属膜被覆を有す
る光伝搬体プローブの透過孔形成方法であって、光伝搬
体プローブの透過孔部を含む先端部に金属膜被覆を形成
する工程と、前記プローブの先端部を導電体基板に接触
させ、前記プローブと前記導電体基板間に所定の電圧あ
るいは電流を印加して、前記プローブの先端部と前記導
電体基板との間の微小部分のアーク放電による衝撃によ
り、或いは、前記微小部分の発熱により、或いは、前記
微小部分の酸化により、前記透過孔部に対応する金属膜
被覆を除去する工程よりなることを特徴とする。
【0009】上記導電体基板は、光透過基板上に電気的
に接続された微細パターンを配置した透過孔形成用基板
を用いた。また、光伝搬体プローブの透過孔形成方法
は、第1に透過孔部を含む先端部に金属膜被覆を形成
し、第2にプローブを電解質を含むゲル膜に接触させ、
透過孔部に対応する金属膜被覆を除去する方法とした。
【0010】さらに、本発明は、走査型プローブ顕微鏡
において、金属膜被覆を有する光伝搬体プローブと、前
記プローブを透過孔形成用基板に接触させる動作を制御
するためのプローブ間距離制御手段と、透過孔形成のた
めにプローブと透過孔形成用基板間に電圧又は電流を印
加して、前記プローブの先端部と前記透過孔形成用基板
との間の微小部分にアーク放電による衝撃を発生させ、
或いは、前記微小部分に発熱を生じさせ、或いは、前記
微小部分に酸化を発生させるためのバイアス電源と、を
有することを特徴とする。
【0011】
【作用】上記のような走査型プローブ顕微鏡の透過孔形
成方法では、金属膜被覆のみを電気的衝撃や熱、化学的
エッチングにより除去できるため、プローブの光伝搬体
先端に損傷を与えずに容易に透過孔を形成することがで
きる。また、金属膜被覆は透過孔部を含む先端部に形成
してよいため、従来技術の項で説明した蒸着法が直線プ
ローブのみ適用可能であるのに対し、先端を鈎状に成形
したプローブについても透過孔を形成することができ
る。
【0012】透過孔の大きさは、プローブと導電体基板
間に印加する電圧の大きさ、時間的長さあるいは電流の
大きさ、時間的長さにより変化させることができる。ま
た、透過孔は電解質を含むゲル膜に接触している部分の
金属膜被覆が化学的エッチングにより除去されることに
より形成されるので、プローブの接触深さにより透過孔
の大きさを変化させることができる。
【0013】さらに、上記のような透過孔形成のために
プローブと透過孔形成用基板間に電圧あるいは電流を印
加するためのバイアス電源を有する走査型プローブ顕微
鏡では、試料として光透過基板上に電気的に接続された
微細パターンを配置した透過孔形成用基板を用いること
により、プローブと透過孔形成用基板間に電圧あるいは
電流を印加して透過孔を形成し、そのまま試料を交換せ
ずに透過孔形成用基板の光像および形状像を測定し、容
易に透過孔の大きさ、位置などの状態を確認することが
可能である。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の第1実施例を示す光伝搬体
プローブの透過孔形成方法を表した図である。
【0015】図1(A)は、光ファイバー1の先端を先
鋭化する工程を示したものであり、図では先鋭化した光
ファイバーを表している。光ファイバー1を加熱しなが
ら分離されるまで、両端を引き伸ばし尖鋭化する。この
加熱方法としては、白金線をコイル状に巻き、コイルの
中心に光ファイバーを通し、白金線に電流を流して高温
に発熱させることで製作する。また、光ファイバーに炭
酸ガスレーザーの光を集光してあて、両端を引き伸ばす
ことによっても製作することができる。いずれの方法に
おいても、先端径を測定に十分使用可能な0.1μm以
下にすることが可能である。また、エッチングによって
も尖鋭化することが可能である。エッチングには、フッ
酸とフッ化アンモニウムの混合液を用い、5分から90
分先端を浸漬する。光ファイバーは様々なコア径、クラ
ッド径のシングルモードファイバーおよびマルチモード
ファイバー、さらに偏波面保存ファイバーなどを用いる
ことが可能である。他の光伝搬体としてはキャピラリー
を用いることもできる。
【0016】図1(B)は、先鋭化した光ファイバー1
の透過孔部を含む先端部に金属膜被覆2を形成する工程
を示した図である。金属膜としてはアルミニウム、モリ
ブデン、金、白金、ニッケルなどの電気伝導性を有し、
光を反射する材料が用いられる。被覆形成方法としては
蒸着、スパッタなどの真空成膜法や無電解メッキ、電解
メッキなどの化学的成膜法が用いられる。
【0017】図1(C)は、プローブを導電体基板3に
接触させ、電圧源4によりプローブと導電体基板3間に
電圧を印加して透過孔部に対応する金属膜被覆2を除去
する工程を示したものである。このとき、プローブ先端
と導電体基板3間の微小部分のアーク放電による衝撃、
発熱あるいは酸化により透過孔部に対応する金属膜被覆
が除去され図1(D)に示すような透過孔が形成され
る。プローブと導電体基板3間に印加する電圧波形とし
ては直流、交流、パルス、ランプなどを用いることがで
きる。このとき、印加する電圧の大きさおよび時間的長
さによって透過孔の大きさを変化させることができる。
【0018】図2は本発明の第2実施例を示す光伝搬体
プローブの透過孔形成方法を表した図である。図2は図
1に示した第1実施例の図1(C)に示した工程に対応
する工程であり、その他の工程は図1に示した実施例と
同一である。先鋭化し、金属膜被覆2を形成した光ファ
イバープローブ1を導電体基板3に接触させ、電流源5
によりプローブと導電体基板3間に電流を印加する。こ
のとき、プローブ先端と導電体基板3間の微小部分のア
ーク放電による衝撃、発熱あるいは酸化により透過孔部
に対応する金属膜被覆が除去される。プローブと導電体
基板3間に印加する電流波形としては直流、交流、パル
ス、ランプなどを用いることができる。このとき、印加
する電流の大きさおよび時間的長さによって透過孔の大
きさを変化させることができる。
【0019】図3は本発明の第3実施例を示す光伝搬体
プローブの透過孔形成方法を表した図である。図3は図
1に示した第1実施例の図1(C)に示した工程に対応
する工程であり、その他の工程は図1に示した実施例と
同一である。先鋭化し、金属膜被覆2を形成した光ファ
イバープローブ1を電解質を含むゲル膜6を形成した基
板7に接触させ、化学的エッチングにより透過孔部に対
応する金属膜被覆を除去する。このとき、電解質を含む
ゲル膜6への接触部の金属膜被覆が除去されるため、透
過孔の大きさはその接触深さにより変化させることがで
きる。
【0020】例えば金属膜被覆2としてアルミニウムを
用いた場合、電解質として希硝酸、燐酸などが採用され
る。それらの酸をゲル化剤と混合して基板7にスピンコ
ートすることにより電解質を含むゲル膜6を形成するこ
とができる。ゲル化剤としてはPVA(ポリビニルアル
コール)などのビニル系高分子、ポリアクリルアミドな
どのアクリル系高分子、AGAR(寒天)などの多糖類
が用いられる。また、金属膜被覆2としてニッケルを用
いた場合、電解質としては塩酸、希硝酸などが用いられ
る。さらに、金属膜被覆2としてモリブデンを用いた場
合、電解質としては硝酸、燐酸などが用いられる。すな
わち、電解質として金属膜被覆2を溶解できる酸を用い
ることができる。
【0021】また、例えば金属膜被覆2としてアルミニ
ウムを用いた場合、電解質として水酸化ナトリウムを採
用することも可能である。すなわち、金属膜被覆2を溶
解できるアルカリは本実施例の電解質として用いられ
る。金属膜被覆2として金を用いた場合は、ヨウ素とヨ
ウ化カリウムを混合して電解質として用いることができ
る。
【0022】さらに、金属膜被覆2としてタングステン
を用いた場合、図1に示した第1実施例との組み合わせ
で、導電体基板3上にアルカリ性の電解質を含むゲル膜
6を形成し、プローブをゲル膜6に接触させ、プローブ
と導電体基板3間に電圧を印加することにより透過孔部
に対応する金属膜被覆2を除去することができる。すな
わち、導電体基板3上に電解質を含むゲル膜6を形成
し、プローブを接触させ、かつ電圧を印加することによ
り、電気化学的に透過孔部に対応する金属膜被覆を取り
除くこともできる。
【0023】上記のような光伝搬体プローブの透過孔形
成方法によれば、金属膜被覆2のみを電気的衝撃や熱、
化学的エッチング、電気化学エッチングにより除去でき
るため、プローブの光伝搬体の先端に損傷を与えずに容
易に透過孔を形成することができる。従って、機械的に
金属膜被覆を除去する方法と比較して、分解能を向上さ
せることが可能である。特に光伝搬体プローブを原子間
力顕微鏡やずり力型原子間力顕微鏡のプローブとして使
用し、形状像と光像を同時に観察する場合、形状像を劣
化させることなく高分解能で光像を得ることが可能とな
る。
【0024】また、上記の実施例は直線プローブについ
て図示したが、先端を鈎状に成形したプローブについて
も同様に透過孔を形成することができ、その作用および
効果は上記の実施例と変わるところはない。図4は本発
明の第4実施例を示す透過孔形成用基板を表した図であ
り、図4(A)は平面図であり、図4(B)はその断面
図である。基板11上に格子状に金属薄膜パターン12
を配置したものである。基板11としてはガラス基板、
マイカなど光透過性を有する基板が用いられる。金属膜
の材料としてはアルミニウム、ニッケル、クロム、モリ
ブデンなどの導電性を有する金属が用いられる。金属薄
膜パターンの膜厚は数ナノメータから数100ナノメー
タ、パターンサイズは例えば図示した角穴の1辺が0.
1ミクロンから10ミクロンで、公知の薄膜堆積技術、
薄膜パターニング技術を用いて作製することが可能であ
る。
【0025】上記のような透過孔形成用基板を、プロー
ブと透過孔形成用基板間に電圧あるいは電流を印加する
ためのバイアス電源を有する走査型プローブ顕微鏡に試
料として使用し、プローブを金属薄膜パターン12に接
触させて、本発明の第1実施例または第2実施例に示し
た透過孔形成方法を実施すれば、詳しくは図6の実施例
で後述するが、透過孔の大きさによる光像の状態を確認
しながら透過孔を形成することが可能である。透過孔形
成用基板とバイアス電源との電気的な接続は、ワイヤー
ボンディングや導電性ペーストを用いて行うことができ
る。図4では格子状の金属膜パターンを示したが、縞状
パターン、穴パターンを用いても同様の作用および効果
が得られる。
【0026】図5は本発明の第5実施例を示す透過孔形
成用基板の断面図である。11は基板、12は金属薄膜
パターン、13は透明導電薄膜である。基板11上に透
明導電薄膜13を堆積しさらに金属薄膜パターン12を
配置した構成である。透明導電薄膜13の材料としては
ITO、酸化錫などが用いられ、膜厚は数ナノメータか
ら数100ナノメータである。
【0027】上記のような透過孔形成用基板を、プロー
ブと透過孔形成用基板間に電圧あるいは電流を印加する
ためのバイアス電源を有する走査型プローブ顕微鏡に試
料として使用すれば、プローブを透過孔形成用基板表面
のどこに接触させても前の実施例と同様の作用および効
果が得られる。さらに、本実施例の場合、金属薄膜パタ
ーン12は島状のパターンとすることも可能である。
【0028】図5は透明導電薄膜13を金属薄膜パター
ン12の下に設置したが、透明導電薄膜13を金属薄膜
パターン12の上に設置しても同様の作用および効果が
得られる。図6は本発明の実施例を示す走査型プローブ
顕微鏡の構成を表した図であり、光伝搬体プローブを原
子間力顕微鏡のカンチレバーとして用いた構成である。
20は本発明により設置した透過孔形成のためにプロー
ブと透過孔形成用基板10間に電圧あるいは電流を印加
するためのバイアス電源である。バイモルフ28に設置
された光伝搬体プローブ21の上方にレーザー光源2
3、集光レンズ24、光電変換素子25が設置されてお
り、レーザー光源23のレーザー光は、集光レンズ24
によって光伝搬体プローブ21背面に集光され、反射光
が光電変換素子25に導入されている。光情報測定用の
光源30から放出された光は、集光レンズ31によっ
て、光伝搬体プローブ21に導入され、光伝搬体プロー
ブ21の先端からレンズ37の上に置かれた透過孔形成
用基板10の表面に照射される。斜面を全反射コートさ
れたプリズム32の内面で反射した光は光電変換素子3
9に導入される。プリズム32およびレンズ37は、縦
横深さ方向の移動が可能な粗動機構41および微動機構
42の上に設置されている。43は装置全体を制御する
コントローラである。
【0029】原子間力顕微鏡動作により光伝搬体プロー
ブ21を透過孔形成用基板10に接近させ接触させる。
次にバイアス電源20により電圧または電流を光伝搬体
プローブ21と透過孔形成用基板10の間に印加する。
すなわち、本発明の第1実施例または第2実施例に示し
た透過孔形成方法を実施すれば、光伝搬体プローブ21
の先端の接触部に透過孔を形成することが可能である。
このとき、実際にプローブを走査して透過孔形成用基板
10の光像と形状像を同時に測定すれば、透過孔の大き
さや位置など透過孔の状態を、プローブを取り外したり
試料を交換したりせずに容易に確認することができる。
【0030】原子間力顕微鏡の動作はプローブと試料が
定常的に接触するコンタクトモード、間欠的に接触する
サイクリックコンタクトモードのどちらでも実施可能で
ある。また、試料を本発明の第3実施例で示した電解質
を含むゲル膜とすれば、原子間力顕微鏡動作により光伝
搬体プローブ21を試料に接近させ接触させることによ
り透過孔を形成することができる。このとき接触深さは
プローブが検出する原子間力の大きさにより制御可能で
ある。
【0031】上記の実施例は光伝搬体プローブ21を原
子間力顕微鏡のカンチレバーとして用いた構成を示した
が、ずり力型原子間力顕微鏡や走査型トンネル顕微鏡な
どに用いても、透過孔形成のためにプローブと透過孔形
成用基板10間に電圧あるいは電流を印加するためのバ
イアス電源20を設置すれば同様の作用および効果が得
られる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による走査
型プローブ顕微鏡の光伝搬体プローブの透過孔形成方法
では、プローブの先端に損傷を与えずに容易に透過孔を
形成することができる。従って、分解能を向上させるこ
とが可能である。特に光伝搬体プローブを原子間力顕微
鏡やずり力型原子間力顕微鏡のプローブとして使用し、
形状像と光像を同時に観察する場合、形状像を劣化させ
ることなく高分解能で光像を得ることが可能となる。
【0033】また、透過孔の大きさは、プローブと導電
体基板間に印加する電圧あるいは電流により変化させる
ことができ、容易に所望の大きさの透過孔を形成するこ
とが可能である。また、透過孔の大きさは酸性ゲル膜あ
るいはアルカリ性ゲル膜へのプローブの接触深さにより
変化させることができる。
【0034】さらに、本発明による透過孔形成のための
プローブと透過孔形成用基板間に電圧あるいは電流を印
加するためのバイアス電源を有する走査型プローブ顕微
鏡では、試料として光透過基板上に電気的に接続された
微細パターンを配置した透過孔形成用基板を用いること
により、透過孔の大きさや位置など透過孔の状態を、プ
ローブを取り外したり試料を交換したりせずに容易に確
認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す光伝搬体プローブの
透過孔形成方法を表した図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す光伝搬体プローブの
透過孔形成方法を表した図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す光伝搬体プローブの
透過孔形成方法を表した図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す透過孔形成用基板を
表した図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す透過孔形成用基板の
断面図である。
【図6】本発明の実施例を示す走査型プローブ顕微鏡の
構成を表した図である。、
【符号の説明】
1 光ファイバー 2 金属膜被覆 3 導電体基板 4 電圧源 5 電流源 6 電解質を含むゲル膜 7 基板 10 透過孔形成用基板 11 基板 12 金属薄膜パターン 13 透明導電薄膜 20 透過孔形成用バイアス電源 21 光伝搬体プローブ 23 レーザー光源 24 集光レンズ 25 光電変換素子 28 バイモルフ 30 光情報測定用光源 31 集光レンズ 32 プリズム 37 レンズ 39 光電変換素子 41 粗動機構 42 微動機構 43 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−34824(JP,A) 特公 平5−21201(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 13/10 - 13/24 G12B 21/00 - 21/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部に光を透過する透過孔を有する光伝
    搬媒体からなり、透過孔部が尖鋭な先端部と成るように
    構成され、透過孔部を除く先端部に金属膜被覆を有する
    光伝搬体プローブの透過孔形成方法であって、光伝搬体
    プローブの透過孔部を含む先端部に金属膜被覆を形成す
    る工程と、前記プローブの先端部を導電体基板に接触さ
    せ、前記プローブと前記導電体基板間に所定の電圧を印
    加して、前記プローブの先端部と前記導電体基板との間
    の微小部分のアーク放電による衝撃により、或いは、前
    記微小部分の発熱により、或いは、前記微小部分の酸化
    により、前記透過孔部に対応する金属膜被覆を除去する
    工程よりなることを特徴とする光伝搬体プローブの透過
    孔形成方法。
  2. 【請求項2】 端部に光を透過する透過孔を有する光伝
    搬媒体からなり、透過孔部が尖鋭な先端部と成るように
    構成され、透過孔部を除く先端部に金属膜被覆を有する
    光伝搬体プローブの透過孔形成方法であって、光伝搬体
    プローブの透過孔部を含む先端部に金属膜被覆を形成す
    る工程と、前記プローブの先端部を導電体基板に接触さ
    せ、前記プローブと前記導電体基板間に所定の電流を印
    加して、前記プローブの先端部と前記導電体基板との間
    の微小部分のアーク放電による衝撃により、或いは、前
    記微小部分の発熱により、或いは、前記微小部分の酸化
    により、前記透過孔部に対応する金属膜被覆を除去する
    工程よりなることを特徴とする光伝搬体プローブの透過
    孔形成方法。
  3. 【請求項3】 端部に光を透過する透過孔を有する光伝
    搬媒体からなり、透過孔部が尖鋭な先端部と成るように
    構成され、透過孔部を除く先端部に金属膜被覆を有する
    光伝搬体プローブの透過孔形成方法であって、光伝搬体
    プローブの透過孔部を含む先端部に金属膜被覆を形成す
    る工程と、前記プローブの先端部を電解質を含むゲル膜
    に接触させ、前記透過孔部に対応する金属膜被覆を除去
    する工程よりなることを特徴とする光伝搬体プローブの
    透過孔形成方法。
  4. 【請求項4】 前記導電体基板は、光透過性材料からな
    る基板上に電気的に接続された微細パターンを配置した
    透過孔形成用基板である請求項1または請求項2記載の
    光伝搬体プローブの透過孔形成方法。
  5. 【請求項5】 金属膜被覆を有する光伝搬体プローブ
    と、前記プローブを透過孔形成用基板に接触させる動作
    を制御するためのプローブ間距離制御手段と、透過孔形
    成のためにプローブと透過孔形成用基板間に電圧又は電
    流を印加して、前記プローブの先端部と前記透過孔形成
    用基板との間の微小部分にアーク放電による衝撃を発生
    させ、或いは、前記微小部分に発熱を生じさせ、或い
    は、前記微小部分に酸化を発生させるためのバイアス電
    源と、を有することを特徴とする走査型プローブ顕微
    鏡。
JP05078194A 1994-03-22 1994-03-22 光伝搬体プローブの透過孔形成方法および透過孔形成手段を有する走査型プローブ顕微鏡 Expired - Lifetime JP3366929B2 (ja)

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